JP2002079957A - ボンネット及びこの構成板材 - Google Patents

ボンネット及びこの構成板材

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JP2002079957A
JP2002079957A JP2000272057A JP2000272057A JP2002079957A JP 2002079957 A JP2002079957 A JP 2002079957A JP 2000272057 A JP2000272057 A JP 2000272057A JP 2000272057 A JP2000272057 A JP 2000272057A JP 2002079957 A JP2002079957 A JP 2002079957A
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suction
bonnet
radiator
holes
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JP2000272057A
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Susumu Ichiki
享 市来
Takanori Sakai
隆徳 坂井
Hironobu Kubota
博信 窪田
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボンネットを構成する多孔側板はゴミ詰まり
が多くてエンジンのオーバーヒートを招いていた。 【解決手段】 ラジエータ4の左右に側板13が配設さ
れ、この左右側板13のラジエータ4の吸込側に、側板
13の板厚と略同じかやや薄い間隔で多数の孔14Aを
形成してこの孔群によって吸込部14が構成され、この
吸込部14における孔14Aの直径は前記板厚の略2倍
の大きさとされているボンネット6を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ、建機
(バックホー等)に使用(利用)されるラジエータを含
んでエンジンルームを取り囲む(エンジンルームを構成
する)ボンネット及びこの構成板材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】トラクタ等の走行車両において、運転席
の前方にエンジンが搭載され、このエンジンとその周辺
に付設される各種機器類やエンジン補機等とがボンネッ
トによって取り囲まれることにより、このボンネット内
にエンジンルームが形成されているものがある。走行車
両がトラクタである場合には、車両後部に、重量のある
作業機を接続したり、急な段差等を上り下りしたりする
ことが多いことから、特に、前後方向の重心バランスを
よくすることに特別な配慮が必要とされている。一般的
には、走行車両の前方へ重心をおくのが好適とされてい
る。そのため、エンジンルーム内の前方へ各種機器類や
エンジン補機等を集めるようにし、また中でも比較的重
たいものは前方へ、反対に軽いものは後方(運転席寄
り)へ割り振ることが行われてきている。
【0003】ところで、昨今では、走行車両の高出力化
が望まれ、これに伴ってエンジンが大型化される傾向に
ある。そのため、各種機器類やエンジン補機等には、上
記したレイアウト上の制約のみならず、設置スペースが
手狭になるという問題も生じ、エンジンルーム内のレイ
アウトはますます複雑になる傾向にある。上記のように
エンジンルーム内が過密化し、またレイアウトが難しく
なると、ラジエータの正面にも、例えばバッテリ等のエ
ンジン補機を設置せざるを得なくなる場合がある。その
結果、ラジエータに対する空気の取り込みを確保するこ
とが困難になるおそれがあった。このことは、走行車両
がトラクタ、バックホー等のように高速走行を要求され
ない車両である場合には、特に深刻な問題となる。
【0004】また、エンジンが大型化することによって
ラジエータによる冷却能力の強化、即ち、ラジエータの
大型化もが必要とされる場合であれば、空気の取り込み
を更に十分なものとさせてエンジンの耐オーバーヒート
性の改良する必要がでてくる。このような実情の下で、
特開平11−91370号公報には、次のように構成し
た走行車両の冷却空気流通構造が提案されている(従来
例)。すなわち、エンジンルームを取り囲むボンネット
の正面部にグリル部が設けられてエンジンルーム内のラ
ジエータへ空気の取り込みが可能になされていると共
に、ラジエータ及び該ラジエータ正面に配されたエンジ
ン補機をエンジンルーム内で支持する前車軸フレームの
幅方向中央空間からも上記エンジン補機の設置部下部を
介してラジエータに対する空気の取り込みが可能になさ
れていることを特徴とする走行車両の冷却空気流通構
造。
【0005】前記前車軸フレームには、ラジエータ設置
部より前部で前記エンジン補機を所定高さに保持しつつ
立ち上がる左右一対の前部下位側板が設けられていると
共に、ラジエータ設置部より後部で立ち上がる左右一対
の後部下位側板が設けられており、これら前後の下位側
板がいずれもエンジンルーム内外での通気性を具備して
空気補助取入部及び空気補助吐出部として形成されてい
ることを特徴とする走行車両の冷却空気流通構造。前記
前車軸フレームには、ラジエータ設置部より後部に対し
て、ラジエータを出た排気流が前方へ吹き返されるのを
阻止可能にした逆流阻止板が設けられていることを特徴
とする走行車両の冷却空気流通構造。
【0006】前記前後の下位側板は、いずれもボンネッ
トの側板と共に外装の一部となされており、後部下位側
板が前部下位側板の後方延長上に揃う配置とされている
ことを特徴とする走行車両の冷却空気流通構造。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】走行車両の冷却空気流
通構造が、前述した従来例のように吸込型であるにしろ
吹出型であっても、冷却空気流通路を形成するとき、ボ
ンネットにプレス成形等によって開口(通路)を穿け、
この開口を総パンチングメタル(金属板材(ボンネット
構成板材)の全体に亘って多数の孔を開設したものをい
う)で貼付(溶接)してその大開口の周縁に固着した手
段(従来例の1)と、比較的大きな孔径の孔群よりなる
部分パンチング板材をボンネット側板等の構成板材とす
る手段(従来例の2)とが採用されている(前述後方の
側板が従来例の2に相当する)。
【0008】従来例の1は、冷却空気流通路を形成する
多孔板材を大きな開口を塞ぐように溶接にて固着してい
ることから溶接歪の発生が生じるという課題があった。
また、従来例の2は、部分パンチング板材の孔径が比較
的大径であることから流速(冷却流の吸込部での流速)
が速く、ホコリ、虫等の異物がエンジンルーム内に侵入
し易く、エンジンのオーバーヒートの要因となるおそれ
があり、また、吸込部に異物が付着(空気流による吸
着)し易くこれが落下しなくなると(吸着したままにな
ると)増々オーバーヒートの要因となる等々の課題があ
った。
【0009】本発明は、ボンネットに形成される多孔板
よりなる吸込部の開口率を上げ(従来は32%であった
のを例えば45%とする)ることにより、ホコリ、虫等
の異物がエンジンルーム内に侵入するのを防止し、冷却
風(吸込風)の流速を遅くすることによって異物の吸着
力を抑え、エンジンのオーバーヒートをなくし得るよう
にしたボンネット及びこの構成板材を提供することが主
目的である。更に、吸込部および/又は排出部を部分パ
ンチング板材で構成することにより、外観性能(比較的
遠方から見たときの孔形成部位の判別がわからないよう
にする)を維持しつつエンジンルーム内の整備・点検の
際の内部透視が可能なボンネット及びこの構成部材を提
供することが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ラジエータ4
を含んでエンジンルームを取り囲むボンネット6におい
て、前述の目的を達成するために、次の技術的手段を講
じている。すなわち、請求項1に係るボンネットは、ラ
ジエータ4の左右に側板13が配設され、この左右側板
13のラジエータ4の吸込側に、側板13の板厚と略同
じかやや薄い間隔で多数の孔14Aを形成してこの孔群
によって吸込部14が構成され、この吸込部14におけ
る孔14Aの直径は前記板厚の略2倍の大きさとされて
いることを特徴とするものである。
【0011】このような構成を採用することによって、
吸込部14における多数の孔14Aの径が小さくとも開
口率が大きくできて吸気大となって流速が遅くできてゴ
ミ等の付着(吸着)が抑制されてエンジンのオーバーヒ
ートを阻止できるのである。ここで、孔14Aの間隔と
は隣り合う孔14Aの孔縁距離をいう(以下、同じ)。
前記吸込部14を構成する孔群は、側板13を部分パン
チングして形成され、この部分パンチングの外縁はパン
チングなしの縁取板23とされていることが推奨される
(請求項2)。
【0012】このように部分パンチングの外縁をパンチ
ングなしの縁取板23と形成することにより、プレス成
形するときの破れ、端部処理が良好となって全体に亘っ
ての板材強度(変形防止)も向上できるのである。更
に、請求項3に係るラジエータ4を含んでエンジンルー
ムを取り囲むボンネット6は、ラジエータ4の左右に側
板13が配設され、この左右側板13のラジエータ4の
前後に吸込部14と排出部15とが区画形成され、前記
吸込部14と排出部15のそれぞれは側板13の板厚と
略同じかやや薄い間隔でかつ直径は板厚の略2倍の大き
さの多数の孔14A、15Aを形成してこの孔群によっ
て構成されていることを特徴とするものであり、前記吸
込部14および排出部15を構成する孔群は、側板13
の前後を部分パンチングして形成され、この部分パンチ
ングの外縁はパンチングなしの縁取板23、24とされ
ていることが推奨される(請求項4)。
【0013】また、請求項1〜4のいずれかに記載のボ
ンネット6において、前記吸込部14および/又は排出
部15を構成する孔群は、この吸込部14および/又は
排出部15の中央部位を占める孔間隔に対して少なくと
も前後部位を占める孔間隔が粗くされていることが推奨
される(請求項5)。このような構成とすることによっ
てプレス成形時の破れを防止(変形防止)して断面変化
が極端ではなく緩やかとなってプレス成形のときの応力
分散が良好となってボンネット6としての耐久性が確保
できるのである。
【0014】前述した請求項3〜5のいずれかに記載の
ボンネット6において、前記ラジエータ4の前後に区画
形成した吸込部14と排出部15とを構成する部分パン
チングによる孔群は、吸込部14と排出部15とでその
孔径が異なっていることが推奨される(請求項6)。こ
のように吸込部14と排出部15との孔群における孔径
を、吸込部14では小径で排出部15では大径とするよ
うに孔径を異にすることにより、吸込部14での流速を
抑えてゴミ等の異物付着(吸着)を防止し、排出部15
では流速を早めることができてエンジンのオーバーヒー
トを確実に防止できるのである。
【0015】前述した請求項3〜6のいずれかに記載の
ボンネット6において、ラジエータ4の前後に吸込部1
4と排出部15とを区画形成するパンチングなしの縁取
板24は、その内側(裏側)に遮風部材34が装着可能
とされていることが推奨される(請求項7)。このよう
な遮風部材34(逆流防止板材であり、スポンジ、発泡
ウレタンゴム等の弾性材で構成する)を備えることによ
って、ラジエータ4のコア部分を通過した熱交換済の熱
風(温風)が再度吸込部14に逆流するのを防止できて
熱交換率を損なうことがなく、延いては耐オーバーヒー
ト性能を向上できるのである。
【0016】本発明に係るボンネットの構成板材は、前
述した請求項1〜7のいずれかに記載の左右の側板13
で構成することができ(請求項8)、また、請求項8に
記載の構成板材は、金属板材をパンチング加工するとと
もにプレス成形してなり、その表面に塗料が施着されて
いることが推奨される(請求項9)。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を参照して説明する。なお、以下の図示例ではラジ
エータは吸込型(ボンネット内に冷却風を導入する形
式)を例示するが吹出型であっても良く、また、ボンネ
ットは、2軸4車輪形のトラクタ用として例示している
が、バックホー等の建機にも適用可能である。図1は2
軸4車輪形のトラクタで例示する走行車両1を斜視図で
示しており、左右一対の前輪2と左右一対の後輪3を備
え、前輪2は図示しないステアリング装置によって操向
可能とされ、後輪3は駆動輪とされている(但し、左右
の前輪2を駆動することは自由である)。
【0018】トラクタ1における車体の前部側寄り(前
輪側寄りで左右前輪間)に、ラジエータ4およびエンジ
ン5が搭載されており、これらを含んでエンジンルーム
を取り囲んで(エンジンルームを構成する)ボンネット
6が装備されており、ボンネット6の後端部は運転操縦
部を取り囲む(包囲する)キャビン7が搭載され、この
キャビン7の乗降口には開閉ドア7Aが備えられてい
る。ボンネット6は、図1および図2で示すように、空
気(外気)の取入口8Aを有するグリル部8を正面側に
備え、左右の側板部9と天板部10とで主構成されてい
て前車軸受台(前車軸フレーム)11上に搭載したエン
ジン5とこの前方のラジエータ4をエンジンルームを形
成すべく取り囲んでいる。
【0019】図2および図9・10で示すように、ラジ
エータ4は熱交換部(コア)4Aの上下にタンク部4B
を有するラジエータ本体4Cを備え、ファン4Dにて正
面側および左右側部並びに前下方部から外気を取り入れ
(吸引)してラジエータ本体4Cの後方に熱交換済の内
気を外部に排出するように構成されている。ボンネット
6におけるグリル部8は図2で示すようにその上部に取
入口(吸込部)8Aを有し、下部両側にランプ8Bを有
し、取入口(通気口)8Aは横桟8Cを上下方向の間隔
を有して列設し、この横桟8Cの裏面(内面)には、多
数の通孔を有する多孔板(金網でも良い)8Dを、横桟
8Cとの間でスキマを存して張設してなり、ここに、ス
キマを有することから、横桟8Cに対してスキマのない
密着状態での多孔板8Dの張設に比べて通気面積を広く
でき、ラジエータ4の冷却効率(エンジンのオーバーヒ
ート防止)を向上するものとなっているとともに、スキ
マを介しての粉塵等の落下を確保してこれによっても冷
却効率の向上を図っている。
【0020】ボンネット6における左右の側板部9は、
いずれもラジエータ4の左右に配設されている上側板1
2と下側板13とで構成されており、更に、上側板12
は、上前側板12Aと上後側板12Bとで前後に接合分
離自在として構成されている。下側板13はグリル部8
の下半部(ランプ8Bの取付部)の後端にその前端面が
重ね合されており、この前端面から後方に向って帯板状
に延伸され、後端部はキャビン7のフロント面に重ね合
されている。
【0021】この左右の下側板(以下、単に側板という
ときもある)13のラジエータ4の吸込側(ラジエータ
4の前方かつ左右前輪2の上方近傍)に、この側板13
の板厚と略同じかやや薄い間隔で多数の孔14Aを形成
してこの孔群によって吸込部14が構成されており、こ
の吸込部14における孔14Aの直径は前記板厚の略2
倍の大きさとされている。更に、左右の側板13のラジ
エータ4の排出側(ラジエータ4の後方)に、この側板
13の板厚と略同じかやや薄い間隔で多数の孔15Aを
形成してこの孔群によって排出部15が構成されてお
り、この排出部15における孔15Aの直径は前記板厚
の略2倍の大きさとされている。
【0022】左右の上側板12における上前側板12A
は、吸込部16と排出部17とを有し(詳細については
図7(1)(2)(3)を参照して後述する)、左右の
上側板12における上後側板12Bは、銘板(品番等の
マークをいう)の取付台部18を有している(詳細につ
いては図8(1)(2)を参照して後述する)。図2、
図9および図10で示すように、ラジエータ4の前方に
おける前車軸受台11上には、取付台19を介してバッ
テリーで例示するエンジン補機20が装着(交換自在に
載置)されており、このエンジン補機20の上方には、
エアークリーナーで例示するエンジン補機21が前車軸
受台11に立設した正面視門形の支持枠22を介して装
備されており、これらエンジン補機20、21について
もエンジンルーム内にあって、ボンネット6で取り囲ま
れており、支持枠22にあっては、ボンネット6(側板
部9)の取付(支持)を兼用するものとされており、取
付台19については、これを多孔板で作成することによ
って前輪2の近傍および前車軸受台11を通じて下方か
ら上方に向う空気流で冷却風が導入可能とされている。
【0023】図3〜図6を参照して左右の側板13につ
いてその作成手段を含めてその構成と作用を詳述する。
図6で示すように、板厚1mm前後の金属製長方形板材
(SPCE板材)についてその中心線O−Oを境にして
線対称位置に、吸込部14と排出部15とを左右組で形
成すべく部分パンチングして吸込部14を構成する孔群
14Aと排出部15を構成する孔群15Aを開設し、こ
の部分パンチングの外縁はパンチングなし(孔14A、
15Aのない)縁取板23とされており、吸込部14と
排出部15とを前後に区画形成する中間の縁取板24に
ついては帯状のパンチングなしとされている。
【0024】図5(2)で排出部15の孔15Aについ
て例示(吸込部14の孔14Aについても同様)するよ
うに、板厚1mmのSPCE板材について、孔径aが2
mmの孔14A、15Aを2個を一組として例えば30
°の千鳥状配列(孔ピッチPを2.8mm)としてパン
チングプレス機械を用いて部分パンチング処理を施す
(穿明け加工)ことにより、側板の板厚と略同じかやや
薄い間隔(孔14A、15Aの縦横に隣接する孔縁間隔
をいい、図5(2)では孔径aが2mmで孔ピッチPが
2.8mmであることから、孔縁間隔は0.8mmとな
る)で多数の孔14A、15Aが形成され、この孔群1
4A、15Aによって前後に区画された吸込部14と排
出部15が左右組として形成され、ここに、吸込部14
と排出部15の開口率は約45%とされている。
【0025】因みに従来例においては板厚1mmの同材
料よりなる板材に孔径aが3mmで孔ピッチPが5mm
の孔を形成して孔縁間隔が2mmとされ、開口率は約3
2%である。このように吸込部14および排出部15の
孔14A、15Aについて上記のように構成したことに
よって、吸込部14における吸入空気流速が大幅に減
り、ゴミ詰まり性が改善され、吸込部14にゴムが付着
しても十分な冷却空気が確保できることが開口面積の開
口率が約45%となって実証され、実作業時のエンジン
の耐オーバーヒート性が改善できたのである。
【0026】図5(2)において孔14A、15Aの穿
孔(パンチング加工)にあっては、プレスパンチング機
の2本又は3本のパンチを組(3本のときは3角配列)
として穿孔作業(パンチング加工)を縦横に孔ピッチP
のもとで実施するが、吸込部14および/又は排出部1
5の中央部位を占める領域に対して少なくとも前後部位
を占める孔間隔を図5(2)で示すように粗く穿孔する
ことによって、孔形成部位と縁取板23、24との境界
部位においての急激(極度)な断面変化を防止(断面変
化を緩やかにし)、プレス成形の際の応力分散を図ると
ともにプレス成形時の破れ防止が図られているのであ
る。
【0027】なお、吸込部14および排出部15の前後
部位について孔の形成を粗くしているが上下部位につい
ても孔の形成を粗くすることもできる。また、吸込部1
4と排出部15において孔14A、15Aの孔径を大小
に異ならすことも可能であり、このとき、孔14Aにつ
いては板厚1mmのSPCE板材に孔径aを2mmで孔
ピッチPを2.8mmとし孔縁間隔を0.8mmとして
前述のように開口率を約45%とし、一方、排出部15
については孔15Aは板厚1mmのSPCE板材に孔径
aを3mmで孔ピッチPが5mmで孔縁間隔が2mmと
して前述のように開口率を約32%とすることができ
る。
【0028】このように、吸込部14と排出部15につ
いて孔径を異にしたときにも、その前後部位および/又
は上下部位において中央部位よりも孔個数を粗く穿孔す
ることが望ましい。以上のように中心線O−Oを境にし
て線対称の形態で2組の吸込部14および排出部15を
部分パンチングをした後、中心線O−Oに沿って例えば
レーザー等で切断することで側板13が2枚取りされ、
この側板13についてそれぞれプレス加工を施すことに
よって、図3(1)(2)(3)および図4(1)
(2)並びに図5(1)等に示す形態の側板13が作成
されている。
【0029】ボンネットの構成板材である側板13につ
いて、図3〜図5を参照して説明する。部分パンチング
された側板13は、前後端面にフロントグリル部8の後
面およびキャビン7の前面にそれぞれ重ね合されるフラ
ンジ部30A、30Bが形成されているとともに、上面
は上側板12の下端部を重ね合せる(衝合させる)とと
もに内外方向の位置決めのためのL形に折曲した段部3
0Cが水平面上において前後方向に形成され、吸込部1
4および排出部15を含む腹部については外方に緩やか
に弯曲部30Dを形成するようにプレス加工され、下端
部は相対的に内向に傾斜するスカート部30Eに形成さ
れている。
【0030】側板13の前後部位の内側には帯板材(S
PHC−P材)よりなる取付金具31、32が溶接等に
よって帯長手方向を上下方向として固着しており、この
前後の取付金具31、32の上端片には、この側板13
を前後においてネジ止め等によって着脱自在として取着
するための取付孔31A、32Aが形成されているとと
もに、取付金具31、32の下方部位には前車軸フレー
ム等の車体側に形成した上下方向の孔に上下方向に挿抜
自在に挿嵌する差孔ピン31B、32Bが同一水平面上
に突出され、この差孔ピン31B、32Bに例えば筒状
の防振ゴム等を介在した下で車体側に形成した孔に挿入
して防振的に支持しているとともに、前後方向および左
右方向の位置決めが可能とされている。
【0031】更に、中間の縁取板24の内面には、側板
13の内面形状に沿うように折曲されたSPHC−P材
の帯板よりなる補強板33が溶接等によって固着されて
おり、この補強板33の内面(裏側)には、スポンジ、
合成ゴム等の弾性材からなる遮風部材34が接着等によ
る貼着によって装着されており、この遮風部材34の内
面34Aをラジエータ4の左右側板等に弾性的に押付け
ることにより、吸込部14からの熱交換済の排風が逆流
(前方吹き返し)するのを防止しているのである。
【0032】なお、遮風部材34はこれを弾性材で作成
することで防振効果が期待できるし、密着性も良好とな
って遮風作用も向上できるが、弾性材以外の材料で作成
することも可能であるし、また、ラジエータ4の左右側
面部に貼着しておいてこれに側板13を内方向に押付け
て装着することも可能であり、これ故、中間の縁取板2
4の内面に遮風部材34が装着可能であれば良い。ま
た、この遮風部材は左右側板部9の内面でボンネット高
さ方向全体および天板部10の内面装着してラジエータ
4の左右および上部を取り囲むように装着しても良い。
【0033】更に、左右の側板13における上辺部の段
差部30Cの水平面の内側(下面)には、例えば、SS
400の金属板よりなる金具35がスポット溶接等によ
って前後方向の間隔をおいて固着されており、この金具
35に上下方向として形成した差込孔35Aに、上側板
12の下面に突出させた差込ピン36が上下方向から挿
抜自在に挿入され、これによって、上側板12は、その
前上側板12A、後上側板12Bが左右の側板13の上
辺部に前後左右の位置決め状態で着脱自在に載設可能で
あり、このとき、差込ピン36に筒状の防振ゴムを介在
させてこの弾性(縮変形)により防振的に支持すること
が望ましい。
【0034】左右の側板13における吸込部14は部分
パンチングで構成され、図では略矩形状に形成され、図
1および図2で示すように左右前輪2の近傍においてス
カート部30Eにおいても吸引作用をするとともに、排
出部15の前部は吸込部14と略同様に矩形部とされて
いてこの矩形部より鈎形(L形)になるように帯板状の
排出部15とされており、吸込部14等の前半部分は、
弯曲部30Dおよびスカート部30Eとプレス形成され
て上下2段の折線部分30Fを有することで捻り変形抵
抗等の剛性向上され、このようにプレス成形された側板
13は、塗料等にドブ漬けされるかスプレー等により、
その表面全体が塗料によって防錆処理されている。
【0035】図7および図8を参照すると、ボンネット
6を構成する上側板(上前側板12Aおよび上後側板1
2B)12が示してあり、上前側板12AはABS樹脂
等の硬質樹脂枠37に、縦桟38を前後方向の間隔で形
成するとともに、縦桟38に多数の通気孔38Aを形成
することによって矩形状の吸込部16とされ、この吸込
部16の後部において横桟40を上下方向の間隔で形成
するとともに、横桟40に多数の通気孔40Aを形成す
ることによって矩形状の排出部17とされている。
【0036】この上前側板12Aは前後の2本の差込ピ
ン36を側板13の差込孔35Aに挿支するとともに、
前上部に止着具42を備えることで車体側に着脱自在に
装備され、後上部には上後側板12Bの取着孔43が形
成されている。なお、吸込部39と排出部41について
は、縦・横桟材38、40の裏面側に金網、パンチング
メタル等の多孔板を装着(張設)することで吸込部39
および排出部41を構成することも可能であり、このと
き、桟材38、40と多孔板との間にグリル部8と同様
にスキマを形成することで吸込又は排出面積の増大化が
図れる。
【0037】図8において、上後側板12Bはボンネッ
ト6の側板を形成するものであり、プレス成形によって
略台形状に形成された板金製(金属板製)の側板44の
下端面の前後に差込ピン36を下方に突出して備え、側
板44の前上部には取着孔43に共締めされる取着孔4
5を備えている。この側板44はエンジン5の左右上部
を覆うものであり、マフラ5A等の熱源を包囲している
ことから、この側板44の外表面に硬質樹脂製等の銘板
45を直接取着したのでは、熱変形、熱劣化を起し易い
ことから、次の手段を講じている。
【0038】すなわち、レール部18Aを有する取付台
18を介在することによって銘板45が取着されてい
る。レール部18Aを有することから、側板44と取付
台18との間に断熱空間46が形成され、これによって
銘板45の熱変形等が防止されているのである。取付台
18の構成材は任意であるけれども、アルミ合金等の軽
合金の押出材又は引抜き材で作成することが望ましく、
取付台18の外表面に上下複数段のスジ状リブ18Bを
形成することにより、取付台18の剛性を向上している
とともにデザイン的に力量感等を付与している。
【0039】銘板45は取付台18の外表面に重ね合さ
れて止ネジ等の締結具47を目隠し状として複数個備え
るとことによって取外し自在に装着されており、取付台
18の外周縁はスカート部48とされて側板44の外表
面に衝合(突き合せ)され、上下2段で前後方向に形成
したレール部18Aに止ボルトの頭を摺動自在に嵌合し
てこの締結具49をレール部18Aに沿わせて位置調整
しつつナット50等によって側板44に止着されてい
る。なお、取付台18は側板44の高さ方向の中央部位
の下半部を占めている。
【0040】更に、図2で示すように左右の下側板13
の高さ(上下幅)と左右の上側板12の高さ(上下幅)
は略同じとされており、上側板12はエンジンヘッドを
覆う高さとされ、後部を支点として開閉自在な天板10
はボンネット6の高さ(上下幅)の略1/4〜1/5を
占めるものとされている。次に、フロントグリル部8の
吸込部8A、側板13の吸込部14、上側板12の吸込
部16および取付台19を含む吸入側開口面積と吸入風
速について従来例と本発明実施例との実測データを下記
表1・2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】上記表1は吸込部8A、16、14、19
の開口面積を比較したものであり、合計の165%も開
口面積の増大となり、一方、表2によれば吸入風速が減
少されてエンジンの耐オーバーヒート性が大幅に改善さ
れたことが解るとともに、吸込部14と排出部15につ
いては孔群によって内部を近くで透視することも可能と
なってメンテナンス時期を失するおそれも少ないのであ
る。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、耐
オーバーヒート性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボンネットを装備した走行車両の
斜視図である。
【図2】要部の側面図である。
【図3】ボンネットの構成板材としての側板を示し、
(1)は平面図、(2)は側面図、(3)は底面図であ
る。
【図4】側板を示し、(1)は図3(2)のA−A拡大
矢示図、(2)は図3(2)のB−B矢印の拡大斜視図
である。
【図5】側板の後部を示し、(1)は斜視図、(2)は
孔群の説明図である。
【図6】側板の部分パンチングの一例を示す平面図であ
る。
【図7】上側グリル部(吸込部)を示し、(1)は斜視
図、(2)は排出部の断面図、(3)は吸込部の断面図
である。
【図8】銘板取付板(ボンネット側板)を示し、(1)
は正面(側面)図、(2)は一部省略底面図である。
【図9】ラジエータ部分の立側面図である。
【図10】ラジエータ部分の正面図である。
【符号の説明】
4 ラジエータ 6 ボンネット 13 側板 14 吸込部(吸引部) 14A 孔(吸込孔)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪田 博信 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 3D004 AA08 BA05 CA03 DA04 3D038 AA05 AB06 AB09 AC01 AC11 AC23

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジエータ(4)を含んでエンジンルー
    ムを取り囲むボンネット(6)において、 ラジエータ(4)の左右に側板(13)が配設され、こ
    の左右側板(13)のラジエータ(4)の吸込側に、側
    板(13)の板厚と略同じかやや薄い間隔で多数の孔
    (14A)を形成してこの孔群によって吸込部(14)
    が構成され、この吸込部(14)における孔(14A)
    の直径は前記板厚の略2倍の大きさとされていることを
    特徴とするボンネット。
  2. 【請求項2】 吸込部(14)を構成する孔群は、側板
    (13)を部分パンチングして形成され、この部分パン
    チングの外縁はパンチングなしの縁取板(23)とされ
    ていることを特徴とする請求項1に記載のボンネット。
  3. 【請求項3】 ラジエータ(4)を含んでエンジンルー
    ムを取り囲むボンネット(6)において、 ラジエータ(4)の左右に側板(13)が配設され、こ
    の左右側板(13)のラジエータ(4)の前後に吸込部
    (14)と排出部(15)とが区画形成され、前記吸込
    部(14)と排出部(15)のそれぞれは側板(13)
    の板厚と略同じかやや薄い間隔でかつ直径は板厚の略2
    倍の大きさの多数の孔(14A)(15A)を形成して
    この孔群によって構成されていることを特徴とするボン
    ネット。
  4. 【請求項4】 吸込部(14)および排出部(15)を
    構成する孔群は、側板(13)の前後を部分パンチング
    して形成され、この部分パンチングの外縁はパンチング
    なしの縁取板(23)(24)とされていることを特徴
    とする請求項3に記載のボンネット。
  5. 【請求項5】 吸込部(14)および/又は排出部(1
    5)を構成する孔群は、この吸込部(14)および/又
    は排出部(15)の中央部位を占める孔間隔に対して少
    なくとも前後部位を占める孔間隔が粗くされていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のボンネッ
    ト。
  6. 【請求項6】 ラジエータ(4)の前後に区画形成した
    吸込部(14)と排出部(15)とを構成する部分パン
    チングによる孔群は、吸込部(14)と排出部(15)
    とでその孔径が異なっていることを特徴とする請求項3
    〜5のいずれかに記載のボンネット。
  7. 【請求項7】 ラジエータ(4)の前後に吸込部(1
    4)と排出部(15)とを区画形成するパンチングなし
    の縁取板(24)は、その内側(裏側)に遮風部材(3
    4)が装着可能とされていることを特徴とする請求項3
    〜6いずれかに記載のボンネット。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のボンネ
    ット(6)を構成する左右の側板(13)をプレス成形
    しているボンネット(6)の構成板材。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の構成板材は、金属板材
    をパンチング加工するとともにプレス成形してなり、そ
    の表面に塗料が施着されていることを特徴とするボンネ
    ット(6)の構成板材。
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