JP7063330B2 - 液晶を用いた移相変調素子用機能性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶を用いた移相変調器に用いられる機能性樹脂組成物、該組成物から得られる駆動制御膜及びそれを具備した移相変調素子に関する。
携帯電話やレーダーなど高周波の利用が広がるにつれて、マイクロ波やミリ波といった高周波信号の振幅や位相を外部刺激によって任意に制御できるデバイスが注目されている。液晶は電圧印可に伴う配向変化によって簡単に誘電率を制御できることから、高周波位相器用材料として有望視されている(特開2005-120208(特許文献1))。特に近年、液晶を用いた高周波位相器が搭載されたフェーズドアレーアンテナを衛星通信に利用しようとする検討が活発化している。
従来の衛星通信は、静止衛星と固定されたパラボラアンテナの組み合わせが主に用いられてきた。この場合、衛星通信を受信する側が移動する場合、衛星を追尾する為の駆動システムが必須であり、装置が大掛かりかつ高価になってしまうという欠点があった。
これに対し、電磁波の位相を制御し、あらゆる方向に指向性を発現させることで、アンテナを物理的に動かすことなく、広範囲な電波の送受信に対して高い利得を得ることができる平面アンテナの技術が提案されている(特表2014-531843(特許文献2)およびUS20150236412A1(特許文献3))。このアンテナは、液晶を2枚のガラス基板で挟んだ構造を有しており、液晶を駆動させることにより、送受信する電波の方向を制御するというものである。
特開2005-120208号公報 特表2014-531843号公報 米国特許公開公報 US20150236412A1
上述した高周波位相器に搭載される液晶は、電磁波の位相を制御するためにマイクロ波帯の電磁波に対して大きな誘電異方性を有する必要がある観点から、液晶表示素子に用いられるものとは異なる特殊な液晶が使用される。そして、そのような液晶の駆動を高精度で制御する為、ガラス基板と液晶との間には薄膜(以下、駆動制御膜とも称する)が設けられる。
駆動制御膜には、駆動時に印加される電圧を高い精度で保持出来ることに加えて、該高周波位相器を平面アンテナに応用する場合は、野外などでの使用と言った過酷な外部環境での継続した駆動に耐えうる高度な耐久性が求められる。しかしながら、一般的に誘電異方性の大きい液晶は印可電圧の保持率が悪く、耐久性にも劣ることが知られている。
本発明の目的は、液晶駆動時に印加される電圧を高い精度で保持することが出来、かつ、耐久性の高い駆動制御膜を得ることができる機能性樹脂組成物、および該組成物から得られる駆動制御膜を具備した高周波位相器を提供することである。
本発明者らは上記課題の解決の為鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は、以下の<1>に記載するとおりのものである。
<1> ポリアミック酸誘導体及びそのイミド化物であるポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体を含有する、液晶を用いたマイクロ波移相変調素子の液晶駆動制御膜用の機能性樹脂組成物。
本発明の機能性樹脂組成物によれば、高周波位相器に搭載される液晶の駆動を高精度で制御することが出来、かつ、耐久性の高い駆動制御膜を得ることができる。
本発明による機能性樹脂組成物は、前記したように、液晶を用いたマイクロ波移相変調素子の液晶駆動制御膜用であって、ポリアミック酸誘導体及びそのイミド化物であるポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体を含有してなるものである。
ここで、「液晶を用いたマイクロ波移相変調素子」とは、液晶の電圧印加に伴う配向変化によって誘電率を制御し、マイクロ波やミリ波といった高周波信号の振幅や位相を任意に制御できる素子を意味する。
また「液晶駆動制御膜」とは、液晶の駆動を高精度で制御できるような電圧保持特性を有する膜をいう。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の機能性樹脂組成物は、下記の電圧保持率の測定試験に従って測定して得られた電圧保持率(初期値)が90%以上であって、かつ電圧保持率(耐久性試験後の値)が80%以上となるものである。
[電圧保持率の測定試験]
被検体の機能性樹脂組成物をガラス基板上にスピンコートして焼成することにより液晶駆動制御膜を形成させ、この液晶駆動制御膜を用いて液晶セルを作製し、
該液晶セルを70℃の温度下で5Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後 の電圧を測定して、電圧がどのくらい保持できているかについての電圧保持率(初期値)得 、
次いで、該液晶セルを100℃の温度下で200時間放置した後、室温に戻し、初期値の場合と同様に、液晶セルを70℃の温度下で5Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後の電圧を測定して、電圧保持率(耐久性試験後の値)を得る。
電圧保持率の測定試験については、より詳しくは、後述する実施例に記載の方法に従って実施することができる。
なお電圧保持率は、慣用の装置・手法に従って測定し、算出することができる。慣用の装置としては、例えば、電圧保持率測定システム(VHR-AMP01、株式会社東陽テクニカ製)が挙げられる。また慣用の手法としては、例えば、文献として、「TFT-LCDの電圧保持特性 I」, 第14回液晶討論会講演予稿集, No.2B110, pp.78-79(1998)を参照することができる。
以下、各構成要件につき詳述する。
<重合体>
本発明の機能性樹脂組成物に含有される重合体は、ポリアミック酸誘導体及びそのイミド化物であるポリイミドから選ばれる少なくとも1種のものであって、液晶の駆動を高精度で制御できるような良好な電圧保持特性を有しつつ高度な耐久性を有するものであれば、特に限定されない。
したがって、本発明において使用可能な重合体としては、例えば、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸誘導体成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリアミック酸誘導体、このポリアミック酸誘導体をイミド化して得られるポリイミドが挙げられる。
また、重合体の形態は、例えば、デンドリマーやハイパーブランチポリマー、スターライクポリマーなどの分岐状ポリマー、ポリカテナンやポリロタキサンなどの非共有結合性ポリマーのような形態であっても良い。また、これらの重合体を合成するためのモノマーとしては、重合体がポリアミック酸誘導体やポリイミドの場合はテトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分、が挙げられる。勿論、重合体またはこれらの重合体を合成するためのモノマーは、1種類でもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
なお、ポリアミック酸誘導体とは、ポリアミック酸及びポリアミック酸エステルを指す。
これらの中でも、機能性樹脂組成物としての実用性、塗布膜の機械的及び電気的特性の観点から、ポリアミック酸誘導体(以下、特定重合体とも称する)、このポリアミック酸誘導体をイミド化して得られるポリイミドから選ばれる少なくとも1つの重合体が好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の機能性樹脂組成物に好適に用いられる重合体は、該機能性樹脂組成物が、下記の電圧保持率の測定試験に従って測定して得られた電圧保持率(初期値)が90%以上であって、かつ電圧保持率(耐久性試験後の値)が80%以上となるように、選択されたものである。
本発明の機能性樹脂組成物に含有される重合体は、通常行なわれている慣用の方法に従って製造することができる。例えば、ポリアミック酸誘導体やポリイミドは、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸誘導体成分と、ジアミン成分とを重合反応させることにより得られる。
<特定重合体>
本発明の機能性樹脂組成物に含有される特定重合体であるポリアミック酸誘導体は、以下の式(1)で表すことが出来る。
Figure 0007063330000001
式中、Xは、テトラカルボン酸誘導体由来の4価の有機基であり、Yはジアミン由来の2価の有機基であり、Rは、水素原子又は炭素原子数1~5のアルキレンを表す。加熱時のイミド化反応の進行のしやすさの観点から、Rは水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
また式中、A及びAは、それぞれ独立して、水素原子又は、炭素数1~5のアルキル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基である。中でも、A及びAは水素原子、又はメチル基が好ましい。
以下、本発明における重合体をなす原料となる各成分について詳述する。
<<ジアミン>>
上記式(1)の構造を持つ重合体の重合に用いられるジアミンは、以下の式(2)で表されるものである。
Figure 0007063330000002
上記式(2)中、A及びAは好ましい例も含めて、上記式(1)のA及びAと同様の定義である。
また式(2)におけるYの構造を例示すると、以下の通りである。
Figure 0007063330000003
Figure 0007063330000004
Figure 0007063330000005
Figure 0007063330000006
Figure 0007063330000007
Figure 0007063330000008
Figure 0007063330000009
Figure 0007063330000010
Figure 0007063330000011
式中、nは、1~6の整数であり、mは、1~12の整数である。
Figure 0007063330000012
上記式中、Bocは、tert-ブトキシカルボニル基を表す。
Figure 0007063330000013
Figure 0007063330000014
本発明の効果をより発現出来る構造としては、前記したYの構造の例示式の内、式(Y-7)~式(Y-9)、式(Y-14)、式(Y-16)~式(Y-18)、式(Y-20)、式(Y-21)、式(Y-27)、式(Y-28)、式(Y-32)、式(Y-43)、式(Y-56)、式(Y-62)、式(Y-63)、式(Y-67)、式(Y-68)、式(Y-72)~式(Y-75)、式(Y-149)~式(Y-153)、式(Y-164)~式(Y-167)、式(Y-169)、式(Y-174)、式(Y-176)、式(Y-182)、式(Y-185)が挙げられる。
その中でも、式(Y-8)、式(Y-16)~式(Y-18)、式(Y-20)、式(Y-28)、式(Y-63)、式(Y-68)、式(Y-72)、式(Y-75)、式(Y-149)、式(Y-153)、式(Y-164)、式(Y-165)、式(Y-167)、式(Y-174)がより好ましい。
上記で挙げた好ましい構造を含有するジアミンは、全ジアミン成分中10モル%~100モル%が好ましく、30モル%~100モル%がより好ましい。
なお、芳香族カルボン酸構造が過剰に含まれると、電圧保持率を低下させる恐れがあるため、芳香族カルボン酸構造を有するジアミンは50%以下が好ましく、30%以下がより好ましい
<<テトラカルボン酸誘導体成分>>
本発明の機能性樹脂組成物に含有される、上記式(1)の構造単位を有する重合体を作製するためのテトラカルボン酸誘導体成分としては、テトラカルボン酸二無水物だけでなく、そのテトラカルボン酸誘導体であるテトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハライド化合物、テトラカルボン酸ジアルキルエステル化合物またはテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド化合物を用いることもできる。
本発明においては、前記した「ポリアミック酸誘導体及びそのイミド化物であるポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体」が、テトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸誘導体成分と、ジアミン成分との反応物であることが好ましい。ここでより好ましくはテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体は、脂環式構造を有するものである。
テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体としては、下記式(3)で示されるテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体から選ばれる少なくとも1つを用いることがより好ましい。
Figure 0007063330000015
式(3)中、Xは、4価の有機基であり、その構造は特に限定されない。Xは、脂環式構造を有するものであることが好ましい。
の好ましい具体例としては、下記式(X-1)~(X-25)が挙げられる。これらは、式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体において、脂環式構造を有するものであり、脂肪族酸無水物である。なお、脂肪族酸二無水物とは、イミド化反応に関与するカルボン酸が、脂肪族カルボン酸である酸二無水物を指す。
Figure 0007063330000016
[式(X-1)~(X-4)中、RからR23はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1~6の1価の有機基、又はフェニル基であり、同一でも異なってもよい。中でも、RからR23は、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、又はエチル基が好ましく、水素原子、又はメチル基がより好ましい。]
Figure 0007063330000017
さらに、前記した式(X-1)の具体的な構造としては、下記式(X1-1)~(X1-6)で表される構造が挙げられる。
Figure 0007063330000018
本発明の好ましい態様によれば、式(3)中、Xとしては、式(X-1)~式(X-9)、式(X-11)、式(X-12)、および、式(X-21)で表される構造が挙げられる。より好ましいXの具体例としては、下記式(X-1)~(X-9)、(X-21)が挙げられる。
本発明のより好ましい態様によれば、電圧保持率の耐久性の観点から、式(X1-1)、式(X1-2)、式(X-5)、式(X-7)、式(X-8)、式(X-9)、式(X-11)、式(X-12)、および、式(X-21)が特に好ましい。
また、式(3)と組み合わせる酸無水物の具体例としては、下記式(4)が挙げられる。Xaの好ましい具体例としては(Xa-1)~(Xa-20)が挙げられる。これらは、式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体において、芳香族環構造を有するものであり、芳香族無水物である。
Figure 0007063330000019


Figure 0007063330000020
式中、mは1~12の整数を表す。
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明の機能性樹脂組成物に含有される、上記式(1)の構造単位を有する重合体を作製するためのテトラカルボン酸誘導体成分としては、脂環式構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含有することが好ましい。テトラカルボン酸誘導体成分としては、芳香族環構造を有する芳香族無水物も使用可能であるが、この場合でも、脂環式構造を有するテトラカルボン酸二無水物と組み合わせて使用することが好ましい。
これらの点を、前記した式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を例として説明する。ここで、脂環式構造を有する脂肪族酸二無水物としては、前記した式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体においては、Xが、式(X-1)~(X-25)であるものが挙げられる。また芳香族環構造を有する芳香族無水物としては、前記した式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体においては、Xaが、式(Xa-1)~(Xa-20)であるものが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、式(3)において、Xが、式(X-1)~(X-25)から選択されるものを、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体として使用し、必要に応じて、式(4)において、Xaが、式(Xa-1)~(Xa-20)から選択されるものを、さらに組み合わせて使用できる。
本発明に記載のポリアミック酸誘導体及びポリイミドの原料であるテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体としては、全テトラカルボン酸二無水物及びその誘導体1モルに対して、上記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体を10~100モル%含むことが好ましい。高い電圧保持率の耐久性が得られるため、30モル%~100モル%がより好ましく、50モル%~100モル%がさらに好ましい。
<ポリアミック酸の製造方法>
本発明に用いられるポリアミック酸誘導体であるポリアミック酸は、以下に示す方法により合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒の存在下で-20℃~150℃、好ましくは0℃~50℃において、30分~24時間、好ましくは1~12時間反応させることによって合成できる。
上記の反応に用いる有機溶媒は、モノマーおよびポリマーの溶解性からN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、又はγ-ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。ポリマーの濃度は、ポリマーの析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、1~30質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましい。
上記のようにして得られたポリアミック酸は、反応溶液をよく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、ポリマーを析出させて回収することができる。また、析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥することで精製されたポリアミック酸の粉末を得ることができる。貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
<ポリアミック酸エステルの製造方法>
本発明に用いられるポリアミック酸誘導体の一つであるポリアミック酸エステルは、以下に示す(PAE-1)、(PAE-2)又は(PAE-3)の方法で合成することができる。
(PAE-1)ポリアミック酸から合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンから得られるポリアミック酸をエステル化することによって合成することができる。
具体的には、ポリアミック酸とエステル化剤を有機溶剤の存在下で-20℃~150℃、好ましくは0℃~50℃において、30分~24時間、好ましくは1~4時間反応させることによって合成することができる。
エステル化剤としては、精製によって容易に除去できるものが好ましく、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジプロピルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジネオペンチルブチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジ-t-ブチルアセタール、1-メチル-3-p-トリルトリアゼン、1-エチル-3-p-トリルトリアゼン、1-プロピル-3-p-トリルトリアゼン、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジンー2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリドなどが挙げられる。エステル化剤の添加量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して、2~6モル当量が好ましい。
上記の反応に用いる溶媒は、ポリマーの溶解性からN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、又はγ-ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。合成時の濃度は、ポリマーの析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、1~30質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましい。
(PAE-2)テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンとの反応により合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンから合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンとを塩基と有機溶剤の存在下で-20℃~150℃、好ましくは0℃~50℃において、30分~24時間、好ましくは1~4時間反応させることによって合成することができる。
前記塩基には、ピリジン、トリエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジンなどが使用できるが、反応が穏和に進行するためにピリジンが好ましい。塩基の添加量は、除去が容易な量で、かつ高分子量体が得やすいという観点から、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して、2~4倍モルであることが好ましい。
上記の反応に用いる溶媒は、モノマーおよびポリマーの溶解性からN-メチル-2-ピロリドン、又はγ-ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。合成時のポリマー濃度は、ポリマーの析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、1~30質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドの加水分解を防ぐため、ポリアミック酸エステルの合成に用いる溶媒はできるだけ脱水されていることが好ましく、窒素雰囲気中で、外気の混入を防ぐのが好ましい。
(PAE-3)テトラカルボン酸ジエステルとジアミンからポリアミック酸エステルを合成する場合
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンを重縮合することにより合成することができる。
具体的には、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンを縮合剤、塩基、及び有機溶剤の存在下で0℃~150℃、好ましくは0℃~100℃において、30分~24時間、好ましくは3~15時間反応させることによって合成することができる。
前記縮合剤には、トリフェニルホスファイト、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N’-カルボニルジイミダゾール、ジメトキシ-1,3,5-トリアジニルメチルモルホリニウム、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、(2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-3-ベンゾオキサゾリル)ホスホン酸ジフェニルなどが使用できる。縮合剤の添加量は、テトラカルボン酸ジエステルに対して2~3倍モルが好ましい。
前記塩基には、ピリジン、トリエチルアミンなどの3級アミンが使用できる。塩基の添加量は、除去が容易な量で、かつ高分子量体が得やすいという観点から、ジアミン成分に対して2~4倍モルが好ましい。
また、上記反応において、ルイス酸を添加剤として加えることで反応が効率的に進行する。ルイス酸としては、塩化リチウム、臭化リチウムなどのハロゲン化リチウムが好ましい。ルイス酸の添加量はジアミン成分に対して0~1.0倍モルが好ましい。
上記3つのポリアミック酸エステルの合成方法の中でも、高分子量のポリアミック酸エステルが得られるため、上記(PAE-2)又は上記(PAE-3)の合成法が特に好ましい。
上記のようにして得られるポリアミック酸エステルの溶液は、よく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、ポリマーを析出させることができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して精製されたポリアミック酸エステルの粉末を得ることができる。貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
<ポリイミドの製造方法>
本発明に用いられるポリイミドは、前記ポリアミック酸エステル又はポリアミック酸をイミド化することにより製造することができる。ポリアミック酸エステルからポリイミドを製造する場合、前記ポリアミック酸エステル溶液、又はポリアミック酸エステル樹脂粉末を有機溶媒に溶解させて得られるポリアミック酸エステル溶液に塩基性触媒を添加する化学的イミド化が簡便である。化学的イミド化は、比較的低温でイミド化反応が進行し、イミド化の課程で重合体の分子量低下が起こりにくいので好ましい。
化学的イミド化は、イミド化させたいポリアミック酸エステルを、有機溶媒中において塩基性触媒存在下で撹拌することにより行うことができる。有機溶媒としては前述した重合反応時に用いる溶媒を使用することができる。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができる。中でもトリエチルアミンは反応を進行させるのに充分な塩基性を持つので好ましい。
イミド化反応を行うときの温度は、-20℃~140℃、好ましくは0℃~100℃であり、反応時間は1~100時間で行うことができる。塩基性触媒の量はアミック酸エステル基の0.5~30モル倍、好ましくは2~20モル倍である。得られる重合体のイミド化率は、触媒量、温度、反応時間を調節することで制御することができる。イミド化反応後の溶液には、添加した触媒等が残存しているので、以下に述べる手段により、得られたイミド化重合体を回収し、有機溶媒で再溶解して、本発明の機能性樹脂組成物とすることが好ましい。
ポリアミック酸からポリイミドを製造する場合、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物との反応で得られた前記ポリアミック酸の溶液に触媒を添加する化学的イミド化が簡便である。化学的イミド化は、比較的低温でイミド化反応が進行し、イミド化の過程で重合体の分子量低下が起こりにくいので好ましい。
化学的イミド化は、イミド化させたい重合体を、有機溶媒中において塩基性触媒と酸無水物の存在下で攪拌することにより行うことができる。有機溶媒としては前述した重合反応時に用いる溶媒を使用することができる。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができる。中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。また、酸無水物としては無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。
イミド化反応を行うときの温度は、-20℃~140℃、好ましくは0℃~100℃であり、反応時間は1~100時間で行うことができる。塩基性触媒の量はアミック酸基の0.5~30モル倍、好ましくは2~20モル倍であり、酸無水物の量はアミック酸基の1~50モル倍、好ましくは3~30モル倍である。得られる重合体のイミド化率は、触媒量、温度、反応時間を調節することで制御することができる。
ポリアミック酸エステル又はポリアミック酸のイミド化反応後の溶液には、添加した触媒等が残存しているので、以下に述べる手段により、得られたイミド化重合体を回収し、有機溶媒で再溶解して、本発明の機能性樹脂組成物とすることが好ましい。
上記のようにして得られるポリイミドの溶液は、よく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、重合体を析出させることができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して精製されたポリアミック酸エステルの粉末を得ることができる。
前記貧溶媒は、特に限定されないが、メタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。
<機能性樹脂組成物>
本発明による機能性樹脂組成物は、特定構造の重合体が有機溶媒中に溶解された溶液の形態を有する。
本発明の機能性樹脂組成物に用いられるポリアミック酸誘導体及びポリイミドの分子量は、重量平均分子量で2,000~500,000が好ましく、より好ましくは5,000~300,000であり、さらに好ましくは、10,000~100,000である。また、数平均分子量は、好ましくは、1,000~250,000であり、より好ましくは、2,500~150,000であり、さらに好ましくは、5,000~50,000である。
本発明による機能性樹脂組成物における重合体の濃度は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更することができるが、均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点から1重量%以上であることが好ましく、溶液の保存安定性の点からは10重量%以下とすることが好ましい。
<<溶媒>>
本発明の機能性樹脂組成物に用いる溶媒は、本発明に記載の重合体を溶解させる溶媒(良溶媒ともいう)であれば特に限定されない。下記に、良溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、3-メトキシーN,N-ジメチルプロパンアミド又は4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどを挙げることができる。なかでも、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、3-メトキシーN,N-ジメチルプロパンアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンを用いることが好ましい。
更に、本発明に記載のポリアミック酸誘導体及びポリイミドの溶媒への溶解性が高い場合は、下記式[D-1]~式[D-3]で示される溶媒を用いることが好ましい。
Figure 0007063330000021
(式[D-1]中、Dは炭素数1~4のアルキル基を示し、式[D-2]中、Dは炭素数1~4のアルキル基を示し、式[D-3]中、Dは炭素数1~4のアルキル基を示す)。
本発明の機能性樹脂組成物における良溶媒は、溶媒全体の20~99質量%であることが好ましく、20~90質量%がより好ましく、30~80質量%が特に好ましい。
機能性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、機能性樹脂組成物を塗布した際の機能性樹脂組成物の塗膜性や表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒ともいう)を含有することができる。これら貧溶媒は、機能性樹脂組成物に含まれる溶媒全体の1~80質量%が好ましい。なかでも、10~80質量%が好ましい。より好ましいのは20~70質量%である。
下記に、貧溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、イソペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、3-メチル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコール、1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-メチルシクロヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール、3-メチルシクロヘキサノール、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2-ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、3-エトキシブチルアセタート、1-メチルペンチルアセタート、2-エチルブチルアセタート、2-エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2-(メトキシメトキシ)エタノール、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1-ブトキシ‐2-プロパノール、1-(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブチルセロソルブアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ダイアセトンアルコール、プロピレングリコールジアセタート、ジイソペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸メチルエチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸、3-メトキシプロピオン酸、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n-プロピルエステル、乳酸n-ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル、ジイソブチルケトン、エチルカルビトール又は前記式[D-1]~式[D-3]で示される溶媒などを挙げることができる。
なかでも、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、ジイソペンチルエーテル、プロピレングリコールジアセタート、1-ブトキシ‐2-プロパノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセタート、ジイソブチルケトン、エチルカルビトール又はジプロピレングリコールジメチルエーテルを用いることが好ましい。
<<任意成分>>
本発明の機能性樹脂組成物には、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基又はシクロカーボネート基を有する架橋性化合物、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基及び低級アルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物、又は重合性不飽和結合を有する架橋性化合物を含んでいても良い。これら置換基や重合性不飽和結合は、架橋性化合物中に2個以上有する必要がある。
エポキシ基又はイソシアネート基を有する架橋性化合物としては、例えば、ビスフェノールアセトングリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルアミノジフェニレン、テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、テトラグリシジル-1,3-ビス(アミノエチル)シクロヘキサン、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ビスフェノールヘキサフルオロアセトジグリシジルエーテル、1,3-ビス(1-(2,3-エポキシプロポキシ)-1-トリフルオロメチル-2,2,2-トリフルオロメチル)ベンゼン、4,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニル、トリグリシジル-p-アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、2-(4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル)-2-(4-(1,1-ビス(4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル)エチル)フェニル)プロパン又は1,3-ビス(4-(1-(4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル)-1-(4-(1-(4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル)-1-メチルエチル)フェニル)エチル)フェノキシ)-2-プロパノールなどが挙げられる。
オキセタン基を有する架橋性化合物は、下記式[4A]で示されるオキセタン基を少なくとも2個有する化合物である。
Figure 0007063330000022
具体的には、国際公開公報WO2011/132751号(2011.10.27公開)の58~59頁に掲載される式[4a]~式[4k]で示される架橋性化合物が挙げられる。
シクロカーボネート基を有する架橋性化合物としては、下記式[5A]で示されるシクロカーボネート基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。
Figure 0007063330000023
具体的には、国際公開公報WO2012/014898号(2012.2.2公開)の76~82頁に掲載される式[5-1]~式[5-42]で示される架橋性化合物が挙げられる。
ヒドロキシル基及びアルコキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物としては、例えば、ヒドロキシル基又はアルコキシル基を有するアミノ樹脂、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル-ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド-ホルムアルデヒド樹脂又はエチレン尿素-ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。具体的には、アミノ基の水素原子がメチロール基又はアルコキシメチル基又はその両方で置換されたメラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体、又はグリコールウリルを用いることができる。このメラミン誘導体又はベンゾグアナミン誘導体は、2量体又は3量体として存在することも可能である。これらはトリアジン環1個当たり、メチロール基又はアルコキシメチル基を平均3個以上6個以下有するものが好ましい。
上記のメラミン誘導体又はベンゾグアナミン誘導体の例としては、市販品のトリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均3.7個置換されているMX-750、トリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均5.8個置換されているMW-30(以上、三和ケミカル社製)やサイメル300、301、303、350、370、771、325、327、703、712などのメトキシメチル化メラミン、サイメル235、236、238、212、253、254などのメトキシメチル化ブトキシメチル化メラミン、サイメル506、508などのブトキシメチル化メラミン、サイメル1141のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、サイメル1123のようなメトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1123-10のようなメトキシメチル化ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1128のようなブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1125-80のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン(以上、三井サイアナミド社製)が挙げられる。また、グリコールウリルの例として、サイメル1170のようなブトキシメチル化グリコールウリル、サイメル1172のようなメチロール化グリコールウリルなど、パウダーリンク1174のようなメトキシメチロール化グリコールウリル等が挙げられる。
ヒドロキシル基又はアルコキシル基を有するベンゼン又はフェノール性化合物としては、例えば、1,3,5-トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(イソプロポキシメチル)ベンゼン、1,4-ビス(sec-ブトキシメチル)ベンゼン又は2,6-ジヒドロキシメチル-p-tert-ブチルフェノールが挙げられる。
より具体的には、国際公開公報WO2011/132751号(2011.10.27公開)の62~66頁に掲載される、式[6-1]~式[6-48]の架橋性化合物が挙げられる。
重合性不飽和結合を有する架橋性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン又はグリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和基を分子内に3個有する架橋性化合物、更に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート、1,6-へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート又はヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和基を分子内に2個有する架橋性化合物、加えて、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルフタレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステル又はN-メチロール(メタ)アクリルアミド等の重合性不飽和基を分子内に1個有する架橋性化合物等が挙げられる。
更に、下記式[7A]で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0007063330000024
(式[7A]中、Eはシクロヘキサン環、ビシクロヘキサン環、ベンゼン環、ビフェニル環、ターフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環又はフェナントレン環からからなる群から選ばれる基を示し、Eは下記式[7a]又は式[7b]から選ばれる基を示し、nは1~4の整数を示す)。
Figure 0007063330000025
上記は架橋性化合物の一例であり、これらに限定されるものではない。また、本発明の機能性樹脂組成物に用いる架橋性化合物は、1種類でも、2種類以上組み合わせてもよい。
本発明の機能性樹脂組成物における、架橋性化合物の含有量は、全ての重合体成分100質量部に対して、0.1~150質量部が好ましい。なかでも、架橋反応が進行し目的の効果を発現させるためには、の重合体成分100質量部に対して、0.1~100質量部が好ましい。より好ましいのは、1~50質量部である。
本発明の機能性樹脂組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない限り、機能性樹脂組成物を塗布した際の駆動制御膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物を用いることができる。
駆動制御膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F173、R-30(以上、大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(以上、住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS-382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(以上、旭硝子社製)などが挙げられる。
界面活性剤の使用量は、機能性樹脂組成物に含有される全ての重合体成分100質量部に対して、好ましくは0.01~2質量部、より好ましくは0.01~1質量部である。
更に、本発明の機能性樹脂組成物には、駆動制御膜中の電荷移動を促進して素子の電荷抜けを促進させる化合物として、国際公開公報WO2011/132751号(2011.10.27公開)の69~73頁に掲載される、式[M1]~式[M156]で示される窒素含有複素環アミン化合物を添加することもできる。このアミン化合物は、機能性樹脂組成物に直接添加しても構わないが、濃度0.1~10質量%、好ましくは1~7質量%の溶液にしてから添加することが好ましい。この溶媒は、機能性樹脂組成物を溶解させるならば特に限定されない。
更に、本発明の機能性樹脂組成物には、上記の貧溶媒、架橋性化合物、樹脂被膜又は駆動制御膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物の他に、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、本発明に記載の重合体以外の重合体、駆動制御膜と基板との密着性を向上させる目的のシランカップリング剤、さらには塗膜を焼成する際にポリアミック酸誘導体の加熱によるイミド化を効率よく進行させる目的のイミド化促進剤等を添加しても良い。
<駆動制御膜および移相変調素子>
本発明による駆動制御膜は、本発明による機能性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥、焼成して得ることができる。
駆動制御膜を走査型平面アンテナの位相変調素子に使用する場合、用いる基板は、マイクロ波に対する誘電損失が小さいことが好ましい。
具体的には、ガラス基板またはプラスチック基板を用いることができる。基板に形成される電極は、例えば、液晶位相変調器の電極基板が導波路となる場合、電極を導波路の壁として機能する。そのため、該電極にはマイクロ波の透過を抑制する必要があり、比較的厚みのある金属層から構成される。このような金属層としては、Cu層、Al層等が挙げられる。10GHzのマイクロ波を1/150まで低減する場合、Cu層の厚みは3.3μm以上に設定され、Al層の厚みは4.0μm以上に設定される。電極を構成する金属層の厚みの上限については、特に制限はないものの、配向膜の形成を考慮すると、薄ければ薄い方が好ましく、金属層として、Cu層を用いると、Al層よりも薄くできるという利点を有する。一方、走査型平面アンテナの導波路が空気とガラスから構成される場合、導波ロスを減らすという観点で、ガラスは薄い方が好ましい。400μm以下が好ましく、300μm以下がさらに好ましい。
液晶位相変調器を有する走査型平面アンテナは、液晶の静電容量を変化させることによって、各電極から輻射されるマイクロ波の位相を変化させる。したがって、用いる液晶としては、マイクロ波に対する誘電率の異方性が大きいことが好ましく、またマイクロ波に対する誘電正接が小さいことが好ましい。
機能性樹脂組成物の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷又はインクジェット法などで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、スリットコータ法、スピンナー法又はスプレー法などがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
機能性樹脂組成物を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン又はIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、溶媒を蒸発させて駆動制御膜とすることができる。本発明の機能性樹脂組成物を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができる。通常は、含有される溶媒を十分に除去するために50~120℃で1~10分焼成し、その後、150~300℃で5~120分焼成する条件が挙げられる。焼成後の駆動制御膜の厚みは、薄すぎると移相変調素子の信頼性が低下する場合があるので、5~300nmが好ましく、10~200nmがより好ましい。
本発明の機能性樹脂組成物は、基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理や、光配向処理などで配向処理をした後、駆動制御膜として用いることができる。
液晶セルの作製方法の一例として、パッシブマトリクス構造の液晶駆動素子を例にとり説明する。なお各画素部分にTFT(Thin Film Transistor)などのスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス構造の移相変調素子であってもよい。
具体的には、透明なガラス製の基板を準備し、一方の基板の上にコモン電極を、他方の基板の上にセグメント電極を設ける。これらの電極は、例えばITO電極とすることができ、所望の液晶駆動ができるようパターニングされている。
次に、各基板の上に駆動制御膜を形成し、一方の基板に他方の基板を互いの駆動制御膜面が対向するようにして重ね合わせ、周辺をシール剤で接着する。シール剤には、基板間隙を制御するために、通常、スペーサーを混入しておき、また、シール剤を設けない面内部分にも、基板間隙制御用のスペーサーを散布しておくことが好ましい。シール剤の一部には、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておく。次いで、シール剤に設けた開口部を通じて、2枚の基板とシール剤で包囲された空間内に液晶材料を注入し、その後、この開口部を接着剤で封止する。注入には、真空注入法を用いてもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法を用いてもよい。液晶材料は、ポジ型液晶材料やネガ型液晶材料のいずれを用いてもよい。
上記のようにして、本発明の機能性樹脂組成物を用いることで、耐久性の高い駆動制御膜を得ることができる。
従って、本発明の別の態様によれば、本発明の機能性樹脂組成物から得られる、駆動制御膜が提供される。
また本発明のさらに別の態様によれば、駆動制御膜を具備する移相変調素子、好ましくは、マイクロ波移相変調素子が提供される。
なおここで、「移相変調素子」とは、周波信号の振幅や位相を外部刺激によって任意に制御できる素子を意味する。また、「マイクロ波移相変調素子」とは、その中でもマイクロ波等の高周波に対応した移相変調素子を意味する。
以下に本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されないことはもちろんである。
実施例で使用する略号は以下のとおりである。
(テトラカルボン酸誘導体)
Figure 0007063330000026
(ジアミンおよび縮合剤)
Figure 0007063330000027
(有機溶媒)
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
[ポリマー分子量測定]
合成例におけるポリマーの分子量はセンシュー科学社製 常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(SSC-7200)、Shodex社製カラム(KD-803、KD-805)を用い以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’-ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム-水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o-リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量約9000,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
[ポリマー粘度測定]
実施例および比較例において、ポリアミック酸またはポリアミック酸エステル溶液の粘度はE型粘度計TVE-22H(東機産業株式会社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE-1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
<実施例1>
撹拌子を入れた100mLの四つ口フラスコに、ジアミン(Z-1)を2.10g(1.40mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン28.1gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を2.69g(1.37mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを7.03g加え、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は104mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン16.5g、ブチルセロソルブ13.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例2>
撹拌子を入れた100mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-12)を4.09g(3.00mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン31.2gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を5.77g(2.94mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを7.79g加え、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は653mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン37.5g、ブチルセロソルブ22.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例3>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-1)を4.13g(2.75mmol)、ジアミン(Z-2)を5.45g(2.75mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン64.2gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を10.46g(5.34mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを16.0g加え、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は799mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン37.5g、ブチルセロソルブ22.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例4>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-1)を8.26g(5.50mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン113.2gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を5.39g(2.75mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを28.3g加え、窒素雰囲気下、23℃で2時間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物(T-2)を5.64g(2.59mmol)添加し窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は143mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン16.5g、ブチルセロソルブ13.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例5>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-1)を8.26g(5.50mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン111.8gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を7.55g(3.85mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを27.9g加え、窒素雰囲気下、23℃で2時間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物(T-2)を3.24g(1.49mmol)添加し窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は168mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン16.5g、ブチルセロソルブ13.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例6>
撹拌子を入れた100mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-3)を3.15g(1.30mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン25.8gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を2.54g(1.29mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを6.44g加え、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は78mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン24.4g、ブチルセロソルブ16.9gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例7>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-2)を6.52g(3.29mmol)、ジアミン(Z-3)を3.42g(1.41mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン69.3gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-3)を11.70g(4.68mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを17.31g加え、窒素雰囲気下、60℃で4時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は383mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン37.5g、ブチルセロソルブ22.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例8>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-2)を3.89g(1.96mmol)、ジアミン(Z-9)を3.33g(0.84mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン88.2gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-4)を6.15g(2.74mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを9.80g加え、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は319mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン16.5g、ブチルセロソルブ13.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例9>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-5)を3.26g(3.01mmol)、ジアミン(Z-4)を7.18g(1.29mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン63.3gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-3)を5.38g(2.15mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを15.82g加え、窒素雰囲気下、60℃で4時間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を3.96g(2.02mmol)添加し、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は1003mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン37.5g、ブチルセロソルブ22.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例10>
撹拌子を入れた100mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-5)を0.76g(0.70mmol)、ジアミン(Z-10)を0.78g(0.30mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン11.9gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-3)を1.25g(0.50mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを2.97g加え、窒素雰囲気下、60℃で4時間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を0.92g(0.47mmol)添加し、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は316mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン37.5g、ブチルセロソルブ22.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例11>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-5)を3.78g(3.50mmol)、ジアミン(Z-11)を2.99g(1.50mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン103.5gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-3)を6.26g(2.50mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを25.9g加え、窒素雰囲気下、60℃で4時間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を4.61g(2.35mmol)添加し、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は184mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン37.5g、ブチルセロソルブ22.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<実施例12>
撹拌子を入れた300mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-1)を4.51g(3.00mmol)、ジアミン(Z-2)を2.38g(1.20mmol)、ジアミン(Z-4)を10.02g(1.80mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン135.5gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-3)を7.51g(3.00mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを33.9g加え、窒素雰囲気下、60℃で4時間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を5.81g(2.96mmol)添加し、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は444mPa・sであった。
ポリアミック酸溶液を70g取り、NMPを91.5g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を10.62g、ピリジンを4.94g加えて、80℃で4時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を531mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、531mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は51%であった。
このポリイミド樹脂粉末2.00gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン33.0gを加え、窒素雰囲気下、50℃で15時間撹拌した。その後、ブチルセロソルブ15.0gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリイミド溶液を得た。
<実施例13>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-1)を3.76g(2.50mmol)、ジアミン(Z-2)を1.98g(1.00mmol)、ジアミン(Z-9)を5.95g(1.50mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン102.2gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-3)を6.26g(2.50mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを25.6g加え、窒素雰囲気下、60℃で4時間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を4.61g(2.35mmol)添加し、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は480mPa・sであった。
ポリアミック酸溶液を70g取り、NMPを91.5g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を11.73g、ピリジンを5.46g加えて、80℃で4時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を536mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、536mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は52%であった。
このポリイミド樹脂粉末2.00gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン33.0gを加え、窒素雰囲気下、50℃で15時間撹拌した。その後、ブチルセロソルブ15.0gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリイミド溶液を得た。
<実施例14>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-6)を11.97g(4.90mmol)、ジアミン(Z-4)を11.69g(2.10mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン118.2gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-5)を9.01g(4.55mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを29.5g加え、窒素雰囲気下、50℃で1時間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を4.26g(2.17mmol)添加し、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は1210mPa・sであった。
ポリアミック酸溶液を70g取り、NMPを105.0g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を13.55g、ピリジンを3.15g加えて、40℃で3時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を575mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、575mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は65%であった。
このポリイミド樹脂粉末2.00gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン33.0gを加え、窒素雰囲気下、50℃で15時間撹拌した。その後、ブチルセロソルブ15.0gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリイミド溶液を得た。
<実施例15>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにテトラカルボン酸誘導体(T-8)を4.22g(1.62mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン76.4gを加えて撹拌して溶解させた。次いで、トリエチルアミンを3.61g(3.57mmol)、ジアミン(Z-7)を3.91g(1.70mmol)加えて撹拌して溶解させた。
この溶液を撹拌しながら、DBOPを13.69g(3.57mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを10.49g加え、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸エステル溶液を得た。このポリミック酸エステル溶液の温度25℃における粘度は50.5mPa・sであった。
このポリミック酸エステル溶液を674gのメタノールに投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミック酸エステルの粉末を得た。
このポリアミック酸エステル粉末2.00gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン33.0g、ブチルセロソルブ15.0gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸エステル溶液を得た。
<実施例16>
撹拌子を入れた100mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-12)を4.09g(3.00mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン31.2gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-1)を5.77g(2.94mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを7.79g加え、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は653mPa・sであった。
ポリアミック酸溶液を25g取り、NMPを51.9g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を4.66g、ピリジンを2.41g加えて、40℃で3時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を294mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、168mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は49%であった。
このポリイミド樹脂粉末1.00gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン15.0gを加え、窒素雰囲気下、50℃で15時間撹拌した。その後、ブチルセロソルブ4.00gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリイミド溶液を得た。
<実施例17>
実施例1で得たポリアミック酸溶液10gを、撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、そこに実施例2で得られたポリアミック酸溶液10gを加えて、マグネチックスターラーを用いて2時間撹拌し、ポリアミック酸溶液を得た。
<実施例18>
実施例1で得たポリアミック酸溶液10gを、撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、そこに実施例5で得られたポリアミック酸溶液10gを加えて、マグネチックスターラーを用いて2時間撹拌し、ポリアミック酸溶液を得た。
<実施例19>
実施例4で得たポリアミック酸溶液10gを、撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、そこに実施例5で得られたポリアミック酸溶液10gを加えて、マグネチックスターラーを用いて2時間撹拌し、ポリアミック酸溶液を得た。
<参考例1>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-1)を4.21g(2.80mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン59.1gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-2)を5.86g(2.69mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを14.8g加え、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は126mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン16.5g、ブチルセロソルブ13.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<参考例2>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-1)を4.21g(2.80mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン71.1gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-6)を7.91g(2.69mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを17.8g加え、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は121mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン16.5g、ブチルセロソルブ13.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<参考例3>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-1)を6.46g(4.30mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン54.0gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-7)を5.16g(1.72mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを13.50g加え、窒素雰囲気下、60℃で4時間撹拌した。その後、テトラカルボン酸二無水物(T-2)を5.25g(2.41mmol)添加し、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は854mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン37.5g、ブチルセロソルブ22.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
<参考例4>
撹拌子を入れた200mLの四つ口フラスコにジアミン(Z-1)を3.23g(2.15mmol)、ジアミン(Z-8)を3.27g(2.15mmol)取り、N-メチル-2-ピロリドン49.6gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物(T-2)を9.00g(4.13mmol)添加し、更にN-メチル-2-ピロリドンを12.4g加え、窒素雰囲気下、23℃で15時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は799mPa・sであった。
このポリアミック酸溶液15.0gを撹拌子の入った100mL三角フラスコに分取し、N-メチル-2-ピロリドン37.5g、ブチルセロソルブ22.5gを加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
[液晶セルの作製]
実施例1で得られた機能性樹脂組成物を、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板のITO面にスピンコートし、70℃のホットプレートで120秒間乾燥した後、230℃のIRオーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの駆動制御膜を形成した。
上記の基板を2枚用意し、一方の基板の駆動制御膜上に4μmのビーズスペーサーを散布した後、シール剤(協立化学製、XN-1500T)を塗布した。次いで、もう一方の基板を、駆動制御膜面が向き合うようにして張り合わせた後、120℃で90分シール剤を熱硬化させることで空セルを作製した。この空セルにポジ液晶(メルク社製、MLC-2293)を減圧注入法によって注入し、液晶セルを作製した。
同様にして、実施例2~16および参考例1~4で得られた機能性樹脂組成物についても液晶セルを作製した。
[電圧保持率の測定]
上記で得られた液晶セルを70℃の温度下で5Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後の電圧を測定して、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(初期値)として計算した。
続いて、液晶セルを100℃の温度下で200時間放置し、その後、室温に戻した。液晶セルを70℃の温度下で5Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後の電圧を測定して、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(耐久性試験後)として計算した。
結果は表1に示されるとおりであった。
Figure 0007063330000028

Claims (9)

  1. ポリアミック酸誘導体及びそのイミド化物であるポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体を含有する、液晶を用いたマイクロ波移相変調素子の液晶駆動制御膜用の機能性樹脂組成物。
  2. 前記重合体が、脂環式構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸誘導体成分とジアミン成分との反応物である、請求項1に記載の機能性樹脂組成物。
  3. 前記脂環式構造を有するテトラカルボン酸二無水物が、全テトラカルボン酸誘導体成分の50モル%~100モル%である、請求項2に記載の機能性樹脂組成物。
  4. 前記テトラカルボン酸二無水物が、下記構造で表される、請求項2に記載の機能性樹脂組成物。
    Figure 0007063330000029

    [式中、Xは、下記式(X-1)~(X-9)および(X-21)から選ばれる構造を表す:
    Figure 0007063330000030

    式(X-1)~(X-4)中、RからR23はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1~6の1価の有機基、又はフェニル基である]。
  5. 前記重合体が、脂環式構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸誘導体成分と、下記式から選ばれる少なくとも1種のジアミンを含有するジアミン成分との反応物である、請求項1に記載の機能性樹脂組成物。
    Figure 0007063330000031

    式中、Yは、下記式から選ばれる構造を表す:
    Figure 0007063330000032
  6. 前記ジアミンが、全ジアミン化合物に対し30モル%~100モル%である、請求項5に記載の機能性樹脂組成物。
  7. 樹脂組成物について、下記の電圧保持率の測定試験に従って測定して得られた電圧保持率(初期値)が90%以上であって、かつ電圧保持率(耐久性試験後の値)が80%以上となるものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の機能性樹脂組成物。
    [電圧保持率の測定試験]
    被検体の機能性樹脂組成物をガラス基板上にスピンコートして焼成することにより液晶駆動制御膜を形成させ、この液晶駆動制御膜を用いて液晶セルを作製し、
    該液晶セルを70℃の温度下で5Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後の電圧を測定して、電圧がどのくらい保持できているかについての電圧保持率(初期値)得、
    次いで、該液晶セルを95℃の温度下で200時間放置した後、室温に戻し、初期値の場合と同様に、液晶セルを70℃の温度下で5Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後の電圧を測定して、電圧保持率(耐久性試験後の値)を得る。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の機能性樹脂組成物から得られる、駆動制御膜。
  9. 請求項8の駆動制御膜を具備する、マイクロ波移相変調素子。

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