JP7063008B2 - 磁極位置推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数相の巻線を有する同期式の回転電機を備えるシステムに適用され、回転電機の磁極位置を推定する磁極位置推定装置に関する。
この種の推定装置としては、特許文献1に見られるように、いずれか2相分の巻線に電流を流す場合に無通電相の巻線の誘起電圧を検出し、検出した誘起電圧の極性と、検出した誘起電圧のレベルの大小関係とに基づいて、磁極位置を推定するものが知られている。
特開2004-140975号公報
特許文献1に記載の推定装置では、60度間隔でしか磁極位置を推定できない。このため、磁極位置を推定する分解能を高める技術に関しては、未だ改善の余地を残すものとなっている。
本発明は、磁極位置を推定する分解能を高めることができる磁極位置推定装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、複数相の巻線を有する同期式の回転電機と、上下アームスイッチを有してかつ前記巻線に電気的に接続される電力変換器と、を備えるシステムに適用され、前記回転電機の磁極位置を推定する磁極位置推定装置において、複数相の前記巻線のうち、その端に接続される前記上下アームスイッチのいずれにも電流が流れない前記巻線を非接続巻線とし、その端に接続される前記上下アームスイッチのいずれかに電流が流れる前記巻線を接続巻線とする場合、複数相の前記巻線の中から、少なくとも2つの異なる組み合わせからなる前記接続巻線及び前記非接続巻線を選択する選択部と、前記選択部により選択された前記各組み合わせについて、前記電力変換器の操作により第1方向へと前記接続巻線に電流を流す場合における前記非接続巻線の電圧である第1電圧、及び前記電力変換器の操作により前記第1方向とは逆の第2方向へと前記接続巻線に電流を流す場合における前記非接続巻線の電圧である第2電圧を検出する電圧検出部と、前記選択部により選択された前記各組み合わせに対応する前記第1電圧と前記第2電圧との差に基づいて、前記磁極位置を推定する推定部と、を備える。
複数相の巻線のうち、その端に接続される上下アームスイッチのいずれにも電流が流れない巻線を非接続巻線とし、その端に接続される上下アームスイッチのいずれかに電流が流れる巻線を接続巻線とする。本発明の選択部は、複数相の巻線の中から、少なくとも2つの異なる組み合わせからなる接続巻線及び非接続巻線を選択する。電圧検出部は、選択された各組み合わせについて、電力変換器の操作により第1方向へと接続巻線に電流を流す場合における非接続巻線の電圧である第1電圧、及び電力変換器の操作により第1方向とは逆の第2方向へと接続巻線に電流を流す場合における非接続巻線の電圧である第2電圧を検出する。
回転電機の磁極から発生する磁束の影響により、磁極位置に応じて接続巻線のインダクタンスが変化するため、磁極位置に応じて上記第1,第2電圧も変化する。ここで、本願発明者は、磁極位置に応じて、第1電圧と第2電圧との差も変化することに着目した。そして、選択された少なくとも2つの組み合わせそれぞれに対応する第1電圧と第2電圧との差によれば、0度から360度の電気角範囲において現在の磁極位置がどの位置であるのかを特定できることを見出した。
この点に鑑み、本発明は推定部を備えている。本発明によれば、60度よりも小さい間隔で磁極位置を推定することができ、磁極位置を推定する分解能を高めることができる。
第1実施形態に係る回転電機の制御システムの全体構成図。 磁極位置推定処理の手順を示すフローチャート。 各モードにおけるスイッチの操作態様等を示す図。 モード1における電流及び電圧の推移を示すタイムチャート。 モード1におけるバッテリ及び巻線の接続態様を示す図。 モード4における電流及び電圧の推移を示すタイムチャート。 各非通電電圧と磁極位置との関係を示す図。 磁極位置が非通電電圧に及ぼす影響を説明するための図。 各合計電圧と磁極位置との関係を示す図。 第2実施形態に係る各モードにおけるスイッチの操作態様等を示す図。 モード1におけるバッテリ及び巻線の接続態様を示す図。 第3実施形態に係る磁極位置推定処理の手順を示すフローチャート。 第4実施形態に係る磁極位置推定処理の手順を示すフローチャート。 合成ベクトルの一例を示す図。 第5実施形態に係る回転電機の制御システムの全体構成図。 各モードにおけるスイッチの操作態様等を示す図。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る磁極位置推定装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、制御システムは、直流電源としてのバッテリ10、電力変換器としてのインバータ20、回転電機30及び制御装置40を備えている。回転電機30は、インバータ20を介してバッテリ10に接続されている。なお、バッテリ10及びインバータ20の間には、平滑コンデンサ11が設けられている。また、回転電機30は、ロータに磁極としての永久磁石を備える永久磁石界磁型の同期機である。
インバータ20は、3相分の上,下アームスイッチを備えている。U相上,下アームスイッチSUH,SULの接続点には、回転電機30のU相巻線31Uの第1端が接続されている。V相上,下アームスイッチSVH,SVLの接続点には、回転電機30のV相巻線31Vの第1端が接続されている。W相上,下アームスイッチSWH,SWLの接続点には、回転電機30のW相巻線31Wの第1端が接続されている。各相巻線31U,31V,31Wの第2端は、中性点で接続されている。すなわち、各相巻線31U,31V,31Wは星形結線されている。本実施形態では、インバータ20の各スイッチSUH~SWLとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子が用いられ、より具体的にはNチャネルMOSFETが用いられている。各スイッチSUH~SWLには、ボディダイオードが内蔵されている。
制御システムは、電源電圧センサ41を備えている。電源電圧センサ41は、平滑コンデンサ11の端子電圧を電源電圧VDCとして検出する。電源電圧センサ41の検出値は、制御装置40に入力される。
制御装置40は、バッテリ10の負極端子に接続されたグランドに対する各相巻線31U,31V,31Wの第1端側の電位差を検出する機能を有している。また、制御装置40は、回転電機30の制御量をその指令値に制御すべく、各相において上アームスイッチと下アームスイッチとを交互にオンする。本実施形態において、制御量は、回転電機30のロータの回転速度である。
回転電機30の制御は、磁極位置(電気角)を直接検出するレゾルバ等の角度検出器の検出値を用いない位置センサレス制御である。このため、制御装置40は、ロータの停止時において、初期の磁極位置を推定する処理を行う。
3相巻線のうち、通電対象とする巻線を通電巻線(接続巻線に相当)とし、通電対象としない巻線を非通電巻線(非接続巻線に相当)とする。制御装置40は、3相巻線の中から、少なくとも2つの異なる組み合わせからなる通電巻線及び非通電巻線を選択する選択部を備える。制御装置40は、選択部により選択した各組み合わせについて、インバータ20の操作により第1方向へと通電巻線に電流を流す場合における非通電巻線の電圧である第1電圧、及びインバータ20の操作により第1方向とは逆の第2方向へと通電巻線に電流を流す場合における非通電巻線の電圧である第2電圧を検出する電圧検出部を備える。制御装置40は、選択部により選択した各組み合わせに対応する第1電圧と第2電圧との差に基づいて、磁極位置を推定する推定部を備える。以下、この推定処理について説明する。
図2は、磁極位置推定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、制御装置40により、回転電機30の起動前に、ロータが回転していない状態で実行される。
ステップS10ではモードIを選択し、ステップS11では、選択したモードIに応じた電圧が巻線に印加される。ステップS12では、モードIにおいて、U,V,W相巻線31U,31V,31Wのうち通電されていない巻線の第1端とグランドとの電位差である非通電電圧を検出する。なお、Iの初期値は1とされている。
図3に示すように、モード1は、V相巻線31VからU相巻線31Uへと向かう方向(第1方向に相当)に電流を流し、W相巻線31Wには電流を流さないモードである。モード1では、U相巻線31U及びV相巻線31Vが通電巻線に相当し、W相巻線31Wが非通電巻線に相当する。モード1では、W相巻線32Wの第1端に接続されたW相上,下アームスイッチSWH,SWLのいずれにもドレイン電流が流れない。モード1では、極性を交互に反転させながらバッテリ10の出力電圧をU相巻線31U及びV相巻線31Vの直列接続体に印加すべく、V相上アームスイッチSVH及びU相下アームスイッチSULがオンされて、かつ、V相下アームスイッチSVL及びU相上アームスイッチSUHがオフされる状態と、V相上アームスイッチSVH及びU相下アームスイッチSULがオフされて、かつ、V相下アームスイッチSVL及びU相上アームスイッチSUHがオンされる状態とが所定周期Tsで交互に出現する。また、モード1では、W相巻線31Wを非通電巻線とするために、W相上,下アームスイッチSWH,SWLがオフに維持される。
モード2は、W相巻線31WからU相巻線31Uへと向かう方向(第1方向に相当)に電流を流し、V相巻線31Vには電流を流さないモードである。モード2では、U相巻線31U及びW相巻線31Wが通電巻線に相当し、V相巻線31Vが非通電巻線に相当する。モード2では、極性を交互に反転させながらバッテリ10の出力電圧をU相巻線31U及びW相巻線31Wの直列接続体に印加すべく、W相上アームスイッチSWH及びU相下アームスイッチSULがオンされて、かつ、W相下アームスイッチSWL及びU相上アームスイッチSUHがオフされる状態と、W相上アームスイッチSWH及びU相下アームスイッチSULがオフされて、かつ、W相下アームスイッチSWL及びU相上アームスイッチSUHがオンされる状態とが所定周期Tsで交互に出現する。また、モード2では、V相巻線31Vを非通電巻線とするために、V相上,下アームスイッチSVH,SVLがオフに維持される。
モード3は、W相巻線31WからV相巻線31Vへと向かう方向(第1方向に相当)に電流を流し、U相巻線31Uには電流を流さないモードである。モード3では、V相巻線31V及びW相巻線31Wが通電巻線に相当し、U相巻線31Uが非通電巻線に相当する。モード3では、極性を交互に反転させながらバッテリ10の出力電圧をV相巻線31V及びW相巻線31Wの直列接続体に印加すべく、W相上アームスイッチSWH及びV相下アームスイッチSVLがオンされて、かつ、W相下アームスイッチSWL及びV相上アームスイッチSVHがオフされる状態と、W相上アームスイッチSWH及びV相下アームスイッチSVLがオフされて、かつ、W相下アームスイッチSWL及びV相上アームスイッチSVHがオンされる状態とが所定周期Tsで交互に出現する。また、モード3では、U相巻線31Uを非通電巻線とするために、U相上,下アームスイッチSUH,SULがオフに維持される。
モード4は、U相巻線31UからV相巻線31Vへと向かう方向(第2方向に相当)に電流を流し、W相巻線31Wには電流を流さないモードである。モード4では、インバータ20の各スイッチSUH~SWLがモード1と同じように操作される。
モード5は、U相巻線31UからW相巻線31Wへと向かう方向(第2方向に相当)に電流を流し、V相巻線31Vには電流を流さないモードである。モード5では、インバータ20の各スイッチSUH~SWLがモード2と同じように操作される。
モード6は、V相巻線31VからW相巻線31Wへと向かう方向(第2方向に相当)に電流を流し、U相巻線31Uには電流を流さないモードである。モード6では、インバータ20の各スイッチSUH~SWLがモード3と同じように操作される。
ステップS12の非通電電圧の検出方法について説明する。
まず、図4を用いてモード1が選択される場合について説明する。図4(a),(b)は、U,V相巻線31U,31Vに流れるU,V相電流Iu,Ivの推移を示し、図4(c),(d),(e)は、U,V,W相端子電圧Vu,Vv,Vwの推移を示す。U,V,W相端子電圧Vu,Vv,Vwは、グランドに対するU,V,W相巻線31U,31V,31Wの第1端との電位差である。図4(a),(b)の相電流は、中性点へと向かう方向に巻線に流れる電流を正と定義している。
モード1では、U相巻線31Uの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第1A期間(t1~t2,t3~t4)と、V相巻線31Vの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第1B期間(t2~t3,t4~t5)とが所定周期Ts毎に出現する。第1A期間においては、図5(a)に示すような接続状態となる。第1A期間において誘起電圧として発生するW相端子電圧Vwは、下式(eq1)で表される。下式(eq1)において、Lu,LvはU,V相巻線31U,31Vのインダクタンスを示し、VBはバッテリ10の出力電圧を示す。
Figure 0007063008000001
一方、第1B期間においては、図5(v)に示すような接続状態となる。第1B期間において誘起電圧として発生するW相端子電圧Vwは、下式(eq2)で表される。
Figure 0007063008000002
ステップS12では、第1B期間から第1A期間へと切り替えられるタイミングt3から規定時間Tj経過したタイミングでW相端子電圧Vw(第1電圧に相当)を検出し、第1A期間から第1B期間へと切り替えられるタイミングt4から上記規定時間Tj経過したタイミングでW相端子電圧Vw(第1電圧に相当)を検出する。その後、第1B期間で検出したW相端子電圧Vwから第1A期間で検出したW相端子電圧Vwを減算することにより、第1のW相非通電電圧Vw[1](第1電圧差に相当)を算出する。
なお、図4(d)に示すように、第1A期間及び第1B期間のうち一方から他方へと切り替えられた後にW相端子電圧VwがU,V相端子電圧Vu,Vvのように急峻に変化しないのは、図5に示すように容量成分Cが形成され、この容量成分CとW相巻線31Wとによりローパスフィルタが構成されているためである。容量成分Cは、例えばインバータ20を構成する各スイッチのドレイン及びソース間の寄生容量や各スイッチに並列接続される図示しないスナバコンデンサに起因して、W相巻線31Wの第1端とバッテリ10の負極端子側との間に形成される。
続いて、図6を用いてモード4が選択される場合について説明する。図6(a)~図6(e)は、先の図4(a)~(e)に対応している。モード4では、V相巻線31Vの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第4A期間(t1~t2,t3~t4)と、U相巻線31Uの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第4B期間(t2~t3,t4~t5)とが所定周期Ts毎に出現する。第4A期間におけるW相端子電圧Vwは、上式(eq2)で表される。一方、第4B期間におけるW相端子電圧Vwは、上式(eq1)で表される。
ステップS12では、第4B期間から第4A期間へと切り替えられるタイミングt3から規定時間Tj経過したタイミングでW相端子電圧Vw(第2電圧に相当)を検出し、第4A期間から第4B期間へと切り替えられるタイミングt4から上記規定時間Tj経過したタイミングでW相端子電圧Vw(第2電圧に相当)を検出する。その後、第4B期間で検出したW相端子電圧Vwから第4A期間で検出したW相端子電圧Vwを減算することにより、第4のW相非通電電圧Vw[4](第2電圧差に相当)を算出する。
続いて、モード2が選択される場合について説明する。モード2では、U相巻線31Uの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第2A期間と、W相巻線31Wの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第2B期間とが所定周期Ts毎に出現する。第2A期間におけるV相端子電圧Vvは、下式(eq3)で表される。下式(eq3)において、LwはW相巻線31Wのインダクタンスを示す。
Figure 0007063008000003
一方、第2B期間におけるV相端子電圧Vvは、下式(eq4)で表される。
Figure 0007063008000004
ステップS12では、第2B期間から第2A期間へと切り替えられるタイミングから規定時間Tj経過したタイミングでV相端子電圧Vv(第1電圧に相当)を検出し、第2A期間から第2B期間へと切り替えられるタイミングから上記規定時間Tj経過したタイミングでV相端子電圧Vv(第1電圧に相当)を検出する。その後、第2B期間で検出したV相端子電圧Vvから第2A期間で検出したV相端子電圧Vvを減算することにより、第2のV相非通電電圧Vv[2](第1電圧差に相当)を算出する。
続いて、モード5が選択される場合について説明する。モード5では、W相巻線31Wの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第5A期間と、U相巻線31Uの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第5B期間とが所定周期Ts毎に出現する。第5A期間におけるW相端子電圧Vwは、上式(eq4)で表される。一方、第5B期間におけるW相端子電圧Vwは、上式(eq3)で表される。
ステップS12では、第5B期間から第5A期間へと切り替えられるタイミングから規定時間Tj経過したタイミングでV相端子電圧Vv(第2電圧に相当)を検出し、第5A期間から第5B期間へと切り替えられるタイミングから上記規定時間Tj経過したタイミングでV相端子電圧Vv(第2電圧に相当)を検出する。その後、第5B期間で検出したV相端子電圧Vvから第5A期間で検出したV相端子電圧Vvを減算することにより、第5のV相非通電電圧Vv[5](第2電圧差に相当)を算出する。
続いて、モード3が選択される場合について説明する。モード3では、V相巻線31Vの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第3A期間と、W相巻線31Wの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第3B期間とが所定周期Ts毎に出現する。第3A期間におけるU相端子電圧Vuは、下式(eq5)で表される。
Figure 0007063008000005
一方、第3B期間におけるU相端子電圧Vuは、下式(eq6)で表される。
Figure 0007063008000006
ステップS12では、第3B期間から第3A期間へと切り替えられるタイミングから規定時間Tj経過したタイミングでU相端子電圧Vu(第1電圧に相当)を検出し、第3A期間から第3B期間へと切り替えられるタイミングから上記規定時間Tj経過したタイミングでU相端子電圧Vu(第1電圧に相当)を検出する。その後、第3B期間で検出したU相端子電圧Vuから第3A期間で検出したU相端子電圧Vuを減算することにより、第3のU相非通電電圧Vu[3](第1電圧差に相当)を算出する。
続いて、モード6が選択される場合について説明する。モード6では、W相巻線31Wの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第6A期間と、V相巻線31Vの第1端にバッテリ10の正極端子が接続される第6B期間とが所定周期Ts毎に出現する。第6A期間におけるU相端子電圧Vuは、上式(eq6)で表される。一方、第6B期間におけるU相端子電圧Vuは、上式(eq5)で表される。
ステップS12では、第6B期間から第6A期間へと切り替えられるタイミングから規定時間Tj経過したタイミングでU相端子電圧Vu(第2電圧に相当)を検出し、第6A期間から第6B期間へと切り替えられるタイミングから上記規定時間Tj経過したタイミングでU相端子電圧Vu(第2電圧に相当)を検出する。その後、第6B期間で検出したU相端子電圧Vuから第6A期間で検出したU相端子電圧Vuを減算することにより、第6のU相非通電電圧Vu[6](第2電圧差に相当)を算出する。
第3,第6のU相非通電電圧Vu[3],Vu[6]は、図7(a)に示すようにロータの磁極位置θeに応じて変化し、第2,第5のV相非通電電圧Vv[2],Vv[5]も、図7(b)に示すように磁極位置θeに応じて変化し、第1,第4のW相非通電電圧Vw[1],Vw[4]も、図7(c)に示すように磁極位置θeに応じて変化する。これは、磁極位置θeに応じて、巻線と鎖交する永久磁石の磁束が変化することにより、巻線のインダクタンスが変化するためである。図8を用いて第2のV相非通電電圧Vv[2]を例に説明する。図8では、磁極位置の基準はU相とされている。磁極位置θeが0度の場合、永久磁石の磁束の影響によりU相インダクタンスLuが減少し、Lu<Lwとなる。その結果、本実施形態では、Vv[2]>0となる。磁極位置θeが30度付近の場合、Lu=Lwとなり、Vv[2]が0に近い値となる。磁極位置θeが60度の場合、永久磁石の磁束の影響によりW相インダクタンスLwが減少し、Lu>Lwとなる。その結果、本実施形態では、Vv[2]<0となる。
ステップS13では、6つのモード全てにおいて非通電電圧が算出されたか否かを判定する。ステップS13において否定判定した場合には、ステップS14を経由してステップS10に戻る。これにより、次のモードが選択され、通電巻線及び非通電巻線の次の組み合わせが選択される。本実施形態において、ステップS10、S13、S14の処理が選択部に相当する。また、ステップS12の処理が電圧検出部に相当する。
一方、ステップS13において6つのモード全てにおいて非通電電圧が算出されたと判定した場合には、ステップS15に進む。ステップS15では、第3のU相非通電電圧Vu[3]に第6のU相非通電電圧Vu[6]を加算することにより、U相合計電圧Vusumを算出する。また、第2のV相非通電電圧Vv[2]に第5のV相非通電電圧Vv[5]を加算することにより、V相合計電圧Vvsumを算出する。また、第1のW相非通電電圧Vw[1]に第4のW相非通電電圧Vw[4]を加算することにより、W相合計電圧Vwsumを算出する。ステップS15の処理が電圧差算出部に相当する。
U相合計電圧Vusum、V相合計電圧Vvsum及びW相合計電圧Vwsumは、図9に示すように、磁極位置θeに応じた値となる。ここで、U相合計電圧Vusum、V相合計電圧Vvsum及びW相合計電圧Vwsumそれぞれの値の組み合わせは、1電気角周期における各磁極位置で互いに異なる。このため、U相合計電圧Vusum、V相合計電圧Vvsum及びW相合計電圧Vwsumによれば、磁極位置θeを一義的に特定することができる。
図2の説明に戻り、ステップS16では、3相(U,V,W)固定座標系におけるU相合計電圧Vusum、V相合計電圧Vvsum及びW相合計電圧Vwsumを、2相(α,β)固定座標系におけるα軸電圧Vα及びβ軸電圧Vβに変換する。
ステップS17では、α軸電圧Vα及びβ軸電圧Vβに基づいて、磁極位置θeを推定する。本実施形態では、下式(eq7)に示すように、α軸電圧Vα及びβ軸電圧Vβの比の逆正接を算出することにより磁極位置θeを推定する。ステップS17の処理が推定部に相当する。
Figure 0007063008000007
なお、ステップS16、S17に処理に代えて、U相合計電圧Vusum、V相合計電圧Vvsum及びW相合計電圧Vwsumと磁極位置θeとが関係付けられたマップ情報と、ステップS15で算出した各合計電圧Vusum,Vvsum,Vwsumとに基づいて、磁極位置θeを推定してもよい。
磁極位置推定処理により、磁極位置θeが推定される。その後、推定された磁極位置θeを初期値として正弦波駆動が開始され、正弦波状の相電流が流れるように回転磁界が発生する。これにより、回転電機30が起動され、脱調することなくロータの回転速度が上昇し始める。この際、正弦波駆動できることから、回転電機30の起動時に発生する騒音を低減できる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
U,V,W相合計電圧Vusum,Vvsum,Vwsumに基づいてα軸電圧Vα及びβ軸電圧Vβを算出し、算出したα軸電圧Vα及びβ軸電圧Vβに基づいて磁極位置θeを推定した。これにより、連続的に磁極位置を推定することができ、磁極位置を推定する分解能を高めることができる。その結果、回転電機30の起動時において正弦波駆動を実施することができ、回転電機30の起動時に発生する騒音を低減することができる。
非通電電圧を検出する際に、バッテリ10の出力電圧の極性を反転させながら通電巻線に電圧を印加した。このため、非通電巻線の端子電圧の変化量を大きくすることができ、検出される非通電電圧を大きくすることができ、磁極位置の推定精度をより高めることができる。
<第1実施形態の変形例>
2相分の巻線の直列接続体に印加されるバッテリ10の電圧が正極性になる期間及び負極性になる期間の合計期間を単位周期とする。単位周期は、例えば、図4の第1A期間及び第1B期間の合計期間である。この場合、単位周期の長さを変化させないことを条件として、正極性になる期間の長さと、負極性になる期間の長さとを異ならせてもよい。例えば、図4において、第1A期間が第1B期間よりも長くされていてもよい。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、各モードのスイッチSUH~SWLの操作態様を変更する。以下、図10を用いて、図2のステップS11の変更点について主に説明する。
モード1では、U相巻線31U及びV相巻線31Vの直列接続体に印加される電圧が、バッテリ10の出力電圧とグランドの電圧(0)とに交互に切り替えられる。このために、U相上アームスイッチSUHがオンされてかつU相下アームスイッチSULがオフされる状態と、U相上アームスイッチSUHがオフされてかつU相下アームスイッチSULがオフされる状態とが所定周期Tsで交互に出現する。また、モード1では、V相上アームスイッチSVH及びW相上,下アームスイッチSWH,SWLがオフに維持され、V相下アームスイッチSVLがオンに維持される。モード1では、U相巻線31U及びV相巻線31Vの直列接続体にバッテリ10の出力電圧が印加される期間が第1A期間に相当し、U相巻線31U及びV相巻線31Vの直列接続体にグランド電圧が印加される期間が第1B期間に相当する。
<第2実施形態の変形例>
第1実施形態の変形例と同様に、単位周期の長さを変化させないことを条件として、正極性になる期間の長さと、負極性になる期間の長さとを異ならせてもよい。
モード1の期間のうち、U相巻線31U及びV相巻線31Vの直列接続体にバッテリ10の出力電圧が印加される期間においては、図11(a)に示すような接続状態となる。一方、U相巻線31U及びV相巻線31Vの直列接続体にグランド電圧が印加される期間においては、図11(b)に示すような接続状態となる。
モード4では、インバータ20の各スイッチSUH~SWLがモード1と同じように操作される。モード4では、U相巻線31U及びV相巻線31Vの直列接続体にグランド電圧が印加される期間が第4A期間に相当し、U相巻線31U及びV相巻線31Vの直列接続体にバッテリ10の出力電圧が印加される期間が第4B期間に相当する。
モード2では、U相巻線31U及びW相巻線31Wの直列接続体に印加される電圧が、バッテリ10の出力電圧とグランド電圧とに交互に切り替えられる。このために、U相上アームスイッチSUHがオンされてかつU相下アームスイッチSULがオフされる状態と、U相上アームスイッチSUHがオフされてかつU相下アームスイッチSULがオフされる状態とが所定周期Tsで交互に出現する。また、モード2では、W相上アームスイッチSWH及びV相上,下アームスイッチSVH,SVLがオフに維持され、W相下アームスイッチSWLがオンに維持される。モード2では、U相巻線31U及びW相巻線31Wの直列接続体にバッテリ10の出力電圧が印加される期間が第2A期間に相当し、U相巻線31U及びW相巻線31Wの直列接続体にグランド電圧が印加される期間が第2B期間に相当する。
モード5では、インバータ20の各スイッチSUH~SWLがモード2と同じように操作される。モード5では、U相巻線31U及びW相巻線31Wの直列接続体にグランド電圧が印加される期間が第5A期間に相当し、U相巻線31U及びW相巻線31Wの直列接続体にバッテリ10の出力電圧が印加される期間が第5B期間に相当する。
モード3では、V相巻線31V及びW相巻線31Wの直列接続体に印加される電圧が、バッテリ10の出力電圧とグランド電圧とに交互に切り替えられる。このために、W相上アームスイッチSWHがオンされてかつW相下アームスイッチSWLがオフされる状態と、W相上アームスイッチSWHがオフされてかつW相下アームスイッチSWLがオフされる状態とが所定周期Tsで交互に出現する。また、モード3では、V相上アームスイッチSVH及びU相上,下アームスイッチSUH,SULがオフに維持され、V相下アームスイッチSVLがオンに維持される。モード3では、V相巻線31V及びW相巻線31Wの直列接続体にバッテリ10の出力電圧が印加される期間が第3A期間に相当し、V相巻線31V及びW相巻線31Wの直列接続体にグランド電圧が印加される期間が第3B期間に相当する。
モード6では、インバータ20の各スイッチSUH~SWLがモード3と同じように操作される。モード6では、V相巻線31V及びW相巻線31Wの直列接続体にグランド電圧が印加される期間が第6A期間に相当し、V相巻線31V及びW相巻線31Wの直列接続体にバッテリ10の出力電圧が印加される期間が第6B期間に相当する。
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、ロータの備える永久磁石が減磁しているか否かを判定する。この判定について、図12を用いて説明する。なお、図12において、先の図2に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
ステップS17の処理の完了後、ステップS18に進み、ステップS15で算出した各合計電圧Vusum,Vvsum,Vwsumのうち、最大となる合計電圧を最大電圧Vmaxとして選択し、最小となる合計電圧を最小電圧Vminとして選択する。
ステップS19では、最大電圧Vmaxから最小電圧Vminを減算することにより、判定電圧ΔVを算出する。本実施形態において、ステップS18、S19の処理が判定算出部に相当する。
ステップS20では、電源電圧センサ41により検出された電源電圧VDCが高いほど、判定閾値Vthを大きく設定する。ステップS20の処理は、バッテリ10の出力電圧が大きいと判定電圧ΔVが大きくなる傾向があることに鑑み、減磁が発生していないにもかかわらず、減磁が発生していると誤判定されることを避けるための処理である。なお、判定閾値Vthは、例えば、12Vの電圧範囲で変化する電圧を12bitの分解能のAD変換器で検出する場合において、検出した電圧が10LSB以上となるような値に設定されればよい。また本実施形態において、ステップS20の処理が設定部に相当する。
ステップS21では、ステップS19で算出した判定電圧ΔVが、ステップS20で設定した判定閾値Vthを下回っているか否かを判定する。ステップS21において下回っていると判定した場合には、ステップS22に進み、永久磁石の減磁が発生していると判定する。本実施形態において、ステップS21、S22の処理が減磁判定部に相当する。
永久磁石の磁束量が減少すると、判定電圧ΔVが小さくなり、ステップS20において肯定判定される。このように本実施形態によれば、ロータの永久磁石の減磁を適正に検出することができる。
<第3実施形態の変形例>
今回算出した判定電圧ΔVが、過去に算出した判定電圧ΔVから所定値γを減算した値「ΔV-γ」よりも小さくなっていると判定した場合に減磁が発生していると判定してもよい。この場合、「ΔV-γ」が閾値に相当する。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について、第3実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、永久磁石の減磁を判定する手法を変更する。この判定について、図13を用いて説明する。なお、図13において、先の図12に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
ステップS17の処理の完了後、ステップS23に進み、ステップS15で算出した各合計電圧Vusum,Vvsum,Vwsumに基づいて、3相固定座標系における合成ベクトルの大きさである電圧振幅Vampを算出する。合成ベクトルは、U相合計電圧VusumをU相成分とし、V相合計電圧VvsumをV相成分とし、W相合計電圧VwsumをW相成分とするベクトルである。図14には、V相合計電圧Vvsumのみが0となる場合の例を示す。
ステップS24では、電源電圧センサ41により検出された電源電圧VDCが高いほど、判定閾値Vrを大きく設定する。
ステップS25では、ステップS23で算出した電圧振幅Vampが、ステップS24で設定した判定閾値Vrを下回っているか否かを判定する。ステップS25において下回っていると判定した場合には、ステップS22に進む。
以上説明した本実施形態によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第5実施形態>
以下、第5実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図15に示すように、巻線がΔ結線されている。なお、図15において、先の図1に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
回転電機30は、U,V,W相巻線32U,32V,32Wを備えている。U相上,下アームスイッチSUH,SULの接続点には、U相巻線32U及びV相巻線32Vの接続点が接続されている。V相上,下アームスイッチSVH,SVLの接続点には、V相巻線32V及びW相巻線32Wの接続点が接続されている。W相上,下アームスイッチSWH,SWLの接続点には、U相巻線32U及びW相巻線32Wの接続点が接続されている。
続いて、本実施形態の磁極位置推定処理について説明する。以下、図16を用いて、図2のステップS11、S12の変更点について主に説明する。なお、図16では、電流の流れ等を示す矢印を接続巻線のみに付している。
モード1は、U相上アーム側からW相下アーム側に向かう方向に、各相巻線32U~32Wに電流を流すモードである。モード1では、U相巻線32Uが接続巻線に相当し、V,W相巻線32V,32Wが非接続巻線に相当する。モード1では、極性を交互に反転させながらバッテリ10の出力電圧を各相巻線32U~32Wに印加すべく、U相上アームスイッチSUH及びW相下アームスイッチSWLがオンされて、かつ、U相下アームスイッチSUL及びW相上アームスイッチSWHがオフされる状態と、W相上アームスイッチSWH及びU相下アームスイッチSULがオンされて、かつ、W相下アームスイッチSWL及びU相上アームスイッチSUHがオフされる状態とが所定周期Tsで交互に出現する。また、モード1では、V,W相巻線32V,32Wを非接続巻線とするために、V相上,下アームスイッチSVH,SVLがオフに維持される。これにより、V,W相巻線32V,32Wの一端に接続されたV相上,下アームスイッチSVH,SVLにドレイン電流が流れない。モード1では、U相巻線32U及びV相巻線32Vの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第1A期間に相当し、U相巻線32U及びW相巻線32Wの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第1B期間に相当する。モード1では、グランドに対するV相巻線32V及びW相巻線32Wの接続点の電位差がW相端子電圧Vwとして検出される。
モード4は、W相下アーム側からU相上アーム側に向かう方向に、各相巻線32U~32Wに電流を流すモードである。モード4では、インバータ20の各スイッチSUH~SWLがモード1と同じように操作される。モード4では、U相巻線32U及びW相巻線32Wの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第4A期間に相当し、U相巻線32U及びV相巻線32Vの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第4B期間に相当する。モード4では、グランドに対するV相巻線32V及びW相巻線32Wの接続点の電位差がW相端子電圧Vwとして検出される。
モード2は、U相上アーム側からV相下アーム側に向かう方向に、各相巻線32U~32Wに電流を流すモードである。モード2では、V相巻線32Vが接続巻線に相当し、U,W相巻線32U,32Wが非接続巻線に相当する。モード2では、極性を交互に反転させながらバッテリ10の出力電圧をV相巻線32Vに印加すべく、U相上アームスイッチSUH及びV相下アームスイッチSVLがオンされて、かつ、U相下アームスイッチSUL及びV相上アームスイッチSVHがオフされる状態と、V相上アームスイッチSVH及びU相下アームスイッチSULがオンされて、かつ、V相下アームスイッチSVL及びU相上アームスイッチSUHがオフされる状態とが所定周期Tsで交互に出現する。また、モード2では、U,W相巻線32U,32Wを非接続巻線とするために、W相上,下アームスイッチSWH,SWLがオフに維持される。モード2では、U相巻線32U及びV相巻線32Vの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第2A期間に相当し、V相巻線32V及びW相巻線32Wの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第2B期間に相当する。モード2では、グランドに対するU相巻線32U及びW相巻線32Wの接続点の電位差がV相端子電圧Vvとして検出される。
モード5は、V相下アーム側からU相上アーム側に向かう方向に、各相巻線32U~32Wに電流を流すモードである。モード5では、インバータ20の各スイッチSUH~SWLがモード2と同じように操作される。モード5では、V相巻線32V及びW相巻線32Wの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第5A期間に相当し、U相巻線32U及びV相巻線32Vの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第5B期間に相当する。モード5では、グランドに対するU相巻線32U及びW相巻線32Wの接続点の電位差がV相端子電圧Vvとして検出される。
モード3は、W相上アーム側からV相下アーム側に向かう方向に、各相巻線32U~32Wに電流を流すモードである。モード3では、W相巻線32Wが接続巻線に相当し、U,V相巻線32U,32Vが非接続巻線に相当する。モード3では、極性を交互に反転させながらバッテリ10の出力電圧をW相巻線32Wに印加すべく、W相上アームスイッチSWH及びV相下アームスイッチSVLがオンされて、かつ、W相下アームスイッチSWL及びV相上アームスイッチSVHがオフされる状態と、V相上アームスイッチSVH及びW相下アームスイッチSWLがオンされて、かつ、V相下アームスイッチSVL及びW相上アームスイッチSWHがオフされる状態とが所定周期Tsで交互に出現する。また、モード3では、U,V相巻線32U,32Vを非接続巻線とするために、U相上,下アームスイッチSUH,SULがオフに維持される。モード3では、U相巻線32U及びW相巻線32Wの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第3A期間に相当し、V相巻線32V及びW相巻線32Wの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第3B期間に相当する。モード3では、グランドに対するU相巻線32U及びV相巻線32Vの接続点の電位差がU相端子電圧Vuとして検出される。
モード6は、V相下アーム側からW相上アーム側に向かう方向に、各相巻線32U~32Wに電流を流すモードである。モード6では、インバータ20の各スイッチSUH~SWLがモード3と同じように操作される。モード6では、V相巻線32V及びW相巻線32Wの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第6A期間に相当し、U相巻線32U及びW相巻線32Wの接続点にバッテリ10の正極端子が接続される期間が第6B期間に相当する。モード6では、グランドに対するU相巻線32U及びV相巻線32Vの接続点の電位差がU相端子電圧Vuとして検出される。
各モードにおいて、磁極位置θeに応じて接続巻線のインダクタンスが変化する。例えば、モード1の場合を例にして説明すると、磁極位置θeに応じてU相巻線32Uのインダクタンスが変化し、W相端子電圧Vwが変化する。このため、端子電圧から算出された各合計電圧Vusum,Vvsum,Vwsumに基づいて、上記第1実施形態と同様に、磁極位置θeを推定することができる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・6つのモードに限らず、4つのモードを用いて磁極位置を推定してもよい。具体的には例えば、第1,第2,第4,第5モードを用いてV相合計電圧Vvsum及びW相合計電圧Vwsumを算出し、算出したV相合計電圧Vvsum及びW相合計電圧Vwsumに基づいて磁極位置を推定してもよい。
・回転電機の相数としては3相に限らない。例えば、星形結線の5相の回転電機の場合、5相分の巻線のうち磁極位置推定に用いる3相を決める。そして、この3相の巻線について、上記各実施形態で説明した磁極位置推定処理を適用すればよい。
・インバータを構成するスイッチとしては、NチャネルMOSFETに限らず、例えばIGBTであってもよい。この場合、IGBTにフリーホイールダイオードが逆並列に接続されていればよい。
・回転電機の制御量としては、ロータの回転速度に限らず、例えば回転電機のトルクであってもよい。
・回転電機としては、ロータに界磁巻線を備える界磁巻線型のものであってもよい。
20…インバータ、30…回転電機、40…制御装置。

Claims (7)

  1. 複数相の巻線(31U~31W,32U~32W)を有する同期式の回転電機(30)と、上下アームスイッチを有してかつ前記巻線に電気的に接続される電力変換器(20)と、を備えるシステムに適用され、前記回転電機の磁極位置を推定する磁極位置推定装置(40)において、
    複数相の前記巻線のうち、その端に接続される前記上下アームスイッチのいずれにも電流が流れない前記巻線を非接続巻線とし、その端に接続される前記上下アームスイッチのいずれかに電流が流れる前記巻線を接続巻線とする場合、前記接続巻線及び前記非接続巻線の組み合わせを少なくとも2相分の前記非接続巻線について選択する選択部と、
    前記選択部により選択された前記各組み合わせについて、前記電力変換器の操作により第1方向へと前記接続巻線に電流を流す場合における前記非接続巻線の電圧である第1電圧、及び前記電力変換器の操作により前記第1方向とは逆の第2方向へと前記接続巻線に電流を流す場合における前記非接続巻線の電圧である第2電圧を検出する電圧検出部と、を備え、
    前記電圧検出部は、前記第1方向へと前記接続巻線に電流を流す場合において、前記電力変換器に電気的に接続される直流電源(10)の電圧を前記接続巻線に印加するときにおける前記第1電圧と、前記直流電源の極性を反転させた電圧を前記接続巻線に印加するときにおける前記第1電圧とを検出し、また、前記第2方向へと前記接続巻線に電流を流す場合において、前記直流電源の電圧を前記接続巻線に印加するときにおける前記第2電圧と、前記直流電源の極性を反転させた電圧を前記接続巻線に印加するときにおける前記第2電圧とを検出し、
    前記第1方向へと前記接続巻線に電流を流す場合において、前記直流電源の電圧を前記接続巻線に印加するときに検出された前記第1電圧と、前記直流電源の極性を反転させた電圧を前記接続巻線に印加するときに検出された前記第1電圧との差である第1電圧差を前記各組み合わせについて算出し、前記第2方向へと前記接続巻線に電流を流す場合において、前記直流電源の電圧を前記接続巻線に印加するときに検出された前記第2電圧と、前記直流電源の極性を反転させた電圧を前記接続巻線に印加するときに検出された前記第2電圧との差である第2電圧差を前記各組み合わせについて算出する電圧差算出部と、
    記各組み合わせについて前記第1電圧差及び前記第2電圧差の加算値である合計電圧を算出し、前記各組み合わせに対応する前記合計電圧に基づいて、前記磁極位置を推定する推定部と、を備える磁極位置推定装置。
  2. 複数相の巻線(31U~31W,32U~32W)を有する同期式の回転電機(30)と、上下アームスイッチを有してかつ前記巻線に電気的に接続される電力変換器(20)と、を備えるシステムに適用され、前記回転電機の磁極位置を推定する磁極位置推定装置(40)において、
    複数相の前記巻線のうち、その端に接続される前記上下アームスイッチのいずれにも電流が流れない前記巻線を非接続巻線とし、その端に接続される前記上下アームスイッチのいずれかに電流が流れる前記巻線を接続巻線とする場合、前記接続巻線及び前記非接続巻線の組み合わせを少なくとも2相分の前記非接続巻線について選択する選択部と、
    前記選択部により選択された前記各組み合わせについて、前記電力変換器の操作により第1方向へと前記接続巻線に電流を流す場合における前記非接続巻線の電圧である第1電圧、及び前記電力変換器の操作により前記第1方向とは逆の第2方向へと前記接続巻線に電流を流す場合における前記非接続巻線の電圧である第2電圧を検出する電圧検出部と、を備え、
    前記電圧検出部は、前記第1方向へと前記接続巻線に電流を流す場合において、前記電力変換器に電気的に接続された直流電源(10)の電圧を前記接続巻線に印加するときにおける前記第1電圧と、前記直流電源のグランド側の電圧を前記接続巻線に印加するときにおける前記第1電圧とを検出し、また、前記第2方向へと前記接続巻線に電流を流す場合において、前記直流電源の電圧を前記接続巻線に印加するときにおける前記第2電圧と、前記直流電源のグランド側の電圧を前記接続巻線に印加するときにおける前記第2電圧とを検出し、
    前記第1方向へと前記接続巻線に電流を流す場合において、前記直流電源の電圧を前記接続巻線に印加するときに検出された前記第1電圧と、前記直流電源のグランド側の電圧を前記接続巻線に印加するときに検出された前記第1電圧との差である第1電圧差を前記各組み合わせについて算出し、前記第2方向へと前記接続巻線に電流を流す場合において、前記直流電源の電圧を前記接続巻線に印加するときに検出された前記第2電圧と、前記直流電源のグランド側の電圧を前記接続巻線に印加するときに検出された前記第2電圧との差である第2電圧差を前記各組み合わせについて算出する電圧差算出部と、
    記各組み合わせについて前記第1電圧差及び前記第2電圧差の加算値である合計電圧を算出し、前記各組み合わせに対応する前記合計電圧に基づいて、前記磁極位置を推定する推定部と、を備える磁極位置推定装置。
  3. 前記選択部は、前記接続巻線及び前記非接続巻線の組み合わせを3相分の前記非接続巻線について選択し、
    前記各組み合わせについて前記第1電圧差と前記第2電圧差との加算値を算出し、算出した前記各組み合わせに対応する前記加算値の最大値と最小値との差を判定電圧(ΔV)として算出する判定算出部と、
    算出された前記判定電圧が閾値(Vth)を下回ったと判定した場合、前記回転電機の磁極の減磁が発生していると判定する減磁判定部と、を備える請求項1又は2に記載の磁極位置推定装置。
  4. 前記選択部は、前記接続巻線及び前記非接続巻線の組み合わせを3相分の前記非接続巻線について選択し、
    前記各組み合わせについて前記第1電圧差と前記第2電圧差との加算値を算出し、算出した前記各組み合わせに対応する前記加算値に基づいて前記非接続巻線に印加される電圧ベクトルの大きさである電圧振幅(Vamp)を算出する判定算出部と、
    算出された前記電圧振幅が閾値(Vr)を下回ったと判定した場合、前記回転電機の磁極の減磁が発生していると判定する減磁判定部と、を備える請求項1又は2に記載の磁極位置推定装置。
  5. 前記直流電源の電圧が高いほど、前記閾値を大きく設定する設定部を備える請求項3又は4に記載の磁極位置推定装置。
  6. 複数相の前記巻線(31U~31W)は星形結線されており、
    前記接続巻線は、複数相の前記巻線のうち通電対象とする通電巻線であり、前記非接続巻線は、複数相の前記巻線のうち通電対象としない非通電巻線である請求項1~のいずれか1項に記載の磁極位置推定装置。
  7. 前記接続巻線及び前記非接続巻線の組み合わせは、2相分の前記通電巻線及び1相分の前記非通電巻線の組み合わせである請求項に記載の磁極位置推定装置。
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