JP7057095B2 - 油性固形化粧料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、油性固形化粧料の製造方法に関する。
従来、毛穴やシワ等の肌の凹凸を目立たなくするため、球状粉体を用いて光を拡散させることで、マットな仕上がりが得られる化粧料が検討されている。
例えば、特許文献1には、比表面積の高い架橋型アクリル系樹脂粉末、低極性油剤及び/又は非極性油剤、並びに極性油剤を含有する固形粉末化粧料が、滑らかな塗擦感を有し、皮膚を平滑にし、毛穴やシワ等の皮膚形態を補正し、且つ化粧持続性に優れることが記載されている。
特開2012-102061号公報
しかしながら、従来の化粧料は、球状粉体が肌の皮溝や毛穴の凹部を埋めるため、マット感やぼけ感のある厚ぼったい仕上がりになるという課題があった。
本発明者は、疎水化処理された着色顔料を揮発性油に予め分散させたスラリー状分散液と、特定の液状不揮発性油、固形のワックスを併用することにより得られる油性固形化粧料が、塗布後の肌の皮丘・皮溝全体に亘って顔料が薄く均一に付着し、マット感やぼけ感の発生を抑制し、ツヤ感があるのに、毛穴の影が目立ちにくくなることを見出した。
本発明は、(A)疎水化処理された着色顔料及び(B)揮発性油を撹拌混合してスラリー状分散液を調製し、これに、(C)分子量250~700のエステル油及びアルコール油から選ばれる25℃で液状の不揮発性油30~70質量%、(D)25℃で固形のワックス5~35質量%を混合することを特徴とする、油性固形化粧料の製造方法に関する。
また、本発明は、
(A)疎水化処理された着色顔料、
(B)揮発性油、
(C)分子量250~700のエステル油及びアルコール油から選ばれる25℃で液状の不揮発性油 30~70質量%、及び
(D)25℃で固形のワックス 5~30質量%
を含有する油性固形化粧料であって、成分(A)及び(B)を撹拌混合してスラリー状分散液を調製し、これに、成分(C)及び(D)を混合することにより得られる油性固形化粧料に関する。
本発明により得られる油性固形化粧料は、塗布後の肌の皮丘・皮溝全体に亘って顔料が薄く均一に付着し、マット感やぼけ感の発生を抑制し、ツヤ感があるのに、毛穴の影が目立ちにくいものである。
本発明で用いる成分(A)は、疎水化処理された着色顔料である。
着色顔料としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物、マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体、更にカーボンブラック等の無機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色405号、赤色505号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色401号、青色1号、青色404号等の合成有機顔料;β-カロチン、カラメル、パプリカ色素等の天然有機色素等が挙げられ、これらの着色顔料の複合体、これらの着色顔料とパール顔料とを組み合わせた複合顔料などが挙げられる。処理されるパール顔料としては、例えば、雲母、金雲母、タルク、シリカ、セリサイト、マイカ、ガラス、カオリン、オキシ塩化ビスマス、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、板状アルミナ粉末等の天然又は合成の無機粉体が挙げられる。複合顔料の具体例としては、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆合成金雲母、酸化クロム被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄被覆ガラス末、酸化チタン内包ガラス末、酸化鉄内包ガラス末等が挙げられる。
成分(A)の着色顔料としては、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラから選ばれる少なくとも1種又は2種以上が好ましく、少なくとも酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラを含むことがより好ましい。
これらの着色顔料の疎水化処理としては、例えば、フッ素化合物処理、シリコーン処理、アルキル処理、アルキルシラン処理、金属石鹸処理、水溶性高分子処理、アミノ酸処理、アシル化アミノ酸処理、レシチン処理、有機チタネート処理、ポリオール処理、アクリル樹脂処理、メタクリ樹脂処理、ウレタン樹脂処理等の表面処理が挙げられる。
疎水化処理としては、肌への付きが良く、艶やかで、肌表面が均一に仕上がって見える点から、アミノ酸処理、アシル化アミノ酸処理から選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むことが好ましく、少なくともアシル化アミノ酸処理を含むことがより好ましい。
着色顔料を処理するアミノ酸としては、例えば、プロリン、ヒドロキシプロリン、アラニン、グリシン、サルコシン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられ、これらの塩が含まれる。また、アシル化アミノ酸のアシル基を構成する脂肪酸は、炭素数1~23の脂肪酸が好ましく、炭素数8~20の脂肪酸がより好ましく、なかでも、ステアロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ジラウロイルグルタミン酸リシン、ラウロイルリジンがさらに好ましい。これらの塩としては、Na、Ca、Al、Mg、Zn、Zr、Ti塩が挙げられる。
具体的には、肌へのムラづきを抑制し、艶やかで、肌表面が均一に仕上がって見える点から、ステアロイルグルタミン酸2Na、ラウロイルアスパラギン酸Na等で処理されたものが好ましく、なかでも、ステアロイルグルタミン酸2Naで処理されたものがより好ましい。
着色顔料を疎水化処理するには、通常の方法により、行うことができる。
成分(A)としては、疎水化処理された黄酸化鉄、疎水化処理された黒酸化鉄、疎水化処理されたベンガラから選ばれる1種または2種以上と疎水化処理された酸化チタンを組み合わせて用いるのが好ましく、アシル化アミノ酸処理された黄酸化鉄、アシル化アミノ酸処理された黒酸化鉄、アシル化アミノ酸処理されたベンガラから選ばれる1種または2種以上とアシル化アミノ酸処理された酸化チタンを組み合わせて用いるのがより好ましい。
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、肌を綺麗なメイクアップ効果で仕上げる点から、含有量は、油性固形化粧料中に1質量%以上であるのが好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A)の含有量は、油性固形化粧料中に1~25質量%であるのが好ましく、3~20質量%がより好ましく、4~15質量%がさらに好ましい。
成分(B)の揮発性油において、揮発性とは、35~87℃の引火点を有するものである。また、25℃で液状のものである。ここでいう成分(B)は、成分(A)をスラリー状にするために必要な揮発性油を指す。
揮発性油としては、揮発性シリコーン油、揮発性炭化水素油が挙げられる。
揮発性シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン(1cs)、ジメチルポリシロキサン(1.5cs)、ジメチルポリシロキサン(2cs)等の直鎖状ジメチルポリシロキサン;メチルトリメチコン、トリス(トリメチルシリル)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシリル)シラン等の分岐状シロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシロキサンなどが挙げられる。これらのうち、ジメチルポリシロキサン(1cs)、ジメチルポリシロキサン(1.5cs)、メチルトリメチコン、デカメチルシクロペンタシロキサンが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンがより好ましい。
揮発性炭化水素油としては、例えば、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン等のパラフィン系炭化水素油;イソデカン、イソドデカン、水添ポリイソブテン等のイソパラフィン系炭化水素油;シクロデカン、シクロドデカン等の環状パラフィン炭化水素油が挙げられる。これらのうち、炭素数8~16の炭化水素油が好ましく、炭素数10~16の炭化水素油がより好ましく、炭素数12の炭化水素油がさらに好ましい。なかでも、イソパラフィン系炭化水素油が好ましく、イソドデカン、炭素数12の水添ポリイソブテンがより好ましい。
これらのうち、塗布後の肌に均一に付着し、艶やかで、潤って見える点から、揮発性シリコーン油を含むことが好ましく、少なくともデカメチルシクロペンタシロキサンを含むことがより好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、少なくとも揮発性シリコーン油を含有するのが好ましい。また、疎水化処理された着色顔料を滑らかに分散させ、艶やかに、潤って見せる点から、含有量は、油性固形化粧料中に0.4質量%以上であるのが好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、成分(B)の含有量は、油性固形化粧料中に0.4~25質量%であるのが好ましく、1~20質量%がより好ましく、2~10質量%がさらに好ましい。
成分(A)の疎水化処理された着色顔料と、成分(B)の揮発性油を撹拌混合して得られるスラリー状分散液の総含有量は、油性固形化粧料中に1.4質量%以上であるのが好ましく、4質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましく、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A)及び(B)を撹拌混合して得られるスラリー状分散液の総含有量は、油性固形化粧料中に1.4~50質量%であるのが好ましく、4~40質量%がより好ましく、6~25質量%がさらに好ましい。
本発明において、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、疎水化処理された着色顔料を滑らかに分散させ、艶やかに、潤って見せる点から、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上がさらに好ましく、9以下が好ましく、6以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。また、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、0.4~9であるのが好ましく、0.5~6がより好ましく、0.6~5がさらに好ましい。
成分(C)は、分子量250~700のエステル油及びアルコール油から選ばれる25℃で液状の不揮発性油である。25℃で液状とは、流動性を有するもので、ペースト状のものも含まれる。また、不揮発性とは、25℃で5mm2/s以上の動粘度を有するものである。
成分(C)の分子量は、成分(A)及び成分(B)を撹拌混合して得られるスラリー状分散液を肌に薄く均一に密着させる点から、250~700であり、300~650が好ましい。
成分(C)のうち、エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル(分子量270)、ミリスチン酸オクチルドデシル(分子量509)、イソステアリン酸イソプロピル(分子量326)、イソノナン酸イソノニル(分子量284)、ステアリン酸ブチル(分子量340)、オレイン酸オレイル(分子量532)、イソノナン酸イソトリデシル(分子量341)、メトキシケイ皮酸オクチル(分子量290)、酢酸トコフェロール(分子量472)、リンゴ酸ジイソステアリル(分子量639)、ジカプリル酸プロピレングリコール(分子量329)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(分子量412)、トリエチルヘキサノイン(分子量471)等が挙げられる。
これらのうち、塗布後の肌の皮丘・皮溝全体に亘って顔料を均一に付着させる点から、少なくともリンゴ酸ジイソステアリル(分子量639)、ジカプリル酸プロピレングリコール(分子量329)、イソノナン酸イソトリデシル(分子量341)、トリエチルヘキサノイン(分子量471)を、1種又は2種以上含むのが好ましい。
また、アルコール油としては、例えば、オクチルドデカノール(分子量299)、デシルテトラデカノール(355)等が挙げられ、塗布後の肌の皮丘・皮溝全体に亘って顔料を均一に付着させる点から、オクチルドデカノール(分子量299)が好ましい。
成分(C)としては、少なくともリンゴ酸ジイソステアリル(分子量639)、ジカプリル酸プロピレングリコール(分子量329)、イソノナン酸イソトリデシル(分子量341)、トリエチルヘキサノイン(分子量471)、オクチルドデカノール(分子量299)を、1種又は2種以上含むものが好ましい。
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、塗布後の肌の皮丘・皮溝全体に亘って顔料を均一に付着させる点から、含有量は、油性固形化粧料中に30質量%以上であり、35質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、70質量%以下であり、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、油性固形化粧料中に30~70質量%であり、35~65質量%が好ましく、40~60質量%がより好ましい。
本発明において、成分(C)に対する成分(A)及び成分(B)の合計含有量の質量割合[(A)+(B)]/(C)は、塗布後の肌の皮丘・皮溝全体に亘って顔料が均一に付着し、マット感やぼけ感が抑制され、肌にツヤ感があるのに、毛穴の影が目立ちにくくなる点から、0.02以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、0.6以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.4以下がさらに好ましい。また、成分(C)に対する成分(A)及び成分(B)の合計含有量の質量割合[(A)+(B)]/(C)は、0.02~0.6であるのが好ましく、0.05~0.5がより好ましく、0.1~0.4がさらに好ましい。
成分(D)は、25℃で固形のワックスである。25℃で固形とは、25℃において固体の性状を示し、融点が40℃以上のものである。
かかるワックスとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、木ロウ、サンフラワーワックス、水添ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス;シリコーンワックス、フッ素系ワックス、合成ミツロウ等の合成ワックス;脂肪酸、高級アルコール及びこれらの誘導体などが挙げられる。
これらのワックスは、化粧料に適度な硬さを付与し、油の染み出しを抑制し、肌に付着した着色顔料の塗布膜の密着性を向上させる点から、融点50~140℃であるのが好ましく、融点60~120℃がより好ましく、融点60~110℃がさらに好ましい。
25℃で固形のワックスとしては、融点60℃以上、110℃以下のワックスとして、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、セレシン、ポリエチレンワックス、合成ワックスを少なくとも1種又は2種以上含有させることがより好ましく、融点60℃以上、110℃以下のワックスとして、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、合成ワックスを少なくとも1種又は2種以上含有させることがさらに好ましい。
また、これらのワックスは、市販品を使用することができ、例えば、セレシンとして、セレシン #810(日興リカ)等が;マイクロクリスタリンワックスとして、Multiwax W-445、W-835(以上、SONNEBORN社製)、Paracera M(Paramelt社製)、Hi-Mic-1045、1070、2045、HNP-0190(以上、日本精鑞社製)等が;パラフィンワックスとして、パラフィンワックス140、145、150、155、HNP-3、5、9(以上、日本精鑞社製)等が;合成炭化水素ワックスとして、リップワックス A-4(日本ナチュラルプロダクツ社製)、PERFORMALENE 400、655、PL(NEW PHASE TECHNOLOGIES社製)等が挙げられる。
成分(D)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、化粧料に適度な硬さを付与し、油の染み出しを抑制し、肌に付着した着色顔料の塗布膜の密着性を向上させる点から、油性固形化粧料中に5質量%以上であり、8質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、35質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、24質量%以下がより好ましい。また、成分(D)の含有量は、油性固形化粧料中に5~35質量%であり、8~30質量%が好ましく、12~24質量%がより好ましい。
本発明において、成分(D)に対する成分(A)及び成分(B)の合計含有量の質量割合[(A)+(B)]/(D)は、塗布後の肌の皮丘・皮溝全体に亘って顔料が均一に付着し、マット感やぼけ感が抑制され、肌にツヤ感があるのに、毛穴の影が目立ちにくくなる点から、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、6以下が好ましく、4以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。また、成分(D)に対する成分(A)及び成分(B)の合計含有量の質量割合[(A)+(B)]/(D)は、0.1~6であるのが好ましく、0.2~4がより好ましく、0.3~2がさらに好ましい。
本発明において、油性固形化粧料に含まれるその他の成分として球状の有機粉体を含む場合、球状の有機粉体の含有量は、肌のマット感やぼけ感を抑制し、毛穴の影を目立ちにくくする点から、油性固形化粧料中に2質量%以下であるのが好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、実質的に含まないことがよりさらに好ましい。
球状の有機粉体としては、例えば、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリメチルベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂;アクリル酸ブチル・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体、シリコーン樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体から選ばれる1種または2種以上の重合体または共重合体のパウダー等の架橋型あるいは非架橋型の有機粉体などが挙げられる。
本発明により得られる油性固形化粧料は、さらに、成分(A)以外の任意の粉体を含有することができる。
任意の粉体としては、化粧料に通常用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず用いることができる。具体的には、ベンガラ、水酸化鉄、チタン酸鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、紺青、群青、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の有色顔料類;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、スメクタイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、合成セリサイト等の白色又は体質顔料類;酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、雲母、酸化チタン被覆板状シリカ、中空板状酸化チタン、酸化鉄被覆雲母、板状酸化鉄(MIO)、アルミニウムフレーク、ステンレスフレーク、酸化チタン被覆板状アルミナ、真珠殻、金箔、金蒸着樹脂フィルム、金属蒸着樹脂フィルム等のパール顔料(光輝性粉体)類;赤色104号、赤色102号、赤色226号、赤色201号、赤色202号、黄色4号、黒色401号等の有機タール系顔料、有機色素及びそのレーキ化物類が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
これらの粉体は、そのまま使用することができるほか、疎水化処理、親水化処理を施して使用することができる。
さらに、本発明の油性固形化粧料は、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、前記以外の油成分、界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、高分子化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、染料、香料、防腐剤、pH調整剤、血行促進剤、消炎剤、冷感剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、保湿剤、水等を含有することができる。
なお、揮発性シリコーン油は、成分(B)として、成分(A)とスラリー状分散液を調製する以外に、油相成分の一部として、用いることもできる。
本発明の油性固形化粧料は、(A)疎水化処理された着色顔料及び(B)揮発性油を撹拌混合してスラリー状分散液を調製し、これに、(C)分子量250~700のエステル油及びアルコール油から選ばれる25℃で液状の不揮発性油30~70質量%、(D)25℃で固形のワックス5~35質量%を混合することにより、製造する。
成分(A)及び(B)のスラリー状分散液は、(A)疎水化処理された着色顔料及び(B)揮発性油をボールミル法にて、撹拌混合してスラリー状分散液を調製することが好ましい。
また、成分(A)及び(B)のスラリー状分散液は、成分(A)を、あらかじめ成分(B)によって希釈された市販の分散液を使用することもできる。
本発明の油性固形化粧料に、成分(A)以外の粉体を配合する場合には、成分(A)及び(B)のスラリー分散液を調製した後、当該スラリー分散液に添加混合して、調製することができる。
また、その他の任意成分については、油相中に添加することにより、配合することができる。
本発明の油性固形化粧料は、油成分を連続相とする固形状の化粧料であり、皮膚、口唇、睫毛、爪、毛髪に使用される。口紅、リップクリーム、リップグロス、リップライナー等の口唇化粧料;マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、チークカラー、ファンデーション、コンシーラー等のメイクアップ化粧料;クリーム、乳液、美容液、マッサージ剤、デオドラント、サンスクリーン、育毛剤、ヘアカラー、ヘアワックスなどとすることができる。
実施例1~8、比較例1~3
表1に示す組成の油性固形化粧料(スティック状コンシーラー)を製造し、塗布後の肌のマット感のなさ、ツヤ感、毛穴の目立ちにくさを評価した。結果を表1に併せて示す。
(製造方法)
(1)実施例1~8、比較例2、3:
成分(A)及び(B)を撹拌混合して得られたスラリー状分散液に、成分(C)及び(D)を含む油相成分を加えて加熱混合し、均一分散させる。分散後、脱泡させ、容器に流し込み、冷却、固化後、油性固形化粧料を得た。
(2)比較例1:
成分(A)を混合して得られた粉体相に、成分(B)、(C)及び(D)を含む油相成分を加えて加熱混合し、均一分散させる。分散後、脱泡させ、容器に流し込み、冷却、固化後、油性固形化粧料を得た。
(評価方法)
専門パネラー5人により、各油性固形化粧料を肌に塗布したとき、塗布後の肌のマット感のなさ、ツヤ感、毛穴の目立ちにくさを、以下の基準で評価した。結果は、専門パネラー5人の合計点で示した。
(1)塗布後の肌のマット感のなさ:
5;マットな仕上がりに見えない。
4;あまりマットな仕上がりに見えない。
3;ややマットな仕上がりに見える。
2;マットな仕上がりに見える。
1;かなりマットな仕上がりに見える。
(2)塗布後の肌のツヤ感:
5;塗布部の肌にかなり均一なツヤ感が見られる。
4;塗布部の肌に均一なツヤ感が見られる。
3;塗布部の肌にやや均一なツヤ感が見られる。
2;塗布部の肌にあまり均一なツヤ感が見られない。
1;塗布部の肌に均一なツヤ感が見られない。
(3)塗布後の肌の毛穴の目立ちにくさ:
5;頬の毛穴の影が目立ちにくい。
4;頬の毛穴の影があまり目立ちにくい。
3;頬の毛穴の影がやや目立つ。
2;頬の毛穴の影が目立つ。
1;頬の毛穴の影が顕著に目立つ。
Figure 0007057095000001
実施例9、10
実施例1と同様にして、表2に示す組成の油性固形化粧料を製造し、塗布後の肌のマット感のなさ、ツヤ感、毛穴の目立ちにくさを評価した。結果を表2に併せて示す。
Figure 0007057095000002
実施例11
実施例1と同様にして、表3に示す組成の油性固形化粧料を製造した。なお、スラリー状分散液は、以下の方法により製造した。
すなわち、成分(A)50g、成分(B)75g、ジルコニアビーズ(直径1mm)100gを、容器に充填し、振とう機(ヤヨイ社製、ペイントシェイカー YS-LD)を用いて、ストローク回数125回/分、ストローク幅80mmで、45分間撹拌混合した。撹拌終了後、ジルコニアビーズを取り除き、スラリー状分散液を得た。
得られた油性固形化粧料は、塗布後の肌にマット感がなく、ツヤ感があり、毛穴が目立ちにくいものである。
Figure 0007057095000003

Claims (7)

  1. (A)ステアロイルグルタミン酸2Na、ラウロイルアスパラギン酸Naで処理された着色顔料及び(B)揮発性油を撹拌混合してスラリー状分散液を調製し、これに、(C)分子量250~700のエステル油及びアルコール油から選ばれる25℃で液状の不揮発性油30~70質量%、(D)25℃で固形のワックス5~35質量%を混合することを特徴とする、油性固形化粧料の製造方法。
  2. 油性固形化粧料中のスラリー状分散液の含有量が、1.4~50質量%である請求項1記載の油性固形化粧料の製造方法。
  3. スラリー状分散液中の(B)揮発性油が、少なくとも揮発性シリコーン油を含有する請求項1又は2記載の油性固形化粧料の製造方法。
  4. 成分(C)に対する成分(A)及び成分(B)の合計含有量の質量割合[(A)+(B)]/(C)が、0.02~0.6である請求項1~3のいずれか1項記載の油性固形化粧料の製造方法。
  5. 成分(D)に対する成分(A)及び成分(B)の合計含有量の質量割合[(A)+(B)]/(D)が、0.1~6である請求項1~4のいずれか1項記載の油性固形化粧料の製造方法。
  6. 球状の有機粉体の含有量が、油性固形化粧料中2質量%以下である請求項1~のいずれか1項記載の油性固形化粧料の製造方法。
  7. (A)ステアロイルグルタミン酸2Na、ラウロイルアスパラギン酸Naで処理された着色顔料、
    (B)揮発性油、
    (C)分子量250~700のエステル油及びアルコール油から選ばれる25℃で液状の不揮発性油30~70質量%、及び
    (D)25℃で固形のワックス5~35質量%
    を含有する油性固形化粧料であって、成分(A)及び(B)を撹拌混合してスラリー状分散液を調製し、これに、成分(C)及び(D)を混合することにより得られる油性固形化粧料。
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