JP7056600B2 - スイッチ装置及びキー入力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、可動部材を押下することにより電気的な接離状態を切り替えるスイッチ装置、及びそのようなスイッチ装置を備えるキー入力装置に関する。
コンピュータ等の電子機器への入力装置として、複数のキースイッチが並べて配設されたキーボードが普及している。例えば、特許文献1では、スイッチ接点を閉じる時に確実な感触を与えるプッシュボタンスイッチが記載されている。また、昨今では、eスポーツと呼ばれるコンピュータゲームに使用するキーボードに対して、使用者が素早く反応して操作するための様々な要求が高まっている。
特公平4-47932号公報
しかしながら、例えば、eスポーツに使用されるキーボード用のスイッチには、使用者が素早く反応するため、キースイッチを押下した際に発生する音、所謂、クリック音について嗜好性の高いものが求められている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、押下の際に発生する音について改良したキースイッチ等のスイッチ装置の提供を主たる目的とする。
また、本発明は、そのようなスイッチ装置を用いたキーボード等のキー入力装置の提供を他の目的とする。
上記課題を解決するため、本願記載のスイッチ装置(キースイッチ)は、固定部材と、押下操作により押下方向へ移動する可動部材と、前記可動部材を押下方向の反対方向へ押圧する弾性部材と、前記可動部材が押下方向へ移動する過程で電気的な接離状態を切り替える接点部材とを備えるスイッチ装置であって、押下方向及び押下方向の反対方向へ移動可能で、他の部材を衝打する衝打部材と、前記衝打部材を押下方向へ付勢する付勢部材とを備え、前記可動部材の押下方向への移動により、接離状態を切り替える際に、前記衝打部材は、前記付勢部材に付勢されて他の部材を衝打することを特徴とする。
また、本願記載のスイッチ装置は、固定部材と、押下操作により押下方向へ移動可能な可動部材と、前記可動部材を押下方向の反対方向へ押圧する弾性部材と、前記可動部材が押下方向へ移動する過程で電気的な接離状態を切り替える接点部材とを備えるスイッチ装置であって、押下方向及び押下方向の反対方向へ移動可能で、他の部材を衝打する衝打部材と、前記衝打部材を押下方向へ付勢する付勢部材と前記衝打部材と係合する係合部材とを備え、前記可動部材の押下方向への移動により、接離状態を切り替える際に、前記衝打部材は、前記係合部材と係合して前記付勢部材からの付勢に抗し、更に付勢されて前記係合部材との係合が外れた場合に、前記付勢部材に付勢されて他の部材を衝打することを特徴とする。
また、本願記載のスイッチ装置は、固定部材と、押下操作により押下方向へ移動可能な可動部材と、前記可動部材を押下方向の反対方向へ押圧する弾性部材と、前記可動部材が押下方向へ移動する過程で電気的な接離状態を切り替える接点部材とを備えるスイッチ装置であって、押下方向及び押下方向の反対方向へ移動可能で、他の部材を衝打する衝打部材と、前記衝打部材を押下方向へ付勢する付勢部材と、可撓性を有し、前記衝打部材と係合する係合部材とを備え、前記衝打部材は、前記係合部材と係合し、前記係合部材を押圧する押圧部を備え、前記係合部材は、前記衝打部材と係合し、前記衝打部材の前記押圧部から押圧される被押圧部を備え、前記可動部材の押下方向への移動により、接離状態を切り替える際に、前記衝打部材は、前記付勢部材からの付勢に対し、前記係合部材と係合して前記付勢部材からの付勢に抗し、更に前記付勢部材から付勢されることにより、前記押圧部にて前記被押圧部を押圧し、前記被押圧部が押圧されて前記係合部材が撓み、前記係合部材との係合が外れた場合に、前記付勢部材に付勢されて他の部材を衝打することを特徴とする。
また、前記スイッチ装置において、前記衝打部材が衝打する他の部材は、前記固定部材又は前記可動部材であることを特徴とする。
また、下方から発せられた光を上方へ通す光路が形成されていることを特徴とする。
更に、本願記載のキー入力装置(キーボード)は、複数のキースイッチが配設されたキー入力装置であって、配設されたキースイッチとして、前記スイッチ装置を備えることを特徴とする。
本願記載のスイッチ装置及びキー入力装置は、押下部材を押下した際に、衝打部材が固定部材等の他の部材を衝打する。
本発明に係るスイッチ装置及びキー入力装置は、使用者の押下操作により押下方向へ移動する可動部材に取り付けられた付勢部材と、付勢部材に押下方向へ付勢される衝打部材とを備えている。そして、可動部材が移動して、接点の接離状態を切り替える際に、衝打部材は、付勢部材に付勢されて他の部材を衝打する。これにより、本発明は、衝打部材の衝打により音が発生する等の効果を奏する。
本願記載のキー入力装置を適用したキーボードの外観の一例を示す概略斜視図である。 本願記載のキースイッチの外観の一例を示す概略斜視図である。 本願記載のキースイッチの外観の一例を示す概略斜視図である。 本願記載のキースイッチの一例を示す概略断面図である。 本願記載のキースイッチの一例を示す概略分解斜視図である。 本願記載のキースイッチが備える可動部材の一例を示す概略図である。 本願記載のキースイッチが備える可動部材の一例を示す概略図である。 本願記載のキースイッチの断面の一例を示す概略断面図である。 本願記載のキースイッチの断面の一例を示す概略断面図である。 本願記載のキースイッチの断面の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本願記載のキー入力装置は、例えば、コンピュータ等の電子機器へ文字、数字及び記号の他、各種命令等のデータの入力に用いられるキーボードKBとして用いられる。
図1は、本願記載のキー入力装置を適用したキーボードKBの外観の一例を示す概略斜視図である。キーボードKBには、スイッチ装置として、文字キー、数字キー、その他ファンクションキー等の複数のキースイッチ1が並べて配列されている。なお、図1に例示したキーボードKBは、構造を簡略化して技術内容を容易に認識できることを目的として、同形状のキースイッチ1を並べて配列しているが、実装に際してはこのような形状に限るものではない。例えば、QWERTY配列のキーボードKBに適用して、文字キーのみを同形状とし、文字キーの周辺に配置されるエンターキー等の特定の機能を有するキースイッチ1は、文字キーと異なる形状に構成する等、適宜設計することが可能である。
次にキーボードKBに配設されたキースイッチ1について説明する。本願記載のキーボードKBが備えるキースイッチ1は、様々な形態として実現することが可能であり、ここでは、その一部の形態を例示して説明する。
キースイッチ1の構造について説明する。図2A及び図2Bは、本願記載のキースイッチ1の外観の一例を示す概略斜視図である。キースイッチ1は、キーボードKBに内蔵された基板に固定される固定部材10と、使用者の押下操作により下方へ押し込まれる上下に移動可能な可動部材11とを備えている。可動部材11の上端には、使用者の押下操作を受け付ける被押下部材としてキートップ12が取り外し可能に取り付けられている。キートップ12及び可動部材11は、このような押下操作による押圧にて下方へ移動し、押下操作による押圧から解放されると上方へ移動する。なお、図2Aは、キートップ12が取り付けられた状態を示しており、図2Bは、キートップ12が取り外された状態を示している。
図2Aに示すように、キースイッチ1にキートップ12を取り付けた状態で、使用者はキーボードKBを操作可能となる。使用者がキーボードKBに配設されたキースイッチ1のキートップ12に触れ、キートップ12を押下する操作を行うことにより、キースイッチ1では、電気回路の接離状態が切り替わり、接離状態の切り替わりを検出したキーボードKBから、接続されているパーソナルコンピュータ等の電子機器へキースイッチ1毎のオン信号が出力される。また、キートップ12の押下を解除することにより、押下から開放されたキースイッチ1は、上昇して元の位置に復帰する。
キースイッチ1の内部構造について説明する。図3は、本願記載のキースイッチ1の一例を示す概略断面図である。図4は、本願記載のキースイッチ1の一例を示す概略分解斜視図である。図3は、図2Bに示すA-Bを通る垂直面で切断したキースイッチ1の断面を示している。キースイッチ1は、前述の固定部材10、可動部材11及びキートップ12の他、弾性部材13、接点部材14、衝打部材15、付勢部材16、係合部材17等の各種部材を備えている。なお、図3及び図4では、キートップ12を省略して示している。
固定部材10は、略直方体状をなす筐体であり、図4に示すように上半体10aと下半体10bとを組み合わせて形成されている。固定部材10の上面には可動部材11を挿嵌する略正方形状の挿嵌口100が開設されている。固定部材10の下面からは、キースイッチ1を基板に固定する脚部101と、後述する端子140とが突出している。
固定部材10の内部には、底部から二重の内壁が突設されている。内側の第1内壁102は、円筒状をなしており、外側の第2内壁103は、角筒状をなしている。第1内壁102の内側には、可動部材11に形成された円筒状の挿通筒110が上下に移動可能に挿通される。なお、第1内壁102の内側の底部又はその下方に当たる基板には、光を発するLED(Light Emitting Diode)等の発光部(図示せず)が配設されている。発光部から発せられた下方からの光は、第1内壁102内を通って上方のキートップ12を下方から照射する。第1内壁102の上面には、衝打部材15と係合する係合部材17が圧入により、立設されている。第1内壁102と第2内壁103の間には、可動部材11を押下方向の反対方向へ押圧する圧縮コイルバネ等の弾性部材13が取り付けられている。弾性部材13は、下端が固定部材10の内底面に取り付けられ、上端が可動部材11に取り付けられて、上端で可動部材11を上方へ押圧している。第2内壁103の外側には、電気的な接離状態を切り替えるスイッチとなる接点部材14が固定部材10の内底面に圧入により立設されている。接点部材14は、2枚の金属板を成型して組み合わせた角筒状をなしており、第2内壁103の周囲を囲うように嵌め込まれている。また、接点部材14の下端からは、2枚の金属板からそれぞれ延びる2本の端子140が下方へ向けて突出している。2本の端子140は、固定部材10の底部を突き抜けて固定部材10の下面から更に下方へ突出している。
可動部材11は、略直方体状の外形をなしている。可動部材11の上部には、キートップ12を取り付ける取付部111が形成されている。可動部材11の下部の中央部分には、挿通筒110が下方へ向けて突設されている。挿通筒110は、略円筒状をなす衝打部材15の貫通孔150を貫通し、固定部材10の第1内壁102の内側に挿通されている。挿通筒110の外径は、固定部材10の第1内壁102の内径より若干長く形成されている。従って、可動部材11は、上下に移動する際に、固定部材10の第1内壁102内に挿通筒110が挿通して案内されることになるため、上下の移動が安定する。挿通筒110の内側の空洞は、発光部から発せられた下方からの光を上方へ通す光路110aとして形成されている。光路110aを通った光は、上方のキートップ12を下方から照射する。キートップ12の文字部分又は上面全体を半透明の材質で形成することにより、下方から照射された光にてキートップ12の文字部分又は上面全体が発光するという演出が行われる。なお、略円筒状をなす挿通筒110の内壁面は、反射率が高くなるように鏡面加工を施すことが望ましい。可動部材11の下面において、挿通筒110の周囲には、弾性部材13の上端が嵌め込まれる嵌合溝部112が略環状に凹設されている。更に、可動部材11の相対する一対の側面は、下方へ向けて延びた一対の押圧側壁113として形成されている。可動部材11の押圧側壁113の下端近傍には、接点部材14を押圧する接点押圧突起113aが内側へ向けて突設されている。
図5A及び図5Bは、本願記載のキースイッチ1が備える可動部材11の一例を示す概略図である。図5Aは、可動部材11を図3に対して右方向、図4に対して右手前方向からの視点で示す概略外観図である。図5Bは、可動部材11を図5Aに示すC-D面で切断し、斜め下からの視点で示す概略斜視断面図である。可動部材11の下部には、嵌合溝部112の内側に、挿通筒110を挟んで対向するように一対の吊上腕部114が形成されている。吊上腕部114は、下方へ延びる略長方形状の外形をなし、外形に沿って略長方形状をなす案内孔114aが開設され、全体として縦長の枠状をなしている。吊上腕部114の案内孔114aには、衝打部材15の挿入突起152が上下に移動可能に挿入される。挿入突起152が案内孔114aに挿入された衝打部材15は、案内孔114aに案内されて、案内孔114aの範囲内で上下に移動可能な状態で可動部材11に支持される。
可動部材11は、キートップ12が押下操作による押圧を受けていない場合、移動範囲の上端(以下、上死点という)に位置し、押下操作を受けた場合、移動範囲の下端(以下、下死点という)まで移動する。そして、押圧から解放された場合、可動部材11は、弾性部材13により上方へ押圧されて、下死点から上死点まで移動する。
図3及び図4に戻り、接点部材14は、固定部材10の第2内壁103の周囲の内底面に立設されており、固定部材10の下面から下方へ突出する2本の端子140を備えている。接点部材14には、可動部材11の移動に伴う押圧作用を受けて当該キースイッチ1に係る電気回路を開閉する接離部141が形成されている。接点部材14の接離部141は、接点部材14を構成する2枚の金属板により、接点部材14の側面を形成する固定片141aと、押圧により撓む可動片141bとが重畳するように構成されている。固定片141aは、可動片141bの外側に位置し、可動片141bは、固定片141aの内側に位置している。可動片141bは、移動する可動部材11の接点押圧突起113aに押圧されて、内側に撓むことで固定片141aと離隔し、押圧が解除されると元の形状に復帰して固定片141aと接触する。なお、固定片141a及び可動片141bの相対する面にはそれぞれ接点が突設されている。接点部材14を構成する2枚の金属板にて形成された固定片141a及び可動片141bの離隔/接触は、接点部材14の2本の端子140に接続される当該キースイッチ1に係る電気回路を開閉し、開閉に基づくオン信号がキーボードKBから電子機器へ出力される。
衝打部材15は、略円筒状をなしており、軸方向が上下方向となるようにして、可動部材11の挿通筒110を貫通させた状態で可動部材11と係合している。衝打部材15の上端側は解放されており、下底面には、中心近傍に、可動部材11の挿通筒110が貫通する貫通孔150が開設されている。衝打部材15の側面には、外側に向けて突出する一対の押圧部151が、180度の間隔を開けて突設されている。更に、衝打部材15の側面には、一対の押圧部151の間となる位置に、外側に向けて突出する一対の挿入突起152が、180度の間隔を開けて突設されている。即ち、衝打部材15の側面には、押圧部151及び挿入突起152が90度の間隔で交互に突設されている。衝打部材15の下底面に開設された貫通孔150の内径は、貫通する可動部材11の挿通筒110の外径より長く、可動部材11の挿通筒110が、衝打部材15の貫通孔150に対して遊びをもって遊嵌しているため、衝打部材15及び可動部材11は相対的に移動可能である。衝打部材15の下底面の内側には、衝打部材15を下方(押下方向)へ付勢する圧縮コイルバネ等の付勢部材16が取り付けられている。付勢部材16は、下端が衝打部材15の下底面の内側に取り付けられており、上端が可動部材11の下部に取り付けられている。
衝打部材15は、可動部材11に対して下方(押下方向)及び上方(押下方向の反対方向)へ移動可能に支持されており、可動部材11に対して相対的に移動可能である。可動部材11が押圧を受けて下方へ移動した場合、衝打部材15は、付勢部材16に付勢されて下方へ移動し、固定部材10の第1内壁102の上面を衝打する。また、可動部材11が押圧から解放されて上方へ移動する場合、可動部材11の吊上腕部114に開設された案内孔114aの下側の枠が衝打部材15の挿入突起152と係合し、衝打部材15を上方へ引き上げる。
係合部材17は、可撓性材料を用いて形成されており、衝打部材15の外側に一対で位置するように、固定部材10の第1内壁102の上面から立設されている。係合部材17は、衝打部材15側に向けて突出し、衝打部材15の押圧部151と係合し、押圧部151から押圧される被押圧部170を有している。係合部材17は、衝打部材15の押圧部151と係合し、被押圧部170が押圧部151から押圧されて外側(衝打部材15の反対方向)へ撓む。なお、係合部材17は、係合する衝打部材15の動作の安定を確保することが可能であれば、一対で配置するのではなく、片側のみとすることも可能である。
以上のように構成された本願記載のキースイッチ1の動作について説明する。図6乃至図8は、本願記載のキースイッチ1の断面の一例を示す概略断面図である。図6乃至図8は、図2Bに示すA-Bを通る垂直面で切断したキースイッチ1の断面を示している。なお、図6乃至図8では、キートップ12を省略して示している。
図6は、キースイッチ1のキートップ12が押下されていない状態を示している。キースイッチ1が押下されていない場合、可動部材11は上死点に位置している。可動部材11が上死点に位置している場合、衝打部材15も上方に位置しており、衝打部材15の押圧部151が、係合部材17の被押圧部170より上方に位置している。
図7は、図6に示す状態からキートップ12が押下され、可動部材11が下方へ押圧された状態を示している。可動部材11が下方へ押圧されることにより、可動部材11が下方へ移動し、衝打部材15の押圧部151の下面が、係合部材17の被押圧部170の上面に当接し、係合部材17が衝打部材15と係合して衝打部材15を支持する。更に、押圧された可動部材11が下方へ移動すると、下方へ移動する可動部材11に押圧されて付勢部材16が圧縮し、衝打部材15を付勢する付勢力が高まる。図7は、衝打部材15が付勢部材16から付勢される付勢力と、衝打部材15に係合した係合部材17が撓まずに付勢力に抗して衝打部材15を支持する抗力とが釣り合っている状態を示している。
図8は、図7に示す状態から更にキートップ12が押下され、可動部材11が下方へ押圧された状態を示している。図7に示す状態から更に押圧されることにより、圧縮された付勢部材16の付勢力が、撓まずに衝打部材15を支持する係合部材17の抗力を上回るため、係合部材17の被押圧部170は衝打部材15の押圧部151に押圧されて外側へ撓む。係合部材17が撓むと、衝打部材15の押圧部151と係合部材17の被押圧部170との係合が外れ、衝打部材15は、支えを失い、付勢部材16に付勢されて下方へ移動し、固定部材10の第1内壁102の上面を衝打する。衝打部材15は、固定部材10を衝打することにより、衝打音が発生し、また衝打に伴い振動する。図8は、衝打部材15が固定部材10を衝打した状態を示している。
なお、図7及び図8の視点では示されていないが、図7から図8へ遷移する際に、可動部材11の押圧側壁113に突設された接点押圧突起113aが、接点部材14の可動片141bを押圧し、接点部材14の接離状態が切り替わる。接点部材14の接離状態が切り替わることにより、当該キースイッチ1が押下されたことを示すオン信号がキーボードKBから電子機器へ出力される。
使用者がキートップ12を押下操作して可動部材11が押下方向へ移動し、接点部材14の接離状態が切り替わる際に、衝打部材15が固定部材10を衝打する衝打音が発生し、衝打に伴う振動が発生する。使用者は、発生した衝打音をクリック音として認識し、衝打に伴う振動をクリック感として認識する。従って、衝打部材15による固定部材10の衝打は、使用者がクリック音として認識する衝打音を発生させ、衝打に伴う振動をクリック感として認識する程度の勢いが好ましい。
図8に示す状態から更に押下操作が行われ、可動部材11が下死点まで移動した後、使用者がキートップ12の押下を解除することにより、押圧から解放された可動部材11は、下方から弾性部材13に押圧されて上死点まで移動する。また、可動部材11が上死点まで移動することにより、可動部材11の吊上腕部114に開設された案内孔114aに衝打部材15の挿入突起152が係合し、衝打部材15を上方へ引き上げるので、衝打部材15も上方へ移動し、図6に示す状態に復帰する。
以上のように、本願記載のキースイッチ1は、使用者の押下操作に伴う可動部材11の押下方向への移動により、接点部材14の接離状態を切り替える際に、衝打部材15は、付勢部材16に付勢されるが、係合部材17と係合することにより、付勢部材16からの付勢に抗する。更に付勢部材16に付勢されることにより、衝打部材15は、押圧部151にて係合部材17の被押圧部170を押圧する。係合部材17は、被押圧部170が押圧されて撓み、衝打部材15との係合が外れる。係合が外れた場合に、衝打部材15は、付勢部材16に付勢されて固定部材10の第1内壁102の上面を衝打する。衝打部材15が固定部材10を衝打することにより、衝打音が発生し、振動が発生する。使用者は、接点部材14の接離状態が切り替わる際に発生する衝打音をクリック音として認識し、衝打に伴う振動をクリック感として認識する。使用者が、クリック音及びクリック感を認識することにより、使用者は、操作が完了したことを認識し、素早く次の操作を行うことができる。従って、使用者は、素早く反応して次々に操作を行うことができるので、本願記載のキースイッチ1及びキーボードKBは、eスポーツ等のコンピュータゲームに使用するスイッチ及びキーボードKBに適している。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な形態で実施することが可能である。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の技術範囲は、請求の範囲によって説明するものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形及び変更は、全て本発明の範囲内のものである。
例えば、前記実施形態では、衝打部材15が固定部材10を衝打する形態を示したが、本発明はこれに限るものではなく、固定部材10以外の部材を衝打する等、適宜設計することが可能である。具体的には、可動部材11の下部を衝打部材15の下方まで延伸し、衝打部材15により、延伸した可動部材11の下部を衝打するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、衝打部材15が係合部材17に係合する形態を示したが、本発明はこれに限らず、衝打部材15が係合するのであれば、他の部材であってもよい。例えば、衝打部材15が接点部材14の接離部141に係合するように設計してもよく、この場合、接点状態が切り替わる時期と、衝打音が発生する時期との同期がとりやすくなる。
また、前記実施形態では、衝打部材15が固定部材10を衝打することにより、クリック音及びクリック感を発生させる形態を示したが、本発明はこれに限らず、衝打部材15が、自部材以外の他の部材を衝打する様々な形態に展開することが可能である。例えば、可動部材11が押圧されて下方へ移動する際に、衝打部材15の挿入突起152が、可動部材11の吊上腕部114に開設された案内孔114aの下側の枠を衝打することにより、クリック音及びクリック感を発生させる等、様々な形態に展開することが可能である。
また、前記実施形態では、可動部材11が押圧から解放されて上方へ移動する場合、可動部材11の吊上腕部114に開設された案内孔114aに衝打部材15の挿入突起152が係合し、衝打部材15を上方へ引き上げる形態を示したが、本発明はこれに限るものではない。即ち、本発明に係るキースイッチ1は、可動部材11に対して衝打部材15が一定の移動範囲内で相対的に移動可能に取り付けられていれば、様々な形態に展開することが可能である。例えば、可動部材11の下部に取り付けられた付勢部材16に引き上げられて衝打部材15も上方へ移動するように構成してもよい。また、付勢部材16を可動部材11に取り付ける場合、可動部材11の下部から下方へ延びる挿通筒110の外側面に突起等の係止部を設け、付勢部材16を取り付けるように構成してもよい。
また、前記実施形態では、キートップ12に対する押下操作の方向が、可動部材11の移動方向と一致する形態を示したが、本発明における押下方向とは、押下操作に伴い可動部材11が移動する方向を示している。従って、本発明は、カム、ギア、クランク等の構造を用いて押下操作の方向と、可動部材11の移動方向とが異なるように構成することも可能である。
また、前記実施形態では、可動部材11に形成された挿通筒110の内部の光路110aを空洞として形成する形態を示したが、本発明はこれに限るものではなく、下方から発せられた光を上方へ通すことが可能であれば、様々な形態で実現することが可能である。例えば、挿通筒110の内部に、光を導く光ファイバ、導光板等の導光材を用いた光路110aを形成してもよく、更には、挿通筒110自体を導光材を用いて形成するようにしてもよい等、様々な形態に展開することが可能である。
更に、例えば、前記実施形態では、キーボードKB等の主として文字を入力するキー入力装置に適用する形態を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、テンキー等の数字キー専用のキー入力装置、その他、コンピュータ以外の電子機器、例えば、ゲーム専用機に対して用いられる各種スイッチ等の様々なキー入力装置に適用することが可能である。
KB キーボード(キー入力装置)
1 キースイッチ(スイッチ装置)
10 固定部材
11 可動部材
110a 光路
12 キートップ
13 弾性部材
14 接点部材
15 衝打部材
151 押圧部
16 付勢部材
17 係合部材
170 被押圧部

Claims (4)

  1. 固定部材と、押下操作により押下方向へ移動可能な可動部材と、前記可動部材を押下方向の反対方向へ押圧する弾性部材と、前記可動部材が押下方向へ移動する過程で電気的な接離状態を切り替える接点部材とを備えるスイッチ装置であって、
    押下方向及び押下方向の反対方向へ移動可能で、他の部材を衝打する衝打部材と、
    前記衝打部材を押下方向へ付勢する付勢部材と、
    可撓性を有し、前記衝打部材と係合する係合部材と
    を備え、
    前記衝打部材は、
    前記係合部材と係合し、前記係合部材を押圧する押圧部を備え、
    前記係合部材は、
    前記衝打部材と係合し、前記衝打部材の前記押圧部から押圧される被押圧部を備え、
    前記可動部材の押下方向への移動により、接離状態を切り替える際に、前記衝打部材は、
    前記付勢部材からの付勢に対し、前記係合部材と係合して前記付勢部材からの付勢に抗し、更に前記付勢部材から付勢されることにより、前記押圧部にて前記被押圧部を押圧し、前記被押圧部が押圧されて前記係合部材が撓み、前記係合部材との係合が外れた場合に、前記付勢部材に付勢されて他の部材を衝打する
    ことを特徴とするスイッチ装置。
  2. 請求項1に記載のスイッチ装置であって、
    前記衝打部材が衝打する他の部材は、前記固定部材又は前記可動部材である
    ことを特徴とするスイッチ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスイッチ装置であって、
    下方から発せられた光を上方へ通す光路が形成されている
    ことを特徴とするスイッチ装置。
  4. 複数のキースイッチが配設されたキー入力装置であって、
    配設されたキースイッチとして、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスイッチ装置を備える
    ことを特徴とするキー入力装置。
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