JP7055067B2 - 陳列台 - Google Patents

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Description

この発明は、商品の陳列等に使用される組立式の陳列台に関するものである。
従来、地域特産品や季節商品等の売場においては、木製の机や置台を陳列台として使用し、これにテーブルクロスを被せたり、装飾を施したりして、見映えをよくし、訴求性を向上させることとしている。
ところが、このようなディスプレイでは、陳列作業時の組み立てに手間がかかるほか、販売期間終了後の机等の保管に大きなスペースを要し、特に、遠方での設置となる場合、資材の保管のための倉庫容積や運賃コストが嵩むという問題がある。
その対策として、例えば、下記特許文献1に記載されたように、折畳状態から組み立てて商品を載せる段ボール製の陳列台の使用が考えられる。
この陳列台は、角筒状の本体の上部にトレイが支持されたものであり、本体の両側の脚板に奥行方向の中間部で上下に延びる折目線が入れられると共に、トレイの底板に奥行方向の中間部で幅方向に延びる折目線が入れられている。
そして、トレイを底板の折目線に沿って二つ折りにすると、本体の両側の脚板が折目線を軸に内側へ折り込まれて折畳状態となり、その状態からトレイの折り曲げを戻すと、脚板の折り曲げが戻されて組立状態となる。
特開2014-36794号公報
しかしながら、上記のような陳列台では、組立状態から折り畳む際、本体の脚板が折目線を軸に外側へ折れ曲がってしまうことがあるほか、組立状態において、本体からトレイが張り出して安定せず、トレイの底板が平坦に維持されない恐れがある。
そこで、この発明は、折畳状態と組立状態との変換を簡単かつ確実に行うことができ、組立状態で安定する陳列台を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、この発明に係る陳列台は、周壁を形成する各一対の脚板及び側板が連設され、前記一対の脚板の上端には、天壁を形成する天板がそれぞれ連設され、前記一対の側板には、奥行方向の中央部で上下に延びる谷折線がそれぞれ入れられ、
前記側板の上端には、谷折線の両側にそれぞれ連結片が連設され、前記連結片には、前記脚板との境界側の角から先端側へかけて内方向に傾斜する斜折線が入れられ、前記連結片の斜折線より外側の部分が隣り合う前記天板の裏面に貼り着けられ、前記天板の先端には、それぞれ差込片が連設されて下方へ折り曲げられ、
折畳状態では、前記連結片が斜折線を軸に折り曲げられて、前記一対の天板が跳ね上げられると共に、前記一対の側板が谷折線を軸に内側へ折り込まれ、これに伴い、前記一対の脚板同士が接近し、
組立状態では、前記一対の天板が先端側を降下させるように前記脚板から折り曲げられて、これに伴い、前記一対の側板の谷折線を軸とする折り曲げ及び前記連結片の斜折線を軸とする折り曲げが伸ばされ、前記一対の脚板同士が離反して、周壁が角筒状となり、前記差込片が突き合わされて前記連結片の間に差し込まれ、前記一対の天板が前記連結片によって支持されるものとしたのである。
また、前記一対の天板の差込片同士が連結部材により連結され、前記連結部材には、前記差込片の先端間に延びる中折線が入れられ、
折畳状態と組立状態との変換に際し、前記連結部材が前記中折線を軸として屈伸し、前記一対の天板が連動するものとしたのである。
また、前記一対の側板の内側に平行するように、前記一対の脚板の内面間に補強部材が渡され、前記補強部材にも前記側板と同様に谷折線が入れられ、
折畳状態と組立状態との変換に際し、前記側板と前記補強部材とがそれらの前記谷折線を軸に同調して屈伸し、組立状態では、前記一対の天板が前記補強部材の上端縁でも支持されるものとしたのである。
そして、前記補強部材には、前記谷折線の上端から差込溝が形成され、前記差込溝の開口部寄りには、溝幅を狭める抜止突起が設けられ、
組立状態では、前記一対の天板の差込片が前記差込溝に差し込まれ、前記連結部材が前記抜止突起より奥まで達して、前記抜止突起に係合することにより、前記差込溝から抜け止めされ、前記天板が固定されるものとしたのである。
この発明に係る陳列台では、側板と天板とが連結片により連結されているので、折畳状態から一対の天板の先端側を降下させ、差込片を連結片の間に差し込むだけで、これに連動して、一対の側板の谷折線を軸とする折り曲げが伸ばされ、周壁が角筒状となって、組み立てが完了し、一対の天板により平坦な天壁が形成される。
また、組立状態において、差込片を連結片の間から引き抜き、一対の天板を跳ね上げるだけで、一対の側板が谷折線を軸として確実に内側へ折れ曲がるので、一対の脚板同士を接近させて、簡単に折り畳むことができる。
さらに、差込片同士が連結部材により連結されているので、組み立てに際し、連結片の間に突き合わせた差込片を差し込む際、差込片の間に指を挟んだり、それぞれの差込片の端縁に指が引っ掛かったりすることがない。
また、一対の側板の内側に平行するように、一対の脚板の内面間に補強部材を渡し、組立状態では、一対の天板が連結片に加えて補強部材の上端縁でも支持されるようにしたので、重量のある商品でも安定して陳列することができる。
そのほか、補強部材の上端部に形成した差込溝に抜止突起を設け、組み立てに際し、一対の天板の差込片を差込溝に差し込むと、差込片の連結部材が抜止突起に係合して、差込片が差込溝から抜け止めされるようにしたので、天板がしっかりと固定され、使用時に天板が不意に浮き上がることもない。
この発明の実施形態に係る陳列台の組立状態を示す斜視図 同上の折畳状態と組立状態の変換過程を示す斜視図 同上の折畳状態を示す斜視図 同上の図2に示す変換過程の上部側面図 同上の図1に示す組立状態の上部側面図 同上の陳列台の構成部材のブランクを示す図
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
この陳列台は、図1に示すように、組立状態で周壁と天壁を有する直方体状をなし、天壁に商品等を載せて陳列するものであり、図6に示す本体1、補強部材2及び連結部材3のブランクから形成される。
本体1は、例えば、厚さ3mm程度のBフルートの段ボールを材料とし、2枚継ぎ合わせて周壁及び天壁を形成するものである。本体1のブランクでは、周壁の長面をなす脚板11の一側に、奥行方向の面となる側板12及び接合用の継代13が順次連設され、脚板11の上端に天壁の半分をなす天板14が連設されている。
側板12には、幅方向の中央部で上下に延びる谷折線15が入れられている。谷折線15は、段ボールの表面側から押圧した逆罫線とされている。
側板12の上端には、谷折線15の両側にL字状の連結片16が連設され、隣り合う連結片16の間には、スロット状の隙間が設けられている。連結片16には、脚板11との境界側の角から先端側へかけて、側板12の上辺に対し内方向に45°傾斜する斜折線17が入れられ、斜折線17は、押罫に断続する切目を入れたリード罫とされている。
天板14には、先端の全長にわたり差込片18が連設され、脚板11及び側板12の下端には、底折片19が額縁部を形成する2本の罫線を介して連設されている。側板12の下端から延びる底折片19は、谷折線15の下方で切り離されている。
また、脚板11、側板12及び差込片18の裏面には、製作時の位置決め用の目印が切込により各所に入れられている。
補強部材2は、例えば、厚さ5mm程度のAフルートの段ボールを材料とし、2枚向き合わせて周壁の内部に設けられるものである。補強部材2のブランクでは、側板12に対応する大きさの内補強板21の両側に、貼着片22が連設されている。
内補強板21には、幅方向の中央部で上下に延びる谷折線23が入れられている。内補強板21と貼着片22の境界の罫線及び谷折線23は、押罫に断続する切目を入れたリード罫とされている。
また、内補強板21の上部には、谷折線23の上端から差込溝24が形成され、差込溝24の開口部寄りには、溝幅を狭める抜止突起が25が両側に設けられている。貼着片22の先端縁中央部には、製作時の位置決め用のV字状の切込が設けられている。
連結部材3は、例えば、厚さ3mm程度のBフルートの段ボールを材料とし、本体1の差込片18同士を連結する細長いものである。連結部材3のブランクでは、差込片18同士を連結したとき、一対の差込片18の先端間に延びる中折線31が全長にわたり入れられ、中折線31の中央部には、リボン取付穴32が設けられている。
上記のようなブランクを折り曲げ、糊貼り加工して陳列台を製作する際には、最初に、図3に示すような折畳状態とする。その際、2枚の本体1の下部の底折片19を、脚板11及び側板12の内面下部に折り重ねて貼り着け、側板12を脚板11の裏面側へ折り曲げると共に、谷折線15に沿って表面側が窪む谷折り方向へ折り曲げる。
そして、それぞれの本体1の連結片16を斜折線17に沿って二つ折りにし、連結片16の斜折線17より外側の部分を、隣り合う天板14の裏面に貼り着ける。また、継代13を側板12の裏面に折り重ねる。
次に、2枚の補強部材2を谷折線23に沿って二つ折りにした状態で、対向させた2枚の本体1の間に挟み、それぞれの補強部材2の両側の貼着片22を、本体1の脚板11の内面に位置決めして貼り着ける。
また、2枚の本体1同士において、斜折線17に沿って二つ折りにした連結片16の斜折線17より外側の部分を、相手方の本体1の天板14の裏面に貼り着け、継代13を相手方の脚板11の側端部内面に貼り着けて、本体1同士を継ぎ合わせる。
また、2枚の本体1の差込片18を下方へ折り曲げ、差込片18同士を、その裏面に跨って連結部材3を貼り付けることにより連結する。このとき、一対の差込片18の先端間に中折線31を一致させ、連結部材3を中折線31に沿って二つ折りにする。さらに、リボン取付穴32に解体用のリボン4を挿通し、天板14の裏面側でリボン4の両端部を連結部材3に貼り着ける。
このように製作した折畳状態では、側板12と天板14が連結片16で繋がれ、連結片16が斜折線17を軸に折れ曲がり、一対の天板14が跳ね上げられると共に、一対の側板12が谷折線15を軸に内側へ折り込まれ、これに伴い、一対の脚板11同士が接近して、偏平になっているので、保管時や輸送時に嵩張ることがない。
一方、この陳列台を上記のような折畳状態から組み立てる際には、図2及び図4に示すように、折畳状態から一対の天板14の先端側を降下させる。
このとき、側板12と天板14とが連結片16により連結されているので、天板14に連動して、一対の側板12及び補強部材2の谷折線15,23を軸とする折り曲げ及び連結片16の斜折線17を軸とする折り曲げが伸ばされ、周壁が角筒状に形成される。
次いで、図1及び図5に示すように、突き合わされた差込片18を連結片16の間及び補強部材2の差込溝24に差し込むと、組み立てが完了し、一対の天板14が連結片16及び補強部材2の上端でしっかりと支持され、平坦な天壁を形成するので、様々な商品を安定して陳列でき、汎用的な置台として活用できる。
この組み立てに際し、差込片18同士が連結部材3により連結されているので、対向する差込片18の隙間に指を挟んだり、それぞれの差込片18の端縁に指が引っ掛かったりすることがない。
また、組立状態において、連結部材3が抜止突起25に係合して、差込片18が差込溝24から抜け止めされ、天板14が固定されるようにしたので、使用時に天板14が不意に浮き上がることもない。
そして、上記のような組立状態での陳列終了後には、リボン4を上方へ引っ張って、図2及び図4に示すように、差込片18を連結片16の間及び差込溝24から引き抜き、一対の天板14を跳ね上げると、これに連動して、一対の側板12及び補強部材2が谷折線15,23を軸として確実に内側へ折れ曲がり、図3に示すように、簡単に折り畳むことができる。
なお、上記実施形態では、2枚の本体1を継ぎ合わせて形成される大型のものを例示したが、サイズが小さい陳列台の場合には、1枚の本体1により周壁及び天壁が形成されるものとしてもよい。
また、周壁の内部に2枚の補強部材2を設けたものを例示したが、天板14に載せる商品が軽量である場合には、補強部材2を省略してもよく、天板14に載せる商品が相当重い場合には、さらに多数枚の補強部材2を設けるようにしてもよい。
また、リボン4を引っ張って折り畳むものを例示したが、リボン4に替えて、紐や針金等を天板14の突合部に取り付けて、これを引っ張ることにより、折り畳むものとしてもよい。そのほか、天板14や差込片18の一部を上方へ折り返して、その部分を折畳時に引っ張る摘み部としてもよく、天板14に指穴を設けて、折畳時には、その指穴に指を入れて天板14を引き上げるようにしてもよい。
さらに、脚板11、側板12、底折片19、及び内補強板21の下部に耐水性のテープを貼り付けておくと、屋外や床が水に濡れている場所にも設置できる。
1 本体
2 補強部材
3 連結部材
4 リボン
11 脚板
12 側板
13 継代
14 天板
15 谷折線
16 連結片
17 斜折線
18 差込片
19 底折片
21 内補強板
22 貼着片
23 谷折線
24 差込溝
25 抜止突起
31 中折線
32 リボン取付穴

Claims (4)

  1. 周壁を形成する各一対の脚板(11)及び側板(12)が連設され、前記一対の脚板(11)の上端には、天壁を形成する天板(14)がそれぞれ連設され、前記一対の側板(12)には、奥行方向の中央部で上下に延びる谷折線(15)がそれぞれ入れられ、
    前記側板(12)の上端には、谷折線(15)の両側にそれぞれ連結片(16)が連設され、前記連結片(16)には、前記脚板(11)との境界側の角から先端側へかけて内方向に傾斜する斜折線(17)が入れられ、前記連結片(16)の斜折線(17)より外側の部分が隣り合う前記天板(14)の裏面に貼り着けられ、前記天板(14)の先端には、それぞれ差込片(18)が連設されて下方へ折り曲げられ、
    折畳状態では、前記連結片(16)が斜折線(17)を軸に折り曲げられて、前記一対の天板(14)が跳ね上げられると共に、前記一対の側板(12)が谷折線(15)を軸に内側へ折り込まれ、これに伴い、前記一対の脚板(11)同士が接近し、
    組立状態では、前記一対の天板(14)が先端側を降下させるように前記脚板(11)から折り曲げられて、これに伴い、前記一対の側板(12)の谷折線(15)を軸とする折り曲げ及び前記連結片(16)の斜折線(17)を軸とする折り曲げが伸ばされ、前記一対の脚板(11)同士が離反して、周壁が角筒状となり、前記差込片(18)が突き合わされて前記連結片(16)の間に差し込まれ、前記一対の天板(14)が前記連結片(16)によって支持される陳列台。
  2. 前記一対の天板(14)の差込片(18)同士が連結部材(3)により連結され、前記連結部材(3)には、前記差込片(18)の先端間に延びる中折線(31)が入れられ、
    折畳状態と組立状態との変換に際し、前記連結部材(3)が前記中折線(31)を軸として屈伸し、前記一対の天板(14)が連動することを特徴とする請求項1に記載の陳列台。
  3. 前記一対の側板(12)の内側に平行するように、前記一対の脚板(11)の内面間に補強部材(2)が渡され、前記補強部材(2)にも前記側板(12)と同様に谷折線(23)が入れられ、
    折畳状態と組立状態との変換に際し、前記側板(12)と前記補強部材(2)とがそれらの前記谷折線(15,23)を軸に同調して屈伸し、組立状態では、前記一対の天板(14)が前記補強部材(2)の上端縁でも支持されることを特徴とする請求項2に記載の陳列台。
  4. 前記補強部材(2)には、前記谷折線(23)の上端から差込溝(24)が形成され、前記差込溝(24)の開口部寄りには、溝幅を狭める抜止突起(25)が設けられ、
    組立状態では、前記一対の天板(14)の差込片(18)が前記差込溝(24)に差し込まれ、前記連結部材(3)が前記抜止突起(25)より奥まで達して、前記抜止突起(25)に係合することにより、前記差込溝(24)から抜け止めされ、前記天板(14)が固定されることを特徴とする請求項3に記載の陳列台。
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