JP7050554B2 - 被加熱物の状態監視装置 - Google Patents

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本発明は、ガスコンロ等の加熱調理器で加熱される被加熱物の状態を監視する装置に関する。
従来、例えば特許文献1に見られるように、加熱調理中に、コンロの上方に配置された撮像部により逐次撮像した画像を、加熱調理の初期の撮像画像と比較することで、吹きこぼれを検知し、その検知に応じて火力を小さくする技術が知られている。
また、例えば特許文献2に見られるように、コンロに備えた温度センサにより調理容器の温度を検出し、該温度の変化を観測するとことで、調理物の沸騰などを検知して、コンロの火力制御を行う技術が知られている。
特開2017-133722号公報 特開2014-233310号公報
しかしながら、特許文献1に見られる技術では、撮像部のレンズもしくはその正面の透明部の汚れや、湯気による曇り等の影響を受けやすく、吹きこぼれを高い信頼性で検知することが難しい。また、調理容器の蓋が閉じられている状態では、吹きこぼれや、その前兆を検知することは困難である。さらに、特許文献1のものでは、撮像部を、吹きこぼれの検知以外の用途で利用することについては考慮されていないので、コストパフォーマンスが乏しいという不都合がある。
また、特許文献2のように調理容器の温度を検出する技術では、該温度に基づいて吹きこぼれや、その前兆、あるいは、調理容器の内容物の煮立ち具合等を把握することは困難である。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、加熱調理中に、被加熱物の種々様々の状態を検知することが可能となる状態監視装置を提供することを目的とする。
本発明の被加熱物の状態監視装置は、上記の目的を達成するために、加熱調理器の発熱部の上側に配置される被加熱物の状態を監視する装置であって、
前記被加熱物の上方から該被加熱物の一つ以上の測定対象部までの距離を測定し得るように前記発熱部の上方に設置された測距センサと、
前記発熱部による前記被加熱物の加熱中に、前記測距センサによる距離の測定データを取得し、該測定データにより示される距離の測定値の変化に基づいて、前記被加熱物の状態を特定する処理を実行する状態特定処理部とを備えることを基本構成とする。
なお、本発明における被加熱物は、加熱対象の調理物に限らず、該調理物を収容する調理容器を含み得る。
前記測距センサの測定データにより示される距離の測定値は、被加熱物の種々様々な状
態(例えば被加熱物としての水等の液状物の沸騰、泡立ち等)に応じて変化する。従って、前記基本構成を有する本発明によれば、上記状態特定処理部を備えることで、加熱調理中に、被加熱物の種々様々の状態を検知することが可能となる
さらに、本発明は、前記基本構成を有することに加えて、前記状態特定処理部は、一つ以上の前記測定対象部についての前記距離の測定値が徐々に減少していく場合に、前記被加熱物としての液状物の吹きこぼれの前兆状態であると特定するように構成されており、前記測距センサによる距離の測定データに基づいて、前記液状物が収容された調理容器の高さを推定する容器高さ推定部と、前記状態特定処理部により前記液状物の吹きこぼれの前兆状態が特定された場合に、該液状物の一つ以上の前記測定対象部の距離の測定値から特定される該液状物の高さが、前記調理容器の高さの推定値を超えないように、該距離の測定値の変化に応じて前記発熱部の発熱量を制御する発熱量制御部とをさらに備えることを特徴とする(第1発明)。
ここで、麺茹で等の調理では、調理容器内の水等の液状物の吹きこぼれが生じる場合には、該液状物で発生する泡が調理容器内で上昇する。従って、第1発明によれば、前記距離の測定値が徐々に減少していく場合に、状態特定処理部が上記のように特定処理を行うことで、吹きこぼれの前兆状態を検知できる。また、第1発明によれば、調理容器内の水等の液状物の吹きこぼれを防止することを、発熱部の発熱量を過剰に制限することなく、適切に行うことが可能となる。
上記基本構成を有する本発明では、前記状態特定処理部は、一つ以上の前記測定対象部についての前記距離の測定値の増減変動が、所定時間、継続した場合に、前記被加熱物としての液状物が沸騰しているか、又は、前記被加熱物としての蓋付きの調理容器内の液状物が沸騰している状態であると特定するように構成され得る(第発明)。
ここで、調理容器内の水等の液状物が沸騰すると、該液状物の泡立ちが発生する。また、該液状物を収容した調理容器に蓋が装着されている場合には、該蓋の振動が生じる。このため、調理容器に蓋が装着されていない場合、及び装着されている場合のいずれの場合でも、前記距離の測定値の増減変動が生じる。従って、第発明によれば、前記距離の測定値の増減変動が、所定時間、継続した場合に、状態特定処理部が上記のように特定処理を行うことで、調理容器内の水等の液状物の沸騰を検知できる。
上記基本構成を有する本発明では、前記状態特定処理部により特定された前記被加熱物の状態に応じて前記発熱部の発熱量を制御する発熱量制御部をさらに備えることが好ましい。
これによれば、前記発熱部の発熱量を、被加熱物の状態に適した発熱量に制御することが可能となる。
上記基本構成を有する本発明では、前記状態特定処理部により特定された前記被加熱物の状態に応じて、前記加熱調理器の上方に配置された換気装置の作動制御を行う換気制御部をさらに備えるという態様を採用し得る(第発明)。
これによれば、被加熱物の状態に適したタイミングで、換気装置を作動させることが可能となる。
図1Aは本発明の実施形態の状態監視装置における加熱調理器及び測距センサを示す正面図、図1Bは該加熱調理器の平面図。 実施形態の状態監視装置の制御処理に関する構成を示すブロック図。 実際形態の作動を説明するためのグラフ。 実際形態の作動を説明するためのグラフ。 実際形態の作動を説明するためのグラフ。
本発明の一実施形態を図1A~図5を参照して以下に説明する。図1A及び図2Bを参照して本実施形態の加熱調理器1は、例えばガスコンロであり、その筐体2の上面部に発熱部としてのバーナ3と、該バーナ3の周囲に配置された五徳4とを備える。バーナ3の中心部には、五徳4上に載置される調理容器Aに接する温度センサ5が設けられている。
また、筐体2の前面部には、バーナ3の点火操作及び消火操作、並びに火力調整操作を行うためのバーナ操作ボタン6と、バーナ3の運転による自動調理の設定操作等を行うための開閉式の操作部7とが設けられている。この場合、バーナ操作ボタン6の押し操作によって、バーナ3の点火操作及び消火操作を行うことが可能であり、バーナ操作ボタン6の回転操作によって、バーナ3の火力調整(発熱量の調整)を行うことが可能である。また、操作部7は、その押し操作によって、図示を省略する操作スイッチや表示部が露出する開状態になる。
なお、バーナ3の点火操作及び消火操作のための操作部と、火力調整用の操作部とは、各別の操作部であってもよい。また、図1A及び図1Bでは、単一のバーナ3だけを図示しているが、加熱調理器1(ガスコンロ)は複数のバーナを備え得る。
本実施形態の状態監視装置は、かかる加熱調理器1で加熱される被加熱物の状態を監視する装置であり、図1Aに示す測距センサ10と、図2に示す制御装置11とを備える。
測距センサ10は、加熱調理器1の上方に、バーナ3及びその周辺領域を臨むように配置されている。該測距センサ10は、例えば、加熱調理器1の上方に設置されたレンジフード20に取付けられている。該レンジフード20は、換気装置としての機能を含む。なお、加熱調理器1の上方にレンジフード20が無く、換気装置が壁に取り付けられているような場合には、測距センサ10は、壁等にブラケットを介して取り付けられていてもよい。
測距センサ10は、本実施形態では、例えば、赤外線信号を使用したTOF方式(TOF:Time of Flight)によって、バーナ3及びその周辺領域を含む測定対象領域の複数の測定点(測距センサ10から送信される赤外線信号を反射する測定点)までの距離を測定し、該測定対象領域の各測定点の測距データ(距離の測定データ)から成る距離画像データを出力可能なセンサである。また、測距センサ10は、測定対象領域のうちから任意に指定された一つ以上の部分領域の測距データを出力することも可能である。
制御装置11は、マイクロコンピュータ、メモリ、インターフェース回路等を含む一つ以上の電子回路ユニットにより構成される。該制御装置11は、本実施形態では、加熱調理器1に搭載され、前記測距センサ10及びレンジフード20の制御部(図示省略)と有線又は無線により通信を行うことが可能である。この通信により、制御装置11は、測距センサ10から測距データを取得することが可能であると共に、レンジフード20の動作指令を該レンジフード20の制御部に出力することが可能である。また、制御装置11には、前記バーナ操作ボタン6及び操作部7の操作信号が入力されるとと共に、前記温度センサ5等、加熱調理器1に備えられた各センサの検出信号が入力される。
そして、制御装置11は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能として、バーナ3の運転制御(点火、火力調整、及び自動消火)を行う運転制御部11aと、バーナ3により加熱される被加熱物(調理容器又は調理物)の状態を特定する処理を実行する状態特定処理部11bと、バーナ3の周囲の五徳4上に載置される調理容器Aの高さを推定する容器高さ推定部11cと、レンジフード20による換気運転の開始を該レンジフード20の制御部に指令する換気制御部11dとを含む。
この場合、運転制御部11aは、図示を省略する点火装置、バーナ3の燃料ガスの供給路を開閉する電磁弁、バーナ3の燃料ガスの供給量を制御するためのガス量制御弁を制御することが可能であり、これらの制御を通じて、バーナ3の運転制御を行う。なお、運転制御部11aは、本発明における発熱量制御部としての機能を含む。
また、状態特定処理部11b及び容器高さ推定部11cは、測距センサ10による測距データを用いて被加熱物の状態を特定する処理と、調理容器Aの高さを推定する処理とを各々実行可能である。また、換気制御部11dは、状態特定処理部11bで特定された被加熱物の状態に応じて、換気運転の開始をレンジフード20の制御部に指令する処理を実行可能である。
次に、本実施形態の状態監視装置の作動を説明する。バーナ3の周囲の五徳4上に調理容器Aが載置されると、制御装置11は、測距センサ10から測定対象領域の距離画像データを取得する。なお、五徳4上に調理容器Aが載置されたことは、図示しない鍋検知センサにより検知される。
そして、制御装置11は、取得した距離画像データに基づいて、調理容器Aの高さ(深さ)、直径、バーナ3又は五徳4に対する調理容器Aの相対位置、蓋Aaの有無等を推定認識する。この場合、調理容器Aの高さは、容器高さ推定部11cにより推定される。該調理容器Aの高さ(深さ)は、例えば、測距センサ10から調理容器Aの開口端周縁部までの距離の測定値を、測距センサ10から五徳4の上面までの距離から差し引くことで算出される。
なお、測距センサ10から五徳4の上面までの距離は、例えば測距センサ10の設置時等に、制御装置11にあらかじめ記憶保持しておくことが可能である。
補足すると、調理容器Aに蓋が装着されていないと認識し得る場合には、距離画像データから、調理容器A内の水面もしくは調理物の高さを認識することも可能である。また、バーナ3又は五徳4に対する調理容器Aの位置により、調理容器Aの中心がバーナ3の中心から所定量以上ずれていることが認識される場合には、調理容器Aの位置がずれている旨(又は調理容器Aの位置を修正すべき旨)を、図示しない表示器での表示や音声案内等によりユーザに報知することも可能である。
次に、バーナ操作ボタン6の点火操作により、バーナ3の燃焼運転が開始されると、状態特定処理部11bにより、次のような処理が実行される。なお、以下に説明する処理は、操作部7により、例えば湯沸し、麺茹で等の所定の調理メニューが選択された場合に実行される処理である。
状態特定処理部11bは、バーナ3の燃焼運転中に、測距センサ10の測定対象領域のうち、調理容器Aの内側の一つ以上の局所的な測定対象部における複数の測定点の測距データを所定のサンプリング周期で、測距センサ10から取得する。そして、状態特定処理部11bは、取得した測距データにより示される距離測定値の平均値の経時変化を観測する。
ここで、調理容器Aの内部に、水が入れられている場合、調理容器Aの内側の測定対象部に対して測距センサ10から出力される赤外線信号は、主に、調理容器Aの底面で反射されて該測距センサ10で受信されるので、測距センサ10から取得される測距データにより示される距離測定値は、基本的には、測距センサ10から調理容器Aの底面までの距離に近い値となる。
ただし、TOF方式で距離測定を行う測距センサ10により得られる距離測定値(上記測定対象部での測距センサ10からの距離測定値)が、見かけ上、増加していくことが確認された。
例えば、図3のグラフで示されるごとく、調理容器A内の水の温度が25℃である場合での距離測定値と、該水の温度が90℃まで上昇した場合の距離測定値とを比較すると、90℃の場合には、25℃の場合よりも、距離測定値が約35mm増加することが確認された。
そこで、状態特定処理部11bは、バーナ3の燃焼運転の開始後、前記測定対象部での距離測定値の平均値が、所定時間内に、所定値以上、低下した場合に、調理容器A内の水の温度が上昇していると判定する。この場合、前記温度センサ5による温度検出値と併せて用いることで、調理容器A内の水の温度の上昇を、より高い信頼性で認識することができる。
さらに、状態特定処理部11bは、引き続き、前記測定対象部における複数の測定点の測距データを所定のサンプリング周期で、測距センサ10から取得しつつ、該測定対象部における距離測定値の平均値の経時変化を観測する。
ここで、調理容器A内の水(又は水を含む液状物)の沸騰により、該水が泡立つようになると、当該泡の影響によって、前記測定対象部での距離測定値(平均値)が、例えば図4に例示する如く、頻繁に上下に変動する。
そこで、状態特定処理部11bは、距離測定値が上記如く上下変動する場合に、調理容器A内の水(又は水を含む液状物)が沸騰している状態であると判定する。この場合、距離測定値の上下変動は、より具体的には、例えば、次のような手法で認識することができる。
すなわち、状態特定処理部11bは、例えば、10msのサンプリング周期で測定対象部の距離測定値を取得しつつ、所定時間(例えば160ms)の経過毎に、該所定時間内での距離測定値の平均値を算出し、該算出値を中心とする所定幅の範囲(算出値-αと、算出値+αとの間の範囲)を設定する。該所定幅の範囲は、上記所定時間(160ms)毎に更新される。
そして、状態特定処理部11bは、上記所定幅の範囲が新たに設定されてから、次の更新までの期間内で、例えば40msの時間幅毎の距離測定値の平均値が、現在の所定幅の範囲を所定回数、連続して、又は所定回数以上、逸脱した場合に、距離測定値の上下変動が頻繁に発生していると認識する。この時、状態特定処理部11bは、調理容器A内の水(又は水を含む液状物)が沸騰している状態であると判定する(当該沸騰を検知する)。
なお、上記10ms、160ms、40msという値は、例示的な数値であり、これらと異なる数値であってもよい。また、距離測定値の上下変動が頻繁に発生しているか否かの判断は、上記の手法に限られない。例えば、所定時間の期間における距離測定値の分散等に基づいて、当該判断を行うことも可能である。
上記の如く、状態特定処理部11bが、沸騰を検知した場合には、制御装置11は、運転制御部11aによりバーナ3の火力を弱めるように制御する。あるいは、制御装置11は、運転制御部11aは、調理容器A内の水(又は水を含む液状物)が沸騰した旨を、図示しない表示器での表示や音声案内等によりユーザに報知する。
さらに、制御装置11は、換気制御部11dにより、レンジフード20を作動させる(換気運転を行わせる)ように、該レンジフード20の制御部に指令する。これにより、レンジフード20による換気運転が行われる。
補足すると、調理容器A内に水(又は水を含む液状物)の沸騰の検知は、図1Aに二点鎖線で示す如く、調理容器Aに蓋Aaが装着されている場合でも、測距センサ10による距離測定値に基づいて検知することが可能である。
すなわち、蓋Aaが装着された調理容器A内に水(又は水を含む液状物)の沸騰が発生すると、多くの場合、蓋Aaの上下振動が発生する。このため、例えば蓋Aaの測定対象部での距離測定値は、上記と同様に頻繁に上下変動する。従って、調理容器Aに蓋Aaが装着されている場合でも、測距センサ10による距離測定値の上下変動が頻繁に生じる場合に、調理容器A内の水(又は水を含む液状物)が沸騰している状態であると判定することができる。
なお、測距センサ10による距離測定の対象が調理容器Aの蓋Aaである場合、該蓋Aaの一部で赤外線信号の散乱が発生することが多々ある。そして、その散乱が生じる部分ででは、蓋Aaの振動に対する距離測定値の変動が顕著に現れやすいことが本願発明者の実験により確認された。従って、距離測定値を取得する上記測定対象部を、赤外線の散乱が発生しやすい箇所に設定しておくことで、調理容器A内水(又は水を含む液状物)の沸騰に伴う蓋Aaの振動を、より高い信頼性で検知することが可能である。
また、調理モードが例えば麺茹でに設定されている場合には、状態特定処理部11bは、調理容器A内の水(又は水を含む液状物)の沸騰を上記の如く検知した後、さらに、前記測定対象部における複数の測定点の測距データを所定のサンプリング周期で、測距センサ10から取得しつつ、該測定対象部における距離測定値の平均値の経時変化を観測する。
ここで、調理容器A内で麺茹でを行う場合、調理容器A内で発生した泡が上昇し、ひいては、吹きこぼれが発生する。この場合、調理容器A内で発生した泡の上昇に伴い、前記測定対象部での距離測定値が、例えば、図5に例示する如く、徐々に減少していく。
そこで、状態特定処理部11bは、前記測定対象部における距離測定値が所定の時間内に所定量以上、減少する場合に、調理容器A内の水(又は水を含む液状物)の吹きこぼれの前兆状態であると判定する。
そして、この場合には、運転制御部11aは、吹きこぼれが発生しないように、バーナ3の火力を調整する。より具体的には、運転制御部11aは、バーナ3の燃焼運転の開始前に前記した如く認識した調理容器Aの高さと、前記測定対象部の距離測定値とに基づき、調理容器A内の泡の該調理容器Aの開口上端までの距離を算出する。そして、運転制御部11aは、この距離の算出値が、小さいほど、バーナ3の火力を小さくするように、該バーナ3の火力を制御する。また、運転制御部11aは、該距離の算出値が所定値以上である場合には、バーナ3の火力を増加させるように、該バーナ3の火力を制御する。これにより、調理容器A内の水(又は水を含む液状物)の温度状態を麺茹でに適した状態に保ちつつ、吹きこぼれを防止することができる。
本実施形態では、以上説明した如く、測距センサ10による測距データに基づいて、被加熱物(調理容器A又はその内部の調理物)の状態を検知し、それに応じたバーナ3の火力制御等を行うことができる。・
なお、以上説明した実施形態では、測距センサ10は、赤外線信号の送受信を行う測距センサを例示した。ただし、本発明における測距センサは、赤外線信号以外の波長域の信号、例えば、可視光信号(レーザ光等)の送受信を行う測距センサであってもよい。また、測距センサは、TOF方式のものに限らず、例えば三角測距方式のセンサであってもよい。
また、前記実施形態では、加熱調理器1として、ガスコンロを例示したが、本発明における加熱調理器1は、ガスコンロに限らず、たとえば、IHヒータ又は電熱ヒータを発熱部として備えるものであってもよい。
1…加熱調理器(ガスコンロ)、3…バーナ(発熱部)、10…測距センサ、11a…運転制御部(発熱量制御部)、11b…状態特定処理部。

Claims (3)

  1. 加熱調理器の発熱部の上側に配置される被加熱物の状態を監視する装置であって、
    前記被加熱物の上方から該被加熱物の一つ以上の測定対象部までの距離を測定し得るように前記発熱部の上方に設置された測距センサと、
    前記発熱部による前記被加熱物の加熱中に、前記測距センサによる距離の測定データを取得し、該測定データにより示される距離の測定値の変化に基づいて、前記被加熱物の状態を特定する処理を実行する状態特定処理部とを備えており、
    前記状態特定処理部は、一つ以上の前記測定対象部についての前記距離の測定値が徐々に減少していく場合に、前記被加熱物としての液状物の吹きこぼれの前兆状態であると特定するように構成されており、
    前記測距センサによる距離の測定データに基づいて、前記液状物が収容された調理容器の高さを推定する容器高さ推定部と、
    前記状態特定処理部により前記液状物の吹きこぼれの前兆状態が特定された場合に、該液状物の一つ以上の前記測定対象部の距離の測定値から特定される該液状物の高さが、前記調理容器の高さの推定値を超えないように、該距離の測定値の変化に応じて前記発熱部の発熱量を制御する発熱量制御部とをさらに備えることを特徴とする被加熱物の状態監視装置。
  2. 請求項1記載の被加熱物の状態監視装置において、
    前記状態特定処理部は、一つ以上の前記測定対象部についての前記距離の測定値の増減変動が、所定時間、継続した場合に、前記被加熱物としての液状物が沸騰しているか、又は、前記被加熱物としての蓋付きの調理容器内の液状物が沸騰している状態であると特定するように構成されていることを特徴とする被加熱物の状態監視装置。
  3. 請求項1又は2記載の被加熱物の状態監視装置において、
    前記状態特定処理部により特定された前記被加熱物の状態に応じて、前記加熱調理器の上方に配置された換気装置の作動制御を行う換気制御部をさらに備えることを特徴とする被加熱物の状態監視装置。
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