JP2019190746A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】使い勝手のよい加熱調理器を提供する。【解決手段】加熱調理器は、加熱部26、制御部、温度センサー46及び表示部を備えている。加熱部26は、加熱対象物を加熱する。制御部は、加熱部26によって加熱対象物を加熱する加熱工程と、この加熱工程に続いて行われる余熱工程とを実行する。温度センサー46は、加熱対象物の温度を検知する。余熱工程は、加熱部26による加熱を行わない工程、又は加熱工程よりも単位時間当たりの加熱量を小さくして加熱部26による加熱を行う工程である。制御部は、加熱工程の開始以後に表示部によって調理時間を表示し、この後、温度センサー46の検知結果に基づいて加熱工程を終了し、この後、調理時間を表示した時点から調理時間が経過した時点で余熱工程を終了する。【選択図】図3
Description
本開示は、加熱調理器に関する。
特許文献1には、グリル庫内を加熱するバーナーにより、自動加熱調理を行う加熱調理器が開示されている。この加熱調理器は、バーナーによる加熱を開始した後、予想される最小調理量の被調理物を焼き上げるのに必要な最小所要時間と、限界調理時間とに基づいて、残調理時間を算出し、これを表示部によって表示する。前記バーナーは、庫内温度検知部が検知する温度が調理終了温度にまで上昇したときに消火され、この後、所定の余熱時間が経過した時点で調理の終了が報知される。
ところで、上述した加熱調理器では、庫内温度検知部の検知結果に基づいて、バーナーが消火されるため、表示部で表示された残調理時間と、実際の残調理時間とが一致せず、使い勝手がよくない。
本開示は上記事由に鑑みてなされており、使い勝手のよい加熱調理器を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る加熱調理器は、加熱部、制御部、温度センサー及び表示部を備えている。前記加熱部は、加熱対象物を加熱する。前記制御部は、前記加熱部によって加熱対象物を加熱する加熱工程と、この加熱工程に続いて行われる余熱工程とを実行する。前記温度センサーは、前記加熱対象物の温度を検知する。前記余熱工程は、前記加熱部による加熱を行わない工程、又は前記加熱工程よりも単位時間当たりの加熱量を小さくして前記加熱部による加熱を行う工程である。前記制御部は、前記加熱工程の開始以後に前記表示部によって調理時間を表示し、この後、前記温度センサーの検知結果に基づいて前記加熱工程を終了し、この後、前記調理時間を表示した時点から前記調理時間が経過した時点で前記余熱工程を終了する。
本開示の一態様に係る加熱調理器は、調理時間を正確に表示でき、使い勝手がよい。
(1)概要
図1に示す本実施形態の加熱調理器1は、グリル付きのガスこんろであって、詳しくはキッチンカウンター(図示せず)に形成された孔に上方より挿入されて設置されるドロップインこんろである。なお、本開示の技術は、グリルを備えたテーブルこんろ、又はこんろを備えないガスグリル等にも適用可能である。更に言えば、本開示の技術は、グリルを備えず、加熱部としてこんろバーナーを備えたガスこんろ、又は加熱対象物を電磁誘導加熱により加熱する加熱部を備えた電磁調理器等にも適用可能である。
図1に示す本実施形態の加熱調理器1は、グリル付きのガスこんろであって、詳しくはキッチンカウンター(図示せず)に形成された孔に上方より挿入されて設置されるドロップインこんろである。なお、本開示の技術は、グリルを備えたテーブルこんろ、又はこんろを備えないガスグリル等にも適用可能である。更に言えば、本開示の技術は、グリルを備えず、加熱部としてこんろバーナーを備えたガスこんろ、又は加熱対象物を電磁誘導加熱により加熱する加熱部を備えた電磁調理器等にも適用可能である。
以下、本実施形態の加熱調理器1について、加熱調理器1の設置状態における方向を用いて説明する。具体的には、加熱調理器1から見て、設計上、利用者が位置する方向を前方と規定する。また、加熱調理器1を前方から見たときを基準にして、左右方向を規定する。
本実施形態の加熱調理器1は、加熱部26(図3参照)、制御部16(図6参照)、温度センサー46(図3参照)及び表示部18(図12参照)を備えている。加熱部26は、加熱対象物を加熱する。制御部16は、加熱部26によって加熱対象物を加熱する加熱工程と、加熱工程に続いて行われる余熱工程とを実行する。温度センサー46は、加熱対象物の温度Tを検知する。余熱工程は、加熱部26による加熱を行わない工程、又は加熱工程よりも単位時間当たりの加熱量を小さくして加熱部26による加熱を行う工程である。なお、本開示において、「加熱工程よりも単位時間当たりの加熱量を小さくして加熱部による加熱を行う」とは、加熱部26の余熱工程における単位時間当たりの加熱量が、加熱工程における単位時間当たりの加熱量よりも小さいことを意味する。また、加熱工程及び余熱工程の各々における加熱部26の単位時間当たりの加熱量は、全期間において固定されてもよいし、変化してもよい。後者の場合、「加熱工程よりも単位時間当たりの加熱量を小さくして加熱部による加熱を行う」とは、加熱部26の余熱工程における単位時間当たりの加熱量の最大が、加熱工程における単位時間当たりの加熱量の最小よりも小さいことを意味する。
制御部16は、加熱工程の開始以後に表示部18によって調理時間tcを表示し、この後、温度センサー46の検知結果に基づいて加熱工程を終了する。制御部16は、加熱工程の終了後、調理時間tcを表示した時点から調理時間tcが経過した時点で余熱工程を終了する。
本実施形態の加熱調理器1では、余熱工程が終了する時点を正確に示す調理時間tcを表示することができて、使い勝手がよい。
(2)構成
以下、加熱調理器1について詳述する。図1に示すように、本実施形態の加熱調理器1は、ケーシング10と、グリル装置2と、複数のこんろバーナー11と、制御部16(図6参照)と、天板12とを備えている。
以下、加熱調理器1について詳述する。図1に示すように、本実施形態の加熱調理器1は、ケーシング10と、グリル装置2と、複数のこんろバーナー11と、制御部16(図6参照)と、天板12とを備えている。
ケーシング10は、上方に開口した箱状に形成されている。ケーシング10の内部には、複数のこんろバーナー11が設置されている。天板12はケーシング10上に設置されている。天板12はケーシング10の上面を覆っている。複数のこんろバーナー11の各々は、天板12を貫通して上方に突出している。
加熱調理器1は、複数のこんろバーナー11にそれぞれ対応する複数のこんろ用操作部15を備えている。利用者は、各こんろ用操作部15を操作することで、対応するこんろバーナー11の点火と消火の切換え及び火力の変更を行うことができる。
グリル装置2は、加熱室20を有している。図2及び図3に示すように、本実施形態の加熱室20は、前方に開口した箱状に形成されたグリル庫である。加熱室20は、ケーシング10と天板12とで囲まれた空間に配置されている。加熱室20は、底部200、左右の側壁部201、後壁部202及び天井部203を有している。加熱室20の内側には、底部200、左右の側壁部201、後壁部202及び天井部203で囲まれた加熱空間が形成されている。加熱空間には、肉又は魚等の調理対象物を含む加熱対象物が配置される。
図3に示すように、加熱室20の前端部には、開口部25が形成されている。加熱室20の内部空間は、開口部25を介してケーシング10(図1参照)の前方に開放される。加熱対象物は、開口部25を通して加熱室20に出し入れされる。
本実施形態のグリル装置2は、開口部25を開閉するグリル扉22(図1参照)と、グリル扉22を支持した支持機構21(図2)とを更に有している。支持機構21は、加熱室20に設置されており、グリル扉22を前後方向に移動可能に支持している。支持機構21は、例えば、一対のスライドレールで構成される。グリル扉22を前後方向に移動することで、加熱室20の開口部25はグリル扉22によって開閉される。
本実施形態のグリル装置2は、図2及び図3に示す調理対象物受け5を更に有している。グリル装置2で加熱される調理対象物は、調理対象物受け5に載せられた状態で加熱室20内に配置される。すなわち、本実施形態のグリル装置2で加熱される加熱対象物は、調理対象物とこれを受ける調理対象物受け5とで構成される。
調理対象物受け5は、金属製である。調理対象物受け5は、上方に開口した浅底の容器状に形成されている。調理対象物受け5は、上方から見て矩形状で水平方向に広がった板状の底板部50と、底板部50の周縁から上方に向けて突出した周壁部51とを有している。底板部50には、上下方向に貫通する孔が形成されていない。底板部50は、調理対象物が載せられる部分である。すなわち、本実施形態では、底板部50によって、調理対象物が載せられる板状の載置部が構成されている。
なお、調理対象物受け5は、上方に開口した容器状の本体と、この本体の上開口部を塞ぐ蓋とで構成されてもよい。この場合、本体の底部によって載置部が構成される。また、調理対象物受け5は、平板状の皿等であってもよく、この場合、調理対象物受け5の全体が載置部となる。
本実施形態のグリル装置2は、調理対象物受け5を取り外し可能に支持する支持体6を更に有している。支持体6は、調理対象物受け5を下方から支持している。支持体6は、上方から見て枠状に形成されている。支持体6は、例えば、金属製の線材を変形させ、この線材の両端を溶接等でつなぐことによって形成される。
支持体6の前端部は、グリル扉22に着脱可能に連結されている。支持体6及び調理対象物受け5は、グリル扉22と連動する。グリル扉22が図1に示すように開口部25を閉じる閉じ位置に配置されたとき、支持体6及び調理対象物受け5は、加熱室20内に配置される。利用者は、グリル扉22を閉位置より前方に動かすことで、支持体6及び調理対象物受け5を、加熱室20の開口部25よりも前方に配置することができる。
図2及び図3に示すように、グリル装置2は、加熱部26を更に有している。本実施形態の加熱部26は、加熱室20に配置された加熱対象物を加熱するためのグリルバーナーである。加熱部26は、複数のバーナー260,261を有している。なお、加熱部26は、バーナーを一つだけ有してもよい。
本実施形態の加熱部26は、複数のバーナーとして、上バーナー260及び下バーナー261を有している。上バーナー260及び下バーナー261の各々は、ブンゼンバーナーである。上バーナー260は、加熱室20の上部(詳しくは天井部203)に取り付けられている。上バーナー260は、加熱室20内に配置された調理対象物を上方から加熱する。この場合、調理対象物受け5に載せられた調理対象物は、上バーナー260からの輻射熱によって加熱される。
下バーナー261は、加熱室20の下部(詳しくは底部200)に設置されている。下バーナー261は、加熱室20内に配置された調理対象物受け5(詳しくは、底板部50)及び調理対象物を下方から加熱する。下バーナー261で生じた炎は、調理対象物受け5の底板部50に当たる。この場合、調理対象物受け5に載せられた調理対象物は、下バーナー261によって加熱された調理対象物受け5の熱が、調理対象物に伝達することで加熱される。
グリル装置2は、図4に示すガス供給路28を更に有している。ガス供給路28は、上バーナー260及び下バーナー261に都市ガス等の燃料ガスを供給する。本実施形態のガス供給路28は、主流路280と、主流路280から分岐した一対の分岐路281,282とを有している。主流路280には、燃料ガスが供給される。一対の分岐路281,282のうちの一方は、上バーナー260に通じる上バーナー用流路281であり、他方は下バーナー261に通じる下バーナー用流路282である。
グリル装置2は、加熱部26の火力(単位時間当たりの加熱量)を変更する火力変更部(加熱量変更部)27を更に有している。本実施形態の火力変更部27は、開閉弁270、上バーナー用点火プラグ271、上バーナー用火力調節部272、下バーナー用点火プラグ273及び下バーナー用火力調節部274を有している。
主流路280には、開閉弁270が設けられている。開閉弁270は、例えば電磁弁である。開閉弁270が開いた状態で、主流路280に供給された燃料ガスは、上バーナー260及び下バーナー261に供給される。
上バーナー260には、上バーナー260を点火するための上バーナー用点火プラグ271が設置されている。下バーナー261には、下バーナー261を点火するための下バーナー用点火プラグ273が設置されている。開閉弁270が開いた状態で、上バーナー用点火プラグ271が作動することにより、上バーナー260は点火される。開閉弁270が開いた状態で、下バーナー用点火プラグ273が作動することにより、下バーナー261は点火される。開閉弁270が閉じることで、上バーナー260及び下バーナー261は、消火される。
本実施形態の上バーナー用火力調節部272は、上バーナー用流路281に設けられた電磁弁272aである。ガス供給路28は、上バーナー用流路281における電磁弁272aの上流側と下流側とを接続するバイパス路34を有している。バイパス路34の一部は、上バーナー用流路281よりも流路断面積が小さい流路35である。
上バーナー260の火力は、電磁弁272aが開閉されることにより、調節される。電磁弁272aが開いた状態では、主流路280から上バーナー用流路281に供給された燃料ガスは、電磁弁272aと流路35との両者を通過して上バーナー260に供給される。この場合、上バーナー260の火力は、「強」になる。一方、電磁弁272aが閉じた状態では、主流路280から上バーナー用流路281に供給された燃料ガスは、電磁弁272a及び流路35のうちの流路35のみを通過して上バーナー260に供給される。この場合、上バーナー260に供給される燃料ガスの流量は、電磁弁272aが開いた状態にあるときよりも少なくなり、上バーナー260の火力は、「弱」になる。
本実施形態の下バーナー用火力調節部274は、下バーナー用流路282に設けられた電磁弁274aである。ガス供給路28は、下バーナー用流路282における電磁弁274aの上流側と下流側とを接続するバイパス路44を有している。バイパス路44の一部は、下バーナー用流路282よりも流路断面積が小さい流路45である。
下バーナー261の火力は、電磁弁274aが開閉されることにより、調節される。電磁弁274aが開いた状態では、主流路280から下バーナー用流路282に供給された燃料ガスは、電磁弁274aと流路45との両者を通過して下バーナー261に供給される。この場合、下バーナー261の火力は、「強」になる。一方、電磁弁274aが閉じた状態では、主流路280から下バーナー用流路282に供給された燃料ガスは、電磁弁274a及び流路45のうちの流路45のみを通過して下バーナー261に供給される。この場合、下バーナー261に供給される燃料ガスの流量は、電磁弁274aが開いた状態にあるときよりも少なくなり、下バーナー261の火力は、「弱」になる。
上バーナー用火力調節部272及び下バーナー用火力調節部274の各々は、電磁弁272a,274aに限られない。例えば、上バーナー用火力調節部272は、上バーナー用流路281に設けられた流量制御弁であってもよい。また、下バーナー用火力調節部274は、下バーナー用流路282に設けられた流量制御弁であってもよい。また、上バーナー用火力調節部272及び下バーナー用火力調節部274の各々は、対応するバーナー260,261の火力を3段階以上調節可能であってもよい。
グリル装置2は、図2及び図3に示す温度センサー46を有している。温度センサー46は、加熱室20に配置された調理対象物受け5の底板部50の温度Tを検知する。温度センサー46は、下バーナー261の平面視における中央部に設置されている。温度センサー46は、加熱室20内に配置された調理対象物受け5の下方に位置する。
温度センサー46は、温度センサー46の上端部に位置する検知部47を有している。検知部47は、上下方向に移動可能である。検知部47には、例えば、ばね等の付勢部材により、上方に向かう力が加えられている。
加熱室20内に調理対象物受け5が配置されたとき、検知部47は、調理対象物受け5の底板部50の下面に接触する。これにより、加熱対象物(詳しくは、調理対象物受け5の底板部50)の温度Tが、温度センサー46によって検知可能になる。
本実施形態の加熱調理器1は、グリル装置2を操作するための操作部として、図1に示すグリル用操作部14を備えている。グリル用操作部14は、ケーシング10の前面に設けられたカンガルーポケット方式の操作部である。グリル用操作部14は、不使用時にはケーシング10内に配置され、使用時にはケーシング10から前方に突出した位置に配置される。
グリル用操作部14は、図5に示す操作パネル17を有している。操作パネル17は、グリル用操作部14の上面を構成している。操作パネル17は、グリル用操作部14がケーシング10から前方に突出した位置に配置されたときにのみ露出して、操作可能になる。操作パネル17は、操作部分170と、操作部分171とを有している。操作部分170は、利用者が調理モードの選択を行うために用いられる。すなわち、本実施形態では、操作部分170が、複数の調理モードの中から任意の調理モードを選択するための調理モード選択部を構成している。操作部分171は、利用者が、選択した調理モードによるグリル装置2の自動調理の開始の指令を行うために用いられる。なお、グリル用操作部14は、例えば、ケーシング10の前面に固定的に設けられた操作パネルであってもよい。
本実施形態の操作部分170は、調理メニューを選択するための第1操作部170aと、選択された調理メニューにおける火加減を選択するための第2操作部170bとを有している。すなわち、本実施形態の調理モードは、複数の調理メニューの中から選択された調理メニューと、調理メニュー毎に選択された火加減とを組み合わせたモードである。
本実施形態の加熱調理器1は、図1に示す表示部18を更に備えている。本実施形態の表示部18は、ケーシング10の前面に設けられたカンガルーポケット方式の表示部である。表示部18は、非使用時にはケーシング10内に配置され、使用時にはケーシング10から前方に突出した位置に配置される。
表示部18は、図11及び図12に示す表示パネル180を有している。表示パネル180は、表示部18の上面を構成している。表示パネル180は、表示部18が、ケーシング10から前方に突出した位置に配置されたときにのみ露出して、視認可能になる。
本実施形態の表示パネル180は、表示画面181を有している。表示画面181には、グリル用操作部14を用いて利用者により選択された調理モード、グリル装置2の状態、後述する調理時間tcを示す表示等が表示される。なお、表示部18は、例えば、ケーシング10の前面に固定的に設けられた表示パネルであってもよい。また、ケーシング10内に設けられ、透明な天板12を透して視認可能な表示装置であってもよい。
本実施形態の加熱調理器1は、図6に示す制御部16を更に備えている。制御部16は、例えば、マイクロコンピューターで構成される。制御部16は、火力変更部27に電気的に接続されている。すなわち、制御部16は、開閉弁270、上バーナー用点火プラグ271、上バーナー用火力調節部272(電磁弁272a)、下バーナー用点火プラグ273及び下バーナー用火力調節部274(電磁弁274a)に、電気的に接続されている。また、制御部16は、温度センサー46、グリル用操作部14及び表示部18にも、電気的に接続されている。
利用者は、グリル装置2によって自動調理を行うとき、まず、加熱室20内に加熱対象物を配置する。次に利用者は、操作パネル17の第1操作部170aを操作して、調理メニューを選択し、この後、第2操作部170bを操作して選択された調理メニューにおける火加減を選択する。これにより、複数の調理モードの中から任意の調理モードが決定される。次に、利用者は、操作部分171を操作して自動調理の開始の指令をする。
制御部16は、グリル用操作部14から自動調理の開始の指令を受けたとき、調理モード毎に設定された複数の制御条件の中から、選択された調理モードに対応する制御条件を決定し、この制御条件と、温度センサー46で検知した温度Tとに基づいて、火力変更部27を自動で制御する。このようにして、調理モードに応じた自動調理が実行される。
利用者が選択可能な調理モードとしては、例えば、パン、魚又は鶏等の調理対象物の種類の違い、切り身又は姿焼き等の調理対象物の状態の違い及び焼き加減の違い等に応じて制御条件が決定された複数の調理モードがある。
自動調理では、例えば、図7及び図8に示すフローチャートに従って、火力変更部27が制御部16によって制御され、これにより、調理モード毎に設定された自動調理工程が実行される。
図9は、自動調理工程が行われたときにおける、温度センサー46で検知した温度Tと、加熱部26の火力の各々の時間経過に伴う変化を示したグラフである。なお、図9に示したグラフにおける右の縦軸の値は、「上バーナーの火力/下バーナーの火力」を示している。例えば、「強/弱」は、上バーナー260の火力が「強」であり、下バーナー261の火力が「弱」であることを意味する。
図10に示すように、自動調理工程は、加熱工程及び余熱工程を有している。加熱工程は、複数の工程として、1次加熱工程、2次加熱工程及び3次加熱工程を有している。1次加熱工程、2次加熱工程、3次加熱工程及び余熱工程は、この順序で実行される。なお、余熱工程は、加熱工程の後に必ず実行される工程である。
以下、図7及び図8に基づいて、自動調理について説明する。制御部16(図6参照)は、自動調理の開始の指令を受けると、まず、ステップS1において1次加熱工程(加熱工程)を開始する。制御部16は、ステップS1において、開閉弁270、電磁弁272a及び電磁弁274aの各々を開いた状態とし、かつ上バーナー用点火プラグ271及び下バーナー用点火プラグ273を作動させる。これにより、上バーナー260及び下バーナー261の各々は、火力が「強」の状態で点火され、これら上バーナー260及び下バーナー261によって加熱対象物が加熱される。1次加熱工程においては、加熱部26の火力は変更されず、加熱部26の火力が固定された状態で、加熱対象物が加熱される。
なお、1次加熱工程における上バーナー260及び下バーナー261の各々の火力は、調理モード毎に設定される。1次加熱工程における上バーナー260及び下バーナー261の各々の火力は、「強」に限られず、「弱」であってもよい。また、1次加熱工程では、上バーナー260及び下バーナー261のうちの一方のみが点火されてもよい。
ステップS1において制御部16は、温度センサー46(図3参照)による加熱対象物の温度Tの検知を開始する。この検知は、自動調理が終了するまで、所定時間毎に行われる。本実施形態では、温度センサー46により、1秒毎に加熱対象物の温度Tが検知される。なお、温度センサー46によって温度Tを検知する間隔は、1秒に限られない。
また、ステップS1において制御部16は、温度センサー46によって、加熱対象物の初期温度T1を検知してこれを記憶する。なお、初期温度T1は、ステップS1よりも前において、温度センサー46で検知された温度Tであってもよい。
制御部16は、ステップS1に続いてステップS2の処理を実行する。ステップS2において制御部16は、1次加熱工程が開始された時点(上バーナー260及び下バーナー261が点火された時点)から現時点までの経過時間tが、予め設定された1次加熱時間t1a以上であるか否かを判定する。1次加熱時間t1aは1次加熱工程の実施時間である。本実施形態の1次加熱時間t1aは、20秒である。なお、1次加熱時間t1aは、20秒に限られない。
ステップS2において、経過時間tが1次加熱時間t1a以上でなければ、制御部16は、ステップS3において一定時間待機し、この後、ステップS2の処理を実行する。ステップS2において、経過時間tが1次加熱時間t1a以上であれば、制御部16は、ステップS4の処理を実行する。
ステップS4において、制御部16は、1次加熱工程を終了し、2次加熱工程を開始する。2次加熱工程では、上バーナー260及び下バーナー261の各々の火力は、「強」に維持される。なお、2次加熱工程における上バーナー260及び下バーナー261の各々の火力は、「強」に限られず、「弱」であってもよい。また、2次加熱工程では、上バーナー260及び下バーナー261のうちの一方のみが点火されてもよい。
制御部16は、ステップS4に続いてステップS5の処理を実行する。ステップS5において、制御部16は、経過時間tが、予め設定された所定時間ta以上であるか否かを判定する。
2次加熱工程が開始された時点から、経過時間tが所定時間taになるまでの期間は、データ取得期間である。制御部16は、データ取得期間で取得したデータを用いて、加熱対象物の熱容量の大きさの判定を行う。所定時間taから1次加熱時間t1aを減算した時間(ta−t1a)は、データ取得期間の長さである。所定時間taは、280秒に設定される。なお、所定時間taの値は、280秒に限られない。また、所定時間taは、調理モード毎に設定される。
データ取得期間において取得するデータは、加熱部26の加熱熱量Hと、温度センサー46によって検知される加熱対象物の温度Tである。すなわち、制御部16は、データ取得期間において、加熱部26の加熱熱量Hを検知し、また、加熱対象物の温度Tを所定時間毎に検知する。
制御部16は、ステップS5において、経過時間tが所定時間ta以上であれば、ステップS6の処理を実行し、経過時間tが所定時間ta以上でなければ、ステップS7の処理を実行する。
ステップS6において、制御部16は、加熱対象物の熱容量の大きさを判定する熱容量判定を実行し、この熱容量判定の結果に基づいて閾値Saを設定する。また、ステップS6において、制御部16は、熱容量判定の結果に基づいて調理時間tcを決定し、この調理時間tcを表示部18で表示する(図12参照)。なお、ステップS6において行われる熱容量判定、閾値Saの設定、調理時間tcの決定及び調理時間tcの表示は、後述するステップS13において行われる場合と同様に行われる。制御部16は、ステップS6に続いて、ステップS9の処理を実行する。
ステップS7において、制御部16は、温度センサー46により加熱対象物の現時点での温度Tを検知し、この温度Tが所定の2次加熱終了温度T2e以上であるか否かを判定する。2次加熱終了温度T2eは、180℃に設定される。なお、2次加熱終了温度T2eは、180℃に限られない。また、2次加熱終了温度T2eは、調理モード毎に設定される。
ステップS7において、温度Tが2次加熱終了温度T2e以上でなければ、制御部16は、ステップS8において一定時間待機し、この後、ステップS5の処理を実行する。ステップS7において、温度Tが2次加熱終了温度T2e以上であれば、制御部16はステップS9の処理を実行する。
ステップS9において、制御部16は、2次加熱工程を終了し、3次加熱工程を開始する。ステップS9において、制御部16は、電磁弁274aを閉じて、下バーナー261の火力を「弱」に切り換え、かつ、上バーナー260の自動温度制御を開始する。すなわち、3次加熱工程では、下バーナー261の火力が「弱」であり、かつ、上バーナー260が自動温度制御された状態で、加熱対象物が加熱される。
上述した自動温度制御は、温度センサー46により加熱対象物の温度Tを所定時間毎に検知し、この検知結果に基づいて上バーナー260の火力を自動で切り換える制御である。本実施形態の自動温度制御では、温度センサー46で検知した温度Tが、所定温度Ta以上であるときには、電磁弁272aを閉じて上バーナー260の火力を「弱」にし、所定温度Ta未満であるときには、電磁弁272aを開いて上バーナー260の火力を「強」にする。所定温度Taは、180℃に設定されている。なお、所定温度Taは、180℃に限られない。また、所定温度Taは、調理モード毎に設定される。また、3次加熱工程では、下バーナー261の火力が「強」又は「切」に設定されてもよい。また、3次加熱工程では、下バーナー261の火力が、自動温度制御されてもよい。この場合、上バーナー260の火力は、「強」、「弱」又は「切」のいずれに設定されてもよい。
制御部16は、ステップS9に続いてステップS10の処理を実行する。ステップS10において、制御部16は、ステップS5と同様に、経過時間tが所定時間ta以上であるか否かを判定する。制御部16は、ステップS10において、経過時間tが所定時間ta以上でなければ、ステップS11において一定時間待機し、この後、ステップS10の処理を実行する。制御部16は、ステップS10において、経過時間tが所定時間ta以上であれば、ステップS12の処理を実行する。
ステップS12において、制御部16は、閾値Saが設定されているか否かを判定する。制御部16は、ステップS12において、閾値Saが設定されていない場合、ステップS13の処理を実行し、閾値Saが設定されている場合、ステップS14の処理を実行する。自動調理においてステップS6の処理が実行されていない状態で、ステップS10の処理が実行される場合、閾値Saは未設定であるため、制御部16はステップS13の処理を実行する。
ステップS13において、制御部16は、熱容量判定を実行し、この熱容量判定の結果に基づいて閾値Sa及び必要調理時間を設定する。ステップS6及びステップS13における熱容量判定は、データ取得期間における加熱部26の加熱熱量H及び温度センサー46の検知結果に基づき、加熱対象物の熱容量の指標となる判定値αを算出することで行われる。すなわち、本実施形態では、制御部16と温度センサー46とで、加熱室20に配置された加熱対象物の熱容量を検知する熱容量検知部が構成されている。
制御部16は、判定値αを算出するにあたって、データ取得期間における加熱対象物に対する加熱部26の加熱熱量Hと、データ取得期間における加熱対象物の温度Tの積分値Fとを算出する。そして、制御部16は、加熱熱量Hを積分値Fで除算することにより、加熱対象物の熱容量と正の相関関係がある判定値αを算出する。すなわち、判定値αは、α=H/Fの演算式から求められる。
加熱熱量Hは、データ取得期間における加熱対象物に対する加熱部26の実際の総加熱熱量の指標となる値であって、実際の総加熱熱量と正の相関関係がある値である。加熱熱量Hは、例えば、加熱部26の火力に応じて設定された設定値と、データ取得期間において取得した加熱部26の火力情報の履歴とに基づいて算出される。
例えば、図9に示すように、データ取得期間において、加熱部26の火力を、「強/強」、「強/弱」、「弱/弱」及び「強/弱」の順に切り換えた場合、制御部16は、火力毎の加熱量を算出し、火力毎に算出した加熱量を積算することで、加熱熱量Hを算出する。上述した火力毎の加熱量の算出は、例えば加熱部26の火力が「強/強」である場合、火力「強/強」に割り当てられた設定値に対して、火力「強/強」で加熱した時間を乗算することによって算出される。加熱対象物の温度Tの積分値Fは、データ取得期間において温度センサー46で検知した温度に基づいて算出される、データ取得期間全体の時間積分値である。
なお、判定値αは、加熱対象物の熱容量の指標となる値であればよく、積分値Fを加熱熱量Hで除算することにより得られる値であってもよい。また、制御部16は、積分値Fに代えて、データ取得期間全体において温度センサー46で取得した温度Tの積算値を求め、加熱熱量Hをこの積算値で除算した値を判定値αとしてもよい。また、制御部16は、積分値Fに代えて、データ取得期間の開始時点における加熱対象物の温度と、データ取得期間の終了時点における加熱対象物の温度との差を算出し、この差によって加熱熱量Hを除算することで、判定値αを算出してもよい。また、制御部16は、積分値Fに代えて、データ取得期間における温度変化の積分値を算出し、この積分値によって加熱熱量Hを除算することで、判定値αを算出してもよい。また、判定値αの演算において用いられる温度は、温度そのものの値であってもよいし、温度の指標となる値であってもよい。また、熱容量検知部で検知する熱容量は、加熱対象物の熱容量と相関のある情報であればよく、例えば、加熱対象物の重量又は大きさ等であってもよい。また、本実施形態のデータ取得期間は、2次加熱工程の開始時点から、経過時間tが所定時間taとなる時点までの期間であるが、1次加熱工程の開始時点(加熱工程の開始時点)から所定時間が経過する時点までの期間であってもよい。
制御部16によって設定される閾値Saは、温度センサー46により、1次加熱工程の開始時点から所定時間毎に検知した温度Tの積算値Sと比較する値である。本実施形態では、積算値Sが閾値Sa以上になったことを、3次加熱工程(加熱工程)を終了する条件としている(ステップS14~S16参照)。また、必要調理時間は、現時点(調理時間tcを表示する時点)から、自動調理(余熱工程)が終了するまでの時間であり、閾値Saと相関する。
閾値Sa及び必要調理時間の各々は、熱容量判定で算出した判定値αと、1次加熱工程の開始時点で検知した初期温度T1とに基づいて設定される。判定値αは、初期温度T1が高くなる程小さくなり、初期温度T1と負の相関関係にある。このため、制御部16は、判定値αが大きくなり、かつ、初期温度T1が小さくなる程、閾値Sa及び必要調理時間が大きくなるように、閾値Sa及び必要調理時間を設定する。
具体的に閾値Sa及び必要調理時間の設定にあたっては、初期温度T1が異なる状態(例えば20℃と100℃)の各々において、熱容量が異なる加熱対象物(例えば、鶏肉1枚と鶏肉2枚)の各々を加熱する実験が予め行われ、これにより、各条件における最適な閾値Sa及び必要調理時間が求められる。そして、この結果に基づいて、初期温度T1及び判定値αの両者を変数とし、最適な閾値Sa及び必要調理時間を算出するための演算式が設定される。すなわち、制御部16は、前述したステップS6及びステップS13の各々において、熱容量判定で算出した判定値αと、データ取得期間の開始時点で検知した初期温度T1と、前記演算式とに基づいて、最適な閾値Sa及び必要調理時間を算出し、これを閾値Sa及び必要調理時間として設定する。なお、前記演算式は、調理モード毎に設定される。また、閾値Sa及び必要調理時間は、判定値αのみに基づいて設定されてもよい。
また、ステップS6及びステップS13において、制御部16は、設定された必要調理時間から表示部18で表示する調理時間tcを決定し、この調理時間tcを表示部18で表示する。本実施形態の必要調理時間の最小単位は、「秒」単位であるのに対し、調理時間tcの最小単位は、「秒」単位よりも大きい「分」単位である。このため、必要調理時間が、「秒」単位の余りを含む場合、制御部16は、この余りが無くなって「分」単位で表示できる時間まで待機し、この後、表示部18によって調理時間tcを「分」単位で表示する。例えば、ステップS6及びステップS13において設定された必要調理時間が10分16秒であった場合、制御部16は、自動調理を終了するまでの時間が丁度10分となる時点まで16秒待機し、この後、調理時間tcとして決定された「10分」を表示部18によって表示する。
なお、調理時間tcの最小単位は、「分」単位に限られず、例えば、「秒」単位であってもよい。この場合、必要調理時間の最小単位と、調理時間tcの最小単位とは、一致するため、必要調理時間が設定された時点で調理時間tcが表示される。また、制御部16によって設定(算出)される必要調理時間の最小単位は、「秒」単位に限られず、例えば「分」単位であってもよい。この場合も、必要調理時間が設定された時に、調理時間tcが表示される。
また、調理時間tcは、必要調理時間を端数処理したおよその時間であってもよい。端数処理としては、例えば、四捨五入、切り捨て又は切り上げが挙げられる。また、調理時間tcをおよその時間とした場合における調理時間の最小単位としては、例えば、「1分」、「0.5分」又は「10秒」等が挙げられる。例えば、端数処理が「四捨五入」、調理時間の最小単位が「0.5分」であり、必要調理時間が「10分16秒」である場合、制御部16は、必要調理時間が設定された時に、調理時間tcとして「10.5分」を表示部18にて表示する。また、この場合、表示部18には、調理時間tcがおよその時間あることを示す表示が調理時間tcと共に表示される。この表示としては、例えば、「およそ」や「約」等の文字や、ランプの点灯等が挙げられる。
また、制御部16は、ステップS6及びステップS13において、調理時間tcを表示した後、余熱工程が終了するまでの残調理時間を、余熱工程が終了するまで、所定時間毎に表示する。残調理時間は、表示部18において、調理時間tcの表示に代わって表示される。なお、制御部16は、調理時間tcを余熱工程が終了するまで継続して表示してもよく、この場合、制御部16は、表示部18において調理時間tcとは別の部分において残調理時間を表示する。
制御部16は、余熱工程が終了するまでの時間が1分になるまでは、残調理時間の最小単位を「分」として、残調理時間を、1分経過する度に表示部18によって表示する。また、制御部16は、余熱工程が終了するまでの時間が1分になったとき、以後、残調理時間の最小単位を「秒」として、残調理時間を1秒経過する度に表示部18によって表示する。例えば、調理時間tcが「10分16秒」であった場合、制御部16は、表示部18によって、調理残時間を、10分、9分、・・・、2分、1分と順に表示し、この後、59秒、58秒、・・・、2秒、1秒と順に表示する。なお、残調理時間の最小単位は、余熱工程が終了するまで、一定であってもよい。また、制御部16は、残調理時間を表示しなくてもよい。
制御部16は、ステップS13に続いてステップS14の処理を実行する。ステップS14において、制御部16は、積算値Sが閾値Sa以上であるか否かを判定する。積算値Sは、1次加熱工程の開始時点から現時点までにおいて所定時間(1秒)毎に検知した温度Tを、制御部16によって積算(総和)することで、算出される。すなわち、温度センサー46によって加熱対象物の温度Tをn回検知したときにおける検知した温度Tを、初回の検知から順に、T1,T2,・・・,Tnとしたとき、積算値Sは、以下の式(1)によって算出される。
制御部16は、ステップS14において、積算値Sが閾値Sa以上でなければ、ステップS15において一定時間待機し、この後、ステップS14の処理を実行する。
制御部16は、ステップS14において、積算値Sが閾値Sa以上であれば、ステップS16の処理を実行する。ステップS16において、制御部16は、3次加熱工程を終了する。すなわち、制御部16は、温度センサー46の検知結果(詳しくは、積算値S)に基づいて、加熱工程(3次加熱工程)を終了する。
また、制御部15は、ステップS16において、余熱工程を開始する。具体的にステップS16において、制御部16は、開閉弁270を閉じて、上バーナー260及び下バーナー261の各々を消火する。すなわち、余熱工程では、上バーナー260及び下バーナー261の各々の火力が「切」にされ、加熱室20内の余熱により加熱対象物が加熱される。これにより、調理対象物の表面と内部との温度差が小さくなり、調理対象物の全体における温度が均される。
なお、余熱工程における上バーナー260及び下バーナー261の各々の火力は、「切」に限られず、例えば、「弱/弱」であってもよい。すなわち、余熱工程における加熱部26の単位時間当たりの加熱量が、加熱工程における加熱部26の単位時間当たりの加熱量よりも小さくなるのであれば、余熱工程における上バーナー260及び下バーナー261の各々は点火されていてもよい。また、余熱工程における上バーナー260及び下バーナー261の各々の火力は、調理モード毎に設定される。
制御部16は、ステップS16に続いてステップS17の処理を実行する。ステップS17において、制御部16は、余熱工程が開始された時点から現時点までの時間である余熱経過時間t4が、余熱時間t4a以上であるか否かを判定する。余熱時間t4aは、余熱工程の実施時間であり、調理時間tcを表示した時点から3次加熱工程が終了した時点までの時間を、調理時間tcから減算した時間である。したがって、余熱工程(自動調理工程)は、調理時間tcを表示した時点から、調理時間tcが経過した時点で終了する。なお、調理時間tcが前述したおよその時間である場合、制御部16は、調理時間tcを表示した時点から、必要調理時間が経過した時点で、余熱工程を終了する。すなわち、この場合、調理時間tcが表示された時点から、およその調理時間tcが経過した時点で、余熱工程が終了する。
制御部16は、ステップS17において、余熱経過時間t4が余熱時間t4a以上でなければ、ステップS18において一定時間待機し、この後、ステップS17の処理を実行する。制御部16は、ステップS17において、余熱経過時間t4が余熱時間t4a以上であれば、ステップS19において余熱工程を終了する。これにより、自動調理工程が終了する。なお、加熱調理器1は、余熱工程(自動調理工程)が終了したことを、表示又は音等によって、利用者に報知する報知手段を備えてもよい。また、報知手段としては表示部18を用いてもよい。
上述した自動調理では、加熱工程の開始後に、調理時間tcを表示部18によって表示し、この後、温度センサー46の検知結果に基づいて加熱工程を終了する。そして、調理時間tcを表示した時点から調理時間tcが経過した時点で余熱工程を終了する。このため、利用者は、表示部18に表示された調理時間tcを確認することで、余熱工程が終了するまでの時間を正確に認識できる。なお、本実施形態の調理時間tcは、熱容量検知部の検知結果に基づいて決定されたが、例えば、利用者が選択した調理モード等に基づいて調理時間tcを決定してもよい。また、この場合、調理時間tcは、加熱工程の開始時に表示部18によって表示されてもよい。
また、自動調理において加熱工程の終了時点を決定するために用いられる積算値Sは、加熱部26の加熱熱量(加熱部26によって調理対象物に与える熱量の総和)と相関する値である。このため、積算値Sに基づいて加熱工程を終了することで、調理対象物を適切に焼き上げることができる。また、積算値Sを用いることで、加熱対象物の初期温度T1が多少変化しても、加熱工程を適切なタイミングで終了することができる。このため、例えば、前回利用時から時間を空けてグリル装置2を利用する場合のように初期温度T1が低い場合、及び前回利用時から時間を空けずにグリル装置2を利用する場合のように初期温度T1が高い場合のいずれの場合にも、調理対象物を適切に焼き上げることができる。
なお、制御部16は、温度センサー46の検知結果に基づいて加熱工程を終了するのであれば、積算値Sを算出しなくてもよい。例えば、制御部16は、温度センサー46で検知した温度、又は温度センサー46の検知結果に基づいて算出した単位時間当たりの温度勾配が、予め設定された値を超えたとき等に、加熱工程を終了してもよい。
また、本実施形態の加熱工程は、加熱部26の制御方法が互いに異なる複数の工程(1次加熱工程、2次加熱工程及び3次加熱工程)を有しているが、加熱工程は制御方法が同じ一つの工程であってもよい。
(3)態様
上述した実施形態から明らかなように、第1の態様の加熱調理器1は、加熱部26、制御部16、温度センサー46及び表示部18を備えている。加熱部26は、加熱対象物を加熱する。制御部16は、加熱部26によって加熱対象物を加熱する加熱工程と、この加熱工程に続いて行われる余熱工程とを実行する。温度センサー46は、加熱対象物の温度を検知する。余熱工程は、加熱部26による加熱を行わない工程、又は加熱工程よりも単位時間当たりの加熱量を小さくして加熱部26による加熱を行う工程である。制御部16は、加熱工程の開始以後に表示部18によって調理時間tcを表示し、この後、温度センサー46の検知結果に基づいて加熱工程を終了し、この後、調理時間tcを表示した時点から調理時間tcが経過した時点で余熱工程を終了する。
上述した実施形態から明らかなように、第1の態様の加熱調理器1は、加熱部26、制御部16、温度センサー46及び表示部18を備えている。加熱部26は、加熱対象物を加熱する。制御部16は、加熱部26によって加熱対象物を加熱する加熱工程と、この加熱工程に続いて行われる余熱工程とを実行する。温度センサー46は、加熱対象物の温度を検知する。余熱工程は、加熱部26による加熱を行わない工程、又は加熱工程よりも単位時間当たりの加熱量を小さくして加熱部26による加熱を行う工程である。制御部16は、加熱工程の開始以後に表示部18によって調理時間tcを表示し、この後、温度センサー46の検知結果に基づいて加熱工程を終了し、この後、調理時間tcを表示した時点から調理時間tcが経過した時点で余熱工程を終了する。
この態様によれば、温度センサー46の検知結果に基づいて加熱工程を終了するため、調理対象物を適切に加熱できる。また、余熱工程は、調理時間tcが表示された時点から、調理時間tcが経過した時点で終了する。このため、利用者は、調理時間tcを確認することで、余熱工程が終了する時間を正確に把握することができ、使い勝手がよい。
また、第2の様態の加熱調理器1は、第1の様態との組み合わせにより実現され得る。この態様の加熱調理器1は、熱容量検知部を備えている。熱容量検知部は、加熱対象物の熱容量を検知する。制御部16は、加熱工程の開始後、熱容量検知部の検知結果に基づいて、調理時間tcを決定する。
この態様によれば、加熱対象物の熱容量に応じて、適切な調理時間tcを決定でき、余熱工程を適切に実行できる。
また、第3の様態の加熱調理器1は、第1又は第2の様態との組み合わせにより実現され得る。この態様の制御部16は、加熱工程の開始から温度センサー46によって所定時間毎に検知した温度Tの積算値Sが閾値Saを超えたときに、加熱工程を終了する。
この態様によれば、グリル扉22を開く等、外乱による影響で温度センサー46の検知結果に乱れが生じても、温度Tの積算値Sの値に影響が出難い。このため、加熱工程を適切なタイミングで終了することができ、加熱対象物を適切に加熱できる。
また、第4の様態の加熱調理器1は、第1〜第3のいずれか一つの様態との組み合わせにより実現され得る。この態様の調理時間tcは、およその時間である。
この態様によれば、調理時間tcを、利用者によってわかりやすい、およその時間で表示することができる。
また、第5の様態の加熱調理器1は、第1〜第4のいずれか一つの様態との組み合わせにより実現され得る。この態様の制御部16は、調理時間tcの表示の後、表示部18により、余熱工程が終了するまでの残調理時間を表示する。
この態様によれば、利用者は、調理時間tcの表示後において残調理時間を確認することができ、より一層使い勝手がよくなる。
また、第6の様態の加熱調理器1は、第5の様態との組み合わせにより実現され得る。この態様の調理時間tcの最小単位は分であり、制御部16は、表示部18により、残調理時間tcを1分経過する度に表示する。
この態様によれば、調理時間tcの表示後において、残調理時間を分単位で確認することができる。
また、第7の様態の加熱調理器1は、第1〜第6のいずれか一つの様態との組み合わせにより実現され得る。この態様の加熱調理器1は、加熱室20を更に備えている。加熱室20には、加熱対象物が配置される。加熱部26は、バーナー260,261を有している。バーナー260,261は、加熱室20に配置された加熱対象物を加熱する。
この態様によれば、加熱室20に配置された加熱対象物をバーナー260,261で加熱する加熱調理器1の使い勝手をよくすることができる。
S 積算値
Sa 閾値
T 温度
tc 調理時間
1 加熱調理器
16 制御部
18 表示部
20 加熱室
26 加熱部
260 上バーナー(バーナー)
261 下バーナー(バーナー)
46 温度センサー
Sa 閾値
T 温度
tc 調理時間
1 加熱調理器
16 制御部
18 表示部
20 加熱室
26 加熱部
260 上バーナー(バーナー)
261 下バーナー(バーナー)
46 温度センサー
Claims (7)
- 加熱対象物を加熱するための加熱部と、
前記加熱部によって前記加熱対象物を加熱する加熱工程と、この加熱工程に続いて行われる余熱工程とを実行する制御部と、
前記加熱対象物の温度を検知するための温度センサーと、
表示部とを備え、
前記余熱工程は、前記加熱部による加熱を行わない工程、又は前記加熱工程よりも単位時間当たりの加熱量を小さくして前記加熱部による加熱を行う工程であり、
前記制御部は、前記加熱工程の開始以後に前記表示部によって調理時間を表示し、この後、前記温度センサーの検知結果に基づいて前記加熱工程を終了し、この後、前記調理時間を表示した時点から前記調理時間が経過した時点で前記余熱工程を終了する、
加熱調理器。 - 前記加熱対象物の熱容量を検知するための熱容量検知部を備え、
前記制御部は、前記加熱工程の開始後、前記熱容量検知部の検知結果に基づいて、前記調理時間を決定する、
請求項1に記載の加熱調理器。 - 前記制御部は、前記加熱工程の開始から前記温度センサーによって所定時間毎に検知した温度の積算値が閾値を超えたときに、前記加熱工程を終了する、
請求項1又は請求項2に記載の加熱調理器。 - 前記調理時間は、およその時間である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。 - 前記制御部は、前記調理時間の表示の後、前記表示部により、前記余熱工程が終了するまでの残調理時間を表示する、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱調理器。 - 前記調理時間の最小単位は分であり、
前記制御部は、前記表示部により、前記残調理時間を1分経過する度に表示する、
請求項5に記載の加熱調理器。 - 前記加熱対象物が配置される加熱室を更に備え、
前記加熱部は、
前記加熱室に配置された前記加熱対象物を加熱するバーナーを有する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の加熱調理器。
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