JP7047477B2 - 車両後部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両後部構造に関するものである。
車体の剛性は、走行中の振動を吸収し快適な乗り心地を提供するための重要な要素である。特に、バックドアを有する車両では、車体の後部が大きく開口しているため、剛性の確保についてより慎重に配慮する必要がある。例えば、特許文献1の車体構造では、ルーフパネル11とリヤピラーアウタ22との角の部分を、エクステンション25で補強している。
特開2016-88447号公報
車両のバックドア用開口は、ルーフパネルの下側にて、左右のバックピラーの上部を、梁(はり)の役目をするクロスメンバ(ルーフバックメンバとも称する)でつないだ構造になっていることが多い。車体の剛性を確保するためには、これらバックピラーとクロスメンバとの接続箇所の剛性を高めることが有効である一方、車体の重量増加は燃費等の点でなるべく抑えることが望まれる。また、このクロスメンバは、雨といの役割をするドリップレールが接合される場合があり、ドリップレールの剛性の向上も求められている。
本発明は、このような課題に鑑み、バックドアを有する車両の車体剛性を効率よく向上可能な車両後部構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる車両後部構造の代表的な構成は、バックドアを有する車両の車両後部構造において、バックドアの上縁に沿って車幅方向に延びてルーフパネルの下側に接合されるクロスメンバと、ルーフパネルの側縁に接合されるサイドボディと、クロスメンバの後側に車幅方向にわたって接合され後方へ突出していて雨水を案内するリアドリップレールとを備え、サイドボディは、車両の側面を形成する縦壁領域と、縦壁領域の上縁からルーフパネルの下側へ延びるルーフサイド領域と、ルーフサイド領域の後端でありクロスメンバの延長上に位置する範囲を切り欠いた開口領域とを有し、当該車両後部構造はさらに、開口領域を塞ぐようサイドボディ、クロスメンバおよびリアドリップレールにわたって接合される第1エクステンション部材を備え、第1エクステンション部材は、クロスメンバから連続してサイドボディに形成されるバックピラーの上端となることを特徴とする。
本発明によれば、バックドアを有する車両の車体剛性を効率よく確保可能な車両後部構造を提供することが可能になる。
本発明の実施例に係る車両後部構造の概要を示す図である。 図1(b)の第1エクステンション部材の付近を詳細に示した図である。 図2(a)の車両後部構造を上方から見た図である。
本発明の一実施の形態に係る車両後部構造は、バックドアを有する車両の支える車両後部構造において、バックドアの上縁に沿って車幅方向に延びてルーフパネルの下側に接合されるクロスメンバと、ルーフパネルの側縁に接合されるサイドボディと、クロスメンバの後側に車幅方向にわたって接合され後方へ突出していて雨水を案内するリアドリップレールとを備え、サイドボディは、車両の側面を形成する縦壁領域と、縦壁領域の上縁からルーフパネルの下側へ延びるルーフサイド領域と、ルーフサイド領域の後端でありクロスメンバの延長上に位置する範囲を切り欠いた開口領域とを有し、当該車両後部構造はさらに、開口領域を塞ぐようサイドボディ、クロスメンバおよびリアドリップレールにわたって接合される第1エクステンション部材を備え、第1エクステンション部材は、クロスメンバから連続してサイドボディに形成されるバックピラーの上端となることを特徴とする。
上記構成では、サイドボディのルーフサイド領域の後端に開口領域を設け、この開口領域を独立した第1エクステンション部材で塞いでいる。したがって、例えばサイドボディの構成はそのままにして、第1エクステンション部材の板厚のみ厚くすることが可能になる。このように、上記構成によれば、バックピラーの設定を局所的に変更することができ、車体の重量増加を避けつつ、バックピラーの剛性、ひいては車体の剛性も効率よく向上することが可能になる。また、サイドボディに開口領域を設けることで、サイドボディを構成するパネル部材の型が抜きやすくなるなど、サイドボディを成形容易にする効果も得られる。
上記のクロスメンバは、上方が開放された溝型になっていて、第1エクステンション部材は、溝型のクロスメンバの前壁と後壁とにわたって接合されてもよい。
上記構成によれば、クロスメンバが軽量になるうえ、第1エクステンション部材を利用してクロスメンバを効率よく補強することが可能になる。
当該車両後部構造はさらに、第1エクステンション部材の下方にて開口領域を塞ぐようサイドボディ、クロスメンバおよびリアドリップレールに接合されてバックピラーの上端となる第2エクステンション部材を備え、第1エクステンション部材と第2エクステンション部材は、開口領域の縁を上側および下側から互いに挟んで設置されてもよい。
上記構成によれば、開口領域の縁を第1エクステンション部材と第2エクステンション部材とで挟み込むことで、バックピラーの上端の剛性を効率よく向上させることができる。
上記の第2エクステンション部材は、サイドボディに接合される基部と、基部から車幅方向内側に延びてクロスメンバに接合される腕部とを有し、上方視において基部から腕部にかけてなだらかに湾曲した形状になっていてもよい。
上記構成の第2エクステンション部材によれば、サイドボディとクロスメンバとをつなぎ、車体の剛性を効率よく向上させることができる。特に、基部と腕部との間は湾曲していて角が無いため、荷重の局所的な集中を防ぎ、応力を効率よく伝達させることが可能になる。
上記の基部は、第1エクステンション部材とサイドボディとに共に接合される基部接合点を有し、腕部は、第1エクステンション部材とクロスメンバとに共に接合される腕部接合点を有してもよい。
上記構成の第2エクステンション部材によれば、車体の剛性をさらに効率よく向上させることが可能になる。特に、基部と腕部とのそれぞれにて、複数の部材を共に重ねて接合することで、車体のねじれ荷重を効率よく吸収することが可能になる。
当該車両後部構造はさらに、ルーフパネルの側縁に沿ってサイドボディに接合され側方へ突出していて雨水を案内するサイドドリップレールを備え、第1エクステンション部材は、サイドドリップレールとリアドリップレールとをつないで雨水を案内してもよい。
上記構成によれば、ルーフパネルの側方から後方にかけて、連続したドリップレールを効率よく形成することが可能になる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。かかる実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施例に係る車両後部構造の概要を示す図である。以下、図1その他の本願のすべての図面において、車両前後方向をそれぞれ矢印F(Forward)、B(Backward)、車幅方向の左右をそれぞれ矢印L(Leftward)、R(Rightward)、車両上下方向をそれぞれ矢印U(Upward)、D(Downward)で例示する。
図1(a)は、車両後部構造100を実施した車両のうち、特にルーフパネル102やサイドボディ104を車両後方から示している。ルーフパネル102は、車両の天井を構成する広い面積の部材である。左右のサイドボディ104は、ルーフパネル102の側縁に接合されていて、主に車両の側壁を構成している。車両の後部には、バックドア(図示省略)が収まるバックドア用開口E1が形成されている。
当該車両後部構造100は、雨どいの役割をする部位として、ルーフパネル102の周囲に、リアドリップレール106やサイドドリップレール108で構成されるドリップレールを備えている。リアドリップレール106は、ルーフパネル102の後方であってバックドア用開口E1の上方にて、ルーフパネル102から流れてきた雨水を車幅方向に案内して乗員が濡れるのを防ぐ。また、サイドドリップレール108は、ルーフパネル102の側方であってクォータウィンドガラス(QTRガラス)用開口E2の上方にて、雨水を車両前後方向に案内する。これらリアドリップレール106とサイドドリップレール108は、ルーフパネル102の角部にて、後述する第1エクステンション部材114(図1(b)参照)を利用して連続している。
図1(b)は、図1(a)のルーフパネル102を省略した図である。バックドア用開口E1は、サイドボディ104の後端に形成されている左右のバックピラー110と、バックピラー110の上部をつなぐクロスメンバ112とによって形成されている。
バックピラー110は、車体の柱であり、バックドア(図示省略)の側縁に沿って主に上下方向に延びている。クロスメンバ112は、車体の梁(はり)であり、バックドアの上縁に沿って車幅方向に延び、ルーフパネル102の下側に接合される。リアドリップレール106は、クロスメンバ112の後側に車幅方向にわたって接合され、クロスメンバ112から後方へ突出している。
図2は、図1(b)の第1エクステンション部材114の付近を詳細に示した図である。図2(a)は、図1(b)の第1エクステンション部材114の付近を拡大して示している。上述したように、第1エクステンション部材114は、リアドリップレール106とサイドドリップレール108とをつなぐ、ドリップレールの一部として機能する部材である。
第1エクステンション部材114は、バックピラー110の上端であって、バックピラー110とクロスメンバ112とが交差する位置に設置されている。本実施例では、第1エクステンション部材114は、ドリップレールを構成しつつ、バックピラー110の上端としても機能していて、車体の剛性を向上させる役目を担っている。
図2(b)は、図2(a)の車両後部構造100の分解図である。第1エクステンション部材114の詳細な説明に先立って、サイドボディ104およびクロスメンバ112の構成について説明する。
サイドボディ104は、複数のパネル部材で構成されている。例えば、サイドボディ104の車幅方向外側の面は、サイドボディアウタパネル116で構成されている。サイドボディアウタパネル116のうち、縦壁領域116aは車両の側面を形成する領域であり、QTRガラス用開口E2などが設けられている。サイドボディアウタパネル116の車両後端は、車幅方向内側に向かって湾曲し、バックピラー110の一部を形成するピラー領域116bとなっている。
サイドボディアウタパネル116のうち、ルーフサイド領域116cは、ルーフパネル102(図1(a)参照)に隠れる領域である。ルーフサイド領域116cは、縦壁領域116aの上縁からルーフパネル102の下側へと、湾曲しながら延びている。縦壁領域116aとルーフサイド領域116cとの間には、段差116dが形成されていて、この段差にサイドドリップレール108が接合される。
サイドドリップレール108は、ルーフパネル102の側縁に沿って側方へ突出した状態となって、雨水を案内する。サイドドリップレール108の縁は、リアドリップレール106の縁と同様に、フランジ状に上方へ屈曲していて、雨水を効率よく流せるようになっている。
クロスメンバ112は、上方が開放された溝型になっている。この溝型のクロスメンバ112もまた、複数のパネル部材で構成されている。例えば、クロスメンバ112の車両前側はルーフバックインナ118aによって構成され、車両後側はルーフバックアウタ118bで構成されている。
バックピラー110は、溝型のクロスメンバ112から連続して、サイドボディ104に形成されている。クロスメンバ112とバックピラー110は、共に複数の共通の部材で構成されているため、両者に明確な境界はない。本実施例では、個別の部材ではなく車体の各部位の呼称として、車幅方向に梁状に延びる部位をクロスメンバ112と呼び、上下方向に柱状に延びる部位をバックピラー110と概略的に呼んでいる。
バックピラー110は、サイドボディアウタパネル116と、その車内側かつ車両前側のバックピラーインナ120a、および車両後側のバックピラーアウタ120bを含んで形成されている。バックピラーインナ120aとバックピラーアウタ120bは、クロスメンバ112とバックピラー110との中間の部分を形成していて、バックドアの上縁から側縁に沿うように湾曲している。これらバックピラーインナ120aおよびバックピラーアウタ120bは、バックピラー110の前壁および後壁となりつつ、クロスメンバ112の前壁の一部および後壁の一部にもなっている。
上述した第1エクステンション部材114は、サイドドリップレール108からリアドリップレール106へ向かうように、全体的に湾曲した形状になっている。第1エクステンション部材114は、サイドボディアウタパネル116およびサイドドリップレール108に上方から接合され、その上側にリアドリップレール106が接合される。独立した部品である第1エクステンション部材114がドリップレールの角部分を構成することで、ドリップレールのデザインの自由度が向上し、より車両の外径に合せたドリップレールを実現することが可能になる。
第1エクステンション部材114は、バックピラー110の上端をも構成している。第1エクステンション部材114を設ける領域として、サイドボディアウタパネル116には開口領域116eが設けられている。
開口領域116eは、ルーフサイド領域116cの後端であり、クロスメンバ112の延長上に位置する範囲を切り欠いて形成されている。この位置は、バックピラー110の上端でもあり、すなわちクロスメンバ112とバックピラー110とが交わる範囲である。
第1エクステンション部材114は、開口領域116eを塞ぐようサイドボディ104、クロスメンバ112およびリアドリップレール106にわたって接合される。本実施例におけるサイドボディ104およびクロスメンバ112の構成に照らしてより詳しく説明すると、第1エクステンション部材114は、サイドボディ104のサイドボディアウタパネル116と、クロスメンバ112の一部を構成するバックピラーインナ120aおよびバックピラーアウタ120b、そしてリアドリップレール106にわたって接合する。
本実施例では、第1エクステンション部材114と同様に、バックピラー110の上端を構成する部材として、第1エクステンション部材114の下方に、第2エクステンション部材122が設けられている。第2エクステンション部材122もまた、開口領域116eを塞ぐように、サイドボディ104のサイドボディアウタパネル116と、クロスメンバ112の一部を構成するバックピラーアウタ120b、そしてリアドリップレール106にわたって接合する。
上記の通り、本実施例では、サイドボディアウタパネル116のルーフサイド領域116cの後端に開口領域116eを設け、この開口領域116eを独立した部材である第1エクステンション部材114および第2エクステンション部材122で塞いでいる。したがって、例えばサイドボディアウタパネル116等のサイドボディ104の構成はそのままにして、第1エクステンション部材114や第2エクステンション部材122の板厚のみ厚くすることなども可能になる。このように、本実施例の構成によれば、バックピラー110の上端の設定を局所的に変更することができ、バックピラー110の剛性、ひいては車体の剛性も効率よく向上させることが可能になっている。
開口領域116eには、サイドボディアウタパネル116を成形容易にする効果もある。開口領域116eは、バックピラー110を構成するピラー領域116bの上方にて開口している。ピラー領域116bは、バックドア用開口E1に向かって弧を描いて湾曲しているため、その上方にまでルーフサイド領域116cが存在していては、ピラー領域116bを含めサイドボディアウタパネル116を形成するときの型に複雑な設定を施す必要が生じてしまう。しかし、本実施例であれば、ピラー領域116bの上方に開口領域116eが存在しているため、開口領域116eを利用して型が抜きやすくなり、サイドボディアウタパネル116を容易に成形することが可能になっている。
図3は、図2(a)の車両後部構造100を上方から見た図である。図3(a)は、車両後部構造100のうち第1エクステンション部材114付近を上方から見て示している。第1エクステンション部材114は、溝型のクロスメンバ112の前壁を構成しているバックピラーインナ120aと、後壁を構成しているバックピラーアウタ120b(図3(b)参照)とにわたって接合される。この構成によって、クロスメンバ112を上方が開口した溝型の軽量な構成としつつも、第1エクステンション部材114を利用してクロスメンバ112を効率よく補強することが可能になっている。
図3(b)は、図3(a)の第1エクステンション部材114を省略した図である。第2エクステンション部材122は、サイドボディ104側に接合される基部122aと、基部122aの車両前後方向の中央付近から車幅方向内側に延びた腕部122bとを有している。基部122aは、サイドボディアウタパネル116のピラー領域116bの上縁124や、バックピラー110を構成しているバックピラーアウタ120bのうち車幅方向内側を向いた内壁部126(図2(b)参照)などに接合される。腕部122bは、バックピラーアウタ120bのうち、クロスメンバ112を構成するよう車両後方を向いて延びる後壁部128に接合される。
第2エクステンション部材122は、上方視において、基部122aから腕部122bにかけて、なだらかに湾曲した形状の曲線部130を有している。言い換えると、第2エクステンション部材122は、基部122aと腕部122bとの間には角が無い構成となっている。この構成によって、第2エクステンション部材122は、荷重の局所集中が防止されていて、サイドボディ104側のバックピラー110とクロスメンバ112との間で応力を効率よく伝達させることができる。この第2エクステンション部材122によれば、車体の剛性を効率よく向上させ、特に車体のロール剛性を向上させることが可能になる。
第2エクステンション部材122の基部122aは、開口領域116eが形成されているピラー領域116bの上縁124に対して、下側に接合される。ここで、第1エクステンション部材114(図3(a)参照)は、上縁124に対して上側に接合される。すなわち、第1エクステンション部材114と第2エクステンション部材122は、開口領域116eを形成しているピラー領域116bの上縁124を上側および下側から互いに挟んで設置される。本実施例であれば、第1エクステンション部材114と第2エクステンション部材122とが上縁124を挟み込むことで、バックピラー110の上端の剛性を効率よく向上させることが可能になっている。
第2エクステンション部材122の基部122aは、サイドボディ104等への接合点として、基部接合点P1を有している。この基部接合点P1は、バックピラーアウタ120bの内壁部126(図2(b)参照)の上縁に設けられたフランジ132に接合されると共に、第1エクステンション部材114の後方の部位にも接合される(図3(a)参照)。すなわち、基部接合点P1では、バックピラー110を構成するバックピラーアウタ120bと、第2エクステンション部材122、および第1エクステンション部材114の計3枚のパネル部材が重ねて固定されている。
腕部122bにおいても、クロスメンバ112等への接合点として、腕部接合点P2、P3を有している。腕部接合点P2は、バックピラーアウタ120bのうちクロスメンバ112を構成している後壁部128に接合されるとともに、第1エクステンション部材114に接合される(図3(a)参照)。腕部接合点P3は、後壁部128に接合されるとともに、リアドリップレール106に接合される。すなわち、これら腕部接合点P2、P3においても、第2エクステンション部材122に対して、後壁部128および第1エクステンション部材114、または後壁部128およびリアドリップレール106など、それぞれ計3枚のパネル部材が重ねて固定されている。
当該車両後部構造100では、基部接合点P1および腕部接合点P2、P3のそれぞれにおいて、複数の部材を共に重ねて接合することで、車体のねじれ荷重や各パネル部材のひずみを効率よく吸収し抑えることが可能になっている。
また、上述したように、バックピラー110の上端を構成する第1エクステンション部材114および第2エクステンション部材122には、サイドドリップレール108およびリアドリップレール106が接合する。サイドドリップレール108およびリアドリップレール106は、車両前後方向および車幅方向に長手の部材である。当該車両後部構造100では、これらドリップレールを構成する部材をバックピラー110の上端に接合させ、車体剛性の向上に役立てている。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車両後部構造に利用することができる。
100…車両後部構造、102…ルーフパネル、104…サイドボディ、106…リアドリップレール、108…サイドドリップレール、110…バックピラー、112…クロスメンバ、114…第1エクステンション部材、116…サイドボディアウタパネル、116a…縦壁領域、116b…ピラー領域、116c…ルーフサイド領域、116d…段差、116e…開口領域、118a…ルーフバックインナ、118b…ルーフバックアウタ、120a…バックピラーインナ、120b…バックピラーアウタ、122…第2エクステンション部材、122a…第2エクステンション部材の基部、122b…第2エクステンション部材の腕部、124…ピラー領域の上縁、126…バックピラーアウタの内壁部、128…バックピラーアウタの後壁部、130…第2エクステンション部材の曲線部、132…バックピラーアウタのフランジ、E1…バックドア用開口、E2…QTRガラス用開口、P1…基部接合点、P2、P3…腕部接合点

Claims (5)

  1. バックドアを有する車両の車両後部構造において、
    前記バックドアの上縁に沿って車幅方向に延びてルーフパネルの下側に接合されるクロスメンバと、
    前記ルーフパネルの側縁に接合されるサイドボディと、
    前記クロスメンバの後側に車幅方向にわたって接合され後方へ突出していて雨水を案内するリアドリップレールとを備え、
    前記サイドボディは、
    車両の側面を形成する縦壁領域と、
    前記縦壁領域の上縁から前記ルーフパネルの下側へ延びるルーフサイド領域と、
    前記ルーフサイド領域の後端であり前記クロスメンバの延長上に位置する範囲を切り欠いた開口領域とを有し、
    当該車両後部構造はさらに、前記開口領域を塞ぐよう前記サイドボディ、前記クロスメンバおよび前記リアドリップレールにわたって接合される第1エクステンション部材を備え、
    前記第1エクステンション部材は、前記クロスメンバから連続して前記サイドボディに形成されるバックピラーの上端となり、
    前記クロスメンバは、上方が開放された溝型になっていて、
    前記第1エクステンション部材は、前記溝型のクロスメンバの前壁と後壁とにわたって接合されることを特徴とする車両後部構造。
  2. バックドアを有する車両の車両後部構造において、
    前記バックドアの上縁に沿って車幅方向に延びてルーフパネルの下側に接合されるクロスメンバと、
    前記ルーフパネルの側縁に接合されるサイドボディと、
    前記クロスメンバの後側に車幅方向にわたって接合され後方へ突出していて雨水を案内するリアドリップレールとを備え、
    前記サイドボディは、
    車両の側面を形成する縦壁領域と、
    前記縦壁領域の上縁から前記ルーフパネルの下側へ延びるルーフサイド領域と、
    前記ルーフサイド領域の後端であり前記クロスメンバの延長上に位置する範囲を切り欠いた開口領域とを有し、
    当該車両後部構造はさらに、前記開口領域を塞ぐよう前記サイドボディ、前記クロスメンバおよび前記リアドリップレールにわたって接合される第1エクステンション部材を備え、
    前記第1エクステンション部材は、前記クロスメンバから連続して前記サイドボディに形成されるバックピラーの上端となり、
    当該車両後部構造はさらに、前記第1エクステンション部材の下方にて前記開口領域を塞ぐよう前記サイドボディ、前記クロスメンバおよび前記リアドリップレールに接合されて前記バックピラーの上端となる第2エクステンション部材を備え、
    前記第1エクステンション部材と前記第2エクステンション部材は、前記開口領域の縁を上側および下側から互いに挟んで設置されることを特徴とする車両後部構造。
  3. 前記第2エクステンション部材は、前記サイドボディに接合される基部と、該基部から車幅方向内側に延びて前記クロスメンバに接合される腕部とを有し、上方視において該基部から該腕部にかけてなだらかに湾曲した形状になっていることを特徴とする請求項に記載の車両後部構造。
  4. 前記基部は、前記第1エクステンション部材と前記サイドボディとに共に接合される基部接合点を有し、
    前記腕部は、前記第1エクステンション部材と前記クロスメンバとに共に接合される腕部接合点を有することを特徴とする請求項に記載の車両後部構造。
  5. バックドアを有する車両の車両後部構造において、
    前記バックドアの上縁に沿って車幅方向に延びてルーフパネルの下側に接合されるクロスメンバと、
    前記ルーフパネルの側縁に接合されるサイドボディと、
    前記クロスメンバの後側に車幅方向にわたって接合され後方へ突出していて雨水を案内するリアドリップレールとを備え、
    前記サイドボディは、
    車両の側面を形成する縦壁領域と、
    前記縦壁領域の上縁から前記ルーフパネルの下側へ延びるルーフサイド領域と、
    前記ルーフサイド領域の後端であり前記クロスメンバの延長上に位置する範囲を切り欠いた開口領域とを有し、
    当該車両後部構造はさらに、前記開口領域を塞ぐよう前記サイドボディ、前記クロスメンバおよび前記リアドリップレールにわたって接合される第1エクステンション部材を備え、
    前記第1エクステンション部材は、前記クロスメンバから連続して前記サイドボディに形成されるバックピラーの上端となり、
    当該車両後部構造はさらに、前記ルーフパネルの側縁に沿って前記サイドボディに接合され側方へ突出していて雨水を案内するサイドドリップレールを備え、
    前記第1エクステンション部材は、前記サイドドリップレールと前記リアドリップレールとをつないで雨水を案内することを特徴とする車両後部構造。
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