JP2023143080A - 車両側部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】スライドサイドドアが走行するレールを格納する膨出部について、生産効率を低下させることなく、センターピラー部の上部を効果的に補強する。【解決手段】車両側部構造のルーフサイドレール部20には膨出部24が設けられ、膨出部24の前方側に位置するルーフサイドレール部20には、補強部材30が接合され、ルーフクロスメンバ5の前部及び後部のそれぞれの外側端は、上下方向に互いに間隔を空けて配置され、前部の車幅方向外側端部には、補強部材30が接合され、後部の車幅方向外側端部には、サイドボディアウタパネル10及びルーフパネル1が3枚重ねで接合される。補強部材30と、ルーフクロスメンバ5の前部と、ルーフサイドレール部20の内側に位置するルーフサイドインナセンタパネル23によって空間部Sが画定されている。【選択図】図6

Description

本発明は、車両側部構造に関する。
車両上部のルーフ部には、例えば、特許文献1に開示されているように、ルーフパネルの下面側に車幅方向に延びるルーフクロスメンバが設けられている構造が知られている。このようなルーフクロスメンバは、ルーフパネルにおける車幅方向の両側部に設けられたルーフサイドレール部を繋ぐように構成され、ルーフ部の剛性を高めるリンフォースメントして機能する。
一方で、スライドタイプのリアサイドドアを有する車両では、リアスライドドアが車体側部に設けられたレール上を走行することによって、リアドア開口部を開閉する。車体上部のレールは、例えば、ルーフサイドレール部に車両内側に膨出する膨出部の内部に配置されている。当該膨出部は、通常、センターピラー部の上部またはその近傍に配置されている。
このような構造では、膨出部近傍の車両上部の剛性は、ヒンジを介して開閉するタイプのサイドドアを有する車両の上部の剛性よりも低下し、これに伴い、ルーフパネル等を支持するルーフメンバの支持剛性も低下する可能性がある。ルーフクロスメンバによる支持剛性の低下は、車両上下方向における1次モードの曲げ変形が発生する可能性がある。当該1次モードは、低回転におけるこもり音の発生要因となる。そのため、上記例の構造では、ルーフクロスメンバの車幅方向外側部を、膨出部につなげて、剛性を確保しようとしている。
特開2007-055085号公報
膨出部を含むルーフサイドレール部は、車体外側を構成するサイドボディアウタパネルと、該サイドボディパネルの内側に配置されるルーフサイドインナパネルとを有し、これらによって閉断面を構成している。また、車体の通常の組立順序では、先ず、サイドボディアウタパネルと、ルーフパネルとを接合する。このとき、製造工程上、膨出部を構成するルーフサイドインナパネルと、ルーフクロスメンバとは離間している。
補強部材を、膨出部及びルーフクロスメンバに、溶接により接合しようとしても、上記例の構造では、溶接用のロボットアームを通すスペースを確保できないため、溶接による接合が困難になる場合がある。そのため、膨出部及びルーフクロスメンバは、例えば、ボルトにより締結されている。ボルト締結による接合は、人間による手作業であるため、生産ラインのスピードを向上させにくい。このように、ボルト締結を必要とする構造には、生産効率を向上させにくい場合があった。よって、生産効率を低下させることなく、センターピラー部の上部を効果的に補強しようとする場合、上記例の構造には、改善の余地があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、スライドサイドドアが走行するレールを格納する膨出部について、生産効率を低下させることなく、センターピラー部の上部を効果的に補強することが可能な車両側部構造を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る車両側部構造は、車両上部に配置されているルーフパネルと、前記ルーフパネルの下面側に配置され、車幅方向に延びているルーフクロスメンバと、車両側部に配置されているサイドボディアウタパネルと、前記ルーフパネルの車幅方向外側部に設けられ、車両前後方向に延びるルーフサイドレール部と、前記車両側部に設けられ、リアスライドドアにより開閉されるドア開口部と、前記ドア開口部の前部に配置されるセンターピラー部と、を有している。当該車両側部構造において、前記ルーフサイドレール部には、車両内側に膨出し、前記リアスライドドアが走行するレール部材を内部に収容する膨出部が設けられ、前記膨出部の前部には、補強部材が接合され、前記ルーフクロスメンバの前部及び後部のそれぞれの車幅方向外側端は、車両上下方向に互いに間隔を空けて配置され、前記前部の車幅方向外側端部には、前記補強部材が接合され、前記後部の車幅方向外側端部には、前記サイドボディアウタパネル及び前記ルーフパネルが3枚重ねで接合されており、車両前後方向視で、前記補強部材と、前記ルーフクロスメンバの前記前部と、前記ルーフサイドレール部の車両内側に位置するインナパネルによって空間部が画定されている。
本発明によれば、スライドサイドドアが走行するレールを格納する膨出部について、生産効率を低下させることなく、センターピラー部の上部を効果的に補強することが可能である。
本発明に係る車両側部構造の一実施形態であり、当該車両側部構造を車両下方から見た斜視図である。 図1のA-A矢視断面を含む斜視図である。 図1のA-A矢視断面図である。 図1のB-B矢視断面図である。 図1のC-C矢視断面図である。 図1の補強部材を車両前方から見た斜視図である。 図1の膨出部を省略して示す斜視図で、車両下方から見た斜視図であり、図中の上方は、車両下方に対応する。 図1の下面図である。 図1を車両前方から見た斜視図で、図中の上方は、車両下方に対応する。 図9の補強部材の周辺を拡大して、図9とは別の角度で見ている斜視図である。
以下、本発明に係る車両の車両側部構造の一実施形態について、図面(図1~図10)を参照しながら説明する。なお、図において、矢印Fr方向は車両前後方向における前方を示す。実施形態の説明における「前部(前端)及び後部(後端)」は、車両前後方向における前部及び後部に対応する。また、矢印R及び矢印Lは、乗員が車両前方を見たときの右側及び左側を示している。また、矢印Uは、車両上方を示している。
本実施形態の車両側部構造は、車両側部における上部の構造であり、図1及び図2に示すように、ルーフパネル1と、ルーフクロスメンバ5と、サイドボディアウタパネル10と、ルーフサイドレール部20と、補強部材30と、を有している。以下、各構成部材について説明する。
ルーフパネル1は、図1に示すように、車両上部に配置され、車両上部のルーフを構成する金属製の部材である。この例では、車両前後方向に延びるパネル材である。ルーフパネル1の車幅方向外側部には、図2に示すように、外壁1a及び外側フランジ1bが設けられている。外壁1aは、ルーフパネル1の上面の車幅方向外側端から車両下方に突出し、車両前後方向に延びる壁面である。外側フランジ1bは、外壁1aの下端から車幅方向外側に突出し、車両前後方向に延びている。外側フランジ1bには、サイドボディアウタパネル10の後述するアウタルーフ部14が接合される。ルーフパネル1と、サイドボディアウタパネル10との接合については、後で説明する。
ルーフクロスメンバ5は、図1、図9及び図10に示すように、ルーフパネル1の下面側に配置される金属製の部材で、車幅方向に延びている。ルーフクロスメンバ5は、車両前後方向に所定の長さを有しており、ルーフパネル1の下面に例えば接着剤により、接合されている。ルーフクロスメンバ5の車幅方向外側部は、補強部材30、サイドボディアウタパネル10及ルーフパネル1等に接合されている。ルーフクロスメンバ5の車幅方向外側部の形状については、後で説明する。
サイドボディアウタパネル10は、図2に示すように、車両の側部に配置され、車体の最外を構成する金属製の部材で、高剛性の部材である。サイドボディアウタパネル10は、フロントサイドドア開口部11と、リアサイドドア開口部(ドア開口部)12と、ピラー部(図示せず)と、アウタルーフ部14と、を有している。フロントサイドドア開口部11は、図示しないフロントサイドドアによって開閉される開口部である。リアサイドドア開口部12は、図示しないリアサイドドアによって開閉される開口部で、ピラー部を介して、フロントサイドドア開口部11の車両後方側に配置されている。本実施形態のリアサイドドアは、車体に設けられたレール部材(図示せず)を走行することにより、リアサイドドア開口部12を開閉するスライドタイプである。
サイドボディアウタパネル10の上部には、ルーフサイドドリップモール(図示せず)が取り付けられている。ルーフサイドドリップモールは、雨天時にルーフの水滴等を車両前後方向に誘導し、フロントサイドドア又はリアサイドドアを開けたときに、雨水がフロントサイドドア開口部11又はリアサイドドア開口部12に流れることを抑制する部材で、樹脂材料により形成されている。この例では、ルーフサイドドリップモールは、アウタルーフ部14の内壁14aとルーフパネル1の外壁1aとの間に構成される凹部に取り付けられ、アウタルーフ部14の内側フランジ14bとルーフパネル1の外側フランジ1bとがスポット溶接される溶接ポイント(スポット打点)を隠している。
センターピラー部3は、車体側部に設けられ、リアサイドドア開口部12の前部に配置されており、車両上下方向に延びている。センターピラー部3は、サイドボディアウタパネル10のピラー部と、ピラーインナパネル26と、センタエクステンションパネル27と、を有している。ピラーインナパネル26は、図1、図7及び図9に示すように、サイドボディアウタパネル10のピラー部の内側に配置され、車両上下方向に延びている金属製の部材である。センタエクステンションパネル27は、サイドボディアウタパネル10のピラー部の内側に配置され、ルーフサイドレール部20の下部とピラーインナパネル26とを繋ぐパネルで、金属材料により形成されている。センタエクステンションパネル27の上部における前部は、車両前方に突出し、例えば、ルーフサイドインナフロントパネル22に接合されている。また、センタエクステンションパネル27の上部における後部は、ルーフサイドインナセンタパネル23に接合されており、この例では、後述する膨出部24に接合されている。なお、図示は省略しているが、センターピラー部3の下部は、車体のサイドシル(図示せず)等に接続されている。
ルーフサイドレール部20は、ルーフパネル1の車幅方向外側部に設けられ、車両前後方向に延びている。この例では、ルーフサイドレール部20は、サイドボディアウタパネル10の車幅方向内側における車両上部に配置されている。ルーフサイドレール部20は、ルーフサイドリンフォースメント21と、ルーフサイドインナフロントパネル22と、ルーフサイドインナセンタパネル23と、を有し、これらにより閉断面構造が構成されている。また、ルーフサイドレール部20には、車両内側に膨出し、リアスライドドアが走行するレール部材を内部に収容する膨出部24が設けられている。膨出部24については、後で説明する。
ルーフサイドリンフォースメント21は、詳細な図示は省略しているが、車両前後方向に延び、車両前後方向視で車両外側に凸となる凸形状を有している。ルーフサイドリンフォースメント21の上部は、例えば、図3及び図4に示すように、ルーフサイドインナフロントパネル22及びルーフサイドインナセンタパネル23等に接合されている。また、ルーフサイドリンフォースメント21の下部も、ルーフサイドインナフロントパネル22及びルーフサイドインナセンタパネル23等に、直接的又は間接的に接合されている。このように接合されることにより、ルーフサイドリンフォースメント21とルーフサイドインナフロントパネル22とにより、又は、ルーフサイドリンフォースメント21とルーフサイドインナセンタパネル23とにより、閉断面構造が構成される。
ルーフサイドインナフロントパネル22は、ルーフサイドリンフォースメント21の車幅方向内側で、フロントサイドドア開口部11の上部に配置され、車両前後方向に延びている。また、図1、図7及び図10に示すように、ルーフサイドインナフロントパネル22の後部は、センターピラー部3の上部に配置されており、ルーフサイドインナセンタパネル23の前部、補強部材30、及び、センターピラー部3の上部に位置するセンタエクステンションパネル27等に接合されている。
ルーフサイドインナセンタパネル23は、ルーフサイドリンフォースメント21の車幅方向内側で、リアサイドドア開口部12の上部に配置され、車両前後方向に延びている。また、図1、図7及び図10に示すように、ルーフサイドインナセンタパネル23の前部は、センターピラー部3の上部に配置されており、補強部材30、センタエクステンションパネル27、ルーフサイドインナフロントパネル22等に接合されている。
続いて、膨出部24について説明する。本実施形態の膨出部24は、図1、図6、図9及び図10に示すように、ルーフサイドレール部20に設けられ、車両内側に膨出している。この例の膨出部24は、ルーフサイドインナセンタパネル23の前部が、車幅方向内側に膨出することにより形成されており、下面部24aと、内壁部24bと、前壁部24cと、を有している。
下面部24aは、図8に示すように、ルーフサイドインナセンタパネル23の下端における車幅方向外側端から内側に延びている。内壁部24bは、下面部24aの車幅方向内側端から車両上方に延び車幅方向内側を臨む壁部であり、車両前後方向で、センターピラー部3よりも後方側から、車両前方に向かうに従い車幅方向内側に傾斜して延びている。前壁部24cは、車両前方を臨む壁部であって、内壁部24bの前端から車幅方向外側に向かって延びている。また、前壁部24cの車幅方向外側部には、車両前方に向かって湾曲する湾曲部24dが設けられ、湾曲部24dの車幅方向外側端は、ルーフサイドインナフロントパネル22の後部に接合されている。
補強部材30は、膨出部24の車両前方側に位置するルーフサイドレール部20に接合されている。補強部材30は、板状であり、図1及び図6~図10に示すように、車幅方向外側に向かうに従い車両下方に傾斜する外側傾斜部31を有している。また、補強部材30は、ルーフクロスメンバ5に接合され、さらに、ルーフサイドレール部20の膨出部24に接合されている。補強部材30の形状の詳細と、補強部材30と各部材との接合の詳細については、後で説明する。
続いて、ルーフクロスメンバ5の車幅方向外側部の形状について説明する。ルーフクロスメンバ5の前部及び後部のそれぞれの車幅方向外側端は、車両上下方向に互いに間隔を空けて配置されている。図5~図7、図9及び図10に示すように、ルーフクロスメンバ5の車幅方向外側部には、車両前後方向における中間部で、上下に分岐する分岐部6が設けられている。また、ルーフクロスメンバ5の前部の車幅方向外側端部には、補強部材30が接合され、後部の車幅方向外側端部には、サイドボディアウタパネル10及びルーフパネル1が3枚重ねで接合されている。
詳細には、分岐部6の車幅方向外側における前部には、前側傾斜部7が設けられている。前側傾斜部7は、車幅方向外側に向かうに従い車両下方に傾斜して延びている。前側傾斜部7の車幅方向外側端は、補強部材30の後述する内側接合部37に接合されている。また、前側傾斜部7の傾斜方向は、補強部材30の外側傾斜部31の傾斜方向に沿って延びている。この例では、分岐部6の車幅方向外側における前部は、補強部材30を介して、ルーフサイドレール部20に接続されている。
また、分岐部6の車幅方向外側における後部は、図7、図9及び図10に示すように分岐部6の車幅方向内側部から連続して車幅方向外側に延びる直線部8を有している。直線部8は、膨出部24の下面に対して間隔を空けて配置された状態で車幅方向外側に延び、サイドボディアウタパネル10及びルーフパネル1に3枚重ねの状態でスポット溶接により接合されている。
さらに、車両前後方向視で、補強部材30と、ルーフクロスメンバ5の前部と、ルーフサイドレール部20の車両内側に位置するルーフサイドインナフロントパネル(インナパネル)22によって空間部Sが画定されている。この例では、図2及び図3に示すように、補強部材30の本体部と、ルーフクロスメンバ5の分岐部6よりも車幅方向外側の前部(前側傾斜部7)と、ルーフサイドインナセンタパネル23と、さらに、ルーフパネル1によって、空間部Sが画定されている。
上記のように構成された車両側部構造によれば、スライドサイドドアが走行するレールを格納する膨出部24について、生産効率を低下させることなく、センターピラー部3の上部を効果的に補強することができる。また、補強部材30は、剛性の高い構造を構成するルーフサイドレール部20に接合されていることにより、ルーフクロスメンバ5を支持する剛性も向上する。これにより、ルーフ部における車両上下方向の1次曲げモードの変形が抑制され、さらに、低回転におけるこもり音の悪化を抑制することが可能となる。さらに、補強部材30の後部は、周囲に比べて剛性が低くなる膨出部24に接合されるため、膨出部24の剛性を確保することが可能となる。また、補強部材30は、車幅方向の外側端及び内側端のそれぞれと、後端部との3箇所に接合部を有している。これにより、3箇所の接合部が接合する各部材と連動して剛性の高い構造を得ることが可能となる。
また、上記のように空間部Sが画定されるため、スポット溶接を行うための作業スペースを確保することが可能となる。詳細には、溶接するためのロボットアームが車両前方側から、空間部Sに入り込むことが可能となるため、補強部材30を、スポット溶接により接合することが可能となる。その結果、ボルト締結等の固定方法を採用する必要がないため、人手による作業を少なくすることが可能になる。また、当該空間部Sには、43mm×47mm程度の長方形断面を有するロボットアームが入り込むことが可能であることが望ましい。
ここで、補強部材30の形状の詳細について説明する。本実施形態の補強部材30の車幅方向外側部には、車幅方向外側に向かうに従い車両下方に傾斜する外側傾斜部31が設けられ、外側傾斜部31の車幅方向外側端及び車両後端には、車両下方に突出するフランジ部33,34が設けられ、該フランジ部33,34は、ルーフサイドレール部20のルーフサイドインナセンタパネル(インナパネル)23と、膨出部24の前壁部24c(前部)に接合されている。また、外側傾斜部31及び前側傾斜部7は、図3に示すように、連続するように延びている。以下、詳細に説明する。
本実施形態の補強部材30は、図1及び図6~図10に示すように、上記したように、外側傾斜部31と、フランジ部33,34と、内側接合部37と、を有している。以下、各部について説明する。外側傾斜部31は、補強部材30の本体の車幅方向外側部に設けられ、車幅方向外側に向かうに従い車両下方に傾斜している。この例では、外側傾斜部31は、平面視で、車両前後方向に延びる略長方形で、車両後方側における車幅方向外側の角が切り欠かれた板状である。
詳細には、外側傾斜部31の前端は、傾斜方向に沿って直線的に延びている。外側傾斜部31の後端は、車幅方向内側端から車幅方向外側に向かって傾斜方向に沿って直線的に延び、車幅方向の中間部で車両前方に屈曲し、さらに、車幅方向外側に向かうに従い、車両前方に傾斜して延びている。車幅方向外側端及び内側端は、車両前後方向に沿って略平行に延びている。本実施形態の外側傾斜部31は、補強部材30の本体を構成している。なお、外側傾斜部31は、補強部材30の本体の一部としてもよい。
また、外側傾斜部31の面内には、複数のリブ31a,31bが設けられている。この例では、外側傾斜部31は、平面視で、車幅方向に延びる3本の幅方向リブ31aと、車両前後方向に延びる2本の前後方向リブ31bを有している。3本の幅方向リブ31aは、外側傾斜部31の車幅方向外側端から車幅方向内側に向かって延び、車両前後方向に互いに間隔を空けて配置されている。2本の前後方向リブ31bは、外側傾斜部31の後端のうち、車幅方向に直線的に延びている部分から、車両前方に向かって延び、車幅方向に互いに間隔を空けて配置されている。この例では、2本前後方向リブ31bの前端は、最後方に配置される幅方向リブ31aの延長上に配置されている。
また、図3に示すように、外側傾斜部31の傾斜方向は、ルーフクロスメンバ5の前側傾斜部7の傾斜方向に沿って延びており、連続している。すなわち、車両前後方向視において、外側傾斜部31及び前側傾斜部7は、1つの傾斜壁を構成している。
フランジ部33,34は、外側フランジ部33と、後側フランジ部34と、を有している。外側フランジ部33は、外側傾斜部31の車幅方向外側端から車両下方に突出し、車両前後方向に延びている。外側フランジ部33は、ルーフサイドレール部20のルーフサイドインナフロントパネル22及びルーフサイドインナセンタパネル23にスポット溶接により接合されている。なお、部分的には、外側フランジ部33と、のルーフサイドインナフロントパネル22と、ルーフサイドインナセンタパネル23とが、3枚接合させてもよい。後側フランジ部34は、外側傾斜部31の後端から車両下方に突出し、後端の屈曲形状に対応するように後端に沿って延びている。後側フランジ部34は、膨出部24の前壁部24cの車両上下方向中間部にスポット溶接により接合されている。後側フランジ部34の屈曲形状は、膨出部24の前壁部24cの湾曲部24dの形状にほぼ対応している。この例では、湾曲部24dと、後側フランジ部34とは、若干隙間を形成してもよい。
上記したのように傾斜形状を設けることにより、空間部Sを狭めることを抑制でき、溶接を容易に行うことが可能となる。さらに、車室内側へ湾曲したフランジ部33,34が設けられるため、補強部材30の剛性が向上する。補強部材30の剛性向上に伴い、補強部材30の周辺の部材の剛性を向上させることも可能となる。その結果、ルーフ部の1次曲げモードの抑制効果をさらに高めることができる。
また、前側傾斜部7と外側傾斜部31の傾斜方向を揃えて、連続するように形成することにより、応力集中を抑制することが可能となる。前側傾斜部7を設けない場合に比べて、外側傾斜部31の傾斜を緩やかに設定することができるため、車両上下方向の荷重に対して、変形することを抑制することが可能となる。膨出部24の車幅方向内側端から車幅方向内側に所定の間隔を空けた位置に、分岐部6(屈曲する部分)が設けられていることにより、傾斜がさらに緩やかになり、上下方向荷重に対して強い構造にすることができる。
また、本実施形態では、補強部材30の後部には、膨出部24の前部に接合される接合部が設けられ、該接合部は、車両後方を臨み、センターピラー部3の車幅方向内側部から車幅方向内側に延びており、接合部は、車両前後方向で、センターピラー部3の前端と後端との間に配置され、且つ、ルーフクロスメンバ5の前端と後端との間に配置されている。この例では、外側傾斜部31の後端に設けられた後側フランジ部(接合部)34が、膨出部24の前壁部(前部)24cに接合されている。
後側フランジ部34の車両前後方向における位置は、図8及び図10に示すように、センターピラー部3の前端と後端との間に対応している。また、後側フランジ部34は、ルーフクロスメンバ5の前端と後端との間に対応するように配置されている。
センターピラー部3は、閉断面構造を有する部分で、車体を構成する部分において、剛性が高い部分である。高剛性のセンターピラー部3の前端と後端との間に対応する位置に、後側フランジ部34を置くことにより、補強部材30の剛性を確保しやすくなる。これにより、ルーフ部における車両上下方向の1次曲げモードの変形の抑制効果を高めることができる。また、例えば、側面衝突によりルーフクロスメンバ5に車幅方向の衝撃荷重が作用するときに、補強部材30によって、より効果的に荷重を受けることが可能となる。
また、本実施形態では、ルーフクロスメンバ5の車両後方側には、車両後方に向かうに従い車両下方に傾斜部を有するバランスパネル28が配置されている。当該バランスパネル28の後端は、センターピラー部3よりも車両後方に位置する膨出部24に接合されている。この例のバランスパネル28は、図1及び図10に示すように、膨出部24とルーフクロスメンバ5の直線部8とにより形成される角部に配置されいる。
膨出部24の前部は、上記したように平面視で、ルーフクロスメンバ5に重なって配置されている。このとき、膨出部24の前部における車幅方向内側端は、車両上下方向で、ルーフクロスメンバ5よりも車両下方に間隔を空けて配置されることになる。本実施形態では、当該間隔に、バランスパネル28が設けられている。バランスパネル28の前端は、ルーフクロスメンバ5の直線部8の後端にスポット溶接で接合されている。バランスパネル28は、車両後方に向かうに従い車両下方に傾斜して延びている。バランスパネル28の後部は、膨出部24の車幅方向内側端における上端に、スポット溶接により接合されている。
このように構成することにより、車両前後方向に所定の長さを有する幅広のルーフクロスメンバ5の車両上下方向の支持剛性を向上させることが可能となる。また、バランスパネル28は、ルーフクロスメンバ5及びルーフサイドレール部20に接合されるため、接合される部材と連動して、高剛性の構造を構成することが可能となり、さらに、バランスパネル28の周辺部品の剛性も高くなる。その結果、ルーフ部の1次曲げ変形の抑制効果がさらに高まる。
本実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、本実施形態では、外側傾斜部31は、直線的に傾斜する平面として構成されているが、これに限らない。やや湾曲した形状としてもよい。この場合、例えば、外側傾斜部31は、車幅方向外側に向かうに従い車両下方に湾曲させるとよい。
1 ルーフパネル
1a 外壁
1b 外側フランジ
3 センターピラー部
5 ルーフクロスメンバ
6 分岐部
7 前側傾斜部
8 直線部
10 サイドボディアウタパネル
11 フロントサイドドア開口部
12 リアサイドドア開口部(サイドドア開口部)
14 アウタルーフ部
14a 内壁
14b 内側フランジ
20 ルーフサイドレール部
21 ルーフサイドリンフォースメント
22 ルーフサイドインナフロントパネル
23 ルーフサイドインナセンタパネル(インナパネル)
24 膨出部
24a 下面部
24b 内壁部
24c 前壁部
24d 湾曲部
26 ピラーインナパネル
27 センタエクステンションパネル
28 バランスパネル
30 補強部材
31 外側傾斜部
31a 幅方向リブ
31b 前後方向リブ
33 外側フランジ部(フランジ部)
34 後側フランジ部(フランジ部)
37 内側接合部
S 空間部

Claims (4)

  1. 車両上部に配置されているルーフパネルと、
    前記ルーフパネルの下面側に配置され、車幅方向に延びているルーフクロスメンバと、
    車両側部に配置されているサイドボディアウタパネルと、
    前記ルーフパネルの車幅方向外側部に設けられ、車両前後方向に延びるルーフサイドレール部と、
    前記車両側部に設けられ、リアスライドドアにより開閉されるドア開口部と、
    前記ドア開口部の前部に配置されるセンターピラー部と、を有している、車両側部構造において、
    前記ルーフサイドレール部には、車両内側に膨出し、前記リアスライドドアが走行するレール部材を内部に収容する膨出部が設けられ、
    前記膨出部の前部には、補強部材が接合され、
    前記ルーフクロスメンバの前部及び後部のそれぞれの車幅方向外側端は、車両上下方向に互いに間隔を空けて配置され、
    前記前部の車幅方向外側端部には、前記補強部材が接合され、
    前記後部の車幅方向外側端部には、前記サイドボディアウタパネル及び前記ルーフパネルが3枚重ねで接合されており、
    車両前後方向視で、前記補強部材と、前記ルーフクロスメンバの前記前部と、前記ルーフサイドレール部の車両内側に位置するインナパネルによって空間部が画定されていることを特徴とする、車両側部構造。
  2. 前記補強部材の車幅方向外側部には、車幅方向外側に向かうに従い車両下方に傾斜する外側傾斜部が設けられ、前記外側傾斜部の車幅方向外側端及び車両後端には、車両下方に突出するフランジ部が設けられ、該フランジ部は、前記ルーフサイドレール部の前記インナパネルと、前記膨出部の前部に接合されており、
    前記膨出部の車幅方向内側端部よりも車幅方向内側に位置する前記ルーフクロスメンバの前部には、車両下方に屈曲し、車幅方向外側に向かうに従い車両下方に傾斜する前側傾斜部が設けられ、
    前記外側傾斜部及び前記内側傾斜部は、連続するように延びていることを特徴とする、請求項1に記載の車両側部構造。
  3. 前記補強部材の後部には、前記膨出部の前部に接合される接合部が設けられ、該接合部は、車両後方を臨み、前記センターピラー部の車幅方向内側部から車幅方向内側に延びており、
    前記接合部は、車両前後方向で、前記センターピラー部の前端と後端との間に配置され、且つ、前記センタークロスメンバの前端と後端との間に配置されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両側部構造。
  4. 前記ルーフクロスメンバの車両後方側には、車両後方に向かうに従い車両下方に傾斜部を有するバランスパネルが配置され、
    前記バランスパネルの後端は、前記センターピラー部よりも車両後方に位置する前記膨出部に接合されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両側部構造。

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