JP7046643B2 - 放熱性基板 - Google Patents

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Description

本発明は、基材に発生した熱を放熱するのに適した放熱性基板とその利用に関する。
電気エネルギーの効率的な利用のために、電力用半導体素子(いわゆるパワーデバイス)が不可欠な存在となっている。また、省電力、高寿命の高輝度・パワーLEDランプ等に用いられる照明用半導体素子(いわゆるハイパワーLEDデバイス)の需要も高まっている。このような半導体技術の急速な進展に伴い、パワーデバイスの大電流化および高耐圧化も急速に進行している。
パワーデバイスは、より大電力を制御するものであるほど発熱が大きくなり得る。また、パワーデバイスは、単数もしくは複数のものを1つのパッケージに納めたパワーモジュールの形態や、制御回路・駆動回路・保護回路などをも含めてモジュール化したインテリジェントパワーモジュールの形態で設計されてもいる。したがって、発熱量が特に大きく、また高い信頼性が求められる用途のデバイスに対しては、従来のシリコン基板に代わって、電力損失の小さい炭化ケイ素(SiC)や窒化ケイ素(Si)等の耐熱性の高い絶縁性基板への置換が進められている。これらSiCおよび/またはSi基板は、シリコン基板と比較して高熱での動作が可能である、高速のスイッチング動作が可能である等の利点がある。また、これらの絶縁性基板の放熱性を高めるために、半導体素子が搭載される側とは反対側の基板表面に熱伝導性の高い銅からなる放熱シート(放熱機構)等を接合し、この放熱機構を介して基板の熱を外部に放出する構成が、好適に採用されている。このような絶縁性基板の放熱性を高める従来技術として、例えば、特許文献1~6が挙げられる。
特開2011-014924号公報 特開平11-079872号公報 特開平08-059375号公報 特開2006-089290号公報 国際公開第2008/081758号公報 特開2015-115521号公報
その一方で、ハイブリッド自動車や鉄道車両等を駆動するためのインバータ素子等は、200℃を超える環境での使用が想定されている。そのため、パワーデバイスおよびパワーモジュールについては、従来よりもより一層高い放熱性および耐熱性が求められている。例えば、従来求められていたヒートサイクル耐性がおおよそ-20℃~150℃程度であったのに対し、昨今では、例えば、-40℃~250℃程度というより広く高い温度域でのヒートサイクル耐性が求められつつある。
そのため、絶縁性基板の発熱を開放する放熱機構に関しても、従来のメタライズ基板のような薄い金属箔あるいは金属薄板ではなく、より厚みの厚い金属の厚板が採用されている。ここで、放熱機構が薄板であれば、この金属薄板がある程度撓むことにより熱応力を解放できていた。しかしながら、放熱機構として金属厚板を採用すると、金属厚板は撓み難いために、絶縁性基板と金属厚板との接合界面における熱応力が増大されるという新たな問題が生じてきた。とりわけ上記の銅は、熱膨張係数が高いことから熱応力がより一層高くなる。その結果、絶縁性基板が上記のような低温域から高温域に亘る広い温度変化に晒されると、熱応力によって絶縁性基板とヒートシンクとが剥離したり、絶縁性基板が金属厚板の膨張に追随できずに破損したりするという問題があった。そのため、高負荷時の熱応力による破損が抑制され、円滑な放熱を長期に亘って安定して維持することができる絶縁性基板が求められている。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、比較的厚みの厚い(例えば0.5mm以上の)放熱銅板を備える場合であっても、広い温度範囲での耐ヒートサイクル特性に優れた放熱性基板を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するべく、本発明は、セラミック基板と、銅板と、上記セラミック基板および上記銅板を一体的に接合する中間層と、を備える放熱性基板を提供する。この中間層は、上記セラミック基板に接する側から、銅を主成分とし、ガラス成分を含まない第1中間層と、銅を主成分とし、ガラス成分を含む第2中間層と、銀を主成分とした第3中間層と、を含む積層構造を備える。
上記構成では、セラミック基板に接する第1中間層と、銅板に接する第3中間層とを、それぞれ銅、銀を主体とする層により構成する。このことにより、熱膨張係数の小さなセラミック基板と、熱膨張係数の大きな銅板とのそれぞれに対する中間層の密着性を好適に確保することができる。そしてまた、上記構成によると、これら第1中間層と第3中間層との間に、熱応力を好適に緩和するとともに柔軟性を備え得るガラス成分を含む第2中間層を設けることができる。これにより、例えば、-40℃~250℃程度というより広い範囲でのヒートサイクルに対しても、セラミック基板および銅板との剥離等が抑制された放熱性基板が実現される。
なお、本明細書において、「主成分」とは、対象とする部材(例えば各中間層)を構成する成分のうち、最も含有量が高い成分のことを言う。主成分は、特にことわりのない限り、典型的には50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、例えば90質量%以上の割合で含まれている成分を意味する。
ここに開示される放熱性基板の好適な一態様において、上記銅板の厚みは500μm以上である。これにより、より高い放熱性を備える放熱性基板を実現することができる。
ここに開示される放熱性基板の好適な一態様において、上記第1中間層の厚みは0.5μm以上10μm以下である。これにより、銅からなる第1中間層の厚みを薄くしたり割合を少なくしても、放熱性に優れた放熱性基板が提供される。
ここに開示される放熱性基板の好適な一態様において、上記第2中間層の厚みは50μm以上500μm以下である。これにより、例えば1mmと厚みの厚い銅板を接合した場合であっても、高いヒートサイクル特性を備えた放熱性基板を実現することができる。
ここに開示される放熱性基板の好適な一態様において、上記第2中間層は、25℃~500℃における熱膨張係数が11×10-6/K以上14×10-6/K以下である。これにより、厚みの厚い銅板を接合した場合であっても、ヒートサイクル環境下において放熱性基板に発生する熱応力を好適に吸収することができる。その結果、セラミック基板が破損したり銅板と剥離したりするのを好適に抑制することができる。
なお、本明細書において、「熱膨張係数」(Coefficient of Thermal Expansion:CTE)とは、特に言及しない限り、熱機械分析装置(Thermomechanical Analysis:TMA)を用いて、室温(25℃)から500℃までの温度領域において測定した平均線膨張係数を意味し、かかる温度領域における試料の長さの変化量を測定温度差で割った値をいう。この熱膨張係数は、JIS Z2285:2003に規定される金属材料の線膨張係数の測定方法に準じて測定することができる。以下、「熱膨張係数」を単に「CTE」と表記する場合がある。
ここに開示される放熱性基板の好適な一態様において、上記第3中間層は、厚みが3μm以上25μm以下である。これにより、高価な銀層の使用を抑制して、広い温度幅に対するヒートサイクル耐性を備える放熱性基板を提供することができる。
ここに開示される放熱性基板の好適な一態様において、上記第3中間層は、平均粒子径が20nm以上60nm以下の銀ナノ粒子が焼結してなる焼結層である。これにより、中間層の熱伝導性を好適に高めることができ、放熱性基板の放熱性を高めることができる。
ここに開示される放熱性基板の好適な一態様において、上記ガラス成分は、軟化点が250℃以上450℃以下となるよう構成されている。このような構成により、放熱性基板の熱応力の緩和作用を高めることができる。
また、本明細書においてガラス成分に関する「軟化点」とは、近似的にこれより低い温度では、そのガラスのほとんどの成形操作が不可能な温度として定義される。換言すると、ガラスが自重で顕著に軟化変形しはじめる温度として把握することができる。この軟化点は、JIS R3103-1:2001に準じて測定することができ、例えば、約107.6dPa・sの粘度に相当する温度とすることができる。
ここに開示される放熱性基板の好適な一態様において、上記セラミック基板は、炭化ケイ素,窒化ケイ素および窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種のセラミックを主体とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の放熱性基板。このような構成により、高耐圧,低損失および高周波・高温動作が可能とされるパワーデバイスに好適な放熱性基板が提供される。
また、他の側面において、ここに開示される技術は、放熱性基板の製造方法を提供する。この製造方法は、セラミック基板上に、銅を主体とし、ガラス成分を含まない第1中間層を設けること、上記第1中間層上に、銅粉末とガラス粉末と分散媒とを含む銅ペーストを供給して銅ペースト層を形成すること、上記銅ペースト層上に、銀粉末と分散媒とを含む銀ペーストを供給して銀ペースト層を設けること、上記銀ペースト層上に銅板を配置して未焼成積層体を用意すること、および、上記未焼成積層体を500℃以上700℃以下の温度範囲で焼成して放熱性基板を得ること、を含む。これにより、上記の放熱性基板を簡便に提供することができる。また、ペースト焼成と銅板の接合とを同時に実施することができる。さらには、印刷技術を応用して、多様な構成の中間層を簡便に製造することができる。
以上のここに開示される技術によると、低抵抗率で、かつ、より広い温度範囲におけるヒートサイクル耐性(耐熱性、熱応力緩和性、接合性等)が実現された、放熱性基板とその製造方法が提供される。かかる技術によると、中間層におけると第2中間層と第3中間層とは、例えばペーストの印刷により製造することができる。したがって、第2中間層と第3中間層とを多様な形状と組み合わせにすることができる。これにより、広い温度範囲においてより確実な接合性を実現するとともに、より大きな温度変化による熱応力を緩和することができる。また、かかる中間層は、厚みや構成を簡便に調整しながら製造することができる。これにより、放熱銅板が大きく膨張または収縮した場合であっても、セラミック基板(絶縁性基板)の反りやひずみの発生を好適に抑えることができる。
一実施形態に係る放熱性基板の構成を示す断面模式図である。 一実施形態に係る放熱性基板において、第3中間層をライン状のパターンとした構成を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係る放熱性基板を使用したパワーデバイスの構成例を示す断面模式図である。 他の実施形態に係る放熱性基板を使用したパワーデバイスの構成例を示す断面模式図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同様の作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために必要に応じて模式化されており、実際の放熱性基板の寸法関係(長さ、幅、厚さ等)を必ずしも正確に反映したものではない。また、範囲を示す「X~Y」は、特にことわりのない限り「X以上Y以下」を意味する。
[放熱性基板]
一実施形態に係る放熱性基板の構成を示す断面を模式的に図1に示した。ここに開示される放熱性基板1は、セラミック基板2と、このセラミック基板2の熱(発熱および蓄熱)の放熱を促す銅板6とが、中間層4により一体的に接合されることで構成されている。中間層4は、セラミック基板2に接する側から、第1中間層41、第2中間層42および第3中間層43を含む。かかる中間層4により、セラミック基板2と銅板6とを一体的に接合しつつ、両者の熱膨張挙動の差異を好適に緩和するようにしている。
セラミック基板2としては、各種のセラミックからなる基板を用いることができる。典型的には、絶縁性セラミックからなる基板を考慮することができる。かかるセラミックとしては、詳細な組成や形状、寸法等は特に制限されず、例えば、金属の炭化物からなる炭化物系セラミック,金属の窒化物からなる窒化物系セラミック,金属の酸化物からなる酸化物系セラミック,その他、金属のホウ化物,フッ化物,水酸化物,炭酸塩,リン酸塩等からなるセラミックが挙げられる。かかるセラミックの具体例としては、窒化ケイ素(Si),窒化アルミニウム(AlN),窒化ホウ素(BN),窒化ガリウム(GaN),サイアロン(Si-AlN-Al固溶体;Sialon),窒化炭素(CN),窒化チタン(TiN)等の窒化物系セラミック、炭化ケイ素(SiC),タングステンカーバイド(WC),炭化ホウ素(BC)等の炭化物系セラミック、アルミナ(Al)、アルミナ・ジルコニア(Al-ZrO),ジルコニア(ZrO),コーディエライト(2MgO・2Al・5SiO),ムライト(3Al・2SiO)等の酸化物系セラミック等が、代表的なものとして挙げられる。これらのセラミックは、代表組成を併せて記しているが、必ずしも厳密に上記組成をとるものに限定されない。例えば、所望の特性を得る目的等で、各種の他の元素が添加されたものや複合化されたものであってよい。
かかるセラミックとしては、特にCTEが小さいものであっても、本発明の効果を顕著に発現し得るものとして好適に用いることができる。このような観点から、例えば、セラミック基板2として、窒化物系セラミック(典型的には窒化ケイ素や窒化アルミニウム)、炭化ケイ素からなるものを好適に用いることができる。
特に炭化ケイ素は、上記のセラミックのなかでも、シリコン(Si)に比べて電界強度が約10倍、最大電子走行速度が約2倍、熱伝導率が約3倍という優れた物性を有しており、例えば、パワーデバイス用途の基板として好ましく用いることができる。また、窒化ケイ素は、他のセラミックと比較してとりわけ強度が高い(例えば曲げ強度で約700~830MPa)ことから、例えば薄板化等することで基板として特に好ましい材料となり得る。さらに、窒化アルミニウムは、熱伝導率が他のセラミック材料に比べて極めて高い(例えば150~200W/m・K)ことから、基板を構成するには好ましい材料であり得る。これらの基板のサイズは特に限定されず、例えば、所望の規格に従う寸法とすることができる。
セラミック基板2の厚みは特に制限されず、典型的には、例えば、厚みは3mm以下とすることができる。なお、セラミック基板2が窒化アルミニウム基板である場合、その厚みは、例えば、2.5mm以下とすることができ、2mm以下であってよく、1.5mm以下とすることができる。また、窒化アルミニウム基板の厚みは、0.1mm以上とすることができ、0.2mm以上であってよく、例えば0.4mm以上(一例として、0.635mm)とすることができる。一方、セラミック基板2が窒化ケイ素基板である場合、その厚みは、例えば、2mm以下とすることができ、1.5mm以下であってよく、1mm以下とすることができる。また、窒化ケイ素基板の厚みは、0.1mm以上とすることができ、0.2mm以上であってよく、例えば0.3mm以上とすることができる。例えば、窒化ケイ素基板の厚みは、0.32mmや、0.635mm等であってよい。
銅板6としては、銅(Cu)を主体として構成されるフィルム、箔、シート、板状体等を考慮することができる。銅は、単金属としての熱伝導率が凡そ386~402W/mKと、銀(Ag)に次いで高いことが知られており、熱伝導率が高いほど放熱性基板の放熱部材として好ましい材料であり得る。ここで銅板は、銅を主成分(50質量%以上)として含む限り、その他の元素については特に制限されない。例えば、JIS H3100:2012に規定されている各種の銅及び銅合金等であってよい。銅板の熱伝導率は、例えば、250W/mK以上が好ましく、300W/mK以上がより好ましく、320W/mK以上がさらに好ましく、340W/mK以上が特に好ましく、360W/mK以上(例えば380W/mK以上)がより一層好ましい。かかる熱伝導率は、例えば、無酸素銅、タフピッチ銅、リン脱酸銅、リン入りタフピッチ代替銅(PTC)、丹銅、黄銅等により実現することができる。
また、ここに開示される技術によると、銅板6を厚くした場合であっても、放熱性基板1の耐ヒートサイクル特性は高いレベルで良好に維持され得る。したがって、例えば、銅板6は、より高い放熱性を実現するとの観点から、平均厚みが0.5mm以上(例えば、0.5mm超過)のものを好適に用いることができる。銅板6は、例えば、平均厚みが0.6mm以上であってよく、0.7mm以上が好ましく、0.8mm以上がより好ましく、0.9mm以上が特に好ましく、1.0mm以上がさらに好ましい。これにより、これまでに無く放熱性の高い放熱性基板が提供される。銅板6の平均厚みの上限は特に制限されないが、例えば、3mm以下程度とすることができる。
セラミック基板2と銅板6との厚みのバランスは特に制限されない。ここに開示される技術においては、セラミック基板2と銅板6とのCTEの差を、後述のとおり、中間層4が好適に緩和しうる。そのため、セラミック基板2に対する銅板6の厚みの比は、例えば、0.5以上10以下程度とすることができる。セラミック基板2に対する銅板6の厚みの比は、好ましくは1以上であり、より好ましくは2以上、更に好ましくは5以上、特に好ましは7以上(例えば約7.8)であり得る。
なお、上記の窒化ケイ素のCTEは約2.8×10-6/K、炭化ケイ素のCTEは約3.7×10-6/K、窒化アルミニウムのCTEは約4.6×10-6/K程度、窒化ホウ素のCTEは約1.4×10-6/K、コーディエライトのCTEは約0.1×10-6/K以下程度、ムライトのCTEは約5.0×10-6/Kと、比較的小さい値となり得る。一方、上記の銅板は、その組成に大きく左右されることなく、CTEが約16.5×10-6/K~17.8×10-6/K程度と比較的高い値となり得る。したがって、銅板とセラミック基板とのCTEの差はおよそ12×10-6/K~14×10-6/K程度となり得る。ここでセラミック基板と銅板とを貼り合わせると(接合すると)、かかるCTEの差は、両者の間に例えば-40℃~250℃(温度差290℃)の温度範囲で約0.3~0.4%のひずみ(換言すると熱応力)が生じ得る。このひずみは、銅板の厚みが薄い(例えば0.3mm以下程度)の場合は、銅板および/またはセラミック基板が反り変形することで吸収できるものであった。しかしながら、銅板の厚みが厚くなる(例えば、上記のとおり0.5mm以上)と、銅板が反り変形を起こし難くなるために、銅板内で吸収することができない。その結果、従来では、銅板の熱膨張に基づきセラミック基板にせん断力が作用して、セラミック基板の破損等の問題が生じていた。あるいは、セラミック基板と銅板とが剥離するという問題が生じていた。例えば、銅板とセラミック基板との間を、ガラスフリットを含む銅ペーストで接合した場合は、銅ペーストとセラミック基板との接合性は良好であるものの、銅ペーストと銅板との接合性が十分に得られず、銅板からセラミック基板が剥離することがあった。
そこで、ここに開示する技術においては、上述のごとく、第1中間層41、第2中間層42、第3中間層43を含む中間層4により、銅板6とセラミック基板2とを接合している。第1中間層41は、主として、セラミック基板2と第2中間層42との接合性を高めるために設けられる。第2中間層42は、主として、銅板6とセラミック基板2との間に発生する熱応力を十分に緩和するために設けられる。第3中間層43は、主として、銅板6と第2中間層42との接合性を高め、また、中間層4における熱伝導性を高く維持するために設けられる。
第1中間層41は、銅を主成分としガラス成分を含まない。第1中間層41は、いわばセラミック基板2と第2中間層42との接着をサポートする役割を担う。第2中間層42は、後述するとおりガラス成分を含み、このガラス成分は、一般には無機接着材としての機能を有する。しかしながら、セラミック基板2との接合を考慮した場合には、例えば、ガラス成分を含まず、金属組織からなる第1中間層41の方が、高い接合を実現し得る。また、第1中間層41と第2中間層42とはいずれも銅を主体とすることから、第1中間層41と第2中間層42との接合性は良好となり得る。このことにより、第1中間層41は、被接合性の低いセラミック基板2と、かかるセラミック基板2との接着相性がさほど高くない第2中間層42とをより強固に一体化させることができる。第1中間層41の主成分たる銅は、銅(Cu)単体であってもよいし、例えば、Cuに他の任意の元素が含まれた合金であってもよい。銅が合金である場合、銅とともにかかる合金を形成する合金元素としては特に制限されず、例えば、Al,Ag,As,Be,Co,Cr,Fe,Mn,Ni,P,Pb,S,Se,Sd,Sn,Si,Te,Zn,Zr等が例示される。放熱性基板は熱伝導性が高いことが好ましいとの観点から、第1中間層41における銅も熱伝導性の高い純銅に近いものであることが好ましい。例えば、第1中間層41において、Cuは90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上がより好ましく、97質量%以上が特に好ましい。また、この第1中間層41は、セラミック基板2の表面に密着性良く形成されることが好ましい。したがって、第1中間層41は、例えば、CVD法、PVD法またはめっき法等で原子レベルで緻密に形成された層であることが好ましい。製造容易性の観点からは、第1中間層41は、例えば、めっき法で形成された銅めっき層であることが特に好ましい。
なお、第1中間層41は銅を主体としているため、第1中間層41のCTEも銅のCTEと概ね同等となり得る。ゆえに、CTEの小さなセラミック基板2とのCTE差に基づく熱応力を抑えるために、第1中間層41は平均厚みが10μm以下であることが適当であり、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、2μm以下が特に好ましい。これにより、第1中間層41の相対的に大きなCTEに基づく熱応力がセラミック基板2に作用するのを抑制することができ、大きな温度変化に晒された場合であっても耐ヒートサイクル特性が好適に維持される。また、第1中間層41は、セラミック基板2と第2中間層42とを強固に接合するとの観点から、平均厚みは0.01μm以上とすることが適切であり、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、例えば0.4μm以上であるとよい。これにより、セラミック基板2と第2中間層42とをより安定的に接合することができ、熱的安定性の高い放熱性基板1を実現することができる。
他方で、第3中間層43は、銀を主成分としている。この第3中間層43はガラス成分を含まない。そしてこの第3中間層43も、銅板6と第2中間層42との接着をサポートする役割を担う。なお、第2中間層42はガラス成分を含むことから、その熱伝導性については低くなりがちであり、中間層4、延いては放熱性基板1全体としての放熱性が劣ってしまう傾向がある。一方で銀は、金属の中で最も熱伝導率が高い。したがって、中間層4の銅板6と接する側に銀を主体とする第3中間層43を設けることで、中間層4の熱伝導率を高く維持するようにしている。第3中間層43の主成分たる銀は、銀(Ag)単体であってもよいし、例えば、Agに他の任意の元素が含まれた合金であってもよい。銀が合金である場合、銀とともにかかる合金を形成する合金元素としては特に制限されず、例えば、Cu,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,In,Sn,Te,Zn,Al等が例示される。放熱性基板1は熱伝導性が高いことが好ましいとの観点から、第3中間層43における銀も熱伝導性の高い純銀に近いものであることが好ましい。例えば、第3中間層43において、Agは90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上がより好ましく、97質量%以上が特に好ましい。
なお、第3中間層43は銀を主体としているため、第3中間層43のCTEも銀のCTEと概ね同等の約18×10-6/K~19×10-6/K程度となり、銅板6のCTEよりも高い値となり得る。したがって、CTEの小さなセラミック基板2に近い第2中間層42に過剰な熱応力が作用することを抑制するため、第3中間層43は平均厚みが30μm以下、より好ましくは30μm未満とすることが適当である。第3中間層43の平均厚みは25μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下が特に好ましい。これにより、中間層4全体としてのCTEを安定させて過剰な熱応力の発生を抑制することができる。なお、第3中間層43は、銅板6と第2中間層42とを強固に接合するとの観点から、平均厚みは0.01μm以上とすることが適切であり、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、例えば0.4μm以上であるとよい。これにより、銅板6と第2中間層42とをより安定的に接合することができ、熱的安定性の高い放熱性基板1を実現することができる。
第2中間層42は、銅を主成分とし、ガラス成分を含む。ガラス成分は、一般にセラミック基板2よりも高く、銅板6よりも低いCTEを備え得る。このことにより、例えば室温における第2中間層42のCTEを、セラミック基板2と銅板6との間に調整することができる。また、第2中間層42におけるガラス成分は、ヒートサイクル時には比較的低い温度から軟化して銅成分の表面に濡れ広がり、銅成分を結合しつつもその変位を許容する。また、第2中間層42は、第1中間層41に接合している側では第1中間層41の変形に追随しつつ、第3中間層43に接合している側では第3中間層43の変形に追随し得る。そしてこのとき、第2中間層42は、層の破断や切断等の損傷を招くことなく、自身の変形を許容して、層形態を維持し得る。換言すると、ガラス成分は、典型的には粒子状の銅成分を任意に繋ぐガラスマトリックス(ガラス成分)として機能する。これにより、温度幅の広いヒートサイクルに晒された場合であっても、銅板6の剥離や、セラミック基板2の破損等が抑制された放熱性基板1が実現される。
ここで、上記のガラス成分は、典型的には、軟化点が500℃以下であることが好ましい。ガラス成分の軟化点が500℃以下であることで、例えば環境温度が高温になるに従いガラス成分が徐々に軟化し始め、銅成分の結合性を維持しながら第2中間層42に柔軟性をもたらすことができる。ガラス成分の軟化点は、450℃以下が好ましく、430℃以下がより好ましく、400℃以下が特に好ましい。しかしながら、ガラス成分の軟化点が低すぎると、ガラス成分中に結晶が析出して結晶化しやすくなったり、ヒートサイクルによる影響を受けやすくなったりするために好ましくない。かかる観点から、ガラス成分の軟化点は、250℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましく、350℃以上が特に好ましい。
以上のガラス成分は、酸化物に換算したときの組成(以下同じ。)で、BaO及びZnOの少なくとも一方を主ガラス成分として含んでいることが好ましい。
BaOは、アルカリ土類金属からなる網目修飾酸化物であり、適量の網目形成酸化物の存在のもと、ガラスの形成に寄与し得る。ここに開示されるガラス成分においてBaOは、ガラスの軟化点を低下させることに大きく貢献している。また、BaOは、ガラス成分の軟化・溶融時の粘性を好適に下げ、例えば銅板における銅からなる組織の隅々にまでガラス成分を行き渡らせる効果があることも好ましい。なお、BaOは、ケイ素(Si)を主成分とするガラスにおいては熱膨張係数を増大する成分であると知られている。しかしながら、ここに開示されるガラス成分においては、かかるBaOを主成分とすることで、ガラスの熱膨張係数を大幅に増大させることができ、第2中間層の熱膨張係数を銅板の熱膨張係数に好適に合わせることができる点において特徴的な構成であり得る。
ZnOは、他の元素とともにガラス化する中間酸化物である。ここに開示されるガラス成分においてZnOは、ガラスの軟化点を低下させることに大きく寄与している。また、ZnOはガラスの安定性を高めてガラス化範囲を広げ、例えば約250℃以上の高温までに至る温度変化に晒された場合でも、ガラス成分の結晶化(失透)を抑制する効果を有している。
ガラス成分が上記のBaOおよび/またはZnOを主ガラス成分として含むことで、このガラス層の軟化点を十分に低減することができる。BaOとZnOとは、いずれか一方のみを含んでいてもよいし、両方を含んでいてもよい。特に限定されるものではないが、ガラス成分は少なくともBaOを含んでいることが好ましく、また、BaOとZnOの両方を含むときはZnOよりもBaOを多く含むことが好ましい。なお、BaOとZnOとの合計は、ガラス成分の酸化物換算組成において、上記のとおり50mol%とすることができる。特に限定されるものではないが、BaOとZnOとの合計は、60mol%以上が好ましく、65mol%以上がより好ましく、70mol%以上が特に好ましい。BaOとZnOとの合計量の上限は、ガラス成分がガラスを形成し得る組成であれば特に制限されないが、おおよその目安として95mol%以下とすることができ、90mol%以下であってよく、例えば85mol%以下とすることができる。
なお、ガラス組成に関し、「主ガラス成分」とは、酸化物換算組成において当該ガラス成分を構成するガラス構成成分のうち、最も割合(含有量)が高い成分のことを言う。主成分は、典型的には50mol%以上、好ましくは60mol%以上、例えば70mol%以上の割合で含まれている物質を意味する。
軟化点の低いガラス成分を実現するために、BaOおよびZnO以外のガラス成分を構成する成分としては、以下のものを考慮することができる。
ガラス成分は、網目形成酸化物としてSiO,B,P,GeO,Asなどの成分を含むことができる。これらの成分は、ガラス形成に寄与するのみならず、BaOおよびZnOによる化学的安定性と耐水性の低下の影響を補い得る点でも好ましい。網目形成酸化物は、いずれか1種であってもよいし、2種以上であってもよい。しかしながら、系の安定性の観点からは、網目形成酸化物はいずれか1種であることが好ましい。例えば、化学的安定性等に優れるとの観点から、網目形成酸化物はSiOであることが好ましい。網目形成酸化物は、ガラス成分中に含まれる量が、3mol%以上が好ましく、5mol%以上がより好ましく、7mol%以上が特に好ましい。過剰な網目形成酸化物の含有は融点の低下を妨げるため、網目形成酸化物は30mol%以下が好ましく、25mol%以下がより好ましく、20mol%以下が特に好ましい。とくに、網目形成酸化物はSiOである場合は、過剰なSiOの含有はガラス成分を硬質にして熱応力緩和能を低減させるために好ましくない。かかる観点から、SiOは30mol%以下が好ましく、20mol%以下がより好ましく、15mol%以下が特に好ましい。
NaO、KOおよびLiOはアルカリ金属酸化物からなる網目修飾酸化物である。ここに開示されるガラス成分において、これらのアルカリ金属酸化物は、3次元ガラス網目中に侵入し、ガラスの融点および軟化点を低下させる機能を有し、ガラスの流動性を高める効果を有する。そのため、ガラス成分をより低温から軟化させ、放冷性銅板について柔軟性を付与するのに貢献し得る。また、銅成分とガラス成分との接着性を高めたり、ガラス成分の絶縁性を低下させたりする効果もある。これらのアルカリ金属酸化物は、ガラス成分中に含まれる量が、2mol%以上が好ましく、2.5mol%以上がより好ましく、3mol%以上が特に好ましい。過剰なアルカリ金属酸化物の含有はガラス成分の化学的耐久性や、熱膨張係数の増大につながるため、アルカリ金属酸化物は20mol%以下が好ましく、15mol%以下がより好ましく、13mol%以下が特に好ましい。
AgOは、ガラスの融点および軟化点を低下させる機能を有する。AgOは、上記のアルカリ金属酸化物のように接着性を高める効果はさほどないが、アルカリ金属酸化物よりも少ない量でガラスの軟化点および融点を低下させたり、ガラス成分の絶縁性を低下させたりする効果が得られるために好ましい。AgOの含有量は、0.1mol%以上が好ましく、0.5mol%以上がより好ましく、1mol%以上が特に好ましい。過剰なAgOの含有は熱膨張係数の増大につながるため、AgOは10mol%以下が好ましく、5mol%以下がより好ましく、3mol%以下が特に好ましい。
Alは、単独ではガラス化しないが、他の元素とともにガラス化する中間酸化物である。Alは、Siの酸素多面体と頂点の酸素を共有することでガラスネットワークを形成し、アルミノケイ酸塩ガラス等を構成することが知られている。ここに開示される技術においては、例えばSiO等の網目形成酸化物とともに安定したガラスネットワークを形成し得る成分として、Alを好ましく含むことができる。Alの含有量は0.1mol%以上であるのが好ましく、0.2mol%以上であるのがより好ましく、0.5mol%以上であるのが特に好ましい。また、かかるガラス系において、Alは含有量が5mol%を超過するとガラスの軟化性を低下させ得るために好ましくない。Alの含有量は4.5mol%以下であるのが好ましく、4mol%以下であるのがより好ましい。
なお、ガラス成分は、ここに開示される技術の目的を損なわない範囲において、上記に例示した以外の種々のガラス構成成分や添加成分を含むことができる。例えば、Mg,Ca,Sr,Rb,Sn,Ti,Fe,Co,Cs,Ga,In,Ni,S,Cu,Sr,Se,Mo,Y,La,Nd,Pr,Gd,Sm,Dy,Eu,Ho,Yb,Lu,Ta,V,Fe,Hf,Cr,Cd,Sb,F,I,Mn,Pb,Bi,W,Te,CeおよびNbからなる群から選択された1種の元素を単独でまたは2種以上の元素を組み合わせて含まれていてもよい。ただし、不要な元素の含有はガラス成分の安定性を損ね得る。したがって、ここに開示される技術において、上記のBaO,ZnO,SiO,NaO,KO,LiO,AgO,Al以外の成分は、合計で5mol%以下、好ましくは4mol%以下、より好ましくは3mol%以下、特に好ましくは2mol%以下、例えば1mol%以下とすることができる。あるいは、不可避的に混入する成分を除き、実質的に0mol%としてもよい。
以上のガラス成分としては、必ずしもこれに限定されるものではないが、例えば、具体的に、以下に示す組成を好ましい例として挙げることができる。
(BaO+ZnO):60mol%以上95mol%以下、
SiO:1mol%以上20mol%以下、
AgO:0.5mol%以上5mol%以下、
O:1mol%以上30mol%以下、および
Al:0mol%以上5mol%以下
なお、上記(BaO+ZnO)は、BaOとZnOとの合計を意味している。また、Rは、元素周期律表における1A族から選択される1種以上の元素であってよく、例えば、具体的には、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)であってよい。そしてROは、これら1A族元素の酸化物の合計を意味している。また、SiOは、その一部をB,P,GeO,Asに置換することができる。
第2中間層42において、主成分としての銅を含む限り、銅とガラス成分との割合は特に制限されない。ガラス成分が少量でも含まれることで、この第2中間層42をセラミック基板2に接合して環境温度の変化が生じた場合などに、セラミック基板2と銅板6との間に発生する熱応力を緩和することができる。かかる効果を明瞭なものとするためには、例えば、銅とガラス成分との合計を100質量%としたとき、ガラス成分は10質量%以上であるのが好ましく、12質量%以上であるのがより好ましく、15質量%以上であるのが特に好ましい。また、過剰なガラス成分の含有は第2中間層42の熱伝導性の低下につながるために好ましくない。かかる観点から、ガラス成分の割合は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
また、このガラス成分は、第2中間層42の主成分である銅に比べて相対的に熱膨張係数が小さいことから、このガラス成分の存在により第2中間層42全体の熱膨張係数も低減され得る。ここで、第2中間層42の熱膨張係数は、厳密に制限されるものではないが、おおよその目安として14×10-6/K以下であることが好ましく、12×10-6/K以下がより好ましく、10×10-6/K以下が特に好ましい。第2中間層42の熱膨張係数の下限は特に制限されないが、例えば、おおよその目安として6×10-6/K以上とすることができる。
なお、第2中間層42において銅(銅部分)とガラス成分(ガラス成分部分)とは、第2中間層42の全体に亘って概ね均質に分散していることが好ましい。例えば、第2中間層42の組織は、銅とガラス成分とからなる複合体であることが好ましい。例えば、銅は、第2中間層42中に銅粒子として、あるいは、複数の銅粒子が焼結一体化されたものとして存在していることが好ましい。例えば、第2中間層42は、ガラス成分からなるマトリックス中に粒子状の銅が分散されていることで、複合体構造を有していてもよい。あるいは、第2中間層42は、複数の粒子が3次元的に結合した多孔質形状(スポンジ形状)の細孔部分をガラス成分が占めている形態の複合体構造を有していても良い。なお、ガラス成分は、常温状態では銅成分や、第1中間層41および第3中間層43に密に接触した状態でガラス成分を形成(ガラス化)し得る。これにより、例えば、中間層における相対密度を高める(例えば95%以上)ことができる。なお、ここでいう相対密度は、空隙率の補数である。
かかる第2中間層42は、その厚みが厚いほど、CTEの小さなセラミック基板2とCTEの大きい銅板6との間に発生する熱応力を十分に緩和することができる。かかる観点から、第2中間層42は平均厚みが1μm以上とすることが適切であり、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、例えば50μm以上であるとよい。一方で、第2中間層42の厚みが厚すぎると、中間層4の熱伝導性が劣り、放熱性基板1全体の放熱性が損なわれるために好ましくない。かかる観点から、第2中間層42は1000μm以下であることが適当であり、800μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく、500μm以下が特に好ましい。これにより、放熱性基板1全体の放熱性の過剰な低下を抑制することができる。
なお、第1中間層は、例えば、要求される放熱性を実現し得るように、基板の広い領域にベタ塗りされていることが好ましい。第1中間層は、例えば、厚みに比べて十分に大きい寸法(例えば、厚みの100倍~10×10倍)で基板の広い領域に設けられることが好ましい。第2中間層および第3中間層については、その形態は特に限定されない。第2中間層は、ベタ塗りされていてもよいし、ベタ塗りされていなくてもよい。そして第3中間層は、例えば、所望の導電性を実現しうるように、任意のパターンに形成されているとよい。そのようなパターンの一例としては、例えば、縞状、波縞状、格子状などが挙げられる。第3中間層をライン状のパターンとする場合(図2参照)、その太さは、例えば0.1μm以上10μm以下(好ましくは、0.2μm以上5μm以下、例えば、0.3μm以上3μm以下)程度とすることが例示される。例えば、第3中間層のみ、あるいは、第2中間層および第3中間層を、任意のパターンで形成するようにしてもよい。
以上のような放熱性基板1は、必ずしもこれに限定されるものではないが、例えば、以下の工程(1)~(5)を実施することにより好適に製造することができる。
(1)セラミック基板2上に、銅を主体とし、ガラス成分を含まない第1中間層41を設ける工程
(2)第1中間層上に、銅粉末とガラス粉末と分散媒とを含む銅ペーストを供給して銅ペースト層を形成する工程
(3)銅ペースト層上に、銀粉末と分散媒とを含む銀ペーストを供給して銀ペースト層を設ける工程
(4)銀ペースト層上に銅板を配置して未焼成積層体を用意する工程
(5)未焼成積層体を500℃以上700℃以下の温度範囲で焼成して放熱性基板を得る工程
1.第1中間層の形成
まず、上記に説明したセラミックからなセラミック基板2を用意する。かかる基板は、例えば、市販されているものを購入しても良いし、製造して用意しても良い。基板2を製造する場合は、その製法等は制限されない。例えば、所望の組成のセラミック粉末、焼成助剤および溶剤等を所定の割合で配合し、ボールミル等で粉砕および混合して、基板形成用のスラリーを調製する。そしてこのスラリーを、例えば、キャリアシート上に層状に供給し、適宜乾燥させた後、電気炉等にて所定の温度で脱脂および焼成することで、セラミック粉末の焼結体としてのセラミック基板2を得ることができる。基板2は、焼成の前、もしくは焼成後に、所定の大きさに切断して用いることができる。
そして用意したセラミック基板2に第1中間層41を設ける。第1中間層41の構築の手段は特に制限されず、例えば塗布法、めっき法、貼り付け法等により第1中間層41を形成することができる。例えば、塗布により第1中間層41を構築する場合においては、例えば、銅または銅合金を固形分として含み、これを分散媒中に分散させた第1中間層形成用ペーストを用意し、この第1中間層形成用ペーストをセラミック基板2の表面に塗布(供給)して、第1中間層41の前駆層を構築するようにしてもよい。この前駆層は、次工程で銅ペーストを供給する前に乾燥ないしは焼成してもよいし、後述の焼成工程において他のペースト層とともに焼成するようにしてもよい。
また、例えば、貼り付けにより第1中間層41を構築する場合においては、所望の形態の箔(シート、板等を含む。)からなる第1中間層41を用意し、これをセラミック基板2の上に載置する。必要に応じて、載置した箔をセラミック基板2に押圧して密着させるようにしてもよい。ここで、箔の厚みは、所望の第1中間層41の厚みとすることができる。したがって、第1中間層41はいわゆる箔状(板状、シート状を包含する。)のものであってもよい。これにより、簡便に第1中間層41を構築することができる。
さらに、例えば、めっき法により第1中間層41を構築する場合において、めっき法の具体的な手法については特に限定されず、湿式めっき法、乾式めっき法のいずれをも採用することができる。湿式めっき法としては、無電解めっき法、電気めっき法等が挙げられる。乾式めっき法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、PVD法等が挙げられる。例えば、湿式めっき法を好ましく採用することができ、無電解めっき法がより好ましい。上記の各手法の具体的なめっき条件は、例えば、第1中間層41の厚みが所望の範囲となるように、常法に基づいて適宜設定することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様として、無電解めっき法による銅めっきについて説明する。この方法ではまず、第1中間層41を構成する銅または銅合金の組成に応じて、銅および必要に応じて他の金属元素を塩として含むめっき液を用意する。この銅めっき層は、実質的に(例えば、銅めっき層全体の95質量%以上が)銅成分からなるのが好ましい。めっき液としては、例えば、市販の無電解銅めっき液(例えば、硫酸銅溶液等)を用いることができる。上記めっき液は、典型的には、銅の塩(CuSOなど)の他に、還元剤(HCHOなど),pH調整剤(NaOHなど),錯化剤(EDTAやロッシェル塩など),促進剤,安定剤(ビピリジル、ポリエチレングリコールなど)の添加剤を含むことができる。そしてめっき液に、めっき対象であるセラミック基板2を浸漬させ、めっき液を撹拌して馴染ませる。良質な膜としての第1中間層41を形成するためには、予め、セラミック基板2を塩化パラジウム等へ浸漬させる等して表面の活性化処理(コンディショニング、プレディップ、キャタライズ、活性化等の各種の前処理を包含する)を行っておくことが好ましい。無電解めっきにおけるめっき条件(めっき浴中におけるCu濃度や温度、浸漬時間、pHその他)は所望のめっき厚みが好適に実現されるよう、適宜設定すればよい。例えば、セラミック基板2を30℃~90℃程度に加温した所定濃度のめっき浴中に数分間~1時間程度浸漬させることが例示される。めっき処理の後は、適宜洗浄や乾燥を行うことにより、第1中間層41が備えられたセラミック基板2を得ることができる。
2.銅ペースト層の形成
第1中間層41(前駆層であってもよい)上に、銅粉末とガラス粉末と分散媒とを含む銅ペーストを供給して銅ペースト層を形成する。ここで、銅粉末およびガラス粉末の組成は、上述の第2中間層42についての銅成分およびガラス成分と同じであるため繰り返しの説明は省略する。
銅粉末は、特に限定されないが、例えば、典型的には、平均粒子径が10μm以下のものを用いることができ、7μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。平均粒子径は、1μm以上が好適であり、1.5μm以上が好ましく、2μm以上が特に好ましい。
ガラス粉末は、好適には、平均粒子径が5μm以下のものを用いることができ、3μm以下が好ましく、2.5μm以下がより好ましい。ガラスフリットの平均粒子径は、0.5μm以上が好適であり、1μm以上が好ましく、1.5μm以上が特に好ましい。
本明細書における銅粉末およびガラス粉末の平均粒子径は、レーザ回折・散乱法に基づく粒度分布測定装置により測定される、体積基準の粒度分布における積算50%粒径(D50)である。かかる平均粒子径は、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、LA-920)を用いて測定した値を採用している。
次いで、上記で用意した銅粉末およびガラス粉末を、分散媒とともに混合することで銅ペーストを調製することができる。混合には、公知の各種の乳化機、分散機、混合機、混練機、撹拌機等を用いることができる。例えば、三本ロールミルを好ましく用いることができる。
分散媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール,プロピルアルコール等の低級アルキルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコールエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;を好ましく用いることができる。これらは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。好ましくは、水と低級アルコールとの混合溶液である。
そして必ずしも必要ではないが、銅ペーストには有機バインダを加えてもよい。かかる有機バインダとしては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アルキド系樹脂、セルロース系高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等をベースとするものが挙げられる。ここに開示される技術においては、特にセルロース系高分子等からなるバインダを用いることが好ましい。かかるセルロース系高分子の好適例としては、セルロース又はその誘導体が挙げられる。具体的には、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの塩が挙げられる。
そして上記の銅ペーストを、適切な手法を採用して第1中間層41上に層状に供給することで、銅ペースト層を成形することができる。ここで銅ペーストの供給には、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビア印刷法、ドクターブレード法、スプレー塗布法、スクリーン印刷法、メタルマスク印刷法等の各種の供給方法を採用することができる。銅ペーストは、後述の焼成により所望の厚さの第2中間層42が得られるように、例えば繰り返し重ねて供給するようにしてもよい。これにより、例えば第1中間層41の全面に、あるいは一部に任意のパターンで、銅ペースト層を形成することができる。
3.銀ペースト層の形成
上記で形成した銅ペースト層上に、銀粉末と分散媒とを含む銀ペーストを供給して銀ペースト層を形成する。ここで、銀粉末の組成は、上述の銀成分と同じであるため繰り返しの説明は省略する。
銀粉末は、特に限定されないが、例えば、典型的には、平均粒子径が100nm以下のいわゆるナノ粉末を好適に用いることができる。かかるナノ粉末を用いることで、緻密な焼結膜としての第3中間層43を得ることができる。銀粉末の平均粒子径は80nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましく、60nm以下が特に好ましい。一方で、銀粉末の平均粒子径が細かすぎると、銀粉末の焼結が進行し易く、ハンドリング性が落ちる点において好ましくない。かかる観点から、平均粒子径は10nm以上のものが好ましく、15nm以上がより好ましく、20nm以上が特に好ましい。
本明細書における銅粉末およびガラス粉末の平均粒子径は、電子顕微鏡観察に基づく100個以上の粒子の円相当径の算術平均値として規定される。
銀ペーストは、上記銀粉末を用いることで、上記の銅ペーストと同様にして調製することができる。また、銀ペースト層は、上記の銅ペースト層と同様にして、形成することができる。銀ペーストは、後述の焼成により所望の厚さの第3中間層43が得られるように、例えば繰り返し重ねて供給するようにしてもよい。これにより、例えば銅ペースト層の全面に、あるいは一部に任意のパターンで、銀ペースト層を形成することができる。
4.未焼成積層体の用意
上記のように形成した銀ペースト層上に、銅板6を配置して未焼成積層体を用意する。銅板6についても上述したとおりであるので重ねての説明は省略する。なお、このように用意された銅ペースト層、銀ペースト層および未焼成積層体は、例えば、適時に乾燥(分散媒の除去)、必要に応じて脱バインダのための熱処理を行うようにしてもよい。分散媒の除去は、自然乾燥であってもよいし、送風乾燥、加熱乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の手段を利用してもよい。脱バインダのための熱処理は、使用するバインダにもよるが、例えば、約120℃以上240℃以下(典型的には150℃以上200℃以下)とすることができる。
5.焼成
次いで、用意した未焼成積層体を500℃以上700℃以下の温度範囲で焼成する。これにより、ここに開示される放熱性基板を得ることができる。焼成雰囲気は、基板の種類や加熱温度等に応じて選択でき、大気雰囲気、空気雰囲気、酸化性雰囲気、不活性ガス雰囲気(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)、還元性雰囲気あるいはこれらの混合雰囲気等から、適宜選択することができる。例えば大気雰囲気であってよい。
なお、本例では、銅ペースト層と銀ペースト層とを同時に焼成する例を示したが、これらの層は同時に焼成することに限定されない。例えば、銅ペースト層を形成したのち、銅ペースト層を焼成して第2中間層42を形成し、その後、第2中間層42の上に銀ペースト層を形成し、かかる銀ペースト層の上に銅板を載置して焼成することで第3中間層43を形成するようにしてもよい。
なお、上記の銅ペーストおよび銀ペーストは、第2中間層42および第3中間層43をそれぞれ構成する材料以外の成分としては、必要に応じて用いるバインダおよび分散媒以外の成分を含む必要はない。しかしながら、本願の目的を逸脱しない範囲において、これらの材料の他に、種々の成分の含有が許容される。かかる成分としては、銅ペーストおよび/または銀ペーストの性状や供給性(例えば印刷性)を改善する目的で添加される添加剤や、焼成物としての第2中間層42および第3中間層43の特性を改善する目的で添加される添加剤等を考慮することができる。一例として、界面活性剤、分散剤、充填材(有機充填材、無機充填材)、粘度調整剤、消泡剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、防腐剤等が挙げられる。これらの添加剤(化合物)は1種が単独で含まれていてもよく、2種以上が組み合わせて含まれていてもよい。しかしながら、第2中間層42および第3中間層43をそれぞれ構成する材料の焼成を阻害する成分や、これらを阻害するような量での添加剤の含有は好ましくない。かかる観点から、例えば、不適切な銀粉末の保護剤や、無機充填材の含有は好ましくない。また、添加剤を含む場合は、これらの成分の総含有量が、銀ペースト全体の約5質量%以下であるのが好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
上記のとおり、ここに開示される放熱性基板1は、例えば固定部材等を必要とせず、セラミック基板2と放熱のための銅板6とが安定して一体化されている。これにより、ユーザーが銅板6をセラミック基板2に現場で固定する必要が無く、簡便に放熱性基板1を利用することができる。
図3は、鉄道車輌の駆動力を制御するためのパワーモジュール10の構成を説明する断面図である。ここに開示される放熱性基板1の上に、パワーデバイス30が実装されている。具体的には、パワーデバイス30は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolor Transistor:絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)である。パワーデバイス30は、放熱性基板1に2個以上のものが搭載されている。放熱性基板1は、例えば、平板状の窒化ケイ素(Si)からなるセラミック基板2を備えており、セラミック基板2の厚みは約200μmである。セラミック基板2の表面(図では上面)には銅箔が備えられており、エッチングにより回路パターン22が形成されている。ここで銅箔はセラミック基板2に直接的に備えられており、この基板2はいわゆるDBC(Direct Bonded Copper)基板である。また、セラミック基板2の裏面(図では下面)には、中間層4を介して銅板6が接合されている。本例における銅板6の厚みは約1000μmである。また、回路パターン22上には、パワーデバイス30がはんだ32により接合されている。また、銅板6には、熱伝導性のグリス34を介して冷却器50が連結されている。
このようなパワーモジュール10は、例えば、常温(例えば-10℃~30℃程度の範囲)から300℃程度の温度環境下において使用され得る。例えば、-40℃~250℃という温度変化の激しい環境に晒されたとき、セラミック基板2と銅板6との間には、熱膨張係数差に基づく熱応力が発生し得る。しかしながら、中間層4は、セラミック基板2と銅板6とに強固に接着しながら、その内部に含むガラス成分の軟化点に近い200℃以上の温度範囲において、徐々に軟化し得る。このことにより、セラミック基板2と銅板6との間に発生する熱応力は、かかるガラス成分に吸収されたり緩和されたりする。したがって、銅板6の厚みが十分に厚く反り変形等が生じない場合であっても、中間層4に含まれるガラス成分の存在により、セラミック基板2との間に発生する熱応力は緩和される。これにより、セラミック基板2からの銅板6の剥離や、セラミック基板2の破損が抑制される。また、パワーデバイス30から発生する熱は、セラミック基板2から中間層4を通じて銅板6に伝わり、放熱性基板1の裏面側から効果的に放熱させることができる。延いては、サイクル放熱性に優れたパワーモジュール10が提供される。換言すると、放熱性に優れるとともに、温度変化に対する信頼性の高いパワーモジュール10が提供される。
(実施形態2)
図4は、風力または太陽光を利用した発電システムに用いたられるパワーモジュール10の構成を説明する断面図である。このパワーモジュール10は、蓋54を備える端子ケース52を備えている。パワーデバイス30は、放熱性基板1のセラミック基板2上に搭載されている。パワーデバイス30は、例えば、IGBTである。パワーデバイス30は、この断面図においては、1つの放熱性基板1に1個が搭載されている。セラミック基板2は、例えば、平板状の炭化ケイ素(SiC)基板であって、その厚みは約100μmである。セラミック基板2の表面には、銅箔が備えられており、エッチングにより回路パターン22が形成されている。パワーデバイス30は、アルミワイヤ36により回路パターン22に電気的に接続されている。また、セラミック基板2の裏面には、中間層4を介して銅板6が全面に接合されている。本例の銅板6の厚みは約1500μmである。銅板6は、セラミック基板2よりも広い面積を備えている。換言すると、銅板6の上に、中間層4を介してセラミック基板2が配設されている。
このパワーデバイス30は、蓋54を備える端子ケース52に収められている。具体的には、パワーデバイス30を搭載した放熱性基板1のうちの銅板6上に端子ケース52が載置されて、放熱性基板1と端子ケース52とは固定機能を有する固定部材58により固定されている。固定部材58としては、例えば、ビスやボルト、かしめ、リベット等の締結部材、フック、結合ピン等の嵌合部材等が例示される。
また、端子ケース52および蓋54には、それぞれ端子38が備えられている。そしてそれぞれの端子38は、基板20上の回路パターン22に電気的に接続されている。また、端子ケース52の内部であって、パワーデバイス30を収容した空間には、シリコーンゲル56が充填されている。具体的には示さないが、制御に必要な電気・電子回路を端子ケース52内に納めて一体化することができる。これにより、放熱性に優れたパワーモジュール10が提供される。
以上のように、ここに開示される放熱性基板1は、パワーデバイスの放熱板付き絶縁性基板として好適に利用できる。つまり、この放熱性基板1は、パワーデバイス,パワーモジュールおよびインテリジェントパワーモジュール等におけるTIM(Thermal Interface Material)等として広く利用することができる。また、この放熱性基板1は、発熱量が大きく、高負荷時の熱応力の高いパワーデバイスにおける基板の破損を防ぐために好適に用いることができる。したがって、高い信頼性が求められる、鉄道車両、自動車等の車両駆動用途、変電所の稼働用途のデバイスのTIMとして好適に用いることができる。具体的には、例えば、電力制御の用途には、1200V以上(例えば20kV程度)の定格の素子のTIMとして用いることができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
(例1~13)
市販の窒化ケイ素基板(東芝マテリアル(株)製、TSN-90プレーン、寸法:3.5cm×3.5cm×(厚み0.32mm))の表面に、無電解めっき法により銅層を設けた。めっきには、奥野製薬工業(株)製の無電解銅めっき液を用い、めっき時間を調整することで、表1に示すとおり各例の銅層の厚みを約0.5μm~10μmの範囲で調整することで、第1中間層とした。
次いで、めっき形成された銅層上に、メタルマスク印刷により、銅ペーストを10mm角の正方形が配列された島状パターンに印刷し、乾燥させた。銅ペーストは、平均粒子径が約1μmの銅粉末と、軟化点が約400℃のガラスフリットとを、質量比で9:1の割合で混合し、バインダとしてのエチルセルロース(EC)と溶剤としてのブチルジグリコールアセテート(BDGAC)とを、固形分濃度が75%となるように配合し、3本ロールミルで混練することで調製した。銅ペーストは、必要に応じて印刷および乾燥を繰り返し行うことで、表1に示すとおり約100μm~500μmの厚みとなるように調整した。なお、銅ペーストの調製に用いたガラスフリットの組成を、下記の表2に示した。
印刷された銅パターン上に、上記と同様の版を用いたメタルマスク印刷により、銀ペーストを島状パターンに重ねて印刷した。銀ペーストは、平均粒子径が20nm~60nmの銀ナノ粒子とECとBDGACとを、固形分濃度が80%となるように配合し、3本ロールミルで混練することで調製した。また、銀ペーストは、必要に応じて繰り返し印刷および乾燥を行うことで、表1に示すとおり約3μm~20μmの厚みとなるように調整した。
そして印刷された銀パターン上に、厚さが0.5mm~1.0mmの銅板を表1に示す組み合わせで載せたのち、銀パターンに銅板を圧着させた。このようにして用意した積層体に対し、大気雰囲気中、200℃~400℃に加熱して脱脂処理を行った後、窒素雰囲気中、500℃~700℃で1時間の焼成を行った。これにより、窒化ケイ素基板、第1中間層(銅めっき層)、第2中間層(銅ペースト層)、第3中間層(銀層)および銅板の順に各層が積層一体化された例1~13の放熱性基板を得た。
また、参考のために、市販の窒化ケイ素放熱性基板(東芝マテリアル(株)製、窒化ケイ素製活性金属銅回路(AMC)基板、TSN-90、寸法:3.5cm×3.5cm×(厚み0.32mm))を用意した。このAMC基板は、上記の窒化ケイ素基板(プレーン)の表面に、Niめっき層、銅層およびはんだ層を介して、厚さ0.8mmの銅板が接合されたものである。
[放熱性基板のヒートサイクル耐性]
焼成後に得られた放熱性基板に対し、ヒートサイクル試験を実施した。ヒートサイクルは、凡そ-10℃/分の速度で-40℃にまで冷却した後、-40℃で60分間保持したのち、10℃/分の速度で250℃にまで加熱し、250℃で60分間保持することを1サイクルとし、このサイクルを1000サイクル施すものとした。そしてヒートサイクル試験後の放熱性基板と絶縁性基板との間に、クラックや剥離が生じたかどうかを目視により観察した。その結果を表1の「ヒートサイクル耐性」の欄に示した。なお、当該欄における「○」は、ヒートサイクル試験後のペースト層および銀層を含む放熱性基板全体に剥離やクッラクが認められなかったことを示す。「×」は、ヒートサイクル試験後のペースト層および銀層に剥離またはクッラクが認められたことを示す。
[接合強度]
ヒートサイクル試験後の放熱性基板について、絶縁性基板と銅板との接合性を評価した。接合性は、接合強度試験機(デイジ・ジャパン(株)製、万能型ボンドテスター4000)を用い、ダイシェア方式にて絶縁性基板と銅板とを剥離することにより評価した。すなわち、放熱性基板の絶縁性基板部分を試験機に固定し、銅板に対してシェアツールによって接合面に水平な方向にせん断力を加え、室温にて接合部が剥離または破断したときのせん断力を測定した。かかる試験は、米国MIL-STD-883 集積回路試験方法 Mtd.2004.7 に準じて実施した。その結果を、表1の「接合強度」の欄に示した。
[熱膨張係数の測定]
上記で用意した各例のガラスフリット、銅ペーストの焼結体、銀ペーストの焼結体、窒化ケイ素基板、および、銅板の熱膨張係数を調べ、下記の表1に記載した。なお、銅ペーストおよび銀ペーストの焼結体は、各ペーストをバルク状に焼結させた焼結体から、ダイヤモンドカッターにより4mm×4mm×20mmの角柱を切り出して試験片とし、熱膨張係数を測定した。その他の材料についても、4mm×4mm×20mmの角柱を切り出して熱膨張係数測定用の試験片とした。各試料の熱膨張係数は、熱機械分析装置(株式会社リガク製、TMA8310)を用い、大気中、昇温速度を10℃/分とし、室温(25℃)~500℃の温度範囲における試験片の長さを、示差膨張方式にて測定した結果から、平均線膨張率を算出することで求めた。かかる熱膨張係数の測定は、JIS Z2285:2003に規定される金属材料の線膨張係数の測定方法に準じて実施した。その結果を表1の「CTE」の欄に示した。
Figure 0007046643000001
Figure 0007046643000002
(評価)
絶縁性基板として用いた窒化ケイ素基板の室温(25℃)から500℃の熱膨張係数はおおよそ2.6×10-6/Kである。また、ヒートシンクとして用いた銅板の熱膨張係数は16.5×10-6/Kである。これらの板状体の熱膨張係数の差は、約14×10-6/Kである。
例1~3,5の比較から、銅ペーストを用いて形成した第2中間層を備えない例3の放熱性基板は、ヒートサイクル試験により銅板と絶縁性基板との剥離が確認された。すなわち、中間層としては、第1中間層および第3中間層のみでは十分ではなく、さらに第2中間層を備えることにより、5℃から500℃までの温度範囲におけるヒートサイクルに耐え得る構成が実現できることがわかった。
また、例1に示されるように、銀ペーストを用いて形成した第3中間層の厚みが十分でない例1の放熱性基板は、第2中間層と銅板との間の接合性が十分に確保できず、25℃から500℃までの温度範囲におけるヒートサイクルにより基板が剥離してしまうことがわかった。第3中間層の厚みは凡そ3μm以上であるとよいことがわかった。また、例4に示されるように、第3中間層の厚みが3μm以上、例えば5μmであると、銅板の厚みが0.8mmであっても接合強度およびヒートサイクル特性を両立させた接合構造が実現されることがわかった。
なお、例5~7の比較から、第3中間層の厚みは、例えば30μm程度にまで厚くすることもできるが、接合強度やヒートサイクル特性がやや低下する傾向があることがわかった。第3中間層の厚みは、過剰に厚くしても接合強度やヒートサイクル特性が改善されるわけではなく、例えば30μm以下程度、好ましくは25μm以下程度でも十分であることがわかった。
以上のことから、接合性を高める銅めっき層(第1中間層)と、導電性の良好な銀層(第3中間層)のみでは、たとえ銀層の厚みが0.8μmと十分厚くても、厚みが0.5mmの銅板を温度変化の激しい環境で接合するには十分でないことが確認できた。これに対し、銅ペースト層(第2中間層)を備えることで、銀層の厚みを例えば3μmと薄くしても厚みが0.5mmの銅板を好適に接合できることがわかった。
また、例8、9から、銅めっき層(第1中間層)の厚みは0.5μmと薄くても十分な接合強度が得られることが確認できた。ただし、例10、12の比較からわかるように、厚みが1.0mmと厚めの銅板の接合に際しては、銀層(第3中間層)の厚みが30μm以上となると接合強度およびヒートサイクル性が共に顕著に低下してしまうことが確認された。これに対し、例11、12に示されるように、銀層(第3中間層)の厚みを例えば10μmに抑えた場合は、銅ペースト層(第2中間層)の厚みを300μm以上、例えば500μm以上とすることで、厚みが1.0mmの銅板を接合した場合であっても十分なヒートサイクル特性を備え得ることが確認された。
なお、上記のとおり、銅ペースト層の存在により放熱性基板のヒートサイクル特性が十分に高められることが確認できた。この銅ペースト層には、BaOまたはZnOを主成分(例えば合計で80モル%以上)とするガラスフリットが配合されている。このガラスフリットに由来するガラス成分が銅ペースト中のCu粒子を互いに接合するとともに、銅層(第1中間層)および銀層(第3中間層)との強固な接合を実現していると考えらえる。さらに、このガラスフリットは、その軟化点近くで軟化を始め、銅板中の銅の膨張収縮を十分に緩和するように変形し得る。その結果、25℃から500℃の温度範囲における熱サイクルを施した場合であっても、銅板と絶縁性基板との熱応力は好適に緩和され、絶縁性基板の剥離や割れが抑制されることがわかった。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 放熱性基板
2 セラミック基板
4 中間層
41 第1中間層
42 第2中間層
43 第3中間層
6 銅板
10 パワーモジュール
30 パワーデバイス

Claims (10)

  1. セラミック基板と、銅板と、前記セラミック基板および前記銅板を一体的に接合する中間層と、を備え、
    前記中間層は、前記セラミック基板に接する側から、
    銅を主成分とし、ガラス成分を含まない第1中間層と、
    銅を主成分とし、ガラス成分を含む第2中間層と、
    銀を主成分とした第3中間層と、
    を含む積層構造を備える、放熱性基板。
  2. 前記銅板の厚みは500μm以上である、請求項1に記載の放熱性基板。
  3. 前記第1中間層の厚みは0.5μm以上10μm以下である、請求項1または2に記載の放熱性基板。
  4. 前記第2中間層の厚みは50μm以上500μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の放熱性基板。
  5. 前記第2中間層は、25℃~500℃における熱膨張係数が11×10-6/K以上14×10-6/K以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の放熱性基板。
  6. 前記第3中間層は、厚みが3μm以上25μm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の放熱性基板。
  7. 前記第3中間層は、平均粒子径が20nm以上60nm以下の銀ナノ粒子が焼結してなる焼結層である、請求項1~6のいずれか1項に記載の放熱性基板。
  8. 前記ガラス成分は、軟化点が250℃以上450℃以下となるよう構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の放熱性基板。
  9. 前記セラミック基板は、炭化ケイ素,窒化ケイ素および窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種のセラミックを主体とする、請求項1~のいずれか1項に記載の放熱性基板。
  10. セラミック基板上に、銅を主体とし、ガラス成分を含まない第1中間層を設けること、 前記第1中間層上に、銅粉末とガラス粉末と分散媒とを含む銅ペーストを供給して銅ペースト層を形成すること、
    前記銅ペースト層上に、銀粉末と分散媒とを含む銀ペーストを供給して銀ペースト層を
    設けること、
    前記銀ペースト層上に銅板を配置して未焼成積層体を用意すること、および、
    前記未焼成積層体を500℃以上700℃以下の温度範囲で焼成して放熱性基板を得る
    こと、
    を含む、放熱性基板の製造方法。
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