JP7046317B2 - ヘッドレストステー - Google Patents
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Description
本発明は、ヘッドレストステーに係り、更に詳細には、摺動性に優れた金属製ヘッドレストステーに関する。
鉄の防食用のめっきとして、亜鉛めっきが広く用いられている。
亜鉛めっきは、鉄等の金属基材に対して自己犠牲作用が働き、亜鉛自らが溶解し、金属基材の腐食を抑制するが、亜鉛めっきは、大気中において比較的短時間で表面に白さびが発生して光沢が低下してしまう。
亜鉛めっきは、鉄等の金属基材に対して自己犠牲作用が働き、亜鉛自らが溶解し、金属基材の腐食を抑制するが、亜鉛めっきは、大気中において比較的短時間で表面に白さびが発生して光沢が低下してしまう。
近年の亜鉛めっきは、上記白さびの発生を防止するためにクロム酸による化成処理が行われており、亜鉛めっきと化成処理層との相乗効果により、白さびの発生と亜鉛の溶解を抑制し、鉄などの金属基材の腐食を防止することができる。
しかし、上記化成処理により亜鉛めっきの表面ではシルバー調の金属光沢が得られ難いため、意匠性が要求されるヘッドレストステーとしては利用し難い。
そこで、意匠性が要求されるヘッドレストステーには、一般的にニッケル(Ni)を含むめっき等が用いられているが、めっき層にニッケル等の亜鉛以外の金属を含む合金めっきであるため高価である。
また、ヘッドレストステーは、ガタつきがないようにヘッドレストサポートにぴったりと挿入され、かつ高さ調整のため滑らかに摺動する必要がある。
ヘッドレストステーに関するものではないが、特許文献1の特開平6-57441号公報には、化成処理しためっき上に潤滑被膜を有する鋼板が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の鋼板にあっては、固形潤滑剤を用いるため、潤滑被膜中の高分子化合物と固形潤滑剤との界面で散乱が生じ、金属光沢が得られ難く意匠性が低下する。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、色味のない金属光沢を有し、意匠性が高い摺動性に優れる安価なヘッドレストステーを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、バインダーと相溶するワックスを含有するクリア層を設けることにより、ワックスによる散乱が防止され、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のヘッドレストステーは、金属基材表面に表面処理層を備える。
そして、上記表面処理層が、金属基材側から順に亜鉛めっき層、化成処理層、トップコート層を有し、上記トップコート層がバインダーとワックスとを含有するクリア層であり、上記バインダーが、シリカ化合物、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂から成る群より選ばれた少なくとも一種であり、上記バインダーと上記ワックスとが互いに相溶性を有することを特徴とする。
そして、上記表面処理層が、金属基材側から順に亜鉛めっき層、化成処理層、トップコート層を有し、上記トップコート層がバインダーとワックスとを含有するクリア層であり、上記バインダーが、シリカ化合物、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂から成る群より選ばれた少なくとも一種であり、上記バインダーと上記ワックスとが互いに相溶性を有することを特徴とする。
本発明によれば、化成処理層上にバインダーと相溶するワックスを含有するクリア層を設けることとしたため、色味のないシルバー調の金属光沢を有しかつ摺動性に優れる安価なヘッドレストステーを提供することができる。
本発明のヘッドレストステーについて詳細に説明する。
ヘッドレストステー10は、図1に示すように、シートバック20に固定されたヘッドレストサポート21のステー挿入孔22に挿入される。そして、通常の状態では固定されてヘッドレスト11の振動を防止し、ヘッドレスト11の高さを調節する際には、滑らかに摺動してヘッドレスト11を上下に移動させる。
ヘッドレストステー10は、図1に示すように、シートバック20に固定されたヘッドレストサポート21のステー挿入孔22に挿入される。そして、通常の状態では固定されてヘッドレスト11の振動を防止し、ヘッドレスト11の高さを調節する際には、滑らかに摺動してヘッドレスト11を上下に移動させる。
上記ヘッドレストステー10は、金属基材表面に表面処理層を備える。
上記表面処理層は、化成処理された亜鉛めっきの表面にトップコート層を有し、図2に示すように、金属基材側から順に亜鉛めっき層2、化成処理層3、トップコート層4を備える。
上記表面処理層は、化成処理された亜鉛めっきの表面にトップコート層を有し、図2に示すように、金属基材側から順に亜鉛めっき層2、化成処理層3、トップコート層4を備える。
<トップコート層>
トップコート層は、塗膜を生成するバインダーとワックスとを含有し、上記バインダーと上記ワックスとが互いに相溶性したクリア層である。
トップコート層は、塗膜を生成するバインダーとワックスとを含有し、上記バインダーと上記ワックスとが互いに相溶性したクリア層である。
上記バインダーと上記ワックスとが相溶性を有し、トップコート層内で界面を形成しないため、トップコート層内での光の散乱や屈折が防止される。
したがって、表面処理層に入射した光は、トップコート層を透過し、亜鉛メッキ層で反射されて再度トップコート層を透過して出射するため、金属光沢を有するヘッドレストステーとなる。
そして、上記トップコート層を通過することで化成処理層の干渉色や色ムラが打ち消されて、色味のないシルバー調の金属光沢を有する高意匠な外観を得ることができる。
上記トップコート層を設けることで、光沢のあるシルバー調の外観となる理由は明らかではないが、化成処理層に向かう光と亜鉛めっき層で反射し化成処理層を透過した光との相互作用などによって、化成処理層で生じる干渉色が抑制され、亜鉛めっき表面での正反射光が支配的になるためと推測される。
本発明において、「相溶性を有する」とは、光を散乱又は屈折させる界面を形成せずに、バインダーとワックスとの混合物が1つの相を形成すればよく、光の散乱や屈折に影響しないような、例えば、粒子径が直径で50nm以下のワックス粒子が析出していても構わない。
また、本発明において「透明」とは可視光域(380nm~780nm)の光線透過率が70%以上であるこという。
上記ワックスとしては、従来公知のワックスを使用でき、例えば、石油由来のワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等)、鉱物由来のワックス(モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等)動物由来のワックス(蜜蝋、鯨蝋、セラック蝋等)、植物由来のワックス(カルナバ蝋、木蝋、米糠蝋、キャンデリラワックス等)が挙げられる。
なかでも、石油由来のワックスは、着色がなくシルバー調の外観を形成できると共に、融点が高く、高温になる車内においてもワックスによるべたつきを防止でき、好ましく使用できる。上記ワックスの融点は、80℃以上であることが好ましい。
なお、ワックスの融点は、示差走査熱量計で計測した昇温時におけるDSC曲線の吸熱ピークから測定できる。
なお、ワックスの融点は、示差走査熱量計で計測した昇温時におけるDSC曲線の吸熱ピークから測定できる。
上記トップコート層のワックスの含有量は、35質量%以上50質量%以下であることが好ましい。35質量%未満では、ワックス添加による効果が充分発揮されないことがあり、50質量%を超えると、後述するバインダーの含有量が相対的に減少しトップコート層の耐久性が低下することがある。
上記バインダーは、トップコート層の塗膜を形成して水分や酸素を遮断でき、透明性が高く、上記ワックスとの親和性が高く、互いに相溶する高分子材料を使用できる。
上記高分子材料としては、例えば、シリカ化合物、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂を挙げることができる。
上記高分子材料は、トップコート層に使用するワックスの種類にもよるが、例えば、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、アミノ基、カルボキシル基等、上記ワックスとの親和性が高く互いに相溶する構造を、主鎖や側鎖など、その分子構造中に有することが好ましい。
また、上記高分子材料は水に溶解又は分散可能な親水性の材料であることが好ましい。 高分子材料が親水性であることで、油性の溶媒を使用する必要がなく、亜鉛めっき層の形成から連続してトップコート層を形成することが可能であり、通常の亜鉛めっき製造ラインを大幅に変更せずに処理することができる。
上記トップコート層の膜厚は、0.1μm以上1μm未満であることが好ましく、さらに、0.1μmより大きく0.5μm未満であることがより好ましい。
0.1μm未満では、耐食性が低下することがあり、1μm以上では、光沢が低下することがある。
また、0.1μm以下では、膜厚を均一にすることが困難で厚みがバラツキ易く、厚みが薄い箇所に干渉色が局所的に生じることがあり、0.5μm以上では液だれが生じ易く膜厚が均一なトップコート層を形成し難くなる。
上記トップコート層の膜厚、後述する化成処理層及び亜鉛めっき層の膜厚は、表面処理層の断面を撮影することで測定できる。
0.1μm未満では、耐食性が低下することがあり、1μm以上では、光沢が低下することがある。
また、0.1μm以下では、膜厚を均一にすることが困難で厚みがバラツキ易く、厚みが薄い箇所に干渉色が局所的に生じることがあり、0.5μm以上では液だれが生じ易く膜厚が均一なトップコート層を形成し難くなる。
上記トップコート層の膜厚、後述する化成処理層及び亜鉛めっき層の膜厚は、表面処理層の断面を撮影することで測定できる。
<化成処理層>
上記化成処理層は、クロム(Cr)及び酸素(O)を含み、亜鉛めっき上に形成された被膜であり、亜鉛めっきの白錆の発生を防ぐと共に金属基材の赤錆発生を遅らせる。
上記化成処理層は、クロム(Cr)及び酸素(O)を含み、亜鉛めっき上に形成された被膜であり、亜鉛めっきの白錆の発生を防ぐと共に金属基材の赤錆発生を遅らせる。
上記化成処理層の厚さは、50nm以上300nm以下であることが好ましい。化成処理層の厚さが上記範囲内であることで、上記トップコート層と相俟って、シルバー調の金属光沢を有する外観を形成できる。
化成処理層の厚さが50nm未満であると、耐食性が低下して金属基材の赤錆発生し易くなって、意匠性が低下することがあり、300nmを超えると干渉色が濃くなって、黄味や赤味を帯び易くなり、トップコート層を形成しても干渉色や色ムラを充分打ち消すことが困難になる場合がある。
上記化成処理層は、3価のクロム酸または重クロム酸塩を主成分とする化成処理液中に亜鉛めっきされた金属基材を浸漬することで形成できる。
3価のクロムを主成分とするクロメート液で形成された化成処理層は、6価のクロムを主成分とする化成処理層に比して、自己修復性が低く耐食性が劣るが、本発明においては、トップコート層によって耐食性が向上するため、長期に亘り金属光沢を有する外観を維持することができる。
<亜鉛めっき層>
亜鉛めっき層は、自らが腐食するする犠牲防食作用により金属基材を腐食から守る。本発明の亜鉛めっき層は、外観が金属光沢を有するものであれば特に制限はないが、電気めっき法で形成された電気亜鉛めっきは、表面凹凸が小さく高光沢の外観を得やすいため、好ましく使用できる。
亜鉛めっき層は、自らが腐食するする犠牲防食作用により金属基材を腐食から守る。本発明の亜鉛めっき層は、外観が金属光沢を有するものであれば特に制限はないが、電気めっき法で形成された電気亜鉛めっきは、表面凹凸が小さく高光沢の外観を得やすいため、好ましく使用できる。
上記亜鉛めっき層の厚さは、3μm以上であることが好ましい。3μm以上であることで、耐食性が向上する。つまり、亜鉛めっき層の厚さが薄すぎると、犠牲防食作用により亜鉛めっきが消失し易くなって耐食性が低下する。
また、電気亜鉛めっき法は、めっき液中の金属イオンを電気エネルギーによって、めっき金属を金属基材表面に原子レベルで積み重ねて成膜する方法であり、厚膜化が困難であるため、電気亜鉛めっきの実用的な上限は20μm程度である。
<金属基材>
上記金属基材は、亜鉛よりも貴な金属を使用することができ、鋼材等の鉄系の金属基材を好ましく用いることができる。
上記金属基材は、亜鉛よりも貴な金属を使用することができ、鋼材等の鉄系の金属基材を好ましく用いることができる。
<製造方法>
上記ヘッドレストステーは、製品形状に加工された金属基材表面に、亜鉛めっき層、化成処理層、トップコート層を順に積層し、表面処理層を形成することで製造することができる。
上記ヘッドレストステーは、製品形状に加工された金属基材表面に、亜鉛めっき層、化成処理層、トップコート層を順に積層し、表面処理層を形成することで製造することができる。
上記亜鉛めっき層及び化成処理層は、通常の方法で形成することができる。
具体的には、製品形状に加工された金属基材を洗浄して脱脂し、電気メッキ法により亜鉛めっき層を形成する。その後、亜鉛めっき層の表面を希硝酸等で酸活性処理し、3価のクロム酸を含有する化成処理液(酸性水溶液)中に浸漬することで、表面が化成処理された亜鉛めっき層を形成できる。
具体的には、製品形状に加工された金属基材を洗浄して脱脂し、電気メッキ法により亜鉛めっき層を形成する。その後、亜鉛めっき層の表面を希硝酸等で酸活性処理し、3価のクロム酸を含有する化成処理液(酸性水溶液)中に浸漬することで、表面が化成処理された亜鉛めっき層を形成できる。
電気めっき法により亜鉛めっき層を形成するめっき浴としては、酸性浴とアルカリ浴のいずれも使用できる。
上記アルカリ浴としては、シアン浴、ジンケート浴を挙げることができ、シアン浴による亜鉛めっきは、均一な電着性や平滑性、めっき皮膜の柔軟性に優れる。
上記酸性浴としては、塩化浴、硫酸浴が挙げることができ、上記塩化浴としては、塩化亜鉛アンモン浴、塩化亜鉛カリ浴、塩化亜鉛アンモン・カリ浴が挙げられる。
上記電気めっき層は、慣用のめっき法、例えば、金属塩、導電性付与剤、水素イオン濃度調節剤、添加剤などを含むめっき浴中、金属基材を陰極として、適当な電流密度で金属基材の表面に金属を析出させることにより形成できる。
上記化成処理液としては、光沢クロメート、有色クロメート、青クロメート、等、従来公知の化成処理液を使用することができるが、3価のクロムを主成分とするクロメート液を使用することが好ましい。
上記化成処理層は、亜鉛めっきされた金属基材を、三価クロムを含む化成処理液(クロメート液)に浸漬させることで形成できる。
3価クロム化成処理層を形成するときの化成処理液のクロム酸濃度、温度、pH、及び、処理時間としては特に制限はないが、クロム酸濃度は、50g/l~150g/l、処理温度は20~50℃、pHは1.0~3.0、処理時間は20~90秒であることが好ましい。
3価クロム化成処理層を形成するときの化成処理液のクロム酸濃度、温度、pH、及び、処理時間としては特に制限はないが、クロム酸濃度は、50g/l~150g/l、処理温度は20~50℃、pHは1.0~3.0、処理時間は20~90秒であることが好ましい。
クロム酸濃度が低すぎると充分な厚さの化成処理層を形成することが困難であり、濃度を高くしても、化成処理層の形成効率が低下して生産性が低下を招く恐れがある。
また、温度が高すぎると金属基材の溶解が過度になり、逆に温度が低すぎると反応性が低下するため、外観が低下するおそれがある。
さらに、pHが高いとはエッチング不足により十分な化成処理層が形成しないおそれがある。さらに、処理時間が短いと充分な厚さの化成処理層が形成することが困難であり、処理時間を90秒以上にしても化成処理層の形成効率が低下して、生産性の低下を招くおそれがある。
また、温度が高すぎると金属基材の溶解が過度になり、逆に温度が低すぎると反応性が低下するため、外観が低下するおそれがある。
さらに、pHが高いとはエッチング不足により十分な化成処理層が形成しないおそれがある。さらに、処理時間が短いと充分な厚さの化成処理層が形成することが困難であり、処理時間を90秒以上にしても化成処理層の形成効率が低下して、生産性の低下を招くおそれがある。
上記トップコート層は、上記化成処理された亜鉛めっき層の表面に、上記高分子材料及びワックスを含む水性のトップコート層塗工液を塗布・乾燥することで形成できる。
トップコート層塗工液の塗工方法としては、浸漬法、スプレー塗工法等、従来公知の塗工方法を挙げることができるが、浸漬法は均一な厚さのトップコート層を形成し易く、好ましく使用できる。
トップコート層塗工液中の高分子材料及びワックスなどの固形分濃度は、2g/l~100g/lであることが好ましく、2g/l~35g/lであることが好ましい。固形分濃度が上記範囲にあることで、トップコート層塗工液の粘度を低くすることができ、薄くかつ平滑なトップコート層を形成することができる。
トップコート層を形成するときの塗工液の温度、pH、及び、処理時間としては特に制限はないが、処理温度は10~50℃、pHは8.5~9.4、処理時間は5~90秒であることが好ましい。
塗工液の温度が高すぎると溶媒が揮発しやすくなり塗工液中の固形分濃度が変化し、所望のワックス量や厚みのトップコート層を得ることが難しくなり、逆に温度が低すぎるとトップコート層塗工液の粘度が高くなり、薄くかつ平滑なトップコート層を形成し難くなるおそれがある。
さらに、pHが上記の範囲であると、高分子材料とワックスとが分離せずに互いに相溶した状態を長期間に亘って維持することができ、同じ塗工液で連続的にヘッドレストステーを生産できる。さらに、処理時間が短いと充分な厚さの化成処理層が形成することが困難であり、処理時間を90秒以上にしても化成処理層の形成効率が低下して、生産性の低下を招くおそれがある。
トップコート層塗工液を浸漬塗工したのち乾燥前に、空気を吹き付ける処理を行うことが好ましい。トップコート層塗工液から引き上げた摺動部材の下端部に溜まった余分なトップコート層塗工液を吹き飛ばすことで、膜厚が均一なトップコート層を形成できると共に、乾燥工程での液だれを防止でき作業性が向上する。
上記トップコート層は、60℃~100℃の温度で加熱乾燥することが好ましい。トップコート層塗工液の塗工後短時間で乾燥させることで、肥大化結晶の発生を防止できると共に、膜厚が均一なトップコート層を形成できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<めっき浴の調整>
下記表1に示す組成の酸性めっき浴A、アルカリめっき浴Bを調整した。
下記表1に示す組成の酸性めっき浴A、アルカリめっき浴Bを調整した。
<化成処理液の調整>
以下の3種類の化成処理液を調整した。化成処理液のクロム酸濃度、pH、浴温を表2に示す。
以下の3種類の化成処理液を調整した。化成処理液のクロム酸濃度、pH、浴温を表2に示す。
有機酸クロメートP(Tripass ELV 1500LT, 187396, MacDermid Enthone INDUSTRIAL SOLUTIONS)
有機酸シリカクロメートQ(Tripass ELV 7000, 187735, MacDermid Enthone INDUSTRIAL SOLUTIONS)
青色クロメートR(Tripass Blue, 186005, MacDermid Enthone INDUSTRIAL SOLUTIONS)
<トップコート層塗工液の調整>
以下の4種類のトップコート層塗工液を調製した。トップコート層塗工液のpH、浴温を表3に示す。
以下の4種類のトップコート層塗工液を調製した。トップコート層塗工液のpH、浴温を表3に示す。
トップコート層塗工液W:シリカ系化合物(TNT08:MacDermid Enthone INDUSTRIAL SOLUTIONS)60質量%、とパラフィン系ワックス40質量%とを、水及びエーテルを含む混合溶媒(水:エーテル=90:10(重量比))に溶解させて、固形分濃度が30g/Lのトップコート層塗工液Wを調整した。
トップコート層塗工液Wに混合溶媒(水:エーテル=90:10(重量比)を加え、トップコート層塗工液W:混合溶媒=10:90となるように希釈した液を塗工液W1とした。
トップコート層塗工液W:混合溶媒(体積比)=20:80となるように希釈した液を塗工液W2とした。
トップコート層塗工液W:混合溶媒(体積比)=30:70となるように希釈した液を塗工液W3とした。
トップコート層塗工液W:混合溶媒(体積比)=60:40となるように希釈した液を塗工液W4とした。
トップコート層塗工液W:混合溶媒(体積比)=90:10となるように希釈した液を塗工液W5とした。
トップコート層塗工液W:混合溶媒(体積比)=20:80となるように希釈した液を塗工液W2とした。
トップコート層塗工液W:混合溶媒(体積比)=30:70となるように希釈した液を塗工液W3とした。
トップコート層塗工液W:混合溶媒(体積比)=60:40となるように希釈した液を塗工液W4とした。
トップコート層塗工液W:混合溶媒(体積比)=90:10となるように希釈した液を塗工液W5とした。
トップコート層塗工液WおよびW1~W5は、シリカ系化合物とパラフィン系ワックスとが分離せずに互いに相溶して、単一の相を形成していた。
また、トップコート層塗工液Wの動粘度は、1.01mm2/sであった。
また、トップコート層塗工液Wの動粘度は、1.01mm2/sであった。
トップコート層塗工液X:シリカ系化合物(SiO2)(Hydroklad Si:174439:MacDermid Enthone INDUSTRIAL SOLUTIONS)を水に溶解させて、固形分濃度が100g/Lのトップコート層塗工液Xを作製した。
トップコート層塗工液Y:シリカ系化合物(SiO2)(ULTRASEAL:118639:MacDermid Enthone INDUSTRIAL SOLUTIONS)を水に溶解させて、固形分濃度が30g/Lのトップコート層塗工液Yを作製した。
トップコート層塗工液Z:アクリル樹脂(ポストディップ:187387:MacDermid Enthone INDUSTRIAL SOLUTIONS)を水に溶解させて、ト固形分濃度が30g/Lのトップコート層塗工液Zを調整した。
それぞれのトップコート層塗工液のpHは水酸化ナトリウムを加えて調整した。
それぞれのトップコート層塗工液のpHは水酸化ナトリウムを加えて調整した。
[実施例1]
脱脂した直径1cmの円筒形棒状金属基材(鋼材)を、上記表1に示す組成のアルカリ浴B中に浸漬し、電流密度3[A/dm2]で25[min]処理した後、水洗して膜厚が8μmの亜鉛めっき層を形成した。
脱脂した直径1cmの円筒形棒状金属基材(鋼材)を、上記表1に示す組成のアルカリ浴B中に浸漬し、電流密度3[A/dm2]で25[min]処理した後、水洗して膜厚が8μmの亜鉛めっき層を形成した。
次に、希硝酸で酸活性処理した後、上記表2に示す化成処理液R中に25秒間浸漬した後、引き上げて水洗し、膜厚が200nmの化成処理層を形成した。
さらに、トップコート層塗工液W1に10秒間浸漬し、80℃の恒温槽内で乾燥させて、膜厚が0.1μmのトップコート層を形成してヘッドレストステーを得た。
[実施例2]
上記表3に示すトップコート層塗工液W2に浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は実施例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
上記表3に示すトップコート層塗工液W2に浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は実施例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[実施例3]
上記表3に示すトップコート層塗工液W3に浸漬し、膜厚が0.25μmのトップコート層を形成する他は実施例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
上記表3に示すトップコート層塗工液W3に浸漬し、膜厚が0.25μmのトップコート層を形成する他は実施例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[実施例4]
上記表3に示すトップコート層塗工液W4に浸漬し、膜厚が0.3μmのトップコート層を形成する他は実施例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
上記表3に示すトップコート層塗工液W4に浸漬し、膜厚が0.3μmのトップコート層を形成する他は実施例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[実施例5]
上記表3に示すトップコート層塗工液W5に浸漬し、膜厚が0.45μmのトップコート層を形成する他は実施例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
上記表3に示すトップコート層塗工液W5に浸漬し、膜厚が0.45μmのトップコート層を形成する他は実施例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[実施例6]
上記表3に示すトップコート層塗工液Wに浸漬し、膜厚が0.5μmのトップコート層を形成する他は実施例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
上記表3に示すトップコート層塗工液Wに浸漬し、膜厚が0.5μmのトップコート層を形成する他は実施例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[実施例7]
上記表2に示す化成処理液P中に40秒間浸漬した後、引き上げて水洗し、膜厚が200nmの化成処理層を形成する他は、実施例4と同様にしてヘッドレストステーを得た。
上記表2に示す化成処理液P中に40秒間浸漬した後、引き上げて水洗し、膜厚が200nmの化成処理層を形成する他は、実施例4と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[実施例8]
上記表2に示す化成処理液Q中に55秒間浸漬した後、引き上げて水洗し、膜厚が200nmの化成処理層を形成する他は、実施例4と同様にしてヘッドレストステーを得た。
上記表2に示す化成処理液Q中に55秒間浸漬した後、引き上げて水洗し、膜厚が200nmの化成処理層を形成する他は、実施例4と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[実施例9]
上記表1に示す組成の酸性浴A中に浸漬し、電流密度3[A/dm2]で15[min]処理した後、水洗して膜厚が8μmの亜鉛めっき層を形成する他は、実施例7と同様にしてヘッドレストステーを得た。
上記表1に示す組成の酸性浴A中に浸漬し、電流密度3[A/dm2]で15[min]処理した後、水洗して膜厚が8μmの亜鉛めっき層を形成する他は、実施例7と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[実施例10]
上記表2に示す化成処理液Q中に55秒間浸漬した後、引き上げて水洗し、膜厚が200nmの化成処理層を形成する他は、実施例9と同様にしてヘッドレストステーを得た。
上記表2に示す化成処理液Q中に55秒間浸漬した後、引き上げて水洗し、膜厚が200nmの化成処理層を形成する他は、実施例9と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[実施例11]
上記表2に示す化成処理液R中に25秒間浸漬した後、引き上げて水洗し、膜厚が200nmの化成処理層を形成する他は、実施例9と同様にしてヘッドレストステーを得た。
上記表2に示す化成処理液R中に25秒間浸漬した後、引き上げて水洗し、膜厚が200nmの化成処理層を形成する他は、実施例9と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例1]
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例2]
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例3]
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例4]
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例10と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例10と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例5]
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例10と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例10と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例6]
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例10と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例10と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例7]
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例8]
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例9]
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例10]
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例7と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例7と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例11]
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例7と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例7と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例12]
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例7と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例7と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例13]
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例8と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例8と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例14]
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例8と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例8と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例15]
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例8と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例8と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例16]
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例5と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Xに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例5と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例17]
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例5と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Yに浸漬し、膜厚が0.2μmのトップコート層を形成する他は、実施例5と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例18]
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例5と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層塗工液Zに浸漬し、膜厚が0.4μmのトップコート層を形成する他は、実施例5と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例19]
トップコート層を形成しない他は、実施例9と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層を形成しない他は、実施例9と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例20]
トップコート層を形成しない他は、実施例10と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層を形成しない他は、実施例10と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例21]
トップコート層を形成しない他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層を形成しない他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例22]
トップコート層を形成しない他は、実施例7と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層を形成しない他は、実施例7と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例23]
トップコート層を形成しない他は、実施例8と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層を形成しない他は、実施例8と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例24]
トップコート層を形成しない他は、実施例6と同様にしてヘッドレストステーを得た。
トップコート層を形成しない他は、実施例6と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例25]
化成処理層を形成しない他は、比較例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
化成処理層を形成しない他は、比較例1と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例26]
化成処理層を形成しない他は、比較例2と同様にしてヘッドレストステーを得た。
化成処理層を形成しない他は、比較例2と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例27]
化成処理層を形成しない他は、比較例3と同様にしてヘッドレストステーを得た。
化成処理層を形成しない他は、比較例3と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例28]
化成処理層を形成しない他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
化成処理層を形成しない他は、実施例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例29]
化成処理層を形成しない他は、比較例10と同様にしてヘッドレストステーを得た。
化成処理層を形成しない他は、比較例10と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例30]
化成処理層を形成しない他は、比較例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
化成処理層を形成しない他は、比較例11と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例31]
化成処理層を形成しない他は、比較例12と同様にしてヘッドレストステーを得た。
化成処理層を形成しない他は、比較例12と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例32]
化成処理層を形成しない他は、実施例4と同様にしてヘッドレストステーを得た。
化成処理層を形成しない他は、実施例4と同様にしてヘッドレストステーを得た。
[比較例33]
円筒形棒状金属基材に合金化溶融亜鉛めっき層を形成してヘッドレストステーを得た。
円筒形棒状金属基材に合金化溶融亜鉛めっき層を形成してヘッドレストステーを得た。
[比較例34]
円筒形棒状金属基材に溶融亜鉛めっき層を形成してヘッドレストステーを得た。
円筒形棒状金属基材に溶融亜鉛めっき層を形成してヘッドレストステーを得た。
<評価>
実施例1~13、比較例1~34のヘッドレストステーを下記の方法で評価した。
評価結果を表5~7 に示す。
実施例1~13、比較例1~34のヘッドレストステーを下記の方法で評価した。
評価結果を表5~7 に示す。
(意匠性評価)
BYK Gardner社製のmicro-TRI-glossを用い、摺動部材の表面における鏡面光沢度(60°gloss)を測定した。
また、コニカミノルタ(株)製のL*a*b*表色系分光測色計CM-700dを用い、光源D65、視野角10度、SCI方式(正反射光含む条件)で摺動部材の表面の明度L*a*b*値を測定した。評価基準を表4に示す。
また、干渉色の有無、液だれの有無により塗膜の均一性を観察した。
BYK Gardner社製のmicro-TRI-glossを用い、摺動部材の表面における鏡面光沢度(60°gloss)を測定した。
また、コニカミノルタ(株)製のL*a*b*表色系分光測色計CM-700dを用い、光源D65、視野角10度、SCI方式(正反射光含む条件)で摺動部材の表面の明度L*a*b*値を測定した。評価基準を表4に示す。
また、干渉色の有無、液だれの有無により塗膜の均一性を観察した。
(摺動性評価)
円筒形の摺動部材の外周を面圧40MPaで押え、摺動速度20mm/sで引き抜くときに要する力を測定した。
A :42N未満
NG :42N以上
円筒形の摺動部材の外周を面圧40MPaで押え、摺動速度20mm/sで引き抜くときに要する力を測定した。
A :42N未満
NG :42N以上
(耐食性評価)
JIS Z 2371 に準拠し、35℃の環境下で5%の塩化ナトリウム水溶液を噴霧して白錆と赤錆が発生するまでの時間を測定した。
AAA:白錆発生時間400時間以上、赤錆発生時間550時間以上。
AA :白錆発生時間300時間以上400時間未満、
赤錆発生時間450時間以上550時間未満。
A :白錆発生時間200時間以上300時間未満、
赤錆発生時間350時間以上450時間未満。
NG :白錆発生時間200時間未満、赤錆発生時間350時間未満。
JIS Z 2371 に準拠し、35℃の環境下で5%の塩化ナトリウム水溶液を噴霧して白錆と赤錆が発生するまでの時間を測定した。
AAA:白錆発生時間400時間以上、赤錆発生時間550時間以上。
AA :白錆発生時間300時間以上400時間未満、
赤錆発生時間450時間以上550時間未満。
A :白錆発生時間200時間以上300時間未満、
赤錆発生時間350時間以上450時間未満。
NG :白錆発生時間200時間未満、赤錆発生時間350時間未満。
(層の厚みおよび相溶性)
表面処理層の断面から、各層の厚みおよびワックス粒子の大きさを走査型電子顕微鏡により測定・観察した。実施例1~11および比較例28、30については、トップコート層に粒子径が50nmより大きいワックス粒子が析出しておらず、バインダーとワックスとが互いに相溶性していることを確認した。
表面処理層の断面から、各層の厚みおよびワックス粒子の大きさを走査型電子顕微鏡により測定・観察した。実施例1~11および比較例28、30については、トップコート層に粒子径が50nmより大きいワックス粒子が析出しておらず、バインダーとワックスとが互いに相溶性していることを確認した。
上記評価結果から明らかなように、トップコート層のバインダーとワックスとが相溶していることで、トップコート層での光の散乱や屈折が抑制され、色味のないシルバー調の金属光沢を有し、かつ操作力を42N以下にできることが確認された。
トップコート層の膜厚が0.5μmの実施例6では、トップコート層塗工液の粘度が低いため液だれが生じたが、塗工条件により改善されると考えられる。
トップコート層の膜厚が0.5μmの実施例6では、トップコート層塗工液の粘度が低いため液だれが生じたが、塗工条件により改善されると考えられる。
1 金属基材
2 亜鉛めっき層
3 化成処理層
4 トップコート層
10 ヘッドレストステー
11 ヘッドレスト
20 シートバック
21 ヘッドレストサポート
22 ステー挿入孔
2 亜鉛めっき層
3 化成処理層
4 トップコート層
10 ヘッドレストステー
11 ヘッドレスト
20 シートバック
21 ヘッドレストサポート
22 ステー挿入孔
Claims (7)
- 金属基材表面に表面処理層を備えるヘッドレストステーであって、
上記表面処理層が、金属基材側から順に亜鉛めっき層、化成処理層、トップコート層を有し、
上記トップコート層がバインダーとワックスとを含有するクリア層であり、
上記バインダーが、シリカ化合物、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂から成る群より選ばれた少なくとも一種であり、
上記バインダーと上記ワックスとが互いに相溶性を有することを特徴とするヘッドレストステー。 - 上記トップコート層の膜厚が、0.1μmよりも大きく0.5μm未満であることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレストステー。
- 上記トップコート層が、上記ワックスを35質量%以上50質量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドレストステー。
- 操作力が42N以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つの項に記載のヘッドレストステー。
- 表面のL*a*b*表色系におけるL*値が85以上、|a*|が6未満、|b*|が8未満、金属光沢(Gloss)が170以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つの項に記載のヘッドレストステー。
- 上記化成処理層の厚さが、50nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1つの項に記載のヘッドレストステー。
- 上記亜鉛めっき層の厚さが、3μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つの項に記載のヘッドレストステー。
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Citations (2)
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JP2003261825A (ja) | 2002-03-07 | 2003-09-19 | Kansai Paint Co Ltd | 潤滑鋼板用表面処理組成物及び潤滑鋼板 |
WO2018158959A1 (ja) | 2017-03-03 | 2018-09-07 | 日産自動車株式会社 | 高意匠摺動部材 |
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JP2995529B2 (ja) * | 1994-05-10 | 1999-12-27 | 新日本製鐵株式会社 | 外観、耐食性及び加工性に優れた潤滑処理鋼板 |
-
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- 2018-06-11 JP JP2018111235A patent/JP7046317B2/ja active Active
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