JP2009120911A - 表面処理剤及び表面処理鋼板 - Google Patents

表面処理剤及び表面処理鋼板 Download PDF

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英宏 山口
Tatsuya Suzuki
龍也 鈴木
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Abstract

【課題】 皮膜表面の特性を改質し、耐指紋性に優れる表面特性を有する皮膜を形成する表面処理剤、及び当該表面特性を有する皮膜が形成された表面処理鋼板を提供することを目的とする。
【解決手段】 金属材料表面に耐指紋性に優れた有機皮膜、無機皮膜もしくは有機無機複合皮膜を形成できる皮膜及び/又は皮膜が形成された金属材料が、皮膜形成後の光反射率、皮膜形成後の表面自由エネルギーの少なくとも1つが特定の範囲を満たす表面処理剤、前記表面特性を有する皮膜が形成された金属材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐指紋性に優れる表面特性を有する皮膜を形成する表面処理剤、及び当該表面特性を有する皮膜が形成された表面処理鋼板に関する。
一般に、亜鉛めっき系鋼板、ステンレス鋼板及びアルミニウム材などには、加工時の作業性や意匠性の観点から表面処理として耐指紋処理が施される。これら耐指紋皮膜は、アクリル樹脂やウレタン樹脂などの有機樹脂皮膜などで構成され、耐食性や機械的特性、加工性付与の目的から、コロイダルシリカやポリエチレンワックスなどを配合し、実用に供されている。
従来技術としては、特許文献1に、必須成分として6価クロムイオン又は6価クロムイオンと3価クロムイオン、下記のアクリル系重合体エマルジョン(a)及び、潤滑成分として平均粒径が7.0μm以下であるポリエチレンワックスを乳化剤なしに水又は水溶液に分散させたポリエチレンワックス水性ディスパージョン(b)を含有する水系金属表面処理組成物であって、該組成物中の全クロム量に対するアクリル系重合体エマルジョン(a)の固形分重量比が0.2〜600であり、且つ、該組成物中の全固形分に対するポリエチレンワックス水性ディスパージョン(b)の固形分重量比が0.01〜0.50であることを特徴とする潤滑性に優れた水系金属表面処理組成物に関する技術が開示されている。しかしながら耐指紋性に関しての表面特性の調整は行っておらず、また言及もされていない。
これに対して、クロムフリー技術として、特許文献2に、水性媒体と、この水性媒体に溶解もしくは分散された下記成分(A)マンガンイオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、ニッケルイオン、チタンイオン、バナジウムイオン及びジルコニウムイオンよりなる群から選ばれる2価以上の金属イオン、(B)少なくとも4個のフッ素原子と、チタン、ジルコニウム、ケイ素、ハフニウム、アルミニウム及びホウ素よりなる群から選ばれる少なくとも1個の元素を有するフルオロ酸、(C)活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基及びメタクリロキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1個の反応性官能基を有するシランカップリング剤、及び(D)カチオン性もしくはノニオン性の、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を樹脂成分とする水系エマルジョン樹脂とを含有する金属材料表面処理用組成物に関する技術が開示されている。本技術においてもクロムフリー技術である他は耐指紋性に及ぼす影響については言及していない。
また特許文献3には、耐指紋性向上のための被覆層が少なくとも片面に設けられた表面処理鋼板において、該表面処理鋼板の被覆面の全反射率R1と、表面処理前の原板の全反射率R0が、R1≦0.80R0(ここで、R0:原板の全反射率R1:表面処理鋼板の全反射率)を満足することを特徴とする耐指紋性に優れた表面処理鋼板及びその製造方法が開示されている。本技術は、表面処理前後の反射率に関して述べているものであるが、有機系表面処理によって表面反射率が低下することは極めて自然であり、表面の改質に係わる技術発明ではない。
特開平6−146002 特開2005−120469 特開平9−228074
このように耐指紋性が皮膜表面における現象であるにもかかわらず、皮膜表面の特性を改質する条件は明確でない。
本発明は、従来技術の有する前記課題点を解決して、耐指紋性に優れる表面特性を有する皮膜を形成する表面処理鋼板、当該表面特性を有する皮膜を形成するための表面処理剤及び表面処理鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らはこれらの問題を解決すべく鋭意検討を重ねてきた結果、本発明の表面処理剤により形成された皮膜及び/又は皮膜が形成された金属材料が、皮膜形成後の光反射率、皮膜形成後の表面自由エネルギーの少なくとも1つが特定の範囲を満たすこと、更に好適には皮膜形成前後の明度差が特定の範囲を満たすことで、金属材料表面に耐指紋性に優れた有機皮膜、無機皮膜もしくは有機無機複合皮膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明(1)は、
表面処理剤によって表面に皮膜が形成された金属材料の表面特性が
(1)皮膜形成後の光反射率Rが20%〜70%
(2)皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜40mN/m
の少なくとも1つを満たすことを特徴とする表面処理金属材料である。ここで、本明細書にいう「表面処理剤」は、表面処理のために用いられる薬剤であれば特に限定されず、水系表面処理剤、溶剤系表面処理剤、粉体表面処理剤を挙げることができる。
本発明(2)は、
表面処理剤によって表面に皮膜が形成された金属材料の表面特性が
(1)’皮膜形成後の光反射率Rが15%〜70%
(2)’皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜50mN/m
のいずれも満たすことを特徴とする表面処理金属材料である。
本発明(3)は、前記表面特性が、
(3)皮膜形成前の明度Lと皮膜形成後の明度Lの差L−Lが−10〜−2
を更に満たす、前記発明(1)又は(2)の表面処理金属材料である。
本発明(4)は、前記表面処理剤が、フッ素含有界面活性剤、ケイ素含有界面活性剤、並びに/又は、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、1〜3級アミノ基、4級アミン塩及びポリエチレンオキサイド鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性官能基を有する界面活性剤(T)を含有する、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの表面処理金属材料である。
本発明(5)は、前記金属材料が、鉄、鉄基合金、ステンレス合金、アルミニウム、アルミニウム基合金、銅、銅基合金、マグネシウム、マグネシウム基合金及びこれらの金属材上にめっきを施しためっき材からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、かかる金属材料の算術平均表面粗さRaが、0.1〜2.0μmである、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの表面処理金属材料である。
本発明(6)は、前記表面処理剤が、添加成分として着色性を有する分散物もしくは溶解物(S)を含有する、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの表面処理金属材料である。
本発明(7)は、前記金属材料が、電気亜鉛系めっき材又は溶融亜鉛系めっき材である、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの表面処理金属材料である。
本発明(8)は、前記表面処理剤にて形成された皮膜が、有機皮膜、無機皮膜又は有機無機複合皮膜である、前記発明(1)〜(7)のいずれか一つの表面処理金属材料である。
本発明(9)は、前記表面処理剤の有機成分(R)が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの表面処理金属材料である。
本発明(10)は、前記表面処理剤が水系表面処理剤である、前記発明(1)〜(9)のいずれか一つの表面処理金属材料である。ここで、本明細書にいう「水系」とは、溶媒に水単独もしくは水と水溶性溶剤の混合溶媒を用いたものを指す。尚、混合溶媒の場合、(皮膜固形分を除いた)溶媒分の50質量%以上が水であることが好適である。
本発明(11)は、金属材料表面に皮膜を形成させる表面処理剤において、
(1)皮膜形成後の光反射率Rが20%〜70%
(2)皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜40mN/m
の少なくとも1つを満たす表面特性を、表面に皮膜が形成された金属材料に付与し得ることを特徴とする表面処理剤である。
本発明(12)は、金属材料表面に皮膜を形成させる表面処理剤において、
(1)’皮膜形成後の光反射率Rが15%〜70%
(2)’皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜50mN/m
のいずれも満たす表面特性を、表面に皮膜が形成された金属材料に付与し得ることを特徴とする表面処理剤である。
本発明(13)は、
(3)膜形成前の明度Lと皮膜形成後の明度Lの差L−Lが−10〜−2
の表面特性を、表面に皮膜が形成された金属材料に更に付与し得る、前記発明(11)又は(12)の表面処理剤である。
本発明(14)は、添加成分として、フッ素含有界面活性剤、ケイ素含有界面活性剤、並びに/又は、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、1〜3級アミノ基、4級アミン塩及びポリエチレンオキサイド鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性官能基を有する界面活性剤(T)を含有する、前記発明(11)〜(13)のいずれか一つの表面処理剤である。
本発明(15)は、添加成分として着色性を有する分散物もしく溶解物(S)を含有する、前記発明(11)〜(14)のいずれか一つの表面処理剤である。
本発明(16)は、前記皮膜が、有機皮膜、無機皮膜又は有機無機複合皮膜である、前記発明(11)〜(15)のいずれか一つの表面処理剤である。
本発明(17)は、前記表面処理剤の有機成分(R)が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記発明(11)〜(16)のいずれか一つの表面処理剤である。
本発明(18)は、前記表面処理剤が水系表面処理剤である、前記発明(11)〜(17)のいずれか一つの表面処理剤である。
本発明(19)は、前記発明(11)〜(18)のいずれか一つの表面処理剤を金属材料の表面に適用し、最高到達板温度が50〜250℃の範囲で乾燥させ、前記表面に皮膜量として0.05〜2.0g/mの皮膜を形成させることを特徴とする表面処理金属材料の製造方法である。ここで、本明細書にいう「適用」とは、例えば塗布等を指し、より具体的には、スプレー処理、浸漬処理、流しかけ処理、ロールコート法又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
本発明(20)は、皮膜形成処理工程の前工程として、エッチングによる表面洗浄工程を有する、前記発明(19)の表面処理金属材料の製造方法である。
本発明の表面処理金属材料は耐指紋性に優れる。
以下、本発明の最良形態を説明する。ここで、最良形態として水系表面処理剤を例に採り説明するが、本発明は当該タイプに限定されず、水系以外のすべてのタイプの表面処理剤が包含される。
本発明の水系表面処理剤は、金属材料表面に耐指紋性に優れた有機皮膜、無機皮膜もしくは有機無機複合皮膜を形成させる水系表面処理剤であって、かかる水系処理剤によって形成された皮膜及び/又は皮膜が形成された金属材料の表面特性が
(1)皮膜形成後の光反射率Rが20%〜70%
(2)皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜40mN/m
の少なくとも1つを満たす必要があり、
(3)膜形成前の明度Lと皮膜形成後の明度Lの差L−Lが−10〜−2
を更に満たすことが好適である。
前記皮膜形成後の光反射率Rは20%〜70%であることが必要であり、30%〜65%であることが好ましく、40〜60であることがより好ましい。当該皮膜形成後の光反射率Rが20%未満もしくは70%を超えるものは、指紋付着部を通過した入射光と反射光の強度差と指紋未着部の入射光と反射光の強度差が大きくなるため、耐指紋性が得られないため好ましくない。
ここでいう光反射率は、JIS−K7105等で規定される光の物性の一つであり、その定義は、物体に入射する光量に対して、物体によって反射する全方向の光量の割合である。全反射率は、例えば日本電色株式会社製色差計あるいは株式会社島津製作所製可視紫外分光光度計を用い、被験物体から反射した光を積分球を用いて集光する方法等により測定することができる。
前記皮膜表面の表面自由エネルギーEは5〜40mN/mであることが必要であり、5〜35であることが好ましく、10〜30であることがより好ましい。当該表面自由エネルギーEが5mN/m未満であると、塗装密着性などが著しく低下するため好ましくなく、40mN/mより大きいと、耐指紋性が得られないため好ましくない。
ここでいう表面自由エネルギーは、水、ヨウ化メチレンを用いて接触角計により、皮膜上のそれぞれの接触角(θ1及びθ2)を測定する。次いで、下式(2)に前記接触角の値と水またはヨウ化メチレンの表面自由エネルギーの値とを代入し、得られた2つの式からなる連立方程式を解いてγsd及びγspを求める。そして、γsdとγspの和が樹脂成形板の表面自由エネルギーγsである。
{(1+cosθ)・γl}/2=(γsd・γld)1/2+(γsp・γlp)1/2(1)
(式中、γlは液体の表面自由エネルギーであり、γld、γlpは各々分散力及び極性力成分であって、γl=γld+γlpである。)
なお、水の表面自由エネルギーの分散力成分、極性力成分は各々21.8、51.0mJ/m、ヨウ化メチレンの表面自由エネルギーの分散力成分、極性力成分は各々48.5、2.3mJ/mとして計算した。
前記皮膜形成前の明度Lと皮膜形成後の明度Lの差L−Lは−10〜−2であることが好ましく、−8〜−3であることがより好ましく、−7〜−4であることが更に好ましい。当該皮膜形成前の明度Lと皮膜形成後の明度Lの差L−Lが−2より大きいと耐指紋性が得られないため好ましくなく、−10より小さいと被表面処理材の意匠性が得られないため好ましくない。
ここでいう明度L0及びLは、JIS−Z8722に順じ、市販の採色色差計にてダブルビーム方式や交照測光方式によりXYZ表色系にて測定した数値をLab表色系に換算したもの、また直接Lab表色系にて測定したものを用いることができる。
前記皮膜形成後の光反射率R及び皮膜表面の表面自由エネルギーEは、それぞれ独立に発明を実施するための最良の形態が存在する。これらの表面特性は、少なくとも1つ満たしていればよく、複数満たしていてもよい。尚、上述した光反射率と表面自由エネルギーの数値範囲は、それぞれが独立して耐指紋性を発揮させる場合を想定したものである。したがって、光反射率と表面自由エネルギーとの組み合わせで耐指紋性を発揮させる場合には、上述した数値範囲よりも広くてもよく、(1)’光反射率が15〜70%、(2)’表面自由エネルギーEは5〜50mN/mである。
また、本発明の金属材料は、鉄、鉄基合金、アルミニウム、アルミニウム基合金、銅、銅基合金、マグネシウム、マグネシウム基合金及びこれらの金属材上にめっきを施しためっき材からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、かかる金属材料の算術平均表面粗さRaが、0.1〜2.0μmであることが好ましい。前記金属材料の算術平均表面粗さRaは、0.2〜1.5μmであることがより好ましく、0.4〜1.0μmであることがより一層好ましい。前記表面粗さRaが0.1μm未満であると、素材表面の光沢や色調が皮膜に対して支配的になり、皮膜の効果が得られにくくなるため、十分な耐指紋性が得られない。逆に2.0μmを超えると皮膜が表面を被覆しきれないため皮膜の効果が得られなくなり、耐指紋性が得られない。
ここでいう表面粗さは、触針式表面粗度計を用いて測定することができ、その条件は、先端曲率半径:1μm、走査速度:0.3mm/sであり、JIS B 0601−1994で規定される算術平均粗さRaはカットオフ値:0.8mmで算出したものなどを使用できる。
また、金属材料が電気亜鉛系めっき材もしくは溶融亜鉛系めっき材であることが好ましい。亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−ニッケルめっき鋼板、亜鉛−鉄めっき鋼板、亜鉛−クロムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウムめっき鋼板、亜鉛−チタンめっき鋼板、亜鉛−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−マンガンめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−シリコンめっき鋼板等の亜鉛系めっき鋼板、さらにはこれらのめっき層に少量の異種金属元素又は不純物としてコバルト、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、ビスマス、アンチモン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等を含有したもの、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機物を分散させたものが含まれる。更には以上のめっきと他の種類のめっき、例えば鉄めっき、鉄−りんめっき、ニッケルめっき、コバルトめっき等と組み合わせた複層めっきにも適用可能である。めっき方法は特に限定されるものではなく、公知の電気めっき法、溶融めっき法のいずれの方法でもよい。
このように、使用する金属材料を選択(又は前処理)することにより、各パラメータ値をコントロールして耐指紋性を発揮させることができる。例えば、(1)の光反射率Rに関しては、例えば、表面粗さが前述の好適範囲である金属材料を使用すればよい。
また、前記表面処理剤にて形成された皮膜は、有機皮膜、無機皮膜もしくは有機無機複合皮膜である。ここで、無機系成分としては、特に限定するものではないが、ジルコニウム化合物、ケイ素化合物及びチタン化合物などが挙げられる。一方、前記表面処理剤の有機成分(R)は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。特に限定するものではないが、ウレタン樹脂としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリオールと脂肪族、脂環式もしくは芳香族ポリイソシアネートとの縮重合物などが挙げられる。アクリル樹脂としては、例えばメチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アミノエチルメタクリレートなどのアクリルエステル、メタクリルエステルのホモポリマー、コポリマーと、これらと共重合可能なモノマー、例えばスチレン、アクリロニトリル、マレイン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアリルアミンなどとの共重合物が挙げられる。これらは通常、活性剤、反応型乳化剤などを用いた乳化重合によって得られる水系エマルジョンであり、水溶性高分子を乳化剤に用いたソープフリー型のものも使用することができる。エポキシ樹脂は、ビスフェノール型、特にビスフェノールA型エポキシ化合物もしくはその他のグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。フェノール樹脂としては、フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのフェノール系化合物をホルマリンで縮合したフェノール樹脂を主骨格構造とするもので、フェノールと重合し得る他のモノマーとの共重合を含む、直鎖状の化合物だけでなく3次元的に縮合した形の化合物などが挙げられる。エステル樹脂としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのポリオール成分とテレフタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸との重縮合物であるポリエステル樹脂などが挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、エチレンとアクリル酸、もしくはメタクリル酸との共重合体をアンモニアを用いて水分散させたもの、エチレンとビニルアルコールの共重合体を界面活性剤で強制乳化したものなどが挙げられる。
また、前記表面処理剤にて形成された皮膜は、有機もしくは有機無機複合皮膜であることが好ましい。
さらに、前記表面処理剤にて形成された皮膜が、添加成分として着色性を有する分散物もしくは溶解物(S)を含有することが好ましく、着色性を有する分散物であることがより好ましい。前記着色性を有する分散物としては、特に限定するものではないが、モノアゾイエローなどのアゾ顔料、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの縮合多環式顔料の有機系顔料、及びカーボンブラック、酸化鉄などの無機系顔料等の着色顔料等が挙げられる。着色性を有する溶解物としては、アゾ系染料、またはフタロシアニン系染料が挙げられる。
前記アゾ系染料としては、特に限定するものではないが、C.I.アシッドブラック1番、24番、26番、234番、ダイレクトブラック19番、22番、51番、150番、166番、168番、195番、フードブラック1番、2番、モルダントブラック3番、9番、11番、アシッドブルー92番、113番、117番、193番、ダイレクトブルー1番、14番、71番、78番、93番、218番、273番、ダイレクトブルー、モルダントブルー7番、13番、アシッドオレンジ5番、7番、20番、24番、65番、ダイレクトレッド23番、28番、75番、80番、81番、239番、253番、アシッドレッド1番、2番、7番、9番、13番、14番、18番、26番、27番、32番、33番、37番、42番、57番、68番、88番、111番、112番、134番、138番、154番、183番、186番、249番、265番、337番、フードレッド1番、6番、7番、9番、モルダントレッド7番、19番、30番、アシッドバイオレット5番、アシッドイエロー9番、11番、17番、23番、25番、36番、38番、40番、42番、44番、49番、56番、65番、76番、127番、151番、186番、フードイエロー3番、4番、ダイレクトイエロー12番、22番、27番、28番、29番、50番、51番、59番、86番、137番、147番、モルダントイエロー1番、5番、30番 ダイレクトファーストブラウン(Direct Fast Brown)BX、ダイレクトファーストブラウン(Direct Fast Brown)M、ダイレクトファーストレッド(Direct Fast Red)3B、ダイレクトファーストイエロー(Direct Fast Yellow)5GL、ダイレクトピュアイエロー(Direct Pure Yellow)5G、ダイレクトスカーレット(Direct Scarlet)B、ダイレクトスカイブルー(Direct Sky Blue)等を挙げることができる。またフタロシアニン系染料の例としては、特に限定するものではないが、銅フタロシアニンテトラスルホン酸ナトリウム、銅フタロシアニントリスルホン酸ナトリウム、銅フタロシアニンジスルホン酸ナトリウム、銅フタロシアニンモノスルホン酸ナトリウム及びこれらの混合物、ポリハロゲン化銅フタロシアニンテトラスルホン酸ナトリウム、ポリハロゲン化銅フタロシアニントリスルホン酸ナトリウム、ポリハロゲン化銅フタロシアニンジスルホン酸ナトリウム、ポリハロゲン化銅フタロシアニンモノスルホン酸ナトリウム及びこれらの混合物などを挙げることができる。
また、前記表面処理剤にて形成された皮膜が、フッ素含有界面活性剤、ケイ素含有界面活性剤、並びに/又は、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、1〜3級アミノ基、4級アミン塩及びポリエチレンオキサイド鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性官能基を有する界面活性剤(T)を含有することが好ましい。
フッ素含有界面活性剤としては、特に限定するものではないが、カチオン性、アニオン性、両性、ノニオン性のいずれでもよい。カチオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウムヨウ化物のようなパーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩類が挙げられるアニオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウム塩、パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウム塩等のパーフルオロアルキルスルホン酸塩類、パーフルオロアルキルカルボン酸アンモニウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸カリウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸ナトリウム塩等のパーフルオロアルキルカルボン酸塩類、パーフルオロアルキルナフタレンスルホン酸塩類、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩類、パーフルオロアルキルジアリルスルホン酸塩類、パーフルオロアルキル燐酸エステル類等が挙げられる。両性フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩(パーフルオロアルキルベタイン)類が挙げられる。ノニオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエステル類、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・親油基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・親油基含有ウレタン、パーフルオロアルキルオリゴマー、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキル基含有シリコーンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ケイ素系界面活性剤としては、特に限定するものではないが、従来公知のものを用いることができる。このケイ素系界面活性剤の例としては、商品名SI−10シリーズ(竹本油脂社製)、メガファックペインタッド31(大日本インキ化学工業社製)のようなアルキルシロキサン基とエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基が結合した非イオン性ケイ素系界面活性剤が挙げられる。
カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、1〜3級アミノ基、4級アミン塩及びポリエチレンオキサイド鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性官能基を有する界面活性剤としては、特に限定するものではないが、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(アルキルは通常C6〜C16、アリールは通常フェニル)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル(アルキルは通常C6〜C16、アリールは通常フェニル)、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル(アルキルは通常C6〜C16)、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル(通常モノエステル)(高級脂肪酸は通常C12〜C18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル(モノもしくはジエステル)(高級脂肪酸は通常C12〜C18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩(高級脂肪酸は通常C12〜18の飽和もしくは不飽和一価脂肪酸)、アルキル硫酸エステル塩(アルキルは通常C12〜18のアルキル)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(アルキルは通常C11〜15のアルキル)、アルキルナフタレンスルホン酸塩(アルキルは通常C4程度のアルキル)、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩(2つのアルキルの合計炭素数が通常10〜20)、アルキルリン酸エステル塩(アルキルは通常C12〜18のアルキル)、ホルマリン縮合ナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩(アルキルは通常C8またはC9のアルキル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸エステル塩(アルキルは通常C8またはC9のアルキル)等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミンアセテート、アルキルアミン塩酸塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、アルキルアミノカルボン酸塩等が挙げられる。
また、上記の表面処理金属材料を形成することを特徴とする表面処理剤に関しては、当該表面処理剤にて形成された皮膜の表面特性が
(1)皮膜形成後の光反射率Rが20%〜70%
(2)皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜40mN/m
の少なくとも1つを満たし、更に
(3)膜形成前の明度L0と皮膜形成後の明度Lの差L−L0が−10〜−2
を満たすことが好ましい。但し、皮膜自体がこのような表面特性を有していなくても、その下に存在する金属材料との組み合わせにおいて、表面処理金属材料が(1)〜(3)のパラメータ値が上述の範囲内であれば、本発明での耐指紋性は発揮される。
当該表面処理剤は、溶媒である水もしくは水と溶剤(例えばアルコール)との混合溶媒に、上述した無機系成分や有機成分、着色性を有する分散物又は溶解物、界面活性剤等を含有する。ここで、どのような成分をどの程度添加するかを決定するに際しては、当該表面処理剤を実際に使用し、当該表面処理金属材料の表面特性が、前述の(1)及び/又は(2){更に好ましくは(3)も}で規定したパラメータ値内に入っているか否かを確認した上で決定する。以下、水系表面処理剤である本例に関し、各パラメータ内にコントロールする手法例を述べることとする。尚、以下で述べる手法はあくまで一例に過ぎず、公知の表面処理剤に添加され得る他の成分もこれらパラメータ値の調整に関与し得る。
まず、パラメータ(1)の光反射率Rに関して説明する。光反射率を上げるには、例えば、メタリック顔料(例えば、銀ペーストやAlペースト)を添加することで達成できる。他方、光反射率を下げるには、例えば、防眩剤(例えばSiO)を添加すればよい。
次に、パラメータ(2)の表面自由エネルギーEに関して説明する。表面自由エネルギーを上げるには、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、1〜3級アミノ基、4級アミン塩及びポリエチレンオキサイド鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性官能基を有する界面活性剤を添加することで達成できる。他方、表面自由エネルギーを下げるには、例えば、フッ素含有界面活性剤やケイ素含有界面活性剤を添加すればよい。
次に、パラメータ(3)の明度の差L−Lについて説明する。明度の差を下げるには、例えば、白以外の顔料・染料を添加すれば達成できる。例えば、アゾ系染料を用いる場合には、黄色以外のアゾ系染料を使用する。他方、明度の差を上げるには、白の顔料、例えば、チタン白や酸化亜鉛を添加すればよい。
本発明に用いる水系金属表面処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、塗工性を向上させるためのレベリング剤や水溶性溶剤、金属安定化剤、エッチング抑制剤及びpH調整剤などを使用することが可能である。レベリング剤としては、ノニオンまたはカチオンの界面活性剤として、ポリエチレンオキサイドもしくはポリプロピレンオキサイド付加物やアセチレングリコール化合物などが挙げられ、水溶性溶剤としてはエタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール及びプロピレングリコールなどのアルコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのセロソルブ類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンなどのケトン類が挙げられる。金属安定化剤としては、EDTA、DTPAなどのキレート化合物が挙げられ、エッチング抑制剤としては、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミン、グアニジン及びピリミジンなどのアミン化合物類が挙げられる。特に一分子内に2個以上のアミノ基を有するものが金属安定化剤としても効果があり、より好ましい。pH調整剤としては、酢酸及び乳酸などの有機酸類、フッ酸などの無機酸類、アンモニウム塩やアミン類などが挙げられる。
本発明の水系表面処理剤によって形成される皮膜は、当該水系表面処理剤を塗布し、50℃より高く250℃未満の到達温度で乾燥を行い、乾燥後の皮膜重量が0.05〜2.0g/mであることが好ましい。乾燥温度については、到達温度で50℃より高く250℃未満であることが好ましく、70℃〜200℃であることが更に好ましく、100℃〜180℃であることが最も好ましい。到達温度が50℃以下であると、当該水系表面処理剤の溶媒が完全に揮発しないため好ましくない。逆に250℃以上となると、当該水系表面処理剤にて形成された皮膜の一部が分解するため好ましくない。皮膜量に関しては、0.05〜2.0g/mであることが好ましく、0.1〜1.5g/mであることが更に好ましく、0.2〜1.2g/mであることが最も好ましい。皮膜量が0.01g/m以下であると、素材表面を被覆しきれず、耐指紋性が得られないため好ましくなく、2.0g/m以上であると、コストが高くなるため好ましくない。
また、前記皮膜処理金属材料の製造工程において、皮膜形成処理工程の前工程として、エッチングよる表面洗浄工程を有することが好ましい。エッチング液に関しては、特に限定するのもではなく、対象材によって異なるが、例えば電気亜鉛めっき材においては、pH3以下の酸もしくはpH11以上のアルカリが好ましい。pHが3を超え、11未満であると十分な表面形状の平滑化ができないため好ましくない。ここでいう表面形状の清浄化とは、金属材料表面に存在する突起部を平滑にする作用を指し、この清浄化作用により耐指紋性が向上する。
ここで、製造条件を適宜調整することによっても、各パラメータ値をコントロールすることが可能である。例えば、(1)の光反射率Rに関しては、光反射率を上げるには、前述のエッチングによる表面洗浄を実施することにより達成可能である。他方、光反射率を下げるには、例えば、ブラスト処理を実施すればよい。
本発明の水系表面処理剤は、極めて優れた耐指紋性を有する。この理由は以下のように推測されるが、本発明はかかる推測に縛られるものではない。
まず、指紋が付着した場合の状態を考える。素材上に存在する指紋すなわち皮脂膜によって入射光が乱反射し、反射光強度が下がるため指紋付着部が黒く(暗く)浮き出ると考えられる。換言すると、指紋が付着した場合は、付着した指紋を認識できない状態にすることで耐指紋性が良好となるのである。一方、指紋そのものを付着させなくすれば耐指紋性は良好となる。これについては、皮膚から素材へ生じる皮脂の転写現象を制御すれば良く、表面自由エネルギーを調整することで制御可能である。
本発明の水系表面処理剤にて形成された皮膜において、皮膜形成前の明度Lと皮膜形成後の明度Lの差L−Lが−10〜−2の範囲であると、指紋が付着した場合の明度差を小さくするため耐指紋性が良好となるものと考えられる。また、皮膜形成後の光反射率Rが20%〜70%の範囲であると、指紋が付着しても指紋を通過した反射光の強度が低下しにくいため耐指紋性が良好となるものと考えられる。一方、皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜40mN/mであると、指紋が付着しないため耐指紋性が良好となるものと考えられる。
以下に本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。試験板の調製、実施例及び比較例、及び金属材料用表面処理剤の塗布の方法について下記に説明する。
〔試験板の調整〕
(1)試験素材
下記に示した市販の素材を用いた。
・電気亜鉛めっき鋼板(EG):板厚=0.8mm、目付量=20/20(g/m
(2)脱脂処理
素材を、シリケート系アルカリ脱脂剤のファインクリーナー4336(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を用いて、濃度20g/L、温度60℃の条件で2分間スプレー処理し、純水で30秒間水洗したのちに乾燥したものを試験板(Ra=1.0μm)とした。
実施例及び比較例に使用した成分を表1〜2に、配合例及び処理条件を表3に示す。尚、全体に対する固形分としてAを20質量%とし、これに対するBの配合量が表中に記載された量である。尚、剤におけるAの配合量は、10〜30%程度とした。また、表3中の皮膜量の単位はmg/mである。
〔評価方法〕
色差計にて、ワセリン塗布前後のL値増減(△L)を測定した。
<評価基準>
◎=△Lが0.5未満
○=△Lが0.5以上1.0未満
△=△Lが1.0以上2.0未満
×=△Lが2.0以上
評価結果を表3に示す。表3の本発明の水系表面処理剤にて形成された皮膜は、極めて優れた耐指紋性を有することがわかる。
Figure 2009120911
Figure 2009120911
Figure 2009120911

Claims (20)

  1. 表面処理剤によって表面に皮膜が形成された金属材料の表面特性が
    (1)皮膜形成後の光反射率Rが20%〜70%
    (2)皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜40mN/m
    の少なくとも1つを満たすことを特徴とする表面処理金属材料。
  2. 表面処理剤によって表面に皮膜が形成された金属材料の表面特性が
    (1)’皮膜形成後の光反射率Rが15%〜70%
    (2)’皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜50mN/m
    のいずれも満たすことを特徴とする表面処理金属材料。
  3. 前記表面特性が、
    (3)皮膜形成前の明度Lと皮膜形成後の明度Lの差L−Lが−10〜−2
    を更に満たす、請求項1又は2記載の表面処理金属材料。
  4. 前記表面処理剤が、フッ素含有界面活性剤、ケイ素含有界面活性剤、並びに/又は、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、1〜3級アミノ基、4級アミン塩及びポリエチレンオキサイド鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性官能基を有する界面活性剤(T)を含有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の表面処理金属材料。
  5. 前記金属材料が、鉄、鉄基合金、ステンレス合金、アルミニウム、アルミニウム基合金、銅、銅基合金、マグネシウム、マグネシウム基合金及びこれらの金属材上にめっきを施しためっき材からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、かかる金属材料の算術平均表面粗さRaが、0.1〜2.0μmである、請求項1〜4のいずれか一項記載の表面処理金属材料。
  6. 前記表面処理剤が、添加成分として着色性を有する分散物もしくは溶解物(S)を含有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の表面処理金属材料。
  7. 前記金属材料が、電気亜鉛系めっき材又は溶融亜鉛系めっき材である、請求項1〜6のいずれか一項記載の表面処理金属材料。
  8. 前記表面処理剤にて形成された皮膜が、有機皮膜、無機皮膜又は有機無機複合皮膜である、請求項1〜7のいずれか一項記載の表面処理金属材料。
  9. 前記表面処理剤の有機成分(R)が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれか一項記載の表面処理金属材料。
  10. 前記表面処理剤が水系表面処理剤である、請求項1〜9のいずれか一項記載の表面処理金属材料。
  11. 金属材料表面に皮膜を形成させる表面処理剤において、
    (1)皮膜形成後の光反射率Rが20%〜70%
    (2)皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜40mN/m
    の少なくとも1つを満たす表面特性を、表面に皮膜が形成された金属材料に付与し得ることを特徴とする表面処理剤。
  12. 金属材料表面に皮膜を形成させる表面処理剤において、
    (1)’皮膜形成後の光反射率Rが15%〜70%
    (2)’皮膜表面の表面自由エネルギーEが5〜50mN/m
    のいずれも満たす表面特性を、表面に皮膜が形成された金属材料に付与し得ることを特徴とする表面処理剤。
  13. (3)膜形成前の明度Lと皮膜形成後の明度Lの差L−Lが−10〜−2
    の表面特性を、表面に皮膜が形成された金属材料に更に付与し得る、請求項11又は12記載の表面処理剤。
  14. 添加成分として、フッ素含有界面活性剤、ケイ素含有界面活性剤、並びに/又は、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、1〜3級アミノ基、4級アミン塩及びポリエチレンオキサイド鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性官能基を有する界面活性剤(T)を含有する、請求項11〜13のいずれか一項記載の表面処理剤。
  15. 添加成分として着色性を有する分散物もしく溶解物(S)を含有する、請求項11〜14のいずれか一項記載の表面処理剤。
  16. 前記皮膜が、有機皮膜、無機皮膜又は有機無機複合皮膜である、請求項11〜15のいずれか一項記載の表面処理剤。
  17. 前記表面処理剤の有機成分(R)が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項11〜16のいずれか一項記載の表面処理剤。
  18. 前記表面処理剤が水系表面処理剤である、請求項11〜17のいずれか一項記載の表面処理剤。
  19. 請求項11〜18のいずれか一項記載の表面処理剤を金属材料の表面に適用し、最高到達板温度が50〜250℃の範囲で乾燥させ、前記表面に皮膜量として0.05〜2.0g/mの皮膜を形成させることを特徴とする表面処理金属材料の製造方法。
  20. 皮膜形成処理工程の前工程として、エッチングによる表面洗浄工程を有する、請求項19記載の表面処理金属材料の製造方法。
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JP2013500603A (ja) * 2009-07-27 2013-01-07 マクダーミッド アキューメン インコーポレーテッド シリコンの表面処理
JP2014061689A (ja) * 2012-03-01 2014-04-10 Kobe Steel Ltd 着色樹脂塗装金属板
JP2019526705A (ja) * 2016-09-01 2019-09-19 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション 化成皮膜および製造方法

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