JP7043750B2 - SiC-MOSFET - Google Patents

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Description

本明細書で開示する技術は、半導体材料としてSiC(炭化ケイ素)を用いたMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)に関する。
半導体材料としてSiCを用いたMOSFET(以下、SiC-MOSFETという)の実用化に向けた開発が進められている。SiC-MOSFETでは、通電に起因してSiC結晶内で欠陥(例えば積層欠陥)が成長し、それによってボディダイオードの順電圧が経時的に劣化(即ち、上昇)することが知られている。この問題に関して、n+型のドレイン層とn-型のドリフト層との間に、n型のバッファ層を設ける構造が提案されている。このようなバッファ層を設けることで、結晶欠陥の発生や成長が抑制されることから、上述の通電に起因する劣化(以下、単に通電劣化という)を抑制することができる。これに関連する技術として、特許文献1には、バッファ層を有するSiCバイポーラ接合トランジスタが記載されている。
特表2011-503871号公報
バッファ層を厚く設計するほど、通電劣化を抑制することができるが、その分だけ抵抗成分も増大して、SiC-MOSFETのオン抵抗は増大する。オン抵抗を低下させるためには、ドリフト層を薄く設計することが考えられるが、ドリフト層が薄くなるほど、SiC-MOSFETの耐圧は低下する。このトレードオフの問題を鑑み、本明細書は、バッファ層を有するSiC-MOSFETにおいて、オン抵抗及び耐圧の両特性を改善し得る技術を開示する。
本明細書で開示される技術は、SiC-MOSFETに具現化される。このSiC-MOSFETは、SiC基板と、SiC基板の上面に設けられた上面電極と、SiC基板の下面に設けられた下面電極と、ゲート電極とを備える。SiC基板は、下面電極に接触しているn型のドレイン層と、ドレイン層上に積層されているとともに、ドレイン層よりもn型不純物の濃度が低いn型のバッファ層と、バッファ層上に積層されているとともに、バッファ層よりもn型不純物の濃度が低いn型のドリフト層と、ドリフト層上に積層されているとともに、上面電極に接触しているp型のボディ層と、上面電極に接触しているとともに、ボディ層を介してドリフト層から隔離されているn型のソース領域とを備える。ゲート電極は、ソース領域、ボディ層及びドリフト層に、ゲート絶縁膜を介して対向している。SiC基板は、平面視において、ボディ層を有するメイン部分と、メイン部分を取り囲むとともにボディ層を有さない外周部分とを有する。バッファ層とドリフト層との間の境界面は、外周部分においてメイン部分よりも下方に位置している。そして、外周部分におけるドリフト層の厚みが、メイン部分におけるドリフト層の厚みよりも大きくなっている。
上記したSiC-MOSFETでは、ドリフト層の厚みが、メイン部分において小さく、外周部分において大きくなっている。電流が流れるメイン部分において、ドリフト層が薄く形成されていると、その分だけ抵抗成分が低減されて、SiC-MOSFETのオン抵抗が改善される。その一方で、電界分布が不均一となりやすい外周部分では、ドリフト層が厚くなっており、それによって電界の局所的な増大が緩和されることから、SiC-MOSFETの耐圧が改善される。このように、上述した構造によると、オン抵抗及び耐圧の両特性を改善することができる。特に、バッファ層とドリフト層との間の境界面が、外周部分においてメイン部分よりも下方に位置することで、外周部分におけるドリフト層の厚みを、メイン部分に対して十分に大きくすることができる。
実施例1のMOSFET10の平面図。 図1中のII-II線における断面図であって、MOSFET10の断面構造を示す。 図2中におけるIII部の拡大図。 実施例1のMOSFET10の製造方法における一工程を説明する図。 実施例1のMOSFET10の製造方法における一工程を説明する図。 実施例1のMOSFET10の製造方法における一工程を説明する図。 実施例1のMOSFET10の製造方法における一工程を説明する図。 実施例2のMOSFET110の断面構造を示す。 実施例2のMOSFET110の製造方法における一工程を説明する図。 実施例2のMOSFET110の製造方法における一工程を説明する図。 実施例2のMOSFET110の製造方法における一工程を説明する図。 実施例2のMOSFET110の製造方法における一工程を説明する図。
本技術の一実施形態では、メイン部分におけるバッファ層の厚みが、外周部分におけるバッファ層の厚みよりも大きいとよい。このような構成によると、メイン部分と外周部分との間でドリフト層に与えた厚みの差分の一部又は全部を、バッファ層において吸収することができる。また、通電劣化は、電流が流れるメイン部分で主に生じることから、そのメイン部分でバッファ層が厚く形成されていると、通電劣化を効果的に抑制することができる。換言すると、外周部分についてはバッファ層が薄く形成されていても、通電劣化を抑制する効果に対する影響は比較的に小さい。また、外周部分におけるバッファ層を薄く形成することで、SiC-MOSFETの耐圧の向上を図ることもできる。
上記に加え、又は代えて、メイン部分におけるドレイン層の厚みが、外周部分におけるドレイン層の厚みよりも大きくてもよい。このような構成によると、メイン部分と外周部分との間でドリフト層に与えた厚みの差分の一部又は全部を、ドレイン層において吸収することができる。この場合、特に限定されないが、バッファ層の厚みについては、メイン部分と外周部分とで同一とすることができる。
一実施形態では、バッファ層及びドリフト層のそれぞれは、エピタキシャル成長層であってよい。バッファ層及びドリフト層をエピタキシャル成長によって形成すると、それぞれの層においてn型不純物の濃度を均一とすることができ、バッファ層とドリフト層との境界を明確に形成することができる。これにより、メイン部分と外周部分との間で、ドリフト層に意図した厚みの差を設けることができる。
図面を参照して、実施例1のMOSFET10について説明する。本実施例のMOSFET10は、半導体材料としてSiCを用いたSiC-MOSFETである。特に限定されないが、MOSFET10は、パワー半導体素子に属するものであり、例えば自動車において、コンバータやインバータといった電力変換回路のスイッチング素子に用いることができる。ここでいう自動車には、例えば、ハイブリッド車、燃料電池車又は電気自動車といった、車輪を駆動するモータを有する各種の自動車が含まれる。
図1、図2に示すように、MOSFET10は、SiC基板12と、SiC基板12の上面12aに設けられた上面電極14と、SiC基板12の下面12bに設けられた下面電極16と、複数のゲート電極18とを備える。上面電極14と下面電極16は、導電性を有する材料で構成されている。この材料には、特に限定されないが、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)、Au(金)といった金属材料を採用することができる。但し、上面電極14と下面電極16の具体的な構成については特に限定されない。上面電極14は、SiC基板12の上面12aにオーミック接触しており、下面電極16は、SiC基板12の下面12bにオーミック接触している。上面電極14の上には、保護膜24が形成されている。保護膜24は、SiC基板12の外周に沿って枠状に延びている。
図3に示すように、ゲート電極18は、SiC基板12の上面12aに形成されたトレンチ12t内に位置している。ゲート電極18は、導電性を有する材料で構成されており、その材料には、例えばポリシリコンを採用することができる。トレンチ12tの内面には、ゲート絶縁膜22が形成されており、ゲート電極18は、ゲート絶縁膜22を介してトレンチ12tの内面に対向している。ゲート絶縁膜22は、例えば酸化シリコンといった、絶縁性を有する材料で形成されている。上面電極14とゲート電極18との間には、層間絶縁膜20が介在しており、上面電極14とゲート電極18とは互いに絶縁されている。なお、層間絶縁膜20には、複数のコンタクトホール20aが形成されており、上面電極14は、コンタクトホール20aを通じてSiC基板12の上面12aに接触する。
ここで、SiC基板12の上面12aとは、SiC基板12の一つの表面を意味し、SiC基板12の下面12bとは、SiC基板12の他の一つの表面であって、上面12aとは反対側に位置する表面を意味する。本明細書において、「上面」及び「下面」という表現は、互いに反対側に位置する二つの表面を便宜的に区別するものであり、MOSFET10の製造時や使用時における姿勢を限定するものではない。
図2、図3に示すように、SiC基板12は、ドレイン層32、バッファ層34、ドリフト層36、ボディ層38、及び、複数のソース領域40を備える。ドレイン層32は、n型不純物(例えばリン)がドープされたn型の半導体領域である。ドレイン層32は、SiC基板12の下面12bに沿って位置しており、下面電極16に接触している。ドレイン層32におけるn型不純物の濃度は十分に高く、下面電極16はドレイン層32にオーミック接触している。
バッファ層34は、n型不純物がドープされたn型の半導体領域である。バッファ層34は、ドレイン層32上に積層されており、ドレイン層32に直接的に接触している。バッファ層34におけるn型不純物の濃度は、ドレイン層32におけるn型不純物の濃度よりも低く、例えば1/10以下である。ドリフト層36は、n型不純物がドープされたn型の半導体領域である。ドリフト層36は、バッファ層34上に積層されており、バッファ層34に直接的に接触している。ドリフト層36におけるn型不純物の濃度は、バッファ層34におけるn型不純物の濃度よりも低く、例えば1/10以下である。
ボディ層38は、p型不純物(例えばAl)がドープされたp型の半導体領域である。ボディ層38は、ドリフト36層上に積層されており、ドリフト36層と直接的に接触している。また、ボディ層38は、SiC基板12の上面12aにおいて上面電極14に接触している。なお、ボディ層38の上面電極14に接触する部分38aは、p型不純物の濃度が高められており、これによって上面電極14はボディ層38にオーミック接触している。ソース領域40は、n型不純物がドープされたn型の半導体領域である。ソース領域40は、SiC基板12の上面12aにおいて、上面電極14に接触している。また、ソース領域40は、ボディ層38を介してドリフト層36から隔離されている。ソース領域40におけるn型不純物の濃度は十分に高く、上面電極14はソース領域40にオーミック接触している。
トレンチ12tは、SiC基板12の上面12aから、ソース領域40及びボディ層38を通過して、ドリフト層36まで伸びている。ソース領域40は、トレンチ12tの両側に位置しており、トレンチ12tに隣接している。トレンチ12t内のゲート電極18は、ソース領域40、ボディ層38及びドリフト層36に、ゲート絶縁膜22を介して対向している。これにより、上面電極14に対してゲート電極18に正電圧が印加されると、ボディ層38のトレンチ12tに隣接する領域がn型に反転し、ソース領域40とドリフト層36との間を延びるn型のチャネルが、トレンチ12tに沿って形成される。この状態は、MOSFET10がターンオンされた状態であり、上面電極14と下面電極16との間が電気的に接続される。
ここで、本実施例のMOSFET10は、ゲート電極18がトレンチ12t内に配置されたトレンチ型ゲート構造を有するが、他の実施形態として、MOSFET10は、ゲート電極18がSiC基板12の上面12aに沿って配置されるプレーナ型ゲート構造を有してもよい。この場合、ゲート電極18は、SiC基板12の上面12aにおいて、ソース領域40、ボディ層38及びドリフト層36に、ゲート絶縁膜22を介して対向する。従って、ドリフト層36がSiC基板12の上面12aに現れるように、ボディ層38を形成する形状を適宜変更するとよい。
MOSFET10は、ボディダイオードを内蔵する。このボディダイオードは、pn接合型のダイオードであり、ボディ層38を含むp型の半導体領域と、ドリフト層36、バッファ層34及びドレイン層32を含むn型の領域とによって構成される。このボディダイオードは、上面電極14から下面電極16へ流れる電流を許容し、下面電極16から上面電極14へ流れる電流を禁止する。従って、MOSFET10がターンオフされた状態でも、下面電極16に対して上面電極14に正電圧が印加されたときは、上面電極14から下面電極16へ電流が流れる。MOSFET10のボディダイオードは、例えばフリーホイールダイオードとして利用することができる。
図1、図2に示すように、SiC基板12は、平面視において、メイン部分A1と、メイン部分A1を取り囲む外周部分A2とを有する。図1中の破線Bは、メイン部分A1と外周部分A2との間の境界の位置を示す。メイン部分A1は、ボディ層38を有する一方で、外周部分A2はボディ層38を有していない。ゲート電極18及びソース領域40についても、メイン部分A1のみに設けられており、外周部分A2には存在しない。従って、MOSFET10では、メイン部分A1において主に電流が流れ、外周部分A2では実質的に電流は流れない。なお、ドレイン層32、バッファ層34及びドリフト層36については、メイン部分A1と外周部分A2との両者に亘って設けられている。
上述したボディダイオードの動作は、電子とホールの両者がキャリアとなるバイポーラ動作である。バイポーラ動作を含むSiC-MOSFET10では、通電に起因してSiC結晶内で欠陥(例えば積層欠陥)が発生及び成長し、それによってボディダイオードの順電圧が経時的に劣化(即ち、上昇)することが知られている。この問題に関して、本実施例のMOSFET10では、ドレイン層32とドリフト層36との間にバッファ層34が設けられている。バッファ層34が存在することにより、結晶欠陥の発生及び成長が抑制されて、上述の通電に起因する劣化(通電劣化)が抑制される。
但し、バッファ層34が存在すると、その分だけ抵抗成分も増大することから、MOSFET10のオン抵抗は増大する。オン抵抗を低下させるためには、ドリフト層36を薄く設計することが考えられる。しかしながら、ドリフト層36が薄くなるほど、特に外周部分A2において、SiC-MOSFET10の耐圧(例えば降伏電圧)が低下する。このトレードオフの問題に関して、本実施例のMOSFET10では、図2に示すように、バッファ層34とドリフト層36との間の境界面35が、外周部分A2においてメイン部分A1よりも下方(即ち、下面12b側)に位置している。そして、外周部分A2におけるドリフト層36の厚みT2が、メイン部分A1におけるドリフト層36の厚みT1よりも大きくなっている。
即ち、ドリフト層36の厚みT1、T2は、メイン部分A1において小さく、外周部分A2において大きくなっている。電流が流れるメイン部分A1において、ドリフト層36が薄く形成されていると、その分だけ抵抗成分が低減されて、MOSFET10のオン抵抗が改善される。その一方で、電界分布が不均一となりやすい外周部分A2では、ドリフト層36が厚く形成されていると、電界の局所的な増大が緩和される。それにより、MOSFET10の耐圧も改善される。このように、本実施例の構造によると、バッファ層34を有するMOSFET10において、オン抵抗及び耐圧の両特性を改善することができる。特に、バッファ層34とドリフト層36との間の境界面35が、外周部分A2においてメイン部分A1よりも下方に位置することで、外周部分A2におけるドリフト層36の厚みT2を、メイン部分A1における厚みT1に対して、十分に大きくすることができる。
図2に示すように、本実施例のMOSFET10では、メイン部分A1におけるバッファ層34の厚みT3が、外周部分A2におけるバッファ層34の厚みT4よりも大きい。このような構成によると、メイン部分A1と外周部分A2との間でドリフト層36に与えた厚みの差分の一部又は全部を、バッファ層34において吸収することができる。また、通電劣化は、電流が流れるメイン部分A1で主に生じることから、そのメイン部分A1でバッファ層34が厚く形成されていれば、通電劣化を効果的に抑制することができる。換言すると、外周部分A2についてはバッファ層34が薄く形成されていても、通電劣化を抑制する効果に対する影響は比較的に小さい。また、外周部分A2におけるバッファ層34を薄く形成することで、MOSFET10の耐圧の向上を図ることもできる。
次に、図4-図7を参照して、MOSFET10の製造方法について説明する。但し、ここでは特に、上述した異なる厚みT1、T2を有するバッファ層34を形成するための工程について説明する。他の構成要素を形成する工程については、公知である各種の手法を適宜用いて形成することができ、ここでは説明を省略する。図4に示すように、先ずドレイン層32(例えばSiCウエハ)を用意し、ドレイン層32上にバッファ層34を形成する。バッファ層34は、例えばエピタキシャル成長によって形成することができる。エピタキシャル成長によると、バッファ層34におけるn型不純物の濃度を比較的に均一とすることができる。次いで、図5に示すように、外周部分A2となる範囲内のバッファ層34を、所定の厚みとなるまでエッチングによって薄くする。これにより、バッファ層34の表面34aには、メイン部分A1と外周部分A2との間に段差が形成される。
次いで、図6に示すように、バッファ層34上にドリフト層36を形成する。ドリフト層36は、例えばエピタキシャル成長によって形成することができる。エピタキシャル成長によると、ドリフト層36におけるn型不純物の濃度を比較的に均一とすることができる。この場合、バッファ層34とドリフト層36との間の境界面35が、比較的に明確に形成されるので、ドリフト層36を意図する厚みで形成しやすい。ドリフト層36の表面36aには、バッファ層34の表面34aに倣って、メイン部分A1と外周部分A2との間に段差が形成される。最後に、図7に示すように、ドリフト層36の表面36aを平坦となるまで研磨する。これにより、メイン部分A1で薄く、外周部分A2で厚いドリフト層36が形成される。その後、ボディ層38及びその他の構成要素を順次形成していくことで、MOSFET10は完成する。なお、ここ説明した製造方法は一例であり、MOSFET10の製造方法を限定するものではない。
次に、図8を参照して、実施例2のMOSFET110について説明する。本実施例のMOSFET110は、実施例1のMOSFET10と基本構造において同一又は類似している。従って、実施例1のMOSFET10と共通する構成については、実施例1と同一の符号を付し、実施例1の説明を援用することによって、重複する説明は省略する。
本実施例のMOSFET110では、メイン部分A1におけるドレイン層32の厚みT5が、外周部分A2におけるドレイン層32の厚みT6よりも大きく、この点で実施例1とは相違する。その一方で、バッファ層34の厚みについては、メイン部分A1と外周部分A2との間で同一又は差が小さく、この点においても実施例1とは相違する。即ち、本実施例では、メイン部分A1と外周部分A2との間でドリフト層36に与えた厚みの差分が、バッファ層34ではなく、ドレイン層32において吸収されている。なお、他の実施形態として、実施例1におけるバッファ層34と実施例2におけるドレイン層32とを組み合わせ、ドリフト層36に与えた厚みの差分が、バッファ層34とドレイン層32との両者で吸収される構造としてもよい。
本実施例においても、バッファ層34が存在することから、MOSFET110の通電劣化が抑制される。また、バッファ層34とドリフト層36との間の境界面35は、外周部分A2においてメイン部分A1よりも下方(即ち、下面12b側)に位置している。そして、外周部分A2におけるドリフト層36の厚みT2が、メイン部分A1におけるドリフト層36の厚みT1よりも大きくなっている。従って、実施例1のMOSFET10と同様に、バッファ層34を有するMOSFET110において、オン抵抗及び耐圧の両特性を改善することができる。
次に、図9-図12を参照して、MOSFET110の製造方法について説明する。但し、ここでは特に、上述した異なる厚みT1、T2を有するバッファ層34を形成するための工程について説明する。他の構成要素を形成する工程については、公知である各種の手法を適宜用いて形成することができ、ここでは説明を省略する。図9に示すように、先ずドレイン層32(例えばSiCウエハ)を用意し、外周部分A2となる範囲内のドレイン層32を、所定の厚みとなるまでエッチングによって薄くする。これにより、ドレイン層32の表面32aには、メイン部分A1と外周部分A2との間に段差が形成される。次いで、図10に示すように、ドレイン層32上にバッファ層34を形成する。バッファ層34は、例えばエピタキシャル成長によって形成することができる。バッファ層34の表面34aには、ドレイン層32の表面32aに倣って、メイン部分A1と外周部分A2との間に段差が形成される。ここで、バッファ層34の表面34aにおける段差の位置は、ドレイン層32の表面32aにおける段差の位置に対して、外周部分A2側へ変位する。そのことから、前述したドレイン層32をエッチングする工程では、この変位量を予め考慮して、エッチングする範囲を調整するとよい。
次いで、図11に示すように、バッファ層34上にドリフト層36を形成する。ドリフト層36は、例えばエピタキシャル成長によって形成することができる。ドリフト層36の表面36aには、バッファ層34の表面34aに倣って、メイン部分A1と外周部分A2との間に段差が形成される。最後に、図12に示すように、ドリフト層36の表面36aを平坦となるまで研磨する。これにより、メイン部分A1で薄く、外周部分A2で厚いドリフト層36が形成される。その後、ボディ層38及びその他の構成要素を順次形成していくことで、MOSFET110は完成する。なお、ここ説明した製造方法は一例であり、MOSFET110の製造方法を限定するものではない。
以上、本技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。本明細書又は図面に記載された技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載された組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示された技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10、110:MOSFET
12:SiC基板
12a:SiC基板の上面
12b:SiC基板の下面
12t:SiC基板のトレンチ
14:上面電極
16:下面電極
18:ゲート電極
20:層間絶縁膜
22:ゲート絶縁膜
24:保護膜
32:ドレイン層
34:バッファ層
35:バッファ層とドリフト層との間の境界面
36:ドリフト層
38:ボディ層
40:ソース領域
A1:メイン部分
A2:外周部分
B:メイン部分と外周部分との間の境界の位置
T1、T2:ドリフト層の厚み
T3、T4:バッファ層の厚み
T5、T6:ドレイン層の厚み

Claims (3)

  1. SiC基板と、
    前記SiC基板の上面に設けられた上面電極と、
    前記SiC基板の下面に設けられた下面電極と、
    ゲート電極と、を備え、
    前記SiC基板は、
    前記下面電極に接触しているn型のドレイン層と、
    前記ドレイン層上に積層されているとともに、前記ドレイン層よりもn型不純物の濃度が低いn型のバッファ層と、
    前記バッファ層上に積層されているとともに、前記バッファ層よりもn型不純物の濃度が低いn型のドリフト層と、
    前記ドリフト層上に積層されているとともに、前記上面電極に接触しているp型のボディ層と、
    前記上面電極に接触しているとともに、前記ボディ層を介して前記ドリフト層から隔離されているn型のソース領域と、を備え、
    前記ゲート電極は、前記ソース領域、前記ボディ層及び前記ドリフト層に、ゲート絶縁膜を介して対向しており、
    前記SiC基板は、平面視において、前記ボディ層を有するメイン部分と、前記メイン部分を取り囲むとともに前記ボディ層を有さない外周部分とを有し、
    前記バッファ層と前記ドリフト層との間の境界面は、前記外周部分において前記メイン部分よりも下方に位置しており、
    前記外周部分における前記ドリフト層の厚みが、前記メイン部分における前記ドリフト層の厚みよりも大き
    前記メイン部分における前記バッファ層の厚みは、前記外周部分における前記バッファ層の厚みよりも大きい、
    SiC-MOSFET。
  2. 前記メイン部分における前記ドレイン層の厚みは、前記外周部分における前記ドレイン層の厚みよりも大きい、請求項1に記載のSiC-MOSFET。
  3. 前記バッファ層及び前記ドリフト層のそれぞれは、エピタキシャル成長層である、請求項1又は2に記載のSiC-MOSFET。
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