JP7042691B2 - ビニルベンジルエーテル樹脂、当該ビニルベンジルエーテル樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物、当該硬化性樹脂組成物の硬化物、およびシールド部材 - Google Patents
ビニルベンジルエーテル樹脂、当該ビニルベンジルエーテル樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物、当該硬化性樹脂組成物の硬化物、およびシールド部材 Download PDFInfo
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Description
[1]下記一般式(1)に示されるビニルベンジルエーテル樹脂。
(上記一般式(1)中、Aは下記一般式(2)で示されるビニルベンジル基であり、Zは下記一般式(3)で示される2官能フェノール類の残基であり、Yは下記一般式(4)で示されるアルキレン基であり、平均繰り返し数nは0.3以上2.0以下である。)
(上記一般式(2)中、R1からR5は同一または異なってもよく、水素またはメチル基である。)
(上記一般式(3)中、R6は直接結合、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、または下記式(5)であり、mおよびlはそれぞれ0以上の整数であり、m+lは2以上30以下である。)
(上記一般式(4)中、R7およびR11はいずれも-CH2-CH2-であり、R8は-CH2-CH2-CH2-CH2-であり、R9は-CH2-CH(C2H5)-であり、R10は-CH2-CH(CH3)-CH2-CH2-であり、aおよびeはそれぞれ0または1であり、b,c,およびdはそれぞれ0以上100以下の整数であり、a+b+c+d+eは1以上である。)
[2]数平均分子量が2000以上10000以下である、上記[1]に記載のビニルベンジルエーテル樹脂。
[3]前記一般式(4)で示されるアルキル基の数平均分子量が1000以上4000以下である、上記[2]に記載のビニルベンジルエーテル樹脂。
[4]前記一般式(3)で示される2官能フェノール類の残基の数平均分子量が500以上2500以下である、上記[2]および[3]に記載のビニルベンジルエーテル樹脂。
[5]上記[1]から[4]のいずれかに記載されるビニルベンジルエーテル樹脂と、ラジカル重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物。
[6]上記[5]に記載される硬化性樹脂組成物の硬化物。
[7]上記[6]に記載される硬化物を含むシールド部材。
[8]下記一般式(6)に示されるアルキレンジオールと、ハロメチル芳香族酸ハライドとを反応させて、下記一般式(7)に示されるエステル化合物を得る第1ステップと、前記第1ステップで得られた前記エステル化合物と、下記一般式(8)に示される2官能フェノール類と、下記一般式(9)に示されるビニルベンジルハライド化合物とを反応させて、上記[1]に記載されるビニルベンジルエーテル樹脂を得る第2ステップとを備えることを特徴とするビニルベンジルエーテル樹脂の製造方法。
(上記一般式(6)におけるYは上記[1]に定義されるとおりである。)
(上記一般式(7)におけるX1はハロゲン元素であり、Yは上記[1]に定義されるとおりである。)
(上記一般式(8)におけるR6ならびにmおよびlは上記[1]に定義されるとおりである。)
(上記一般式(9)におけるR1からR5は上記[1]に定義されるとおりであり、X2はハロゲン元素である。)
(1)使用機器:東ソー社製「HLC-8320 GPC」
(2)カラム:いずれも東ソー社製、「TSKgel superHZ4000」(1本)+「TSKgel superHZ3000」(1本)+「TSKgel superHZ2000」(2本)+「TSKgel superHZ1000」(1本)(各々6.0mm×15cmのカラムを接続)
(3)溶媒:テトラヒドロフラン
(4)流量:0.6ml/min
(5)温度:40℃
(6)検出器:示唆屈折率(RI)計(測定装置「HLC-8320 GPC」内蔵RI検出器)
(7)検量線用標準物質:東ソー社製 ポリスチレン
分子量 1.90×E5、9.64×E4、3.79×E4、1.81×E4、1.02×E4、2.63×E3、5.0×E2
窒素ガス導入管、温度計、撹拌機を備えた四口の500mLフラスコに、末端水酸基含有水添ポリブタジエン(日本曹達社製「GI-3000」、水酸基価29.3mgKOH/g)57.4g、トルエン28.7gを仕込み、室温で溶解した。次いで、4-クロロメチルベンゾイルクロライド5.7g、トルエン6.1gを仕込み、100~110℃まで昇温して10時間反応させ、室温まで冷却した。反応の際に生成する塩化水素ガスは系外に追い出して、水酸化ナトリウム水溶液のトラップに吸収させた。さらに、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(SABICイノベーティブプラスチックス社製「NORYL SA90」、水酸基当量792g/eq)53.5g、クロロメチルスチレン(AGCセイミケミカル社製「CMS-P」)5.9g、テトラn-ブチルアンモニウムブロマイド0.52g、トルエン186.8gを仕込み、室温で溶解させた。次いで、15%水酸化ナトリウム水溶液23.8gを仕込み、75℃に昇温して、その温度で20時間反応させ、室温まで冷却した。さらに20%リン酸二水素ナトリウム水溶液12.5gを仕込み中和した。次いで、純水でトルエン層を洗浄し、減圧下でトルエンを留去し濃縮した。固形分53.0%のビニルベンジルエーテル樹脂溶液(A-1)を179.6g得た。数平均分子量は6300であった。
窒素ガス導入管、温度計、撹拌機を備えた四口の500mLフラスコに、末端水酸基含有水添ポリイソプレン(出光興産社製「エポール」、水酸基価52.2gKOH/g)43.0g、トルエン21.6gを仕込み、室温で溶解した。次いで、4-クロロメチルベンゾイルクロライド7.6g、トルエン8.3gを仕込み、100~110℃まで昇温して10時間反応させ、室温まで冷却した。反応の際に生成する塩化水素ガスは系外に追い出して、水酸化ナトリウム水溶液のトラップに吸収させた。さらに、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(SABICイノベーティブプラスチックス社製「NORYL SA90」、水酸基当量792g/eq)63.4g、クロロメチルスチレン(AGCセイミケミカル社製「CMS-P」)6.3g、テトラn-ブチルアンモニウムブロマイド0.52g、トルエン186.6gを仕込み、室温で溶解させた。次いで、15%水酸化ナトリウム水溶液28.3gを仕込み、75℃に昇温して、その温度で20時間反応させ、室温まで冷却した。さらに20%リン酸二水素ナトリウム水溶液14.7gを仕込み中和した。次いで、純水でトルエン層を洗浄し、減圧下でトルエンを留去し濃縮した。固形分35.2%のビニルベンジルエーテル樹脂溶液(A-2)を258.8g得た。数平均分子量は7400であった。
窒素ガス導入管、温度計、撹拌機を備えた四口の500mLフラスコに、末端水酸基含有水添ポリブタジエン(日本曹達社製「GI-2000」、水酸基価49.1gKOH/g)40.1g、トルエン20.0gを仕込み、室温で溶解した。次いで、4-クロロメチルベンゾイルクロライド6.7g、トルエン7.2gを仕込み、100~110℃まで昇温して10時間反応させ、室温まで冷却した。反応の際に生成する塩化水素ガスは系外に追い出して、水酸化ナトリウム水溶液のトラップに吸収させた。さらに、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(三菱ガス化学社製「OPE1000」、水酸基当量435g/eq、固形分49.2%のトルエン溶液)69.6g、クロロメチルスチレン(AGCセイミケミカル社製「CMS-P」)6.9g、テトラn-ブチルアンモニウムブロマイド0.38g、トルエン93.4gを仕込み、室温で溶解させた。次いで、15%水酸化ナトリウム水溶液27.7gを仕込み、75℃に昇温して、その温度で20時間反応させ、室温まで冷却した。さらに20%リン酸二水素ナトリウム水溶液14.4gを仕込み中和した。次いで、純水でトルエン層を洗浄し、減圧下でトルエンを留去し濃縮した。固形分65.7%のビニルベンジルエーテル樹脂溶液(A-3)を118.7g得た。数平均分子量は2800であった。
窒素ガス導入管、温度計、撹拌機を備えた四口の1Lフラスコに、ダイマージオール(クローダジャパン社製「プリポール2033」、水酸基価211mgKOH/g)53.2g、トルエン91.4gを仕込み、室温で溶解した。次いで、4-クロロメチルベンゾイルクロライド38.2gを仕込み、100~110℃まで昇温して10時間反応させ、室温まで冷却した。反応の際に生成する塩化水素ガスは系外に追い出して、水酸化ナトリウム水溶液のトラップに吸収させた。さらに、α,α'-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン(水酸基当量201g/eq)80.5g、クロロメチルスチレン(AGCセイミケミカル社製「CMS-P」)30.5g、テトラn-ブチルアンモニウムブロマイド0.59g、トルエン111.0gを仕込み、室温で溶解させた。次いで、15%水酸化ナトリウム水溶液139.4gを仕込み、75℃に昇温して、その温度で20時間反応させ、室温まで冷却した。さらに20%リン酸二水素ナトリウム水溶液72.4gを仕込み中和した。次いで、純水でトルエン層を洗浄し、減圧下でトルエンを留去し濃縮した。固形分63.6%のビニルベンジルエーテル樹脂溶液(A-4)を234.0g得た。数平均分子量は1900であった。
窒素ガス導入管、温度計、撹拌機を備えた四口の500mLフラスコに、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(SABICイノベーティブプラスチックス社製「NORYL SA90」、水酸基当量792g/eq)79.2g、クロロメチルスチレン(AGCセイミケミカル社製「CMS-P」)15.4g、テトラn-ブチルアンモニウムブロマイド0.39g、トルエン212.4gを仕込み、室温で溶解させた。次いで、15%水酸化ナトリウム水溶液35.2gを仕込み、75℃に昇温して、その温度で20時間反応させ、室温まで冷却した。さらに20%リン酸二水素ナトリウム水溶液18.3gを仕込み中和した。次いで、純水でトルエン層を洗浄し、減圧下でトルエンを留去し濃縮した。固形分51.2%のビニルベンジルエーテル樹脂溶液(A-5)を175.8g得た。数平均分子量は1800であった。
実施例1~3および比較例1および2において作製した各ビニルベンジルエーテル樹脂溶液(A-1~A-5)を固形分として15質量部に対しジクミルパーオキサイド(DCP)0.15質量部を混合・溶解し、樹脂組成物ワニスを作製した。さらに、銅箔光沢面に樹脂組成物ワニスを塗工し、80℃で5分間乾燥し、実施例4~6および比較例3は170℃にて1時間真空下で硬化させた。比較例4は230℃にて2時間真空化で硬化させた。硬化後、銅箔から引き剥がして膜厚約100μmの硬化物フィルム(硬化物)を得た。
実施例4~6および比較例3、4で得られた硬化物フィルムを、測定容器に入る大きさにカット(切り出)して耐熱分解性のサンプルとした。以下の条件にてサンプルの重量が1%したときの温度(1%重量減少温度)および5%減少したときの温度(5%重量減少温度)を測定し、この温度により耐熱分解性を評価した。
測定機器:日立ハイテクサイエンス社製 熱機械分析装置「TG/DTA7220」
雰囲気:空気中
測定温度:25~450℃
昇温速度:10℃/分
実施例4~6および比較例3,4で得られた硬化物フィルムを、所定の大きさにカット(切り出)して柔軟性評価のサンプルとした。以下の条件にてサンプルの機械特性を測定した。
測定機器:島津製作所社製万能試験機「オートグラフAG-Xplus」
サンプル寸法:幅10mm×長さ(掴み具間距離)100mm×厚さ0.1mm(100μm)
測定項目:引張弾性率(単位:GPa)、引張強度(単位:MPa)、伸び率(単位:%)いずれも5回の測定の平均値
実施例4~6および比較例3、4で得られた硬化物フィルムで得られた硬化物フィルムを所定の大きさに切り出して、測定用のサンプルとした。下記の測定機器を用いて、以下の条件にてサンプルの誘電特性を測定した。
測定機器:キーサイトテクノロジー社製ネットワークアナライザー「E5071C」
関東電子応用開発社製摂動法空洞共振器「CP-521」
周波数:5.8GHz
サンプル寸法:幅2mm×長さ70mm×厚さ0.1mm(100μm)
Claims (8)
- 下記一般式(1)に示されるビニルベンジルエーテル樹脂。
(上記一般式(1)中、Aは下記一般式(2)で示されるビニルベンジル基であり、Zは下記一般式(3)で示される2官能フェノール類の残基であり、Yは下記一般式(4)で示されるアルキレン基であり、平均繰り返し数nは0.3以上2.0以下である。)
(上記一般式(2)中、R1からR5は同一または異なってもよく、水素またはメチル基である。)
(上記一般式(3)中、R6は直接結合、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、または下記式(5)であり、mおよびlはそれぞれ0以上の整数であり、m+lは2以上30以下である。)
(上記一般式(4)中、R7およびR11はいずれも-CH2-CH2-であり、R8は-CH2-CH2-CH2-CH2-であり、R9は-CH2-CH(C2H5)-であり、R10は-CH2-CH(CH3)-CH2-CH2-であり、aおよびeはそれぞれ0または1であり、b,c,およびdはそれぞれ0以上100以下の整数であり、a+b+c+d+eは1以上である。)
- 数平均分子量が2000以上10000以下である、請求項1に記載のビニルベンジルエーテル樹脂。
- 前記一般式(4)で示されるアルキル基の数平均分子量が1000以上4000以下である、請求項2に記載のビニルベンジルエーテル樹脂。
- 前記一般式(3)で示される2官能フェノール類の残基の数平均分子量が500以上2500以下である、請求項2および3に記載のビニルベンジルエーテル樹脂。
- 請求項1から4のいずれかに記載されるビニルベンジルエーテル樹脂と、ラジカル重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物。
- 請求項5に記載される硬化性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項6に記載される硬化物を含むシールド部材。
- 下記一般式(6)に示されるアルキレンジオールと、ハロメチル芳香族酸ハライドとを反応させて、下記一般式(7)に示されるエステル化合物を得る第1ステップと、
前記第1ステップで得られた前記エステル化合物と、下記一般式(8)に示される2官能フェノール類と、下記一般式(9)に示されるビニルベンジルハライド化合物とを反応させて、請求項1に記載されるビニルベンジルエーテル樹脂を得る第2ステップと
を備えることを特徴とするビニルベンジルエーテル樹脂の製造方法。
(上記一般式(6)におけるYは請求項1に定義されるとおりである。)
(上記一般式(7)におけるX1はハロゲン元素であり、Yは請求項1に定義されるとおりである。)
(上記一般式(8)におけるR6ならびにmおよびlは請求項1に定義されるとおりである。)
(上記一般式(9)におけるR1からR5は請求項1に定義されるとおりであり、X2はハロゲン元素である。)
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