JP2004099662A - グラフト共重合体およびそれを含む樹脂組成物 - Google Patents

グラフト共重合体およびそれを含む樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】混和性、層剥離およびウェルド引張強度の改良されたポリフェニレンエーテルとエラストマーのグラフト共重合体とこれを含む樹脂組成物の提供。
【解決手段】(a)共役ジエン化合物重合体鎖およぴ/またはビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体鎖のリビング末端リチウムイオン基と特定構造のアミノ基含有ポリマーおよび/または該アミノ基含有ポリマーを水素添加してなるアミノ基含有水添ポリマー1〜99重量部と(b)特定の官能基を有するポリフェニレンエーテル99〜1重量部とを反応してグラフト共重合体を得る。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、層剥離が無く、ウェルド引張強度に優れた新規なグラフト共重合体であり、さらに、このグラフト共重合体を他の熱可塑性樹脂とポリマーアロイ化することによって得られる耐衝撃性、耐熱性、加工性に優れた樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテルは、機械的特性、電気特性、耐熱性、低温特性に優れ、吸水性が低く、かつ寸法安定性に優れる長所を有するが、成形加工性や耐衝撃性に劣る欠点を有するため、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレンとブレンドすることによりこれらの問題点を改良し、例えば電気・電子部品、事務機ハウジング、自動車部品、精密部品、各種工業部品などの分野に広く利用されている。
しかしながら、このポリフェニレンエーテルとハイインパクトポリスチレンからなるポリフェニレンエーテル樹脂組成物(米国特許第3383435号明細書など)は、耐衝撃性が改善されるものの、耐薬品性に劣る欠点を有している。
【0003】
このため、ポリフェニレンエーテルはスチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂と溶融ブレンドしたポリマーアロイの材料開発が数多くなされ、他の熱可塑性樹脂がマトリックスを構成し、ポリフェニレンエーテルが分散相を形成するポリマーアロイや、ポリフェニレンエーテルがマトリックスを構成し、他の熱可塑性樹脂が分散相を形成するポリマーアロイ(例えば、特許文献1参照。)が世の中に多く出始めている。この代表的なポリマーアロイとしては、ポリアミド−ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(例えば、特許文献2、3、4、7及び8参照。)、ポリエステル−ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(例えば、特許文献6及び12参照。)、ポリフェニレンスルフィド−ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(例えば、特許文献10参照。)、ポリオレフィン−ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(例えば、特許文献11参照。)などが挙げられる。
【0004】
これら樹脂組成物のポリマーアロイ化のキーテクノロジーは、2種以上の非相溶系材料を相互に親和性を持たせて好適な分散相を乳化分散させる技術と、機械的強度、特に耐衝撃性を付与させる技術にあると言っても過言ではない。特に、後者の耐衝撃性付与に関しては、公知のポリマーアロイ化においては、エラストマー成分を配合することが定法として知られており、中でも、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体やその水素添加物である水添ブロック共重合体(例えば、特許文献5、9及び13参照。)が多く用いられている。
【0005】
しかしながら、ポリフェニレンエーテルとこれらブロック共重合体は親和性が無く、親和性を発揮させるには、ブロック共重合体に占めるビニル芳香族化合物の含有量を多くする必要があり、ビニル芳香族化合物の含有量が多いブロック共重合体では好ましい衝撃強度を付与することができないのが現状である。一方、衝撃強度付与の観点からビニル芳香族化合物の含有量が少ないブロック共重合体をポリフェニレンエーテルに配合すると両ポリマーの親和性が悪く、得られる樹脂組成物は層剥離現象を示し、これに起因してウェルド引張強度の著しい低下等の好ましくない問題点を抱えているのが現状である。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−27740号公報
【特許文献2】
特開昭62−81449号公報
【特許文献3】
特開昭63−10656号公報
【特許文献4】
特開昭63−161053号公報
【特許文献5】
特開昭63−183954号公報
【特許文献6】
特開昭63−205346号公報
【特許文献7】
特開昭63−218758号公報
【特許文献8】
特開昭63−225655号公報
【特許文献9】
特開平1−203454号公報
【特許文献10】
特開平1−213359号公報
【特許文献11】
特開平2−4845号公報
【特許文献12】
特開平5−310952号公報
【特許文献13】
特開平7−207078号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決課題は、ポリフェニレンエーテルとの親和性が良く、層剥離現象無くウェルド引張強度に優れたポリフェニレンエーテルとエラストマーのグラフト共重合体を提供すること、さらにはこの親和性に優れたポリフェニレンエーテルとエラストマーのグラフト共重合体と他の熱可塑性樹脂を配合し、耐衝撃性、耐熱性、加工性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべく、従来のポリフェニレンエーテルとエラストマーの単なるブレンド系技術から離脱し、新たな混和性改良の手段を想定し、中でもポリフェニレンエーテル鎖とエラストマー鎖が可能な限り1対1に近い状態で反応したグラフト共重合体に着眼した。この着眼点に基づき鋭意検討した結果、エラストマー成分として共役ジエン化合物を含む重合体鎖の末端リビングリチウムと、特定の官能基を有する環状化合物を炭化水素溶媒中で反応させて得られるエラストマー鎖末端に官能基を有する変性エラストマーと、ポリフェニレンエーテルに特定の官能基を付与した変性ポリフェニレンエーテルとをさらに反応させ、ポリフェニレンエーテルに共役ジエン化合物を含む重合体および/またはその水素添加された重合体がグラフトした共重合体を得ることにより、混和性が改良され、上記した問題点である層剥離現象およびウェルド引張強度の改良を解決することができ、さらには、このグラフト共重合体と他の熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物が、耐衝撃性、耐熱性、加工性に優れた樹脂組成物として提供できることを見いだし、本発明に至った。
【0009】
すなわち本発明は、(a)炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を重合開始剤として用いて得られる共役ジエン化合物重合体鎖および/またはビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体鎖のリビング末端リチウムイオン基と、一般式(1)または一般式(2)で示される環状化合物を反応させて得られるアミノ基含有ポリマーおよび/または該アミノ基含有ポリマーを水素添加してなるアミノ基含有水添ポリマー1〜99重量部と
【0010】
【化5】
Figure 2004099662
【0011】
(式中、R1とR2は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、またはアルコキシ基を、Yは酸素原子、または硫黄原子を、nは2〜4の整数を示す。)
【0012】
【化6】
Figure 2004099662
【0013】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシ基を、Yは酸素原子または硫黄原子を、nは3〜4の整数を示す。なお、ポリメチレン鎖の水素原子の1個以上が炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。)
(b)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基のいずれか1種の官能基を有する官能基含有ポリフェニレンエーテル 99〜1重量部とを反応して得られるグラフト共重合体であり、さらにこのグラフト共重合体1〜99重量部と(c)熱可塑性樹脂99〜1重量部を含む樹脂組成物である。
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる(a)成分のアミノ基含有ポリマーとは、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を重合開始剤として用いて得られる共役ジエン化合物重合体鎖のリビング末端リチウムイオン基および/またはビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体鎖のリビング末端リチウムイオン基と、一般式(1)または一般式(2)で示される含窒素環状化合物を反応させて得られ、共役ジエン化合物重合体鎖の末端および/またはビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体鎖の末端に、一般式(3)または一般式(4)で示される二級アミンが結合したアミノ基含有ポリマーである。また、(a)成分のアミノ基含有水添ポリマーは、かかるアミノ基含有ポリマーをさらに水素添加反応し、共役ジエン化合物に由来するオレフィン性不飽和結合を90%以下、好ましくは55%以下、より好ましくは20%以下まで水素添加反応により低減化したポリマーである。
【0015】
【化7】
Figure 2004099662
【0016】
(式中、R1とR2は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、またはアルコキシ基を、Yは酸素原子、または硫黄原子を、nは2〜4の整数を示す。)
【0017】
本発明で使用する上記の一般式(1)で示される化合物としては、例えば、
1、3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−プロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−ブチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−メトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ−(2−エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルエチレンチオウレア、N,N‘−ジエチルプロピレンウレア、N−メチル−N’−エチルプロピレンウレア、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等が挙げられ、中でも1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましい。
【0018】
【化8】
Figure 2004099662
【0019】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシ基を、Yは酸素原子または硫黄原子を、nは3〜4の整数を示す。なお、ポリメチレン鎖の水素原子の1個以上が炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。)
【0020】
本発明で使用する上記の一般式(2)で示される化合物としては、例えば、
1−シクロヘキシル−2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−プロピル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−イソプロピル−2−ピロリドン、1,5−ジメチル−2−ピロリドン、1−メトキシメチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−ピペリドン、1,4−ジメチル−2−ピペリドン、1−エチル−2−ピペリドン、1−イソプロピル−2−ピペリドン、1−イソプロピル−5,5−ジメチル−2−ピペリドン等が挙げられ、中でも1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−ピペリドンが好ましく、中でも1−メチル−2−ピペリドンが特に好ましい。
【0021】
【化9】
Figure 2004099662
【0022】
(式中、R1とR2は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基、またはアルコキシ基を、Yは酸素原子、または硫黄原子を、nは2〜4の整数を示す。)
【0023】
【化10】
Figure 2004099662
【0024】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシ基を、Yは酸素原子または硫黄原子を、nは3〜4の整数を示す。なお、ポリメチレン鎖の水素原子の1個以上が炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。)
【0025】
かかる共役ジエン化合物を含む重合体のリビング末端リチウムイオン基と上記した一般式(1)、一般式(2)に示す環状化合物との反応は、共役ジエン化合物を含む重合体の重合終了後のリビング末端リチウムイオン基の存在下に炭化水素溶媒中で実施され、通常、重合に使用した有機リチウム化合物1モルに対して一般式(1)、一般式(2)に示す環状化合物0.25〜2モルの範囲で添加し、10〜120℃の温度範囲、1秒〜3時間の反応時間で行われる。
かかる共役ジエン化合物を含む重合体のリビング末端リチウムイオン基と上記した一般式(1)、一般式(2)に示す環状化合物との反応によって一般式(3)、一般式(4)に示すようなポリマー鎖末端に2級アミンが生成することは、既に特公平4−39495号公報、特公平6−18801号公報、特公平6−43449号公報、特公平6−51727号公報、特公平6−18932号公報および特公平6−18933号公報に記載されており、ここで記載された反応方法によって容易にポリマー鎖末端に2級アミンを持つポリマーを得ることが出来る。本発明で用いる(a)成分の2級アミンの確認および定量は、これら公知文献に記載された方法で知ることができる。
【0026】
つぎに本発明で供する(a)成分のアミノ基含有ポリマーの前駆体である共役ジエン化合物を含む重合体である共役ジエン化合物重合体およびビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体の構造に関して言及する。
かかる、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、特にブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。この共役ジエン化合物だけを用いて重合して得られる共役ジエン化合物重合体における共役ジエン化合物の重合形式であるミクロ構造は任意に選ぶことができ、例えば、ブタジエンにおいては、1,2−ビニル結合が2〜85%、好ましくは10〜85%、さらに好ましくは35〜85%である。また、イソプレンにおいては、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量が2〜85%、好ましくは3〜75%、さらに好ましくは3〜60%である。1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合は該共役ジエン化合物重合体鎖中に均一に分布していても、またはテーパー状に分布していてもよい。
【0027】
また、該共役ジエン化合物重合体中には、1,2−ビニル結合含量又は1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量が異なる重合体ブロック、例えば1,2−ビニル結合含量又は1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量が30%未満の重合体ブロックと30%以上の重合体ブロックが存在してもよく、更にこれらの異なるビニル結合量が異なる重合体ブロックが複数個共存していてもよい。なお、本発明において、共役ジエン化合物重合体における共役ジエン化合物の含有量は97重量%以上である。
もう一つの前駆体であるビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体に関しては、ビニル芳香族化合物と上記の共役ジエン化合物とをランダム共重合したブロックを必ず1個以上持った重合体であればいかなる重合体であっても構わない。
【0028】
具体的には、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックA(ビニル芳香族化合物の含有量が少なくとも90重量%以上である)と少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB(ビニル芳香族化合物の含有量が3重量%以上、90重量%未満である)とからなるブロック共重合体、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックC(共役ジエン化合物の含有量が少なくとも97重量%以上である)と少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB(ビニル芳香族化合物の含有量が3重量%以上、90重量%未満である)とからなるブロック共重合体、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックA(ビニル芳香族化合物の含有量が少なくとも90重量%以上である)と少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB(ビニル芳香族化合物の含有量が3重量%以上、90重量%未満である)及び共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックC(共役ジエン化合物の含有量が少なくとも97重量%以上である)とからなるブロック共重合体、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体が挙げられる。
【0029】
中でもビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなるブロック共重合体、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなるブロック共重合体、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB及び共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCとからなるブロック共重合体が前駆体として好ましい。
【0030】
上記したブロック共重合体中のランダム共重合体ブロックのビニル芳香族化合物は均一に分布していても、またはテーパー状に分布していてもよい。また該ランダム共重合体ブロックは、ビニル芳香族化合物が均一に分布しているブロックおよび/またはテーパー状に分布しているブロックがそれぞれ複数個共存していてもよい。また該ランダム共重合体ブロックは、ビニル芳香族化合物含有量が異なるブロックが複数個共存していてもよい。このビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなるブロック共重合体としては、一般に下記構造を有するブロック共重合体が例示される。
(A−B)、A−(B−A)−B、B−(A−B)n+1、[(A−B)m+1−Z、[(A−B)−A]m+1−Z、[(B−A)m+1−Z、[(B−A)−B]m+1−Z
(上式において、Zはカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物の開始剤の残基を示す。n、kおよびmは1以上の整数、一般的には1〜5である。)
【0031】
さらに共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCと、少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなるブロック共重合体としては、一般に下記構造を有するブロック共重合体が例示される。
(C−B)、C−(B−C)−B、B−(C−B)n+1、[(C−B)m+1−Z、[(C−B)−C]m+1−Z、[(B−C)m+1−Z、[(B−C)−B]m+1−Z
(上式において、Zはカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物の開始剤の残基を示す。n、kおよびmは1以上の整数、一般的には1〜5である。)
【0032】
そしてさらに、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB及び共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCとからなるブロック共重合体としては、一般に下記構造を有するブロック共重合体が例示される。
(A−B−C)、A−(B−A)−C 、C−(A−B)n+1、[(A−B−C)m+1−Z、[(A−B−C)−A]m+1−Z、[(B−A−C)m+1−Z、[(B−A)−C]m+1−Z
(上式において、Zはカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物の開始剤の残基を示す。n、kおよびmは1以上の整数、一般的には1〜5である。)
【0033】
上記に挙げたこれらのビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体に用いるビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニルエチレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、特にスチレンが好ましい。そして、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体におけるビニル芳香族化合物の含有量は通常3〜90重量%の中から好適に選ぶことが可能であり、好ましくは5〜88重量%、より好ましくは10〜86重量%である。
【0034】
なお、(a)成分のアミノ基含有ポリマーの前駆体であるビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体のビニル芳香族化合物の含有量が、50重量%以下、好ましくは40重量%以下の場合はゴム的な弾性特性を示し、50重量%を超え、好ましくは60重量%を超える場合は柔軟な軟質樹脂的な特性を示し、改質目的に応じ好適なビニル芳香族化合物の含有量を適宜選択できる。
【0035】
また、上記に挙げたこれらのビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体における共役ジエン化合物の重合形式であるミクロ構造は任意に選ぶことができ、例えば、ブタジエンにおいては、1,2−ビニル結合が2〜85%、好ましくは8〜85%、さらに好ましくは10〜85%である。また、イソプレンにおいては、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量が2〜85%、好ましくは3〜75%、さらに好ましくは3〜60%である。そして、これらの前駆体である共役ジエン化合物重合体、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体の数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算の分子量)は、通常、1000〜1000000、好ましくは10000〜800000、更に好ましくは30000〜500000である。
【0036】
上記した前駆体は、炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を重合開始剤として共役ジエン化合物、ビニル芳香族化合物をアニオン重合して得られる。かかる炭化水素溶媒としては、脂肪族、脂環式および芳香族炭化水素使用することができ、例えば、プロパン、イソブタン、n−ヘキサン、イソオクタン、シクローペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等が挙げられ、特に好ましい溶媒はn−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼンであり、これらの溶媒は1種または2種以上の混合溶媒として用いても構わない。また、重合に使用する重合開始剤である有機リチウム化合物としては、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のモノ有機リチウム化合物や、ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルメタン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物が使用でき、これらは単独、または二種以上の混合物で使用することができる。
【0037】
これらの有機リチウム化合物の使用量は、目的とする共役ジエン化合物を含む重合体の数平均分子量に応じ、単分散ポリマー(重量平均分子量/数平均分子量=1)を前提とした計算で適宜選択できる。そして、上記した共役ジエン化合物の重合形式であるミクロ構造の1,2−ビニル結合量、3,4−ビニル結合量の増加調整、あるいはビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物共重合体鎖中のランダム性を調整するために、通常、エーテル類、第3級アミン類、アルカリ金属アルコキシド等の極性化合物を使用することができる。
【0038】
例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコール・ジメチルエーテル、エチレングリコール・ジn−ブチルエーテル、エチレングリコール・n−ブチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコール・ジ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコール・ジメチルエーテル、トリエチレングリコール・ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、α−メトキシメチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシベンゼン、トリエチルアミン、N,N,N‘,N’−テトラメチルエチレンジアミン、カリウム−tert−アミルオキシド、カリウム−tert−ブチルオキシド等が挙げられ、これらの化合物は単独または2種以上の混合物として使用できる。かかる極性化合物の使用量は、有機リチウム化合物1モルに対して0モル以上、好ましくは0〜300モルである。
このような特徴を持つアミノ基含有ポリマーの前駆体である共役ジエン化合物を含む重合体は、上記で説明したように、炭化水素溶媒中で重合体鎖のリビング末端リチウムイオン基と一般式(1)または一般式(2)で示される環状化合物とを反応して、重合体鎖末端に2級アミンを含有したアミノ基含有ポリマーを得ることができる。
【0039】
さらに、ここで得たアミノ基含有ポリマーであるアミノ基含有共役ジエン化合物重合体、アミノ基含有ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体は、炭化水素溶媒中で、水素添加触媒および水素ガスを添加し、水素添加反応を行うことにより、重合体中に存在する共役ジエン化合物に由来するオレフィン性不飽和結合を90%以下、好ましくは55%以下、より好ましくは20%以下まで低減化することにより、アミノ基含有水添ポリマーであるアミノ基含有水添(共役ジエン化合物重合体)、アミノ基含有水添(ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体)を得ることができる。かかる水添反応は、アミノ基含有ポリマーに存在する共役ジエン化合物に由来するオレフィン性不飽和結合を低減化できるものであれば、その製法に制限は無く、いかなる製造方法でも良い。
【0040】
水添反応する方法として、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭60−220147号公報、特開昭61−33132号公報、特開昭62−207303号公報、英国特許第1020720号、米国特許第3333024号および同第4501857号等に記載された方法が挙げられる。これらの方法で得られるアミノ化水添ポリマーの水素添加率に関しては、赤外線分光分析、核磁気共鳴分析等により容易に知ることができる。
つぎに本発明で用いる(b)成分のカルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基のいずれか1種の官能基を有する官能基含有ポリフェニレンエーテルは、その官能化する前の前駆体がポリフェニレンエーテルであり、下記の一般式(5)
【0041】
【化11】
Figure 2004099662
【0042】
(ここで、R,R,R及びRはそれぞれ、水素、ハロゲン、炭素数1〜7までの第一級または第二級低級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基または少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択されるものであり、互いに同一であっても異なっていてもよい)で示される繰り返し単位からなり、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いて測定したポリスチレン換算した数平均分子量が1000以上、好ましくは1500〜50000、より好ましくは1500〜30000の範囲にあるホモ重合体及び/または共重合体である。
【0043】
このポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
【0044】
本発明で用いる(b)成分の官能基含有ポリフェニレンエーテルの前駆体であるポリフェニレンエーテルは、上記した数平均分子量を有するものであれば、その製法に制限は無く、いかなる製造方法でも良い。例えば、米国特許第3306874号明細書記載のHayによる第一塩化銅とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例えば2,6−ジメチルフェノールを酸化重合することにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、米国特許第4788277号明細書、特公昭52−17880号公報、日本特許1803133号、日本特許1803134号、日本特許1803136号等に記載された方法が挙げられる。
【0045】
本発明で用いる(b)成分の官能基含有ポリフェニレンエーテルは、上記した前駆体であるポリフェニレンエーテルに、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基のいずれか1種が付加したものである。かかる、官能基をポリフェニレンエーテルに付加するには、カルボキシル基含有化合物、酸無水物基含有化合物、エポキシ基(グリシジル基)含有化合物等の官能基含有化合物をポリフェニレンエーテルと反応させることにより得ることができる。
【0046】
これらの官能基含有化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のカルボン酸化合物や、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等の酸無水物化合物や、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、グリシジルイタコネート等のグリシジル化合物が挙げられる。
また、エポキシ化合物としては、1分子中に2個以上のオキシラン環を含む多官能エポキシ化合物が挙げられ、下記の一般式(6)
【0047】
【化12】
Figure 2004099662
【0048】
(式中、X1及びX2は芳香族炭化水素、Aは脂肪族炭化水素、nは0または1以上の整数)で示されるビスフェノールA型樹脂、
または下記の一般式(7)
【0049】
【化13】
Figure 2004099662
【0050】
(式中、Rは脂肪族または芳香族炭化水素、nは0または1以上の整数)
で示される不飽和基を全く含まないポリグリシジルエーテル化合物が挙げられる。これら官能基含有化合物の中で、最も好ましい化合物は無水マレイン酸である。
【0051】
ポリフェニレンエーテルと上記した官能基含有化合物の反応は、ポリフェニレンエーテルをその融点以下の温度下(20〜230℃)で、かつ非溶媒下で上記した官能基含有化合物をガス状、液体状で接触させ、ポリフェニレンエーテルが未溶融状態で反応させる方法や、加熱溶融(250〜310℃)した状態のポリフェニレンエーテルと、上記した官能基含有化合物を反応させる方法や、有機溶媒を用い溶液状態、スラリー状態のポリフェニレンエーテルを室温(23℃)〜150℃で、上記した官能基含有化合物を反応させる方法などが挙げられる。これらの反応において、使用する官能基含有化合物がエチレン性不飽和基を含有する場合、ラジカル開始剤は使用しても良く、使用しなくても構わない。
【0052】
また上記した官能基含有化合物がエチレン性不飽和基を含有する化合物である場合、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和化合物、例えばスチレン等も共存可能と考え得るが、不要な好ましくない共重合体が生成するため、本発明では、ポリフェニレンエーテルの変性に使用するエチレン性不飽和基を有する官能基含有化合物は単独で用いる必要がある。なお、ポリフェニレンエーテルの変性反応に使用する上記の官能基含有化合物の使用量、ラジカル開始剤の使用量、および反応温度は、官能基含有化合物の付加量に応じて任意に選択することができる。
【0053】
本発明で使用する(b)成分の官能基含有ポリフェニレンエーテルは、その前駆体であるポリフェニレンエーテル100重量部に対して該官能基含有化合物が0.05〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.2〜10重量部付加したものである。かかる官能基の付加量は、通常、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)、プロトンNMR等によって知ることができる。
本発明のグラフト共重合体は、上記の(a)アミノ基含有ポリマーおよび/または該アミノ基含有ポリマーを水素添加してなるアミノ基含有水添ポリマー1〜99重量部と(b)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基のいずれか1種の官能基を有する官能基含有ポリフェニレンエーテル 99〜1重量部を反応して得られる組成物であり、通常、(a)成分のアミノ基含有ポリマーおよび/またはアミノ基含有水添ポリマーと(b)成分の官能基含有ポリフェニレンエーテルを室温(23℃)〜310℃の温度範囲内で、両成分を加熱溶融状態、または両成分が溶解可能な溶媒(クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン等)を用いた溶液状態で反応させ、(a)成分のアミノ基含有ポリマーおよび/またはアミノ基含有水添ポリマーが(b)成分の官能基含有ポリフェニレンエーテルにグラフト反応した新規なグラフト共重合体を得ることができる。
【0054】
例えば、ポリフェニレンエーテル−(水素添加されたポリブタジエン)、ポリフェニレンエーテル−(水素添加されたポリブタジエン)−ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテル−[水素添加された(スチレン−ブタジエンランダム共重合体)]、ポリフェニレンエーテル−[水素添加された(スチレンを主体とする重合体ブロック)−(スチレン−ブタジエンランダム共重合体)−(スチレンを主体とする重合体ブロック)]、[水素添加された(スチレンを主体とする重合体ブロック)−(スチレン−ブタジエンランダム共重合体)−(ブタジエンを主体とする重合体ブロック)]−ポリフェニレンエーテル、−(ポリフェニレンエーテル−水素添加されたポリブタジエン)n−等の構造で示される層剥離の無いグラフト共重合体が得られる。
【0055】
そして、使用する(a)成分のアミノ基含有ポリマーおよび/またはアミノ基含有水添ポリマーが多い場合は、層剥離が無い、耐熱性に優れたエラストマー状のグラフト共重合体が得られ、(b)成分の官能基含有ポリフェニレンエーテルが多い場合は、層剥離が無い、耐熱性、耐衝撃性に優れた樹脂状のグラフト共重合体が得られる。
また、本発明のグラフト共重合体は、さらに(c)成分の熱可塑性樹脂を配合することにより、新規なポリマーアロイとすることができる。
すなわち(a)成分および(b)成分を反応して得られるグラフト共重合体1〜99重量部、(c)成分の熱可塑性樹脂99〜1重量部を含む樹脂組成物である。特に、(c)成分の熱可塑性樹脂がマトリックスを構成する樹脂組成物においては、グラフト共重合体が分散相を形成することにより、衝撃強度、耐熱性、加工性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0056】
本発明で使用する(c)成分の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、スチレン系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリエステル、液晶ポリエステルの中から選ばれる少なくとも1種である。中でも、ポリオレフィン、スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリエステルが好ましい。
【0057】
(c)成分のポリオレフィンとしては、アイソタクチックポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリブテン−1、高密度ポリエチレン、超高分子量高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、密度0.90未満の超低密度ポリエチレンや、エチレン、プロピレン、他のα−オレフィン、不飽和カルボン酸またはその誘導体の中から選ばれる2種以上の化合物の共重合体、例えば、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/オクテン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、プロピレン/エチレン(ランダム、ブロック)共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体等を挙げることができる。これらのポリオレフィンは1種のみならず2種以上を併用することができる。これらポリオレフィンのうち、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン/エチレンブロック共重合体、プロピレン/エチレンランダム共重合体およびポリエチレンが好ましい。
【0058】
また、本発明で用いるポリオレフィンは、上記したポリオレフィンのほかに、該ポリオレフィンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液状態で30〜350℃の温度下で反応させることによって得られる公知の変性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)ポリオレフィンであってもよく、さらに上記したポリオレフィンと該変性ポリオレフィンの任意の割合の混合物であってもかまわない。
(c)成分のスチレン系樹脂としては、アタクチックポリスチレン、ゴム補強されたポリスチレン(HIPS)、シンジオタクチックポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ゴム補強されたスチレン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。
【0059】
(c)成分のポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミドMXD(m−キシリレンジアミン)/6、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,I、ポリ(バラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(バラベンズアミド)、ポリ(4,4‘−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(バラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(バラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−バラフェニレンテレフタルアミド)、またはバラフェニレンジアミン/2,6−ジクロロパラフェニレンジアミン/テレフタル酸ジクロライド共重合体等が挙げられる。
【0060】
(c)成分のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
本発明では、上記成分の他に、本発明の特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の付加的成分、例えば、酸化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、無機リン系化合物、芳香族ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤など)、フッ素系ポリマー、可塑剤(オイル類、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤、スリップ剤、無機または有機の充填材や強化材(ガラス繊維、ガラスフレーク、カーボン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ウィスカー、カーボンブラック、マイカ、タルク、カオリン、クレー、モンモリロナイト、グラファイト、酸化チタン、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ワラストナイト、導電性金属繊維、導電性カーボンブラック等)、各種着色剤、離型剤等を添加してもかまわない。
【0061】
本発明の樹脂組成物の製造方法は、上記した各成分を用いて、(a)アミノ基含有ポリマーおよび/または該アミノ基含有ポリマーを水素添加してなるアミノ基含有水添ポリマーと(b)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基のいずれか1種の官能基を有する官能基含有ポリフェニレンエーテルを一緒に溶融混練し、反応して得られたグラフト共重合体と(c)熱可塑性樹脂とをさらに溶融混練する方法、押出機の最初の第1供給口より(a)アミノ基含有ポリマーおよび/または該アミノ基含有ポリマーを水素添加してなるアミノ基含有水添ポリマー、(b)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基のいずれか1種の官能基を有する官能基含有ポリフェニレンエーテルを同時に供給し、溶融状態のこれらが反応したグラフト共重合体に押出機の中間に設けた第2供給口より(c)熱可塑性樹脂を供給し溶融混練する方法などの種々の方法が挙げられる。
これらの方法として例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練方法が挙げられるが、二軸押出機を用いた溶融混練方法が最も好ましい。この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常200〜380℃の中から任意に選ぶことができる。
【0062】
本発明のグラフト共重合体およびその樹脂組成物は、具体的には、自動車部品としてのバンパー、フェンダー、ドアーパネル、各種のモール、エンブレム、エンジンフード、ホイールキャップ、ルーフ、スポイラー、各種エアロパーツ等の外装品や、インストゥルメントパネル、コンソールボックス、トリム等の内装品等にも適している。さらに、電気機器の内外装部品としても好適に使用でき、具体的には各種コンピューターおよびその周辺機器、その他のOA機器、テレビ、ビデオ、MD、MP3、CDROM、CDR、DVDROM、DVDRAM、DVD−R、DVD−RW等の各種ディスクプレーヤー等のシャーシーやキャビネット、冷蔵庫等の部品用途にも適している。そして更には、電極および電解液、セパレーターを直接収納する鉛蓄電池、ニッケル水素電池電槽、リチウムイオン電池電槽に好適に使用できる。これらの電池電槽は、解放型二次電池電槽、密閉型二次電池電槽のいずれにも適している。また、これらの電池を複数個収納するバッテリーケースの材料としても利用できる。
成形方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、射出成形、金属インモールド成形、中空成形、押出成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層成形等の成形方法が使用できる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、実施例によって、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、使用した原料は下記の通りである。
(a)アミノ基含有ポリマー、アミノ基含有水添ポリマー
(a−1):窒素ガスで置換した攪拌機付きリアクターのシクロヘキサン溶剤中で、n−ブチルリチウムを重合開始剤として用い、数平均分子量が62000、ブタジエンの1,2−ビニル結合量が43%のポリブタジエンを重合した。重合終了後、使用したn−ブチルリチウム量から計算した重合体溶液中に存在するリチウムイオンに対して1.3倍モルの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを加え95℃にて10分間反応させた後、米国特許第4501857号に記載された方法にて水素添加反応をポリブタジエン部分のエチレン性不飽和結合に対して実施し、水素添加率99.3%のポリマーを得た。この水添反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100gに対して0.3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、水添されたポリブタジエン鎖末端に2級アミンが付加した水添ポリブタジエン(a−1)成分を得た。
【0064】
(a−2):窒素ガスで置換した攪拌機付きリアクターのシクロヘキサン溶剤中で、n−ブチルリチウムを重合開始剤として用い、数平均分子量が51000、ブタジエンの1,2−ビニル結合量が11%のポリブタジエンブロック−ブタジエンの1,2−ビニル結合量が43%のポリブタジエンブロックの構造を有し、前者のブタジエンの1,2−ビニル結合量が11%のポリブタジエンブロックの割合が10重量%であり、ポリマー鎖末端がリビングリチウムイオン構造を示すポリブタジエンを重合した。重合終了後、使用したn−ブチルリチウム量から計算した重合体溶液中に存在するリチウムイオンに対して1.3倍モルの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを加え95℃にて10分間反応させた後、米国特許第4501857号に記載された方法にて水素添加反応をポリブタジエン部分のエチレン性不飽和結合に対して実施し、水素添加率99.1%のポリマーを得た。この水添反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100gに対して0.3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、水素添加されたポリブタジエン(水添前の1,2−ビニル結合量が11%のポリブタジエン)−水素添加されたポリブタジエン(水添前の1,2−ビニル結合量が43%のポリブタジエン)の構造を有し、水添されたポリブタジエン鎖末端に2級アミンが付加した水添ポリブタジエン(a−2)成分を得た。
【0065】
(a−3):上記(a−2)でポリブタジエンの構造を有し、ポリマー鎖末端がリビングリチウムイオン構造を示すポリブタジエンを重合した後に、リアクターから窒素ガスで置換した別のリアクターに重合液を移送し、移送したリアクター内のブロック共重合体溶液を米国特許第4501857号に記載された方法にて、水素添加反応をポリブタジエン部分のエチレン性不飽和結合に対して実施し、水素添加率98.8%のポリマーを得た。この水添反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100gに対して3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、水素添加されたポリブタジエン(水添前の1,2−ビニル結合量が11%のポリブタジエン)−水素添加されたポリブタジエン(水添前の1,2−ビニル結合量が43%のポリブタジエン)の構造を有する水添ポリブタジエン(a−3)成分を得た。
【0066】
(a−4):窒素ガスで置換した攪拌機付きリアクターのシクロヘキサン溶剤中で、n−ブチルリチウムを重合開始剤として用い、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量が68000、分子量分布1.2、全結合スチレン量が25重量%、ポリマー中のブロックAの全ての含有量が18重量%、ブロックAに含まれる全ての結合スチレン量がポリマー中の全結合スチレン量の72%であり、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合量が71%であるスチレン−ブタジエンランダム共重合体を含んだブロック共重合体鎖末端がリビングリチウムイオン構造を示すブロック共重合体を重合した。重合終了後、使用したn−ブチルリチウム量から計算した重合体溶液中に存在するリチウムイオンに対して1.3倍モルの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを加え95℃にて10分間反応させた後、米国特許第4501857号に記載された方法にて水素添加反応をポリブタジエン部分のエチレン性不飽和結合量が20%未満になるまで定量的に継続して実施し、水素添加率82.3%のポリマーを得た。この水添反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100gに対して0.3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、水素添加されたA−B−Aブロック共重合体鎖末端に2級アミンが付加した水添ポリブタジエン(a−4)成分を得た。
【0067】
(a−5):上記(a−4)でA−B−Aの構造を有し、ポリマー鎖末端がリビングリチウムイオン構造を示すブロック共重合体を重合した後に、リアクターから窒素ガスで置換した別のリアクターに重合液を移送し、移送したリアクター内のブロック共重合体溶液を米国特許第4501857号に記載された方法にて水素添加反応をポリブタジエン部分のエチレン性不飽和結合量が20%未満になるまで定量的に継続して実施し、水素添加率80.9%のポリマーを得た。この水添反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100gに対して3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、水素添加されたA−B−Aの構造を有する水添ブロック共重合体(a−5)成分を得た。
【0068】
(a−6):窒素ガスで置換した攪拌機付きリアクターのシクロヘキサン溶剤中で、n−ブチルリチウムを重合開始剤として用い、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量が78000、分子量分布1.1、全結合スチレン量が50重量%、ポリマー中のブロックAの全ての含有量が20重量%、ブロックAに含まれる全ての結合スチレン量がポリマー中の全結合スチレン量の40%であり、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合量が42%であるスチレン−ブタジエンランダム共重合体ブロックBを含んだブロック共重合体鎖末端がリビングリチウムイオン構造を示すブロック共重合体を重合した。重合終了後、使用したn−ブチルリチウム量から計算した重合体溶液中に存在するリチウムイオンに対して1.3倍モルの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを加え95℃にて10分間反応させた後、米国特許第4501857号に記載された方法にて水素添加反応をポリブタジエン部分のエチレン性不飽和結合に対して実施し、水素添加率98.9%のポリマーを得た。この水添反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100gに対して0.3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、水素添加されたA−B−Aブロック共重合体鎖末端に2級アミンが付加した水添ポリブタジエン(a−6)成分を得た。
【0069】
(a−7):上記(a−6)でA−B−Aの構造を有し、ポリマー鎖末端がリビングリチウムイオン構造を示すブロック共重合体を重合した後に、リアクターから窒素ガスで置換した別のリアクターに重合液を移送し、移送したリアクター内のブロック共重合体溶液を米国特許第4501857号に記載された方法にて水素添加反応をブタジエン部分のエチレン性不飽和結合に対して実施し、水素添加率99.1%のポリマーを得た。この水添反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100gに対して3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、水素添加されたA−B−Aの構造を有する水添ブロック共重合体(a−7)成分を得た。
(a−8):上記の(a−6)ポリマーの合成途中で得た水添反応する前のA−B−Aブロック共重合体鎖末端に2級アミンが付加した非水添ポリマーを(a−8)成分とした。
【0070】
(b)官能基含有ポリフェニレンエーテル
(b−1):数平均分子量が1800、ポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を合成し、このポリフェニレンエーテル100重量部に対して、無水マレイン酸5重量部を添加し、250〜300℃に加熱したベントポート付き二軸押出機(ZSK−40;WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練し、未反応の無水マレイン酸を減圧下で除去しながら押出を実施し、無水マレイン酸が3重量部付加した官能基含有ポリフェニレンエーテル(b−1)成分を得た。
【0071】
(b−2):(b−1)の無水マレイン酸変性しなかった数平均分子量が1800、ポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を(b−2)成分とした。
(b−3):数平均分子量が6200、ポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を合成し、このポリフェニレンエーテル100重量部に対して、無水マレイン酸2重量部を添加し、250〜300℃に加熱したベントポート付き二軸押出機(ZSK−40;WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練し、未反応の無水マレイン酸を減圧下で除去しながら押出を実施し、無水マレイン酸が1.1重量部付加した官能基含有ポリフェニレンエーテル(b−3)成分を得た。
【0072】
(b−4):(b−3)の無水マレイン酸変性しなかった数平均分子量が6200、ポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を(b−4)成分とした。
(b−5):数平均分子量が19000、ポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を合成し、このポリフェニレンエーテル100重量部に対して、無水マレイン酸1重量部を添加し、250〜300℃に加熱したベントポート付き二軸押出機(ZSK−40;WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練し、未反応の無水マレイン酸を減圧下で除去しながら押出を実施し、無水マレイン酸が0.5重量部付加した官能基含有ポリフェニレンエーテル(b−5)成分を得た。
【0073】
(b−6):(b−5)の無水マレイン酸変性しなかった数平均分子量が19000、ポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を(b−6)成分とした。
(b−7):数平均分子量が24000、ポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を合成し、このポリフェニレンエーテル100重量部に対して、無水マレイン酸1重量部を添加し、250〜300℃に加熱したベントポート付き二軸押出機(ZSK−40;WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練し、未反応の無水マレイン酸を減圧下で除去しながら押出を実施し、無水マレイン酸が0.4重量部付加した官能基含有ポリフェニレンエーテル(b−7)成分を得た。
【0074】
(b−8):(b−7)の無水マレイン酸変性しなかった数平均分子量が24000、ポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を(b−8)成分とした。
(b−9):数平均分子量が9000、ポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を合成し、このポリフェニレンエーテル100重量部に対して、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成エポキシ(株)製Grade250)6重量部を良く混合した後、オートクレーブに密閉し、150℃、2時間加熱反応を行った。反応生成物をトルエンに溶解した後、大過剰のメタノールを加えてポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾過して分離した後、150℃、0.1mmHgの条件で2時間、減圧乾燥させた。得られた官能化ポリフェニレンエーテルを重クロロホルムに溶解し270MHzNMRにて測定を行った。
【0075】
ピークのケミカルシフトはテトラメチルシランのピーク(0.00ppm)を基準として決定した。ポリフェニレンエーテル1分子当たりのエポキシ基の数はポリフェニレンエーテルの芳香環3,5位プロトンに起因するピーク(6.47ppm)とエポキシ基に起因するピーク(2.74,2.89,3.34ppm)の面積比から求めた。
その結果、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して、エポキシ樹脂が4重量部付加した官能基含有ポリフェニレンエーテル(b−9)成分を得た。
(b−10):(b−9)のエポキシ樹脂変性しなかった数平均分子量が9000ポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を(b−10)成分とした。
【0076】
(c)熱可塑性樹脂
(c−1):ポリアミドとして、商標:UBEナイロン6−1013B(宇部興産(株)製)を(c−1)成分とした。
(c−2):ポリプロピレンとして、密度0.906、メルトフローレート0.4のアイソタクチックポリプロピレンを(c−2)成分とした。
(c−3):ポリブチレンテレフタレートとして、商標:ジュラネックス2002(ウィンテック社製) を(c−3)成分とした。
(c−4):ポリフェニレンスルフィドとして、商標:TORELINA−M2588(東レ(株)製)を(c−4)成分とした。
【0077】
なお、グラフト共重合体の確認および物性の評価は次の通りに行った。
(1)グラフト共重合体の確認
(a)アミノ基含有ポリマーまたはアミノ基含有水添ポリマーと(b)官能基含有ポリフェニレンエーテルを反応した組成物を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、組成物0.05gをクロロホルム50gに溶解した溶液サンプルをポリフェニレンエーテルの検知波長283nmの紫外線検出器にて分子量を測定し、(b)成分の官能基含有ポリフェニレンエーテル単体が示す分子量領域より高分子側領域にポリフェニレンエーテルが検知された場合を、(a)アミノ基含有ポリマーまたはアミノ基含有水添ポリマーと(b)官能基含有ポリフェニレンエーテルが反応し、グラフト共重合体が存在すると判断した。ここで、クロロホルムに不溶な結晶性を有するアミノ基含有水添ポリマーに関してはGPCの測定は省略した。なお、GPC測定において分子量の目安とする標準物質は市販の単分散ポリスチレンを用いた。
【0078】
(2)引張強度およびウェルド引張強度保持率
樹脂状のポリマーに関しては、ASTM D638に準拠し、23℃の条件下で引張強度を測定した。なお、エラストマー状のポリマーに関しては、JISK6251に準拠し23℃の条件下で引張強度を測定した。
なお、ウェルド強度保持率は、ウェルド部分を持つサンプルの引張強度をウェルド部分を持たないサンプルの引張強度で徐した値の百分率として表した。
ウェルド強度保持率(%)=(ウェルド引張強度÷引張強度)×100%
(3)落錘衝撃強度(23℃)
50mm×90mm×2.5mm(厚み)の平板を用い、東洋精機社製、商品名:落錘グラフィックインパクトテスターにより、平板破壊時の全吸収エネルギーを測定した。
【0079】
【実施例1〜10および比較例1〜10】
アミノ基含有ポリマー、アミノ基含有水添ポリマー、官能基含有ポリフェニレンエーテルを表1に示した組成で各成分を配合し、230〜280℃に設定したベントポート付き二軸押出機(ZSK−40;WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練しグラフト共重合体をペレットとして得た。このペレットを用いて230〜280℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃の条件で1/8インチ厚みの引張試験用テストピースおよびウェルド引張試験用テストピースを射出成形した。またこの引張試験用テストピース成形品のランナー部分を繰り返し折り曲げて破断面の層剥離の有無を確認した。ここで得たテストピースの物性を測定し、その結果を併せて表1および2に記載した。
また、ここで得たペレットをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)にて分子量を測定し、グラフト共重合体の有無を確認した。
【0080】
【実施例11〜20および比較例11〜20】
(a)アミノ基含有水添ポリマー、(b)官能基含有ポリフェニレンエーテルを押出機の第1供給口から連続的に供給し、次いで、(c)熱可塑性樹脂をその押出機の中央部に位置する第2供給口から連続供給する製造プロセスにて、表2に示した組成で各成分を配合し、230〜300℃に設定したベントポート付き二軸押出機(ZSK−40;WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて溶融混練し組成物をペレットとして得た。このペレットを用いて240〜300℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃〜130℃の条件で引張試験用テストピースおよび落錘衝撃試験用の平板(50mm×90mm×2.5mm)を射出成形した。またこの引張試験用テストピース成形品のランナー部分を繰り返し折り曲げて破断面の層剥離の有無を確認した。ここで得たテストピースの物性を測定し、その結果を併せて表3および4に記載した。なお、(a)成分と(b)成分を反応して得られるグラフト共重合体は、(c)成分を添加しない状態で、押出機の第1供給口から(a)成分と(b)成分を連続的に供給し溶融混練し、押出機の中央部にある第2供給口より溶融混練物をサンプリングし、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)にて分子量を測定し、グラフト共重合体の有無を確認した。結果を表3および4に記載した。
【0081】
【表1】
Figure 2004099662
【0082】
【表2】
Figure 2004099662
【0083】
【表3】
Figure 2004099662
【0084】
【表4】
Figure 2004099662
【0085】
【発明の効果】
本発明のグラフト共重合体およびその樹脂組成物は、従来のポリフェニレンエーテルとエラストマーからなる樹脂組成物では達成できなかった両成分の混和性が著しく改良され、層剥離およびウェルド引張強度が改良されたグラフト共重合体であり、特にこのグラフト共重合体と熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物は衝撃強度が改良され、耐熱性、加工性に優れ、成形材料として極めて有用である。

Claims (13)

  1. (a)炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を重合開始剤として用いて得られる共役ジエン化合物重合体鎖および/またはビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体鎖のリビング末端リチウムイオン基と、一般式(1)または一般式(2)で示される環状化合物を反応させて得られるアミノ基含有ポリマーおよび/または該アミノ基含有ポリマーを水素添加してなるアミノ基含有水添ポリマー1〜99重量部と
    Figure 2004099662
    (式中、R1とR2は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基またはアルコキシ基を、Yは酸素原子、または硫黄原子を、nは2〜4の整数を示す。)
    Figure 2004099662
    (式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシ基を、Yは酸素原子または硫黄原子を、nは3〜4の整数を示す。なお、ポリメチレン鎖の水素原子の1個以上が炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。)
    (b)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基のいずれか1種の官能基を有する官能基含有ポリフェニレンエーテル 99〜1重量部とを反応して得られるグラフト共重合体。
  2. (a)炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を重合開始剤として用いて得られる共役ジエン化合物重合体鎖および/またはビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体鎖のリビング末端リチウムイオン基と、一般式(1)または一般式(2)で示される環状化合物を反応させて得られるアミノ基含有ポリマーおよび/または該アミノ基含有ポリマーを水素添加してなるアミノ基含有水添ポリマー1〜99重量部と
    Figure 2004099662
    (式中、R1とR2は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基またはアルコキシ
    基を、Yは酸素原子、または硫黄原子を、nは2〜4の整数を示す。)
    Figure 2004099662
    (式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシ基を、Yは酸素原子または硫黄原子を、nは3〜4の整数を示す。なお、ポリメチレン鎖の水素原子の1個以上が炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。)
    (b)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基のいずれか1種の官能基を有する官能基含有ポリフェニレンエーテル99〜1重量部とを反応して得られるグラフト共重合体1〜99重量部および(c)熱可塑性樹脂99〜1重量部を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  3. (a)成分のアミノ基含有ポリマーの前駆体であるビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体が、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなるブロック共重合体、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなるブロック共重合体、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB及び共役ジエン化合物化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCとからなるブロック共重合体、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体の中から選ばれる少なくとも1種であり、かかる共重合体中のビニル芳香族化合物の含有量が3〜90重量%である請求項1または2のいずれか1項に記載のグラフト共重合体。
  4. (a)成分のアミノ基含有ポリマーが、アミノ基含有(共役ジエン化合物)重合体、アミノ基含有(ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなる)ブロック共重合体、アミノ基含有(共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなる)ブロック共重合体、アミノ基含有(ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB及び共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCとからなる)ブロック共重合体、アミノ基含有(ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物)ランダム共重合体の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2のいずれか1項に記載のグラフト共重合体。
  5. (a)成分のアミノ基含有水添ポリマーが、アミノ基含有水添(共役ジエン化合物)重合体、アミノ基含有水添(ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなる)ブロック共重合体、アミノ基含有水添(共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなる)ブロック共重合体、アミノ基含有水添(ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB及び共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCとからなる)ブロック共重合体、アミノ基含有水添(ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物)ランダム共重合体の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2のいずれか1項に記載のグラフト共重合体。
  6. (a)成分のアミノ基含有水添ポリマーが、アミノ基含有(共役ジエン化合物)重合体、アミノ基含有(ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなる)ブロック共重合体、アミノ基含有(共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックBとからなる)ブロック共重合体、アミノ基含有(ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB及び共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCとからなる)ブロック共重合体、アミノ基含有(ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物)ランダム共重合体の中から選ばれる少なくとも1種の重合体鎖中に存在する共役ジエン化合物に由来するオレフィン性不飽和結合を90%〜0%まで水素添加反応により低減化したものである請求項1または2のいずれか1項に記載のグラフト共重合体。
  7. (b)成分の官能基含有ポリフェニレンエーテルの前駆体であるポリフェニレンエーテルのGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いて測定したポリスチレン換算した数平均分子量が1000以上である請求項1または2のいずれか1項に記載のグラフト共重合体。
  8. (b)成分の官能基含有ポリフェニレンエーテルが、無水マレイン酸で変性された酸無水物基含有ポリフェニレンエーテルである請求項1または2のいずれか1項に記載のグラフト共重合体。
  9. (c)成分の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、スチレン系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリエステル、液晶ポリエステルの中から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の樹脂組成物。
  10. (c)成分の熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体の中から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の樹脂組成物。
  11. (c)成分の熱可塑性樹脂が、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレンの中から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の樹脂組成物。
  12. (c)成分の熱可塑性樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミドMXD(m−キシリレンジアミン)/6、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,I、ポリ(バラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(バラベンズアミド)、ポリ(4,4‘−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(バラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(バラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−バラフェニレンテレフタルアミド)、またはバラフェニレンジアミン/2,6−ジクロロパラフェニレンジアミン/テレフタル酸ジクロライド共重合体の中から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の樹脂組成物。
  13. (c)成分の熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン/2−イソプロペニル−2−オキサゾリン共重合体の中から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の樹脂組成物。
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