JP7042492B2 - 基板上のグラフェン膜の直接成膜法及び走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー - Google Patents

基板上のグラフェン膜の直接成膜法及び走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー Download PDF

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特許法第30条第2項適用 1.応用物理学会秋季学術講演会(開催日: 平成30年9月18日から21日まで) (1)予稿集 20a-311-8(発行日 平成30年9月5日、口頭発表日 平成30年9月20日 発行者: 公益社団法人応用物理学会) (2)予稿集 18p-PB3-68 及びポスター発表(発行日 平成30年9月5日、ポスター発表日 平成30年9月18日 発行者: 公益社団法人応用物理学会 (3)予稿集 21p-PB1-8 及びポスター発表(発行日 平成30年9月5日、ポスター発表日 平成30年9月21日 発行者: 公益社団法人応用物理学会 2.グラフェン国際会議(Graphene 2018)(開催日 平成30年6月26日から29日まで) (4)ポスター発表(発行及び発表日 平成30年6月26日 ポスター発行者: 梅野正義 主催者:国際グラフェン会議組織委員会)
本発明は、金属触媒を用いることなく基板上にグラフェン膜を直接成膜する方法及びグラフェンから成る直接成膜層で被覆された探針部を有する走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーに関する。
グラフェンは、ベンゼン環が同一平面内で多数縮合した巨大π共役系である。多層のグラフェンは、単層の単結晶グラフェンが、法線方向に積層されたものである。各層のグラフェンは、弱いファンデルワールス力のみにより引き合っている。多層グラフェンでは伝導帯と価電子帯の先端部分がオーバーラップしており、伝導特性は半金属性を示す。2層グラフェンでは伝導帯と価電子帯の先端が接する。単層グラフェンでは分散特性が線形であり、伝導帯と価電子帯はその先端が1点で接触し、円錐形のディラックコーンとなる。これらのことから移動度が高く、電子質量が小さく、移動速度が速いことから、グラフェンは多くの将来の用途が期待されている。
下記特許文献1にはSi基板上に直接、グラフェンを成長させることが困難なために、Si基板上に種グラフェンを設置して、炭素含有ガスのプラズマCVDを用いて基板上にグラフェン膜を成膜することが開示されている。また、特許文献2にはレーザを照射しながらマイクロ波プラズマCVDを用いて基板上にグラフェン膜を成膜する方法が開示されている。また、特許文献3にはカーボンナノチューブを探針に用いた走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーが知られている。
特開2011-168448 特許第6116004号 特開2001-281124
しかし、特許文献1、2の方法によると基板上に直接成膜することが可能ではあるが、移動度、伝導率、光透過率等の電気・光特性をさらに向上させることが、グラフェンの今後の広い用途において期待されている。
本発明は上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は金属触媒を用いることなく基板上に、電気的及び光学的特性の良好な良質なグラフェン膜を直接成膜することを可能とすることである。また、特性の良好な走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーを実現することである。
本発明の構成は、CVD反応容器内において、炭素源のプラズマ分解により、グラフェン膜を基板上に製造する方法であって、基板は、シリコン、窒化ガリウム、銅インジウム硫黄、ガラス、又は石英のうちの1種であり、基板の温度を300℃以下、100℃以上に保持し、少なくとも炭素と水素とを有する化合物の原料ガスとして、メタン(CH4 )、アセチレン(C2 2 )、エチレン(C2 4 )、エタン(C2 6 )のうち1種のガスと、二酸化炭素ガス(CO2 )と水素ガス(H2 )とアルゴンガス(Ar)との混合ガスを基板上に流し、CVD反応容器の内圧を1~500Paに保持し、電力700W以上、1200W以下の範囲のマイクロ波を供給して、マイクロ波励起により基板の表面上に混合ガスの表面波プラズマを生成し、マイクロ波の電力と二酸化炭素ガスの流量を最適化することにより、触媒を用いることなく基板上にグラフェン膜を横方向成長させて、グラフェン膜のシート抵抗を低下させ光透過率を向上させ、その後に基板上に直接成膜されたグラフェン膜をオゾンにより処理することにより、処理前と比較してグラフェン膜のシート抵抗を低下させ、光透過率を増加させ、1.6kΩ/□以下のシート抵抗と、70%以上の光透過率を有したグラフェン膜を直接成膜させることを特徴とするグラフェン膜の製造方法である。
上記構成において、マイクロ波はパルス変調された繰り返しパルスマイクロ波とすることが望ましい。基板は、シリコン、窒化ガリウム、銅インジウム硫黄(CIS)、ガラス、又は石英のうちの1種を用いることができる。シリコン、窒化ガリウムは、半導体シリコン、半導体窒化ガリウムで、単結晶でも多結晶でも良い。原料ガスの他に二酸化炭素ガス(CO2 )を、基板上に供給する。二酸化炭素ガスの流量を制御することにより基板上に直接成膜されたグラフェン膜の抵抗率を低減させ、光透過率を増大させるように制御することができる。
また、原料気体はメタンガス(CH4 )であり、二酸化炭素ガス(CO2 )と水素ガス(H2 )とアルゴンガス(Ar)が共に基板上に供給されることが望ましい。メタンの他、アセチレン(C2 2 )、エチレン(C2 4 )、エタン(C2 6 )などの炭化水素を用いることができる。基板の温度は300℃以下、100℃以上である。また、グラフェン膜は基板上に直接成膜された後に、オゾンにより処理される。このオゾンによる処理によりグラフェン膜のシート抵抗を低下させ、光透過率を向上させることができる。また、グラフェン膜は、基板上に直接成膜された後に、酸素を含む雰囲気中において紫外線により照射処理されることが望ましい。紫外線の照射により、グラフェン膜のシート抵抗を低下させ、光透過率を向上させることができる。
他の発明の構成は、走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーの製造方法において、カンチレバーの温度を500℃以下に保持し、少なくとも炭素と水素とを有する化合物の原料ガスをカンチレバー上に流し、マイクロ波励起により前記原料ガスの表面波プラズマを生成して、触媒を用いることなく前記カンチレバーの探針部を構成する突起上にグラフェン膜を横方向成長させて直接成膜させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーの製造方法である。
この構成において、カンチレバーの探針部は、シリコンで形成されていることが望ましい。カンチレバーの温度は300℃以下、100℃以上に保持され、原料ガスと共に二酸化炭素ガス(CO2 )と水素ガス(H2 )とアルゴンガス(Ar)との混合ガスをカンチレバー上に流し、突起上にグラフェン膜を直接成膜した後に、グラフェン膜をオゾンにより処理することが望ましい。
さらに、グラフェン膜は、突起上に直接成膜された後に、酸素を含む雰囲気中において紫外線により照射処理されることが望ましい。
他の発明の構成は、走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーにおいて、カンチレバーは、シリコンで形成された突起からなる探針部を有し、探針部の表面に、グラフェンから成る横方向成長直接成膜層を有するすることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーである。
シリコンの突起にグラフェンの直接成膜層が積層されていることにより、走査型プローブ顕微鏡用の特性が向上する。
本発明によると、電気的及び光学的特性の良好な結晶性の良いグラフェン膜を基板上に直接成膜す得ることができる。その結果、特性の良好な走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーを得ることができる。
本発明に実施例の製造方法に用いられるグラフェン膜の製造装置を示す構成図。 実施例の製造方法で製造されたグラフェン膜の測定されたラマン分光特性。 実施例の製造方法で製造されたグラフェン膜の表面状態を示す各種の顕微鏡写真。 実施例の製造方法で製造されたグラフェン膜をオゾンで処理した時の処理時間とシート抵抗との関係を測定した特性図。 実施例の製造方法で製造されたグラフェン膜をオゾンで処理した時の処理時間と透過率との関係を測定した特性図。 実施例の製造方法によりシリコン基板上に直接成膜したグラフェン膜のTEM画像。 他の実施例に係る走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの構成図。 同実施例のカンチレバーの探針部に直接成膜されたグラフェン膜を示すTEM画像。 図8のTEM画像の拡大画像。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、原料ガスとして、メタン(CH4 ) を用いた。また、二酸化炭素ガス(CO2 )を原料ガスと共に流した。キャリアガスとして、水素ガス(H2 )とアルゴンガス(Ar)の混合ガスを用いた。もちろん、メタン(CH4 ) の他、アセチレン(C2 2 )や、エチレン(C2 4 )、エタン(C2 6 )などの炭化水素を用いることができる。また、キャリアガスとして、アルゴン(Ar)の他の不活性ガスを用いても良い。
図1は本発明に係るグラフェン膜の製造装置100の構成を示す構成図である。図1に示されるように、製造装置100は、CVD反応容器1と、その上部に配設された導波管2とを有する。CVD反応容器1と導波管2との間には、石英から成るプラズマ励振板3が設けられている。プラズマ励振板3のCVD反応容器1側に面した面には多数の微小な凹部30が形成されている。この凹部30に電界が集中することにより、凹部30がプラズマの発生起点となり、低電力でのプラズマの発生が容易になる。また、CVD反応容器1の内部及びプラズマ励振板3をマイクロ波で励振するために導波管2の下部にスロットアンテナ4が設けられている。導波管2には2.45GHzのマイクロ波が供給され、スロットアンテナ4を介して、CVD反応容器1の内部及びプラズマ励振板3に電磁波が供給される。
CVD反応容器1の内部には、グラフェン膜を成長させる基板5が設置されるサセプタ6及び基板5を加熱するための加熱装置7が設けられている。メタンガス、二酸化炭素ガス、水素ガス、アルゴンガスの供給量は、それぞれのマスフローコントローラにより供給量が調整されて、CVD反応容器1の右側に設けられた導入口11からCVD反応容器1内に導入される。CVD反応容器1の左側には、ガスを外部へ排出する排出口12が設けられている。CVD反応容器1の内部は、図示しない真空ポンプにより10-3torr程度に減圧できるようになっている。基板5にはガラス、石英、Siなどの半導体、SiO2 などの誘電体を用いることができる。
また、供給するマイクロ波は周波数2.5kHz、デューティ比0.5のパルスとした。マイクロ波電力は1.0kWである。CVD反応容器1の内部の圧力は10Paとした。この装置は、パルス化マイクロ波表面波プラズマCVD装置である。CVD反応容器1の内部の圧力は、1~500Paの範囲でグラフェン膜の成膜が可能である。また、温度は、150℃以上、500℃以下の範囲で、望ましくは、100℃以上、300℃以下の範囲でグラフェン膜の成膜が可能である。
次に、グラフェン膜を基板5上に製造する方法について説明する。基板5には、ガラス基板と石英基板とシリコン基板が用いられた。基板5の表面は、アセトン及びメタノール中で超音波洗浄され、その後乾燥され、その基板5はサセプタ6上に設置された。
グラフェン膜の製造において、CVD反応容器1の内部にメタンと二酸化炭素と水素とアルゴンが一定量流され、CVD反応容器1の内部の圧力は10Paに設定された。そして、加熱装置7により基板5は加熱されて、基板5の温度は目的温度300℃に設定された。この状態で、メタンと二酸化炭素と水素とアルゴンは、基板5の上に、流量がマスフローコントローラにより制御されて、輸送される。なお、キャリアガスには、アルゴン(Ar)や水素(H2 )や、ヘリウム(He)、窒素(N2 )等の不活性ガス、これらの混合ガスを用いることができる。
次に、電力1.0kW、2.45GHzのマイクロ波を、周波数2.5kHz、デューティ比0.5のパルスで変調したパルス化マイクロ波が導波管2に供給され、CVD反応容器1の内部においてメタンと二酸化炭素と水素とアルゴンとの混合気体のプラズマが生成された。マイクロ波の電力は500W~2000Wの範囲とすることができる。特に、基板5の表面上に、これらの気体の表面波プラズマが生成された。基板5上にグラフェン膜が、所定時間、成長された後、加熱装置7の通電が停止され、基板5の温度は室温まで低下された。
なお、基板5の温度は、150~600℃の範囲の任意の温度にすることができる。また、基板5の温度を150~300℃の低温にしても、良質で広い面積のグラフェン膜を得ることができる。マイクロ波はパルス変調しなくとも良い。パルス変調することで、基板上にグラフェン膜が均一一様に形成される結果、光透過率と移動度が向上した。
マイクロ波電力を800Wとし、パルス変調をしない状態で、二酸化炭素ガスの流量を変化させた時の得られたグラフェン膜の抵抗率と透過率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007042492000001
シート抵抗が最低値をとる最適な二酸化炭素ガスの流量が存在することが分かる。二酸化炭素ガスの流量が0.3sccmの時にシート抵抗は4.7kΩ/□と最低値をとる。二酸化炭素ガスの流量が0sccmの時には、シート抵抗は15kΩ/□と大きいが、二酸化炭素ガスの流量が増加するに伴いシート抵抗は低下した。しかし、二酸化炭素ガスの流量が0.5sccm以上となると、シート抵抗は0.5sccmで32kΩ/□、0.6sccmで100kΩ/□と、急激に増加した。透過率に関しては二酸化炭素ガスの流量が増加すると、透過率は減少する傾向にある。しかし、二酸化炭素ガスの流量が0.3sccmの時には透過率は79%と、二酸化炭素ガスを供給したなかでは、透過率は最も高い。また、マイクロ波の電力を700Wから1200Wまで変化させ、二酸化炭素ガスの流量を最適化させた。電力が1000Wの時にシート抵抗が最低、透過率が最大となった。この状態で、二酸化炭素ガスの流量を調整することで、シート抵抗は1.6kΩ/□、透過率は79%が得られた。また、マイクロ波をパルス変調した場合にも、得られたグラフェン膜の抵抗率が低減でき、透過率の減少を抑制することができることが確認されている。
次に、上記の方法により、ガラス基板及び石英基板上にグラフェンを成膜し、得られたグラフェンに対してラマン分光分析を行った。ラマンスペクトルを図2に示す。1350cm-1、1580cm-1、2682cm-1において、それぞれ、D、G、2D線が観測されていることが分かる。G線の幅が狭く、2D線が大きいことから、良質なグラフェン膜が得られていることが分かる。また、2D線が大きいことから、フォノンとの相互作用が小さく、グラフェンの層数は2~5層である。石英上に成膜したグラフェンのD線はG線よりも大きいことから、グラフェンに何らかの欠陥が存在することが予測される。
そこで、石英基板上に成長させたグラフェン膜の表面モホロジィを観測した。その結果を図3に示す。図3のa)は光学顕微鏡による画像、b)はSEM像、c)はAFM像、d)AFM3次元像、e)は表面のラインプロファイルである。これらの結果からグラフェンは縦方向成長せずに横方向成長していることが分かる。すなわち、カーボンナノウォール状の成長にはなっていないことが分かる。したがって、大きいD線は、二酸化炭素ガスを供給した結果、酸素不純物や表面の不純物汚染によるものと考えられる。しかし、二酸化酸素ガスの流量を適正に制御することで、シート抵抗を低下させ、透過率を低減させないこと又は透過率を向上できることが確認されている。したがって、二酸化炭素ガスの流量や、マイクロ波の電力、原料ガスの圧力、ガス間のモル比などを適正に制御することで、グラフェンを基板上に横方向成長させて、電気特性や光学特性を向上させることができる。シート抵抗を数kΩ/□程度、透過率を70-90%程度にすることができる。
次に、以上のように基板上に成膜したグラフェン膜の表面をオゾン(O3 )雰囲気に晒した。実際には、酸素雰囲気中で紫外線照射を行った。これによりグラフェン膜の表面の不純物を除去した。このオゾン処理されたグラフェン膜のオゾン処理時間に対するシート抵抗と透過率の変化特性を測定した。その結果をそれぞれ図4、図5に示す。オゾンでの処理により、シート抵抗は減少し、透過率は増加した。シート抵抗の減少量は、処理前のシート抵抗に対して30-35%であった。また、透過率の増加量は、処理前の透過率に対して1%であった。
シリコン基板上に実施例1と同様にグラフェンを成膜した。そのTEM像を測定した。結果を図6に示す。シリコン基板上に3-5層のグラェン膜が得られていることが分かる。次に、グラフェン膜で被覆した走査型プローブ顕微鏡(SPM)用カンチレバーについて説明する。図7はSiを用いたSPM用カンチレバーの先端の探針部を示す。この探針部に上記の製造方法によりグラフェン膜を成膜した。成膜後の探針部を図8、9に示す。20層程度のグラフェンが探針部に成膜できた。このカンチレバーは、測定特性が良好であった。半導体シリコン上、ガラス上、石英上に、グラフェン膜を直接成膜できたことから、基板としては、これらの他に、窒化ガリウムや銅インジウム硫黄(CIS)上にもグラフェン膜を直接成膜することができる。
本発明は、結晶性の高い、電気特性及び光学特性に優れたグラフェン膜の製法に用いることができる。
1:CVD反応容器
3:励振板
5:基板
7:加熱装置
20…レーザ
30:凹部

Claims (8)

  1. CVD反応容器内において、炭素源のプラズマ分解により、グラフェン膜を基板上に製造する方法であって、
    前記基板は、シリコン、窒化ガリウム、銅インジウム硫黄、ガラス、又は石英のうちの1種であり、
    前記基板の温度を300℃以下、100℃以上に保持し、
    少なくとも炭素と水素とを有する化合物の原料ガスとして、メタン(CH4 )、アセチレン(C2 2 )、エチレン(C2 4 )、エタン(C2 6 )のうち1種のガスと、二酸化炭素ガス(CO2 )と水素ガス(H2 )とアルゴンガス(Ar)との混合ガスを前記基板上に流し、
    前記CVD反応容器の内圧を1~500Paに保持し、
    電力700W以上、1200W以下の範囲のマイクロ波を供給して、マイクロ波励起により前記基板の表面上に前記混合ガスの表面波プラズマを生成し、
    前記マイクロ波の電力と前記二酸化炭素ガスの流量を最適化することにより、触媒を用いることなく前記基板上にグラフェン膜を横方向成長させて、前記グラフェン膜のシート抵抗を低下させ光透過率を向上させ、その後に前記基板上に直接成膜された前記グラフェン膜をオゾンにより処理することにより、処理前と比較して前記グラフェン膜のシート抵抗を低下させ、光透過率を増加させ、1.6kΩ/□以下のシート抵抗と、70%以上の光透過率を有したグラフェン膜を直接成膜させる
    ことを特徴とするグラフェン膜の製造方法。
  2. 前記マイクロ波は、パルス変調された繰り返しパルスマイクロ波であることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン膜の製造方法。
  3. 前記グラフェン膜は、前記基板上に直接成膜された後に、酸素を含む雰囲気中において紫外線により照射処理されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のグラフェン膜の製造方法。
  4. 走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーの製造方法において、
    前記カンチレバーの温度を500℃以下に保持し、少なくとも炭素と水素とを有する化合物の原料ガスを前記カンチレバー上に流し、マイクロ波励起により前記原料ガスの表面波プラズマを生成して、触媒を用いることなく前記カンチレバーの探針部を構成する突起上にグラフェン膜を横方向成長させて直接成膜させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーの製造方法。
  5. 前記カンチレバーの前記探針部は、シリコンで形成されていることを特徴とする請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーの製造方法。
  6. 前記カンチレバーの温度は300℃以下、100℃以上に保持され、
    前記原料ガスと共に二酸化炭素ガス(CO2 )と水素ガス(H2 )とアルゴンガス(Ar)との混合ガスを前記カンチレバー上に流し、
    前記突起上にグラフェン膜を直接成膜した後に、前記グラフェン膜をオゾンにより処理する
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーの製造方法。
  7. 前記グラフェン膜は、前記突起上に直接成膜された後に、酸素を含む雰囲気中において紫外線により照射処理されることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーの製造方法。
  8. 走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーにおいて、
    前記カンチレバーは、シリコンで形成された突起からなる探針部を有し、前記探針部の表面に、グラフェンから成る横方向成長直接成膜層を有するすることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー。
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