特許文献1から特許文献4に開示された装置及びシステムは、車両の管理者が車両若しくは機器を管理するため、または、事故等の緊急事態が起こった際に使用されるものであり、車両の利用者が欲する多種多様な情報を提供することはできない。車載装置等の電子機器の利用者は、電子機器から自分の欲しい情報の提供を受けたいと考える。
本発明の目的は、例えば、利用者が、種々の情報を従来よりも簡便に取得することが可能な電子機器及びプログラム等を提供することである。
本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されており、この課題を解決するための構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。
(1)利用者に情報を提供する電子機器であって、
前記利用者に関する情報である利用者情報を、前記利用者に直接入力させることなく取得する取得手段を介して取得し、予め準備されている情報のうち、取得された前記利用者情報に応じた情報を出力手段に出力させる電子機器とするとよい。
利用者は、自身に関する利用者情報を直接入力しなくても、利用者情報に応じた情報を電子機器から入手することができる。利用者に直接入力させることのない構成として、例えば、入力すべき利用者情報の内容を利用者が認識して入力する操作を行うことがない構成とするとよい。また、利用者が、例えばタッチパネル、ポインティングデバイス、キーボード等の入力機器を用いて利用者情報を表す文字列を手入力する操作を行うことがない構成とするとよい。このような構成とすることにより、利用者にとって、利用者情報の内容を把握する手間、及び手入力を行う手間を省くことができるという効果が得られる。また、利用者が、利用者情報の入力に全く関与しないで利用者情報が入力される構成としてもよい。
電子機器として、家庭内でもよいが、特に外出先または旅行先で利用されるものとするとよい。外出先や旅行先では、煩雑な手入力等を行う余裕がない場合が多いため、利用者情報を手入力等する必要がない電子機器は、外出先や旅行先での利用に特に顕著な効果を有する。電子機器として、例えば車両に付随して利用される電子機器とするとよい。車両に付随して利用される電子機器として、例えば車両に搭載されるナビゲーション装置、ドライブレコーダ等、及び車両の内外で利用されるポータブルナビゲーション装置等が挙げられる。また、車両とは無関係に、不特定の者によって利用される電子機器としてもよい。このような電子機器として、例えばコンビニエンスストア等のプリントサービス提供店等に設置されたプリンタ等が挙げられる。
利用者情報として、例えば、利用者の移動に伴って変化する情報、または現時点に連続する未来における利用者の行動を規定する情報とするとよい。利用者の移動に伴って変化する情報として、例えば利用者の現在の位置を表す位置情報が挙げられる。現時点に連続する未来における利用者の行動を規定する情報として、車両の利用目的を特定する情報等が挙げられる。利用者の現在の位置を表す位置情報として、例えば経度及び緯度を用いることができる。車両の利用目的を特定する情報は、例えば観光目的、ビジネス目的等の種々の目的の一つを特定する。
予め準備されている情報として、例えば特定の場所またはエリアに関連付けられた情報とするとよい。このような情報として、例えば観光地、観光施設等を示す情報、訪問先の会社の位置を特定する情報等が挙げられる。特定の場所またはエリアに関連付けられた情報として、観光地や観光施設の名称、地域や施設に関連付けて準備され、その地域や施設を訪れる者に有益な情報を提供するアプリケーションを特定する情報、ふるさと納税の返礼品を提供している自治体を特定する情報、地図情報等が挙げられる。
出力手段に出力される利用者情報に応じた情報は、利用者情報と対応付けてデータベース化して電子機器の記憶装置に記憶させておくとよい。また、出力手段に出力させるべき利用者情報に応じた情報は、利用者情報に基づいてこのデータベースを参照することにより抽出するとよい。
取得手段として、例えば、利用者情報の内容を利用者が認識して入力する操作を利用者に課すことなく利用者情報を処理手段に取得させるものとするとよい。
このような取得手段として、例えば、利用者情報の内容を記録した記録媒体、及びこの記録媒体に記録された情報を読み取る読み取り装置とするとよい。記録媒体として、例えばニアフィールドコミュニケーション(NFC)対応の非接触ICカードとするとよい。非接触ICカードとして、利用者情報を記録するための専用のカードとするとよく、NFC対応の運転免許証等としてもよい。読み取り装置として、例えばNFC対応の非接触ICカードと通信可能な通信機器とするとよい。記録媒体として、例えば利用者情報の内容をコード化して記録した紙媒体としてもよい。このとき、読み取り装置として、紙媒体に記録されたコードを光学的に読み取る読み取り装置とするとよい。
このような取得手段として、例えば、利用者情報の内容を複数の利用者の各々に対応付けて記憶しているサーバ、及び利用者を識別する識別手段としてもよい。識別手段として、例えば、利用者の識別情報を記録した非接触ICカードと非接触型カードリーダとするとよい。また、識別手段として、指紋認証、虹彩認証、顔認証等の生体認証技術を用いて利用者を識別する手段としてもよい。利用者の識別情報で特定される利用者に対応付けられた利用者情報をサーバから処理手段に送信することにより、処理手段が利用者情報を取得することができる。
このような取得手段として、例えば利用者の操作をまったく必要とせず利用者が気付かないまま、利用者情報を処理手段に取得させるものとしてもよい。このような取得手段として、例えば、電子機器の現在地の位置情報を取得する位置検知装置とするとよい。この位置検知装置として、例えば、全地球測位システム(GPS)受信機等を用いることができる。利用者が位置検知装置を携帯することにより、処理手段は、利用者の現在地の位置情報を含む利用者情報を取得することができる。
処理手段として、例えば、取得手段を介して情報を受取ることができる中央処理ユニット(CPU)及びCPUを動作させるためのプログラムを格納した記憶装置とするとよい。
利用者情報に応じた情報を出力手段に出力させる態様として、その情報を出力手段としての表示画面に表示するようにするとよい。電子機器が車両に付随して利用されるとき、車両の利用者は、利用者情報に応じた情報を視覚で認識しながら車両を利用することができる。利用者情報に応じた情報を利用者に提供する態様として、その情報を紙媒体に印刷するようにしてもよい。利用者は、情報が印刷された紙媒体を携行し、紙媒体に印刷された情報を視覚で認識することができる。
(2)前記電子機器は車両内で利用される構成を有し、
前記利用者情報は、前記車両の利用目的を示す情報を含み、前記処理手段は、前記車両の利用目的を示す情報で示された利用目的に応じた情報を前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
車両の利用者は、車両の利用目的に応じて、電子機器から情報を入手することができる。車両の利用者は特定の者に限定せず、不特定の者にするとよい。車両の利用者が変わっても、また車両の所有者以外の者が車両を利用する場合でも、現時点の利用者の利用者情報に応じて、利用者に情報を提供することができる。
車両として、不特定の者が利用するものとするとよい。不特定の者が利用する車両としては、例えば不特定の者に貸し出す車両とするとよく、例えば、レンタカーやカーシェアリングに用いられる車両とするとよい。利用者は、車両が不特定の者に貸し出されるものであるにもかかわらず、あたかも自分の車両であるかのように電子機器から利用者情報に応じた情報の提供を受けることができる。また、不特定の者が利用する車両としては、車両を貸し出す者が利用料金を利用者から受け取って貸し出す車両とするとよい。貸し出される車両に付随して電子機器を貸し出すと、電子機器から当該車両の利用者の利用者情報に応じた情報の提供がなされるので、車両を貸し出すサービスに付加価値を付けることができる。
車両の貸し出し業者は、貸し出し前に利用者に関する情報をサーバに登録しておくとよい。電子機器の処理手段は、取得手段を通して貸し出し業者のサーバから利用者情報を取得するようにするとよい。または、貸し出し業者のサーバからリムーバブルメモリカードや非接触ICカード等に利用者情報をコピーし、このメモリカードや非接触ICカード等の内容を電子機器の取得手段に読み込ませることによって、電子機器の処理手段が利用者情報を取得するようにしてもよい。
電子機器は、車両内で利用可能なものとするとよい。車両内で利用可能な電子機器としては、必要に応じて車両に持ち込み可能な電子機器としてもよいが、特に車両に予め設置された電子機器や車両に後付けで設置可能な電子機器とするとよい。特に車両に設置され車外への取り外しが不可能または困難な電子機器とするとよい。車外への取り外しが不可能または困難な電子機器とすることにより、車両から電子機器を持ち出すことが困難になるので、電子機器が車両から持ち出されて車両の利用者が電子機器を利用できないという事態の発生を極力回避することができる。
車両の利用目的を示す情報によって示される利用目的として、例えば観光目的、ビジネス目的等が挙げられる。例えば、電子機器の取得手段をバーコードリーダとし、処理手段が会社の名刺に描かれた二次元バーコードを読み取ったと判定した場合に、利用目的がビジネス目的であるとし、処理手段が観光ガイドブックに表示されたバーコードを読み取ったと判定した場合には、利用目的が観光目的であるとするとよい。
利用目的を示す情報によって示される利用目的が観光目的であるとき、利用目的に応じた情報としては、観光地または観光施設を特定できる情報とするとよく、例えば観光地または観光施設の名称とするとよい。観光地または観光施設の名称に加えて観光案内情報を提供するとさらによい。利用者は、観光ガイド役の人から提供してもらうサービスと同等のサービスを電子機器から受けることができる。
利用目的を示す情報によって示された利用目的がビジネス目的であるとき、利用目的に応じた情報としては、会社を特定できる情報とするとよく、例えば会社の場所を示す情報とするとよい。
(3)前記利用者情報は、前記利用者と行動を共にする者との関係を示す情報を含み、前記処理手段は、前記利用者と行動を共にする者との関係を示す情報に応じた情報を前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
車両の利用者は、電子機器から、自分と行動を共にする者と自分との関係を示す情報で示された関係に応じた情報の提供を受けることができる。自分と行動を共にする者と自分との関係として、例えば、家族の関係、恋人の関係、友人の関係等が挙げられる。
例えば、自分と行動を共にする者と自分との関係が家族の関係であるとき、処理手段は、利用者情報に応じた情報として、家族で訪れるのに適した観光地、観光施設等を示す情報、例えば遊園地を示す情報を出力手段に出力させるとよい。例えば、自分と行動を共にする者と自分との関係が恋人の関係であるとき、処理手段は、利用者情報に応じた情報として、恋人と訪れるのに適した観光地、観光施設等、例えばデートスポット等を示す情報を出力手段に出力させるとよい。例えば、自分と行動を共にする者と自分との関係が友人の関係であるとき、処理手段は、利用者情報に応じた情報として、友人と訪れるのに適した場所を示す情報を出力手段に出力させるとよい。
(4)前記予め準備されている情報は、前記利用者に所定の特典を与える情報を含み、前記処理手段は、前記利用者情報に応じて前記利用者に所定の特典を与える情報の少なくとも一部を前記出手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、利用者情報に応じて所定の特典を得られる情報を入手することができる。所定の特典として、例えば優待を受けることができるという特典が挙げられる。例えば無料で飲食または入場できるという特典、正規の金額から割り引いた金額で飲食または入場できるという特典が挙げられる。
所定の特典を与える情報としては、所定の特典を与えるクーポンに関する情報とするとよく、例えばクーポンを特定する情報とするとよい。利用者は、所定の特典を与えるクーポンに関する情報を入手することができる。所定の特典を与える情報は、電子機器の表示画面に画像として表示することにより、利用者に提供するようにするとよい。利用者は、所定の特典を与える情報を視覚的に認識することができる。
クーポンに関する情報を、近距離無線通信等を用いて電子機器から利用者の携帯端末に転送し、その携帯端末を施設の入場ゲートに設置された端末にかざして所定の特典を受けることができるようにするとよい。または、その携帯端末に転送したクーポンに関する情報を携帯端末に表示し、表示された内容を施設の係員に見せて所定の特典を受けることができるようにするとよい。
所定の特典を与える情報は、電子機器の表示画面に当該所定の特典を与える情報を表示することによって利用者に提供するようにするとよい。利用者は、所定の特典を与える情報を表示している表示画面を見て、どのような特典を受けられるのかを認識することができる。
(5)前記処理手段は、前記利用者情報を消去する所定の消去条件が満たされると、取得されている前記利用者情報を消去する機能を有する電子機器とするとよい。
車両が不特定の者に貸し出される態様で利用される場合であっても、利用者は自分に関する情報を他の利用者に見られないようにすることができる。利用者情報として、例えば、個人情報とするとよい。このようにすることで、利用者は電子機器を利用する他の利用者に自分の個人情報を知られないようにすることができる。
所定の消去条件として、利用者により消去操作が行われたこととするとよい。電子機器が利用される車両として、返却場所を指定して利用者に貸し出されるもの、例えばレンタカーとするとよい。この場合、所定の消去条件として、車両が返却場所に返却されたこととするとよい。
(6)前記車両は、時間を区切って前記利用者に貸し出される態様で利用され、前記利用者情報は、前記車両を使用する予定時間を示す情報を含み、前記処理手段は、前記予定時間を示す情報に応じた情報を前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、電子機器から、車両を使用する予定時間に応じた情報を入手することができる。例えば、車両が不特定の者に貸し出される態様で利用される場合、車両を使用する予定時間としては、車両を借りてから返却するまでの時間とするとよい。
処理手段は、予め準備された情報のうち、車両を使用する予定時間内に利用可能な情報のみを、利用者情報に応じた情報として出力手段に出力させるとよい。例えば、処理手段は、車両を使用する予定時間内に往復することができる場所に関する情報を、利用者情報に応じた情報として出力手段に出力させるとよい。車両を使用する予定時間内に訪れることができない場所に関する利用価値の少ない情報が出力対象から排除されることにより、利用者は、予定時間内に往復することができる場所に関する利用価値の高い情報のみを入手することができる。
(7)前記車両は、返却場所を指定して前記利用者に貸し出される態様で利用され、前記利用者情報は、前記返却場所を示す情報を含み、前記処理手段は、前記車両の現在位置と前記返却場所との距離が所定距離以下になると、前記車両の現在位置から前記返却場所に向かう経路に存在する燃料を補給する施設の位置情報、または前記車両の現在位置を含む所定のエリア内に存在する燃料を補給する施設の位置情報を前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、現在位置と車両の返却場所との距離が所定距離以内になった際に、燃料を補給するのに適した施設の位置を、車両を返却する前に認識することができる。現在位置を含む所定のエリアとしては、例えば現在位置を中心としたエリアとするとよく、例えば現在位置を中心として所定半径の円形のエリアとするとよい。このようにすることで、車両の利用者は、現在位置から車両の返却場所までの経路上に燃料を補給するための施設が無い場合であっても、多少遠回りすれば立ち寄れる比較的近場の燃料を補給するための施設を認識することができる。
車両の返却場所としては、車両が貸し出されていないときの保管場所とするとよく、例えばレンタカー会社の店舗、カーシェアリングの車両を保管しておくコインパーキング等とするとよい。このようにすることで、車両の利用者は、貸し出された車両の保管場所に車両を返却する前に、現在位置から車両の保管場所に向かう経路に存在する燃料を補給するための施設の位置、または、現在位置を含むエリア内に存在する燃料を補給するための施設の位置を認識することができる。
燃料を補給する施設としては、道路に沿った場所に設けられた車両のためのサービスステーションとするとよく、例えばガソリンスタンドとするとよい。貸し出された車両が、外部から充電された電力によって駆動される態様の車両、例えばプラグインハイブリッド車(PHV)または電気自動車(EV)である場合には、燃料を補給する施設として充電スタンドとするとよい。これにより、利用者は、車両の駆動エネルギの種類に応じた適切な施設の位置を知ることができる。
(8)前記車両は、使用終了時刻を指定して前記利用者に貸し出される態様で利用され、前記利用者情報は、前記使用終了時刻を示す情報を含み、前記処理手段は、現在時刻から前記使用終了時刻を示す情報で示された時刻までの残り時間を表す情報を所定のタイミングで前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、その車両の使用終了時刻までの残り時間を容易に認識することができる。車両の使用終了時刻としては、使用料を支払うことにより貸し出された車両を返却する必要がある最終時刻であって、その時刻までにその車両を返却しない場合に追加の料金を支払う必要を生じる時刻とするとよい。利用者は、報知された残り時間を表す情報により、帰途につくべきか否かの判断を行うことができる。利用者は、帰途につくべきか否かの適切な判断を行うことにより、追加料金の支払いを回避することができる。
(9)前記利用者情報は、特定の個人を識別する識別情報を含み、
前記処理手段は、前記車両の走行経路の履歴を前記識別情報と関連付けて読み出し可能に記録する機能を有する電子機器とするとよい。
電子機器を通して、利用者ごとに走行経路の履歴を区別して読み出すことができる。特定の個人を識別する識別情報は、車両を貸し出す事業者が利用者ごとに付与するとよい。これにより、車両の走行経路の履歴を利用者ごとに管理することができる。例えば車両を貸し出す店舗でその車両の利用者に割り当てられた識別情報を、近距離無線通信によりその店舗の端末から非接触ICカードに記録し、その非接触ICカードから電子機器に転送するようにするとよい。これにより、利用者に付与した識別情報を容易に電子機器に取得させることができる。
(10)前記車両は、返却場所を指定して前記利用者に貸し出される態様で利用され、前記利用者情報は、前記返却場所を示す情報を含み、前記処理手段は、前記車両の現在位置と前記返却場所との距離が所定距離以下になると、前記利用者に燃料の補給を促すメッセージを前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、現在位置と車両の返却場所との距離が所定距離以内になった際に、燃料の補給を促す報知に気付くことにより、燃料補給の必要性の有無を判断することができる。車両の返却場所としては、燃料が満タンにされた状態で車両が保管される場所とするとよく、例えばレンタカー会社の店舗やカーシェアリングの車両を保管するコインパーキング等とするとよい。これにより、車両の利用者が燃料を補給し忘れて車両を返却してしまう事態の発生を回避することができる。燃料の補給を促すための報知を行う所定距離としては、車両の現在位置と車両の返却場所との間に、ガソリンスタンド等のサービスステーションが少なくとも一つ存在している可能性が高い距離、例えば1kmとするとよい。これにより、車両の利用者は、車両の返却場所に向かって走行する途中に、燃料補給のためにサービスステーションに立ち寄るために後戻りする手間を無くすかまたは少なくすることができる。
(11)前記処理手段は、前記車両の電子制御ユニットから取得した前記車両の燃料を貯蔵する貯蔵部内の燃料の量に関する情報に基づいて、前記貯蔵部内における燃料の残量を算出し、算出された燃料の残量を表す情報を読み出し可能に記録する機能を有する電子機器とするとよい。
車両の管理者は、電子機器に記録された燃料の残量を表す情報を読み出すことにより、燃料の残量を知ることができる。
処理手段は、貯蔵部内の燃料の量に関する情報を、車両のエンジンを制御するための装置から車載ネットワークを介して取得するとよく、例えば車両のエンジンを制御するための電子制御ユニット(ECU)からコントローラエリアネットワーク(CAN)を介して取得するとよい。このようにすることで、処理手段は、車両に備えられている既存の装置から既存のネットワークを介して、貯蔵部内の燃料の量に関する情報を取得することができる。貯蔵部内の燃料の量に関する情報を取得するための新たな装置やシステムを設ける必要性がないため、低コストで貯蔵部内の燃料の量に関する情報を取得することができる。
燃料を貯蔵する貯蔵部として、例えばガソリンを貯蔵するガソリンタンク、電力を貯蔵するバッテリ等が挙げられる。貯蔵部内の燃料の量に関する情報としては、貯蔵部内に貯蔵されている燃料の残量を求めることが可能な情報とするとよく、例えばガソリンの消費量の計測結果とするとよい。このようにすることで、車両の電子制御ユニットから取得した情報を用いて、貯蔵部内に貯蔵されている燃料の残量を求めることができる。
読み出し可能な記録として、例えば近距離無線通信による外部の記録媒体への読み出し可能な記録とするとよい。外部の記録媒体として、例えば非接触ICカード等が挙げられる。このようにすることで、不特定の者に貸し出される態様で使用される車両の貸し出し事業者の店舗に、この記録媒体の読み取り装置を設置するとよい。店舗の店員は、車両の燃料計をその車両まで見に行くことなく、記録媒体を店舗の読み取り装置にかざすことにより、燃料の残量を表す情報を表示させて燃料の残量を知ることができる。
(12)前記処理手段は、前記車両の電子制御ユニットから取得した前記車両の燃料を貯蔵する貯蔵部内の燃料の量に関する情報に基づいて、前記貯蔵部を燃料で満タンにする際に必要となる料金を算出し、算出結果を前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、貯蔵部内の燃料を満タンにする際の料金を容易に認識することができ、燃料の補給に必要な料金を、燃料を補給する前に予め用意しておくことができる。車両の電子制御ユニットから取得する構成として、例えば車両のECUからCANを介して取得する構成とするとよい。このようにすることで、処理手段は、車両に備えられている既存の装置から既存のネットワークを介して、貯蔵部内の燃料の量に関する情報を取得することができる。新たな装置やシステムを設ける必要をなくすることにより、低コストで貯蔵部内の燃料の量に関する情報を取得することができる。
燃料を貯蔵する貯蔵部として、例えばガソリンを貯蔵するガソリンタンク、電力を貯蔵するバッテリ等が挙げられる。貯蔵部内の燃料の量に関する情報として、貯蔵部内に貯蔵されている燃料の消費量または残量を求めることが可能な情報とするとよく、例えばガソリンの消費量の計測結果とするとよい。車両の走行に伴う燃料の減少度合いに応じた料金を利用者に報知することができる。車両の燃料としては、料金を支払って貯蔵部内に補給する燃料とするとよく、例えばガソリンや電力とするとよい。このようにすることで、車両の利用者は、料金を支払って貯蔵部内に燃料を補給する際の料金を認識することができる。
(13)前記処理手段は、前記車両にトラブルが生じたときに連絡すべき連絡先に関する情報を記憶しており、前記連絡先に関する情報を前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、車両にトラブルを生じた際に連絡すべき連絡先を容易に知ることができる。車両のトラブルとしては、車両の利用者が動揺を生じ易いトラブルとするとよく、例えば車両の事故または故障とするとよい。このようにすることで、車両の利用者は、その車両にトラブルを生じて動揺している場合であっても、トラブルを生じたことを連絡先に連絡することができる。トラブルを生じた際の連絡先としては、車両を管理している管理会社の電話番号とするとよく、例えば車両を貸し出したレンタカー会社の店舗の電話番号とするとよい。このようにすることで、車両の利用者は、車両にトラブルを生じた際に、車両を管理している会社に連絡して、その管理会社の管理規定に沿った対応をするための指示を、その管理会社から受けることができる。
(14)駐車禁止エリアを位置情報によって定義した駐車禁止情報を記憶する記憶手段をさらに有し、
前記処理手段は、前記車両が駐車中か否かを判定し、駐車中と判定したときの前記車両の現在位置が、前記駐車禁止情報において定義された駐車禁止エリア内である場合に、駐車禁止エリア内に駐車していたことを示す情報を読み出し可能に記録する機能を有する電子機器とするとよい。
車両の管理者は、駐車禁止エリア内に駐車していたことを示す情報を読み出すことにより、その車両が駐車禁止エリア内に駐車していたか否かを知ることができる。位置情報としては、GPSの衛星から受信した信号を用いて算出した緯度及び経度とするとよい。駐車禁止エリアとしては、駐車した際に道路交通法により取締の対象になるエリアとするとよく、例えば公表されている駐車禁止の重点エリアや最重点エリアを含むエリアとするとよい。
車両が駐車禁止エリア内に駐車していたことを示す情報としては、車両が駐車禁止エリア内に継続して駐車していた時間を表す情報とするとよい。このようにすることで、車両の管理者は、その記録を参照して当該車両の利用者が駐車違反をしている可能性を判断し、その可能性が高い場合に、その車両の利用者に駐車違反していないか確認することができる。車両の利用者全員に駐車違反していないか確認する場合に比べて、確認作業の負担が軽減される。
駐車禁止情報は、例えば地図データにおいて駐車禁止エリアを定義する情報とするとよい。駐車禁止情報は、例えばEEPRPM等の不揮発性メモリに記憶させておくとよい。このようにすることで、車両に備えられているアクセサリスイッチをオフにすることにより電子機器に対する電源からの電力の供給を停止し、その後、アクセサリスイッチをオンにすることにより電子機器に対する電源からの電力の供給を再開させた際に、再び駐車禁止情報を利用することができる。
(15)前記電子機器は、前記利用者とともに移動する態様で使用され、
前記利用者情報は、前記電子機器の現在地を示す位置情報を含み、
前記予め準備されている情報は、前記電子機器で実行可能な複数のアプリケーションを特定する情報を含み、
前記利用者情報に応じた情報は、前記電子機器の現在地を示す位置情報に基づいて複数のアプリケーションから選択された一部のアプリケーションを特定する情報を含む電子機器とするとよい。
電子機器が利用者とともに移動する態様で使用されることにより、電子機器の現在地の位置情報により、実質的に利用者の現在地を示すことができる。処理手段が電子機器の現在地の位置情報に基づいてアプリケーションを選択することにより、利用者は、自分でアプリケーションを検索することなく、例えば、位置情報で示される地点の近傍で便利に利用することができるアプリケーションの存在を知ることができる。
予め準備されている情報は、処理手段の記憶装置に予め記憶させておくとよく、電子機器と通信可能な外部のサーバに記憶させておくと特によい。外部のサーバに記憶させておくと、情報の追加や更新の際に、電子機器ごとに追加または更新の作業を行うことなく、サーバ内の情報の追加または更新の作業を行えばよい。サーバとして、複数の電子機器がアクセスできるようにインターネット等の公衆ネットワークに接続されたものとすると特によい。
電子機器の現在地の位置情報に応じて選択された一部のアプリケーションを特定する情報は、例えば出力手段としての表示画面にアイコンとして表示するとよい。利用者は、アイコンを見ることによって、選択された一部のアプリケーションの存在を知ることができる。
予め準備されている複数のアプリケーションに、観光地、商店街等で利用価値の高い所謂「ご当地アプリ」を含めるとよい。電子機器として、スマートホン、タブレット端末、ポータブルナビゲーション装置、車載用ナビゲーション装置等を用いるとよい。例えば電子機器として、アンドロイド(登録商標)またはiOS(登録商標)等のOSが搭載された機器を用いるとよい。電子機器の現在地の位置情報として、例えばGPSにより取得される緯度及び経度情報とするとよい。
電子機器の現在地の位置情報に応じて選択された一部のアプリケーションは、サーバから自動でダウンロードし、インストールするようにしてもよいが、以下の(16)の説明のように、利用者の操作によってダウンロードし、インストールするようにしてもよい。
処理手段は、電子機器の現在地の位置情報に基づいて選択されたアプリケーションのうち、既にインストールされているもののみを出力手段に出力させるとよい。利用者は、新たにダウンロード及びインストールする必要がなく、直ちに実行可能なアプリケーションの中から実行したいアプリケーションを指定することができる。処理手段は、電子機器の現在地の位置情報に応じて選択されたアプリケーションのうち、インストールされていないもののみを出力手段に出力させてもよい。利用者は、今まで気付かなかった新たなアプリケーションの存在に気付くことができる。処理手段は、インストール済みかそうでないかに関わらず、電子機器の現在地の位置情報に基づいて選択されたアプリケーションをすべて出力手段に出力してもよい。利用者が実行したいと思うアプリケーションの選択肢が多くなることにより、利用者は、より有益なアプリケーションを見つけ出すことができる。
従来、ナビゲーション装置は現在地から目的地までの経路を案内するという軸で、商品間の競争がなされていた。ポータブルナビゲーション装置は、車両から持ち出して徒歩で持ち運ぶことができ、車両から降りた地点から目的地までの徒歩経路を案内する。このような装置は、例えば「徒歩ナビ」と称されている。
個人で車または徒歩で観光する場合、観光名所等の細かな案内をしてくれる装置はなかった。せいぜい、観光ガイドブックに記載された観光名所の情報を収録し、ナビゲーションの機能と観光名所の情報とを連動させる機能が搭載されたナビゲーション装置が知られている程度である。そのため、観光ツアーのように観光ガイドの人が付いて観光名所を案内する場合に比べて、個人の旅行では観光地等で細やかな観光ガイド情報を得ることが困難である。観光地の細かな観光ガイド情報を、地図データの提供業者やナビゲーション装置の製造業者が作成してナビゲーション装置に収録することは可能であるが、全国津々浦々の観光地の観光ガイド情報を作成するには膨大なコストが必要になり現実的ではない。
一方、ナビゲーション装置ではなく、スマートホンやタブレット端末のアプリケーションとして、観光協会、自治体、商店街等の地域レベルのコミュニティ、個人等の様々な提供者によって提供されるご当地アプリが充実してきている。これらのご当地アプリを作成する事業者も存在する。土地ごとに作られたご当地アプリには、観光地、観光施設、商店街等の観光ガイド情報を提供するアプリケーション、位置情報と関連して拡張現実(AR)技術を利用したアプリケーション、ご当地の各地点を巡るスタンプラリーに参加するためのアプリケーション、ご当地に因んだゲームを提供するアプリケーション等が含まれる。
観光地等を訪れる人は、観光地に備えられたパンフレットや看板を偶然見かけるか、またはアプリケーション提供サイトで地域名等で検索することによって、これらのアプリケーションの存在に気づくことができるが、パンフレットや看板に気付かないか、または能動的にアプリケーションを検索しない者は、アプリケーションの存在に気付かない。旅行者は、旅先でこれらのご当地アプリの存在に気付かず、旅行終了後に気付くと悔しい思いをすることもある。また、ご当地アプリには無料で提供されるものが多いにもかかわらず、アプリケーションのダウンロード数が伸びていないのが現状である。
電子機器の利用者は、電子機器の現在地の位置情報に基づいて、これらのご当地アプリの存在に容易に気付くことができる。アプリケーションの提供者にとっては、ご当地アプリのダウンロード数が増えるという効果が期待できる。
(16)選択された一部のアプリケーションを特定する情報に基づいて、前記利用者が少なくとも1つのアプリケーションを指定する操作を行うと、前記処理手段は、指定されたアプリケーションをダウンロードし、インストールする電子機器とするとよい。
利用者は、選択された一部のアプリケーションを特定する情報が提供されると、その中から自分の興味のあるアプリケーションを指定することにより、そのアプリケーションをダウンロードし、実行可能な状態にすることができる。
アプリケーションを指定する操作として、例えば、タッチパネルに表示されたアプリケーションに対応するアイコンをタップ等により選択する操作とするとよい。既にインストール済のアプリケーションに対応するアイコンは、例えば、インストールされていないアプリケーションに対応するアイコンとは異なる態様でタッチパネルに表示するとよい。例えば、インストール済のアプリケーションに対応するアイコンに、インストール済であることを示すオーバレイアイコンを重ねて表示するとよい。
電子機器の現在地の位置情報に基づいて選択された一部のアプリケーションを特定する情報とともに、インストールボタン、及び実行ボタンを表示するとよい。利用者がインストールボタンをタップすると、タップされたアイコンに対応するアプリケーションを処理手段がインストールするようにするとよい。利用者が実行ボタンをタップすると、タップされたアイコンに対応するアプリケーションを処理手段がインストールし、自動的に実行するようにするとよい。既にインストール済のアプリケーションに関しては、インストールボタンを表示せず実行ボタンのみを表示するとよい。
利用者の操作によって指定されたアプリケーションは、バックグラウンドでダウンロードし、インストールするようにするとよい。例えば、電子機器は、ナビゲーション機能を実行しながら、利用者に気付かせることなくアプリケーションをダウンロードし、インストールすることができる。
(17)前記利用者が、ダウンロードされたアプリケーションを指定して実行の操作を行うと、前記処理手段は、指定されたアプリケーションを実行する電子機器とするとよい。
利用者は、インストールされたアプリケーションから所望のアプリケーションのみを指定して、所望の時に実行することができる。例えば、利用者がある観光地や観光施設に到着した時点で、その観光地や観光施設に関するご当地アプリを指定して実行することができる。
(18)前記処理手段は、前記利用者の向かう目的地を設定する機能、及び現在位置から前記目的地までの経路を探索する機能を有し、前記目的地の位置情報、及び前記経路の途中地点の位置情報に基づいて、複数のアプリケーションから一部のアプリケーションを選択して、選択されたアプリケーションを特定する情報を出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、目的地への出発時に、目的地及び目的地までの経路上の途中の地点で利用価値の高いアプリケーションの存在を知ることができる。利用者は、例えば目的地までの経路の途中に存在する観光地や観光施設を知ることができ、興味のある観光地や観光施設に立ち寄る計画を立てることができる。
目的地までの経路の途中地点の位置情報に基づいて選択されたアプリケーションを特定する情報は、アプリケーションに対応付けられている経路上の地点に到着する予定時刻の早い順に並べて表示するとよい。さらに、アプリケーションを特定する情報に、地域名と到着予定時刻とを合わせて表示するとよい。利用者は、目的地までの経路の途中の観光地や観光施設に立ち寄る順番を直感的に認識することができる。
処理手段は、インストールされているアプリケーションの利用価値が高いエリア内に電子機器が入ったことを検知すると、現在の地点の近傍で利用価値の高いアプリケーションが存在することを示す情報を利用者に報知するとよい。例えば、有益なアプリケーションを特定する情報を表示する案内ウィンドウを表示画面に表示するとよい。利用者が有益なアプリケーションの存在を忘れてしまっている場合に、利用者にそのアプリケーションの存在を思い出させることができる。
例えば、アプリケーションの利用価値の高いエリアは、電子機器に格納されている地図データと、アプリケーションの名称とから決定するとよい。例えば、アプリケーションを表す名称に観光地や観光施設の名称が含まれている場合には、地図データに含まれる観光地や観光施設の名称に関連付けられた位置情報で特定される地点を中心とした所定半径の円形の領域を、アプリケーションの利用価値の高いエリアと定義するとよい。例えば、アプリケーションを表す名称に自治体の名称が含まれる場合には、地図データに含まれる自治体の名称で特定される行政区画内のエリアを、アプリケーションの利用価値の高いエリアと定義するとよい。
電子機器が車両に搭載された態様で利用される構成を有する場合、インストールされているアプリケーションの利用価値の高いエリア内で車両の電源がオフにされたことを処理手段が検知すると、電源がオフにされた地点に対応するアプリケーションを自動的に実行するようにしてもよい。利用者がアプリケーションの存在を忘れて、アプリケーションを実行しないまま観光してしまう事態の発生を回避することができる。
車両の電源がオフにされた地点に対応する複数のアプリケーションがインストールされている場合には、複数のアプリケーションから実行すべきアプリケーションを利用者に選択させるようにするとよい。例えば、車両の電源がオフにされた地点に対応する複数のアプリケーションを特定するアイコンを表示画面に表示し、利用者に1つのアイコンを選択させるようにするとよい。これらのアプリケーションはすでにインストールされているため、直ちに起動することができる。
(19)複数のアプリケーションを特定する情報を、アプリケーションごとに位置情報と関連付けて記憶している記憶手段を有し、
複数のアプリケーションから一部のアプリケーションを選択する基礎となる位置情報と、前記記憶手段に記憶されている位置情報とを比較し、比較結果に基づいて複数のアプリケーションから一部のアプリケーションを選択する機能を有する電子機器とするとよい。
予め、人気の高いアプリケーション、利用者にとって利便性の高いと思われるアプリケーションを特定する情報を記憶手段に記憶させておくことができる。これにより、利便性の高いアプリケーションを厳選して利用者に提供することができる。利用者は、自分の役に立たないと思われるアプリケーションを選択候補から排除して、役に立ちそうなアプリケーションを特定する情報のみの提供を受けることができる。これにより、使用してみたいと思うアプリケーションを見つけ出す手間を軽減することができる。
(20)前記処理手段は、位置情報とキーワードとを対応付けているデータベースを利用して、複数のアプリケーションから一部のアプリケーションを選択する基礎となる位置情報からキーワードを抽出し、抽出されたキーワードを、アプリケーションを検索する検索サーバに送信し、前記検索サーバから返信された結果に基づいてアプリケーションを選択する機能を有する電子機器とするとよい。
電子機器は、電子機器自体にアプリケーションに関する情報を蓄積しておくことなく、外部の検索サーバを利用してアプリケーションを選択することができる。
位置情報とキーワードとを対応付けているデータベースとして、例えば都道府県名、市区町村名、公共施設の名称、観光地及び観光施設の名称、店舗の名称、道路の名称、鉄道の駅の名称等を、位置情報と関連付けて記憶している地図データを用いるとよい。この地図データは、例えば処理手段の記憶装置に格納しておくとよい。 キーワードは、例えば、アプリケーションを選択する基礎となる位置情報で示される地点の市区町村名、その地点から所定距離内に存在する公共施設、観光地、観光施設、店舗、道路、鉄道の駅等の名称とするとよい。これらの名称をキーワードとすることにより、アプリケーションを選択する基礎となる位置情報で示された位置の近傍で利用価値の高いアプリケーションを選択することができる。
検索サーバとして、例えば、アプリケーションを検索するインターネット上の検索サイトのサーバとするとよい。このような検索サイトとして、例えばアプリケーション等の配信サービスを提供しているGooglePlay(登録商標)、Appストア(登録商標)等が挙げられる。アプリケーションの検索サイトからは、検索結果として、キーワードに基づいて抽出された複数のアプリケーションを特定する情報が返信される。処理装置は、検索結果に含まれるすべてのアプリケーションを特定する情報を利用者に提供するとよい。検索結果に含まれるアプリケーションの数が所定個数以上の場合には、検索結果として並ぶ複数のアプリケーションの先頭から所定個数のアプリケーションを特定する情報を利用者に提供するとよい。これにより、提供されたすべてのアプリケーションを確認する利用者の労力を軽減することができる。
(21)前記処理手段は、インストールされているアプリケーションの所定のアンインストール条件が満たされると、アンインストール条件を満たしたアプリケーションをアンインストールするか否かを前記利用者に問い合わせる情報を出力し、前記利用者がアンインストールの操作を行うと、アンインストールの操作の対象となったアプリケーションをアンインストールする機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、アンインストール条件が満たされたアプリケーションを容易に知ることができる。インストールされたアプリケーションの個数が多くなりすぎると、例えばランチャー上に大量のアイコンが表示されるため、インストールされている多くのアプリケーションから所望のアプリケーションを探し出すことが困難になる。アンインストール条件が満たされたアプリケーションをアンインストールすることにより、インストールされているアプリケーションの個数が多くなりすぎることを回避することができる。さらに、例えばアプリケーションを格納する不揮発性メモリのメモリ空間のうちアプリケーションによって占有されている容量を削減することができる。
所定のアンインストール条件として、電子機器の現在地が、アプリケーションによってサービスが提供されるエリアから外れたこととするとよい。アプリケーションによってサービスが提供されるエリアとして、例えば、アプリケーションの名称から特定される都道府県または市区町村等の各自治体の行政区画内のエリアとするとよい。アプリケーションから自治体の名称が特定されない場合には、例えば、アプリケーションの名称から特定される施設、商店街等の場所から所定の距離内のエリアと定義するとよい。
例えば、利用者に貸し出される態様で使用される車両とともに電子機器が使用される場合、所定のアンインストール条件として、電子機器が車両の貸し出し地点に戻ったこととするとよい。例えば、空港や駅の近傍の店舗で車両が貸し出された場合、電子機器の現在地と、車両を貸し出した店舗との距離が所定距離以下になったときに、所定のアンインストール条件が満たされたと判定するとよい。
電子機器に、利用者の自宅の位置情報を登録しておき、電子機器が利用者の自宅に戻ったときに、所定のアンインストール条件が満たされたと判定してもよい。また、インストールされているアプリケーションごとに、そのアプリケーションによってサービスが提供されるエリア内に電子機器が入らない期間を算出し、算出された期間が所定期間、例えば1か月継続した時点で所定のアンインストール条件が満たされたと判定してもよい。これにより、利用価値の低くなったアプリケーションを、アンインストールするアプリケーションの候補として利用者に提示することができる。
アプリケーションをアンインストールするか否かを利用者に問い合わせる情報は、例えば、電子機器の表示画面に「○○のアプリケーションをアンインストールしますか。」という問合せとともに、「はい」、「いいえ」ボタンを表示するとよい。処理手段は、利用者が「はい」ボタンをタップすると、そのアプリケーションをアンインストールする処理を開始するとよい。
所定のアンインストール条件が満たされたら、処理手段は利用者に問い合わせることなく、そのアプリケーションを自動的にアンインストールするようにしてもよい。このようにすることで、利用者がアンインストールするか否かの判断を行う煩雑さ、及びアンインストールする操作を行う手間を省くことができる。
(22)前記処理手段は、前記電子機器が、無料で利用できる無線LANへの接続可能エリアに入ったことを検出すると、無料で利用できる無線LANに接続可能であることを示すメッセージを前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、無線LANを無料で利用できることに気付くことができる。利用者が、電子機器が利用するネットワークを移動体通信ネットワークから無線LANに切り替えると、利用者の契約している移動体通信サービスのデータ通信容量を消費することなく、高速通信を行うことができる。また、利用者の契約している移動体通信サービスが帯域制限されている状態でも、無線LANを介して高速の通信を行うことができる。
無料で利用できる無線LANとして、例えば、「ご当地WiFi」と称される無線LANが挙げられる。例えば、観光地、観光施設、商店街等によって、ご当地WiFiが提供されている。
電子機器の記憶装置に、予めご当地WiFiの識別名(SSID)と、その無線LANを利用可能なエリアを定義する位置情報とを記憶させておくとよい。電子機器の現在地が、記憶装置に記憶されている無線LANの利用可能なエリアに入ったことを処理手段が検知すると、その無線LANに接続可能であることを利用者に報知するとよい。
無線LANを利用可能であることを利用者に報知するとともに、無線LANに接続するか否かを利用者に問い合わせる情報を出力するとよい。この問い合わせに気付いた利用者が無線LANに接続する操作を行うと、処理手段は、この無線LANに接続する処理を開始するとよい。
ご当地WiFiによっては、ご当地WiFiを利用する前に利用者の情報、例えばメールアドレス等を入力しなければならない場合がある。処理手段の記憶装置に、ご当地WiFiの利用前に入力すべき情報をご当地WiFiごとに予め登録しておき、処理手段が、入力すべき情報を自動入力する機能を持つとよい。利用者は、面倒な情報の入力操作を行うことなく、ご当地WiFiを利用することができる。
(23)前記電子機器は、前記利用者とともに移動する態様で使用され、
前記利用者情報は、前記電子機器の現在地の位置情報を含み、
前記予め準備されている情報は、ふるさと納税の返礼品を提供している自治体を示す情報を含み、
前記利用者情報に応じた情報は、前記電子機器の現在地の位置情報に基づいて、返礼品を提供している複数の自治体から選択された一部の自治体を特定する情報を含む電子機器とするとよい。
利用者は、電子機器の現在地に基づいて、返礼品を提供している自治体を知ることができる。電子機器の現在地の位置情報に基づいて自治体を選択する方法として、例えば処理手段は、電子機器の現在地を包含する行政区画に対応する都道府県及び市区町村等の自治体を選択するとよい。
ふるさと納税の制度は、本来、自分が育ったふるさとや愛着のある都道府県や市区町村等の自治体に寄付し易くするために設けられた制度である。ふるさと納税の制度を利用した寄付を募るために、寄付者にその自治体に因んだ返礼品を提供する自治体が多い。コストパフォーマンスの高い返礼品を提供する自治体や、人気の商品を返礼品として提供する自治体に寄付が集中する傾向がある。その結果、寄付が一度きりになり、寄付者に寄付先の自治体を「ふるさと」と感じてもらう当初の目的とは程遠い事態が生じているのが現状である。
電子機器の利用者は、電子機器の現在地の位置情報に基づいて選択された一部の自治体を特定する情報の提供を受けることにより、自分が現在訪れている地域が、返礼品を提供している自治体か否かを容易に知ることができる。利用者に提供された情報に基づいて、利用者は、実際に訪れている自治体に寄付を行うか否か判断することができる。寄付先の自治体が、現在訪れている自治体であるため、自分とは縁もゆかりもない自治体に寄付する場合に比べて、その自治体に愛着を持って寄付することができる。自治体にとっては、寄付の拡大を図るとともに、当地に愛着を持ってもらい、継続した寄付の獲得につながるという効果が得られる。
返礼品を提供している複数の自治体から、電子機器の現在地の位置情報に基づいて一部の自治体を選択するために、例えば、返礼品を提供している自治体を紹介しているインターネット上の紹介サイトを利用するとよい。例えば、電子機器の現在地を包含する行政区画に対応する自治体の名称を、紹介サイトの検索窓に与えるべき情報(検索クエリ)として与えて、検索の要求を行うとよい。検索サイトからは、例えば、現在地を包含する行政区画に対応する自治体、またはその近傍の自治体の中から、返礼品を提供している自治体を特定する情報が返信される。処理手段は、例えば、返信された情報を表示画面に表示するとよい。例えば、自治体の名称を表示するとよい。
(24)前記利用者情報に応じた情報は、電子機器の現在地の位置情報に基づいて選択された一部の自治体を特定する情報の他に、自治体が提供している返礼品を特定する情報を含み、前記処理手段は、選択された一部の自治体を特定する情報及び返礼品を特定する情報を前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、返礼品を提供している自治体とともに、その自治体が提供している返礼品を特定する情報を知ることができる。利用者は、返礼品を特定する情報に基づいて、寄付を行うか否かを判断することができる。
返礼品を特定する情報として、例えば返礼品の商品名、返礼品を表すイラスト等を表示画面に表示するとよい。返礼品を特定する情報は、例えば返礼品を提供している自治体の紹介サイトから、自治体を特定する情報とともに入手することができる。
利用者情報に返礼品のカテゴリを特定する情報を含めるとよい。例えば、利用者の興味のある返礼品のカテゴリを特定する情報を利用者情報に登録しておくとよい。処理手段は、電子機器の現在地の位置情報及び返礼品のカテゴリを特定する情報に基づいて、出力手段に出力させる自治体を特定する情報を選択するとよい。例えば、電子機器の現在地を包含する行政区画に対応し、かつ利用者情報によって特定されるカテゴリに属する返礼品を提供している自治体を特定する情報を、出力手段に出力させるとよい。これにより、利用者は、自分の興味のある品物を返礼品として提供している自治体を容易に見つけ出すことができる。返礼品のカテゴリとして、例えば「肉」、「米」、「果物」、「野菜」、「酒」、「菓子」、「工芸品」等が挙げられる。
返礼品のカテゴリを特定する情報が、予め利用者情報として登録されていない場合には、出力手段に出力された自治体を特定する情報及び返礼品を特定する情報の中から、利用者が返礼品のカテゴリを指定できるようにしてもよい。処理手段は、利用者によって指定された返礼品のカテゴリに属する返礼品を提供している自治体をスクリーニングし、スクリーニングによって選ばれた自治体を特定する情報を出力手段に出力させるとよい。
(25)前記処理手段は、前記利用者の向かう目的地を設定する機能、及び前記電子機器の現在地から前記目的地までの経路を探索する機能を有し、前記目的地の位置情報、及び前記経路の途中の地点の位置情報に基づいて、返礼品を提供している複数の自治体から一部の自治体を選択して、選択された一部の自治体を特定する情報を前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、目的地の位置情報、及び目的地までの経路の途中の地点の位置情報に基づいて、返礼品を提供している複数の自治体から選択された一部の自治体を特定する情報の提供を受けることができる。例えば、目的地が位置する自治体、及び目的地に到達するまでに通過する自治体が返礼品を提供している場合、返礼品を提供しているこれらの自治体を特定する情報を入手することができる。利用者は、これらの情報を、寄付を行うか否かの判断材料として利用することができる。
利用者情報に返礼品のカテゴリを特定する情報を含めるとよい。処理手段は、目的地が位置する自治体、及び目的地に到達するまでに通過する自治体の中から、利用者情報で特定された返礼品のカテゴリに属する返礼品を提供している自治体をスクリーニングし、スクリーニングされた自治体を特定する情報を出力手段に出力させるとよい。
(26)前記処理手段は、選択された一部の自治体で提供されている返礼品に対応する商品を販売している場所を示す情報を前記出力手段に出力させる機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、返礼品に対応する商品を販売している場所を示す情報に基づいて、販売している場所を訪れることができる。利用者は、返礼品に対応する実際の商品を見て、寄付を行うか否かを判断することができる。
例えば、返礼品に対応する商品を販売している場所を示す情報として、販売店の場所、道の駅の場所を示す情報とするとよい。販売店や道の駅に駐車場が準備されていない場合には、販売店等の情報とともに、近隣の駐車場の位置を示す情報を利用者に提供するとよい。利用者は、駐車場の無い販売店を訪れる際に近隣の駐車場を探す手間を省くことができる。
利用者が、寄付を行ったことを証明する証明書を販売店等で提示することにより、その場で返礼品を受取ることができるようにするとよい。返礼品が、宿泊券、乗馬のサービスを受ける権利等のアクティビティの体験チケット等である場合には、その場で宿泊やアクティビティの体験等の権利を行使することができるようにするとよい。利用者は、返礼品を取得した後、その返礼品に基づく権利を行使するために、わざわざ現地を訪れるという手間を省くことができる。
販売店等で返礼品を提供した場合には、販売店の店員が、寄付者への返礼品の提供を管理しているシステムに、返礼品提供済であることを入力するようにするとよい。これにより、返礼品を重複して提供してしまう事態の発生を回避することができる。
返礼品を直ちに入手できることは、利用者にとって自治体に寄付を行う動機付けになり得る。返礼品を提供している自治体にとっては、寄付の拡大を図ることができるという効果が得られる。
寄付に対して提供される返礼品の数量が、利用者にとって十分ではない場合、利用者は、販売店等で返礼品を受取るとともに、返礼品に対応する商品を追加購入することができる。さらに、返礼品とは異なる他の産品を購入することもできる。販売店等にとっては、売り上げの増大を図ることができる。これにより、その地域の発展に寄与することができる。
例えば、返礼品を提供している自治体が果物の産地であり、返礼品が傷みにくいリンゴである場合、リンゴの他に桃やブドウを扱っている販売店は、桃やブドウの売り上げ増を図ることができる。また、リンゴと桃とブドウとをセット販売し、寄付を行った購入者には、リンゴに相当する価格分を値引きすることにより、返礼品を提供したことにしてもよい。
例えば、返礼品が地酒である場合、利用者は、返礼品として受け取った地酒の他に、他の銘柄の酒を購入することができる。また、販売店等は、返礼品の地酒と、他の銘柄の酒とをセット販売してもよい。
(27)前記処理手段は、電子機器の現在地の位置情報に基づいて選択された一部の自治体の中から前記利用者に少なくとも1つの自治体を指定させる機能を有し、さらに、前記利用者によって指定された自治体に対して寄付の手続きを行う機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、電子機器の現在地の位置情報に基づいて選択された一部の自治体から、寄付をしたいと思う自治体を指定して、その場で寄付の手続きを行うことができる。寄付の手続きに必要な個人情報、クレジットカード情報等は、予め電子機器の記憶装置に記憶させておくとよい。処理手段は、記憶装置に記憶された利用者に関する情報を利用して、寄付の手続きを行うとよい。
自治体を指定して寄付を行った場合には、上記(26)で説明したように、返礼品に対応する商品を販売している場所を利用者に報知するとよい。寄付の手続きが終了すると、寄付を受け付けるサーバから寄付を行ったことを証明する情報を電子機器に送信するとよい。寄付を行ったことを証明する情報を販売店等で提示することにより、その場で返礼品を受取ることができるようにすると特によい。
寄付の手続きを実行するときに、手続きを進めてよいか否かの判定基準となる情報、例えば、寄付の総額の上限値、個別の寄付額の上限値、及び寄付先の自治体数の上限値等を電子機器の記憶装置に登録しておくとよい。処理手段は、利用者からの指定による寄付手続き申込の要求がこの判定基準を満たさない場合には、利用者に、寄付手続きを進めてよいか否かの確認のメッセージを通知するとよい。これにより、利用者の記憶違いや誤操作による想定外の寄付が実行されてしまうことが防止される。
例えば、処理手段は、利用者が寄付をする操作を行うと、利用者が指定した寄付額を、個別の寄付額の上限値と比較し、指定された寄付額が個別の寄付額の上限値を超えているとき、その旨を利用者に通知するとよい。処理手段は、個別の寄付額を累計し、その累計値が寄付の総額の上限値を超えたとき、その旨を利用者に通知するとよい。処理手段は、寄付先の自治体の数を計数し、寄付先の自治体数の上限値を超えて寄付を行う操作がなされたとき、その旨を利用者に通知するとよい。処理手段は、これらの通知を行った後、寄付手続きを進めるか中止するかを利用者に選択させるとよい。
寄付先の自治体数が5団体以内である場合には、確定申告が不要になる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が導入されている。例えば、寄付先の自治体数の上限値を、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用できる寄付先の自治体数の上限値である「5」に設定しておくとよい。利用者は、処理手段からの通知に気付くことにより、ふるさと納税ワンストップ特例制度が利用できなくなることを認識することができる。
処理手段は、寄付の総額の上限値から、過去の寄付額の合計値を減算して、寄付可能な残額を利用者に知らせるとよい。利用者は、寄付可能な残額を、現在紹介されている自治体に寄付を行うか否かの判断材料として利用することができる。
現行のふるさと納税制度で、寄付額から自己負担額2,000円を減じた残りの全額が控除の対象になるか否かは、寄付者の収入等に依存する。処理手段は、利用者の収入見込み額から、全額控除を受けることができる寄付額の上限値を算出し、利用者に通知するとよい。利用者の収入見込み額は、例えば、利用者に給与明細の内容を入力させ、入力された値から求めるようにするとよい。
処理手段は、電子機器の現在地の位置情報に基づいて選択された一部の自治体を特定する情報とともに、返礼品について「寄付を申し込む」、「気になる」、「販売所表示」、「SNSでシェア」等のボタンを表示画面に表示する機能を持つとよい。利用者が「寄付を申し込む」ボタンをタップすると、処理手段は、例えば、寄付の手続きを行い、寄付の管理サーバから寄付を行ったことを証明する証明書を入手するとよい。利用者が「気になる」ボタンをタップすると、処理手段は、例えば、その自治体及び返礼品を示す情報をお気に入りリストに追加し、後から利用者が読み出せるようにするとよい。利用者が「販売所表示」ボタンをタップすると、処理手段は、例えば、表示画面に地図を表示し、販売所を経由地または目的地として経路探索を行うとよい。利用者が「SNSでシェア」ボタンをタップすると、処理手段は、例えば、SNSへの投稿画面に自治体や返礼品を示す情報を自動入力するとよい。
自治体によっては、寄付金の使い道を指定できるところもある。使い道の例として、例えば産業振興、環境保全、文化財保護、子育て、福祉、災害支援等が挙げられる。寄付金の複数の使い道に予め優先順位をつけておき、優先順位を記憶装置に記憶させておくとよい。例えば、処理手段は、寄付金の複数の使い道を優先順位に応じて並べ替えて表示画面に表示し、利用者が使い道を指定できるようにするとよい。利用者は、複数の使い道から自分が指定したい使い道を容易に見つけ出すことができる。また、処理手段は、最も優先順位の高い使い道が規定値として選択された状態で複数の使い道を表示画面に表示してもよい。利用者は、使い道の入力時に使い道を指定する操作を省くことができる。
処理手段は、1つの自治体への寄付の手続きの要求を受け付けると、その自治体に寄付をした人が寄付している他の自治体(以下、「推奨自治体」という。)を特定する情報を利用者に提供するとよい。例えば、推奨自治体は、現在の位置の近隣の自治体を特定する情報を優先して利用者に提供するとよい。例えば、寄付の手続きを行った寄付先の自治体と同一の都道府県内の自治体を優先するとよい。自治体の位置とは無関係に、寄付者の多い自治体を特定する情報を優先して利用者に提供してもよい。近隣の自治体を優先した情報と、寄付者の多い自治体を優先した情報との両方を利用者に提供すると特によい。
(28)前記処理手段は、法人モードと個人モードとの切り替え機能を有し、法人モードに切り替えられているときには、法人による寄付の手順に従って寄付の手続きを行い、個人モードに切り替えられているときは、個人による寄付の手順に従って寄付の手続きを行う機能を有する電子機器とするとよい。
寄付者が個人である場合と法人である場合とで、寄付の手続きの手順が異なっている。法人モードと個人モードとを設けることにより、利用者が個人として寄付することも、法人として寄付することも可能になる。例えば、電子機器が社用車に搭載されたカーナビゲーション装置である場合、法人モードに切り替え、電子機器が自家用車に搭載されたカーナビゲーション装置である場合、個人モードに切り替えるとよい。
個人が行うふるさと納税と、企業が行う企業版ふるさと納税とでは、寄付先の自治体、返礼品の有無、税額控除の方法等が異なっている。処理手段が法人モードで動作しているときと個人モードで動作しているときとで、利用者情報に応じて自治体を選択する基準を異ならせるとよい。例えば、処理手段が法人モードで動作しているときは、企業版ふるさと納税における寄付先の対象となる自治体のみから選択するとよい。また、処理手段が法人モードで動作しているときと個人モードで動作しているときとで、出力手段に出力させる情報を変えるとよい。例えば、企業版ふるさと納税の制度では、各自治体が企画した「まち・ひと・しごと創成寄附活用事業」に寄付することになる。処理手段は、自治体を特定する情報の他に、「まち・ひと・しごと創成寄附活用事業」の内容を出力するとよい。利用者は、出力手段に出力された情報を、寄付を行うか否かの判断材料として利用することができる。
(29)前記処理手段は、前記利用者情報で特定される個人以外の者を他の利用者として登録する機能を持ち、前記寄付の手続きを行う際に、登録されている複数の利用者から前記寄付を行う主体となる利用者を識別し、識別された利用者を主体として前記寄付の手続きを行う機能を有する電子機器とするとよい。
例えば、複数人で旅行するときに、旅行者の各々が電子機器を介して寄付を行うことができる。
登録されている複数の利用者から寄付を行う一人の利用者を識別するには、例えば、処理手段は、登録されている利用者の各々を特定する情報を表示画面に一覧として表示し、寄付を行う利用者に、この一覧の中から自分を特定する情報を選択させるようにするとよい。各利用者が所有しているニアフィールドコミュニケーション(NFC)規格対応のカードを読み取り装置にかざすことにより、寄付者を識別するようにしてもよい。NFC規格対応のカードとして、例えば個人名が登録された交通系カード、運転免許証等が挙げられる。また、指紋認証システム、顔認証システム等の個人認証システムを利用して、寄付を行う利用者を識別してもよい。
寄付に使用するクレジットカードの情報は、予め複数の利用者ごとに記憶装置に登録しておくとよい。寄付者の氏名と、クレジットカードの名義とが不一致であると、税額控除の対象にならない可能性がある。処理手段は、登録されている利用者の氏名と、その利用者に関連付けて登録されているクレジットカードの名義とを比較し、一致しない場合には、その旨を利用者に通知する機能を持つとよい。これにより、寄付者は、名義の異なるクレジットカードを用いて寄付してしまい、税額控除を受けることができなくなる事態の発生を防止することができる。
(30)前記電子機器は、前記利用者に貸し出される態様で利用され、
前記処理手段は、選択された一部の自治体から気になる自治体を前記利用者に指定させる機能を有し、
前記電子機器が返却された後も、指定された気になる自治体に関する情報を、前記利用者によって読み出し可能な態様で提供する機能を有する電子機器とするとよい。
電子機器の利用者は、電子機器を返却した後も、その電子機器の使用中に指定した気になる自治体に関する情報を読み出すことができる。これらの情報は、旅行の思い出として残すことができ、また、その自治体を再訪する動機づけになり得る。
処理手段は、電子機器の現在地の位置情報に基づいて選択された一部の自治体を特定する情報を表示画面に表示するとともに、「気になる」ボタンを表示し、利用者が「気になる」ボタンをタップすることによって気になる自治体を指定するようにするとよい。
例えば、電子機器をレンタカーに搭載して利用者に貸し出し、レンタカーの返却時に、気になる自治体に関する情報を利用者が読み出し可能なクラウドにアップロードするか、消去するかを利用者に問い合わせるとよい。利用者への問い合わせとして、処理手段が表示画面に問合せの内容を表示するとよい。利用者が読み出し可能なクラウドは、レンタカー業者が管理しているクラウドとし、レンタカー業者は利用者に、その利用者の気になる自治体に関する情報をクラウドから読み出すためのセキュリティコード等のキー情報を通知するとよい。利用者は、レンタカー業者のクラウドにアクセスし、キー情報を入力することにより、自分が指定した気になる自治体に関する情報を読み出すことができる。
レンタカーの返却時に、利用者の気になる自治体に関する情報を常にクラウドにアップロードするとさらによい。利用者は、レンタカーの返却時に気になる自治体に関する情報が不要だと思っても、後日、その情報を知りたいと思い直す場合もある。このとき、利用者は、クラウドにアップロードされている気になる自治体に関する情報を読み出すことができる。
現時点がレンタカーの返却時点か否かの判定条件として、例えば燃料が満タンで、現在位置がレンタカーの返却場所に一致し、その場所に停止している時間が所定時間、例えば5分を超えたこと等とするとよい。または、返却場所でレンタカーのエンジンが停止されたこと等とするとよい。
(31)前記電子機器は、プリントサービス提供店に設置されるプリンタであり、
前記利用者情報は、前記プリンタの前記利用者が訪れたプリントサービス提供店の位置情報を含み、
前記予め準備されている情報は地図情報であり、
前記利用者情報に応じた情報は、前記利用者が訪れたプリントサービス提供店の場所を含むある領域の地図情報が前記プリンタによってプリントアウトされた地図を含む電子機器とするとよい。
利用者は、プリンタが設置されている場所の位置情報を入力する操作を行うことなく、自分の現在地を含むある領域の地図を紙媒体で入手することができる。スマートホンやタブレット端末等に表示される地図に比べて、A4サイズ、B4サイズ、A3サイズ等の大きな地図を入手することができる。大きな地図は、複数人で同時に見ながら相談等をする利用形態に適している。さらに、スクロールすることなく、地図上の広い領域を一度で視認することができる。また、紙媒体に出力された地図は、例えば書き込み、折り曲げ等を行うことにより、簡単に目印等を付すことができる。特に、複数人で旅行しているとき、旅行先のプリントサービス提供店で地図をプリントアウトし、プリントアウトされた地図を旅行中に参照することができる。
プリントアウトされた地図として、その地図をプリントアウトしたプリントサービス提供店を他の施設から区別することができる態様のものとするとよい。その地図をプリントアウトしたプリントサービス提供店を他の施設から区別することができる態様として、例えば、そのプリントサービス提供店の地点に目印を付す、そのプリントサービス提供店を示す地図上の記号に、他の施設を示す記号の色と異なる色を付す、そのプリントサービス提供店を地図の中心に配置する等とするとよい。
例えば、プリントサービス提供店の例として、全国津々浦々にあるコンビニエンスストア等が挙げられる。プリントサービス提供店の位置情報は、プリンタの設置時にプリンタに登録するとよい。プリンタ管理サーバに、プリンタの識別情報と位置情報とを関連付けて記憶させておいてもよい。プリンタは、プリンタ管理サーバに自分の位置情報を問い合わせることにより、プリンタ管理サーバから位置情報を入手することができる。このようにすると、プリンタ設置時に現場でプリンタに位置情報を設定する必要が無くなり、位置情報の設定忘れや誤設定を防止することができる。
(32)前記プリンタは、プリントアウトした地図と同一のエリアの地図を、利用者が携帯する携帯端末に表示させるための情報を提供する機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、プリントアウトした地図を表示させるための情報を入手して、携帯端末に地図を表示させることができる。プリントアウトした地図を表示させるための情報として、例えば、その地図の地図データを提供しているインターネット上のサーバを識別する情報とするとよい。利用者は、そのサーバにアクセスすることにより、プリントアウトした地図を携帯端末に表示させることができる。携帯端末の例として、例えばスマートホン、タブレット端末等が挙げられる。
携帯端末に提供されたサイトを識別する情報は、サイトのURLを特定する情報を地図とともにプリントアウトすることにより携帯端末に提供するとよい。URLを特定する情報として、例えば、短縮URLを示す文字情報、URLを表す二次元バーコード等が挙げられる。また、プリンタから無線通信によりURLを特定する情報を携帯端末に転送してもよい。無線通信として、例えばNFC規格に準拠した無線通信を利用することができる。
(33)前記プリンタは、前記地図上の一部の領域を特定する情報を前記地図とともにプリントアウトし、
さらに、利用者が携帯する携帯端末の現在地の位置情報に基づいて、プリントアウトした地図上において前記携帯端末の現在地が属する地図上の前記領域を特定する情報を提供する機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、領域を特定する情報を手助けとして、地図上において自分のいる地点を容易に見つけ出すことができる。携帯端末は、通常、携帯端末の現在地が表示画面内の特定の箇所に固定されるようにして、現在地の周囲のあるエリアの地図を表示画面に表示させる機能を持っている。携帯端末の現在地が移動すると、携帯端末は、表示画面内で現在地が移動しないように、地図を自動的にスクロールさせる。このため、利用者にとって、携帯端末に表示された地図は、自分の現在地の周囲の状況を知るには便利であるが、表示画面に表示されたエリアより広い特定のエリアにおける自分の相対的な位置を把握する用途には不向きである。これに対し、プリントアウトされた地図を利用すると、その地図上において自分のいる地点を見つけ出すことにより、地図に表された特定のエリア内における自分の相対的な位置を容易に把握することができる。
地図上の一部の領域を特定する情報として、例えば、「上」、「下」、「左」、「右」といった文字情報を用いるとよい。プリンタは、プリントアウトする地図の上下左右の端部に、それぞれ「上」、「下」、「左」、「右」という文字を印刷するとよい。例えば、携帯端末は、「現在地は中心より右上の地点です。」というように、中心、及び上下左右のいずれかの用語を用いて地図上の地点を示すことができる。
地図上の一部の領域を特定する情報として、例えばプリントアウトされた地図の全域を行列状の複数の区画に区分し、行を特定する情報及び列を特定する情報を用いてもよい。例えば、列を左から順番にA、B、C、D・・・というアルファベットで特定し、行を上から順番に1、2、3、4・・・という数字で特定するとよい。地図上の各区画をアルファベットと数字との組み合わせで特定することができる。例えば、携帯端末は、「現在地はA1区画の中です。」というように、区画を特定する情報を用いて利用者に現在地を通知することができる。
方位検知機能を有する携帯端末は、例えば現時点の携帯端末の画面の上方向と、プリントアウトされた地図の上下左右方向との対応関係を利用者に通知するとよい。例えば、「画面の上方向が地図の右方向です。」というように利用者に通知するとよい。
上記(33)の説明では、携帯端末の現在地が属する地図上の領域を特定する情報を提供する機能を、地図をプリントアウトしたプリンタに持たせたが、この機能を、プリンタに地図データを配信するサーバに持たせてもよい。本明細書は、プリンタと、携帯端末の現在地が属する地図上の領域を特定する情報を提供する機能を持つサーバとの2つの機器で構成された電子機器の発明を開示する。
(34)前記処理手段は、前記地図とともに、プリントアウトされる領域内の店舗の広告をプリントアウトする機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、現在地の近隣に存在する店舗(お土産品店、飲食店等)の情報を入手することができる。店舗の広告に、その店舗で特典を受ける権利を有することを示す情報、例えばクーポン券等を含めるとよい。地図をプリントアウトした利用者、例えば旅行者、出張者等にとっては、その店舗で特典、例えば飲食代200円割引といった特典を受けることができるという効果が得られる。地図をプリントアウトする料金の一部または全部を、利用者が受ける特典に相当する金額で相殺することができる。店舗にとっては、旅行者等を店舗に誘導することができるという効果が得られる。
(35)前記プリンタは、広告の提供者に広告作成の支援サービスを提供するサーバから受信した広告のデータに基づいて広告をプリントアウトする機能を有する電子機器とするとよい。
店舗等の広告の提供者は、サーバから広告作成の支援サービスの提供を受けて、広告を容易に作成することができる。広告作成の支援サービスとして、例えば、広告のひな形を利用して広告を作成することができるサービスとするとよい。例えば、広告の提供者がひな形に写真と文字を挿入するだけで広告を作成することができるようにするとよい。複数のひな形を準備しておき、広告の提供者が複数のひな形から気に入ったひな形を選択できるようにするとよい。広告の提供者が、サーバから自分の端末にひな形のデータをダウンロードし、端末上でひな形を用いて広告を作成し、作成された広告のデータをサーバにアップロードする方法でサーバに広告のデータを蓄積するとよい。広告の提供者が、自分の端末のブラウザを介して、サーバ上のひな形を用いて直接広告を作成し、サーバに広告のデータを蓄積するようにしてもよい。
店舗から広告の出稿料を徴収してもよいが、無料にすると特によい。広告の出稿料が無料になると、広告を提供する店舗にとってはメリットが大きい。地図のプリントアウトサービスを提供する事業者にとっては、広告の提供者が増えるという効果が期待できる。
提供されている広告の数が増えると、すべての広告を地図にプリントアウトすることが困難になる。このような場合には、プリンタが所定のフィルタリング条件でフィルタリングして、大量の広告の中から印刷すべき一部の広告を抽出するとよい。所定のフィルタリング条件は、利用者がプリンタを操作してプリンタに与えるとよい。例えば、プリントアウトさせたい広告を提供している店舗の業種を利用者が選択できるようにするとよい。プリンタは、大量の広告の中から、利用者が選択した業種の店舗の広告を抽出し、抽出された店舗の広告を地図とともにプリントアウトするとよい。
広告作成の支援サービスを提供するサーバや利用者の携帯端末に予めフィルタリング条件を設定しておき、設定されたフィルタリング条件を適用して大量の広告からプリントアウトすべき広告を抽出してもよい。
本明細書は、プリンタと、広告作成の支援サービスを提供するサーバとの少なくとも2つの機器で構成される電子機器の発明を開示する。さらに、本明細書は、広告作成の支援サービスを提供するサーバの発明を開示する。
(36)前記プリンタは、前記地図を識別する情報を前記地図とともにプリントアウトし、前記地図で表されたエリア内に設置された情報取得機器のうち前記地図を識別する情報を読み込んだ前記情報取得機器の設置地点の位置情報を、利用者の訪問地点の位置情報としてサーバから受信し、利用者の訪問地点を識別可能な態様で新たな地図をプリントアウトする機能を有する電子機器とするとよい。
地図の利用者は、訪問地点を識別可能な態様でプリントアウトされた新たな地図を見て、最初に地図をプリントアウトしたプリントサービス提供店から地図を携行して訪れた地点を認識することができる。最初の地図をプリントアウトしたプリンタと、新たな地図をプリントアウトするプリンタとは、同一のプリンタである必要はない。最初の地図をプリントアウトする機能と、新たな地図をプリントアウトする機能とを有する複数のプリンタを、それぞれ複数のプリントサービス提供店に設置しておくと便利である。例えば、旅行先のプリントサービス提供店で最初の地図をプリントアウトし、自宅の近傍のプリントサービス提供店で、自分が訪れた地点を認識可能な新たな地図をプリントアウトすることができる。この新たな地図は、旅行の思い出として残しておくことができる。
情報取得機器として、情報読み取り機能を有する人型ロボットや電子看板(サイネージ)等を利用するとよい。利用者は、例えば地図とともにプリントアウトされたバーコードを情報取得機器のバーコードリーダやカメラ等に読み取らせることにより、地図の識別情報を情報取得機器に入力することができる。人型ロボットや電子看板は、例えば店舗に設置されている。
店舗に設置された人型ロボットが地図の識別情報を読み込むと、地図の利用者に、その店舗を紹介する言葉を発するようにするとよい。例えば、地図の識別情報から地図をプリントアウトしたプリントサービス提供店の名称を取得し、「○○店から来てくれたんだね。○○がお勧めだよ。」といった言葉を発するようにするとよい。
地図をプリントアウトしたプリントサービス提供店の名称は、例えば、人型ロボットが地図の識別情報を読み込んで、地図の識別情報と、プリントサービス提供店の名称とを関連付けて記憶しているサーバに問い合わせることにより入手するとよい。または、地図全体を画像認識することにより、プリントサービス提供店の名称を取得してもよい。
サーバは、情報取得機器から地図の識別情報を受信すると、地図の識別情報と、情報取得機器が設置されている地点(訪問地点)の位置情報とを関連付けて記憶するとよい。プリンタから、地図の識別番号を特定して訪問地点の位置情報の提供の要求を受けると、サーバは、その地図の識別情報に関連付けられた訪問地点の位置情報をプリンタに送信する機能を有するとよい。地図を識別する情報として、例えば地図を識別する固有の番号等を用いることができる。地図を識別する情報は、例えばバーコード等の形態で地図とともにプリントアウトするとよい。
利用者の決済用カードの情報をサーバに登録しておき、サーバが、登録されている決済用カードを利用して買い物をした店舗の位置情報を取得し、この店舗の位置情報を訪問地点の位置情報として記憶するようにするとよい。店舗に情報取得機器が設置されていない場合でも、決済用カードを使用して買い物をすると、利用者がその店舗を訪れたという情報をサーバに残すことができる。
前記サーバは、前記地図の識別情報と関連付けて、前記利用者の端末を識別する識別情報を記憶し、前記地図の識別情報と関連付けられている前記訪問地点の位置情報、及び前記地図をプリントアウトした前記プリンタが設置されている場所の位置情報を、前記利用者の端末に配信する機能を有するとさらによい。
地図の利用者は、自分の端末に配信された位置情報に基づいて、地図を携行して訪れた地点を認識することができる。利用者が端末を操作することにより、地図を携行して訪れた地点の情報をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のサーバにアップロードして複数人で共有するとよい。地図の利用者と一緒に行動した仲間の端末にも、上述の位置情報を配信するようにするとよい。
(37)前記プリンタは、前記地図に表された範囲内で前記利用者が端末を用いて取得した拡張現実の情報をサーバから受信し、前記地図と同じ範囲の地図に前記サーバから受信した拡張現実の情報を合成してプリントアウトする機能を有する電子機器とするとよい。
利用者は、プリンタからプリントアウトされた地図を見ることによって、訪れた地点で入手した拡張現実の情報を認識することができる。拡張現実の情報には、例えば、現実世界の特定の地点に対応して拡張現実の世界に現れるキャラクタの画像情報、及びそのキャラクタが現れた地点の位置情報等を含ませるとよい。プリンタでプリントアウトされる地図には、キャラクタが現れた地点に相当する地図上の位置に、その地点に現れたキャラクタの画像をプリントアウトするとよい。
サーバは、地図に表された範囲内で利用者が端末を用いて取得した拡張現実の情報を入手し、前記地図の識別情報と関連付けて記憶する機能、及び送信要求のあったプリンタに、前記地図の識別情報、及び前記拡張現実の情報を送信する機能を持つとよい。
本明細書は、プリンタと、上述の(35)から(37)までの説明の少なくとも1つに記載されたサーバとの2つの機器で構成される電子機器の発明を開示する。サーバと通信するプリンタは、複数台設置されて運用されると特によい。さらに、本明細書は、上述の(35)から(37)までの説明の少なくとも1つに記載されたサーバの発明を開示する。
(38)上述の(1)から(37)までのいずれか1つに記載の電子機器としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとするとよい。
上述した(1)から(38)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全てまたは一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えることにより別の発明を得ることができる。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(38)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。
本願発明の電子機器の利用者は、自身に関する利用者情報を直接入力しなくても、利用者情報に応じた情報を電子機器から入手することができる。
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。
車両で利用される電子機器として、例えば、ナビゲーション装置、ドライブレコーダ、及びレーダー探知機等が存在する。
ナビゲーション装置は、車両の出発地から目的地までの案内を行う機能を持つ。
ドライブレコーダは、例えば走行中の車両の周囲、例えば前方の映像、及び車両の位置情報を記録する機能を持つ。ドライブレコーダはレンタカーに搭載される場合がある。レンタカーは、レンタカー会社の社員が車体のヘコミ及び傷等の損傷個所の有無をチェックした後に貸し出される。そして、車両が返却された後、その車両に、レンタカー会社の社員が貸し出す前にチェックした損傷個所以外に損傷が確認された際に、車両を借りた利用者が車体に与えた損傷と判断し、事故扱いとして、レンタカー会社から車両の利用者に対してノンオペレーションチャージ(NOC(営業保証金))を請求する。ドラブレコーダは、上記の事故の有無を証明するために用いることができる。
レーダー探知機は、例えばレーダー警報機能、無線警報機能、及びGPS警報機能の3つの基本機能を持つ。レーダー警報機能は、路上に設置した速度測定装置から車両に向けて放射された電磁波を検知した際に警報を発する機能である。無線警報機能は、警察無線の既知の周波数の電波を受信した際に警報を発出する機能である。GPS警報機能は、車両が自動速度違反取締装置に近づいた際に警報を発出する機能である。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施例について詳細に説明する。
[第1の実施例]
<ナビゲーション装置の構成>
本発明の第1の実施例における電子機器としてのナビゲーション装置1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態におけるナビゲーション装置1の斜視図であり、図2は、本実施形態におけるナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。
ナビゲーション装置1は、後述のようにしてレンタカーに設置可能に構成されており、不特定の者がそのレンタカーを利用する際に、そのレンタカーの車両内でその者に利用される。このようなレンタカーは、例えばレンタカー会社が貸し出す時間に応じた利用料金をそのレンタカーの利用者から受け取って、そのレンタカー会社からその利用者に貸し出される。
ナビゲーション装置1は、図1及び図2に示すように、表示部5、ランプ6、タッチパネル8、カード挿入口9、マイクロ波受信機11、GPS受信機12、無線送受信機13、制御部18、データベース19、スピーカ20、メモリカードリーダ21、及びOn-board diagnostics(以下「OBD」と記載する)コネクタ24を有する。
ナビゲーション装置1はクレードル3を介して車両のダッシュボードに支持される。クレードル3の底面が、車両のダッシュボード上に貼り付けられることにより、ナビゲーション装置1がダッシュボードに固定される。ナビゲーション装置1は、クレードル3に着脱可能であり、クレードル3と共にレンタカーのダッシュボード上に設置して利用される。
表示部5は、ナビゲーション装置1の前面(車両後方(運転者側)を向く面)に備えられている。表示部5は、例えば3.2インチのカラーTFT液晶ディスプレイで構成されている。表示部5は、処理手段としての制御部18からの制御により、メニュー画面を表示する。制御部18は、後述するナビゲーション機能、情報提供機能、返却時刻報知機能、燃料補給報知機能、燃料残量記録機能、料金報知機能、及び連絡先報知機能を実現する。
ランプ6は、制御部18からの制御に従って点灯又は点滅することにより、警報発出または報知を行う。
タッチパネル8は、表示部5上に設けられている。タッチパネル8は、車両の利用者により表示部5上のタッチされた位置を検出する。タッチパネル8による検出結果が制御部18に与えられる。
カード挿入口9は、ナビゲーション装置1の右側面に設けられている。カード挿入口9を通して、着脱可能な記憶媒体としてのメモリカード22がナビゲーション装置1に装着される。メモリカード22として、例えばマイクロSDメモリカード(以下単にSDと記載することもある。)が用いられる。
マイクロ波受信機11は、外部の速度測定装置から放射される所定周波数のマイクロ波を受信する。マイクロ波受信機11は、受信したマイクロ波の信号レベルを検出し、その検出結果を制御部18に出力する。
GPS受信機12は、ナビゲーション装置1の背面側中央上方の内部に配置されている。GPS受信機12は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて現在位置(経度、緯度)を求める。GPS受信機12は、求めた現在位置の位置情報を制御部18に出力する。GPS受信機12は、GPS衛星から時刻情報を受信し、受信した時刻情報を制御部18に出力する。
無線送受信機13は、通信相手である非接触ICカードやパソコン等の端末と近距離無線通信を行う機能を有する。この近距離無線通信機能を利用して、ナビゲーション装置1は通信相手との間でデータ通信を行う。
制御部18は、車両に備えられている図示しないアクセサリスイッチがオンにされることにより、図示しない車載バッテリから電力の供給を受けて起動する。アクセサリスイッチがオフにされると、ナビゲーション装置1は内蔵バッテリからの電源によって動作を継続し、表示部5にバッテリでの動作を継続するか否かを利用者に問い合わせるダイアログを猶予時間、例えば10秒間表示する。バッテリでの動作を継続する旨の入力があった場合には、ナビゲーション装置1はバッテリでの動作を継続する。猶予時間内にバッテリでの動作を継続する旨の入力がなかった場合には、ナビゲーション装置1は動作を停止して電源をオフにする。
制御部18は、CPU、ROM、RAM、EEPROM及びI/Oインタフェース等を備えるマイコンで構成される。制御部18は、CPUがEEPROMに格納されているプログラムを実行することにより、ナビゲーション機能、情報提供機能、返却時刻報知機能、燃料残量記録機能、燃料補給報知機能、料金報知機能、連絡先報知機能、駐車記録機能等を実現する。制御部18は、タッチパネル8から入力されたタッチされた位置の検出結果より、表示部5の何れの位置がタッチされたかを判定し、その判定結果に応じて、上記の各機能を実現するプログラムを実行する。なお、各機能の詳細は後述する。
制御部18は、上述した各部と接続され、上記の各種の入力機器(タッチパネル8、GPS受信機12、マイクロ波受信機11、無線送受信機13等)やOBDコネクタ24から入力される情報や検出結果に基づき、さらに必要に応じて制御部18のEEPROMに記憶している情報を用いて、所定の処理を実行し、出力機器(表示部5、スピーカ20等)を利用して警報の発出、または報知を行う。これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。例えば音声の出力は、EEPROMに記憶されたPCMデータを制御部18が再生することにより行われる。制御部18は、電源が切られていても現在時刻を刻み続けるリアルタイムクロック機能を有している。
データベース19は、制御部18に外付けしたEEPROMに格納されている。データベース19には、出荷時に地図データが蓄積されている。データベース19に蓄積されている地図データには、その地図上の各地点を示す位置情報が含まれている。また、地図データには、ガソリンスタンドやレンタカー会社の店舗の位置情報、及び駐車禁止エリアを示す位置情報が含まれている。ここで、駐車禁止エリアは、車両を駐車した際に道路交通法により取締の対象となるエリアであって、駐車禁止の重点エリア及び最重点エリアを含むエリアである。
データベース19は、観光地または観光施設の名称を示す情報、その観光地または観光施設の観光案内情報、及びその観光地または観光施設の位置を示す位置情報を対応付けて記憶したテーブル(以下、「観光目的テーブル」という。)を含む。また、データベース19は、会社名の情報、その会社名の会社の会社案内情報、及びその会社の位置を示す位置情報を対応付けて記憶したテーブル(以下、「ビジネス目的テーブル」という。)を含む。観光目的テーブル及びビジネス目的テーブルには、観光目的テーブルとビジネス目的テーブルとを識別する情報が各々付与されている。なお、データベース19に蓄積されている地図データ、観光目的テーブル、及びビジネス目的テーブルは、適宜更新される。
スピーカ20は、ナビゲーション装置1内の下方に内蔵されている。スピーカ20のスピーカ口は、ナビゲーション装置1の底面に設けられている。スピーカ20は、制御部18からの制御に従って、警報の発出または報知を行う。
メモリカードリーダ21は、ナビゲーション装置1内のカード挿入口9の内側に内蔵されており、リーダ機能及びライタ機能を有している。カード挿入口9を通してメモリカード22をメモリカードリーダ21に装着することができる。
OBDコネクタ24は、レンタカーに設けられた接続相手側である図示しないOBDコネクタに接続される。レンタカーに設けられたOBDコネクタは、レンタカーに搭載されている図示しないECU(electronic control unit)と接続されている。OBDコネクタ24をレンタカーに設けられたOBDコネクタと接続することにより、制御部18は、レンタカーに搭載されているECUからガソリンタンク内のガソリンの消費量の計測結果等を取得する。OBDコネクタ24は、CAN(Controller Area Network)またはKライン等の車載ネットワークを介して通信するための端子を備えている。
<ナビゲーション装置の動作>
本発明の第1の実施例におけるナビゲーション装置1の動作について、以下に説明する。
{レンタカーを借りる際のレンタカー会社の店舗における動作}
レンタカー会社の店舗が管理する貸出用のレンタカーのダッシュボード上に、クレードル3が設置されている。レンタカー会社の店舗に返却されているレンタカーについては、ナビゲーション装置1がクレードル3から取り外されている。レンタカーから持ち出されたナビゲーション装置1は、店舗内で充電される。
レンタカー会社の店舗の店員は、レンタカーの使用の申し込みをした利用者に対して、レンタカーと共にナビゲーション装置1を貸し出し、貸し出されたナビゲーション装置1をレンタカーに設置されているクレードル3に取り付ける。レンタカーの利用者は、レンタカーの操作に関する説明と共に、ナビゲーション装置1から各機能の提供を受けるために必要なナビゲーション装置1に対する設定手順の説明を、レンタカー会社の店舗の店員から受けることができる。
ナビゲーション装置1は、アクセサリスイッチを介して車載バッテリに接続され、アクセサリスイッチがオンにされることにより車載バッテリからナビゲーション装置1に電力が供給される。制御部18は、車載バッテリから電力が供給されることにより起動され、制御部18のCPUがEEPROMに格納されているプログラムを実行し、表示部5にメニュー画面を表示させる。このメニュー画面には、ナビゲーション機能、情報提供機能、返却時刻報知機能、及び連絡先報知機能の提供を開始するための開始ボタンが表示されている。制御部18は、利用者がタッチパネル8を操作することによって選択されたメニュー画面の開始ボタンに応じた機能を提供する動作を開始する。
まず、ナビゲーション装置1が情報提供機能を提供する動作について説明する。ここで、情報提供機能とは、利用者によるレンタカーの利用目的に応じた情報を、ナビゲーション装置1より提供する機能である。
レンタカーに対しては、人を運びたいのか荷物を運びたいのか等に応じた色々なニーズがある。また、レンタカーの利用者の性別、年齢、職業、趣味等の属性、またはレンタカーを利用する目的により、ニーズが異なる。具体的には、恋人とのデートでレンタカーを利用する場合と女子会でレンタカーを利用する場合とで、ニーズが異なる。
ナビゲーション装置1は、レンタカーの利用者に対して、レンタカーに対するニーズに応じて情報を切り替えて提供するものであり、特にレンタカーの利用目的に応じて、提供する情報を切り替える。ナビゲーション装置1は、大きく分けてレジャー向けの利用とビジネス向けの利用とで、提供する情報を切り替える。
レンタカーの利用目的は、利用者がレンタカーの利用を申し込む時にレンタカー会社に申告する。レンタカー会社の店舗の店員によって、利用者から申告された利用目的を特定する情報が入力され、ナビゲーション装置1がそれを制御部18のEEPROMに記憶する。これにより、制御部18は、これを参照して現在の利用者の利用目的が観光目的かビジネス目的であるかを判定することができる。
レンタカーの利用目的が観光目的であるとき、制御部18は、データベース19の各テーブルに付与されている識別情報に基づいて観光目的テーブルを選択し、観光目的テーブルより複数の観光地及び観光施設の名称の情報を読み出し、読み出した複数の観光地及び観光施設の名称の情報を表示部5に選択可能に表示させる機能を有する。レンタカーの利用目的がビジネス目的であるとき、制御部18は、データベース19の各テーブルに付与されている識別情報に基づいてビジネス目的テーブルを選択し、ビジネス目的テーブルより複数の会社名の情報を読み出し、読み出した複数の会社名の情報を表示部5に選択可能に表示させる機能を有する。
利用者によってタッチパネル8を操作され、表示部5に表示した観光地及び観光施設の名称、または会社名の中から興味のあるものを選択する機能を備える。制御部18は、表示部5に表示した観光地、観光施設、または会社の名称を示す情報の中から利用者によって選択された情報を、制御部18のEEPROMに記憶する機能を有する。
次に、ナビゲーション装置1のナビゲーション機能の動作について説明する。ここで、ナビゲーション機能とは、基本的には、表示部5に表示した地図上に、現在地から目的地までの経路を表示させる等の一般的なカーナビゲーション装置が備える機能である。ナビゲーション機能には、上記機能に加えて、表示部5に地図を表示するマップ表示機能、音声経路案内機能、交差点拡大表示機能、及び周辺施設検索機能等の種々の機能が含まれている。
利用者によるタッチパネル8の操作からナビゲーション機能の提供の開始を指示するための開始ボタンの選択が検出される。制御部18は、レンタカーの出発地と目的地とを入力するための入力画面を表示部5に表示させる。レンタカーの利用者は、表示部5に表示された入力画面を見てタッチパネル8を操作することにより、出発地及び目的地を入力する。目的地は、例えば利用者情報に応じて表示部5に表示された観光地、観光施設等を示す情報に基づいて決定することができる。制御部18は、入力された出発地から目的地までの経路を求める。制御部18は、データベース19に記憶されている地図データを読み出して表示部5に地図を表示させ、表示部5に表示させた地図上に、求めた経路を表示させる。
本実施例では、ナビゲーション装置1は、ナビゲーション機能としてさらに以下の機能を有する。制御部18は、上記の経路を求めた後、制御部18のCPUがEEPROMに格納されているプログラムを実行し、レンタカーの返却場所を地図上に表示することを選択するためのボタンを表示部5に表示させる。表示部5に表示された上記ボタンが選択されると、制御部18は、データベース19に蓄積されているレンタカー会社の店舗の情報を読み出して表示部5に選択可能に表示させる。表示部5に表示されたレンタカー会社の店舗の情報の中から利用者によって選択された店舗を示す情報を、レンタカーの返却場所としてEEPROMに記憶し、表示部5に表示させた地図上に返却場所の店舗を示すアイコンを表示させる。店舗の位置情報は、データベース19から入手することができる。
次に、ナビゲーション装置1の返却時刻報知機能の動作について説明する。ここで、返却時刻報知機能とは、レンタカーの使用終了時刻までの残り時間を報知する機能である。
ナビゲーション装置1が利用者に貸し出される前に、レンタカー会社の店舗の店員が、レンタカーの使用を終了する予定時刻(以下、使用終了時刻という。)を特定する使用終了時刻情報をナビゲーション装置1に設定する。ここで、使用終了時刻とは、使用料を支払うことにより貸し出されたレンタカーを返却する予定時刻であって、その時刻までにそのレンタカーを返却しない場合に追加の料金を支払う必要を生じる時刻である。制御部18は、表示部5に表示するメニュー画面に、返却時刻報知機能の開始を指示するための開始ボタンを表示させる。利用者がこの開始ボタンを選択することによって返却時刻報知機能の開始を指示すると、制御部18は、設定されている使用終了時刻情報が示す時刻と、リアルタイムクロック機能により刻む現在時刻またはGPS受信機12から入力された時刻情報より求めた現在時刻との差である残り時間を求め、求めた残り時間に関する情報を報知する処理を開始する。
次に、ナビゲーション装置1の連絡先報知機能の動作について説明する。ここで、連絡先報知機能とは、緊急の連絡先を報知する機能である。
レンタカーにトラブルを生じた場合には、レンタカー会社に必ず連絡をして状況を伝え、レンタカー会社から指示を受ける必要がある。その理由は、レンタカー会社は、必ずレンタカーに自動車保険又は共済を掛けているからである。
ナビゲーション装置1に、緊急連絡先の電話番号等を示す緊急連絡先情報が設定されている。ナビゲーション装置1に緊急連絡先情報を設定する操作は、例えばレンタカー会社の店舗の店員が行う。緊急連絡先情報には、例えばレンタカーを貸し出した店舗の電話番号が含まれる。
{レンタカー利用中の動作}
レンタカーの利用者は、上記の設定の後、そのレンタカーを運転してレンタカー会社の店舗を出発する。ナビゲーション装置1は、レンタカーの利用者がレンタカーの利用中において、ナビゲーション機能、情報提供機能、返却時刻報知機能、燃料残量記録機能、燃料補給報知機能、料金報知機能、連絡先報知機能、及び駐車記録機能を提供するための動作を行う。以下、各機能を詳細に説明する。
まず、ナビゲーション装置1のナビゲーション機能の動作について説明する。
制御部18は、GPS受信機12より入力された現在位置情報に基づき、表示部5に表示されている地図上の目的地までの経路上に、現在位置をアイコンで表示させるマップ表示機能を提供する。
制御部18は、制御部18のEEPROMに記録したレンタカーの返却場所である店舗を示す情報に基づいて、表示部5に表示させた地図上の返却場所に対応する位置に、レンタカーの返却場所を示すアイコンを表示させる。これにより、レンタカーの利用者は、レンタカーの返却場所を認識することができる。
レンタカーの利用者は、借りたレンタカーを所定の場所で返却して乗り捨てた後に、乗り捨てた場所とは異なる場所で別のレンタカーを借りて目的地に向かう場合が想定される。具体的には、レンタカーの利用者が東京から名古屋に向かう場合において、静岡でレンタカーを乗り捨てた後に浜松まで電車を利用し、浜松で別のレンタカーを借りて目的地の名古屋に向かう場合が想定される。このように、レンタカーの乗り捨てを可能にすることにより、レンタカーを利用して移動している途中で宿泊する際に、レンタカーが借りっ放しになって利用されていない時間を生じることによる無駄を省くことができる。
この場合、レンタカーの利用者は、レンタカーを借りた場所とレンタカーの返却場所とが異なるため、レンタカーの返却場所がわからないという事態も想定される。このような場合、レンタカーの利用者は、レンタカーの返却場所を示すアイコンを見て、レンタカーの返却場所を容易に把握することができる。
次に、ナビゲーション装置1の情報提供機能の動作について説明する。
ナビゲーション装置1は、ナビゲーション機能を提供しながら、情報提供機能を提供する。
まず、レンタカーの利用目的が観光目的である場合について説明する。制御部18は、レンタカーの現在位置と、観光目的テーブルに登録されている観光地及び観光施設の名称を示す情報に対応付けられている位置情報が示す位置との距離が所定距離r1以内になった場合、観光目的テーブルに登録されているその観光地及び観光施設の名称を示す情報とその観光案内情報の提供を開始する。そして、制御部18は、レンタカーの現在位置と、観光目的テーブルに登録されている観光地または観光施設の名称を示す情報に対応付けられている位置情報が示す位置との距離が所定距離r2(r1>r2)以内になった場合、観光案内情報に関する情報の提供を停止する。
これにより、レンタカーの利用者は、はとバスや神戸シティループバス等を利用する際に受けることができる人間による観光ガイドに代わって、ナビゲーション装置1より観光案内情報の提供を受けることができる。
所定距離r1として、利用者が、レンタカーとの距離の測定対象となる観光地または観光施設を訪れようとしていると推定される距離、例えば1km程度とするとよい。所定距離r2として、ナビゲーション装置1が搭載されているレンタカーが対象の観光地または観光施設にほぼ到着したと推定される距離、例えば20m程度とするとよい。
次に、レンタカーの利用目的がビジネス目的である場合について説明する。制御部18は、レンタカーの現在位置と、ビジネス目的テーブルに登録されている会社名の情報に対応付けられている位置情報が示す位置との距離が所定距離r1以内になった場合、ビジネス目的テーブルに登録されているその会社名の情報とその会社案内に関する情報の提供を開始する。そして、制御部18は、レンタカーの現在位置と、ビジネス目的テーブルに登録されている会社名の情報に対応付けられている位置情報が示す位置との距離が所定距離r2(r1>r2)以内になった場合、会社案内に関する情報の提供を停止する。
所定距離r1として、利用者が、レンタカーとの距離の測定対象となる会社を訪れようとしていると推定される距離、例えば1km程度とするとよい。所定距離r2として、ナビゲーション装置1が搭載されているレンタカーが対象の会社にほぼ到着したと推定される距離、例えば20m程度とするとよい。
上述のように、レンタカーの利用目的が観光目的である場合には、観光案内情報等の提供を受けることができ、レンタカーの利用目的がビジネス目的である場合には、会社案内に関する情報等の提供を受けることができる。このように、レンタカーの利用者は、レンタカーの利用目的に応じた情報の提供を、ナビゲーション装置1より受けることができる。
観光案内情報を提供する候補となる観光地及び観光施設として、レンタカーを借りる際に利用者がタッチパネル8を操作することによって選択した観光地及び観光施設に限定してもよい。これにより、利用者の興味の無い観光地や観光施設を除外し、興味のある観光地や観光施設の観光案内情報を提供することができる。
次に、ナビゲーション装置1の返却時刻報知機能の動作について説明する。
制御部18は、レンタカーを利用している途中で立ち寄った観光地等でそのレンタカーのエンジンを停止してアクセサリスイッチをオフにし、その観光地等から次の目的地に移動するために、そのレンタカーのアクセサリスイッチを再びオンにしてエンジンを始動する毎に、レンタカーの使用終了時刻までの残り時間に関する情報を表示部5に所定時間表示させる。残り時間を表示部5に表示させる所定時間として、利用者がエンジンを始動した後、表示部5に表示された残り時間に気付くことができるために十分な時間、例えば10秒以上とするとよい。また、表示部5に表示された残り時間に利用者が気付いたであろうと推測される時間、例えば30秒が経過すると、残り時間に関する情報の表示を停止するとよい。
これにより、レンタカーの利用者は、レンタカーの使用終了時刻までにレンタカーの返却場所に戻ることができる計画を立てることが可能になり、レンタカーの使用終了時刻に間に合わずに、意図しないレンタカーの使用時間の延長の必要に迫られることを極力少なくすることができる。また、アクセサリスイッチがオンされる際にレンタカーの使用終了時刻までの残り時間を示す情報を所定時間報知することにより、レンタカーの使用終了時刻までの残り時間を示す情報が必要以上に頻繁に報知される煩わしさを回避することができる。
レンタカーの利用者は、レンタカーの利用中にそのレンタカーの使用終了時刻を過ぎてしまった場合、ナビゲーション装置1より以下のサービスを受けることができる。
制御部18は、ナビゲーション装置1が取り付けられるレンタカーの識別情報を、制御部18のEEPROMに記憶している。レンタカーの識別情報は、レンタカー会社が保有するすべてのレンタカーの中から1台を特定するための情報である。制御部18は、GPS受信機12から入力された時刻情報より求めた現在時刻またはリアルタイムクロック機能により刻んでいる現在時刻が、EEPROMに記憶している使用終了時刻を過ぎた際に、制御部18のEEPROMに予め記憶している使用終了時刻を過ぎている際に報知する文字データ及び制御部18のEEPROMに記憶しているレンタカーの識別情報を各々読み出し、読み出した文字データの文字を表示部5に表示させて報知し、レンタカーの識別情報を表示部5に表示させて報知する。具体的には、制御部18は、「返却時刻を過ぎているので○○○店に連絡してください。」の文字と、レンタカーの識別情報とを表示部5に表示させて報知する。レンタカーの利用者は、表示部5の表示を見て、レンタカーの使用時間を延長する旨と、延長時間と、そのレンタカーの識別情報とをそのレンタカーを借りたレンタカー会社の店舗に電話等によって連絡する。ここで、延長時間とは、料金の支払額に応じたレンタカーの当初の使用時間を超えて、追加の料金を支払うことを条件にさらにレンタカーを使用する時間である。この連絡を受けた店舗では、貸し出したレンタカーを店舗の端末で管理しており、連絡を受けた識別情報を検索キーにして検索することにより、その端末上でそのレンタカーに関する情報を探し易くなる。
制御部18は、上記の報知と共に、制御部18のCPUがEEPROMに格納されているプログラムを実行し、延長時間を選択する選択画面を表示部5に表示する。レンタカーの利用者は、店舗に連絡したレンタカーの延長時間をナビゲーション装置1に設定する。制御部18は、表示部5の選択画面に対して入力された延長時間に関する情報を取得する。制御部18は、GPS受信機12から入力された時刻情報より求めた現在時刻またはリアルタイムクロック機能により刻んでいる現在時刻から、取得した延長時間に関する情報が示す延長時間の経過後の時刻を求め、現在時刻と、求めた延長時間の経過後の時刻との差より延長後の残り時間を求める。制御部18は、アクセサリスイッチがオンにされる毎に、求めた延長後の残り時間に関する情報を表示部5に上述の所定時間表示させる。
これにより、レンタカーの利用者が延長時間を気軽に選択できるので、レンタカー会社は、延長に伴う追加の料金の収入を増やし易くなり、収益を向上させることができる。また、レンタカー会社では、レンタカーの利用者から使用時間を延長する旨の連絡を得やすくなることにより、当初の使用時間内に返却されるはずのレンタカーのうち返却されないレンタカーが何台あるかを比較的早期に把握することができる。
次に、ナビゲーション装置1の燃料残量記録機能の動作について説明する。ここで、燃料残量記録機能とは、レンタカーのガソリンタンク内のガソリンの残量を記録する機能である。
車両は、エンジンECUやボディECU等を備えている。ボディECUは、ドアロック及びハザードランプ等の制御を行う。ボディECUは、レーダー探知機からハザードランプを点灯しなさいとの指示を受けた際に、ハザードランプを点灯する。このように車両のECUを制御して車両を動作させることを、アクティブ制御と呼ぶ。これに対して、情報をもらうのみの制御を、パッシブ制御と呼ぶ。レーダー探知機は、アクティブ制御として、急ブレーキがかかったことを検知するとハザードランプを高速で点滅させるイマージェンシーストップシグナル制御、及び車速が所定値以上になった場合に自動的にドアをロックする制御等を各ECUが行うように指示する。ナビゲーション装置1は、このようなECUと通信することにより、レンタカーのガソリンタンク内のガソリンの消費量の計測結果を取得することもできる。
制御部18は、OBDコネクタ24とレンタカー側の図示しないOBDコネクタとが接続された際に、レンタカーに搭載されているエンジンECUより、ガソリンタンク内のガソリンの消費量の計測結果を取得する。制御部18は、EEPROMに予め記録したガソリンタンク内を満タンにした際のガソリンの量から、エンジンECUより取得した計測結果が示すガソリンの消費量を減算してガソリンの残量を算出し、算出したガソリンの残量に関する情報をEEPROMに上書きしながら記録する。ガソリンの残量の上書き記録は、アクセサリスイッチがオンになっている間に制御部18が所定の周期で実行する。
次に、ナビゲーション装置1の燃料補給報知機能の動作について説明する。ここで、燃料補給報知機能とは、ガソリンを補給する必要のあることを報知する機能である。
レンタカーの利用者は、レンタカーのガソリンタンク内のガソリンを満タンにしてレンタカー会社の店舗に返却する必要がある。この際、レンタカーの利用者は、レンタカー会社が指定するガソリンスタンドでガソリンを給油することを勧められることが多い。また、レンタカーの利用者は、最後にガソリンスタンドで貰ったレシート、または最後に給油したガソリンスタンドの押印若しくはサインの有る満タン証明書の提出を、レンタカー会社から義務付けられる場合もある。レンタカーの利用者は、ガソリンタンクにガソリンを満タンにせずにレンタカーを返却した場合、レンタカーの走行距離から算出した調整金を支払わなければならない。この調整金は、ガソリンスタンドで自らガソリンを給油する際の料金よりも高額に設定されている。
制御部18は、EEPROMに記憶しているレンタカーの返却場所である店舗の位置情報と、GPS受信機12から入力された現在位置情報とを所定の周期で比較して、現在位置からレンタカーの返却場所までの距離が少なくともガソリンスタンドが1つ存在している可能性の高い距離(以下、報知距離という。)、例えば1km以内になった際に、燃料補給報知機能の提供を開始する。店舗の位置情報と現在位置情報とを比較する周期は、例えば法定速度で走行した場合に報知距離の移動に要する時間に比べて十分短い時間とするとよい。例えば、時速60kmで走行したときに報知距離の移動に要する時間の1/10以下の周期で上記比較を行うとよい。
制御部18は、レンタカーの返却場所に近付いたことを、表示部5に表示させて報知し、さらに、制御部18のEEPROMに記憶しているガソリンの補給を促す文字データを読み出し、読み出した文字データの文字を表示部5に表示させて、ガソリンを補給してガソリンタンクを満タンにするように報知する。具体的には、制御部18は、レンタカーの返却場所に近付いたこと、及び「満タンになっていますか。」という文字を表示部5に表示させる。
これにより、レンタカーの利用者は、レンタカー会社の店舗に近付いた際に、ガソリンタンク内にガソリンを補給してレンタカーを返却する必要性の有無を認識することができる。また、レンタカーの利用者は、ガソリンを補給しないうちにレンタカーの返却場所に到着してしまい、上記調整金を請求されること、または、レンタカーの返却場所の近くまで来た後に、近くのガソリンスタンドを探すために後戻りしなければならない煩わしさを、極力回避することができる。
制御部18は、現在位置からレンタカーの返却場所までの距離が1km以内になった際に、表示部5に表示されている地図上のガソリンスタンドの位置にガソリンスタンドのアイコンを表示させる。特に、制御部18は、現在位置からレンタカーの返却場所までの推奨経路を求め、この推奨経路上にガソリンスタンドがある場合には、このガソリンスタンドに対応するアイコンを他のガソリンスタンドに対応するアイコンよりも強調して表示させるとよい。
これにより、レンタカーの利用者は、現在位置からレンタカー会社の店舗までの経路に存在するガソリンスタンドの位置を把握することができ、ガソリンスタンドを探して彷徨うことを極力無くすることができる。
次に、ナビゲーション装置1の料金報知機能の動作について説明する。ここで、料金報知機能とは、レンタカーのガソリンを満タンにする際に必要となる料金(ガソリン代)を、ガソリンを満タンにする前に報知する機能である。
制御部18は、GPS受信機12から入力された現在位置情報が示す現在位置と、制御部18のEEPROMに記憶しているレンタカーの返却場所である店舗の位置情報が示す位置との距離が1km以内になった場合に、料金報知機能の提供を開始する。
制御部18は、ガソリンの基準量当たりの料金及び基準走行距離当たりの調整金を、制御部18のEEPROMに予め記憶している。制御部18は、レンタカー側の図示しないOBDコネクタと接続したOBDコネクタ24を介して、レンタカーに搭載されているECUと通信することにより、レンタカーのガソリンタンク内のガソリンの消費量の計測結果を取得する。制御部18は、取得した計測結果が示すガソリンの消費量に対して、ガソリンの基準量当たりの料金を乗算して、その消費量分のガソリンを給油した際の料金を求める。制御部18は、レンタカー貸し出し時点から現時点までの走行距離に対して、基準走行距離当たりの調整金を乗算して、その走行距離に対応する調整金を求める。
レンタカー貸し出し時点から現時点までの走行距離は、現時点におけるレンタカーの積算走行距離から、レンタカー貸し出し時点における積算走行距離を減ずることにより算出することができる。レンタカーの現時点における積算走行距離は、OBDコネクタ24を介してレンタカーのECUから取得することができる。レンタカーの貸し出し時点における積算走行距離は、ナビゲーション装置1をレンタカーに搭載して最初にアクセサリスイッチがオンにされたときに、ナビゲーション装置1がレンタカーのECUから取得することができる。レンタカーを貸し出す際に、店舗の店員がレンタカーの積算走行距離を読み取って、ナビゲーション装置1に設定してもよい。
制御部18は、ガソリンスタンドで給油した際の料金と調整金とを表示部5に並べて表示させる。これにより、レンタカーの利用者は、表示部5を見てガソリンスタンドで給油した際の料金と調整金とを見比べることができる。
これにより、レンタカーの利用者は、ガソリンスタンドでガソリンを補給して料金を支払うべきか、または、調整金を支払うべきかを、報知された料金に応じて容易に判断することができる。
次に、ナビゲーション装置1の連絡先報知機能の動作について説明する。ここで、連絡先報知機能は、緊急の連絡先を報知する機能である。
レンタカーの利用者は、レンタカーに故障または事故が生じた場合、気持ちの動揺により、緊急の連絡先であるレンタカー会社の店舗の電話番号を思い出せない可能性がある。この場合、レンタカーの利用者は、レンタカー会社の店舗の電話番号を示す情報を表示部5に表示させるために、表示部5に表示されている選択画面を見てタッチパネル8を操作する。
例えば、レンタカー会社の店舗の電話番号を示す情報を表示させる操作が行われると、制御部18は、EEPROMに記憶しているレンタカー会社の店舗の電話番号を示す情報を読み出して、読み出した電話番号を表示部5に表示させる。
これにより、レンタカーの利用者は、レンタカーに事故または故障が生じた際に、気持ちの動揺等により、レンタカーを借りたレンタカー会社の緊急の連絡先を思い出せない場合やその緊急の連絡先が記載されている紙が見当たらない場合であっても、その緊急の連絡先に連絡をすることができる。
次に、ナビゲーション装置1の駐車記録機能の動作について説明する。ここで、駐車記録機能とは、駐車禁止エリア内に駐車していたことを記録する機能である。
レンタカー会社は、駐車禁止エリアにレンタカーを駐車することを止めてもらいたい。その理由は、レンタカー会社は、貸し出し中のレンタカーの利用者が駐車違反を犯した場合において、その利用者が反則金を納付しなかった場合には、レンタカーの利用者に代わって反則金を支払う必要があるからである。レンタカー会社は、反則金を支払った後、レンタカーの利用者に対する債権を回収することも考えられるが、債権回収の手間が掛かるため通常は泣き寝入りすることとなる。ここで、駐車違反とは、駐車禁止エリア内に、所定時間以上継続して直ちに運転できない状態でレンタカーを停車させることをいう。
このような駐車違反は、全国レンタカー協会によると、業界全体で把握しただけでも、2006年6月から2007年5月までの1年間で1万6千件以上ある。このうち、レンタカーの利用者が反則金を支払ったものは約1万件で、最終的に「納付命令書」がレンタカー会社に送付されたケースは3004件(約18%)にもなる。1年半の間に反則金として1500万円支払っているレンタカー会社もある。
制御部18は、GPS受信機12から入力された現在位置情報の示す位置が、データベース19に記憶されている駐車禁止エリアを示す情報で特定される駐車禁止エリア内である場合に、GPS受信機12から入力された時刻情報に基づいて求めた現在時刻、または、リアルタイムクロック機能により刻んでいる現在時刻を用いて、その駐車禁止エリア内に継続して駐車している時間を計測する。具体的には、制御部18は、レンタカーの現在位置が駐車禁止エリア内で、かつ駐車を開始した時刻から走行を開始した時刻までの経過時間を示す情報をEEPROMに記録する。駐車を開始した時刻は、例えば車両のスイッチをオフにした時刻により求まる。走行を開始した時刻は、車両の走行速度が0を超えた時刻により求まる。
なお、制御部18は、レンタカーの現在位置が、データベース19に記録された駐車禁止エリアを示す情報で特定される駐車禁止エリア内であり、駐車を開始したと判定した場合に、スピーカ20から警報を発出させる。
{レンタカーを返却する際のレンタカー会社の店舗における動作}
レンタカーの利用者は、レンタカーの返却場所であるレンタカー会社の店舗に戻って来た場合、レンタカーのエンジンを停止させてアクセサリスイッチをオフにする。これにより、レンタカーに搭載されている車載バッテリからナビゲーション装置1への電力の供給が停止する。店舗の店員は、ナビゲーション装置1をクレードル3から取り外して店舗内に持っていく。ナビゲーション装置1は、レンタカー会社の店舗内の電源から電力の供給を受けることにより起動して、情報提供機能、燃料補給報知機能、燃料残量記録機能、及び駐車記録機能に関する以下の動作を行う。
まず、ナビゲーション装置1の情報提供機能に関する動作について説明する。
制御部18のCPUがEEPROMに格納されているプログラムを実行し、EEPROMに記録した観光地、観光施設、及び会社の名称の情報を消去するためのボタンを表示部5に表示させる。表示部5に表示している上記ボタンが選択されると、観光地、観光施設、及び会社の名称を示す情報を消去する処理を行う。これにより、レンタカーの利用者は、自分の知らない間に上記情報が第三者に知られてしまうことを防止することができる。特に、レンタカーの利用者は、上記情報が個人情報である場合、自身の個人情報が自分の知らない間に第三者に知られてしまうことを防止することができる。
次に、ナビゲーション装置1の燃料残量記録機能に関する動作について説明する。
制御部18は、EEPROMに記録したガソリンの残量を示す情報を、無線送受信機13を介して店舗内の端末に転送する。店舗内の端末は、制御部18から転送されたガソリンの残量を示す情報をディスプレイに表示させる。
レンタカー会社の店舗の店員は、端末のディスプレイに表示されたガソリンの残量を示す情報を参照することにより、レンタカーが返却された際にそのレンタカーのガソリンが満タンであるか否かを、そのレンタカーの燃料計を見なくても判断することができる。レンタカー会社の店舗の店員は、レンタカーのガソリンが満タンではない場合、そのレンタカーの走行距離から算出した調整金を、そのレンタカーの利用者に請求する。
次に、ナビゲーション装置1の駐車記録機能に関する動作について説明する。
制御部18は、EEPROMに記録した駐車禁止エリアに継続して駐車していた時間を示す情報を、店舗の端末に送信する。店舗の端末は、駐車禁止エリアに継続して駐車していた時間を示す情報を、その端末のディスプレイに表示させる。
これにより、レンタカー会社の店舗の店員は、その店舗の端末のディスプレイに表示された駐車禁止エリアに継続して駐車していた時間を示す情報が示す時間の長さに応じて、そのレンタカーの利用者が駐車違反をしている可能性を判断することができる。具体的には、レンタカー会社の社員は、駐車禁止エリアに駐車していた時間が長いほど、駐車違反をしている可能性が高いと判断して、駐車違反している可能性の高いレンタカーの利用者にのみ、駐車違反をしたか否かを確認することができる。このように、レンタカー会社の店舗の店員は、駐車違反した可能性の高いレンタカーの利用者にのみ駐車違反したか否かを確認すればよいので、レンタカーの利用者全員に確認する場合に比べて、負担が軽減される。
[第1の実施例の第1の変形例]
第1の実施例の第1の変形例におけるナビゲーション装置1は、情報提供機能及びナビゲーション機能を提供する際に、レンタカーの使用時間を考慮する。
制御部18は、レンタカーの現在の位置から、情報提供機能によって選択された観光地、観光施設、または会社の位置までの距離を算出する。制御部18は、算出した距離、及び制御部18のEEPROMに予め記憶している標準車速に基づいて、現在位置から、その観光地、観光施設、または会社まで往復するための所要時間を算出する。
制御部18は、GPS受信機12から入力された時刻情報より求めた現在時刻またはリアルタイムクロック機能により刻んでいる現在時刻に、算出した所要時間を加算した時刻が、返却時刻報知機能によって提供される使用終了時刻情報が示す時刻を超えていない場合、その観光地または観光施設を巡る観光ルートを表示部5に表示させることにより、情報提供機能及びナビゲーション機能を提供する。制御部18は、GPS受信機12から入力された時刻情報より求めた現在時刻またはリアルタイムクロック機能により刻んでいる現在時刻に、算出した所要時間を加算した時刻が、EEPROMに記録した使用終了時刻情報が示す時刻を超えている場合、使用時間内には戻って来られない旨を表示部5に表示させる。なお、制御部18は、返却時刻報知機能を提供するための設定がなされていない場合、返却時刻報知機能により使用終了時刻情報を記憶する動作と同様の動作により、レンタカーの使用終了時刻情報を制御部18のEEPROMに記憶する。
これにより、レンタカーの利用者は、レンタカーの使用時間内に巡ることができる観光ルートの提供をナビゲーション装置1より受けることができる。また、レンタカーの利用者は、レンタカーの使用時間内に巡ることができない観光ルートの提供をナビゲーション装置1より受けないので、使用時間内に戻って来られないような遠方の観光地または観光施設まで行ってしまい、意図しないレンタカーの使用時間の延長をする必要に迫られることを極力無くすることができる。
[第1の実施例の第2の変形例]
第1の実施例の第2の変形例によるナビゲーション装置1は、所定の特典を与えるクーポンを特定する情報を提供する。
データベース19は、観光地または観光施設の名称、その観光地または観光施設で使用できるクーポンを特定する情報、及びその観光地または観光施設の位置を示す位置情報を対応付けて記憶したテーブル(以下、「クーポン選択テーブル」という。)を含む。制御部18は、情報提供機能によって観光案内情報を提供する際に、クーポン選択テーブルを参照して、観光案内情報が提供される観光地または観光施設の名称にクーポンを特定する情報が対応付けられているか否かを判定する。観光案内情報が提供される観光地または観光施設の名称にクーポンを特定する情報が対応付けられている場合には、観光案内情報とともに、その観光地または観光施設に対応付けられているクーポンを特定する情報を表示部5に表示させる。クーポンを特定する情報には、クーポンを利用することができる施設名、優待の内容、有効期限等の情報が含まれる。レンタカーの利用者は、表示部5に表示されたクーポンを特定する情報を見て、手持ちのクーポンの中から、観光案内情報が提供されている観光地または観光施設で使用可能なクーポンを見つけ出すことができる。
レンタカーの現在位置と観光地または観光施設との距離が上述の所定距離r1以下になったときにクーポンを特定する情報が表示部5に表示されるため、近々使用する可能性の高いクーポンが当分使用する可能性のないクーポンに埋もれてしまい、近々使用する可能性の高いクーポンを探し出すことができない状態を極力回避することができる。
レンタカーの利用者は、表示部5に表示したクーポンを特定する情報と、手持ちのクーポンとを比較する。そして、レンタカーの利用者は、ナビゲーション装置1から提供されたクーポンを特定する情報に基づいて、手持ちのクーポンの中から、現在地の近傍で使用可能なクーポンを特定することができる。これにより、レンタカーの利用者は、特定したクーポンを使って飲食店で正規の金額から割引した金額で飲食することができたり、観光地または観光施設に入場する際に正規の入場料から割引した入場料で入場することができたりするといった優待を受けることができる。
手持ちのクーポンが無い場合、レンタカーの利用者がナビゲーション装置1から提供されたクーポンを特定する情報を、近距離無線通信によりナビゲーション装置1から利用者の携帯端末に転送し、クーポンを特定する情報に基づいて利用者の携帯端末にクーポンを表示させることにより、携帯端末に表示されたクーポンを紙媒体のクーポンと同様に利用できるようにしてもよい。クーポンが表示された携帯端末を施設の入場ゲートに設置された読み取り装置にかざして優待を受けたり、その携帯端末を施設の係員に見せて優待を受けたりすることができる。
各地域において、鉄道会社、観光協会または都道府県等の自治体の枠組みで一体のサービスが提供される事例がある。レンタカー会社もこの枠組みに入れてもらうことが好ましい。具体的には、鉄道とレンタカーとをセットにしたサービス、これに加えて、観光地または観光施設の観光案内とクーポンとを含めてセットにしたサービスが、レジャーでレンタカーを利用する者に提供される。
上記のセットは、レンタカーを貸し出す際に、レンタカーの利用者に対して1つの商品展開として売り込むことができる。例えば、レンタカーの利用者に対して、お台場地区における鉄道、レンタカー、観光案内、及びクーポンを含めてお台場セットとして売り込むことができる。これにより、観光振興に役立ち、レンタカーの楽しみ方のバリエーションをアピールすることができる。
[第1の実施例の第3の変形例]
第1の実施例の第3の変形例によるナビゲーション装置1の制御部18は、ナビゲーション機能を提供する場合に、レンタカーが観光地または観光施設に近づいた際に、その観光地または観光施設を含むモデルコースとなるような観光コースを表示部5に表示させる。
具体的には、制御部18は、GPS受信機12から入力された現在位置情報で特定される位置と、観光目的テーブルの観光地または観光施設の名称を表す情報に対応付けられた位置情報の位置とから算出した距離が1km以下になった観光地または観光施設の名称を表す情報を観光目的テーブルから読み出す。制御部18は、読み出した情報に対応する観光地または観光施設を順番に巡る観光コースを求める。制御部18は、CPUがEEPROMに格納されているプログラムを実行し、求めた観光コースの案内の開始を選択するボタンを表示部5に表示させる。そして、利用者がタッチパネル8を操作してこのボタンを選択すると、制御部18は、求めた観光コースを、表示部5に表示した地図上に表示させる。
これにより、レンタカーの利用者は、ナビゲーション装置1に対して自ら目的地を設定しなくても、ナビゲーション装置1より観光コースを提供されることにより、本人の知らなかった観光地または観光施設等の観光スポットに寄ることができる観光コースの提供を受けることが可能になる。
[第1の実施例の第4の変形例]
第1の実施例では、不特定の者が利用する車両としてレンタカーを採用したが、第1の実施例の第4の変形例では、不特定の者が利用する車両としてレンタサイクルを採用する。レンタサイクルは、近距離の移動に便利である。
通常、レンタサイクルには、ナビゲーション装置1に電力を供給するための電源が備えられていない。レンタサイクルとともに貸し出すナビゲーション装置1はバッテリを内蔵することが好ましい。バッテリを内蔵していないナビゲーション装置1をレンタサイクルで利用可能にするためには、外付けのモバイルバッテリをナビゲーション装置1とともに貸し出すようにするとよい。
レンタサイクルは、使用しない場合には、近距離無線通信可能な鍵により施錠されている。ナビゲーション装置1と同様の機能を有する携帯端末は、この携帯端末で受信可能な電子メールのアドレス宛に届いた4桁の番号からなる開錠情報を受信して記憶する。鍵は、開錠情報を記憶したこの携帯端末がかざされることにより開錠される。これにより、レンタサイクルの使用が可能になる。なお、開錠情報を受信するための電子メールのアドレスは、予めワールドワイドウェブ(World Wide Web)を用いて、レンタサイクルの管理会社に登録しておく。
このようなレンタサイクルで利用する携帯端末は、レンタサイクルを借りる不特定の者が自転車放置禁止区域または自転車の貸し借りを行うサイクルポートの位置がわからない場合に、ナビゲーション機能を提供することができる。
これにより、携帯端末の利用者は、自転車放置禁止区域またはサイクルポートの位置の情報の提供を、その携帯端末より受けることができる。また、携帯端末の利用者は、サイクルポートの位置の情報の提供を受けることにより、短時間で返却する必要のあるレンタサイクルを時間内に返却することを可能にすることができる。
[第1の実施例の第5の変形例]
第1の実施例の第5の変形例においては、旅行雑誌等の紙媒体と、ナビゲーション装置1と同様の機能を有する携帯端末とを連携させる。旅行雑誌等に記載されているQRコードを携帯端末で撮影することにより、旅行雑誌の必要なページ部分のみをその携帯端末にダウンロードすることができる。なお、このような携帯端末は、レンタカーの利用者がそのレンタカーを利用する際に利用することができる。
紙媒体の旅行雑誌等はかさばるため持ち歩くのに不便である。ナビゲーション装置1と同様の機能を有する携帯端末の利用者は、紙媒体の旅行雑誌を見ることなく観光地または観光施設の情報をその携帯端末より取得することができ、紙媒体の旅行雑誌を持ち歩くことによる煩わしさを解消することができる。
[第1の実施例の第6の変形例]
第1の実施例の第6の変形例では、ナビゲーション装置1と同様の機能を有する持ち運び自在な携帯端末が、鉄道の駅の出口からクーポンを利用する観光地または観光施設に向かう経路を表示させてナビゲーション機能を提供する。この携帯端末は、鉄道の駅の出口からクーポンを利用する観光地または観光施設に向かう方向が分からない場合に便利である。
具体的には、データベース19は、鉄道の駅に関する情報、観光地または観光施設の名称の情報、その観光地または観光施設で使用できるクーポンを特定する情報、その観光地または観光施設の位置を示す位置情報、クーポンを使用した際に無料になるのか割引を受けられるのかを示す特典情報、クーポンを使用しない場合の正規料金及びクーポンを使用した場合の割引金額を示す金額情報、及びその観光地または観光施設の外観を示す絵や写真の画像情報を対応付けて記憶したテーブル(以下、「案内テーブル」という。)を含む。
制御部18のCPUがEEPROMに格納されているプログラムを実行し、駅名と、観光地または観光施設の名称とを入力するための入力画面を表示部5に表示させる。利用者が表示部5に表示された入力画面を見て駅名及び観光地または観光施設の名称を入力すると、制御部18は入力された名称を判定し、その駅から、その駅のその観光地または観光施設に近い出口を経由して、その観光地または観光施設まで行くための経路を求め、表示部5に表示した地図上に、求めた経路を表示させてナビゲーション機能を提供する。表示される経路には、駅の複数の出口のうち1つの出口を指定する識別情報が含まれている。
制御部18は、案内テーブルにおいて観光地または観光施設の名称の情報に対応付けられているクーポンを特定する情報と画像情報とを表示部5に表示させると共に、案内テーブルにおいてクーポンを特定する情報に対応付けられている特典情報と金額情報とを表示部5に表示させる。
これにより、ナビゲーション装置1と同様の機能を有する携帯端末の利用者は、鉄道の駅の出口から観光地または観光施設までの経路を案内するナビゲーション機能の提供を、その携帯端末より受けることができる。また、この携帯端末の利用者は、画像情報の提供を受けることにより、自分の目指す観光地または観光施設を視覚的に確認することができる。また、この携帯端末の利用者は、特典情報の提供を受けることにより、その観光地または観光施設でクーポンを使用した際に、無料になるのか割引を受けられるのかを、利用する前に知ることができる。また、この携帯端末の利用者は、金額情報の提供を受けることにより、クーポンを使用した際に、クーポンを使用しない場合に比べてどの程度金額的にメリットがあるのかを判断することができる。
[第1の実施例のその他の変形例]
第1の実施例では、レンタカーの利用中において、制御部18が駐車記録機能を提供する際に、駐車禁止エリア内に継続して駐車している時間を示す情報をEEPROMに記録したが、GPS受信機12から入力された現在位置情報の示す現在位置が駐車禁止エリア外から駐車禁止エリア内になった時刻を示す時刻情報(以下、「侵入時刻情報」という。)と、その後GPS受信機12から入力された現在位置情報の示す現在位置が駐車禁止エリア内から駐車禁止エリア外になった時刻を示す時刻情報(以下、「離脱時刻情報」という。)とをEEPROMに記録してもよい。レンタカー会社の店舗の店員は、レンタカーがその店舗に戻ってきた際に、侵入時刻情報と離脱時刻情報とをナビゲーション装置1から店舗の端末に転送させて端末のディスプレイに表示させる。
レンタカー会社の店舗の店員は、その端末に表示された侵入時刻情報と離脱時刻情報とを参照して、侵入時刻情報が示す時刻から離脱時刻情報が示す時刻までの時間を計算し、計算した時間が長いほど駐車違反をした可能性が高いと判断できるので、その駐車違反した可能性が高いと判断したレンタカーの利用者に対してのみ駐車違反をしたか否かを尋ねることができる。これにより、駐車禁止エリア内に継続して駐車している時間を記録する場合に比べて、制御部18の処理負荷を軽減することができるので、駐車記録機能の提供をナビゲーション装置1より受けている期間におけるナビゲーション装置1のナビゲーション機能等の処理速度の低下を軽減することができる。
また、第1の実施例では、レンタカーの利用中において、駐車記録機能を提供する際に、駐車禁止エリア内に継続して駐車している時間を示す情報を記録したが、駐車禁止エリア内に駐車していたことを示す情報として、駐車の有無を示す1ビットのデータを非接触ICカードの駐車記録領域に記録してもよい。レンタカー会社の店舗の店員は、レンタカーがその店舗に戻ってきた際に、駐車の有無を示すデータを記録した非接触ICカードを、レンタカー会社の店舗の端末にかざすことにより、そのデータをその非接触ICカードからその端末に転送させて、駐車禁止エリア内における駐車の有無に関する情報を、その端末の表示部に表示させる。レンタカー会社の店舗の店員は、その端末の表示部に表示された駐車禁止エリア内における駐車の有無に関する情報を参照して、駐車禁止エリアに駐車していたか否かを判断できるので、駐車禁止エリアに駐車していたレンタカーの利用者に対してのみ駐車違反をしたか否かを尋ねることができる。駐車の有無を示すデータのデータ長は、駐車時間を示すデータのデータ長より短くすることができるため、非接触ICカードへの記録に要する時間を短縮することができる。
また、第1の実施例では、情報提供機能により、レンタカーの利用目的がビジネス目的である場合に会社に関する情報を提供したが、一般的なナビゲーション機能のみを提供するようにしてもよい。これにより、ビジネス目的テーブルを記憶する必要がなくなるため、データベース19の容量を少なくすることができる。
また、第1の実施例では、情報提供機能、返却時刻報知機能、燃料補給報知機能、料金報知機能、及び連絡先報知機能において、表示部5に表示して種々の情報を提供したが、スピーカ20より音声または音により種々の情報を提供してもよい。これにより、レンタカーの利用者は、表示部5を見ることなく各機能の提供を受けることができ、特にレンタカーの運転中において運転に集中することができる。
また、第1の実施例では、返却時刻報知機能及び燃料補給報知機能において、表示部5に表示して種々の情報を提供したが、ランプ6を点灯または点滅させることにより種々の情報を提供してもよい。これにより、レンタカーの利用者は、表示部5を見ることなく各機能の提供を受けることができ、特にレンタカーの運転中において運転に集中することができる。
また、第1の実施例では、情報提供機能を提供する際に、ナビゲーション装置1は、観光地、観光施設、または会社の名称の情報を取得することにより、観光案内情報または会社案内に関する情報を提供したが、レンタカーの利用者とそのレンタカーを用いて行動を共にする者がその利用者の家族、恋人または友人である場合に、利用者と同行者との関係を示す情報を取得することにより、家族向けの情報、恋人向けの情報または友人向けの情報を提供するようにしてもよい。
具体的には、データベース19は、レンタカーの利用者とそのレンタカーを用いて行動を共にする者との関係の種別である家族、恋人、及び友人等を示す種別情報と、観光地または観光施設の観光案内情報、または会社の会社案内情報と、その観光地、観光施設、または会社の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶したテーブル(以下、「種別テーブル」という。)を含む。種別テーブルでは、家族の種別情報に対して遊園地等の家族で訪れるのに適した観光地または観光施設の観光案内情報が対応付けられており、恋人の種別情報に対してデートスポット等の恋人と訪れるのに適した観光地または観光施設の観光案内情報が対応付けられており、友人の種別情報に対して友人と訪れるのに適した観光地または観光施設の観光案内情報が対応付けられている。
種別情報は、レンタカーの申し込み時に利用者が申告するようにするとよい。レンタカー会社の店舗の店員は、利用者からの申告に基づいて、種別情報をナビゲーション装置1に設定するとよい。インターネットのウェブサイト、または店舗に設置された端末を利用してレンタカーの申し込みをする場合には、レンタカーの申し込み状況を管理するサーバからナビゲーション装置1に種別情報を転送するようにしてもよい。
または、制御部18が表示部5に表示するメニュー画面に、種別情報入力ボタンを表示してもよい。利用者が、メニュー画面に表示された種別情報入力ボタンを選択すると、制御部18は、利用者に種別情報を入力させるダイアログボックスを表示部5に表示させる。利用者が種別情報を入力すると、制御部18は、入力された種別情報をEEPROMに記憶する。
なお、レンタカーの利用中及びレンタカーを返却する際のレンタカー会社の店舗における動作は、観光目的テーブル及びビジネス目的テーブルを用いて情報提供機能を提供する場合と同様であるので、その説明を省略する。
これにより、レンタカーの利用者は、そのレンタカーを用いて行動を共にする家族、恋人、または友人向けの情報の提供を、ナビゲーション装置1より受けることができる。
また、第1の実施例では、情報提供機能を提供する際に、ナビゲーション装置1は、車両の現在の位置情報と、観光地、観光施設、または会社の位置情報とに基づいて観光案内情報または会社案内情報を提供したが、レンタカーの目的地を示す情報に基づいて観光案内情報または会社案内情報を提供するようにしてもよい。目的地を示す情報として、例えば目的地の位置情報、目的地となる観光地、観光施設または会社の名称等が挙げられる。これにより、レンタカーの利用者は、そのレンタカーの目的地に応じた情報の提供を、ナビゲーション装置1より受けることができる。
レンタカーの利用目的が観光目的であるとき、例えば、ナビゲーション装置1がナビゲーション機能を開始した後、利用者がタッチパネル8を操作して目的地を示す情報を入力すると、制御部18は、目的地を示す情報に基づいて観光目的テーブルから観光案内情報を取得することができる。
また、第1の実施例では、返却時刻報知機能を提供する際に、アクセサリスイッチがオンにされて車載バッテリからの電力の供給が開始される毎に、レンタカーの使用終了時刻までの残り時間を報知したが、レンタカーを例えば6時間借りている場合において、レンタカーの使用終了時刻まで3時間、1時間、及び30分になる毎に残り時間を報知するようにしてもよい。
例えば、制御部18は、レンタカーの利用中において、制御部18のEEPROMに記録した使用終了時刻に関する情報が示す使用終了時刻と、GPS受信機12から入力された時刻情報より求めた現在時刻またはリアルタイムクロック機能により刻んでいる現在時刻との差が3時間、1時間及び30分になる毎に、レンタカーの使用終了時刻までの残り時間を報知する。
これにより、レンタカーの利用者は、残り時間が少なくなるほどこまめに残り時間を認識することができる。
また、残り時間が1時間以下になった際に報知を開始するようにしてもよい。これにより、レンタカーの利用者は、残り時間が十分残っているときに残り時間を認識せずにレンタカーを利用することができる。
また、第1の実施例では、燃料補給報知機能を提供する際に、現在位置からレンタカーの返却場所までの経路沿いに存在するガソリンスタンドを示すアイコンを、地図上に重ねて表示したが、この表示の際に現在位置を中心とした半径1kmの円形のエリア内に存在するガソリンスタンドを示すアイコンを地図上に重ねて表示してもよい。
具体的には、制御部18は、レンタカーの返却場所である店舗の位置情報と、GPS受信機12から入力された現在位置情報とを所定のタイミングで比較する。制御部18は、現在位置からレンタカーの返却場所までの距離が1km以内になった際に、現在位置情報が示す現在位置を中心とした半径1kmの円形のエリア内に含まれるガソリンスタンドの情報を、地図データから読み出す。制御部18は、表示部5に表示されている地図上のガソリンスタンドの位置に、ガソリンスタンドを示すアイコンを表示させる。
これにより、車両の利用者は、レンタカーの店舗に近付いた際に、現在位置を中心とした半径1kmの円形のエリア内に存在するガソリンスタンドを把握することができる。
また、第1の実施例では、不特定の者が利用する車両としてレンタカーを採用したが、カーシェアリングで用いる車両を採用してもよい。不特定の者が利用する車両がカーシェアリングで用いる車両である場合には、車両の返却場所はコインパーキングである。また、レンタカーやカーシェアリングで用いる車両以外に不特定の者が利用する車両として、家族以外の者も利用する自家用車、社員以外の者も利用する社用車を採用してもよい。不特定の者が利用する車両に付随するナビゲーション装置1は、運転免許証に内蔵されたICチップに記憶された情報に基づいて、その利用者に関する情報を取得してもよい。
また、第1の実施例では、緊急の連絡先としてレンタカーを借りた店舗を報知したが、緊急の連絡先としてレンタカーを借りた店舗の系列店を報知してもよい。具体的には、データベース19は、レンタカーを借りたレンタカー会社の系列店の電話番号を示す情報と位置情報とを対応付けて記憶している。制御部18は、レンタカーの現在位置から最寄りの系列店を特定し、特定した系列店の電話番号を緊急の連絡先として表示部5に表示する。これにより、レンタカーの利用者は、レンタカーを借りた店舗から遠く離れた場所でレンタカーにトラブルを生じた際であっても、最寄りの系列店と連絡をとることができる。
また、第1の実施例では、ナビゲーション装置1をクレードル3に着脱可能に取り付けたが、クレードル3から取り外し不可能または困難になるようにナビゲーション装置1をクレードル3に取り付けてもよい。さらには、ナビゲーション装置1は、例えばスマートホン等の携帯端末に所定のアプリケーションプログラムをインストール(プリインストールを含む)して実現されるものでもよい。アプリケーションプログラムは、それ自体がナビゲーション機能を持つものでもよいし、ナビゲーションを行うためのシステムが実装されているサーバにアクセスし、当該システムを利用するためのものでもよい。本明細書は、このような各種のタイプのナビゲーションシステムの発明を開示する。
また、旅行雑誌の必要なページを携帯端末にダウンロードする際に、電子データ形式のクーポンもダウンロードできるようにしてもよい。
また、不特定の者が利用する車両は、電動の一人乗りの車両でもよい。これにより、その車両を利用する利用者は、その車両の利用目的に応じた情報の提供を、ナビゲーション装置1より受けることができる。
また、レンタカーの利用者は、電子データのクーポンに関する情報を格納しているサーバに接続されたレンタカー会社の端末の近距離無線通信装置に、非接触ICカードをかざすことにより、そのサーバからその非接触ICカードにその電子データのクーポンに関する情報を転送させて記憶させることができる。レンタカーの利用者は、クーポンに関する情報を記憶した非接触ICカードを、クーポンを使用可能な観光地または観光施設等に設置した端末の近距離無線通信装置にかざすことにより、所定の特典を受けることができる。
また、第1の実施例では、レンタカーは、ガソリンにより走行する車両としたが、プラグインハイブリッ(PHV)車、電気自動車(EV)等の車載バッテリに貯蔵した電力を用いて走行する車両であってもよい。この場合、ナビゲーション装置1は、燃料補給報知機能を提供する際に、車載バッテリを充電するための充電スタンドの位置を地図上に表示して報知する。
また、第1の実施例では、燃料補給報知機能を提供する際に、現在位置とレンタカーの返却場所であるレンタカー会社の店舗との距離が1km以内になった際に、ガソリンを補給することを促す報知を行ったが、この条件に加えて、ガソリンを補給する必要のある量までガソリンタンク内のガソリンが減っている場合に、ガソリンを補給することを促す報知を行うようにしてもよい。ここで、ガソリンを補給する必要のある量までガソリンタンク内のガソリンが減っている場合とは、レンタカーの燃料計の針が満タンであることを示すレベルから少しでも下がっている場合とするとよい。これにより、車両の利用者は、レンタカーのガソリンタンク内にガソリンを補給する必要性の有無を判断することなく、ガソリンタンク内にガソリンを補給することができる。
また、第1の実施例では、ナビゲーション装置1は、ナビゲーション機能を提供しながら情報提供機能を提供したが、ナビゲーション機能の提供を受けるために設定された目的地と、情報提供機能を受けるために設定された観光地または観光施設とが異なるようにして、ナビゲーション機能と情報提供機能とを別々に提供するようにしてもよい。
また、第1の実施例では、レンタカーの現在位置と返却場所との距離が1km以下になった際に、燃料補給報知機能及び料金報知機能の提供を開始したが、燃料補給報知機能及び料金報知機能の提供を開始するためのレンタカーの現在位置と返却場所との距離は、任意に設定することができる。
また、第1の実施例では、レンタカーの利用目的等を含む利用者情報を、利用者が直接手入力等の操作をすることなくナビゲーション装置1に入力したが、レンタカーの利用者がタッチパネル8を操作して、そのレンタカーの利用目的を示す情報を入力するようにしてもよい。例えば、制御部18が表示部5に、複数の利用者情報を選択可能に表示させ、表示された利用者情報の中から利用者に選択させるようにしてもよい。
第1の実施例では、車両内に設置されて利用されるナビゲーション装置1について説明したが、ナビゲーション装置1をクレードル3から取り外して携帯型ナビゲーション装置(PND)として利用できるようにしてもよい。PNDとして利用可能なナビゲーション装置1はバッテリを内蔵しており、ナビゲーション装置1が車外で利用されるときには、ナビゲーション装置1は内蔵のバッテリから電源の供給を受ける。
第1の実施例では、レンタカーの使用終了時刻をレンタカー会社の店舗の店員がナビゲーション装置1に設定したが、ナビゲーション装置1がレンタカーの利用者に使用終了時刻情報を設定させるようにしてもよい。例えば、制御部18は、表示部5に表示するメニュー画面に表示した返却時刻報知機能の提供の開始を指示するための開始ボタンが選択されると、制御部18は、レンタカーの使用終了時刻の入力を受け付ける受付画面を表示部5に表示させる。利用者がタッチパネル8を操作して使用終了時刻を示す使用終了時刻情報を入力すると、制御部18は、入力された使用終了時刻情報を記憶する。
第1の実施例では、ナビゲーション装置1に緊急連絡先情報が予め設定されていたが、レンタカーの利用者が緊急連絡先情報をナビゲーション装置1に設定するようにしてもよい。例えば、制御部18が表示部5に表示させるメニュー画面に、緊急連絡先情報を設定する開始ボタンを含める。利用者がこの開始ボタンを選択すると、制御部18は、緊急連絡先情報の入力を受け付ける受付画面を表示部5に表示させる。レンタカーの利用者は、緊急の連絡先としてレンタカーを借りたレンタカー会社の店舗の電話番号を示す情報をナビゲーション装置1に入力する。制御部18は、表示部5の受付画面に対して入力されたレンタカー会社の店舗の電話番号を示す情報を記憶する。例えば、利用者は、レンタカー会社の店舗の店員に、レンタカー会社の店舗の電話番号を教えて貰いながら入力することができる。
第1の実施例では、ナビゲーション装置1と店舗の端末との間で、ガソリンの残量を示す情報等の種々情報の送受を直接行ったが、非接触ICカードを介して、ガソリンの残量を示す情報の送受を行ってもよい。例えば、ナビゲーション装置1の無線送受信機13に非接触ICカードを近接させて、ナビゲーション装置1から非接触ICカードにデータを転送し、この非接触ICカードを店舗に設置された端末の読み取り装置にかざすことにより、ガソリンの残量を示す情報を非接触ICカードから店舗の端末に転送してもよい。
[第2の実施例]
<ドライブレコーダの構成>
本発明の第2の実施例による電子機器としてのドライブレコーダ2の構成について、図3を用いて説明する。
図3は、第2の実施例によるドライブレコーダ2の構成を示すブロック図である。なお、図3において、図2と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
ドライブレコーダ2は、後述のようにレンタカーに設置可能に構成されており、レンタカーを利用する不特定の者がそのレンタカーを利用する際に、そのレンタカーの車両内でその不特定の者に利用される。
ドライブレコーダ2は、図3に示すように、ランプ6と、マイクロ波受信機11と、GPS受信機12と、無線送受信機13と、カメラ17と、スピーカ20と、メモリカードリーダ21と、制御部50と、表示部52と、入力部53と、加速度センサ54と、データベース60とを有している。
カメラ17は、レンタカーにドライブレコーダ2を取り付けた際に、レンタカーの前方を撮影可能な位置及び向きでドライブレコーダ2の筐体に組み込まれている。カメラ17は、制御部50からの制御に従って、レンタカーの前方の映像を撮影し、撮影した映像データを制御部50に出力する。
制御部50は、CPU、ROM、RAM、EEPROM及びI/Oインタフェース等を備えるマイコンで構成される。制御部50は、CPUがEEPROMに格納されているプログラムを実行することにより、走行履歴記録機能等を提供するための処理を行う。ここで、走行履歴記録機能は、レンタカーの走行履歴をそのレンタカーの利用者の識別情報と対応付けて読み出し可能に記録する機能である。レンタカーの利用者の識別情報は、レンタカーを貸し出す際に各利用者に割り当てた情報であり、複数のアルファベットを組み合わせたもの、複数の数値を組み合わせたもの、またはアルファベットと数値とを組み合わせたものである。
制御部50は、加速度センサ54から入力された加速度の検出値、GPS受信機12から入力された現在位置情報の示す位置とデータベース60に蓄積されている注意を促す場所(要注意箇所)の位置情報の示す位置との比較結果、またはマイクロ波受信機11から入力された検出結果に基づいて、カメラ17で撮影した映像データを、メモリカードリーダ21を介してメモリカード22に記録する。
例えば、加速度センサ54から入力された加速度の検出値に基づいて、事故、急加速、急停止、急旋回等のイベントの発生を検知する。制御部50は、これらのイベントが発生したと判定した場合に、イベント発生時点の前後の所定期間にカメラ17で撮影した映像データをメモリカード22に記録する。この所定期間は、事故等の原因の解析を行うのに有益な映像が残されていると推定される期間とするとよい。例えば、イベント発生時点の1分前から1分後までの期間とするとよい。
例えば、車両の現在位置から要注意箇所までの距離が所定距離以下になっている期間に、カメラ17で撮影した映像データをメモリカード22に記録するとよい。この所定距離は、例えば要注意箇所をどのような走行をしたかを確認するのに十分な距離、例えば500mとするとよい。要注意箇所として、例えば固定式の自動速度違反取り締まり装置が設置されている箇所、頻繁に速度違反、一時停止違反等の取り締まりが行われる箇所等を採用するとよい。
例えば、マイクロ波受信機11から入力された電波の強度に基づいて、速度違反取り締まり装置からのマイクロ波を受信したと判定した時点の前後の所定期間にカメラ17で撮影した映像データをメモリカード22に記録するとよい。この所定期間は、例えば速度違反取り締まり装置からのマイクロ波を受信した時点にどのよう走行をしていたかを確認するのに十分な期間、例えば速度違反取り締まり装置からのマイクロ波を受信した時点の30秒前から30秒後までの期間とするとよい。
制御部50は、GPS受信機12から入力された現在位置情報の示す位置と、データベース60に記録されている要注意箇所の位置情報の示す位置とから算出した距離が500m以下になった場合、ランプ6の点滅若しくは点灯、またはスピーカ20からの音声出力等によって警報を発出する。
制御部50は、入力部53から画面を切り替える切替信号が入力された場合に、カメラ17で撮影している現在の映像を表示部5に表示させる処理と、メモリカード22に記録したカメラ17で過去に撮影した走行履歴の映像を読み出して表示部5に表示させる処理とを切り替える。
表示部52は、ドライブレコーダ2の前面(車両後方(運転者側)を向く面)に備えられている。表示部52は、制御部50からの制御に従って、カメラ17で撮影している現在の映像、または、メモリカード22に記録された過去の走行履歴の映像を表示する。
入力部53は、カメラ17で撮影している現在の映像と、メモリカード22に記録されたカメラ17で過去に撮影した走行履歴の映像とを切り替える入力操作を検出して切替信号を制御部50に出力する。入力部53には、例えば押しボタン等が用いられる。映像を切り替える入力操作は、例えば利用者が押しボタンを押下することにより行うことができる。機能ごとに別の押しボタンを設けるとよい。
加速度センサ54は、ドライブレコーダ2に加わる加速度を検出し、その検出値を制御部50に出力する。ドライブレコーダ2に加わる加速度は、ドライブレコーダ2が搭載された車両に加わる加速度を反映した値になる。
データベース60は、制御部50に外付けしたEEPROMにより構築される。データベース60には、注意を促す場所の位置を示す位置情報が蓄積されている。
<ドライブレコーダの動作>
第2の実施例によるドライブレコーダ2の動作について、以下に説明する。
{レンタカーを借りる際のレンタカー会社の店舗における動作}
レンタカー会社の店舗が管理する貸出用のレンタカーに、ドライブレコーダ2が取り付けられている。
レンタカー会社の店舗の店員は、レンタカーの使用の申し込みをした利用者に、ドライブレコーダ2が設置されているレンタカーを貸し出す。レンタカーの利用者は、レンタカーの操作に関する説明と共に、ドライブレコーダ2から走行履歴記録機能の提供を受けるために必要なドライブレコーダ2に対する設定手順の説明を、レンタカー会社の店舗の店員から受けることができる。
ドライブレコーダ2は車載バッテリに接続されており、アクセサリスイッチがオンにされることにより車載バッテリからドライブレコーダ2に電力が供給される。制御部50は、車載バッテリから電力が供給されることにより起動して、制御部50のCPUがEEPROMに格納されているプログラムを実行し、表示部5にメニュー画面を表示させる。このメニュー画面には、走行履歴記録機能を開始するための開始ボタンが表示されている。利用者がメニュー画面を見て走行履歴記録機能を開始する操作を行うと、制御部50は、走行履歴記録機能を提供する動作を開始する。走行履歴記録機能を開始する操作は、例えば利用者が押しボタンを押下することにより行うことができる。
レンタカー会社は、レンタカーの利用者に、利用者を管理するための識別情報を付与する。レンタカー会社の店舗の店員は、貸し出される車両を識別する識別情報、及び利用者の識別情報をメモリカード22に記録し、レンタカーに設置されているドライブレコーダ2にメモリカード22を装着する。
制御部50は、メモリカード22から車両の識別情報、及び利用者の識別情報を読み込み、EEPROMに記録する。これにより、制御部50は、識別情報と走行履歴とを対応付けてメモリカード22に記録することができる。
ドライブレコーダ2に車両の識別情報及び利用者の識別情報を設定するために、非接触ICカードを利用してもよい。例えば、店舗の店員が、非接触ICカードに車両の識別情報、及び利用者の識別情報を記録し、非接触ICカードをドライブレコーダ2の無線送受信機13に近接させると、制御部50が非接触ICカードから車両の識別情報、及び利用者の識別情報を読み込むようにしてもよい。
{レンタカー利用中の動作}
ドライブレコーダ2は、レンタカーの利用者がレンタカーの利用中に、走行履歴記録機能を提供する。
制御部50は、加速度センサ54から入力された加速度の検出値が所定値以上になった場合、GPS受信機12から入力された現在位置情報の示す位置から、データベース60に記録されている注意を促す場所の位置情報の示す位置までの距離が500m以下になった場合、または、所定の周波数の電波を受信した検出結果がマイクロ波受信機11から入力された場合に、カメラ17で撮影した映像の映像データと、無線送受信機13から入力されたレンタカーの利用者の識別情報と、GPS受信機12から入力された時刻情報より求めた現在時刻またはリアルタイムクロック機能により刻んでいる現在時刻の時刻情報と、GPS受信機12から入力された現在位置情報とを対応付けて、メモリカードリーダ21を介してメモリカード22に記録させる。
{レンタカーを返却する際のレンタカー会社の店舗における動作}
ドライブレコーダ2は、レンタカーがレンタカーの返却場所であるレンタカー会社の店舗に戻ってきた場合、走行履歴記録機能の提供を終了する。例えば、店舗の店員がドライブレコーダ2の押しボタンを押下すると、制御部50が走行履歴記録機能の処理を終了させる。レンタカーが返却場所である店舗に戻ると、店舗の店員は、ドライブレコーダ2からメモリカード22を抜き取って店舗内に持っていく。そして、レンタカー会社の店舗の端末のメモリカードリーダにメモリカード22を装着して、メモリカード22に記録された識別情報と、走行履歴と、時刻情報と、現在位置情報とを店舗の端末に転送させる。店舗の端末は、メモリカード22から転送された識別情報と、走行履歴と、時刻情報と、現在位置情報とをレンタカーの利用者に関連付けて、例えば利用者毎のフォルダまたはファイルに記録する。
レンタカー会社の店員が端末に記録された走行履歴を見る際には、その者が見たい走行履歴に関係付けられている識別情報を頼りに、その走行履歴を記録したファイルまたはフォルダを検索する。レンタカー会社の端末は、検索により見つけたフォルダまたはファイルに記録されている走行履歴を、その端末のディスプレイに表示する。
これにより、走行履歴を見る者は、レンタカー会社の端末において、見たい走行履歴に対応付けられている識別情報を頼りにその走行履歴を探せばよいので、比較的容易に見たい走行履歴を見つけることができる。
例えば、返却された車両に、貸し出し前には無かった新たな損傷が見つかった場合、車両の管理者は、その車両の走行履歴を見ることによって、損傷の原因を見つけることができる場合がある。また、車両の返却後に、警察からレンタカー会社に道路交通法違反があったことの通知を受けた場合に、レンタカー会社の店員は、違反の通知の対象となった車両の走行履歴を見ることによって、違反の有無を確認することができる。
レンタカーに設置されたドライブレコーダ2によりメモリカード22に記録されたレンタカーの走行履歴は、利用者の個人情報である。メモリカード22に記録されたレンタカーの各利用者の走行履歴は、レンタカーを利用する各利用者が許可しない限り、第三者に見られないようにする必要がある。メモリカード22に記録された走行履歴は、レンタカー会社の社員であっても、レンタカーを利用する各利用者の許可がない限り見ることができないようにする必要がある。
走行履歴に対応付けられる上記識別情報をレンタカーの利用者に割り当てる際に、その識別情報をレンタカー会社に知られないようにした場合には、識別情報の少なくとも一部は走行履歴を検索する際の鍵として用いることができる。レンタカー会社に識別情報を知られないようにするためには、レンタカーの利用者がレンタカー会社に見られない状態で自ら識別情報を設定することができるようにすればよい。レンタカーの利用者は、自ら設定した識別情報を、自身の走行履歴を記録したフォルダまたはファイルの暗号鍵としてレンタカー会社の端末に入力して、そのフォルダまたはファイルを暗号化する。自分の走行履歴を見る者は、暗号鍵とした自分の識別情報をレンタカー会社の端末に入力することにより、自分の走行履歴をその端末に表示させることができる。このように、識別情報は、走行履歴を見るときの鍵として用いられる。
これにより、レンタカーの利用者は、自身の走行履歴を自分の知らない間に第三者に見られることを防ぐことができる。
なお、第2の実施例では、走行履歴記録機能において、走行履歴を、メモリカードを介してレンタカー会社の店舗の端末に記録したが、レンタカーが店舗に近付いた際に走行履歴を、無線送受信機13を介して無線LAN等の近距離無線通信を用いてレンタカー会社の店舗の端末に送信して記録させてもよい。これにより、店舗の店員は、ドライブレコーダ2からメモリカードの抜き取り、店舗の端末のメモリカードリーダにメモリカードを装着する手間を省くことができる。
[第3の実施例]
次に、第3の実施例による電子機器としてのナビゲーション装置1について説明する。以下、第1の実施例によるナビゲーション装置1と共通の構成については説明を省略する。
図4に、第3の実施例によるナビゲーション装置1(図1、図2)の制御部18(図2)で実行される処理の流れを示す。ナビゲーション装置1が搭載された車両の電源がオンにされるとナビゲーション装置1が起動され、制御部18がGPS受信機12から車両の現在地を示す位置情報を取得する(ステップS01)とともに、表示部5(図1、図2)に現在地の周囲の地図を表示する。車両の現在地を示す位置情報は、ナビゲーション装置1の現在地を示す情報、及びその利用者の現在地を示す情報として利用することができ、利用者に関する情報(利用者情報)ということができる。
制御部18は、データベース19(図2)に蓄積されている地図データと、車両の現在の位置情報とに基づいて、アプリケーションを選択するためのキーワードを抽出する(ステップS02)。地図データには、例えば緯度経度等の位置情報(ポイントないし領域情報)と、都道府県名、市区町村名、公共施設の名称、観光地及び観光施設の名称、店舗や商店街の名称、道路の名称、鉄道の駅の名称等とが関連付けて記憶されている。例えば、制御部18は、車両の現在地が属する行政区画の都道府県名及び市区町村名、車両の現在地を中心とする所定のエリア内に存在する公共施設、観光地、観光施設、店舗、商店街、道路、鉄道の駅等の名称をキーワードとして抽出する。
制御部18は、抽出されたキーワードを検索キーとしてアプリ検索サーバ62に検索要求を行う(ステップS03)。検索要求は、例えば、制御部18が無線送受信機13及びインターネットを介してアプリ検索サーバ62に検索要求信号を送信することにより行うことができる。
アプリ検索サーバ62は、ナビゲーション装置1で実行可能な複数のアプリケーションが蓄積されたデータベースを検索キーで検索して一部のアプリケーションを選択する。アプリ検索サーバ62のデータベースには、観光地、商店街等で利用価値の高い所謂「ご当地アプリ」が蓄積されている。検索後、アプリ検索サーバ62は、選択されたアプリケーションを特定する情報をナビゲーション装置1に返信する(ステップS04)。このようなアプリ検索サーバ62として、例えばアプリケーション等の配信サービスを提供しているGooglePlay(登録商標)、Appストア(登録商標)等のサーバが挙げられる。アプリケーションを特定する情報には、例えば、アプリケーションの名称、アプリケーションの機能の概要説明、アプリケーションを示すアイコンの画像情報等が含まれる。ナビゲーション装置1の制御部18は、表示部5に表示されている地図に重ねて、アプリ検索サーバ62によって選択されたアプリケーションを特定する情報を表示する(ステップS05)。なお、検索キーは例えばアプリケーション等の配信サービスを提供しているサーバで人が検索する作業と同じ作業を検索用のアプリ等に対して行う処理(例えば検索キーを入力するダイアログに文字列を入力し、検索開始ボタンを押す処理を行い検索アプリに表示される検索結果のアプリケーションを特定する情報をスクレイピング等によって取得するロボティクスプロセスオートメーション(RPA)等の処理)で行うようにしてもよいし、そのような検索アプリにおいて人が行った作業によって、検索キーがアプリ検索サーバ62に送信されるのと同様のデータを送信し、それに対する応答を受信して検索結果のアプリケーションを特定する情報を抽出する処理としてもよい。ただしアプリ検索サーバ62がアプリの検索用のWebAPI等のAPIを公開している場合にはAPIに対して車両の現在地が属する行政区画の都道府県名及び市区町村名、車両の現在地を中心とする所定のエリア内に存在する公共施設、観光地、観光施設、店舗、商店街、道路、鉄道の駅等の名称を検索キーとして送信し、APIから応答されるアプリケーションを特定する情報を受信する処理を行うとよい。これは以下のアプリ検索サーバとのやりとりについても同様である。
図5に、表示部5に表示された画像の一例を示す。図5に示した例では、表示部5に上野駅周辺の地図が表示されている。地図の縮尺は設定操作(図5の画面内左上の「200m」と記載されたボタン領域をタッチ)することで順に変更できる。名称には縮尺ごとに表示するか否かを示す情報を関連づけて記憶しており、現在の地図の縮尺において表示するものとされた名称を画面に表示している。制御部18は、検索キーとなるキーワードとして、地図データから、現在表示中の画面範囲に対応する位置領域に存在し、かつ、現在の地図の縮尺において画面に表示中の名称を抽出する。図5の例では「上野駅」、「稲荷町駅」等の鉄道の駅名、「不忍池」等の観光地の名称、「上野動物園」、「国立博物館」、「東京都美術館」等の観光施設の名称を抽出し、さらに現在地の住所から「東京都」、「台東区」という自治体の名称を抽出する。アプリ検索サーバ62は、これらのキーワードに基づいて、「上野動物園ナビ」、「浅草観光ガイド」、「上野御徒町観光ガイド」等のアプリケーションを選択する。ナビゲーション装置1の制御部18は表示部5に、地図に重ねてこれらのアプリケーションのアイコン65を表示する。こうしたアプリの検索は車両の移動にともない地図上に表示される名称に変化が発生するたびに行う。そして検索結果のアプリケーションを特定する情報に変化があるたびに、アイコンの表示も更新する。このようにすることでユーザは画面に表示されている現在位置を含む範囲の名称に関連するアプリのアイコンを表示させることができる。また縮尺ボタンを押すだけで、表示されるアプリケーションのアイコンを適切な範囲に変えることができる。また画面に表示中の文字列で検索された結果であることからどのようなキーワードでアプリが検索されたかをユーザは容易に知ることができる。なお、アイコンの数は右上から左方向に1行に最大6個表示し、それ以降は下に次列を設けて同様に表示をしていき、最大で下方向には4個、合計24個程度までとするとよい。このように図5の縮尺ボタンやメニューボタンがアイコンで隠れることはないように表示制御するとよい。なおアイコン以外の部分がタッチされた場合にはアイコンを消去し元の地図表示に戻る。
ナビゲーション装置1の利用者は、表示部5に表示されたアイコン65を見て、ダウンロードしたいアプリケーションのアイコン65を選択することによりダウンロードするアプリケーションを指定する(ステップS06)。アイコン65の選択は、例えばタッチパネル8(図2)のアイコン65に対応する位置をタップすることにより行うことができる。制御部18は、利用者の操作によって指定されたアプリケーションを特定し(ステップS07)、アプリ検索サーバ62にそのアプリケーションのダウンロード要求信号を送信する(ステップS08)。
アプリ検索サーバ62は、ダウンロード要求の対象となったアプリケーションをナビゲーション装置1に配信する(ステップS09)。ナビゲーション装置1の制御部18は、ダウンロードされたアプリケーションを記憶装置に格納し、インストール処理を実行する(ステップS10)。アプリケーションのダウンロード及びインストール処理は、制御部18により、ナビゲーション機能の実行中にバックグラウンドで実行される。
利用者がインストール済のアプリケーションの一覧を表示させる操作を行うと(ステップ(S11)、制御部18は表示部5にインストール済のアプリケーションのアイコンを表示する(ステップS12)。利用者は、実行させたいアプリケーションのアイコンをタップすることにより、アプリケーションを指定する(ステップS13)。制御部18は、利用者の操作によって指定されたアプリケーションを実行する(ステップS14)。
[第3の実施例の効果]
次に、第3の実施例の優れた効果について説明する。
ナビゲーション装置1が利用者とともに移動する態様で使用されることにより、ナビゲーション装置1の現在地を示す位置情報により、実質的に利用者の現在地を示すことができる。制御部18がアプリ検索サーバ62を利用して、ナビゲーション装置1の現在地を示す位置情報に基づいてアプリケーションを選択するため、利用者は、自分でアプリケーションを検索する操作を行うことなく、表示部5に表示されたアイコン65を見ることによって、自分の現在地の近傍で利用価値の高いアプリケーションの存在を知ることができる。
利用者は、表示部5に表示されたアイコン65で示されたアプリケーションの中から自分の興味のあるアプリケーションを指定することにより、そのアプリケーションをダウンロードし、実行可能な状態にすることができる。
個人で車または徒歩で観光する場合、観光名所等の細かな案内をしてくれる装置はなかった。せいぜい、観光ガイドブックに記載された観光名所の情報を収録し、ナビゲーションの機能と観光名所の情報とを連動させる機能が搭載されたナビゲーション装置が知られている程度である。そのため、観光ツアーのように観光ガイドの人が付いて観光名所を案内する場合に比べて、個人の旅行では観光地等で細やかな観光ガイド情報を得ることが困難である。観光地の細かな観光ガイド情報を、地図データの提供業者やナビゲーション装置の製造業者が作成してナビゲーション装置に収録することは可能であるが、全国津々浦々の観光地の観光ガイド情報を作成するには膨大なコストが必要になり現実的ではない。
一方、ナビゲーション装置ではなく、スマートホンやタブレット端末のアプリケーションとして、観光協会、自治体、商店街等の地域レベルのコミュニティ、個人等の様々な提供者によって提供されるご当地アプリが充実してきている。これらのご当地アプリを作成する事業者も存在する。土地ごとに作られたご当地アプリには、観光地、観光施設、商店街等の観光ガイド情報を提供するアプリケーション、位置情報と関連して拡張現実(AR)技術を利用したアプリケーション、ご当地の各地点を巡るスタンプラリーに参加するためのアプリケーション、ご当地に因んだゲームを提供するアプリケーション等が含まれる。
観光地等を訪れる人は、観光地に備えられたパンフレットや看板を偶然見かけるか、またはアプリケーション提供サイトで地域名等によって検索することによって、これらのアプリケーションの存在に気づくことができるが、パンフレットや看板に気付かないか、または能動的にアプリケーションを検索しない者は、アプリケーションの存在に気付かない。旅行者は、旅先でこれらのご当地アプリの存在に気付かず、旅行終了後に気付くと悔しい思いをすることもある。また、ご当地アプリには無料で提供されるものが多いにもかかわらず、アプリケーションのダウンロード数が伸びていないのが現状である。
ナビゲーション装置1の利用者は、自分の現在地の位置情報に基づいて、これらのご当地アプリの存在に容易に気付くことができる。アプリケーションの提供者にとっては、ご当地アプリのダウンロード数が増えるという効果が期待できる。
アプリケーションのダウンロード及びインストールは、ナビゲーション機能の実行中にバックグラウンドで実行されるため、利用者は、ダウンロード及びインストール中も、ナビゲーション機能を利用することができる。
利用者は、インストールされたアプリケーションから所望のアプリケーションのみを指定して、所望の時に実行することができる。例えば、利用者がナビゲーション装置1を車両から取り外して携行し、観光地や観光施設に到着した時点で、その観光地や観光施設に関するご当地アプリを指定して実行することができる。
所謂ご当地アプリはアプリ検索サーバ62のデータベースに蓄積されているため、ナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1自体の記憶装置にアプリケーションに関する情報を蓄積しておくことなく、利用者情報に応じてアプリケーションを選択することができる。アプリケーションの追加や更新の際に、ナビゲーション装置1ごとにデータベースの追加または更新の作業を行う必要がない。このため、ナビゲーション装置1のデータベースのメンテナンス作業の軽減を図ることができる。
制御部18は、利用者の現在地に基づいてキーワードを抽出するため、現在地の近傍で利用価値の高いアプリケーションを利用者に知らせることができる。
[第3の実施例の第1の変形例]
次に、第3の実施例の第1の変形例について説明する。第3の実施例では、制御部18が、アプリ検索サーバ62から送信されたアプリケーションを特定するアイコンをスクリーニングすることなく表示部5に表示した(ステップS05)が、第1の変形例では、スクリーニングを行う。
第1のスクリーニング手法として、制御部18は、アプリ検索サーバ62から通知されたアプリケーションのうち、既にインストールされているもののみを抽出して、そのアイコン65を表示部5に表示する。利用者は、新たにダウンロード及びインストールする必要がなく、直ちに実行可能なアプリケーションの中から実行したいアプリケーションを指定することができる。
第2のスクリーニング手法として、制御部18は、アプリ検索サーバ62から通知されたアプリケーションのうち、インストールされていないもののみを抽出して、そのアイコン65を表示部5に表示する。利用者は、今まで気付かなかった新たなアプリケーションの存在に気付くことができる。
第3のスクリーニング手法として、制御部18は、インストール済みかそうでないかに関わらず、アプリ検索サーバ62から通知された全てのアプリケーションのアイコン65を、インストール済か否かが利用者にわかるような態様で表示する。
いずれのスクリーニング手法で処理を行うかをユーザが選択するための選択項目を設定画面中に設けており、当該画面で選択されたスクリーニング手法で表示処理等を行う。この選択画面にはアプリケーションを特定するアイコンの表示処理をオンにするか、オフにしてアプリケーションを特定するアイコンの表示を行わないかの選択項目も設けており、これに従ってこのアイコンの表示処理の実行、非実行を決定して処理を行う。
図6に、アプリケーションを特定するアイコンの表示を行う設定であり、第3のスクリーニング手法が採用される設定であるときに、表示部5に表示された画像の一例を示す。制御部18は、インストール済のアプリケーションのアイコン65には、レ点記号のオーバレイアイコン66を付し、インストールされていないアプリケーションのアイコン65には、雲の記号のオーバレイアイコン67を付す。このように、両者を区別可能に表示する。
第1及び第2のスクリーニング手法に比べて、利用者に多くのアプリケーションを提示することができるため、利用者にとってアプリケーションの選択肢が多くなるという効果が得られる。利用者は、オーバレイアイコン66、67を見て、そのアイコンで示されたアプリケーションがインストール済であるか否かを知ることができる。アプリケーションがインストール済であるか否かという情報を参考にして、複数のアプリケーションから興味のあるアプリケーションを指定することができる。例えば、現在の通信環境がアプリケーションのダウンロードに適さないような場合、利用者はインストール済のアプリケーションの中から興味のあるアプリケーションを指定するとよい。
[第3の実施例の第2の変形例]
次に、第3の実施例の第2の変形例について説明する。第3の実施例では、制御部18は、アプリ検索サーバ62から通知されたアプリケーションを示すアイコン65を表示部5に表示したが、第2の変形例では、アイコン65の他に、インストールボタン及び実行ボタンを表示する。
図7に、第3の実施例の第2の変形例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。制御部18は、アイコン65とともに、その近傍に実行ボタン68及びインストールボタン69、70を表示する。インストール済のアプリケーションを示すアイコン65に対応するインストールボタン70はグレーアウトして表示され、利用者が選択できないようになっている。
利用者がインストールボタン69をタップすると、制御部18は、対応するアプリケーションのダウンロードとインストールを行う。インストールされていないアプリケーションに対応する実行ボタン68をタップすると、制御部18は、対応するアプリケーションのダウンロード及びインストールを行なった後、自動的にそのアプリケーションを実行する。利用者が、インストール済のアプリケーションに対応する実行ボタン68をタップすると、制御部18は、対応するアプリケーションを実行する。
利用者は、インストールされていないアプリケーションを、1回の操作で実行することができる。また、インストールボタン70がグレーアウトしていることにより、利用者は、そのインストールボタン70に対応するアプリケーションがインストール済であることを知ることができる。なお、インストール済のアプリケーションに対しては、インストールボタン70を表示せず、実行ボタン68のみを表示してもよい。
[第3の実施例の第3の変形例]
次に、第3の実施例の第3の変形例について説明する。第3の実施例では、制御部18は、利用者の現在地の位置情報に基づいてアプリケーションを選択するが、第3の実施例の第3の変形例では、制御部18は、現在地の他に、目的地の位置情報及び目的地までの経路の途中地点の位置情報に基づいてアプリケーションを選択する。目的地を設定する機能、及び目的地までの経路を探索する機能は、ナビゲーション装置1の基本的な機能である。
次に、目的地が設定され経路探索された際の制御部18によるアプリケーションの選択手順について説明する。制御部18は、目的地の位置情報、及び目的地までの経路の途中地点の位置情報のそれぞれに基づいてキーワードを抽出し、これらキーワードを検索キーとしてアプリ検索サーバ62(図4)に検索要求信号を送信する。制御部18は、目的地及び経路の途中地点ごとに、アプリ検索サーバ62で選択されたアプリケーションを特定する情報を得ることができる。
図8に、第3の実施例の第3の変形例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。制御部18は、表示部5に、現在地を示す記号74(以下、単に「現在地」という。)、目的地を示す記号75(以下、単に「目的地」という。)、及び目的地までの経路76を示す曲線を地図とともに表示する。制御部18は、現在地74の位置情報に基づいて選択されたアプリケーションを示すアイコン77を、現在地74の近傍に表示し、目的地75の位置情報に基づいて選択されたアプリケーションを示すアイコン78を、目的地75の近傍に表示する。さらに、制御部18は、経路76の途中の複数の地点の位置情報に基づいて選択されたアプリケーション(例えば経路から左右それぞれ幅5km以内の地点の名称に基づき検索したアプリ)を示すアイコン79を、そのアプリケーションに対応する地点の近傍に表示する。
1つの地点に対応するアイコンの個数が多く、並べて表示できない場合には、複数のアイコンを部分的に重ねて表示する。地図を拡大表示させることにより、アイコンを並べて表示するのに十分なスペースが確保されたら、複数のアイコンを並べて表示する。
利用者がアイコンをタップすることによってアプリケーションを指定した後の処理は、第3の実施例において図5に示したアイコン65をタップしたときの処理と同一である。
制御部18は、インストールされているアプリケーションの利用価値の高いエリア内に車両が進入したことを検知すると、現在の地点の近傍で利用価値の高いアプリケーションの存在を示す情報を利用者に報知する。例えば現在地から目的地への進行方向への経路内であって道路からの左右とも幅5km以内(経路方向に対する垂直方向左側5km、右側5km)の範囲にある名称に基いて検索されたアプリケーションに対応する地点を、現在地から近い順に最大4つ選択してその地点のアプリのアイコンを表示する。例えば、制御部18は、有益なアプリケーションを特定する情報を表示する案内ウィンドウを表示部5に表示する。
図9に、表示部5に表示された画像の一例を示す。制御部18は、表示部5に案内ウィンドウ80を表示する。案内ウィンドウ80内に、現在地の近傍で利用価値の高いアプリケーションに対応するアイコン81が表示される。利用者が、案内ウィンドウ80内のアイコン81をタップすることによりアプリケーションを指定すると、制御部18は、指定されたアプリケーションを実行する。
例えば、アプリケーションの利用価値の高いエリアは、ナビゲーション装置1に格納されている地図データと、アプリケーションの名称とから決定するとよい。例えば、アプリケーションを表す名称に観光地や観光施設の名称が含まれている場合には、地図データに含まれる観光地や観光施設の名称に関連付けられた位置情報で特定される地点を中心とした所定半径の円形の領域を、アプリケーションの利用価値の高いエリアと定義してもよい。例えば、アプリケーションを表す名称に自治体の名称が含まれる場合には、地図データに含まれる自治体の名称で特定される行政区画内のエリアを、アプリケーションの利用価値の高いエリアと定義するとよい。
第3の実施例の第3の変形例によると、利用者は、目的地への出発時に、目的地及び目的地までの経路上の途中地点で利用価値の高いアプリケーションの存在を知ることができる。利用者は、例えば目的地までの経路の途中に存在する観光地や観光施設を知ることができ、興味のある観光地や観光施設に立ち寄る計画を立てることができる。
アプリケーションの利用価値の高いエリア内に車両が進入した時点で、案内ウィンドウ80(図9)が表示されるため、利用者が有益なアプリケーションの存在を忘れてしまっている場合に、利用者にそのアプリケーションの存在を思い出させることができる。
目的地までの経路の途中地点の位置情報に基づいて選択されたアプリケーションを特定する情報は、アプリケーションに対応付けられている経路上の地点に到着する予定時刻の早い順に並べて表示してもよい。
図10に、到着する予定時刻の早い順に並べてアプリケーションのアイコンを表示部5に表示したときの画像の一例を示す。一覧ウィンドウ83が表示部5に表示されており、一覧ウィンドウ83内に、アプリケーションを示すアイコン84が、到着する予定時刻と関連付けて、到着予定時刻の早い順に並べて表示されている。さらに、アプリケーションを示すアイコン84に、そのアプリケーションと関連の深い地域名を合わせて表示してもよい。
到着する予定時刻の早い順に並べてアプリケーションのアイコンを表示することにより、利用者は、目的地までの経路の途中の観光地や観光施設に立ち寄る順番を直感的に認識することができる。
ナビゲーション装置1にインストールされているアプリケーションの利用価値の高いエリア内で車両の電源がオフにされたことを制御部18が検知すると、電源がオフにされた地点に対応するアプリケーションを自動的に実行するようにしてもよい。利用者がアプリケーションの存在を忘れて、アプリケーションを実行しないまま観光してしまう事態の発生を回避することができる。
車両の電源がオフにされた地点に対応する複数のアプリケーションがインストールされている場合には、複数のアプリケーションから実行すべきアプリケーションを利用者に選択させるようにするとよい。例えば、車両の電源がオフにされた地点に対応する複数のアプリケーションを特定するアイコンを表示部5に表示し、利用者に1つのアイコンを選択させるようにするとよい。これらのアプリケーションはすでにインストールされているため、直ちに起動することができる。
[第3の実施例の第4の変形例]
次に、第3の実施例の第4の変形例について説明する。第3の実施例では、ナビゲーション装置1がアプリ検索サーバ62のデータベースを利用して、現在地に関連するアプリケーションを選択した。第3の実施例の第4の変形例では、ナビゲーション装置1の記憶装置に、複数のアプリケーションを特定する情報が、アプリケーションごとに位置情報と関連付けて位置情報アプリ対応表86として記憶されている。
図11に、第3の実施例の第4の変形例によるナビゲーション装置1の制御部18(図2)で実行される処理の流れを示す。以下、図4に示した第3の実施例によるナビゲーション装置1の制御部18で実行される処理と共通の処置については説明を省略する。
ナビゲーション装置1の制御部18が現在位置情報を取得する(ステップS01)と、制御部18は、現在位置情報と、位置情報アプリ対応表86とに基づいて、位置情報アプリ対応表86に登録されている複数のアプリケーションから一部のアプリケーションを選択する(ステップS20)。例えば、制御部18は、現在位置情報と、位置情報アプリ対応表86に登録されている位置情報とを比較し、2つの位置情報で示される地点間の距離が所定距離より短くなる条件を満たす位置情報に対応するアプリケーションを選択する。
選択されたアプリケーションを示すアイコンを表示部5に表示する処理(ステップS05)以降の処理は、第3の実施例の処理(図4)と同一である。
予め、人気の高いアプリケーション、利用者にとって利便性の高いと思われるアプリケーションを特定する情報をナビゲーション装置1の記憶装置に記憶させておくことができる。これにより、利便性の高いアプリケーションを厳選して利用者に提供することができる。利用者は、自分の役に立たないと思われるアプリケーションを選択候補から排除して、役に立ちそうなアプリケーションを特定する情報のみの提供を受けることができる。これにより、使用してみたいと思うアプリケーションを見つけ出す手間を軽減することができる。
[第3の実施例の第5の変形例]
次に、第3の実施例の第5の変形例について説明する。第3の実施例の第5の変形例では、制御部18は、インストールされているアプリケーションの所定のアンインストール条件が満たされると、アンインストール条件を満たしたアプリケーションをアンインストールするか否かを利用者に問い合わせる情報を表示部5に表示する。所定のアンインストール条件として、例えば、ナビゲーション装置1の現在地が、アプリケーションの利用価値の高いエリアから外れたことという条件としてもよいが、このエリアよりも大幅に遠い位置に移動した場合とするとよい。例えば、県が変わった場合、あるいは、200km以上離れた場合などとするとよい。アプリケーションの利用価値の高いエリアとして、例えば、アプリケーションの名称から特定される都道府県または市区町村等の各自治体の行政区画内のエリアを採用することができる。アプリケーションから自治体の名称が特定されない場合には、例えば、アプリケーションの利用価値の高いエリアとして、アプリケーションの名称から特定される施設、商店街等の場所から所定の距離内のエリアを採用することができる。
図12に、アプリケーションをアンインストールするか否かを利用者に問い合わせる情報が表示部5に表示された画像の一例を示す。制御部18は、表示部5に、アンインストールアプリ候補ウィンドウ88を表示する。アンインストールアプリ候補ウィンドウ88内に、アンインストール条件が満たされたアプリケーションを示すアイコンが表示されている。
利用者がアンインストールしたいアプリケーションを示すアイコンをタップすることによってアンインストールの操作を行うと、制御部18は、アンインストールの操作の対象となったアプリケーションをアンインストールする。
利用者は、アンインストールアプリ候補ウィンドウ88に表示されたアイコンを見ることによって、アンインストール条件が満たされたアプリケーションを容易に知ることができる。インストールされたアプリケーションの個数が多くなりすぎると、例えばランチャー上に大量のアイコンが表示されるため、インストールされている多くのアプリケーションから所望のアプリケーションを探し出すことが困難になる。アンインストール条件が満たされたアプリケーションをアンインストールすることにより、インストールされているアプリケーションの個数が多くなりすぎることを回避することができる。さらに、例えばアプリケーションを格納する記憶装置の全記憶容量のうちアプリケーションによって占有されている容量を削減することができる。
ナビゲーション装置1がレンタカーに搭載されている場合、所定のアンインストール条件として、ナビゲーション装置1を搭載している車両が貸し出し地点に戻ったことという条件を含めてもよい。例えば、空港や駅の近傍の店舗で車両が貸し出された場合、制御部18は、ナビゲーション装置1の現在地と車両を貸し出した店舗との距離が所定距離以下になったときに、このアンインストール条件が満たされたと判定する。
ナビゲーション装置1に、利用者の自宅の位置情報を登録しておき、ナビゲーション装置1を搭載した車両が利用者の自宅に戻ったことという条件を、所定のアンインストール条件に含めてもよい。また、インストールされているアプリケーションごとに、ナビゲーション装置1の現在地がそのアプリケーションの利用価値の高いエリアに含まれなかった期間を算出し、算出された期間が所定期間、例えば1か月継続したことという条件を所定のアンインストール条件に含めてもよい。これにより、利用価値の低くなったアプリケーションを、アンインストールするアプリケーションの候補として利用者に提示することができる。
アンインストールアプリ候補ウィンドウ88(図12)に、アプリケーションを示すアイコンとともに、「はい」、「いいえ」ボタンを表示してもよい。利用者が「はい」ボタンをタップすると、制御部18は、そのアプリケーションをアンインストールする処理を開始する。利用者が「いいえ」ボタンをタップすると、制御部18は、そのアプリケーションを示すアイコンをアンインストールアプリ候補ウィンドウ88から消去する。
所定のアンインストール条件が満たされたら、制御部18は、利用者に問い合わせることなく、そのアプリケーションを自動的にアンインストールするようにしてもよい。このようにすることで、利用者がアンインストールするか否かの判断を行う煩雑さ、及びアンインストールする操作を行う手間を省くことができる。
[第3の実施例の第6の変形例]
次に、第3の実施例の第6の変形例について説明する。
第3の実施例の第6の変形例では、ナビゲーション装置1の制御部18は、ナビゲーション装置1を搭載した車両が、無料で利用できる無線LANへの接続可能エリアに入ったことを検出すると、無料で利用できる無線LANに接続可能であることを利用者に知らせるための情報を表示部5に表示する。無料で利用できる無線LANとして、例えば、「ご当地WiFi」と称される無線LANが挙げられる。例えば、観光地、観光施設、商店街等によって、ご当地WiFiが提供されている。
図13に、無料の無線LANに接続可能であることを利用者に知らせるための情報が表示された状態の表示部5の画像の一例を示す。表示部5に、接続可能無線LAN通知ウィンドウ89が表示される。接続可能無線LAN通知ウィンドウ89には、無料で接続可能な無線LANの識別名(SSID)、及び接続ボタンが表示される。
利用者が接続ボタンをタップすることにより、無線LANを指定してその無線LANに接続する操作を行うと、制御部18は指定された無線LANを経由した通信を可能な状態にする手順を実行する。この処理が完了すると、ナビゲーション装置1にインストール済の種々のアプリケーションは、無線LANを経由した通信を行うことが可能になる。
利用者は、無線LANを無料で利用できることに気付くことができる。ナビゲーション装置1が利用するネットワークが移動体通信ネットワークから無線LANに切り替わると、利用者の契約している移動体通信サービスのデータ通信容量を消費することなく、高速通信を行うことができる。また、利用者の契約している移動体通信サービスが帯域制限されている状態でも、無線LANを介して高速の通信を行うことができる。
ナビゲーション装置1の記憶装置に、予めご当地WiFiのSSIDと、その無線LANを利用可能なエリアを定義する位置情報とを記憶させておいてもよい。ナビゲーション装置1を搭載した車両の現在地が、記憶装置に記憶されている無線LANの利用可能なエリアに入ったことを制御部18が検知すると、その無線LANに接続可能であることを利用者に報知する。
ご当地WiFiによっては、ご当地WiFiを利用する前に利用者の情報、例えばメールアドレス等を入力しなければならない場合がある。制御部18の記憶装置に、ご当地WiFiの利用前に入力すべき情報をご当地WiFiごとに予め登録しておき、制御部18が、入力すべき情報を自動入力する機能を持つ構成としてもよい。この構成を採用することにより、利用者は、面倒な情報の入力操作を行うことなく、ご当地WiFiを利用することができる。
[第3の実施例のその他の変形例]
現在地の位置情報に基づいて選択されたアプリケーション(図4のステップS04)の数が所定個数以上の場合には、検索結果として並ぶ複数のアプリケーションの先頭から所定個数のアプリケーションを示すアイコンを表示部5に表示するようにしてもよい。これにより、提供されたすべてのアプリケーションを確認する利用者の労力を軽減することができる。
ナビゲーション装置1として、専用の車載ナビゲーション装置、車両外でも利用可能なポータブルナビゲーション装置等を用いることができる。その他に、ナビゲーション装置1として、ナビゲーション機能を持つアプリケーションがインストールされたスマートホン、タブレット端末等を用いてもよい。ナビゲーション装置1として、例えばアンドロイド(登録商標)またはiOS(登録商標)等のOSが搭載された機器を用いることができる。
第3の実施例によるナビゲーション装置1の制御部18は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在地の位置情報に応じて選択されたアプリケーションを、利用者の操作によってダウンロードし、インストールするが、現在地の位置情報に応じて選択されたアプリケーションを、利用者による操作を介することなく自動でダウンロードし、インストールするようにしてもよい。
[第4の実施例]
次に、第4の実施例による電子機器としてのナビゲーション装置1について説明する。以下、第1の実施例によるナビゲーション装置1と共通の構成については説明を省略する。本実施例における都道府県に対する寄付の受付の有無及び返礼品の検索は、第3の実施例におけるアプリの検索における処理と同様の処理とするとよい。
第4の実施例によるナビゲーション装置1は、利用者とともに移動する態様で使用される。ナビゲーション装置1として、車載用のナビゲーション装置、または「徒歩ナビ」とよばれるポータブルナビゲーション装置を用いることができる。またスマートホンのアプリケーションとして実現することができる。ナビゲーション装置1の利用者に関する利用者情報に、ナビゲーション装置1の現在地の位置情報が含まれる。制御部18は、ナビゲーション装置1の現在地の位置情報に基づいて、返礼品を提供している複数の自治体から選択された一部の自治体を特定する情報を表示部5に表示する。
図14に、第4の実施例によるナビゲーション装置1の制御部18が実行する処理の流れを示す。ナビゲーション装置1の制御部18が、GPS受信機12(図2)から現在位置情報を取得する(ステップS31)。制御部18は、現在位置情報と地図データとから、現在位置情報で示される地点を包含する行政区画に対応する都道府県及び市区町村の自治体の名称を取得する(ステップS32)。制御部18は、自治体の名称を検索キーとして、ふるさと納税紹介サーバ90に検索要求信号を送信する(ステップS33)。
ふるさと納税紹介サーバ90として、例えばインターネット上でふるさと納税の制度に基づく返礼品を提供している自治体を紹介しているサイトのサーバを利用することができる。ふるさと納税紹介サーバ90は、ふるさと納税の制度による返礼品を提供している自治体を特定する情報と、その自治体が提供している返礼品を特定する情報とが蓄積されたデータベースを含む。ナビゲーション装置1は、例えば、自治体の名称を、紹介サイトの検索窓に与えるべき情報(検索クエリ)としてふるさと納税紹介サーバ90に与えて、検索の要求を行う。
ふるさと納税紹介サーバ90は、受信した自治体の名称を検索キーとしてこのデータベースを検索し、返礼品を提供している自治体を選択する。例えば、ふるさと納税紹介サーバ90は、受信した自治体の名称で特定される自治体が返礼品を提供している場合には、その自治体を選択する。さらに、受信した自治体の名称で特定される自治体の近隣の自治体のうち返礼品を提供している自治体があると、その自治体を選択する。
ふるさと納税紹介サーバ90は、選択された自治体を特定する情報をナビゲーション装置1に返信する(ステップS34)。ナビゲーション装置1は、ふるさと納税紹介サーバ90から受信した自治体を特定する情報を表示部5に表示する(ステップS35)。
図15に、第4の実施例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。表示部5に自治体紹介ウィンドウ91が表示される。自治体紹介ウィンドウ91には、現在地が属する自治体、及びその近隣の自治体のうち、返礼品を提供している自治体の名称92が表示されている。さらに、自治体の名称92とともに、寄付申込ボタン93が表示されている。
利用者が、寄付したい自治体の名称92に対応する寄付申込ボタン93をタップすることにより、寄付先の自治体を指定する操作を行う(ステップS36)。制御部18は、利用者によって指定された寄付先の自治体への寄付の手続きを実行する(ステップS37)。寄付の手続きに必要な個人情報、クレジットカード情報等は、予めナビゲーション装置1の記憶装置に記憶されている。制御部18は、記憶装置に記憶された利用者に関する情報を利用して、寄付の手続きを行う。
[第4の実施例の効果]
次に、第4の実施例の優れた効果について説明する。
利用者は、ナビゲーション装置1の現在地に基づいて、返礼品を提供している自治体を知ることができる。
ふるさと納税の制度は、本来、自分が育ったふるさとや愛着のある都道府県や市区町村等の自治体に寄付し易くするために設けられた制度である。ふるさと納税の制度を利用した寄付を募るために、寄付者にその自治体に因んだ返礼品を提供する自治体が多い。コストパフォーマンスの高い返礼品を提供する自治体や、人気の商品を返礼品として提供する自治体に寄付が集中する傾向がある。その結果、寄付が一度きりになり、寄付者に寄付先の自治体を「ふるさと」と感じてもらう当初の目的とは程遠い事態が生じているのが現状である。
ナビゲーション装置1の利用者は、ナビゲーション装置1の現在地の位置情報に基づいて選択された一部の自治体を特定する情報の提供を受けることにより、自分が現在訪れている自治体または近隣の自治体が、返礼品を提供しているか否かを容易に知ることができる。利用者に提供された情報に基づいて、利用者は、実際に訪れている自治体または近隣の自治体に寄付を行うか否かを判断することができる。寄付先の自治体が、現在訪れている自治体またはその近隣の自治体であるため、自分とは縁もゆかりもない自治体に寄付する場合に比べて、その自治体に愛着を持って寄付することができる。自治体にとっては、寄付の拡大を図るとともに、当地に愛着を持ってもらい、継続した寄付の獲得につながるという効果が得られる。
さらに、利用者は、寄付申込ボタン93をタップすることにより、その場で寄付の手続きを行うことができる。
[第4の実施例の第1の変形例]
次に、第4の実施例の第1の変形例について説明する。
第4の実施例の第1の変形例においては、ふるさと納税紹介サーバ90からナビゲーション装置1に、自治体の名称の他に、その自治体が提供している返礼品を特定する情報を含む。返礼品を特定する情報として、例えば返礼品のカテゴリ、商品名、返礼品を表すイラスト等が挙げられる。返礼品のカテゴリとして、例えば「肉」、「米」、「果物」、「野菜」、「酒」、「菓子」、「工芸品」等が挙げられる。
制御部18は、表示部5に、自治体の名称及び寄付申込ボタンの他に、返礼品のカテゴリを表示する。
図16に、第4の実施例の第1の変形例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。自治体紹介ウィンドウ91内に、自治体の名称92、寄付申込ボタン93の他に、自治体が提供している返礼品のカテゴリ94が表示されている。
利用者は、返礼品を提供している自治体とともに、その自治体が提供している返礼品のカテゴリを知ることができる。利用者は、返礼品のカテゴリに基づいて、寄付を行うか否かを判断することができる。
[第4の実施例の第2の変形例]
第4の実施例の第2の変形例では、利用者情報に返礼品のカテゴリを特定する情報が含まれている。例えば、利用者の興味のある返礼品のカテゴリを特定する情報が利用者情報に登録されている。制御部18は、ふるさと納税紹介サーバ90から受信した情報によって特定される自治体中から、利用者情報によって特定される返礼品のカテゴリに属する返礼品を提供している自治体を選択する。制御部18は、選択された自治体の名称、返礼品のカテゴリ、及び寄付申込ボタンを自治体紹介ウィンドウ91(図16)に表示する。
利用者は、自分の興味のある品物を返礼品として提供している自治体を容易に見つけ出すことができる。
返礼品のカテゴリを特定する情報が、予め利用者情報として登録されていない場合には、自治体紹介ウィンドウ91に表示された自治体の名称及び返礼品のカテゴリの中から、利用者が返礼品のカテゴリを指定できるようにしてもよい。制御部18は、利用者によって指定された返礼品のカテゴリに属する返礼品を提供している自治体をスクリーニングし、スクリーニングによって選ばれた自治体の名称を表示部5に表示する。
[第4の実施例の第3の変形例]
次に、第4の実施例の第3の変形例について説明する。ナビゲーション装置1は、利用者の向かう目的地を設定する機能、及び現在地から目的地までの経路を探索する機能を有する。制御部18は、目的地の位置情報、及び目的地までの経路の途中の地点の位置情報に基づいて、返礼品を提供している複数の自治体から一部の自治体を選択して、選択された一部の自治体を特定する情報を表示部5に表示する機能を有する。
図17に、第4の実施例の第3の変形例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。現在地74、目的地75、及び現在地74から目的地75までの経路76が表示部5に表示されるとともに、経路76が通過する自治体のうち返礼品を提供している自治体の名称95が、表示部5に表示される。
利用者が1つの自治体の名称95をタップすることにより、1つの自治体を指定すると、制御部18は、その自治体の返礼品の内容を表示したウィンドウ96をポップアップさせる。図17では、利用者が「長南町」を指定し、長南町が提供している返礼品の内容を表示したウィンドウ96がポップアップされている例を示している。
利用者は、目的地が位置する自治体、及び目的地に到達するまでに通過する自治体のうち、返礼品を提供している自治体を知ることができる。さらに、各自治体が提供している返礼品の内容を知ることができる。利用者は、これらの情報を、寄付を行うか否かの判断材料として利用することができる。
第4の実施例の第3の変形例においても、図15に示したように、表示部5に表示された自治体の名称95の近傍に寄付申込ボタン93を表示してもよい。さらに、図16に示したように、返礼品のカテゴリ94を表示してもよい。
[第4の実施例の第4の変形例]
次に、第4の実施例の第4の変形例について説明する。
第4の実施例の第4の変形例によるナビゲーション装置1の制御部18は、現在地の位置情報に基づいて選択した自治体の名称を表示部5に表示するとともに、その自治体で提供されている返礼品に対応する商品を販売している場所を示す情報を表示部5に表示する機能を有する。例えば、利用者が表示部5に表示された1つの自治体の名称92(図15、図16)をタップすることにより1つの自治体を指定すると、制御部18は、その自治体が提供している返礼品に対応する商品を販売している場所を示す情報を表示部5に表示する。返礼品に対応する商品を販売している場所として、例えば販売店、道の駅等が挙げられる。
図18に、第4の実施例の第4の変形例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。表示部5に表示されている地図上において、返礼品に対応する商品を販売している店舗の場所に販売店の記号を表示するとともに、販売店の名称を表示する。さらに、各販売店で販売されている返礼品のカテゴリを表示する。
表示部5に表示された販売店や道の駅に駐車場が準備されていない場合には、販売店等の情報とともに、近隣の駐車場の位置を表示部5に表示する機能を有する。利用者が表示部5に表示された販売店等の名称をタップすることにより販売店を指定すると、制御部18は、現在地からその販売店までの経路を探索し、表示部5に表示する。
利用者が、ナビゲーション装置1を操作して寄付を行うと、寄付を受け付けたサーバからナビゲーション装置1に、寄付を行なったことを証明する証明書の電子データが送信される。利用者は、この証明書を表示部5に表示させて販売店等で提示することにより、その場で返礼品を受取ることができる。返礼品が、宿泊券、乗馬のサービスを受ける権利等のアクティビティの体験チケット等である場合には、その場で宿泊やアクティビティの体験等の権利を行使することができる。販売店等でナビゲーション装置1の利用者に返礼品を提供した場合には、販売店の店員が、寄付者への返礼品の提供を管理しているシステムに、返礼品提供済であることを入力する。これにより、返礼品が提供済であることが、システムに登録される。
第4の実施例の第4の変形例によるナビゲーション装置1の利用者は、表示部5に表示された販売店等に容易に訪れることができる。利用者は、返礼品に対応する実際の商品を見て、寄付を行うか否かを判断することができる。また、販売店の近隣の駐車場が表示部5に表示されるため、利用者は、駐車場の無い販売店を訪れる際に近隣の駐車場を探す手間を省くことができる。返礼品が体験チケット等である場合、利用者は、体験チケット等を取得した後、その体験チケットに基づく権利を行使するために、わざわざ現地を訪れるという手間を省くことができる。
販売店で返礼品が提供されたら、返礼品の提供を管理しているシステムに返礼品が提供済であることが登録されるため、返礼品を重複して提供してしまう事態の発生を回避することができる。
寄付後に返礼品を直ちに入手できることは、利用者にとって自治体に寄付を行う動機付けになり得る。返礼品を提供している自治体にとっては、寄付の拡大を図ることができるという効果が得られる。
寄付に対して提供される返礼品の数量が、利用者にとって十分ではない場合、利用者は、販売店等で返礼品を受取るとともに、返礼品に対応する商品を追加購入することができる。さらに、返礼品とは異なる他の産品を購入することもできる。販売店等にとっては、売り上げの増大を図ることができる。これにより、その地域の発展に寄与することができる。
例えば、返礼品を提供している自治体が果物の産地であり、返礼品が傷みにくいリンゴである場合、リンゴの他に桃やブドウを扱っている販売店は、桃やブドウの売り上げ増を図ることができる。また、リンゴと桃とブドウとをセット販売し、寄付を行った購入者には、リンゴに相当する価格分を値引きすることにより、返礼品を提供したことにしてもよい。
例えば、返礼品が地酒である場合、利用者は、返礼品として受け取った地酒の他に、他の銘柄の酒を購入することができる。また、販売店等は、返礼品の地酒と、他の銘柄の酒とをセット販売することができる。
[第4の実施例の第5の変形例]
次に、第4の実施例の第5の変形例について説明する。
第4の実施例の第5の変形例では、寄付の手続きを実行するときに、手続きを進めてよいか否かの判定基準となる情報、例えば、寄付総額の上限値、個別の寄付額の上限値、及び寄付先の自治体数の上限値等が制御部18の記憶装置に登録されている。制御部18は、利用者からの指定による寄付手続き実行の要求がこの判定基準を満たさない場合には、利用者に、寄付手続きを進めてよいか否かの確認のメッセージを通知する機能を有する。
例えば、制御部18は、利用者が寄付をする操作を行うと、利用者が指定した寄付額を、個別の寄付額の上限値と比較し、指定された寄付額が個別の寄付額の上限値を超えているとき、その旨を利用者に通知するメッセージを表示部5に表示する。制御部18は、個別の寄付額を累計し、その累計値が寄付の総額の上限値を超えたとき、その旨を利用者に通知するメッセージを表示部5に表示する。制御部18は、寄付先の自治体の数を計数し、寄付先の自治体数の上限値を超えて寄付を行う操作がなされたとき、その旨を利用者に通知するメッセージを表示部5に表示する。制御部18は、これらの通知を行った後、寄付手続きを進めるか中止するかを利用者に選択させ、利用者が寄付手続きを進める操作を行なったときのみ、寄付手続きを実行する。
図19に、第4の実施例の第5の変形例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。表示部5に、予め登録されている寄付総額の上限値、個別の寄付額の上限値、及び寄付先の自治体数の上限値が表示され、さらに、今回の寄付後における寄付額の合計値、今回の寄付額、及び今回の寄付後における寄付先の自治体数の合計値が表示されている。
さらに、制御部18は、今回の寄付は、寄付の手続きを進めてよいか否かの判定基準を満たさないものであるが寄付手続きを進めるか否かを問い合わせるメッセージ97、及び「はい」、「いいえ」ボタンを表示部5に表示する。
利用者が「はい」ボタンをタップすると、制御部18は寄付手続きの処理を実行する。利用者が「いいえ」ボタンをタップすると、制御部18は寄付手続きの処理を中止する。
第4の実施例の第5の変形例によると、利用者の記憶違いや誤操作による想定外の寄付が実行されてしまうことが防止される。
寄付先の自治体数が5団体以内である場合には、確定申告が不要になる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が導入されている。例えば、寄付先の自治体数の上限値を、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用できる寄付先の自治体数の上限値である「5」に設定しておくことが好ましい。利用者は、表示部5に表示されたメッセージに気付くことにより、ふるさと納税ワンストップ特例制度が利用できなくなることを認識することができる。
制御部18は、寄付の総額の上限値から、過去の寄付額の合計値を減算して、寄付可能な残額を利用者に知らせてもよい。利用者は、寄付可能な残額を、現在紹介されている自治体に寄付を行うか否かの判断材料として利用することができる。
現行のふるさと納税制度で、寄付額から自己負担額2,000円を減じた残りの金額が全額控除の対象になるか否かは、寄付者の収入等に依存する。制御部18は、利用者の収入見込み額から、全額控除を受けることができる寄付額の上限値を算出し、利用者に通知する機能を持つようにしてもよい。利用者の収入見込み額は、例えば、利用者に給与明細の内容を入力させ、入力された値から求めることができる。
[第4の実施例の第6の変形例]
次に、第4の実施例の第6の変形例について説明する。
図20に、第4の実施例の第6の変形例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。制御部18は、表示部5に自治体紹介ウィンドウ91を表示し、その中に、自治体ごとに、「寄付申込」、「気になる」、「販売所表示」、「SNSでシェア」のボタンを表示する。
利用者が「寄付申込」ボタンをタップすると、制御部18は、寄付の手続きを行い、寄付の管理サーバから寄付を行ったことを証明する証明書の電子データを入手する。利用者が「気になる」ボタンをタップすると、制御部18は、その自治体及び返礼品を示す情報を、記憶装置内のお気に入りリストに追加する。お気に入りリストの内容は、後から、例えばナビゲーション装置1が搭載された車両をレンタカー業者に返却した後に、利用者が読み出すことができる。利用者が「販売所表示」ボタンをタップすると、制御部18は、表示部5に地図を表示し、販売所を経由地または目的地として経路探索を行う。利用者が「SNSでシェア」ボタンをタップすると、制御部18は、SNSへの投稿画面に自治体や返礼品を示す情報を自動入力する。
次に、利用者が「気になる」ボタンをタップしたときの処理について詳細に説明する。
ナビゲーション装置1が搭載された車両の返却時に、制御部18は、気になる自治体に関する情報を利用者が読み出し可能なクラウドにアップロードするか、消去するかを利用者に問い合わせるメッセージを表示部5に表示する。利用者がクラウドへのアップロードを選択すると、制御部18は、お気に入りリストに蓄積された情報をクラウドにアップロードする。利用者が消去を選択すると、制御部18は、お気に入りリストに蓄積された情報を消去する。
利用者が読み出し可能なクラウドは、レンタカー業者が管理しているクラウドとし、レンタカー業者は利用者に、その利用者の気になる自治体に関する情報をクラウドから読み出すためのセキュリティコード等のキー情報を通知する。利用者は、レンタカー業者のクラウドにアクセスし、キー情報を入力することにより、自分が指定した気になる自治体に関する情報を読み出すことができる。
ナビゲーション装置1の利用者は、ナビゲーション装置1が搭載された車両を返却した後も、そのナビゲーション装置1の使用中に指定した気になる自治体に関する情報を読み出すことができる。これらの情報は、旅行の思い出として残すことができ、また、その自治体を再訪する動機付けになり得る。
車両の返却時に、利用者の気になる自治体に関する情報を常にクラウドにアップロードするようにしてもよい。利用者は、レンタカーの返却時に気になる自治体に関する情報が不要だと思っても、後日、その情報を知りたいと思い直す場合もある。このとき、利用者は、クラウドにアップロードされている気になる自治体に関する情報を読み出すことができる。
現時点が車両の返却時点か否かの判定条件として、例えば燃料が満タンで、車両の現在位置が車両の返却場所に一致し、その場所に停止している時間が所定時間、例えば5分を超えたこと等とするとよい。または、返却場所でレンタカーのエンジンが停止されたこと等とするとよい。
[第4の実施例の第7の変形例]
次に、第4の実施例の第7の変形例について説明する。
自治体によっては、寄付金の使い道を指定できるところもある。使い道の例として、例えば産業振興、環境保全、文化財保護、子育て、福祉、災害支援等が挙げられる。寄付金の複数の使い道に予め優先順位をつけておき、優先順位は、利用者情報の一部として制御部18の記憶装置に記憶されている。
図21に、第4の実施例の第7の変形例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。図21は、利用者がナビゲーション装置1を操作して、ある自治体への寄付の申込を行ったときに表示部5に表示された画像の一例を示す。制御部18は、表示部5に使い道指定ウィンドウ98を表示する。制御部18は、使い道指定ウィンドウ98内に、寄付先の自治体において選択可能な使い道を示すボタン、及び使い道を指定しないボタンを表示する。利用者情報によって使い道に優先順位が設定されている場合には、優先順位が高い順に、使い道を示すボタンを並べて表示する。利用者が、1つの使い道を示すボタンをタップすることによって使い道を指定すると、制御部18は、利用者が指定した使い道をふるさと納税の受付システムに送信する。
第4の実施例の第7の変形例によると、利用者は、自分の希望する使い道を指定して自治体に寄付をすることができる。使い道を示すボタンが優先順位に応じて並べ替えて表示されるため、利用者は、複数の使い道から自分が指定したい使い道を容易に見つけ出すことができる。
制御部18は、最も優先順位の高い使い道が規定値として選択された状態で複数の使い道を表示画面に表示してもよい。利用者は、複数の使い道から希望する使い道を指定する操作を省くことができる。
[第4の実施例の第8の変形例]
次に、第4の実施例の第8の変形例について説明する。
図22に、第4の実施例の第8の変形例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。制御部18は、1つの自治体への寄付手続きの処理が終了すると、図22に示したように、推奨自治体紹介ウィンドウ99を表示部5に表示する。推奨自治体紹介ウィンドウ99には、既に寄付手続きが完了した寄付先の自治体に寄付をした人が寄付している他の自治体(以下、「推奨自治体」という。)の名称を表示する。この仕組は公知のレコメンデーションエンジンを自治体の寄付先について適用することで実現できる。制御部18は、推奨自治体として、現在の位置の近隣の自治体を特定する情報を優先して利用者に提供する。例えば、寄付の手続きを行った寄付先の自治体と同一の都道府県内の自治体を優先する。自治体の位置とは無関係に、寄付者の多い自治体を優先して利用者に知らせてもよい。近隣の自治体を優先した情報と、寄付者の多い自治体を優先した情報との両方を利用者に知らせてもよい。
利用者にとっては、寄付先の自治体の候補が増えるという効果が得られる。自治体にとっては、寄付の拡大につながるという効果が得られる。
[第4の実施例の第9の変形例]
次に、第4の実施例の第9の変形例について説明する。
第4の実施例の第9の変形例によるナビゲーション装置1は、法人モードと個人モードとの切り替え機能を有する。制御部18は、法人モードに切り替えられているときには、法人による寄付の手順に従って寄付の手続きを行い、個人モードに切り替えられているときは、個人による寄付の手順に従って寄付の手続きを行う。
寄付者が個人である場合と法人である場合とで、寄付の手続きの手順が異なっている。法人モードと個人モードとを設けることにより、利用者が個人として寄付することも、法人として寄付することも可能になる。例えば、ナビゲーション装置1が社用車に搭載されている場合、法人モードに切り替え、ナビゲーション装置1が自家用車に搭載されている場合、個人モードに切り替えるとよい。
個人が行うふるさと納税と、企業が行う企業版ふるさと納税とでは、寄付先の自治体、返礼品の有無、税額控除の方法等が異なっている。制御部18は、法人モードで動作しているときと個人モードで動作しているときとで、利用者情報に応じて自治体を選択する基準を異ならせるとよい。例えば、制御部18が法人モードで動作しているときは、企業版ふるさと納税における寄付先の対象となる自治体のみから候補の自治体を選択するとよい。
また、制御部18が法人モードで動作しているときと個人モードで動作しているときとで、表示部5に表示する情報を変えるとよい。例えば、企業版ふるさと納税の制度では、各自治体が企画した「まち・ひと・しごと創成寄附活用事業」に寄付することになる。制御部18は、自治体を特定する情報の他に、「まち・ひと・しごと創成寄附活用事業」の内容を表示するとよい。利用者は、表示部5に表示された情報を、寄付を行うか否かの判断材料として利用することができる。
[第4の実施例の第10の変形例]
次に、第4の実施例の第10の変形例について説明する。
第4の実施例の第10の変形例においては、ナビゲーション装置1の制御部18は、利用者情報で特定される個人以外の者を他の利用者として登録する機能を持つ。制御部18は、寄付の手続きを行う際に、登録されている複数の利用者から寄付を行う主体となる利用者を識別し、識別された利用者を主体として寄付の手続きを行う。
図23に、第4の実施例の第10の変形例によるナビゲーション装置1の表示部5に表示された画像の一例を示す。利用者によって寄付申込の操作が行われると、制御部18は、表示部5に寄付者選択ウィンドウ100を表示する。寄付者選択ウィンドウ100には、予め登録されている複数の利用者の氏名の一覧を表示する。
利用者が、寄付者選択ウィンドウ100に表示されている複数の利用者の指名から一人の利用者の氏名をタップすることにより、寄付者となる利用者を指定すると、制御部18は、指定された利用者を主体として寄付の手続きを進める。
寄付に使用するクレジットカードの情報は、予め複数の利用者ごとに制御部18の記憶装置に登録されている。寄付者の氏名と、クレジットカードの名義とが不一致であると、税額控除の対象にならない可能性がある。制御部18は、登録されている利用者の氏名と、その利用者に関連付けて登録されているクレジットカードの名義とを比較し、一致しない場合には、その旨を利用者に通知する機能を持つ。
第4の実施例の第10の変形例によるナビゲーション装置1を使用すると、複数人で旅行するときに、旅行者の各々がナビゲーション装置1を介して寄付を行うことができる。制御部18が、寄付を行う利用者の氏名と、クレジットカードの名義が不一致のとき、その旨を利用者に通知するため、寄付を行う利用者は、名義の異なるクレジットカードを用いて寄付してしまい、税額控除を受けることができなくなる事態の発生を防止することができる。
各利用者が所有しているニアフィールドコミュニケーション(NFC)規格対応のカードを読み取り装置にかざすことにより、登録されている複数の利用者から寄付を行う一人の利用者を指定するようにしてもよい。NFC規格対応のカードとして、例えば交通系カード、運転免許証等が挙げられる。また、指紋認証システム、顔認証システム等の個人認証システムを利用して、寄付を行う利用者を識別してもよい。
[第5の実施例]
次に、第5の実施例による電子機器として、プリントサービス店に設置されているプリンタについて説明する。プリントサービス提供店の例として、全国津々浦々にあるコンビニエンスストア等が挙げられる。このプリンタは、不特定の者に利用される。
図24に、第5の実施例によるプリンタ105の機能ブロック図を示す。プリンタ105は、制御部110、通信装置111、近距離無線通信装置112、表示装置113、及び入力装置114を含む。
制御部110は、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、I/Oインタフェースを備えるマイコンで構成される。制御部110のCPUが記憶装置に格納されているプログラムを実行することにより、利用者に情報を提供する機能を実現する。不揮発性メモリとして、例えばEEPROMを用いることができる。不揮発性メモリには、プログラムの他に、制御部110が利用者に情報を提供する機能を実現するために必要な種々のデータ、例えばプリンタ105が設置されているプリントサービス提供店の位置情報等が記憶されている。プリントサービス提供店の位置情報は、プリンタ105の設置時に設置業者がプリンタ105に登録する。
利用者は、プリンタ105から情報の提供を受けるためにプリントサービス提供店を訪れる。プリントサービス提供店の位置情報は、利用者の現在地点の位置情報に一致するため、プリントサービス提供店の位置情報は、情報提供サービスを受ける利用者に関する情報(利用者情報)の一つであると考えることができる。プリンタ105が利用者に提供する情報に、利用者の現在地(プリントサービス提供店の場所)を含むあるエリアの地図が含まれる。
通信装置111は、通信網140を介して管理サーバ120とデータ通信を行う機能を有する。通信網140として、例えばインターネットが用いられる。管理サーバ120は地図データを蓄積しており、プリンタ105からの要求により、そのプリンタ105が設置されているプリントサービス提供店の地点を含む地図データをプリンタ105に送信する。
近距離無線通信装置112は、利用者の携帯端末130とデータ通信を行う機能を有する。無線通信規格として、例えばNFC規格、ブルートゥース規格等を採用することができる。携帯端末130は、例えばスマートホン、タブレット端末等である。
表示装置113は、制御部110から制御されることにより、種々の画像を表示する。表示装置113として、例えば液晶ディスプレイ、有機EL型ディスプレイ等が用いられる。
入力装置114は、利用者が操作することによって種々の指令を制御部18に入力するためのものである。入力装置114として、例えばタッチパネル、操作ボタン等が用いられる。
図25に、プリンタ105が利用者に情報を提供する処理の流れを示す。まず、利用者がプリンタ105の入力装置114(図24)を操作することにより、プリンタ105に対して地図のプリントアウトを要求する(ステップS30)。プリンタ105の制御部110は、プリントアウトの要求を受け付けると、管理サーバ120に対して地図データを要求する信号を送信する(ステップS31)。この信号には、そのプリンタ105が設置されているプリントサービス提供店の位置情報が含まれている。
管理サーバ120は、プリントサービス提供店の位置情報に基づき、その地点が含まれる地図データをプリンタ105に配信する(ステップS32)。地図データの配信を受けたプリンタ105の制御部110は、配信された地図データに基づき、地図をプリントアウトする(ステップS33)。
図26に、プリントアウトされた地図の一例を示す。地図は、A4サイズ、B4サイズ、A3サイズ等の用紙にプリントアウトされる。用紙のサイズは利用者が入力装置114を操作することによりプリンタ105に指示する。用紙の上下左右の縁の近傍に、それぞれ「上」、「下」、「左」、「右」という文字を印字している。さらに、制御部18は、プリントアウトした地図と同一のエリアの地図を携帯端末130に表示させるための情報となる二次元バーコード150を用紙に印刷する。
二次元バーコード150は、管理サーバ120のURLを特定する文字列を表している。URLを特定する情報として、二次元バーコードに代えて、短縮URLを示す文字列を印刷してもよい。プリントアウトされた地図上において、その地図をプリントアウトしたプリントサービス提供店の地点に星印等の目印151が印刷されている。
[第5の実施例の効果]
利用者は、プリンタ105が設置されている場所の位置情報を入力する操作を行うことなく、自分の現在地を含むある領域の地図を紙媒体で入手することができる。例えば特定のコンビニチェーンのコンビニのすべてにこのプリンタ105が設置されれば、そのチェーンのコンビニを見つけてその店舗のプリンタ105で印刷するだけで、常にそのコンビニの位置が含まれる地図を得ることができる。特にそのコンビニの位置を図26のように中心付近にして地図を印刷すれば、コンビニをはしごして常に自己の位置を中心とした地図を得ることができる。スマートホンやタブレット端末等に表示される地図に比べて、A4サイズ、B4サイズ、A3サイズ等の大きな地図を入手することができる。大きな地図は、複数人で同時に見ながら相談等をする利用形態に適している。さらに、スクロールすることなく、地図上の広い領域を一度で視認することができる。また、紙媒体に出力された地図は、例えば書き込み、折り曲げ等を行うことにより、簡単に目印等を付すことができる。特に、複数人で旅行しているとき、旅行先のプリントサービス提供店で地図をプリントアウトし、プリントアウトされた地図を旅行中に参照することができる。
利用者は、プリントアウトされた地図上において、プリントサービス提供店の地点に付された目印を見つけることにより、地図上で自分の現在地を容易に把握することができる。プリントサービス提供店の地点に目印を付す代わりに、プリントサービス提供店を示す地図上の記号に、他の施設を示す記号の色と異なる色を付してもよい。また、プリントサービス提供店を地図の中心に配置することにより、プリントサービス提供店の地点を容易に見つけ出せるようにしてもよい。
利用者は、地図とともにプリントアウトされた二次元バーコード150を携帯端末130に読み取らせることにより、携帯端末130で管理サーバ120に容易にアクセスすることができ、管理サーバから携帯端末130に地図データをダウンロードすることができる。携帯端末130は、ダウンロードした地図データを表示画面に表示する。
携帯端末130の現在地の位置情報に基づいて、携帯端末130の現在地が属する地図上の領域を特定する情報を利用者に提供する機能を携帯端末130に持たせるとよい。例えば、携帯端末130は、「現在地は中心より右上の地点です。」というように、中心、及び上下左右のいずれかの用語を用いて地図上の地点を示す処理を行うとよい。特に地図アプリや、経路案内アプリでこのような処理を行うとよい。
利用者は、領域を特定する情報を手助けとして、地図上において自分のいる地点を容易に見つけ出すことができる。携帯端末130は、通常、携帯端末130の現在地が表示画面内の特定の箇所に固定されるようにして、現在地の周囲のあるエリアの地図を表示画面に表示させる機能を持っている。携帯端末130の現在地が移動すると、携帯端末130は、表示画面内で現在地が移動しないように、地図を自動的にスクロールさせる。このため、利用者にとって、携帯端末130に表示された地図は、自分の現在地の周囲の状況を知るには便利であるが、表示画面に表示されたエリアより広い特定のエリアにおける自分の相対的な位置を把握する用途には不向きである。これに対し、プリントアウトされた地図(図26)を利用すると、その地図上において自分のいる地点を見つけ出すことにより、地図に表された特定のエリア内における自分の相対的な位置を容易に把握することができる。
地図上の一部の領域を特定する情報として、例えばプリントアウトされた地図の全域を行列状の複数の区画に区分し、行を特定する情報及び列を特定する情報を用いてもよい。例えば、列を左から順番にA、B、C、D・・・というアルファベットで特定し、行を上から順番に1、2、3、4・・・という数字で特定するとよい。地図上の各区画をアルファベットと数字との組み合わせで特定することができる。例えば、携帯端末は、「現在地はA1区画の中です。」というように、区画を特定する情報を用いて利用者に現在地を通知することができる。
携帯端末130に方位検知機能を持たせるとよい。方位検知機能を有する携帯端末130に、例えば現時点の携帯端末130の画面の上方向と、プリントアウトされた地図の上下左右方向との対応関係を利用者に通知する機能を持たせるとよい。例えば、携帯端末130は、「画面の上方向が地図の右方向です。」というように利用者に通知する機能を備えることができる。特に携帯端末のアプリがヘディングアップで地図を表示する場合には、このプリントアウトされた紙の地図との対応関係を見失うことを低減できるという優れた効果を発揮する。
管理サーバ120(図24)に、プリンタの識別情報と位置情報とを関連付けて記憶させておいてもよい。プリンタ105は、管理サーバ120に自分の位置情報を問い合わせることにより、管理サーバ120から位置情報を入手することができる。このようにすると、プリンタ設置時に現場でプリンタ105に位置情報を設定する必要が無くなり、位置情報の設定忘れや誤設定を防止することができる。
地図とともに印刷された二次元バーコード150(図26)を携帯端末130に読み込ませる代わりに、プリンタ105から近距離無線通信によりURLを特定する情報を携帯端末130に転送してもよい。
第5の実施例では、携帯端末の現在地が属する地図上の領域を特定する情報を提供する機能、例えば「上」、「下」、「左」、「右」という文字を印字する機能をプリンタ105に持たせたが、この機能を、プリンタ105に地図データを配信する管理サーバ120に持たせてもよい。
[第5の実施例の第1の変形例]
次に、第5の実施例の第1の変形例によるプリンタ105について説明する。
第5の実施例の第1の変形例においては、プリンタ105の制御部110が、地図とともに、プリントアウトされる地図の領域内の店舗の広告をプリントアウトする機能を有する。印刷すべき広告のデータは、管理サーバ120から地図データとともにプリンタ105に配信される。管理サーバ120は、広告の提供者に対して広告作成の支援サービスを提供する。
図27に、プリントアウトされた地図及び広告の一例を示す。用紙の端に複数の広告152が印刷されている。
利用者は、プリントアウトされた広告152を見て、現在地の近隣に存在する店舗(お土産品店、飲食店等)の情報を入手することができる。店舗の広告152に、その店舗で特典を受ける権利を有することを示す情報、例えばクーポン券等を含めるとよい。地図をプリントアウトした利用者、例えば旅行者、出張者等にとっては、その店舗で特典、例えば飲食代200円割引といった特典を受けることができるという効果が得られる。地図をプリントアウトする料金の一部または全部を、利用者が受ける特典に相当する金額で相殺することができる。店舗にとっては、旅行者等を店舗に誘導することができるという効果が得られる。
店舗等の広告の提供者は、管理サーバ120から広告作成の支援サービスの提供を受けて、広告を容易に作成することができる。広告作成の支援サービスとして、例えば、広告のひな形を利用して広告を作成することができるサービスとするとよい。例えば、広告の提供者がひな形に写真と文字を挿入するだけで広告を作成することができるようにするとよい。複数のひな形を準備しておき、広告の提供者が複数のひな形から気に入ったひな形を選択できるようにするとよい。広告の提供者が、管理サーバ120から自分の端末にひな形のデータをダウンロードし、端末上でひな形を用いて広告を作成し、作成された広告のデータを管理サーバ120にアップロードする方法で管理サーバ120に広告のデータを蓄積するとよい。広告の提供者が、自分の端末のブラウザを介して、管理サーバ120上のひな形を用いて直接広告を作成し、管理サーバ120に広告のデータを蓄積するようにしてもよい。
店舗から広告の出稿料を徴収してもよいが、無料にすると特によい。広告の出稿料が無料になると、広告を提供する店舗にとってはメリットが大きい。地図のプリントアウトサービスを提供する事業者にとっては、広告の提供者が増えるという効果が期待できる。
提供されている広告の数が増えると、すべての広告を地図にプリントアウトすることが困難になる。このような場合には、プリンタ105の制御部110が所定のフィルタリング条件でフィルタリングして、大量の広告の中から印刷すべき一部の広告を抽出するとよい。所定のフィルタリング条件は、利用者がプリンタ105を操作してプリンタ105に与えるようにするとよい。例えば、プリントアウトさせたい広告を提供している店舗の業種を利用者が選択できるようにするとよい。プリンタ105の制御部110は、大量の広告の中から、利用者が選択した業種の店舗の広告を抽出し、抽出された店舗の広告を地図とともにプリントアウトするとよい。
広告作成の支援サービスを提供する管理サーバ120や利用者の携帯端末130に予めフィルタリング条件を設定しておき、設定されたフィルタリング条件を適用して大量の広告からプリントアウトすべき広告を抽出してもよい。
[第5の実施例の第2の変形例]
次に、第5の実施例の第2の変形例によるプリンタ105について説明する。
第5の実施例の第2の変形例によるプリンタ105は、地図を識別する情報を地図とともにプリントアウトする。地図を識別する情報は、その地図固有のものであり、地図をプリントアウトする利用者が異なると、地図に与えられる識別情報も異なる。
地図を識別する情報として、例えば地図を識別する固有の番号等を用いることができる。地図を識別する情報は、地図データの配信(ステップS32)時に、地図データとともに管理サーバ120がプリンタ105に送信する。プリンタ105の制御部110は、受診した識別情報を、バーコード等の形態で地図とともにプリントアウトする。
図28に、用紙にプリントアウトされた地図及び一次元バーコード153の一例を示す。例えば、用紙の隅に一次元バーコード153が印刷されている。この一次元バーコード153によって、プリントアウトされた地図を識別する情報が表されている。
地図の利用者が、地図で表されたエリア内に設置された情報取得機器に識別情報を読み込ませると、地図の識別情報が情報取得機器から管理サーバ120に転送される。管理サーバ120は、情報取得機器から地図の識別情報を受信すると、地図の識別情報と、情報取得機器が設置されている地点(訪問地点)の位置情報とを関連付けて記憶する。プリンタ105から、地図の識別番号を特定して訪問地点の位置情報の提供の要求を受けると、管理サーバ120は、その地図の識別情報に関連付けられた訪問地点の位置情報をプリンタ105に送信する機能を有する。
プリンタ105が管理サーバ120から受信した訪問地点の位置情報を受診すると、プリンタ105の制御部110は、利用者の訪問地点を識別可能な態様で新たな地図をプリントアウトする機能を有する。
図29に、利用者の訪問地点を識別可能な態様でプリントアウトされた新たな地図の一例を示す。新たにプリントアウトされた地図上の訪問地点に、訪れた順番に丸付き数字が印刷されている。
地図の利用者は、訪問地点を識別可能な態様でプリントアウトされた新たな地図(図29)を見て、最初に地図をプリントアウトしたプリントサービス提供店から地図を携行して訪れた地点を認識することができる。最初の地図をプリントアウトしたプリンタ105と、新たな地図をプリントアウトするプリンタ105とは、同一のプリンタである必要はない。最初の地図をプリントアウトする機能と、新たな地図をプリントアウトする機能とを有する複数のプリンタ105を、それぞれ複数のプリントサービス提供店に設置しておくと便利である。例えば、旅行先のプリントサービス提供店で最初の地図(図28)をプリントアウトし、旅行から帰った後、自宅の近傍のプリントサービス提供店で、自分が訪れた地点を認識可能な新たな地図(図29)をプリントアウトすることができる。この新たな地図は、旅行の思い出として残しておくことができる。
情報取得機器として、情報読み取り機能を有する人型ロボットや電子看板(サイネージ)等を利用することができる。利用者は、例えば地図とともにプリントアウトされたバーコード等の識別情報を情報取得機器のバーコードリーダやカメラ等に読み取らせることにより、地図の識別情報を情報取得機器に入力することができる。人型ロボットや電子看板は、例えば店舗に設置されている。
店舗に設置された人型ロボット等が地図の識別情報を読み込むと、地図の利用者に、その店舗を紹介する言葉を発するようにするとよい。例えば、地図の識別情報から地図をプリントアウトしたプリントサービス提供店の名称を取得し、「○○店から来てくれたんだね。○○がお勧めだよ。」といった言葉を発するようにするとよい。
地図をプリントアウトしたプリントサービス提供店の名称は、例えば、人型ロボットが地図の識別情報を読み込んで、地図の識別情報と、プリントサービス提供店の名称とを関連付けて記憶している管理サーバ120に問い合わせることにより入手するとよい。または、地図全体を画像認識することにより、プリントサービス提供店の名称を取得してもよい。
利用者の決済用カードの情報を管理サーバ120に登録しておき、管理サーバ120が、登録されている決済用カードを利用して買い物をした店舗の位置情報を取得し、この店舗の位置情報を訪問地点の位置情報として記憶するようにしてもよい。訪問先の店舗に情報取得機器が設置されていない場合でも、決済用カードを使用して買い物をすると、利用者がその店舗を訪れたという情報を管理サーバ120に残すことができる。
管理サーバ120が、地図の識別情報と関連付けて、利用者の端末を識別する識別情報を記憶し、地図の識別情報と関連付けられている訪問地点の位置情報、及び地図をプリントアウトしたプリンタ105が設置されている場所の位置情報を、利用者の端末に配信する機能を有するようにしてもよい。
地図の利用者は、自分の端末に配信された位置情報に基づいて、地図を携行して訪れた地点を認識することができる。利用者が端末を操作することにより、地図を携行して訪れた地点の情報をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のサーバにアップロードして複数人で共有することができる。地図の利用者と一緒に行動した仲間の端末にも、上述の位置情報を配信するようにしてもよい。
[第5の実施例の第3の変形例]
次に、第5の実施例の第3の変形例によるプリンタ105について説明する。
第5の実施例の第3の変形例によるプリンタ105は、地図に表された範囲内で利用者が携帯端末130を用いて取得した拡張現実の情報を管理サーバ120から受信し、最初にプリントアウトした地図と同じ範囲の地図に管理サーバ120から受信した拡張現実の情報を合成して新たな地図をプリントアウトする機能を有する。
管理サーバ120は、地図に表された範囲内で利用者が端末を用いて取得した拡張現実の情報を入手し、地図の識別情報と関連付けて記憶する機能を有する。さらに、送信要求のあったプリンタ105に、地図の識別情報、及び拡張現実の情報を送信する機能を有する。
図30に、拡張現実の情報を合成してプリントアウトされた地図の一例を示す。拡張現実世界で捕獲したキャラクタの画像155が、そのキャラクタを捕獲した地図上の地点に印刷されている。
利用者は、プリンタ105から新たにプリントアウトされた地図(図30)を見ることによって、訪れた地点で入手した拡張現実の情報を認識することができる。利用者にとって、この地図は旅行の思い出として残しておくことができる。
[第6の実施例]
次に、第6の実施例について説明する。
第6の実施例による電子機器の機能は、自宅のパソコン、車両に搭載されたドライブレコーダ、旅行に携行するカメラ、インターネットに接続されたサーバ等の複数の電子機器により実現される。
図31に、これら複数の電子機器により実行される処理の流れを示す。パソコン160は、旅行の予定表165を格納するための記憶装置を有する。サーバ163は、各観光スポットに対応した写真を一般に公開するための写真のデータベース167を有する。パソコン160、ドライブレコーダ161、カメラ162、サーバ163は、相互にデータの受け渡しを行う機能を有する。これらの電子機器の間で、無線通信や有線通信を利用してデータの受け渡しを行ってもよいし、非接触ICカードやリムーバブルメモリカード等を介してデータの受け渡しを行ってもよい。
第6の実施例による電子機器の利用者は、旅行前に、自宅等のパソコン160を操作することにより、訪れたい観光スポットを決める(ステップS41)。利用者は、訪れたい観光スポットを決めたら、その観光スポットを訪問予定観光スポットとして旅行の予定表165に追加する(ステップS42)。旅行の予定表165には、観光スポットを特定する情報、例えば観光スポットの名称、観光スポットの位置情報、及び観光スポットの写真等が含まれる。
利用者は、旅行の予定表165に登録されている訪問予定観光スポットの位置情報を、パソコン160からドライブレコーダ161に転送させることにより、ドライブレコーダ161に訪問予定観光スポットの位置情報を登録する(ステップS43)。
ドライブレコーダ161は、車両の周囲、例えば前方の景色を常時記録する機能を有する。映像の記録領域に空きが無くなると、古い映像が記録されている領域に新しい映像を上書きする。さらに、ドライブレコーダ161は、車両が訪問予定観光スポットに近づいたことを検知すると、車両の周囲の景色を観光スポット用の記録領域に記録する(ステップS44)。観光スポット用の記録領域は上書き禁止に設定されており、観光スポット用の記録領域に記録された映像は、自動で上書きされて消去されてしまうことがない。
利用者は、訪問予定観光スポットで車両から降りて、カメラ162を用いて観光スポットの撮影を行う。撮影された映像は、カメラのメモリに記録される(ステップS45)。
旅行が終わると、利用者は、ドライブレコーダ161の観光スポット用記録領域に記録された映像をパソコン160に転送する(ステップS46)。さらに、利用者は、カメラ162で撮影した映像をパソコン160に転送する(ステップS47)。
利用者がパソコン160を操作することにより、パソコン160は、ドライブレコーダ161で撮影された映像、カメラ162で撮影した映像、サーバ163のデータベース167に蓄積されている観光スポット等の一般公開写真をリミックスして、自動的にアルバムを作成する(ステップS48)。アルバム作成の対象となる写真や映像として、写真バックアップ用のサイトにアップロードしている自分が過去に撮影した写真及び映像を含めることも可能である。
例えば、利用者が、パソコン160の画面に表示されたリミックスボタンを選択すると、パソコン160は、自動的に写真や映像を組み合わせてレイアウトすることにより、アルバムを作成する。写真や映像の組み合わせは、例えばその写真や映像が取得された地点の位置情報に基づいて行うとよい。
利用者が自分で撮影した写真や映像のうち一般公開したい写真や映像を選択して、パソコン160の画面に表示された一般公開ボタンを選択することにより、一般公開する写真や映像を選択する(ステップS49)。パソコン160は、選択された写真や映像をサーバ163にアップロードする(ステップS50)。サーバ163は、アップロードされた写真や映像を、一般に公開する写真のデータベース167に蓄積する(ステップS51)。
図32に、アルバム作成(ステップS48)を行うときにパソコン160の画面に表示される画像の一例を示す。パソコン160は、サーバ163で一般公開されている写真、カメラ162で撮影した写真、ドライブレコーダ161で撮影した映像、及び利用者が過去に写真バックアップサイトにアップロードした写真のサムネイル170を、訪れた観光スポットごとに分類して表形式で表示画面に表示する。さらに、表示画面に、アルバム作成ボタン171、リミックスボタン172、及び一般公開ボタン173を表示する。
利用者が、表示画面に表示されたサムネイルの一覧から一部を選択した後、アルバム作成ボタン171を選択すると、パソコン160は、利用者が選択したサムネイルに対応する写真及び映像のレイアウトを決定してアルバムを作成する。作成されたアルバムは、パソコン160の表示画面に表示される。利用者がリミックスボタン172を選択すると、パソコン160は、写真や映像の組み合わせ及びレイアウトを変えて、新たなアルバムを作成する。また、利用者が、作成されたアルバムを構成する一部の写真を選択して、他の写真に差し替えることも可能である。
利用者が、表示画面に表示されたサムネイルの一覧から一部を選択した後、一般公開ボタン173を選択すると、パソコン160は、利用者が選択したサムネイルに対応する写真及び映像をサーバ163に、一般公開用写真及び映像としてアップロードする(ステップS50)。
[第6の実施例の効果]
第6の実施例によるパソコン160、ドライブレコーダ161、カメラ162、及びサーバ163を使用することにより、利用者は旅行中にドライブレコーダ161やカメラ162で撮影した写真や映像を用いて容易にアルバムを作成することができる。また、アルバムのプロトタイプを短時間で作成し、必要に応じて写真や映像を差し替えることにより、アルバムの完成度を高めることができる。
[第6の実施例の変形例]
サーバ163に一般公開用としてアップロードした写真や映像は、有料で第三者に販売できるようにするとよい。図32に示したサムネイルの一覧において、一般公開写真のサムネイル170が無料か有料かを区別できるように、サムネイル170を表示するとよい。例えば、サムネイルの端に、「有料」または「無料」の文字列を付すとよい。
図32に示したサムネイルの一覧に、第3の実施例によるナビゲーション装置1にインストールしたアプリケーションの動作中に表示部5(図1、図2)に表示された画像のスクリーンショットのサムネイルを含めるとよい。利用者は、観光中に利用したアプリケーションに関する画像情報をアルバムに取り込むことができる。
図32に示したサムネイルの一覧に、第4の実施例によるナビゲーション装置1を利用して行ったふるさと納税の制度に基づく寄付に関する画像のサムネイルを含めるとよい。例えば、自治体の名称や返礼品の画像のサムネイルを含めることができる。利用者は、観光中に寄付を行った自治体の名称や、そのときに提供された返礼品の画像をアルバムに取り込むことができる。
第6の実施例では、パソコン160を用いてアルバム作成(ステップS48)を行ったが、サーバ163にアルバム作成の機能を持たせてもよい。この場合、カメラ162で撮影された写真及びドライブレコーダ161で撮影された映像を、サーバ163にアップロードし、サーバ163に接続したパソコン160のブラウザを介してアルバムを作成するようにするとよい。
第6の実施例による電子機器は、パソコン160、カメラ162、ドライブレコーダ161、及びサーバ163等の複数の電子機器により構成されるが、本明細書は、パソコン160、カメラ162、ドライブレコーダ161、及びサーバ163等の個々の電子機器の発明、及びこれらの電子機器を任意に組み合わせた装置の発明を開示する。
上記第1の実施例から第6の実施例を組み合わせた構成とするとよい。特に各実施例の変形例に記載の内容も組み合わせた構成とするとよい。例えばユーザ側の機器に各実施例及び各変形例に記載の機能のうち少なくともいずれかひとつの機能を備えるとよく、望ましくはすべての機能を備えるとよい。また例えばサーバないしクラウドに各実施例及び各変形例に記載のサーバの機能のうち少なくともいずれかひとつの機能を備えるとよく、望ましくはすべての機能を備えるとよい。ユーザ側の機器にてこれらの情報を時系列に沿って参照できるようにするとよい。このようにすれば、一連の旅の記録を時系列に沿って得ることができる。例えば、空港についてレンタカーを借り、そのレンタカーのドライブレコーダ内蔵の携帯型ナビゲーション装置でご当地アプリをダウンロードし、あるアプリを起動して、そのアプリの案内で観光をし、その観光の途中でコンビニに寄って紙の地図をゲットし、紙の地図のクーポンを使って買い物をし、そこでふるさと納税をしてお礼の品の申込をし、また車にもどって移動し、移動中にふるさと納税をして返礼品のアクティビティをすぐに楽しみ、レンタカーを返却して、自宅へ帰宅し、後日、自動的にドライブレコーダ内蔵の携帯型ナビゲーション装置で撮影したアルバムを参照できる。各情報にはその情報についての時刻情報を関連付けて記憶しておき、例えばこの時刻情報の順に情報をソートしてユーザ側の機器で表示する機能を備えるとよい。
各実施例及び各変形例において、サーバに送信する情報および/またはサーバが受信した情報については、ユーザ側の機器および/またはサーバがブロックチェーンシステムに送信するようにしてもよい。またサーバが送信する情報またはサーバから受信した情報についても、ユーザ側の機器および/またはサーバがブロックチェーンシステムに送信するようにしてもよい。このようにすれば、ブロックチェーン上にユーザ側の機器から送信された情報・サーバ側から送信された情報のトランザクションが一連のブロックチェーンに記録される。この情報を参照して旅の一連の記録を参照することができる。例えば、上述した各シーケンスを示す図において、情報を送信する側(矢の基点側)の各々の端末やシステムが、相手方に情報を送信した際に当該情報の内容をインターネット上のブロックチェーンシステムに対しても送信するようにするとよい。望ましくは、上述した各シーケンス図において、情報を受信する側(矢の終点側)の各々の端末やシステムが、相手方から情報を受信した際に当該情報の内容をインターネット上のブロックチェーンシステムに対して送信するようにするとよい。さらに望ましくはこれら両者の処理を行うとよい。ブロックチェーンシステムとしては、プライベート型のシステムを用いるようにしてもよいが、特にパブリック型のシステムを用いるとよい。両者へ送信するようにするとなおよい。ブロックチェーンシステムとしては例えばEthereumまたはHyperledger Projectのものを用いるとよい。
また、例えば上述した各シーケンスを示す図において、ユーザ側の機器が情報を受信する側(矢の終端側)となっている箇所に対して、その相手方(矢の始点側)のシステム等が広告も送信するようにするとよい。特にブロックチェーンを用いるシステムとした場合、当該ブロックチェーンにも広告情報についてのトランザクションを送信するようにするとよい。例えば広告情報としてリンク先情報(URL等)をユーザ側の機器に送信しブロックチェーンにもこれら広告についてのトランザクションを送信する広告サーバをブロックチェーンシステムに設け、広告サーバは時間的に先にユーザ側の機器が情報を受信する側(矢の終端側)となっている箇所(シーケンス図の相対的に上側に当たる箇所)のトランザクションの発生情報に基づき配信する広告情報を選択し、そのユーザ側の機器端末に対する時間的に後にユーザ側の機器が情報を受信する側(矢の終端側)となっている箇所(シーケンス図の相対的に下側に当たる箇所)において当該ユーザ側の機器に対して広告情報を送信するとよい。
各実施例及び各変形例における地図は現在に最も近い最新の地図を用いるとよいが、当該最新の地図とともに、過去の地図を並べた地図とするとよい。例えば、地図情報として新旧2つの地図をサーバから送信する構成としてもよいが、新旧2つの地図を有する1つの地図をサーバから送信するとよい。このようにすれば新旧2つの地図を表示するための処理を特別に作る必要がない。また特にこの過去の地図は、ユーザが過去に同じ場所に行ったことがある記録がユーザ側の機器やサーバ等にあるか否かを検索して、ある場合にはその時点に最も近い過去の時点の地図とするとよい。このようにすればユーザは、自分が以前訪れたことがある時点の最新の地図と現在の最新の地図とを対比して現在位置を確認することができる。このようにすれば、今回街の景色が以前訪れたときと変わっていたとしても、前回の地図と今回の地図を対比して、「ああ、あれがあった場所がこれに変わったのかぁ」などと過去に訪れたときの思い出と現在の町並みとを対比し確認しながら、また時代の変化を楽しみながら、移動ができる。 各実施例及び各変形例において、表示など、ユーザに対して出力する構成部分は、音声または音声と動きとで行うようにしてもよい。例えばコミュニケーションロボットから出力するとよい。
以上、本発明の様々な側面を実施例及び変形例を用いて説明してきたが、これらの実施例及び変形例の説明は、本発明の技術的範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の技術的範囲は、明細書に明示的に説明された構成に限定されるものではなく、本明細書は、説明された本発明の様々な側面を組み合わせて得られる他の発明をも開示する。本願の出願人は、本発明のうち、特許を受けようとする発明の構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されておらず、本明細書に開示される少なくとも1つの構成要素を含む発明をも、将来的に特許請求の範囲に含める意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。