JP7034424B2 - 液封入式防振装置および車両の防振構造 - Google Patents

液封入式防振装置および車両の防振構造 Download PDF

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Description

本発明は液封入式防振装置および車両の防振構造に関するものである。
サスペンションメンバやエンジン等の振動体を車体に弾性支持する装置として、液体の共振現象を利用して振動を減衰する液封入式防振装置が知られている(特許文献1)。特許文献1に開示される技術では、円筒状の第1部材と軸部材とがゴム状の弾性体で連結された中間部材の径方向の外側に、円筒状の第2部材が配置される。第1部材は、一対の円環部と、それらを連結し軸線を挟んで配置される一対の連結部と、を備えている。弾性体は、円環部を軸部材に連結する第1壁部、及び、連結部を軸部材に連結する第2壁部が一体成形され、軸部材および第1部材に弾性体が加硫接着されている。第2部材に挿入された中間部材を第2部材に固定し、第1壁部が形成する液室を第2壁部が区画する液封入式防振装置が製造される。
特開2009-180238号公報
しかしながら上述した従来の技術では、液室の分だけ第2壁部(弾性体)の体積は小さくなるので、静ばね定数を高くし難いという問題点がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、静ばね定数を高くし易くできる液封入式防振装置および車両の防振構造を提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明の液封入式防振装置は、軸線の方向へ延びる軸部材と、軸部材を取り囲む円筒状の第1部材と、第1部材と軸部材とを連結するゴム状の弾性体と、を備える中間部材と、中間部材の径方向の外側に配置される円筒状の第2部材と、を備えている。第1部材は、軸線の方向に間隔をあけて配置される一対の円環部と、一対の円環部を連結すると共に軸線を挟んで配置される一対の連結部と、を備え、弾性体は、円環部の各々の全周を軸部材に連結する一対の第1壁部と、第1壁部と一体成形されると共に連結部の各々を軸部材に連結する第2壁部と、を備えている。液封入式防振装置は、第2壁部が区画する液室をオリフィスが連通する。液封入式防振装置は、軸部材と第1部材との間に周方向に間隔をあけてそれぞれ配置され第2壁部から前記第1壁部にかけて埋め込まれた中間板(ただし、前記第1壁部のうち前記第2壁部が前記軸線の方向に位置しない部分に埋め込まれるものを除く)を備え、中間板は弾性体よりも剛性が高い。
本発明の防振構造は、前記液封入式防振装置が車両に配置された防振構造であって、液封入式防振装置は、液室が、車両の前後方向を向いて配置され、第2壁部が、車両の左右方向を向いて配置される。
請求項1記載の液封入式防振装置によれば、弾性体よりも剛性が高い中間板が、軸部材と第1部材との間に配置され第2壁部(弾性体)に埋め込まれるので、静ばね定数を高くし易くできる。
請求項2記載の液封入式防振装置によれば、第2壁部のうち軸部材と中間板との間の内側部分の径方向の厚さは、第2壁部のうち中間板と第1部材との間の外側部分の径方向の厚さよりも薄い。これにより、第2壁部の外側部分の成形収縮を第2壁部の内側部分の成形収縮よりも大きくする一方、第2部材に中間部材を挿入した後は、外側部分に第2部材が圧縮荷重を加え易くできる。その結果、成形収縮が原因で生じる第2壁部の引張ひずみを抑制し易くできる。よって、請求項1の効果に加え、耐久性を確保できる。
請求項3記載の車両の防振構造によれば、請求項1又は2に記載の液封入式防振装置の液室が、車両の前後方向を向いて配置され、第2壁部が、車両の左右方向を向いて配置される。これにより、車両の前後方向の液封入式防振装置の動ばね定数を低く、車両の左右方向の液封入式防振装置の静ばね定数を高くできる。よって、乗り心地を良くしつつ操縦安定性を高めることができる。
本発明の一実施の形態における液封入式防振装置の平面図である。 図1のII-II線における液封入式防振装置の断面図である。 図1のIII-III線における液封入式防振装置の断面図である。 図1の矢印IV方向から見た中間部材の正面図である。 図1の矢印V方向から見た中間部材の側面図である。 図5のVI-VI線における中間部材の断面図である。 図5のVII-VII線における中間部材の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態における液封入式防振装置10の平面図であり、図2は図1のII-II線における液封入式防振装置10の軸線Oを含む断面図であり、図3は図1のIII-III線における液封入式防振装置10の軸線Oを含む断面図である。本実施の形態では、液封入式防振装置10は自動車の車輪を支持するサスペンション等を車体に弾性支持するボディマウントである。
図1から図3に示すように液封入式防振装置10は、金属製等の剛性材料からなる筒状の軸部材11と、金属製等の剛性材料からなり軸部材11と間隔をあけて配置される円筒状の第1部材20と、軸部材11と第1部材20との間に介設され軸部材11と第1部材20とを結合するゴム状の弾性体30と、金属製等の剛性材料からなり第1部材20の径方向の外側に配置される円筒状の第2部材50と、を備えている。本実施の形態では、車体側部材(図示せず)が軸部材11に固定され、振動体であるサスペンションメンバ(図示せず)が第2部材50に固定される。
軸部材11は、軸線O方向へ延びる筒状の部材であり、軸線Oに沿う穴部12が形成されている。軸部材11は、大径部13が穴部12の軸線O方向に連通する。大径部13の内径は、穴部12の内径よりも大きい。穴部12は、ボルト(図示せず)が挿入される部位である。大径部13は車体側部材(図示せず)の一部が挿入される部位である。穴部12に挿入されたボルトは、大径部13に挿入された車体側部材に形成されたねじ穴に螺合し、車体側部材に軸部材11を固定する。軸部材11は、軸線Oを挟んで径方向の外側へそれぞれ突出する一対の突部14(図3参照)が、軸線O方向の中央の相対する位置に設けられている。
第1部材20は、軸部材11の径方向の外側に配置される円筒状の部材である。第1部材20は、軸線O方向に間隔をあけて配置される一対の円環部21,22と、円環部21,22を連結する一対の連結部23と、を備えている。円環部21,22は帯状の部材により筒状に形成され、連結部23は円環部21,22より幅広の帯状の部材により円弧状に形成されている。連結部23は、円環部21,22の軸線O方向の縁の一部に接続する。一対の連結部23は、周方向に間隔をあけて軸線Oを挟んで配置されている。円環部21,22の直径は同一である。
本実施の形態では、図2に示すように軸線Oから連結部23までの距離(連結部23の円弧の半径)は、軸線Oから円環部21,22までの距離(円環部21,22の半径)よりも短い。連結部23の半径は、連結部23の軸線O方向の全長に亘って同一である。第1部材20は、連結部23が接続する円環部22の軸線O方向の縁と反対側の縁から鍔状に突出するフランジ24が、円環部22の全周に設けられている。
弾性体30は、軸部材11に対して第1部材20を弾性支持するゴム状の部材であり、軸部材11及び第1部材20に加硫接着されている。弾性体30は、円環部21,22の全周をそれぞれ軸部材11に連結する一対の第1壁部31,32と、第1壁部31,32と一体成形されると共に連結部23を軸部材11に連結する第2壁部33(図2参照)と、を備えている。
第1壁部31,32は、軸部材11の軸線O方向の両側に配置される円盤状の部位である。第1壁部31,32の軸線O方向の外側の端面には、軸部材11を挟んで相対する位置に、軸線O方向の内側に凹む凹部(すぐり)37が形成されている(図3参照)。弾性体30のうち凹部37が設けられた方向(図1上下方向)のばね定数を小さくするためである。
第2壁部33(図2参照)は、軸部材11及び連結部23に加硫接着される部位であり、第1壁部31,32と一体成形されている。第2壁部33により、第2壁部33が延びる方向(図1左右方向)のばね定数を、その方向と直交する方向(凹部37が設けられた方向)のばね定数に比べて大きくできる。
第2壁部33には金属製等の剛性材料からなる板状の中間板34が埋め込まれている。これにより、第2壁部33が延びる方向(図1左右方向)のばね定数をより大きくできる。本実施形態では、中間板34は軸部材11に沿って周方向に湾曲した板材である。
第2壁部33は、中間板34によって、軸部材11と中間板34との間の内側部分33aと、中間板34と第部材20(連結部23)との間の外側部分33bと、に区画される。内側部分33aの径方向(図2左右方向)の厚さは、外側部分33bの径方向の厚さよりも薄い。
本実施の形態では、第2壁部33(図1左右方向)を車両の左右方向に配置し、凹部37(図1上下方向)を車両の前後方向に配置する。これにより液封入式防振装置10により、車両の前後方向のばねが軟らかく設定されると共に、車両の左右方向のばねが硬く設定される。特に、液封入式防振装置10によって車両の前後方向の動ばね定数を低く、車両の左右方向の静ばね定数を高くできるので、車両の乗り心地を良くしつつ操縦安定性を高めることができる。
フランジ24の軸線O方向の外側の端面に、第1壁部32に連接したゴム状のストッパ部35が設けられている。ストッパ部35は、第1壁部32及び第2壁部33と一体成形されている。ストッパ部35は、ボルト(図示せず)の頭部と一体化したフランジ状の部材に当接して第1部材20の軸線O方向の移動を制限するための部位である。
軸部材11の突部14(図3参照)に、第1壁部31,32と一体成形されたゴム状のストッパ部36が設けられている。ストッパ部36は、第2部材50に当接して第2部材50の径方向の移動を制限するための部位である。ストッパ部36が第2部材50に当接することにより、弾性体30のうち凹部37が設けられた方向(図1上下方向)のばねをある程度硬くできる。
連結部23(図2参照)の外面(径方向の外側の面)に、ゴム製の外面部38が加硫接着されている。外面部38は、第1壁部31,32と一体成形されている。外面部38は、連結部23と第2部材50との間に配置される。本実施の形態では、一対の連結部23の各々に形成された2つの外面部38のうち、片方(図2右側)の外面部38の第1部39と第2部40との境界に溝41が形成されている。
第2部材50は、サスペンションメンバ(図示せず)に形成された穴部に圧入される部材である。第2部材50は、円筒状の本体部51と、本体部51の軸線O方向の一方の縁に設けられた屈曲部52と、本体部51の軸線O方向の他方の縁に設けられたフランジ53と、フランジ53の外縁に設けられた屈曲部54と、を備えている。
本体部51は、円環部21,22、連結部23、第1壁部31,32及び第2壁部33を取り囲む部位である。円環部21,22、連結部23、第1壁部31,32及び第2壁部33が本体部51に取り囲まれることにより、本体部51と弾性体30との間に液室56,57(図3参照)が形成される。液室56,57にはエチレングリコール等の不凍液(液体)が封入される。外面部38に形成された溝41(図2参照)により、液室56,57を連通するオリフィス58が、本体部51と連結部23との間に形成される。オリフィス58の長さ及び断面積により、液封入式防振装置10の液体の運動による動ばね定数および減衰係数が設定される。
フランジ53は、第1部材20のフランジ24に当接して本体部51の軸線O方向の移動を規制する。本体部51及びフランジ53にそれぞれ形成された屈曲部52,54が径方向の内側に折り曲げられることにより、第1部材20に第2部材50が固定される。本体部51の外周面には、径方向の外側に突出しつつ周方向に延びる環状のゴム部55が、軸線O方向に間隔をあけて複数接着されている。ゴム部55は、サスペンションメンバ(図示せず)の穴部に圧入された第2部材50の抜け止めを図ると共に、圧入された第2部材50の安定性を高める。
液封入式防振装置10は、例えば以下のような方法によって製造される。まず、軸部材11、第1部材20及び中間板34を金型(図示せず)に配置し、金型のキャビティに充填したゴムを軸部材11、第1部材20及び中間板34に加硫接合して、中間部材60(図4~図7参照)を製造する。なお、中間部材60の外面部38の外径は、第2部材50の本体部51の内径よりも少し大きく設定されている。
液槽に貯留した液体の中に第2部材50及び中間部材60を沈めた後、第2部材50のフランジ53側に中間部材60の円環部21側を挿入する。第2部材50の軸線O方向に挿入された中間部材60のフランジ24を第2部材50のフランジ53に突き当てた後、第2部材50の両端に屈曲部52,54を形成して、第2部材50を中間部材60に固定する。これにより、液室56,57及びオリフィス58に液体が収容された液封入式防振装置10が得られる。
次に図4から図7を参照して中間部材60について説明する。図4から図7には、第2部材50の内側に配置される前の中間部材60が図示されている。図4は図1の矢印IV方向から見た中間部材60の正面図であり、図5は図1の矢印V方向から見た中間部材60の側面図である。図6は図5のVI-VI線における中間部材60の断面図であり、図7は図5のVII-VII線における中間部材60の断面図である。
図4及び図5に示すように外面部38は、第1部39及び第2部40を備えている。第1部39は、第2部材50(図2参照)により径方向へ圧縮される部位である。第2部40は第1部39と円環部21との間に配置されている。片方の外面部38(図4右側)の第1部39と第2部40との境界に、周方向へ延びる溝41が、外面部38の周方向の全長に亘って形成されている。もう片方の外面部38(図4左側)は、溝41及びリップ42,43(後述する)が省略されている。2つの外面部38は第1部39が占める面積は同じであり、溝41が省略された外面部38は、溝41が形成された外面部38に比べて、溝41の分だけ第2部40が占める面積が広い。
図4に示すように、軸線Oから第2部40の径方向の外側の面までの距離(第2部40の半径)は、軸線Oから第1部39の径方向の外側の面までの距離(第1距離、第1部39の半径)よりも短い。連結部23は外径が軸線O方向の全長に亘って同一なので、第2部40の径方向の厚さは、第1部の径方向の厚さよりも薄い。
本実施の形態では、第1部39及び第2部40は、連結部23(図2参照)の周方向(図5左右方向)に沿って延びる湾曲した帯状に形成されている。第1部39は、フランジと第2部40との間に形成されている。第2部40の軸線O方向の長さは、第1部39の軸線O方向の長さよりも短い。
溝41が形成された外面部38には、突条状のゴム製の弾性体からなる複数のリップ42,43,44,45が形成されている。リップ42,43は周方向に延び、リップ44,45は軸線O方向に延びる。リップ42は、溝41に近接する第1部39の縁を周方向に延長した延長線上に設けられている。リップ43は、第2部40のうち溝41に近接する縁に沿って、第2部40の周方向のほぼ全長に亘って設けられている。リップ44は、第1部39の周方向の両側の縁に沿って、第1部39の周方向の両側から第2部40にかけて、溝41を除いて設けられている。リップ45は、第1部39の周方向の両側の縁を軸線O方向に延長した延長線上に、溝41を除く外面部38の軸線O方向の全長に亘って設けられている。
軸線Oからリップ42,43,44,45の径方向の外側の先端までの距離(第2距離)は同一である。また、外面部38のうち第1部39が占める面積は、リップ42,43,44,45が占める面積よりも広い。
円環部21の周方向の全長に亘って連続するリップ46が、円環部21の外周面に2本並んで形成されている。同様に、円環部22(図2参照)の周方向の全長に亘って連続するリップ47が、円環部22の外周面に形成されている。リップ46,47は、外面部38や第1壁部31,32に連接するゴム状の弾性体である。軸線Oからリップ46,47の径方向の外側の先端までの距離は同一である。軸線Oからリップ46,47の径方向の外側の先端までの距離は、軸線Oから第2部40の径方向の外側の面までの距離(第2距離)よりも長い。
図6に示すように、軸線Oからリップ43の径方向の外側の先端までの距離(第2距離)は、軸線Oからリップ46,47の径方向の外側の先端までの距離よりも長い。図6及び図7に示すように、軸線Oから第1部39の径方向の外側の面までの距離(第1距離)は、軸線Oからリップ43,44の径方向の外側の先端までの距離と同一である。
本実施の形態では、第2部材50の本体部51は、内径が、中間部材60のリップ46,47の部分の外径よりも小さいものが用いられる。中間部材60は、加硫接着された第2壁部33(弾性体30)の成形収縮により円環部21,22が楕円状に変形し、円環部21,22のうち連結部23が接続する部分の直径が、円環部21,22のそれ以外の部分の直径に比べて小さくなることがある。なお、円環部22はフランジ24が形成されているので、弾性体30の成形収縮による円環部22の変形は、円環部21の変形に比べて少ない。
円環部21,22が変形すると、液槽に貯留した液体の中に第2部材50及び中間部材60を沈めた後、第2部材50の本体部51に中間部材60を挿入したときに、本体部51に倣って楕円状の円環部21,22が円形に復元する。これにより、円環部21,22のうち連結部23が接続する部分の直径が大きくなり、円環部21,22のそれ以外の部分の直径が小さくなる。このときに第2壁部33が引っ張られるので、第2部材50が第2壁部33に与える径方向の圧縮荷重が小さくなり、第2壁部33に引張ひずみが生じ易くなる。よって、第2壁部33(弾性体30)の耐久性が低下するおそれがある。
これに対し、液封入式防振装置10は、連結部23の外面に接着された外面部38に第1部39が設けられている。第1部39の直径は本体部51の内径よりも大きいので、本体部51に中間部材60が挿入され円環部21,22が円形に復元するときに、本体部51は第1部39を径方向に圧縮する。これにより、第1部39は第2壁部33に生じる引張ひずみを抑制するので、第2壁部33(弾性体30)の耐久性を向上できる。
第2壁部33の内側部分33aの径方向の厚さは、第2壁部33の外側部分33bの径方向の厚さよりも薄いので、内側部分33aに比べて体積が大きい外側部材33bの成形収縮は内側部分33aの成形収縮よりも大きくなる。一方、第2部材50に中間部材60を挿入した後は、軸部材11と中間板34との間に挟まれた内側部分33aに比べ、第1部材20と中間板34との間に挟まれた外側部分33bに第2部材50が圧縮荷重を加え易くできる。その結果、成形収縮が原因で生じる第2壁部33の引張ひずみを抑制し易くできる。よって、第2壁部33(弾性体30)の耐久性を向上できる。
本体部51に挿入された中間部材60は、リップ46,47が本体部51に押し潰されて液室56,57がシールされる。本体部51は第1部39を径方向に圧縮すると同時に、リップ42,43,44,45を押し潰す。第2部40の直径は第1部39の直径に比べて小さいので、液室56,57内の液体は第2部40に浸入するおそれがある。そこで、外面部38の軸線O方向の全長に亘って設けられたリップ44により、液室56,57から第2部40への液体の浸入を阻止する。
軸線Oに沿ってリップ44,45が並んで設けられているので、シール性を向上できる。第1部39及びリップ45は軸線Oからの高さが同じに設定されているので、第1部39の周方向の縁はリップの機能を果たし、液室56,57から第1部39への液体の浸入を阻止する。
リップ44とリップ45との間に形成されたリップ42は、オリフィス58(図2参照)からリップ44,45間への液体の浸入を阻止する。第2部40に形成されたリップ43は、オリフィス58から第2部40への液体の浸入を阻止する。
外面部38は、円環部21,22の直径に比べて直径が小さい連結部23の外面に設けられているので、外面部38の径方向の厚さを確保できる。その結果、径方向に圧縮される第1部39の厚さやオリフィス58の断面積に影響を及ぼす溝41の深さ等の設計の自由度を確保できる。
中間部材60は、第2部材50の内側に中間部材60が配置される前の状態において、軸線Oから第1部39の径方向の外側の面までの第1距離は、軸線Oからリップ42,43,44,45の径方向の外側の先端までの第2距離と同じである。これにより、径方向の内側へ突出する部分(第1部39を圧縮する部分)のある第2部材を用いなくても、円筒状の第2部材50を用いて第1部39に圧縮荷重を与えられる。その結果、第2部材50を中間部材60の外側に組み付けるときに第2部材50の方向性を考慮しなくて済む。よって、中間部材60に第2部材50を組み付けるときの作業性を向上できる。
中間部材60は、第2部材50の内側に中間部材60が配置される前の状態において、軸線Oから第2部40の径方向の外側の面までの距離は、軸線Oから第1部39の径方向の外側の面までの第1距離よりも短く、且つ、第2部40の径方向の厚さは第1部39の径方向の厚さよりも薄いので、第2部40の体積を第1部39の体積より小さくできる。よって、第2部材50の摩擦による第2部40の変形量を、第1部39の変形量よりも少なくできる。
その結果、中間部材60の外面部38を第2部材50に接触させながら第2部40側から中間部材60を第2部材50へ挿入するときに、第2部40(溝41)の変形によってオリフィス58の断面積が狭くなり難くできる。オリフィス58の断面積の設計値からのずれ量を少なくできるので、液体の運動による動ばね定数および減衰係数の設計値からのずれ量を少なくできる。
第2部40の軸線O方向の長さは、第1部39の軸線O方向の長さよりも短いので、第2部40の軸線O方向の長さと第1部39の軸線O方向の長さとが同じ場合に比べて、第1部39によって第2壁部33に圧縮荷重が作用する断面積を拡大できる。その結果、第2壁部33に引張ひずみをより生じ難くできるので、第2壁部33の耐久性をより向上できる。
液封入式防振装置10は、第2部材50に中間部材60を挿入(圧入)することにより製造されるので、中間部材60を第2部材50に挿入した後、第2部材50に絞り加工を施し第2部材50の直径を小さくする工程(縮径加工)を不要にできる。よって、液封入式防振装置10の製造工程を簡素化できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、リップ42,43,44,45の数や位置、第1部39及び第2部40の形状や大きさ等は適宜設定できる。
実施の形態では、自動車のサスペンション等を車体に弾性支持するボディマウントに液封入式防振装置10を適用した場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。液封入式防振装置10は、自動車のエンジンマウントやモータマウント、デフマウント等の他、自動車以外の各種振動体の防振装置としても適用可能である。
実施の形態では、第2部40よりも直径の大きな第1部39を外面部38に設けた中間部材60を準備して、円筒状の内面をもつ本体部51(第2部材50)の内側に中間部材60を嵌める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。外面部38の直径を軸線O方向の全長に亘って(溝41は除く)同一にすることは当然可能である。この場合には、本体部51の内面に径方向の内側へ突出する部分(以下「凸部」と称す)を設け、外面部38の一部を凸部で径方向に圧縮して、第2壁部33に径方向の圧縮荷重を与える。外面部38のうち凸部が強く押し付けられた部分が第1部である。これにより、実施の形態と同様に第2壁部33の引張ひずみを抑制できるので、第2壁部33(弾性体30)の耐久性を向上できる。
実施の形態では、外面部38に形成された溝41が円環部21,22に沿って延び、溝41の幅が溝41の全長に亘って同一の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。液封入式防振装置に要求される動ばね定数や減衰係数に応じて、溝41の形状や長さ、溝41が延びる方向は適宜設定できる。例えば、円環部21,22と斜めに交わるように溝41を設けたり、溝41の幅や深さを部分的に変更したりすることは当然可能である。
実施の形態では、外面部38に形成された溝41を利用して第2部材50との間でオリフィス58を形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。特許文献1のように、外周面に溝が形成されたオリフィス部材を採用し、オリフィス部材の溝を液室56,57に連通させ、オリフィス部材の溝を利用して第2部材50との間でオリフィスを形成することは当然可能である。オリフィス部材の材質は、金属製や硬質の合成樹脂製など適宜選択される。オリフィス部材を用いる場合には、オリフィス部材の一部が外面部38と第2部材50との間で保持され、オリフィス部材が固定される。
実施の形態では、第2部材50に中間部材60を圧入し、第2部材50に絞り加工を施すことなく製造される液封入式防振装置10について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2部材50に中間部材60を挿入した後、第2部材50に絞り加工を施して液封入式防振装置を製造することは当然可能である。この場合にも、連結部23の外面に第1部39を設け、第2部材50の絞り加工によって第1部39を径方向へ圧縮して第2壁部33の引張ひずみを抑制できるので、耐久性を向上できる。
実施の形態では、弾性体30の第1壁部31,32に凹部37(すぐり)が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。凹部37を省略することは当然可能である。
実施の形態では、第2部材50と干渉するストッパ部36を弾性体30に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1壁部31,32の剛性が高く設定される場合には、ストッパ部36を省略することは当然可能である。また、上記のオリフィス部材を用いる場合には、ストッパ部36を省略して、オリフィス部材によって軸部材11と第2部材50との径方向の相対移動を制限することは当然可能である。
実施の形態では、第2壁部33に中間板34が埋め込まれた場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2壁部33に要求されるばね特性に応じて、中間板34を省略することは当然可能である。中間板34の材質は、弾性体30よりも剛性の高い金属製や合成樹脂製など適宜設定できる。第2壁部33に要求されるばね特性に応じて、厚さ方向に貫通する穴を中間板34に開けることは当然可能である。
実施の形態では、軸線Oから第1部39の径方向の外側の面までの距離(第1距離)が、軸線Oからリップ42,43,44,45の径方向の外側の先端までの距離(以下「第3距離」と称す)と同一の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。リップ42,43,44,45によるシール圧力を確保しながら、第1距離を第3距離よりも少し長くすることは当然可能である。この場合も、第1部39を径方向へ圧縮して第2壁部33の引張ひずみを抑制しつつ、リップ42,43,44,45によるシール性を確保できる。
10 液封入式防振装置
11 軸部材
20 第1部材
21,22 円環部
23 連結部
30 弾性体
31,32 第1壁部
33 第2壁部
33a 内側部分
33b 外側部分
34 中間板
50 第2部材
56,57 液室
58 オリフィス
60 中間部材
O 軸線

Claims (3)

  1. 軸線の方向へ延びる軸部材と、
    前記軸部材を取り囲む円筒状の第1部材と、
    前記第1部材と前記軸部材とを連結するゴム状の弾性体と、を備える中間部材と、
    前記中間部材の径方向の外側に配置される円筒状の第2部材と、を備え、
    前記第1部材は、前記軸線の方向に間隔をあけて配置される一対の円環部と、前記一対の円環部を連結すると共に前記軸線を挟んで配置される一対の連結部と、を備え、
    前記弾性体は、前記円環部の各々の全周を前記軸部材に連結する一対の第1壁部と、前記第1壁部と一体成形されると共に前記連結部の各々を前記軸部材に連結する第2壁部と、を備え、前記第2壁部が区画する液室をオリフィスが連通する液封入式防振装置であって、
    前記軸部材と前記第1部材との間に周方向に間隔をあけてそれぞれ配置され前記第2壁部から前記第1壁部にかけて埋め込まれた中間板(ただし、前記第1壁部のうち前記第2壁部が前記軸線の方向に位置しない部分に埋め込まれるものを除く)を備え、
    前記中間板は、前記弾性体よりも剛性が高い液封入式防振装置。
  2. 前記第2壁部のうち前記軸部材と前記中間板との間の内側部分の径方向の厚さは、前記第2壁部のうち前記中間板と前記第1部材との間の外側部分の径方向の厚さよりも薄い請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液封入式防振装置が車両に配置された防振構造であって、
    前記液封入式防振装置は、前記液室が、前記車両の前後方向を向いて配置され、前記第2壁部が、前記車両の左右方向を向いて配置される防振構造。
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