JP2006250340A - 液封入式防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車の操縦安定性の向上を図りつつ、内筒と外筒との間のゴム状弾性体の耐久性を向上させることができる防振装置を提供する。
【解決手段】圧縮力作用手段40を構成するに、内筒1の軸芯O方向一端側ほど中間筒7側に位置する第1傾斜面41と、内筒1の軸芯O方向他端側ほど内筒1側に位置する第2傾斜面43とを、これら第1及び第2傾斜面41,43でゴム状弾性体3を挟み込む状態に設ける。これにより、ゴム状弾性体3に圧縮力及びせん断力を作用させ、軸芯方向のばね定数を大きくすることで、操縦安定性の向上を図る。
【選択図】 図13
【解決手段】圧縮力作用手段40を構成するに、内筒1の軸芯O方向一端側ほど中間筒7側に位置する第1傾斜面41と、内筒1の軸芯O方向他端側ほど内筒1側に位置する第2傾斜面43とを、これら第1及び第2傾斜面41,43でゴム状弾性体3を挟み込む状態に設ける。これにより、ゴム状弾性体3に圧縮力及びせん断力を作用させ、軸芯方向のばね定数を大きくすることで、操縦安定性の向上を図る。
【選択図】 図13
Description
本発明は、内筒と、中間筒と、前記内筒を挟んで位置し前記内筒と中間筒との間に加硫成形される一対のゴム状弾性体と、前記内筒および中間筒の周方向で前記一対のゴム状弾性体の間に形成される一対の液室と、それら一対の液室を連通させるオリフィスと、前記中間筒が内嵌される外筒とを備え、前記中間筒が内嵌された外筒にその外径寸法を縮径させる絞り加工が施された液封入式防振装置に関するものである。
上記の防振装置の一例として、自動車のリヤーサスペンションのフロントメンバーと車体フレームとの間に設けられる液封入式防振装置がある。この防振装置は、フロントメンバー側の縦カラーに外筒が圧入され、内筒に挿通させた連結ボルトで車体フレームに連結固定される。
そして、振動の入力でゴム状弾性体が弾性変形し、内筒と外筒とが相対変位して両液室の容積が変化すると、液体がオリフィスを介して両液室間で流動し、その液体流動効果によって優れた振動減衰効果を得ている。
従来、上記の液封入式の防振装置は、例えば、特開平11−268551号公報に開示されるように、ゴム状弾性体が加硫成形される内筒部分の外周面と中間筒部分の内周面を、共に内筒及び外筒の軸芯に平行な平滑面に形成してあった(特許文献1)。
特開平11−268551号
しかしながら、上記従来の構成によれば、内筒と外筒とがそれらの軸芯方向(以下、「上下方向」という)に相対変位する場合、ゴム状弾性体にはせん断力が作用するだけで、ゴム状弾性体の上下方向のばね定数が小さくなっていた。そのために、自動車のロール方向の剛性が弱く、操縦安定性の向上が望まれていた。
前記ばね定数を上げる手段として、前記内筒部分から中間筒部分側に直角に張出す張出し部と、中間筒部分から内筒部分側に直角に張出す張出し部とを、前記ゴム状弾性体を上下方向で挟み込む状態に設け、振動に伴って両張出し部でゴム状弾性体を上下方向で押圧する構造が考えられるが、この構造によれば、内筒や中間筒に対して直角になった両張出し部でゴム状弾性体を押圧するために、ゴム状弾性体に作用する圧縮力が大きくなり過ぎて、ゴム状弾性体の耐久性が低下する。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、自動車の操縦安定性の向上を図りつつ、内筒と外筒との間のゴム状弾性体の耐久性を向上させることができる液封入式防振装置を提供する点にある。
この目的を達成するために、請求項1記載の液封入式防振装置は、内筒と、中間筒と、前記内筒を挟んで位置し前記内筒と中間筒との間に加硫成形される一対のゴム状弾性体と、前記内筒および中間筒の周方向で前記一対のゴム状弾性体の間に形成される一対の液室と、それら一対の液室を連通させるオリフィスと、前記中間筒が内嵌される外筒とを備え、前記中間筒が内嵌された外筒にその外径寸法を縮径させる絞り加工が施されたものであり、前記ゴム状弾性体に前記内筒および外筒の軸芯方向の圧縮力を作用させ前記一対のゴム状弾性体ごとに設けられる圧縮力作用手段を備え、その圧縮力作用手段は、前記内筒および中間筒の軸芯方向一端側ほど前記中間筒側に位置する第1傾斜面を有する内筒側の壁部と、前記内筒および中間筒の軸芯方向他端側ほど前記内筒側に位置する第2傾斜面を有する中間筒側の壁部とを備えると共に、前記第1傾斜面と第2傾斜面とで前記ゴム状弾性体を挟み込むように構成され、前記内筒側の壁部は、前記内筒を径方向外方側へ突出させて形成されると共に、前記中間筒側の壁部は、前記中間筒を折曲した折曲部として形成され、前記ゴム状弾性体は、前記中間筒の折曲部の背面側に加硫成形される背面側ゴム部を備え、前記オリフィスは、前記中間筒の折曲部と前記外筒との間に位置するように、前記背面側ゴム部の外周面に形成され、前記背面側ゴム部は、前記中間筒の外周面よりも径方向外方側へ突出されており、前記外筒が前記絞り加工される際に前記外筒と前記中間筒の折曲部との間で圧縮されるように構成されている。
請求項2記載の液封入式防振装置は、請求項1記載の液封入式防振装置において、前記ゴム状弾性体は、前記中間筒の外周面に加硫成形され、その中間筒の軸心方向に延びる凸条状の縦方向リップ部と、前記中間筒の周方向に延びる凸条状の周方向リップ部とを備え、前記縦方向リップ部および周方向リップ部は、前記背面側ゴム部と略同一の高さで前記中間筒の外周面から突出すると共に、前記縦方向リップ部は、その一端側が前記周方向リップ部に接続され、他端側が前記背面側ゴム部に接続されている。
請求項3記載の液封入式防振装置は、請求項2記載の液封入式防振装置において、前記絞り加工は、被圧入部への圧入方向先端側が先細となるテーパ形状に前記外筒の一部を縮径させるものであり、前記背面側ゴム部および前記縦方向リップ部の少なくとも一部は、前記絞り加工によりテーパ形状に縮径される前記外筒のテーパ形状縮径部に対応する位置に形成されている。
請求項4記載の液封入式防振装置は、請求項3記載の液封入式防振装置において、前記外筒のテーパ形状縮径部は、その圧入方向先端側が前記背面側ゴム部に対応して位置するように構成されている。
請求項5記載の液封入式防振装置は、請求項3又は4に記載の液封入式防振装置において、前記中間筒は、前記外筒のテーパ形状縮径部に対応してテーパ状に縮径する中間筒縮径部を備えている。
請求項1記載の液封入式防振装置によれば、内筒と外筒とがそれらの軸芯方向に相対変位すると、それに伴って内筒側の壁部の第1傾斜面と中間筒側の壁部の第2傾斜面とでこれらの間のゴム状弾性体(あるいはゴム状弾性体部分)を押圧する。これにより、ゴム状弾性体に圧縮力及びせん断力を作用させ、内筒及び中間筒の軸芯方向(上下方向)のゴム状弾性体のばね定数を大きくすることができるという効果がある。その結果、自動車のロール方向の剛性を強くして、操縦安定性の向上を図ることができる。
また、例えば、内筒部分から中間筒部分側に直角に張出す張出し部と、中間筒部分から内筒部分側に直角に張出す張出し部とでゴム状弾性体を押圧する構成に比べると、前記圧縮力を小さくすることができ、ゴム状弾性体に作用する圧縮力が大きくなり過ぎるのを抑制することができるという効果がある。その結果、ゴム状弾性体の耐久性の向上を図ることができる。
そして、オリフィスを背面側ゴム部の外周面に形成し、中間筒の折曲部と外筒との間に位置するようにしたので、従来の液封入式防振装置のように、オリフィスを囲うためのオリフィス金具を別途設ける必要がなく、中間筒の折曲部を第2傾斜面部としてだけでなくオリフィス金具としても兼用することができるので、その分、部品コストの削減を図ることができるという効果がある。
また、中間筒の折曲部の背面側(背面側ゴム部)にオリフィスを形成する構成とすることで、オリフィス形成スペースを十分に確保することができるので、前記上下方向のばね定数に影響を与えることなく(即ち、中間筒部分から内筒側に張り出す折曲部の形状を変更することなく)、オリフィスの流路径を適宜拡大縮小することができるという効果がある。その結果、大幅な設計変更を行うことなく、所望の減衰特性を容易に得ることができるという効果がある。
更に、オリフィスを背面側ゴム部に形成すると共に、その背面側ゴム部を中間筒の外周面よりも径方向外方側へ突出させて、外筒を絞り加工する際に背面側ゴム部が外筒と中間筒の折曲部との間で圧縮されるように構成したので、隙間の発生による液体の漏出(リーク)を効果的に抑制して、オリフィス流路を確実に形成することができるという効果がある。
即ち、外筒に絞り加工を施すと、その加工力によって中間筒も径方向内方へ縮径される一方、外筒と中間筒とではその形状や剛性が相違するため変形形状やスプリングバック量が一致せず、中間筒と外筒との間に隙間が生じ易すい。そのため、その隙間を介してオリフィスから液体が漏出(リーク)することで、オリフィスが短絡するという問題点や、一対の液室間を連通する第2(又は、それ以上)の経路がオリフィスとは別に形成されてしまうという問題点があった。
これに対し、請求項1記載の液封入式防振装置によれば、背面側ゴム部を中間筒の外周面から径方向外方側へ突出させたので、外筒を絞り加工する場合には、背面側ゴム部が圧縮変形することで、外筒と中間筒との変形差を吸収して、前記隙間の発生を確実に抑制することができる。その結果、オリフィスからの液体の漏出(リーク)等を確実に抑制することができる。
しかも、背面側ゴム部は、中間筒の折曲部の背面側に設けられているので、そのゴム厚さを十分に確保することができる。よって、背面側ゴム部の圧縮変形を効果的に利用して、外筒の絞り加工に伴う中間筒の変形を有効に抑制することができ、その結果、前記隙間の発生を確実に抑制することができる。
請求項2記載の液封入式防振装置によれば、請求項1記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、中間筒の外周側には、その軸心方向に延びる縦方向リップ部及び周方向に延びる周方向リップ部が設けられているので、外筒を絞り加工した際には、これら各リップ部が圧縮変形されることで、外筒と中間筒との間に隙間が形成されること、特に、一対の液室間を連通する別の経路が形成されることを確実に抑制することができるという効果がある。
しかも、これら各リップ部は、凸条状に形成されているので、外筒が絞り加工される際には、各リップ部が圧縮変形して、中間筒と外筒との変形差を吸収して、中間筒と外筒との間に隙間が形成されることを効果的に抑制することができるという効果がある。即ち、中間筒の外周面全体にゴム状弾性体を加硫成形したのでは、中間筒と外筒との間隔が狭いので、外筒を絞り加工する際の加工力による中間筒の変形量が大きくなり過ぎて、前記隙間が形成されやすくなる。
請求項3記載の液封入式防振装置によれば、請求項2記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、前記外筒の一部は、被圧入部への圧入方向先端側が先細となるテーパ形状に縮径されるので、その圧入性の向上を図ることができるという効果がある。
この場合、外筒の一部をテーパ形状に縮径(絞り加工)すると、外筒(テーパ形状縮径部)と中間筒との間に隙間がより発生し易くなるところ、請求項3記載の液封入式防振装置によれば、外筒のテーパ形状縮径部に対応する位置には、背面側ゴム部及び縦方向リップ部の少なくとも一部が配設されているので、外筒(テーパ形状縮径部)と中間筒との間に隙間が形成されることを確実に抑制することができる。
なお、このような外筒のテーパ形状の縮径は、従来のシール構造では付与することが困難であり、本発明のように背面側ゴム部および縦方向リップ部を対応する位置に設けることで初めて付与可能となったものであり、これにより圧入性の向上とシール性の確保とを同時に達成することができる。
請求項4記載の液封入式防振装置によれば、請求項2記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、外筒のテーパ形状縮径部は、その圧入方向先端側が背面側ゴム部に対応して位置するように構成されている。即ち、テーパ形状の絞り加工により変形が最も大きくなる部位に背面側ゴム部が配置されるので、前記隙間の発生を効果的に抑制して、液体の漏出(リーク)によるオリフィスの短絡や、液室間を連通する第2(又は、それ以上)の経路がオリフィスとは別に形成されてしまうことを確実に抑制することができるという効果がある。
請求項5記載の液封入式防振装置によれば、請求項3又は4に記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、中間筒は、外筒のテーパ形状縮径部に対応してテーパ状に縮径する中間筒縮径部を備えているので、外筒を絞り加工する際に中間筒が変形してしまうことをより一層抑制することができるという効果がある。その結果、前記隙間の発生を抑制して、液体の漏出(リーク)等を確実に抑制することができる。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例における液封入式防振装置100の上面図である。また、図2は、図1のII−II線における液封入式防振装置100の断面図であり、図3は、図2のIII−III線における液封入式防振装置100の断面図である。
まず、これら図1から図3を参照して、液封入式防振装置100の全体構成について説明する。なお、図2では、液封入式防振装置100が自動車のリヤーサスペンションのフロントメンバーと車体フレーム30との間に取着された状態を図示している。
この液封入式防振装置100は、内筒1と外筒2との間に、内筒1を挟んで位置する一対のゴム状弾性体3を介在させるとともに、一対の液室4と、それら一対の液室4を互いに連通させるオリフィス5とを備えて構成されている。そして、外筒2をフロントメンバーに設けた縦カラー6に圧入して、内筒1に挿通させた連結ボルトBにより車体フレーム30に連結固定される。
各部の構造について説明すると、内筒1と、これを囲む中間筒7の後述する縦壁9(図7及び図8参照)との間に前記一対のゴム状弾性体3を加硫成形し、これら一対のゴム状弾性体3で防振基体10を構成している。
中間筒7は、外筒2に内嵌圧入されている。符号Oは、内筒1、外筒2及び中間筒7の軸芯である。中間筒7は、外筒2に圧接されると共に軸芯方向両端側の全周にリング状に形成される一対のリング部8と、それら一対のリング部8同士を互いに連結する一対の互いに対向した縦壁9とから成り、中間筒7の周方向で両縦壁9の間を開口させてある(図7及び図8参照)。なお、一対の縦壁9は、中間筒7の軸芯Oに対して点対称に位置している。
液室4は、図2及び図3に示すように、内筒1及び外筒2の周方向で一方のゴム状弾性体3と他方のゴム状弾性体3との間の空間を、内筒1及び外筒2の軸芯O方向両外方側から一対の互いに対向するゴム壁11A,11Bで各別に覆われて形成されている。
ゴム壁11A,11Bは、図2及び図3に示すように、ゴム状弾性体3と一体に加硫成形されると共に、中間筒7のリング部8の内周面と、内筒1及び外筒2の周方向で両ゴム状弾性体3の間に位置する内筒1の外周面とに加硫接着されている。
内筒1は、図2及び図3に示すように、一対のゴム壁11A,11Bの間に位置する部分が突出されると共に、この突出部50がゴム壁11A,11Bと連なるゴム部材12で覆われている。これにより、内筒1の突出部分50がストッパ部13として形成されている。
このストッパ部13が外筒2の内周面に当接することで、内筒1と外筒2の相対変位を所定の範囲内に抑え、内筒1と外筒2の過剰な相対変位を防止する。
内筒1の外周面は、図2に示すように、ゴム膜14により覆われており、このゴム膜14は、ゴム壁11A,11Bと連なっている。
内筒1は、図2に示すように、外筒2との間にゴム状弾性体3を介在させる内筒本体15と、この内筒本体15の軸芯方向の一端部に拡径して形成される大径部16とを備え、その大径部16に筒部材18が内嵌圧入されて構成されている。
筒部材18は、図2に示すように、内筒1の大径部16に内嵌圧入される圧入筒部17と、内筒1の大径部16よりも大径に形成され径方向外方へ張り出すフランジ部19とを備え、フランジ部19の一端面20が車体フレーム30の取付け面35に当接するよう構成されている。
筒部材18は鍛造により形成されており、この鍛造の際にフランジ19の一端面20が表面粗し加工されている。これにより、一端面20と車体フレーム30の取付け面35との滑りを抑制することができる。
内筒1の大径部16に対する筒部材18の圧入筒部17の圧入は、中間筒7と内筒1との間にゴム状弾性体3を加硫成形した後に行う。この製造方法により製造することで、加硫成形の際、内筒1の外周面と中間筒7の内周面との間の全幅にわたって中型を配置することができ、ゴム状弾性体3の自由長を十分長く確保できて、ゴム状弾性体3の耐久性を向上させることができる。
外筒2は、液封入式防振装置100の製作過程において、中間筒7等を収容した状態で液体中で絞り加工(縮径加工)が施されると共に、上端部(図2上側)が径方向内方側に折り曲げられている。これにより、上述のように中間筒7のリング部8が外筒2に圧接し、液室4内に液体が封入される。
図2に示すように、内筒1の他端面(この面も表面粗し加工されている)には、座金32が圧接され、連結ボルトBに螺号されたナットNと座金32との間には、ストッパ金具31が介在する。内筒1が大きく上昇した場合には、ストッパ金具31が外筒2のストッパゴム33に当接されることで、内筒1の変位が所定の範囲内に抑えられる。
このように構成された液封入式防振装置100が車体フレーム30に連結固定された状態では、筒部材18のフランジ部19の一端面20が車体フレーム30の取付け面35に圧接されている。そして、この液封入式防振装置100に振動が入力されると、防振基体10が弾性変形して内筒1と外筒2とが相対変位(例えば、自動車の前後方向に変位)する。これに伴ってゴム壁11A,11Bが弾性変形して両液室4の容積が変化し、液体がオリフィス5を通って両液室4間で流動する。この液体流動効果によって優れた振動減衰効果を得ることができる。
次いで、図4及び図5を参照して、内筒1の詳細構成について説明する。図4は、内筒1の上面図であり、図5は、図4のV−V線における内筒1の断面図である。
内筒1は、図4及び図5に示すように、径方向外方へ向けて突出する突出部50,51を備えている。これら突出部50,51は、樹脂材料から構成されるものであり、内筒1の外周面に一体に成形されている。なお、内筒1の外周面には、所定のピッチ及び深さを有するおねじ状の螺旋溝15aが刻設されており、突出部50,51の保持強度(抜け及び回転防止強度)の向上が図られている。
これら突出部50,51は、図4に示すように、それぞれ軸心Oを挟んで対称に配設されている。突出部50は、上述したように、ストッパ部13として機能する部位であり、その表面がゴム部材12により覆われる(図2参照)。
一方、突出部51は、後述する圧縮力作用手段40として機能する部位であり(図11参照)、その外周面は、図4に示すように、上面視において軸心Oと同心の円弧状に湾曲して形成されている。
また、突出部51は、図5に示すように、内筒1の径方向外方に向けて凸の断面視略台形状に形成されており、後述する圧縮力作用手段40として機能する壁部42が形成されている。なお、壁部42の下側(図5下側)の傾斜面が第1傾斜面41とされており、その傾斜角はθ1とされている(図11参照)。
次に、図6から図8を参照して、中間筒7の詳細構成について説明する。図6は、中間筒7の上面図である。図7(a)は、図6のVIIa−VIIa線における中間筒7の断面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb部における中間筒7の部分拡大断面図である。また、図8は、図6の矢印VIII方向から見た中間筒7の側面図である。
中間筒7は、図6から図8に示すように、外筒2に圧接される軸芯O方向両端側の一対のリング部8と、それら一対のリング部8同士を互いに連結する一対の互いに対向した縦壁9とを備え、中間筒7の周方向で両縦壁9の間が開口されている。また、中間筒7の上端部(図7及び図8上側)には、フランジ部45がリング部8から径方向外方に張り出して形成されている。このフランジ部45には、外筒2の上端部が折り曲げられて、かしめ固定される(図2参照)。
中間筒7の縦壁9には、後述する圧縮力作用手段40として機能する壁部44が形成されている。壁部44は、図7に示すように、縦壁9を断面略く字状に折曲して形成されており、その上側(図7上側)の傾斜面が第2傾斜面43とされている。
第2傾斜面43は、図7に示すように、軸心Oに対する傾斜角がθ2とされている。また、第1傾斜面43には、貫通孔43aが穿設されており、これにより、加硫成形時のゴムの流動を円滑として、後述する背面側ゴム部52(図11参照)の成形不良の低減が図られている。
なお、貫通孔43aの穿設位置は、壁部44の下側の傾斜面であっても良い。その分、第1傾斜面43の有効面積を拡大して、面積圧縮力作用手段40としての機能をより発揮させることができる。
中間筒7の縦壁9は、図7(b)に示すように、フランジ部45側から壁部44(第2傾斜面43)側へ向けて先細のテーパ形状に縮径して形成される中間筒縮径部46を備える。この中間筒縮径部46は、後述するように、外筒2を絞り加工する際に中間筒2(縦壁9)が変形することを防止するための部位であり、時軸心Oに対して傾斜角θ3で傾斜されている。
中間筒縮径部46の傾斜始点は、図8に示すように、フランジ部46側に位置するリング部8の下端縁(開口部の上端縁)に略一致し、傾斜終点は、第2傾斜面43(壁部44)との接続部である。
次に、図9を参照して、外筒2の詳細構成について説明する。図9は、外筒2の断面図であり、後述する絞り加工を施す前の状態を図示している。
外筒2は、図9に示すように、段差付きの略円筒状に形成されており、段差部の下側(図9下側)が小径部47とされると共に、段差部の上側(図9上側)が大径部48とされている。
なお、大径部48と小径部47との接続部(即ち、段差部)は、中間筒7の壁部44の下端部位置に略一致するように構成されている(図13参照)。よって、外筒2の後述する絞り加工においてテーパ形状に縮径される部位(テーパ形状縮径部)は、縦カラー6(図2参照)に対する圧入方向先端側が、背面側ゴム部52(図13参照)に対応する位置となるように構成される。
即ち、テーパ形状の絞り加工により変形が最も大きくなる部位に背面側ゴム部52(図13参照)が配置されるので、後述するように、外筒2と中間筒7との間の隙間の発生を効果的に抑制して、液体の漏出(リーク)によるオリフィス5の短絡や、一対の液室4間を連通する経路がオリフィス5とは別に形成されてしまうことを確実に抑制することができる。
小径部47の下端部は、図9に示すように、径方向内方へ向けて断面略L字状に折曲され、その折曲部には、上述したストッパゴム33が加硫接着されている。一方、大径部48の上端部には、フランジ部49が径方向外方に張り出して形成されている。
なお、小径部47は、その外径寸法を小径とすることで、外筒2を縦カラー6(図2参照)に圧入する際の位置決めや仮固定を可能として、その圧入作業の向上を図る機能を有する部位である。
ところで、外筒2には、その内周側に中間筒7等を収納した後、その外径寸法を縮径する絞り加工が施されるが、この絞り加工は、外筒2の大径部48の一部をテーパ形状に縮径加工するものである。そのため、この絞り加工において、外筒2全体を縮径加工して、段差(即ち、小径部47)を形成しようとすると、小径部47の下端部(折曲部)が径方向外方へ拡径してしまい、中間筒7を保持できないなどの不具合が生じるので、外筒2には、図9に示すように、絞り加工前に予め小径部47が形成されている。
次いで、図10から図12を参照して、ゴム状弾性体3が加硫成形された内筒1及び中間筒7について説明する。
図10は、ゴム状弾性体3が加硫成形された内筒1及び中間筒7の断面図であり、外筒2に内嵌圧入される前の状態を図示している。また、図11は、中間筒7等の部分拡大図であり、図12は、ゴム状弾性体3が加硫成形された内筒1及び中間筒7を図10の矢印XII方向から見た側面図である。
圧縮力作用手段40としての第1及び第2傾斜面41,43は、図11に示すように、互いに平行に形成されており(θ1=θ2)、これら第1及び第2傾斜面41,43でゴム状弾性体3を挟み込むように構成されている。
なお、軸心Oに対する傾斜角度θ1,θ2は、本実施例では、25°に設定されている。また、軸芯O方向視において第1傾斜面41と第2傾斜面43とは重複しないように形成されている。
内筒1が外筒2に対して軸芯O方向に相対変位すると、それに伴って内筒1側の壁部42の第1傾斜面41と中間筒7側の壁部44の第2傾斜面43とでこれらの間のゴム状弾性体3を押圧する。これにより、ゴム状弾性体3に圧縮力及びせん断力を作用させ、軸芯O方向(上下方向)のばね定数を大きくすることができ、その結果、自動車のロール方向の剛性を強くすることができる。
図12に示すように、ゴム状弾性体3は、中間筒7を断面略く字状に折曲形成した壁部44の背面部分(図11右側)にも加硫成形されており、これにより背面側ゴム部52が形成されると共に、壁部44がゴム状弾性体3内に埋設されている。
背面側ゴム部52は、図11に示すように、壁部44の背面に対応する範囲に形成されると共に、中間筒7(フランジ部45側のリング部8)の外周面よりも径方向外方(図11右側)へ高さaだけ突出して形成されている。なお、本実施例では、高さaが略1mmとされている。
このように、背面側ゴム部52を中間筒7の外周面よりも径方向外方側へ突出させているので、後述するように外筒2を絞り加工する際には、その外筒2と中間筒7(壁部44)との間で背面側ゴム部52を圧縮変形させることができる。よって、隙間が形成されることなく、後述するようにオリフィス5を確実に形成して、液体の漏出(リーク)によるオリフィス5の短絡や、両液室4間を連通する経路がオリフィス5とは別に形成されることを効果的に抑制することができる。
即ち、外筒2に絞り加工を施すと(図13参照)、その加工力によって中間筒7も径方向内方へ縮径される一方、外筒2と中間筒7とではその形状や剛性が相違するため変形形状やスプリングバック量が一致せず、中間筒と外筒との間に隙間が生じ易すい。そのため、隙間がオリフィス5の短絡経路となるという問題点や、一対の液室4間を連通する第2(又は、それ以上の)経路がオリフィス5とは別に形成されてしまうという問題点があった。
これに対し、本発明の液封入式防振装置100によれば、背面側ゴム部100を中間筒7の外周面から径方向外方側へ突出させたので、外筒2を絞り加工する場合には、背面側ゴム部52が圧縮変形することで、外筒2と中間筒7との変形差を吸収して、前記隙間の発生を確実に抑制することができる。その結果、オリフィスからの液体の漏出(リーク)や別の経路が形成されることを抑制することができる。
しかも、背面側ゴム部52は、中間筒7の壁部44の背面側に設けられているので、そのゴム厚さを十分に確保することができる。よって、背面側ゴム部52の圧縮変形を効果的に利用して、外筒2の絞り加工に伴う中間筒7の異常変形を有効に抑制することができ、その結果、前記隙間の発生を確実に抑制することができる。
なお、背面側ゴム部52の上下端(図11上側及び下側)は、図11に示すように、テーパ状に傾斜して形成され、その結果、背面側ゴム部52は、径方向外方側(図11右側)へ突出する(径方向外方側を短辺とする)断面視略台形状に形成されている。
なお、本実施例では、背面側ゴム部52の上側及び下側のテーパ状の傾斜部は、軸心O方向長さがそれぞれ4mm及び6mmとされている。この傾斜部の長さは、背面側ゴム部52の軸心O方向長さの略20%以上に設定することが好ましく、略30%以上とすることが更に好ましい。上側の傾斜部よりも下側の傾斜部を長く構成すると共に、それら傾斜部の合計長さを十分に確保することで、後述するように、背面側ゴム部52をより均一に圧縮変形させることができ、前記隙間の発生をより確実に抑制することができるからである。
また、背面ゴム部52の外周面は、図12に示すように、後述する凹溝52aの形成部を除き平坦面として形成されると共に、軸心O方向視においては、軸心Oを中心とする円弧上に湾曲して形成されている。
このように、背面側ゴム部52の上下端(図11上側及び下側)を傾斜させると共に、外周面を平坦面として構成することにより、外筒2を絞り加工する際にかかる背面側ゴム部52を均一に圧縮変形することでき、外筒2の内周面との間に隙間ができることをより確実に抑制することができる。
背面側ゴム部52の外周面には、図11及び図12に示すように、断面半円状の凹溝52aが凹設されており、中間筒7が外筒2に内嵌圧入された場合には、この凹溝52aと外筒2の内周面との間にオリフィス5(図2、図3及び図13参照)が形成される。
このように、オリフィス5は、背面側ゴム部52の外周面に形成されることで、中間筒7の壁部44と外筒2との間に位置するように構成されているので、従来の液封入式防振装置のように、オリフィスを囲うためのオリフィス金具を別途設ける必要がなく、中間筒7の壁部44を第2傾斜面部43としてだけでなく、オリフィス金具としても兼用することができるので、その分、部品コストの削減を図ることができる。
また、中間筒7の壁部44の背面側(背面側ゴム部52)にオリフィス5を形成することで、オリフィス形成スペースを十分に確保することができるので、オリフィス5の流路径を適宜拡大縮小する場合でも、壁部44の形状を変更する必要がなく、上下方向のばね定数に影響を与えることを回避することができる。その結果、大幅な設計変更を行うことなく、所望の減衰特性を容易に得ることができる。
ゴム状弾性体3は、中間筒7の外周面全体にも加硫成形され、図12に示すように、軸心O方向に延びる複数本(本実施例では、合計9本)の縦方向リップ部53と、周方向全周にわたって延びる複数本(本実施例では、合計4本)の周方向リップ部54とを備えている。
これら各リップ部53,54は、断面略半円状の凸条状に形成されており、その頂部の高さは、図11に示すように、背面側ゴム部52の外周面と略同一の高さに設定されている。
即ち、各リップ部53,54は、図11に示すように、中間筒7(フランジ部45側のリング部8)の外周面からは径方向外方(図11右側)へ高さaだけ突出し、中間筒7の外周面に加硫成形されたゴム膜からは径方向外方へ高さhだけ突出している。なお、本実施例では、高さhが0.5mmとされている。
縦方向リップ部53は、図12に示すように、その一端側(図12上側又は下側)が周方向リップ部54に接続される一方、その他端側(図12下側又は上側)が背面側ゴム部52に接続されている。
このように、中間筒7の外周側には、縦方向リップ部53及び周方向リップ部54が設けられているので、後述するように、外筒2を絞り加工した際には、これら各リップ部53,54が圧縮変形されることで、外筒2と中間筒7との間に隙間が形成されること、特に、一対の液室4間を連通する第2(又は、それ以上)の経路がオリフィス5とは別に形成されることを抑制して、減衰特性の低下を回避することができる。
しかも、これら各リップ部53,54は、断面略半円の凸条状に形成されているので、外筒2が絞り加工される際には、容易に圧縮変形することができ、中間筒7と外筒2との変形差を確実に吸収することができる。その結果、中間筒7と外筒2との間に隙間が形成されることを効果的に抑制することができる。
即ち、中間筒7の外周面全体に一定厚さのゴム膜を加硫成形したのでは、中間筒7と外筒2との変形差をゴム膜が吸収しきれず、外筒2を絞り加工する際に中間筒7が大きく変形してしまい、隙間が形成されやすくなってしまう。
ここで、縦方向リップ部53の配設本数は、好ましくは周方向に少なくとも2本以上かつ5本以下の範囲内で配設するのが良く、より好ましくは、図12に示すように周方向に3本、或いは、4本とするのが良い。
かかる配設本数が少なすぎたのでは、一対の液室4間でのシール性能の信頼性が低下する一方、かかる配設本数が多すぎたのでは、縦方向リップ部53全体として剛性が高くなり過ぎ、後述する外筒2の絞り加工時に十分に圧縮変形されなくなり、中間筒7が変形することで、シール性の低下を招くからである。
なお、図12に示す中間筒7の反対側面(図12紙面奥側面)は、背面側ゴム部52に凹溝52aが凹設されていない以外は、図12と同様に構成されているので、その説明は省略する。
次に、図13を参照して、外筒2の絞り加工について説明する。図13は、液封入式防振装置100の部分拡大断面図であり、外筒2に絞り加工を施した後の状態が図示されている。
内筒1及び中間筒7にゴム状弾性体3を加硫成形した後は(図10から図12参照)、それら中間筒7等を外筒2の内周部へ内嵌圧入し、外筒2に絞り加工を施して、その外筒2の外径寸法を縮径させる。
この場合、外筒2は、その大径部48の一部(即ち、中間筒7の中間筒縮径部46及び壁部44に対応する部分)が、縦カラー6(図2参照)への圧入方向先端側(図13下側)へ向けて先細のテーパ形状となるように縮径される。なお、そのテーパ形状縮径部のテーパ角は、中間筒縮径部46の傾斜角θ3(図7(b)参照)と略一致するように設定される。
このように、外筒2は、その一部が圧入方向先端側へ向けて先細のテーパ形状に縮径されるので、その圧入性の向上を図ることができる。
ここで、外筒2の絞り加工において、その一部をテーパ形状に縮径すると、外筒2と中間筒との間に隙間の発生がより顕著となるところ、本発明の液封入式防振装置100によれば、上述したように、外筒2のテーパ形状に縮径される部位(テーパ形状縮径部)には、背面側ゴム部52及び縦方向リップ部53が配設されているので、外筒2と中間筒7との間に隙間が形成されることを確実に抑制することができる。
なお、このような外筒2のテーパ形状の縮径は、従来のシール構造では付与することが不可能であり、本発明のように背面側ゴム部52および縦方向リップ部53を上記のように構成して設けることで初めて付与可能となったものであり、これにより圧入性の向上とシール性の確保とを同時に達成することができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定される物ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では、圧縮力作用手段40を構成するに、第1傾斜面41は内筒1の一端側(例えば、図12上側)ほど中間筒7側に位置すると共に第2傾斜面は内筒1の他端側(例えば、図12下側)ほど内筒1側に位置するように構成したが、必ずしもこの向きに限られるものではなく、これら各傾斜面41,43を逆向きに構成することは当然可能である。
また、上記実施例では、第1傾斜面41と第2傾斜面43とが互いに平行に構成される場合を説明したが(即ち、θ1=θ2)、必ずしもこれに限られるものではなく、各傾斜面41,43を互いに異なる傾斜角で構成することは当然可能である。
なお、上記実施例で挙げた数値は一例であり、別の数値とすることは当然可能である。
100 液封入式防振装置
1 内筒
2 外筒
48 大径部(テーパ形状縮径部)
3 ゴム状弾性体
52 背面側ゴム部
53 縦方向リップ部
54 周方向リップ部
4 液室
5 オリフィス
7 中間筒
46 中間筒縮径部
40 圧縮力作用手段
41 第1傾斜面
42 壁部(内筒側の壁部)
43 第2傾斜面
44 壁部(中間筒側の壁部、折曲部)
6 縦カラー(被圧入部)
O 軸芯
1 内筒
2 外筒
48 大径部(テーパ形状縮径部)
3 ゴム状弾性体
52 背面側ゴム部
53 縦方向リップ部
54 周方向リップ部
4 液室
5 オリフィス
7 中間筒
46 中間筒縮径部
40 圧縮力作用手段
41 第1傾斜面
42 壁部(内筒側の壁部)
43 第2傾斜面
44 壁部(中間筒側の壁部、折曲部)
6 縦カラー(被圧入部)
O 軸芯
Claims (5)
- 内筒と、中間筒と、前記内筒を挟んで位置し前記内筒と中間筒との間に加硫成形される一対のゴム状弾性体と、前記内筒および中間筒の周方向で前記一対のゴム状弾性体の間に形成される一対の液室と、それら一対の液室を連通させるオリフィスと、前記中間筒が内嵌される外筒とを備え、前記中間筒が内嵌された外筒にその外径寸法を縮径させる絞り加工が施された液封入式防振装置であって、
前記ゴム状弾性体に前記内筒および外筒の軸芯方向の圧縮力を作用させ前記一対のゴム状弾性体ごとに設けられる圧縮力作用手段を備え、
その圧縮力作用手段は、前記内筒および中間筒の軸芯方向一端側ほど前記中間筒側に位置する第1傾斜面を有する内筒側の壁部と、前記内筒および中間筒の軸芯方向他端側ほど前記内筒側に位置する第2傾斜面を有する中間筒側の壁部とを備えると共に、前記第1傾斜面と第2傾斜面とで前記ゴム状弾性体を挟み込むように構成され、
前記内筒側の壁部は、前記内筒を径方向外方側へ突出させて形成されると共に、前記中間筒側の壁部は、前記中間筒を折曲した折曲部として形成され、
前記ゴム状弾性体は、前記中間筒の折曲部の背面側に加硫成形される背面側ゴム部を備え、
前記オリフィスは、前記中間筒の折曲部と前記外筒との間に位置するように、前記背面側ゴム部の外周面に形成され、
前記背面側ゴム部は、前記中間筒の外周面よりも径方向外方側へ突出されており、前記外筒が前記絞り加工される際に前記外筒と前記中間筒の折曲部との間で圧縮されるように構成されていることを特徴とする液封入式防振装置。 - 前記ゴム状弾性体は、前記中間筒の外周面に加硫成形され、その中間筒の軸心方向に延びる凸条状の縦方向リップ部と、前記中間筒の周方向に延びる凸条状の周方向リップ部とを備え、
前記縦方向リップ部および周方向リップ部は、前記背面側ゴム部と略同一の高さで前記中間筒の外周面から突出すると共に、前記縦方向リップ部は、その一端側が前記周方向リップ部に接続され、他端側が前記背面側ゴム部に接続されていることを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。 - 前記絞り加工は、被圧入部への圧入方向先端側が先細となるテーパ形状に前記外筒の一部を縮径させるものであり、
前記背面側ゴム部および前記縦方向リップ部の少なくとも一部は、前記絞り加工によりテーパ形状に縮径される前記外筒のテーパ形状縮径部に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項2記載の液封入式防振装置。 - 前記外筒のテーパ形状縮径部は、その圧入方向先端側が前記背面側ゴム部に対応して位置するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の液封入式防振装置。
- 前記中間筒は、前記外筒のテーパ形状縮径部に対応してテーパ状に縮径する中間筒縮径部を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の液封入式防振装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005072025A JP2006250340A (ja) | 2005-03-14 | 2005-03-14 | 液封入式防振装置 |
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JP2005072025A JP2006250340A (ja) | 2005-03-14 | 2005-03-14 | 液封入式防振装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102007034475B4 (de) * | 2007-07-20 | 2012-04-05 | Zf Friedrichshafen Ag | Lageranordnung mit Hydrobuchse |
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-
2005
- 2005-03-14 JP JP2005072025A patent/JP2006250340A/ja not_active Withdrawn
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