JP2007147065A - 液封入式防振装置 - Google Patents

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明彦 加藤
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Abstract

【課題】こじれ方向での変位時における端部壁の破損を防止することができる液封入式防振装置を提供する。
【解決手段】内外筒12,14の間に位置する中間筒32を両端の嵌合周壁34,36とその間の連結壁38,40で構成し、連結壁と内筒の間を結合した防振基体16で第1液室18と第2液室20とを区画し、嵌合周壁と内筒の間をゴム状弾性体からなる端部壁42で結合し、第1液室と第2液室がオリフィス22で連通された液封入式防振装置において、両液室内に、前記内筒側より径方向外方に突出する内側ストッパ80と、これに対向して外筒側より径方向内方に突出する外側ストッパ84とを設け、前記端部壁42を、軸方向内向きに湾曲状に形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
従来の液封入式防振装置として、下記特許文献1には、内筒と、外筒と、両筒間に介在するゴム状弾性体からなる防振基体と、中間筒と、内筒を挟んだ両側に設けられた第1液室及び第2液室と、両液室を連通させる主オリフィスと、第1ゴム弁を介して第1液室側から第2液室側にだけ液体を流通させる第1副オリフィスと、第2ゴム弁を介して第2液室側から第1液室側にだけ液体を流通させる第2副オリフィスとを備え、前記中間筒が、前記外筒の嵌合する軸方向両端部側の一対のリング状の嵌合周壁と、中間筒の軸心を挟んで位置して前記一対の嵌合周壁を連結する一対の連結壁とからなり、前記連結壁の外周面側に前記第1副オリフィスと第2副オリフィスとが形成されたものが開示されている。
この液封入式防振装置では、第1液室と第2液室との液圧差が設定値未満では、第1ゴム弁と第2ゴム弁は閉じ状態を保っており、主オリフィス内を液体が流動し、その流動作用により減衰力が発揮されて振動が吸収される。そして、両液室の液圧差が設定値となり、例えば第1液室側の液圧が高くなると、第1ゴム弁が液圧で弾性変形して開き、第1副オリフィスを通って第1液室から第2液室に液体が流れる。これにより、第1液室の液圧が下がって、第1液室を形成するゴム壁の耐久性の低下が防止される。また、第2液室側の液圧が高くなると、第2ゴム弁が液圧で弾性変形して開き、第2副オリフィスを通って第2液室から第1液室に液体が流れる。これにより、第2液室の液圧が下がって、第2液室を形成するゴム壁の耐久性の低下が防止される。
WO 03/033936 A1号公報
上記特許文献1では、内外筒の相対変位を所定範囲内に制限するストッパを、内筒側から径方向外方に突出するストッパのみで構成している。しかしながら、内筒側からのストッパのみで構成した場合、内筒の軸心に対して外筒の軸心が傾くようなこじれ方向での変位時に、該ストッパが端部壁に接触して破損するおそれがある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、こじれ方向での変位時における端部壁の破損を防止することができる液封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液封入式防振装置は、内筒と、該内筒を軸平行に取り囲む外筒と、これら内筒と外筒の間に介在するゴム状弾性体からなる防振基体と、内筒と外筒の間に位置する中間筒と、内筒を挟んで位置する第1液室及び第2液室と、これら第1液室と第2液室を連通させるオリフィスと、を備えてなる。そして、前記中間筒は、外筒が嵌合する軸方向両端部側の一対のリング状の嵌合周壁と、内間を挟んで位置するとともに前記嵌合周壁よりも径方向内方側に位置して前記一対の嵌合周壁同士を連結する一対の連結壁とを備え、前記防振基体は、前記一対の連結壁の内側面と当該内側面に対向する内筒の外周面とを結合して、第1液室と第2液室とを周方向に区画しており、前記一対の嵌合周壁と内筒との間にゴム状弾性体からなる端部壁が設けられて、該端部壁が第1液室と第2液室の軸方向端部での室壁を形成している。前記第1及び第2液室内には、前記内筒側より径方向外方に突出する内側ストッパが設けられるとともに、該内側ストッパに対向して前記外筒側より径方向内方に突出する外側ストッパが設けられ、前記端部壁が軸方向内向きに湾曲状に形成されている。
この構成によれば、内外筒の相対変位を所定範囲内に制限するストッパを、内筒側からの内側ストッパと、外筒側からの外側ストッパとに分けて設けたことにより、こじれ方向での変位時における端部壁の破損を防止することができる。また、端部壁が内向きに湾曲状に形成されているため、軸直角方向に荷重が入力されたときに、圧縮側の液室で端部壁が内向きに撓み変形し、それによって、圧縮側の液室の体積変化を大きくして、オリフィスでの液流動効果を高めることができる。
本発明の液封入式防振装置であると、端部壁を内向きに湾曲形成することにより軸直角方向の荷重入力時におけるオリフィスでの液流動効果を高めたものでありながら、こじれ方向での変位時における端部壁とストッパとの接触を効果的に回避して破損を防止することができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜6は、本発明の一実施形態に係る液封入式防振装置10を示したものである。この液封入式防振装置10は、図16に示すように、自動車の前輪のサスペンションのロアリンク1と車体フレームとの間を結合するブッシュ型の防振装置である。図16中、符号2はタイヤ、符号3はボールジョイントを示す。
防振装置10は、車体フレームに連結される円筒状の内筒12と、該内筒12を同軸的に取り囲むものであってロアリンク1の圧入孔に圧入される円筒状の外筒14と、これらの間に介在するゴム状弾性体からなる防振基体16とを備えている。
内筒12と外筒14との間には、内筒12を挟んだ両側に相対するように、防振基体16を室壁とする第1液室18と第2液室20が形成されている。第1液室18と第2液室20は、主オリフィス22を介して連通されている。また、第1液室18と第2液室20との間には、第1ゴム弁24を介して第1液室18側から第2液室20側にだけ液体を流通させる第1副オリフィス26と、第2ゴム弁28を介して第2液室20側から第1液室18側にだけ液体を流通させる第2副オリフィス30が設けられている。
内筒12と外筒14との間には、内筒12を同軸的に取り囲む断面円形の中間筒32が配されている。中間筒32は、外筒14が外嵌する軸方向両端部側の一対のリング状の嵌合周壁34,36と、内筒12を挟んだ両側に位置するとともに嵌合周壁34,36よりも径方向内方側に位置し、一対の嵌合周壁34,36同士を連結する断面円弧状の一対の連結壁38,40とを備えている。
図2,5に示すように、防振基体16は、一方の連結壁である第1連結壁38の内側面38Aとこれに対向する内筒12の外周面12Aとの間、及び、他方の連結壁である第2連結壁40の内側面40Aとこれに対向する内筒12の外周面12Aとの間に、加硫成形されており、内筒12を挟んだこれら一対の防振基体16,16により、第1液室18と第2液室20が周方向において区画されている。
図1,6に示すように、一方の嵌合周壁である第1嵌合周壁34と内筒12との間、及び、他方の嵌合周壁である第2嵌合周壁36と内筒12との間に、ゴム状弾性体からなる端部壁42,42が設けられて、これら一対の端部壁42,42が第1液室18と第2液室20の軸方向両端での室壁を形成している。端部壁42は、図6に示すように、内向きに湾曲状に形成されており、より詳細には、その高さ方向の中央部42Aが最も軸方向中央に向かって張り出した断面湾曲状に形成されている。これにより軸直角方向P(軸心Oに直交する方向)に荷重が入力されたときに、圧縮側の液室で端部壁42が内向きに撓み変形し、それによって、圧縮側の液室の体積変化を大きくして、主オリフィス22での液流動作用を高めている。
図2に示すように、第1連結壁38の外面38B側には、外筒14の内周面14Aに圧接する第1オリフィス形成部44がゴム状弾性体により形成されており、第2連結壁40の外面40B側には、外筒14の内周面14Aに圧接する第2オリフィス形成部46がゴム状弾性体により設けられている。
図7,8に示すように、第1オリフィス形成部44には、軸方向の中央部に周方向に延びる第1嵌合凹部48が設けられ、その軸方向両側に周方向に延びる一対の第1副オリフィス溝50,50が形成されている。これら第1嵌合凹部48および第1副オリフィス溝50は、径方向外側に向けて開口した断面コの字状をなし、第1連結壁38の周方向の全体にわたって形成されている。
上記第1副オリフィス26は、第1副オリフィス溝50に対して外筒14の内周面14Aを圧接させることで形成されており、この実施形態では、第1オリフィス形成部44において、2本の第1副オリフィス26,26が互いに平行に設けられている。一対の第1副オリフィス溝50,50にはそれぞれ上記第1ゴム弁24,24が加硫成形されており、第1ゴム弁24の頂部24Aが外筒14の内周面14Aに圧接するように構成されている。また、第1ゴム弁24は、頂部24A側ほど第1副オリフィス26の下流側に位置する傾斜姿勢に設定されている(図5,14参照)。
図14に示すように、第1ゴム弁24はゴム膜状に形成され、頂部24Aに、外筒14の内周面14Aに圧接する断面円弧状の膨出部52が頂部24Aの全幅にわたって形成されている。膨出部52は、第1ゴム弁24の一対の膜面24B,24Cのうち第1副オリフィス26の上流側に対応する側の膜面24Bからその膜面24Bの外方側Rに膨出している。図8に示すように、一対の第1ゴム弁24,24は、その膨出部52,52が第1連結壁38の周方向の中央に位置している。なお、膨出部52は、必ずしも第1連結壁38の周方向の中央でなくてもよく、該中央からずれていてもよい。
図9に示すように、第2オリフィス形成部46には、軸方向の中央部に周方向に延びる第2嵌合凹部54が設けられ、その軸方向両側に周方向に延びる一対の第2副オリフィス溝56,56が形成されている。これら第2嵌合凹部54および第2副オリフィス溝56は、径方向外側に向けて開口した断面コの字状をなし、第2連結壁40の周方向の全体にわたって形成されている。但し、第2嵌合凹部54は、周方向の中央部で遮断部58により遮断されて、周方向に分割されている。
上記第2副オリフィス30は、第2副オリフィス溝56に対して外筒14の内周面14Aを圧接させることで形成されており、この実施形態では、第2オリフィス形成部46において、2本の第2副オリフィス30,30が互いに平行に設けられている。一対の第2副オリフィス溝56,56にはそれぞれ上記第2ゴム弁28,28が加硫成形されており、第2ゴム弁28の頂部28Aが外筒14の内周面14Aに圧接するように構成されている。また、第2ゴム弁28は、頂部28A側ほど第2副オリフィス30の下流側に位置する傾斜姿勢に設定されている(図5,14参照)。
第2ゴム弁28は、第1ゴム弁24と同一形状および大きさである。即ち、図14に示すように、第2ゴム弁28はゴム膜状に形成され、頂部28Aに上記膨出部52を備え、該膨出部52は、第2ゴム弁28の一対の膜面28B,28Cのうち第2副オリフィス30の上流側に対応する側の膜面28Bからその膜面28Bの外方側Rに膨出している。図9に示すように、一対の第2ゴム弁28,28は、その膨出部52,52が第2連結壁40の周方向の中央に位置している。なお、膨出部52は必ずしも第2連結壁40の周方向の中央でなくてもよく、該中央からずれていてもよい。
図4〜6に示すように、第1液室18内には、上記主オリフィス22を形成するための第1主オリフィス形成部材60が配置されている。第1主オリフィス形成部材60は、図10,13に示されるように、円弧状をなし、その外周面に、第1開口62を介して第1液室18と連通する第1主オリフィス溝64を備える。第1主オリフィス形成部材60の両端部には、周方向に沿って外向きに突出形成された一対の嵌合突部66,68が設けられている。第1主オリフィス溝64は、第1主オリフィス形成部材60の周方向中央部の第1開口62から一方の嵌合突部66において外側に連通されるように形成されている。
第2液室20内にも、上記第1主オリフィス形成部材60と同様の円弧状の第2主オリフィス形成部材70が配置されており、図10,11,12に示されるように、その外周面には、第2開口72を介して第2液室20と連通する第2主オリフィス溝74が設けられ、両端部には、周方向に沿って外向きに突出形成された一対の嵌合突部76,78が設けられている。第2主オリフィス溝74は、第1主オリフィス溝64と同様、第2開口72から一方の嵌合突部76において外側に連通されるように形成されている。
なお、第1主オリフィス溝64や第2主オリフィス溝74の形状としては、例えば、更にオリフィス長さを延長するために、周方向に延びる溝を一回又は複数回折り返してから一方の嵌合突部66,76より外側に連通させるように設けることもできる。
第1主オリフィス形成部材60及び第2主オリフィス形成部材70は、一対の嵌合突部66,68;76,78をそれぞれ対応する嵌合凹部48,54に嵌合させることで、各液室18,20内において両側の第1オリフィス形成部44と第2オリフィス形成部46間に掛け渡された状態で配置されている。
詳細には、図8,9,13に示すように、第1主オリフィス形成部材60の上記一方の嵌合突部66が、第1オリフィス形成部44の第1嵌合凹部48に嵌合され、他方の嵌合突部68が、第2オリフィス形成部46の第2嵌合凹部54に嵌合される。また、図8,9,12に示すように、第2主オリフィス形成部材70の上記一方の嵌合突部76が、第1オリフィス形成部44の第1嵌合凹部48に嵌合され、他方の嵌合突部78が、第2オリフィス形成部46の第2嵌合凹部54に嵌合される。上記一方の嵌合突部66,76及びこれが嵌合する第1嵌合凹部48の幅W1は、上記他方の嵌合突部68,78及びこれが嵌合する第2嵌合凹部54の幅W2よりも大きく設定されている(図11参照)。このように両者を異なる幅に設定することにより、第1及び第2主オリフィス形成部材60,70が誤った向きに組み付けれることを防止することができる。
上記のように組付けることで、第1主オリフィス形成部材60と第2主オリフィス形成部材70は、それぞれその外周面が外筒14の内周面14Aに圧接される。また、第1オリフィス形成部44の第1嵌合凹部48内において、第1主オリフィス形成部材60の上記一方の嵌合突部66と第2主オリフィス形成部材70の上記一方の嵌合突部76とが突き合わされて(図8参照)、第1主オリフィス溝64と第2主オリフィス溝74とが連通接続している。これにより、第1液室18と第2液室20を連通する上記主オリフィス22が形成されている。なお、第2オリフィス形成部46の嵌合凹部54については、上記のように差し込まれる嵌合突部68,78にオリフィスを形成する溝が設けられておらず、また該嵌合凹部54は遮断部58で遮断されていることから、第1液室18と第2液室20は嵌合凹部54では連通していない。
図4,6に示すように、第1液室18及び第2液室20内には、内筒12側より径方向外方に突出する内側ストッパ80がそれぞれ設けられている。内側ストッパ80は、内筒12の軸方向中央部において全周にわたって設けられたバルジ部分を、防振基体16から一体に延設されたゴム膜82で被覆することにより形成されており、その先端面が凸状の湾曲面状に形成されている。なお、内側ストッパ80は、このような全周のバルジ形状ではなく、第1液室18及び第2液室20側のみに突起状に形成することもできる。
第1液室18及び第2液室20内には、上記内側ストッパ80の径方向外方側に外側ストッパ84がそれぞれ設けられている。外側ストッパ84は、第1主オリフィス形成部材60と第2主オリフィス形成部材70にそれぞれ設けられており、各部材60,70の内周側において、内側ストッパ80に対向して径方向内方に突出形成されている。内側ストッパ80に対向する外側ストッパ84の先端面は、内側ストッパ80の先端面の曲率とほぼ同じ曲率を持つ凹状の湾曲面状に形成されている。
図7〜9に示すように、第1及び第2嵌合周壁34,36の外周面には、それぞれ周方向に延びる一対のゴム製の環状シールリップ86,88が、軸方向の両端部に設けられている。そのうち外側の環状シールリップ86は周方向の全周にわたって設けられている。内側の環状シールリップ88は、図12,13に示すように、第1液室18に面する2カ所のみに切欠部89を持つことを除けば全周にわたって設けられている。このように切欠部89を設けることにより、液体封入時に両環状シールリップ86,88間に侵入した液体を、外筒14をロアリンクの圧入孔に圧入する際に、第1液室18内に導くことができ、外側への液漏れを防止することができる。また、第1液室18側にのみ開口させたことにより、嵌合周壁34,36の外周面を通って両液室18,20間で液体が流動するのを防止することができる。
図7,8に示すように、第1オリフィス形成部44において、第1嵌合周壁34に隣接する第1副オリフィス溝50に設けられた第1ゴム弁24の膨出部52の幅方向の一端部と、第1嵌合周壁34の上記内側の環状シールリップ88の側部とに連なるゴム製の第1シールリップ90が、第1オリフィス形成部44の外周面44Aに加硫成形されている。また、第2嵌合周壁36に隣接する第1副オリフィス溝50に設けられた第1ゴム弁24の膨出部52の幅方向の一端部と、第2嵌合周壁36の上記内側の環状シールリップ88の側部とに連なるゴム製の第2シールリップ92が、第1オリフィス形成部44の外周面44Aに加硫成形されている。第1シールリップ90と一対の第1ゴム弁24の膨出部52と第2シールリップ92とは一直線状に並んでいる。図14に示すように、第1オリフィス形成部44と外筒14との組付け前の状態で、第1ゴム弁24の膨出部52は、第1オリフィス形成部44の外周面44A(外筒14の内周面14Aに対する第1オリフィス形成部44の圧接面に相当)よりも、径方向外方Sに突出している。環状シールリップ88と第1及び第2シールリップ90,92も同様に上記外周面44Aよりも外方に突出している。
図9に示すように、第2オリフィス形成部46において、第1嵌合周壁34に隣接する第2副オリフィス溝56に設けられた第2ゴム弁28の膨出部52の幅方向の一端部と、第1嵌合周壁34の上記内側の環状シールリップ88の側部とに連なるゴム製の第3シールリップ94が、第2オリフィス形成部46の外周面46Aに加硫成形されている。また、第2嵌合周壁36に隣接する第2副オリフィス溝56に設けられた第2ゴム弁28の膨出部52の幅方向の一端部と、第2嵌合周壁36の上記内側の環状シールリップ88の側部とに連なるゴム製の第4シールリップ96が、第2オリフィス形成部46の外周面46Aに加硫成形されている。更に、上記遮断部58の外周面に、一対の第2ゴム弁28の膨出部52間に位置するゴム製の第5シールリップ98が形成されている。第3シールリップ94と一対の第2ゴム弁28の膨出部52と第4シールリップ96と第5シールリップ98とは一直線状に並んでいる。図14に示すように、第2オリフィス形成部46と外筒14との組付け前の状態で、第2ゴム弁28の膨出部52は、第2オリフィス形成部46の外周面46Aよりも径方向外方Sに突出している。環状シールリップ88と第3、第4及び第5シールリップ94,96,98も同様に上記外周面46Aよりも外方に突出している。
本実施形態の防振装置10は、次のようにして製造される。すなわち、内筒12と防振基体16と中間筒32からなるゴム成形体を加硫成形し、得られたゴム成形体に対し、中間筒32の嵌合周壁34,36と連結壁38,40の嵌合凹部48,54を押さえて、中間筒32を縮径加工することで防振基体16に予圧縮を付与する。次いで、図10に示すように、主オリフィス形成部材60,70を装着し、液中で外筒14を被せて外筒14を縮径し、その両端部をカーリングさせることで防振装置10が得られる。
得られた防振装置10は、図16に示すように、内筒12の軸方向(軸心O)を車両上下方向に向けた状態で、外筒14がロアリンク1の後端の圧入孔に圧入され、内筒12が車体フレームに連結される。この場合、タイヤ2の前後方向Tの変位時には、防振装置10に対し車両左右方向における軸直角方向Pの荷重が入力され、これが主荷重入力方向となる。そのため、この方向Pに第1液室18と第2液室20が相対向するように、防振装置10は装着される。一方、タイヤ2の上下方向の変位時には、ロアリンク1の前後の連結部を通る線Lを中心に回転しようとする力が作用するため、防振装置10には、内筒12の軸心Oに対して外筒14の軸心が傾くようなこじれ方向Qの荷重が入力される(図6参照)。
この防振装置10では、第1液室18と第2液室20との液圧差が設定値未満では、第1ゴム弁24と第2ゴム弁28は閉じ状態を保ち、主オリフィス22内を液体が流動して、その流動作用により振動が吸収される。両液室18,20の液圧差が設定値となり、第1液室18側の液圧が高く、第2液室20側の液圧が低くなると、第1ゴム弁24が液圧で弾性変形して開き、第1ゴム弁24の膨出部52と外筒14の内周面14Aとの間を液体が通って、第1液室18から第2液室20に液体が流れる。これにより、第1液室18の液圧が下がるので、内向きに湾曲形成された端部壁42の外側への反り返りを防止してその耐久性の低下を防ぐことができる。また、第2液室20側の液圧が高く、第1液室18側の液圧が低くなると、第2ゴム弁28が液圧で弾性変形して開き、第2ゴム弁28の膨出部52と外筒14の内周面14Aとの間を液体が通って、第2液室20から第1液室18に液体が流れる。これにより、第2液室20の液圧が下がるので、同様に第2液室20を形成する端部壁42の耐久性の低下が防止される。
また、この防振装置10であると、連結壁38,40の外周面に第1副オリフィス26と第2副オリフィス30を設けたものでありながら、第1液室18と第2液室20の内部に設けた第1主オリフィス形成部材60と第2主オリフィス形成部材70により、主オリフィス22のためのオリフィス長さを十分に確保することができ、それによる液流動作用を有効に発揮させることができる。
また、これらの主オリフィス形成部材60,70は、両端部の嵌合突部66,68,76,78を、連結壁38,40の外面側の第1及び第2オリフィス形成部44,46に設けた嵌合凹部48,54に嵌合させることで、各液室18,20内に配置されるため、組み立て作業も容易である。
また、内外筒12,14の相対変位を所定範囲内に制限するストッパを、内筒12側からの内側ストッパ80と、第1及び第2主オリフィス形成部材60,70からの外側ストッパ84とに分けたことにより、こじれ方向Qでの変位時における端部壁42の破損を防止することができる。すなわち、主オリフィス22を形成するための部材60,70をストッパ84としても作用させることにより、部品点数を増やすことなく、主オリフィス22のためのオリフィス長さの確保とともに、ストッパ80,84による端部壁42の破損防止を図ることができる。特に、この実施形態では、内向きに湾曲形成した端部壁42でありながら、こじれ方向Qでの変位時における端部壁42とストッパとの接触を効果的に回避することができる。かかる作用効果のため、外側ストッパ84の高さ(径方向寸法)を内側ストッパ80の高さに対し同等以上に設定することが好ましい。
更に、第1ゴム弁24と第2ゴム弁28の頂部に、外筒14の内周面14Aに圧接する膨出部52を外方側Rに膨出形成したことにより、第1液室18と第2液室20の液圧差が設定値になったとき、第1ゴム弁24又は第2ゴム弁28の開き側への揺動に膨出部52によって勢いがつき、それらの開き速度が速くなって、両液室の液圧差を所望の値まで下げる時間を早くすることができる。
また、第1ゴム弁24が閉じ状態を保っているときに、第1オリフィス形成部44の外周面44Aと外筒14の内周面14Aとの間で、第1ゴム弁24の幅方向外方側を、液体が第1副オリフィス26に沿う方向に流通する不具合を環状シールリップ88と第1及び第2シールリップ90,92とで阻止することができ、第1ゴム弁24の両側の第1副オリフィス溝50部分が連通状態になる不具合を回避することができる。同様に、第2ゴム弁28が閉じ状態を保っているときに、第2オリフィス形成部46の外周面46Aと外筒14の内周面14Aとの間で、第2ゴム弁28の幅方向外方側を、液体が第2副オリフィス30に沿う方向に流通する不具合を環状シールリップ88と第3、第4及び第5シールリップ94,96,98とで阻止することができ、第2ゴム弁28の両側の第2副オリフィス溝56部分が連通状態になる不具合を回避することができる。
更に、上記ゴム弁24,28を成形型(不図示)で成形する際、その一方の膜面側に配置した第1型と、他方の膜面側に配置した第2型とを、それぞれの膜面の外方側に抜いて脱型することになるが、上記のように両ゴム弁24,28の膨出部52は、各副オリフィス26,30の上流側に対応する側の膜面24B,28Bから外方側Rに膨出しているので、脱型時に第1型や第2型の一部分を膨出部52に引っ掛けることがなく、脱型を円滑に行うことができる。また、外筒14の組付け前の状態で、両ゴム弁24,28の膨出部52が外筒14の内周面14Aに対する各オリフィス形成部44,46の圧接面よりも径方向外方Sに突出しているので、外筒14の内周面14Aに対する膨出部52の圧接力を強くすることができる。そのため、上記液圧差が設定値未満のときの膨出部52と外筒14の内周面14Aとの間からの液漏れをより確実に防止することができる。
図15は、第1及び第2ゴム弁24,28の変更例を示したものである。変更例では、第1ゴム弁24の膨出部52と基端部24Dとの間のゴム膜状の弁本体部24Eが、膨出部52に近い側ほど薄肉のテーパ状に形成されている。また、第2ゴム弁28の膨出部52と基端部28Dとの間のゴム膜状の弁本体部28Eが、膨出部52に近い側ほど薄肉のテーパ状に形成されている。これにより、第1及び第2ゴム弁24,28の開き速度をより速くすることができる。
なお、上記実施形態では、第1オリフィス形成部44に2つの第1副オリフィス溝50,50を設け、第2オリフィス形成部46に2つの第2副オリフィス溝56,56を設けたが、その逆に、第1オリフィス形成部44に第2副オリフィス溝56、第2オリフィス形成部46に第1副オリフィス溝50を設けることもできる。また、第1オリフィス形成部44に第1及び第2副オリフィス溝50,56を設け、第2オリフィス形成部46にも第1及び第2副オリフィス溝50,56を設けることもできる。また、各オリフィス形成部44,46に第1副オリフィス溝50と第2副オリフィス溝56のいずれか一方のみを設けることもできる。
本発明の一実施形態に係る液封入式防振装置の側面図。 図1のII−II線断面図。 同防振装置の正面図。 図3のIV−IV線断面図。 図3のV−V線断面図。 図3のVI−VI線断面図。 同防振装置の内筒と中間筒を含むゴム成形体に主オリフィス形成部材を組み付ける前の状態を示す正面図。 図7の組み付け後の状態を示す正面図。 図8の状態を背後から見た図。 該ゴム成形体に主オリフィス形成部材を組み付ける前の状態を示す側面図。 該ゴム成形体に主オリフィス形成部材を組み付ける前の状態を示す正面図。 図11の組み付け後の状態を示す正面図。 図12の状態を背後から見た図。 ゴム弁を示す図。 ゴム弁の変更例を示す図。 上記防振装置の車両への装着状態を示す概略図。
符号の説明
10…液封入式防振装置、12…内筒、12A…内筒の外周面、14…外筒、14A…外筒の内周面、16…防振基体、18…第1液室、20…第2液室、22…主オリフィス、24…第1ゴム弁、24A…第1ゴム弁の頂部、24B,24C…第1ゴム弁の膜面、26…第1副オリフィス、28…第2ゴム弁、28A…第2ゴム弁の頂部、28B、28C…第2ゴム弁の膜面、30…第2副オリフィス、32…中間筒、34…第1嵌合周壁、36…第2嵌合周壁、38…第1連結壁、38A…第1連結壁の内側面、38B…第1連結壁の外面、40…第2連結壁、40A…第2連結壁の内側面、40B…第2連結壁の外面、42…端部壁、42A…高さ方向の中央部、44…第1オリフィス形成部、44A…第1オリフィス形成部の外周面、46…第2オリフィス形成部、46A…第2オリフィス形成部の外周面、48…第1嵌合凹部、50…第1副オリフィス溝、52…膨出部、54…第2嵌合凹部、56…第2副オリフィス溝、58…遮断部、60…第1主オリフィス形成部材、62…第1開口、64…第1主オリフィス溝、66,68…第1主オリフィス形成部材の嵌合突部、70…第2主オリフィス形成部材、72…第2開口、74…第2主オリフィス溝、76,78…第2主オリフィス形成部材の嵌合突部、80…内側ストッパ、84…外側ストッパ、88…環状シールリップ、90…第1シールリップ、92…第2シールリップ、94…第3シールリップ、96…第4シールリップ

Claims (2)

  1. 内筒(12)と、該内筒を軸平行に取り囲む外筒(14)と、前記内筒と外筒の間に介在するゴム状弾性体からなる防振基体(16)と、前記内筒と外筒の間に位置する中間筒(32)と、前記内筒を挟んで位置する第1液室(18)及び第2液室(20)と、前記第1液室と第2液室を連通させるオリフィス(22)と、を備え、
    前記中間筒(32)は、前記外筒が嵌合する軸方向両端部側の一対のリング状の嵌合周壁(34,36)と、前記内筒を挟んで位置するとともに前記嵌合周壁よりも径方向内方側に位置して前記一対の嵌合周壁同士を連結する一対の連結壁(38,40)とを備え、
    前記防振基体(16)は、前記一対の連結壁の内側面(38A,40A)と当該内側面に対向する前記内筒の外周面(12A)とを結合して、前記第1液室と第2液室とを周方向に区画しており、
    前記一対の嵌合周壁と前記内筒との間にゴム状弾性体からなる端部壁(42,42)が設けられて、該端部壁が前記第1液室と第2液室の軸方向端部での室壁を形成し、
    前記第1及び第2液室(18,20)内には、前記内筒(12)側より径方向外方に突出する内側ストッパ(80)が設けられるとともに、該内側ストッパに対向して前記外筒(14)側より径方向内方に突出する外側ストッパ(84)が設けられ、
    前記端部壁(42)が軸方向内向きに湾曲状に形成された
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記内筒(12)の軸方向に沿った断面形状において、前記内側ストッパ(80)の先端面が凸状の湾曲面状に形成され、該内側ストッパの先端面に対向する前記外側ストッパ(84)の先端面が凹状の湾曲面状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
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