JP7031466B2 - コイル部品 - Google Patents

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本発明はコイル部品に関し、特に、スパイラル状の平面導体を有するコイル部品に関する。
各種電子機器に用いられるコイル部品としては、磁性コアにワイヤ(被覆導線)を巻回したタイプのコイル部品の他、基板の表面にスパイラル状の平面導体を複数ターンに亘って形成したタイプのコイル部品が知られている。例えば、特許文献1には、スパイラル状の平面導体を複数ターンに亘って巻回するとともに、内周側及び外周側に位置する数ターンのパターン幅を狭くしたコイル部品が開示されている。内周側及び外周側に位置するコイルパターンは磁界の影響を強く受けることから、特許文献1に記載されているように、この部分におけるパターン幅を狭くすれば、磁界の影響に起因する交流抵抗の増大を低減することが可能となる。
しかしながら、内周側及び外周側に位置する導体パターンのパターン幅を細くしすぎると、直流抵抗が増加してしまうという問題があった。この問題を解決するためには、特許文献2に記載されているように、コイルパターンの内周部分において導体をヘリカル状に巻回する方法が考えられる。
特開平11-040438号公報 特開2007-221652号公報
しかしながら、特許文献2に記載されたコイル部品は、基板上に導体パターンを形成したタイプのコイル部品ではなく、バルク状の磁性コアにワイヤ(被覆導線)を巻回したタイプのコイル部品である。このようなコイル部品に用いられるワイヤは断面が円形であることから、ヘリカル状に巻回した部分においても、コイルパターンの軸方向に沿った磁界の影響を受けやすいという問題があった。
したがって、本発明は、磁界の影響に起因する損失をより低減することによって、交流抵抗を改善することが可能なコイル部品を提供することを目的とする。
本発明によるコイル部品は、平板部及び平板部から突出する筒状部を有する基板と、平板部の一方の表面に形成され、筒状部を中心として複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回された第1のコイルパターンと、筒状部の内周面及び外周面の一方に形成され、筒状部の軸を中心として複数ターンに亘ってヘリカル状に巻回された第2のコイルパターンとを備え、平板部の一方の表面に対して垂直な方向から見て、第1のコイルパターンを構成する導体パターンよりも第2のコイルパターンを構成する導体パターンの方が細いことを特徴とする。
本発明によれば、ヘリカル状に巻回された第2のコイルパターンを備えていることから、全体のターン数を確保しつつ、スパイラル状に巻回された第1のコイルパターンの内径領域を拡大することができる。しかも、第2のコイルパターンを構成する導体パターンは、平面視で第1のコイルパターンを構成する導体パターンよりも細いことから、軸方向に沿った磁界を第2のコイルパターンが受けにくくなる。これにより、磁界の影響に起因する損失が低減されることから、交流抵抗の低いコイル部品を提供することが可能となる。
本発明において、第1のコイルパターンを構成する導体パターンは、平板部の一方の表面と平行なパターン幅が、平板部の一方の表面に対して垂直なパターン厚よりも大きく、第2のコイルパターンを構成する導体パターンは、筒状部の内周面及び外周面の一方と平行なパターン幅が、筒状部の内周面及び外周面の一方に対して垂直なパターン厚よりも大きくても構わない。これによれば、磁界の影響に起因する損失を低減しつつ、十分なパターン幅を確認することが可能となる。
本発明において、第1のコイルパターンは、最も内周に位置する最内周ターンと、最も外周に位置する最外周ターンとを有し、第2のコイルパターンは、軸方向における一端に位置し、第1のコイルパターンの最内周ターンに接続された最下部ターンと、軸方向における他端に位置する最上部ターンとを有するものであっても構わない。これによれば、第1のコイルパターンと第2のコイルパターンが直列に接続されるとともに、両者の接続を基板の表面上で容易に行うことが可能となる。
本発明によるコイル部品は、平板部の他方の表面に形成され、筒状部を中心として複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回された第3のコイルパターンと、筒状部の内周面及び外周面の他方に形成され、筒状部の軸を中心として複数ターンに亘ってヘリカル状に巻回された第4のコイルパターンとをさらに備えるものであっても構わない。これによれば、全体のターン数がより大きくなることから、より大きなインダクタンスを得ることが可能となる。
本発明において、第3のコイルパターンは、最も内周に位置する最内周ターンと、最も外周に位置する最外周ターンとを有し、第4のコイルパターンは、軸方向における一端に位置し、第3のコイルパターンの最内周ターンに接続された最下部ターンと、軸方向における他端に位置する最上部ターンとを有し、第2のコイルパターンと第4のコイルパターンが接続されていても構わない。これによれば、第1~第4のコイルパターンが直列に接続されるとともに、第3のコイルパターンと第4のコイルパターンを基板の表面上で容易に接続することが可能となる。ここで、第2のコイルパターンと第4のコイルパターンは、それぞれの最上部ターン同士が接続されていても構わない。
本発明において、最外周ターン及び最上部ターンのパターン幅は、第1及び第2のコイルパターンを構成する他のいずれかのターンのパターン幅よりも狭くても構わない。これによれば、磁界が強い部分のパターン幅が狭いことから、磁界の影響に起因する損失をより低減することが可能となる。
本発明において、第1又は第2のコイルパターンは、最外周ターン又は最上部ターンから数えたターン数が第1及び第2のコイルパターンの合計ターン数の中間である中間ターンと、第1及び第2のコイルパターンの合計線路長の中心位置とを有し、最外周ターン及び最上部ターンのパターン幅よりも、中間ターン及び中心位置におけるパターン幅の方が大きくても構わない。これによれば、磁界の影響による損失に起因する交流抵抗の増大を低減しつつ、磁界の影響が小さい部分のパターン幅が拡大されることから、直流抵抗を低減することが可能となる。
本発明において、最上部ターンから中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値よりも、最外周ターンから中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値の方が大きくても構わない。これによれば、磁界の影響をより強く受ける内周側における損失がより低減される。このため、コイルパターンのパターン幅を内周側と外周側で単純に対称とした場合と比べ、交流抵抗をよりいっそう低減することが可能となる。
本発明において、第1のコイルパターンを構成する各ターンは、スパイラル状のスリットによって径方向に分離された複数の導体パターンからなり、第2のコイルパターンを構成する各ターンは、ヘリカル状のスリットによって軸方向に分離された複数の導体パターンからなるものであっても構わない。これによれば、電流密度の偏りが低減されるため、直流抵抗や交流抵抗を低減することが可能となる。ここで、第1のコイルパターンの各ターンを構成する導体パターンの数と、第2のコイルパターンの各ターンを構成する導体パターンの数を同じとすれば、第1のコイルパターンの最内周ターンを構成する各導体パターンと、第2のコイルパターンの最下部ターンを構成する各導体パターンをそれぞれ接続することができるため、パターンレイアウトが容易になるとともに、より交流抵抗を低減することが可能となる。
本発明によるコイル部品は、平板部の他方の表面を覆う第1の磁性部材をさらに備えるものであっても構わないし、筒状部の内径領域に配置された第2の磁性部材をさらに備えるものであっても構わない。これによれば、よりインダクタンスを高めることが可能となる。
このように、本発明によるコイル部品は、内周部における磁界の影響を受けにくいことから、従来のコイル部品と比べて交流抵抗をより低減することが可能となる。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコイル部品1の構成を説明するための略断面図である。 図2は、コイルパターン100のパターン形状を説明するための略平面図である。 図3は、コイルパターン300のパターン形状を説明するための略平面図である。 図4は、筒状部20及びその表面に形成されたコイルパターン200,400を示す略斜視図である。 図5は、筒状部20及びその表面に形成されたコイルパターン200,400を示す展開図である。 図6は、コイルパターン100,200,300,400の接続方法を説明するための模式図である。 図7は、コイル部品1の等価回路図である。 図8は、平板部10に形成された導体パターンと筒状部20に形成された導体パターンの形状を説明するための図である。 図9は、図2及び図3に示すD-D線に沿った略断面図である。 図10は、導体パターンの径方向位置及び軸方向位置とパターン幅の関係を説明するためのグラフである。 図11は、総ターン数が奇数である場合の中間ターンの定義を説明するための模式的な断面図である。 図12は、総ターン数が偶数である場合の中間ターンの定義を説明するための模式的な断面図である。 図13は、総ターン数が偶数である場合の中間ターンの定義を説明するための模式的な平面図である。 図14は、総ターン数が奇数である場合の中間ターンの定義を説明するための模式的な平面図である。 図15は、変形例によるコイルユニットの略断面図である。 図16は、コイル部品1を用いたワイヤレス電力伝送システムのブロック図である。 図17は、コイルユニットU1,U2を含むコイル部品2の構成を説明するための略断面図である。 図18は、コイル部品2の等価回路図である。 図19は、変形例によるコイル部品3の構成を説明するための略断面図である。 図20は、コイル部品3の部分拡大図である。 図21は、実施例のシミュレーション条件を示す表である。 図22は、実施例のシミュレーション結果を示す表である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコイル部品1の構成を説明するための略断面図である。
図1に示すように、本実施形態によるコイル部品1は、第1の磁性部材M1と、第2の磁性部材M2と、コイルユニットU1によって構成されている。磁性部材M1,M2は、フェライト、パーマロイ、複合磁性材料などの高透磁率材料からなり、コイルユニットU1に鎖交する磁束の磁路として機能する。
コイルユニットU1は、平板部10及び筒状部20を有する基板と、基板の表面に形成された第1~第4のコイルパターン100,200,300,400とを備えている。具体的には、平板部10の一方の表面11に第1のコイルパターン100が形成され、筒状部20の外周面21に第2のコイルパターン200が形成され、平板部10の他方の表面12に第3のコイルパターン300が形成され、筒状部20の内周面22に第4のコイルパターン400が形成されている。平板部10及び筒状部20からなる基板の材料については特に限定されないが、PET樹脂などの透明又は半透明なフレキシブル材料を用いることができる。また、平板部10及び筒状部20は、ガラスクロスにエポキシ系樹脂が含浸されたフレキシブル基板であっても構わない。平板部10と筒状部20は、互いに別部材であっても構わないし、一体的であっても構わない。
基板の平板部10は、表面11,12がxy平面を構成している。これに対し、基板の筒状部20は平板部10からz方向に突出している。筒状部20の軸方向もz方向であり、これにより、筒状部20の外周面21及び内周面22は、平板部10の表面11,12に対して90°の角度を有している。そして、第1及び第3のコイルパターン100,300は、筒状部20を中心として複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回され、第2及び第4のコイルパターン200,400は、筒状部の軸を中心として複数ターンに亘ってヘリカル状に巻回されている。また、第1の磁性部材M1は平板部10の他方の表面12を覆うように配置され、第2の磁性部材M21は筒状部20の内径領域に配置されている。本発明において磁性部材M1,M2を設けることは必須でないが、磁性部材M1,M2を設けることによりインダクタンスが高められる。
図2及び図3は、それぞれコイルパターン100,300のパターン形状を説明するための略平面図である。
図2に示すように、第1のコイルパターン100は、複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回された平面導体によって構成される。図2に示す例では、第1のコイルパターン100がターン110~ターン140からなる4ターン構成であり、ターン110が最外周ターンを構成し、ターン140が最内周ターンを構成する。また、各ターン110~140は、スパイラル状の3本のスリットによって径方向に4分割されている。これにより、ターン110は導体パターン111~114に分割され、ターン120は導体パターン121~124に分割され、ターン130は導体パターン131~134に分割され、ターン140は導体パターン141~144に分割される。したがって、分割された導体パターン単位で見れば、導体パターン111が最外周ターンを構成し、導体パターン144が最内周ターンを構成する。
最外周に位置するターン110の導体パターン111~114は、径方向に延在する引き出しパターン171を介して、端子電極E1aに接続される。また、引き出しパターン171に対して周方向に隣接する位置には、径方向に延在する引き出しパターン172が設けられており、その先端部は端子電極E2bに接続される。一方、最内周に位置するターン140の導体パターン141~144の内周端は、それぞれ接続ノードN11~N14を構成する。
第1のコイルパターン100を構成する各ターン110~140は、径方向における位置が変化しない円周領域A1と、径方向における位置が遷移する遷移領域B1を有しており、この遷移領域B1を境界としてターン110~ターン140からなる4ターンが定義される。図2に示すように、本実施形態においては第1のコイルパターン100の外周端及び内周端がいずれも遷移領域B1に位置している。さらに、第1のコイルパターン100の中心点C1から放射状に延在し、引き出しパターン171と引き出しパターン172の間を通過する仮想線L1を引いた場合、遷移領域B1は仮想線L1上に位置している。また、接続ノードN11と接続ノードN14は、仮想線L1を軸として互いに対称となる位置に配置され、接続ノードN12と接続ノードN13は、仮想線L1を軸として互いに対称となる位置に配置されている。
図3に示すように、第3のコイルパターン300は、複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回された平面導体によって構成される。図3に示す例では、第3のコイルパターン300がターン310~ターン340からなる4ターン構成であり、ターン310が最外周ターンを構成し、ターン340が最内周ターンを構成する。また、各ターン310~340は、スパイラル状の3本のスリットによって径方向に4分割されている。これにより、ターン310は導体パターン311~314に分割され、ターン320は導体パターン321~324に分割され、ターン330は導体パターン331~334に分割され、ターン340は導体パターン341~344に分割される。したがって、分割された導体パターン単位で見れば、導体パターン311が最外周ターンを構成し、導体パターン344が最内周ターンを構成する。
最外周に位置するターン310の導体パターン311~314は、径方向に延在する引き出しパターン371を介して、端子電極E2aに接続される。また、引き出しパターン371に対して周方向に隣接する位置には、径方向に延在する引き出しパターン372が設けられており、その先端部は端子電極E1bに接続される。一方、最内周に位置するターン340の導体パターン341~344の内周端は、それぞれ接続ノードN34,N33,N32,N31を構成する。
第3のコイルパターン300を構成する各ターン310~340は、径方向における位置が変化しない円周領域A2と、径方向における位置が遷移する遷移領域B2を有しており、この遷移領域B2を境界としてターン310~ターン340からなる4ターンが定義される。図3に示すように、本実施形態においては第3のコイルパターン300の外周端及び内周端がいずれも遷移領域B2に位置している。さらに、第3のコイルパターン300の中心点C2から放射状に延在し、引き出しパターン371と引き出しパターン372の間を通過する仮想線L2を引いた場合、遷移領域B2は仮想線L2上に位置している。また、接続ノードN31と接続ノードN34は、仮想線L2を軸として互いに対称となる位置に配置され、接続ノードN32と接続ノードN33は、仮想線L2を軸として互いに対称となる位置に配置されている。
このような構成を有する第1及び第3のコイルパターン100,300は、中心点C1,C2が重なり、且つ、仮想線L1,L2が重なるよう、それぞれ平板部10の一方の表面11及び他方の表面12に形成される。これにより、端子電極E1a,E1bが重なるとともに、端子電極E2a,E2bが重なる。端子電極E1a,E1bは、引き出しパターン171と引き出しパターン372を接続するスルーホール導体T5を介して短絡され、単一の端子電極E1として用いられる。同様に、端子電極E2a,E2bは、引き出しパターン172と引き出しパターン371を接続するスルーホール導体T6を介して短絡され、単一の端子電極E2として用いられる。
図4及び図5は、それぞれ筒状部20及びその表面に形成されたコイルパターン200,400を示す略斜視図及び展開図である。
図4及び図5に示すように、筒状部20の外周面21に形成された第2のコイルパターン200は、複数ターンに亘ってヘリカル状に巻回された平面導体によって構成される。図4及び図5に示す例では、第2のコイルパターン200がターン210からなり、スパイラル状の3本のスリットによって軸方向に4分割されている。これにより、ターン210は導体パターン211~214に分割される。このうち、最も下方に位置する導体パターン214が最下部ターンを構成し、最も上方に位置する導体パターン211が最上部ターンを構成する。
導体パターン211~214の下方における端部は、それぞれ接続ノードN21~N24を構成する。接続ノードN21~N24は、第1のコイルパターン100に含まれる接続ノードN11~N14にそれぞれ接続される。接続ノードN11~N14と接続ノードN21~N24の接続は、図6に示すように、平板部10の表面11及び筒状部20の外周面21において行うことができる。一方、導体パターン211~214の上方における端部は、それぞれ筒状部20を貫通して設けられたスルーホール導体H1~H4に接続される。
筒状部20の内周面22に形成された第4のコイルパターン400は、複数ターンに亘ってヘリカル状に巻回された平面導体によって構成される。図4及び図5に示す例では、第4のコイルパターン400がターン410からなり、スパイラル状の3本のスリットによって軸方向に4分割されている。これにより、ターン410は導体パターン411~414に分割される。このうち、最も下方に位置する導体パターン411が最下部ターンを構成し、最も上方に位置する導体パターン414が最上部ターンを構成する。
導体パターン411~414の下方における端部は、それぞれ接続ノードN41~N44を構成する。接続ノードN41~N44は、それぞれ接続ノードN21~N24の裏面側に位置し、図4及び図5においては符号を括弧書きしている。接続ノードN41~N44は、第3のコイルパターン300に含まれる接続ノードN31~N34にそれぞれ接続される。接続ノードN31~N34と接続ノードN41~N44の接続は、図6に示すように、平板部10の表面12及び筒状部20の内周面22において行うことができる。一方、導体パターン411~414の上方における端部は、それぞれスルーホール導体H1~H4に接続される。
これにより、スルーホール導体H1を介して導体パターン211,411が互いに短絡され、スルーホール導体H2を介して導体パターン212,412が互いに短絡され、スルーホール導体H3を介して導体パターン213,413が互いに短絡され、スルーホール導体H4を介して導体パターン214,414が互いに短絡される。
したがって、第1のコイルパターン100のターン140を構成する4つの導体パターン141~144のうち、最も外周側に位置する導体パターン141に着目すると、まず、接続ノードN11,N21を介して第2のコイルパターン200の導体パターン211に接続され、次に、スルーホール導体H1を介して第4のコイルパターン400の導体パターン411に接続され、最後に、接続ノードN41,N31を介して、第3のコイルパターン300のターン340を構成する4つの導体パターン341~344のうち、最も内周側に位置する導体パターン344に接続される。
また、第1のコイルパターン100のターン140を構成する4つの導体パターン141~144のうち、最も内周側に位置する導体パターン144に着目すると、まず、接続ノードN14,N24を介して第2のコイルパターン200の導体パターン214に接続され、次に、スルーホール導体H4を介して第4のコイルパターン400の導体パターン414に接続され、最後に、接続ノードN44,N34を介して、第3のコイルパターン300のターン340を構成する4つの導体パターン341~344のうち、最も外周側に位置する導体パターン341に接続される。
第1のコイルパターン100のターン140を構成する他の導体パターン142,143についても同様であり、それぞれ導体パターン212,412及び導体パターン213,413を介して、第3のコイルパターン300のターン340を構成する他の導体パターン343,342に接続される。
このように、第1のコイルパターン100の端部が第2のコイルパターン200の端部に接続され、第3のコイルパターン300の端部が第4のコイルパターン400の端部に接続されるとともに、第2のコイルパターン200の端部と第4のコイルパターン400の端部が互いに接続されることから、コイルパターン100,200,300,400の一部を途中で引き出すことなく、端子電極E1との端子電極E2を直列に接続することができる。つまり、コイルパターン100,300の外周端以外の部分に接続する引き出しパターンなどを用いる必要がないことから、引き出しパターンを用いることによる厚みの増加や、電気特性の劣化を防ぐことができる。
これにより、第1~第4のコイルパターン100,200,300,400は図7に示すように直列接続され、合計で10ターン×4並列のスパイラルコイルが構成されることになる。ここで、各コイルパターン100,200,300,400の分割数(4分割)が互いに同じであるため、各コイルパターン100,200,300,400を構成する複数の導体パターンを再分岐又は合流させることなく、これらをそのまま接続することができる。これによりパターンレイアウトが容易となるとともに、電流密度の均一化が実現されることから、より交流抵抗を低減することが可能となる。
図8は、平板部10に形成された導体パターンと筒状部20に形成された導体パターンの形状を説明するための図である。
図8に示すように、第1のコイルパターン100を構成する導体パターン(例えば導体パターン142)は、パターン幅Waがパターン厚Haよりも大きい(Wa>Ha)。同様に、第2のコイルパターン200を構成する導体パターン(例えば導体パターン212)は、パターン幅Wbがパターン厚Hbよりも大きい(Wb>Hb)。ここで、「パターン幅」とは基板に対して平行な方向における幅を意味し、第1のコイルパターン100を構成する導体パターンにおいてはxy方向における幅を指し、第2のコイルパターン200を構成する導体パターンにおいてはz方向における幅を指す。また、「パターン厚」とは基板に対して垂直な方向における厚みを意味し、第1のコイルパターン100を構成する導体パターンにおいてはz方向における厚みを指し、第2のコイルパターン200を構成する導体パターンにおいてはxy方向における厚みを指す。第3及び第4のコイルパターン300,400についても同様である。
本実施形態においては、筒状部20の外周面21及び内周面22が平板部10の表面11,12に対して垂直であることから、平板部10の表面11,12に対して垂直な方向(z方向)から見ると、パターン幅Waを定義する方向と、パターン厚Hbを定義する方向は同じであり、且つ、Wa>Hbである。つまり、第1のコイルパターン100を構成する導体パターンのz方向から見た視認幅よりも、第2のコイルパターン200を構成する導体パターンのz方向から見た視認幅の方が細い。
ここで、コイル部品1に流れる電流によって磁束φが発生すると(或いは、他のコイル部品によって生じる磁束φがコイル部品1と鎖交すると)、磁束φの主な方向成分は、平板部10の近傍においては平面方向(xy方向)となり、筒状部20の近傍においては垂直方向(z方向)となる。このため、スパイラル状の導体パターンを用いた一般的なコイル部品においては、磁束φのz方向成分が増す内周部分において、磁束φと導体パターンの干渉が強くなり、渦電流による発熱によって大きな損失が発生する。これに対し、本実施形態においては、コイル部品1の内周に位置する数ターンが筒状部20に形成され、これにより、z方向から見た導体パターンのサイズ(Hb)が縮小されていることから、内周部における磁束φと導体パターンの干渉を大幅に低減することが可能となるため、渦電流損による交流抵抗の増加を防止することができる。しかも、パターン幅Wbについては十分に確保されていることから、直流抵抗についても十分に低減することが可能である。
このように、本実施形態によるコイル部品1は、スパイラル状の導体パターンからなる第1及び第3のコイルパターン100,300の内周部に筒状部20を配置し、その表面にヘリカル状の導体パターンからなる第2及び第4のコイルパターン200,400を形成していることから、磁束密度が高く且つ磁束のz方向成分が大きい内周部において、磁束φと導体パターンの干渉を大幅に低減することが可能となる。これにより、渦電流の発生が抑制されることから、渦電流による交流抵抗の増大を効果的に防止することが可能となる。しかも、全ての導体パターンをスパイラル状とした場合と比べ、第1及び第3のコイルパターン100,300の内径が拡大されることから、インダクタンスを増大させることも可能となる。
ここで、第1~第4のコイルパターン100,200,300,400のパターン幅については、一定であっても構わないが、図2及び図3に示すD-D線に沿った略断面図である図9に示すように、第1~第4のコイルパターン100,200,300,400のパターン幅を一定ではなく、内周側及び外周側においてパターン幅を狭く、中心側においてパターン幅を広くしても構わない。
より具体的に説明すると、最上部ターンを構成する導体パターン211,414のパターン幅をW1、最外周ターンを構成する導体パターン111,311のパターン幅をW2、最上部ターン又は最外周ターンから数えて、ターン数が第1及び第2のコイルパターン100,200の合計ターン数(又は第3及び第4のコイルパターン300,400の合計ターン数)の中間である中間ターンを構成する導体パターン133,333(又は132,332)のパターン幅をW3,導体パターンに沿った第1及び第2のコイルパターン100,200の合計線路長(又は第3及び第4のコイルパターン300,400の合計線路長)の中心位置となる導体パターン124,324のパターン幅をW4とした場合、
W1,W2<W3,W4
を満たしている。
最上部ターン及び最外周ターンのパターン幅W1,W2を縮小しているのは、この部分における磁界が強く、渦電流による発熱によって大きな損失が発生するからである。つまり、最上部ターン及び最外周ターンのパターン幅W1,W2を縮小することにより、最上部ターン及び最外周ターンと干渉する磁束が減少することから、発生する渦電流を低減することができる。最上部ターンのパターン幅W1は、パターン厚よりも大きいことが好ましい。これによれば、コイルパターン200,400に流れる渦電流が導体パターンの軸方向における両側に集中することから、コイルパターン200,400のパターン幅を狭くすることによる損失の低減効果を顕著に得ることが可能となる。
さらに、導体パターンのパターン厚は、最外周ターンよりも最内周ターンの方が薄くても構わない。特に、最外周ターンから最内周ターンに向かって、パターン厚が徐々に又は段階的に薄くなる構成とすることが好ましい。これによれば、渦電流の影響をより強く受ける内周側において、パターン幅を狭くすることによる損失の低減効果が顕著となる。
図10は、導体パターンの径方向位置及び軸方向位置とパターン幅の関係を説明するためのグラフである。図10において、実線は径方向位置及び軸方向位置に応じてパターン幅を変化させた例を示し、破線はパターン幅を一定とした例を示している。
図10の実線で示す例では、最上部ターンのパターン幅W1が最も小さく、最上部ターンから線路長の中心位置に向かってパターン幅が徐々にまたは段階的に拡大し、線路長の中心位置におけるパターン幅W4が最大となる。そして、線路長の中心位置から最外周ターンに向かってパターン幅が徐々にまたは段階的に縮小し、最外周ターンにおいてパターン幅がW2となる。図10の実線で示す例では、最上部ターンのパターン幅W1が最外周ターンのパターン幅W2よりも小さい。これは、最上部ターンの方が最外周ターンよりも磁界が強いためであり、これをパターン幅に反映させたものである。これにより、図10の実線で示す例では、
W1<W2<W3<W4
を満たしている。これに対し、破線で示す例では全てのターンにおいて導体パターンのパターン幅がW0である。
また、線路長の中心位置は中間ターンよりも外周側に位置し、実線で示す例では、この部分においてパターン幅W4が最大となる。これは、線路長の中心の方が中間ターンよりも磁界が弱いためであり、これをパターン幅に反映させたものである。実線で示す例では、線路長の中心位置が最大のパターン幅W4を有しており、ここから離れるにしたがってパターン幅が減少することから、中間ターンを中心に考えると、中間ターンから見て内周側に位置する各ターンのパターン幅の合計値又は平均値よりも、中間ターンから見て外周側に位置する各ターンのパターン幅の合計値又は平均値の方が大きくなる。つまり、図10に示すグラフの領域F1よりも領域F2の方が大きい。このように、図10の実線で示す例では、中間ターンを中心に考えると、パターン幅が内周側と外周側で対称ではない。
ここで、中間ターンとは、図11に示すようにコイルパターンTのターン数が奇数(例えば11ターン)である場合は、最上部ターンTiから数えたターン数と最外周ターンToから数えたターン数が一致するターンT1(例えば第6ターン)が該当する。
また、図12に示すようにコイルパターンTのターン数が偶数(例えば10ターン)である場合は、最上部ターンTiから数えたターン数が総ターン数の半分に相当するターンT2(例えば内周端から数えて第5ターン)、或いは、最外周ターンToから数えたターン数が総ターン数の半分に相当するターンT3(例えば外周端から数えて第5ターン)が該当する。コイルパターンTのターン数が偶数である場合、ターンT2とターンT3の両方を中間ターンと見なしても構わないし、いずれか一方を中間ターンと見なしても構わない。また、ターンT2のパターン幅とターンT3のパターン幅の平均値を中間ターンのパターン幅W3と見なしても構わない。
さらには、図13に示すように、ターン数の中心位置における導体パターンのパターン幅を中間ターンのパターン幅W3と見なしても構わない。図13に示す例では、コイルパターンTの総ターン数が4ターンであることから、内周端又は外周端から数えてちょうど2ターン目となる位置T4のパターン幅を中間ターンのパターン幅W3と見なしても構わない。この点は、総ターン数が奇数である場合も同様であり、図14に示すように、コイルパターンTの総ターン数が5ターンであれば、内周端又は外周端から数えてちょうど2.5ターン目となる位置T5のパターン幅を中間ターンのパターン幅W3と見なしても構わない。
一方、本実施形態のように、各ターンがスパイラル状のスリットによって径方向に分割されている場合には、各導体パターンを1ターンと見なして中間ターンを特定すれば良い。つまり、1ターンが複数の導体パターンに分割されているか否かにかかわらず、断面に現れる導体パターンの数(図9に示す例では20個)に基づいて中間ターンを特定すれば良い。
線路長の中心位置については、各ターンがスパイラル状のスリットによって径方向に分割されていない場合、つまり、コイルパターンが単純なスパイラルパターンである場合には、コイルパターンに沿ったコイル長のちょうど中間位置がこれに該当する。一方、本実施形態のように、各ターンがスパイラル状のスリットによって径方向に分割されている場合には、全導体パターンが内周端から外周端に向かって一筆書き可能な単純なスパイラルパターンであると仮定した場合における、コイルパターンに沿ったコイル長のちょうど中間位置が線路長の中心位置に該当する。つまり、図9に示す例では、導体パターン111~114,121~124,131~134,141~144,211~214からなる計20個の導体パターンがスパイラル状又はヘリカル状に接続され、これによりコイルパターン100,200の合計ターン数が20ターンであると仮定した場合における線路長の中心位置がこれに該当する。
このように、磁界の強度に応じてコイルパターンのパターン幅を設計すれば、パターン幅を一定とした場合と比べ、交流抵抗をより低減することが可能となる。
しかも、本実施形態によるコイル部品は、各ターンがスパイラル状又はヘリカル状のスリットによって径方向に4分割されていることから、このようなスリットを設けない場合と比べて、電流密度の偏りが低減される。その結果、直流抵抗や交流抵抗を低減することができる。しかも、第1のコイルパターン100と第3のコイルパターン300との間で導体部分の径方向位置が完全に入れ替えられていることから、内外周差が相殺される。これにより、電流密度分布が均一化されることから、直流抵抗や交流抵抗をよりいっそう低減することが可能となる。
また、図9に示す例では、径方向又は軸方向に隣接するターン間のスペースSが一定幅とされている。これにより、パターン幅の狭い内周端近傍または外周端近傍において無駄なスペースが生じないことから、パターン幅を十分に確保することができ、直流抵抗が低減される。但し、本発明においてこの点は必須でなく、図15に示す変形例のように、パターン幅に応じてスペースSを変化させても構わない。図15に示す例では、各導体パターンの径方向又は軸方向におけるピッチPが一定であり、これにより、パターン幅が狭いほどスペースSが大きく、パターン幅が広いほどスペースSが小さくなるよう設計されている。これによれば、パターン幅を一定とした場合と同じインダクタンスを得ることが可能となる。
特に限定されるものではないが、図9及び図15に示すように、第1のコイルパターン100の円周領域A1に位置する各導体パターンと、第3のコイルパターン300の円周領域A2に位置する各導体パターンは、平面方向における位置が完全に一致している。これにより、平面視で基板の平板部10が導体パターンで覆われる部分の面積が小さくなることから、渦電流損を低減することが可能となる。しかも、円周領域A1に位置する各導体パターンと円周領域A2に位置する各導体パターンが重なることにより、第1のコイルパターン100と第3のコイルパターン300の視覚的な干渉を最小限に抑えることができる。つまり、基板の平板部10が透明又は半透明であっても、第1のコイルパターン100を外観検査する際に第3のコイルパターン300が視覚的な障害とならず、逆に、第3のコイルパターン300を外観検査する際に第1のコイルパターン100が視覚的な障害とならない。これにより、検査装置を用いた外観検査を正しく実行することが可能となる。
本実施形態によるコイル部品1は、図16に示すワイヤレス電力伝送システムに応用することが可能である。図16に示すワイヤレス電力伝送システムは、ワイヤレス送電装置TXとワイヤレス受電装置RXからなるシステムであり、空間40を介して、ワイヤレス送電装置TXに含まれる送電コイル51とワイヤレス受電装置RXに含まれる受電コイル61を対向させることにより、ワイヤレスで電力伝送を行うことができる。送電コイル51は、電源回路、インバータ回路、共振回路などを含む送電回路52に接続され、送電回路52から交流の電流が供給される。受電コイル61は、共振回路、整流回路、平滑回路などを含む受電回路62に接続される。そして、送電コイル51と受電コイル61を向かい合わせることにより両者を磁気結合させれば、ワイヤレス送電装置TXからワイヤレス受電装置RXへ空間40を介してワイヤレスに電力を伝送することができる。
このような構成を有するワイヤレス電力伝送システムにおいて、送電コイル51や受電コイル61として本実施形態によるコイル部品1を利用することができる。この場合、送電コイル51から見て空間40の反対側に配置された磁性部材53や、受電コイル61から見て空間40の反対側に配置された磁性部材63は、図1に示す磁性部材M1,M2に対応する。磁性部材53,63(磁性部材M1,M2)を配置すれば、送電コイル51及び受電コイル61のインダクタンスが高められ、より効率的な電力伝送を行うことが可能となる。
また、第1~第4のコイルパターン100,200,300,400ではコイルの許容電流値が不足する場合は、図17に示すコイル部品2のように、複数(図17に示す例では2個)のコイルユニットU1,U2を同軸に重ね、これらを図18に示すように並列に接続することにより、コイル抵抗値をさらに低減してコイルの許容電流値を拡大することができる。この場合、コイルユニットU1を構成する筒状部20の径とコイルユニットU2を構成する筒状部20の径に差を設けることにより、一方の筒状部20を他方の筒状部20に挿入することができる。
また、磁性部材M1とコイルユニットU2の距離は、磁性部材M1とコイルユニットU1の距離よりも遠いため、コイルユニットU1,U2のターン数が互いに同一であっても、インダクタンスはコイルユニットU2の方が小さくなり、その結果、コイルユニットU1,U2のインピーダンスに差が生じる。コイルユニットU1,U2にインピーダンス差が存在すると、インピーダンス差に起因する電流の偏りによって損失が大きくなってしまう。この点を考慮すれば、インピーダンスの小さいコイルユニットU2の線路長をコイルユニットU1の線路長よりも長くすることによってインダクタンスを大きくすることが好ましい。これによれば、2つのコイルユニットU1,U2のインダクタンス差が縮小することから、インピーダンス差に起因する電流の偏りが低減され、理想的には一致する。その結果、図18に示す回路全体の損失を低減することが可能となる。
一方、必要なインダクタンスが不足する場合は、図17に示すコイル部品2のように、複数(図17に示す例では2個)のコイルユニットU1,U2を同軸に重ねるとともに、これらを直列に接続しても構わない。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態においては、平板部10に対して筒状部20が垂直に設けられているが、本発明においてこの点は必須でない。したがって、図19に示す変形例によるコイル部品3のように、平板部10と筒状部20がなす角度θが90°未満であっても構わない。この場合であっても、図20に示すように、第1のコイルパターン100のz方向から見た視認幅Waよりも、第2のコイルパターン200のz方向から見た視認幅Vの方が細ければ、第2のコイルパターン200と磁束φの干渉を低減することが可能となる。第2のコイルパターン200のz方向から見た視認幅Vはより細い方が好ましく、この観点からは、角度θが90に近いほど好ましい。実際には、角度θが45°以上であることが好ましく、60°以上であることがより好ましい。
また、上記各実施形態においては、コイルパターンを構成する各ターンをスパイラル状のスリットによって4つの導体パターンに分離しているが、本発明において、コイルパターンを構成する各ターンを複数の導体パターンに分離することは必須でない。また、複数の導体パターンに分離する場合であっても、その数は4つに限定されるものではない。
上記実施形態によるコイル部品1と同様の構造を有する2つのコイル部品(実施例1及び2)を想定し、シミュレーションによって周波数が100kHzである場合の交流抵抗及びインダクタンスを算出した。また、筒状部20を用いることなく、全ての導体パターンをスパイラル状に巻回した他は、実施例1と同じ構成を有する比較例についても想定し、シミュレーションによって周波数が100kHzである場合の交流抵抗及びインダクタンスを算出した。導体パターンの材料はいずれも銅(Cu)であり、各サンプルにおけるパターン幅、パターン厚、スペースについては図21に示す通りとした。図21において、Turn1は最外周ターンであり、Turn20は最上部ターンである。また、実施例1及び2においては、筒状部20の径を22mmとした。また、比較例においては、実施例1及び2と概ね同等のインダクタンス値となるよう、コイル内径及び外径を調整した。
シミュレーションの結果を図22に示す。図22に示すように、実施例1及び2のサンプルは比較例のサンプルと比べて交流抵抗値が低かった。特に、実施例2のサンプルにおける交流抵抗値は、比較例のサンプルと比べて大幅に改善されることが確認された。
1~3 コイル部品
10 平板部
11,12 平板部の表面
20 筒状部
21 筒状部の外周面
22 筒状部の内周面
40 空間
51 送電コイル
52 送電回路
53 磁性部材
61 受電コイル
62 受電回路
63 磁性部材
100 第1のコイルパターン
200 第2のコイルパターン
300 第3のコイルパターン
400 第4のコイルパターン
110~140,210,310~340,410 ターン
111~114,121~124,131~134,141~144,211~214,311~314,321~324,331~334,341~344,411~414 導体パターン
171,172,371,372 引き出しパターン
A1,A2 円周領域
B1,B2 遷移領域
C1,C2 中心点
E1,E1a,E1b,E2,E2a,E2b 端子電極
F1,F2 領域
H1~H4 スルーホール導体
L1,L2 仮想線
M1,M2 磁性部材
N11~N14,N21~N24,N31~N34,N41~N44 接続ノード
P ピッチ
RX ワイヤレス受電装置
S スペース
T コイルパターン
TX ワイヤレス送電装置
Ti 最内周ターン
To 最外周ターン
U1,U2 コイルユニット
W1~W4 パターン幅
θ 角度
φ 磁束

Claims (11)

  1. 平板部及び前記平板部から突出する筒状部を有する基板と、
    前記平板部の一方の表面に形成され、前記筒状部を中心として複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回された第1のコイルパターンと、
    前記筒状部の内周面及び外周面の一方に形成され、前記筒状部の軸を中心として複数ターンに亘ってヘリカル状に巻回された第2のコイルパターンと、を備え、
    前記平板部の前記一方の表面に対して垂直な方向から見て、前記第1のコイルパターンを構成する導体パターンよりも前記第2のコイルパターンを構成する導体パターンの方が細いことを特徴とするコイル部品。
  2. 前記第1のコイルパターンを構成する導体パターンは、前記平板部の前記一方の表面と平行なパターン幅が、前記平板部の前記一方の表面に対して垂直なパターン厚よりも大きく、
    前記第2のコイルパターンを構成する導体パターンは、前記筒状部の前記内周面及び前記外周面の前記一方と平行なパターン幅が、前記筒状部の前記内周面及び前記外周面の前記一方に対して垂直なパターン厚よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第1のコイルパターンは、最も内周に位置する最内周ターンと、最も外周に位置する最外周ターンとを有し、
    前記第2のコイルパターンは、軸方向における一端に位置し、前記第1のコイルパターンの前記最内周ターンに接続された最下部ターンと、前記軸方向における他端に位置する最上部ターンとを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 前記平板部の他方の表面に形成され、前記筒状部を中心として複数ターンに亘ってスパイラル状に巻回された第3のコイルパターンと、
    前記筒状部の前記内周面及び前記外周面の他方に形成され、前記筒状部の軸を中心として複数ターンに亘ってヘリカル状に巻回された第4のコイルパターンと、をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のコイル部品。
  5. 前記第3のコイルパターンは、最も内周に位置する最内周ターンと、最も外周に位置する最外周ターンとを有し、
    前記第4のコイルパターンは、軸方向における前記一端に位置し、前記第3のコイルパターンの前記最内周ターンに接続された最下部ターンと、前記軸方向における前記他端に位置する最上部ターンとを有し、
    前記第2のコイルパターンと前記第4のコイルパターンが接続されていることを特徴とする請求項4に記載のコイル部品。
  6. 前記最外周ターン及び前記最上部ターンのパターン幅は、前記第1及び第2のコイルパターンを構成する他のいずれかのターンのパターン幅よりも狭いことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のコイル部品。
  7. 前記第1又は第2のコイルパターンは、前記最外周ターン又は前記最上部ターンから数えたターン数が前記第1及び第2のコイルパターンの合計ターン数の中間である中間ターンと、前記第1及び第2のコイルパターンの合計線路長の中心位置とを有し、
    前記最外周ターン及び前記最上部ターンのパターン幅よりも、前記中間ターン及び前記中心位置におけるパターン幅の方が大きいことを特徴とする請求項6に記載のコイル部品。
  8. 前記最上部ターンから前記中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値よりも、前記最外周ターンから前記中間ターンまでの各ターンのパターン幅の合計値又は平均値の方が大きいことを特徴とする請求項7に記載のコイル部品。
  9. 前記第1のコイルパターンを構成する各ターンは、スパイラル状のスリットによって径方向に分離された複数の導体パターンからなり、
    前記第2のコイルパターンを構成する各ターンは、ヘリカル状のスリットによって軸方向に分離された複数の導体パターンからなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコイル部品。
  10. 前記平板部の他方の表面を覆う第1の磁性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコイル部品。
  11. 前記筒状部の内径領域に配置された第2の磁性部材をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコイル部品。
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