JP7028123B2 - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、希土類磁石の製造方法に関する。本開示は、特に、Sm-Fe-N系希土類磁石の製造方法に関する。
高性能希土類磁石としては、Sm-Co系希土類磁石及びNd-Fe-B系希土類磁石が実用化されているが、近年、これら以外の希土類磁石が検討されている。
例えば、Sm、Fe、及びNを含有する希土類磁石(以下、「Sm-Fe-N系希土類磁石」ということがある。)が検討されている。Sm-Fe-N系希土類磁石は、Sm-Fe結晶に、Nが侵入型で固溶していると考えられている。
Sm-Fe-N系希土類磁石の改良も、検討されている。例えば、特許文献1には、Sm、Fe、及びNを含有する磁性粉末(以下、「SmFeN粉末」ということがある。)とZn粉末とを混合して成形し、その成形体を熱処理して固化する希土類磁石が開示されている。
特許文献1に開示されている希土類磁石においては、Zn粉末は、SmFeN粉末の粒子を結合して固化するメタルボンドの働きをするとともに、SmFeN粉末の粒子中にZnを分散させて、保磁力を向上させている。
特開2015-201628号公報
特許文献1に開示されるようなメタルボンドを用いる希土類磁石においては、混合粉末を圧縮成形して圧粉体を形成しておき、熱処理対象物の取り扱い(マテリアルハンドリング)を容易にすることが行われている。
しかし、磁性粉末がSmFeN粉末であり、メタルボンド粉末がZn又はZn合金を含有する粉末である場合、熱処理固化の前に圧粉体を形成すると、熱処理して得た固化物(希土類磁石)の磁化が低下する場合がある、という課題を本発明者らは見出した。
また、Zn又はZn合金を含有する粉末を用いるSm-Fe-N系希土類磁石の製造方法においては、混合粉末を磁場中で圧縮成形して、圧粉体を磁場配向させ、熱処理して得た固化物(希土類磁石)に異方性を付与し、残留磁化を向上させることが行われている。
しかし、混合粉末を磁場中で圧縮成形しても、所望の残留磁化向上効果が得られない場合がある、という課題を本発明者らは見出した。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本開示は、Zn又はZn合金を含有する粉末で固化するSm-Fe-N系希土類磁石の製造方法において、熱処理固化の前に圧粉体を形成しても、残留磁化が低下することを抑制することができる希土類磁石の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本開示は、磁場を印加しながら圧粉体を形成した場合に、残留磁化を安定して向上させることができる希土類磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示の希土類磁石の製造方法を完成させた。本開示の希土類磁石の製造方法は、次の態様を含む。
〈1〉Sm、Fe、及びNを含有し、少なくとも一部がThZn17型又はThNi17型の結晶構造を有する主相を含む磁性粉末と、Zn又はZn合金を含有する粉末とを混合して、混合粉末を得ること、
前記混合粉末を圧縮成形して、3.5~5.0g/cmの密度を有する圧粉体を得ること、
前記圧粉体を熱処理して固化すること、
を含む、希土類磁石の製造方法。
〈2〉前記磁性粉末が1~20μm以下の平均粒径を有する、〈1〉項に記載の方法。
〈3〉前記磁性粉末が4~10μm以下の平均粒径を有する、〈2〉項に記載の方法。
〈4〉前記磁性粉末が、8~12μmの平均粒径を有する粉末Aと、1~5μmの平均粒径を有する粉末Bを有し、前記粉末Bの配合量が、前記粉末A及び前記粉末Bの合計量に対して、0~30質量%である、〈1〉項に記載の方法。
〈5〉前記粉末Aが9~11μmの平均粒径を有する、〈4〉項に記載の方法。
〈6〉前記粉末Bが2~4μmの平均粒径を有する、〈4〉又は〈5〉項に記載の方法。
〈7〉前記粉末Bの配合量が、前記粉末A及び前記粉末Bの合計量に対して、0~20質量%である、〈4〉~〈6〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈8〉前記圧縮成形の圧力が、30~250MPaである、〈1〉~〈7〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈9〉前記圧縮成形の圧力が、30~150MPaである、〈1〉~〈8〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈10〉前記圧縮成形を磁場中で行う、〈1〉~〈9〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈11〉前記圧粉体に圧力を付加して熱処理する、〈1〉~〈10〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈12〉前記圧粉体に50~2000MPaの圧力を付加して熱処理する、〈11〉項に記載の方法。
〈13〉前記圧粉体が所定の温度に達してから、前記圧粉体に圧力を付加して熱処理する、〈11〉又は〈12〉項に記載の方法。
〈14〉前記熱処理の温度が350~500℃である、〈1〉~〈13〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈15〉前記熱処理の温度が420~500℃である、〈1〉~〈14〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈16〉前記主相が、(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17(ただし、RはSm以外の希土類元素並びにY及びZrから選ばれる1種以上、iは0~0.50、jは0~0.52、かつ、hは1.5~4.5)で表される相を含む、〈1〉~〈15〉項のいずれか一項に記載の方法。
本開示によれば、混合粉末を圧縮成形して所定の密度の圧粉体を得ることにより、残留磁化の低下を抑制できる希土類磁石の製造方法を提供することができる。
さらに、本開示によれば、磁場を印加しながら混合粉末を圧縮成形する場合にも、所定の密度の圧粉体を得ることにより、残留磁化を安定して向上させることができる希土類磁石の製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1~3及び比較例1~2の試料について、圧粉体密度を示すグラフである。 図2は、実施例1~3及び比較例1~2の試料について、圧粉体密度とBr(emu/g)の関係を示すグラフである。 図3は、実施例1~3及び比較例1~2の試料について、圧粉体密度とBr(T/g)の関係を示すグラフである。 図4は、実施例4及び実施例5の試料について、圧縮成形圧力と圧粉体密度の関係を示すグラフである。 図5は、実施例4及び実施例5の試料について、圧縮成形圧力とBr(emu/g)との関係を示すグラフである。 図6は、実施例4の試料について、圧粉体密度とBr(emu/g)との関係を示すグラフである。 図7は、実施例4の試料について、圧縮成形圧力とBr(emu/g)との関係を示すグラフである。 図8は、実施例5の試料について、圧粉体密度とBr(emu/g)との関係を示すグラフである。 図9は、実施例5の試料について、圧縮成形圧力とBr(emu/g)との関係を示すグラフである。 図10は、実施例1~5及び比較例1~2の試料準備において、圧粉体を熱処理するときの加熱及び加圧パターンを示す説明図である。
以下、本開示に係る希土類磁石の製造方法の実施形態を説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示の希土類磁石の製造方法を限定するものではない。
本開示の希土類磁石の製造方法(以下、「本開示の製造方法」ということがある。)は、混合粉末準備工程、圧縮成形工程、及び熱処理工程を含む。
混合粉末準備工程では、磁性粉末とZn又はZn合金を含有する粉末を混合して、混合粉末を得る。圧縮成形工程では、混合粉末を圧縮成形して、圧粉体を得る。そして、熱処理工程では、圧粉体を熱処理して固化する。その固化物は希土類磁石である。
上述した工程のうち、圧縮成形工程では、混合粉末に圧力が付加される。また、熱処理工程では、圧粉体に圧力を付加してもよい。
磁性粉末に含まれる主相は、Sm-Fe結晶を有しており、そのSm-Fe結晶には、Nが侵入型で固溶していると考えられている。そのため、主相は、応力付加によって破壊され易い。主相によって、磁性は発現するため、主相が破壊されれば、磁性、特に残留磁化(残留磁束密度)は低下する。また、主相が破壊されると、微粉の発生により酸素含有量が増加して、残留磁化の低下を助長する。そして、磁場を印加しつつ混合粉末を圧縮成形して圧粉体を得ている場合には、これまで説明した残留磁化の低下のほかに、主相の破壊による配向の乱れも加わり、磁場配向による残留磁化の向上が不安定になる。
理論に拘束されないが、主相の破壊は、多くの場合、圧縮成形工程で発生していると考えられる。その理由について、理論に拘束されないが、本発明者は次のことを知見した。
圧粉体中には、磁性粉末の粒子とZn又はZn合金を含有する粉末の粒子が混合して存在している。圧粉体を熱処理すると、Zn又はZn合金がメタルボンドの働きをして、磁性粉末の粒子を結合して固化する。熱処理温度をZn又はZn合金の融点以上にした場合には、液相焼結の様相を呈しており、熱処理温度をZn又はZn合金の融点未満にした場合には、固相焼結の様相を呈していると考えられる。
熱処理時には、圧粉体に圧力を付加してもよい。以下、その圧力を「熱処理圧力」ということがある。熱処理圧力は、混合粉末を圧縮成形するときの圧力(以下、「圧縮成形圧力」ということがある。)と同等かそれ以上である。しかし、熱処理時に主相が破壊されることは少ない。これは、液相焼結時には、Zn又はZn合金の融液が潤滑材となって、磁性粉末の粒子中の主相に付加される応力を緩和するためであると考えられる。また、固相焼結時には、Zn又はZn合金は溶融していないが、軟質化しており、これが緩衝材となって、磁性粉末の粒子中の主相に付加される応力を緩和すると考えられる。
一方、混合粉末を圧縮成形して圧粉体を得る場合には、圧縮成形は室温で行われるため、熱処理時のように、Zn又はZn合金が液相となることはなく、潤滑材の働きは得られない。Zn又はZn合金は比較的軟質材料であるため、室温でも変形し易い。そのため、磁性粉末とZn又はZn合金を含有する粉末の混合中に、磁性粉末の粒子の表面に、Zn又はZn合金が被覆されることが多い。Zn又はZn合金被膜は薄いため、緩衝材としての効果はそれほど期待できない。そうすると、圧縮成形圧力の大きさで、磁性粉末粒子中の主相が破壊されるか否かが推定できるようにも思われる。しかし、実際には、圧縮成形圧力が一定でも、磁性粉末の粒径及びその分布等によって、磁性粉末粒子中の主相が破壊されるか(磁気特性、特に、残留磁化が低下するか)否かが異なる。
この状況に鑑み、本発明者らは、混合粉末を圧縮成形しても、磁性粉末粒子の主相が破壊されるか否かは、圧粉体の密度で判断すればよいことを知見した。そして、本発明者らは、圧粉体の密度を所定の範囲にすれば、磁性粉末粒子の主相が破壊されず、磁気特性、特に、残留磁化の低下を抑制できることを知見した。
これまで述べてきた知見等によって完成された、本開示の製造方法の構成要件を、次に説明する。
《製造方法》
本開示の製造方法は、混合粉末準備工程、圧縮成形工程、及び熱処理工程を含む。以下、それぞれの工程について説明する。
〈混合粉末準備工程〉
磁性粉末とZn又はZn合金を含有する粉末とを混合して、混合粉末を得る。以下、磁性粉末とZn又はZn合金を含有する粉末について、それぞれ、説明する。
磁性粉末は、Sm、Fe、及びNを含有し、少なくとも一部がThZn17型又はThNi17型の結晶構造を有する主相を含有すれば、特に制限はない。主相の結晶構造としては、前述の構造のほかに、TbCu型の結晶構造を有する相等が挙げられる。
磁性粉末中には、例えば、組成式(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17で表される主相を含有してもよい。本開示の製造方法で得られる希土類磁石(以下、「成果物」ということがある。)は、磁性粉末中の主相に由来して、磁気特性を発現する。すなわち、主相は磁性相である。なお、i、j、及びhは、モル比である。
磁性粉末中の主相には、本開示の製造方法の効果及びその成果物の磁気特性を阻害しない範囲で、Rを含有していてもよい。このような範囲は、上記組成式のiで表される。iは、例えば、0以上、0.10以上、又は0.20以上であってよく、0.50以下、0.40以下、又は0.30以下であってよい。Rは、Sm以外の希土類元素並びにY及びZrから選ばれる1種以上である。本明細書で、希土類元素とは、Sc、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuである。
磁性粉末中の主相には、本開示の製造方法の効果及びその成果物の磁気特性を阻害しない範囲で、Coを含有してもよい。このような範囲は、上記組成式で、jで表される。jは、0以上、0.10以上、又は0.20以上であってよく、0.52以下、0.40以下、又は0.30以下であってよい。
主相は、(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17で表される結晶粒にNが侵入型で存在することによって、磁気特性の発現及び向上に寄与する。そのためには、hは、1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.5以上がより一層好ましい。一方、hは、4.5以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.5以下がより一層好ましい。
(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17については、典型的には、Sm(Fe(1-j)Co17のSmの位置にRが置換しているが、これに限られない。例えば、Sm(Fe(1-j)Co17に、侵入型でRの一部が配置されていてもよい。
また、(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17については、典型的には、(Sm(1-i)Fe17のFeの位置にCoが置換しているが、これに限られない。例えば、(Sm(1-i)Fe17に、侵入型でCoの一部が配置されていてもよい。
さらに、(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17については、hは1.5~4.5をとり得るが、典型的には、(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17である。(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17全体に対する(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%がより一層好ましい。一方、(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17のすべてが(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17でなくてもよい。(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17全体に対する(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17の含有量は、98質量%以下、95質量%以下、又は92質量%以下であってよい。
磁性粉末は、(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17で表される主相の他に、本開示の製造方法の効果及び成果物の磁気特性を阻害しない範囲で、酸素及びMを含有してもよい。成果物の磁気特性を確保する観点からは、磁性粉末全体に対する、(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17で表される主相の含有量は、80質量%以上、85質量%以上、又は90質量%以上であってよい。一方、磁性粉末全体に対して、(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17で表される主相の含有量を過度に高くしなくとも、実用上問題はない。したがって、その含有量は、97質量%以下、95質量%以下、又は93質量%以下であってよい。(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17で表される主相の残部が、酸素及びMの含有量となる。また、Mの一部は、侵入型及び/又は置換型で、主相に存在していてもよい。
としては、成果物について、磁気特性を実質的に低下することなく、特定の特性を向上させる元素及び不可避的不純物元素である。特定の特性を向上させる元素としては、Ga、Ti、Cr、Zn、Mn、V、Mo、W、Si、Re、Cu、Al、Ca、B、Ni、及びCから選ばれる1種以上が挙げられる。不可避的不純物元素とは、原材料及び/又は磁性粉末を製造等するに際し、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物元素のことをいう。
本開示の製造方法では、磁性粉末に、Zn又はZn合金を含有する粉末を混合する。磁性粉末中の酸素は、Zn又はZn合金を含有する粉末に吸収されることで、成果物の磁気特性、特に保磁力を向上させることができる。磁性粉末中の酸素の含有量は、製造工程中で、Zn又はZn合金を含有する粉末が、磁性粉末中の酸素を吸収する量を考慮して決定すればよい。磁性粉末の酸素含有量は、磁性粉末全体に対して、低い方が好ましい。磁性粉末の酸素含有量は、磁性粉末全体に対して、2.00質量%以下が好ましく、1.34質量%以下がより好ましく、1.05質量%以下がより一層好ましい。一方、磁性粉末中の酸素の含有量を極度に低減することは、製造コストの増大を招く。このことから、磁性粉末の酸素の含有量は、磁性粉末全体に対して、0.1質量%以上、0.2質量%以上、又は0.3質量%以上であってよい。
磁性粉末の平均粒径は、混合粉末の圧粉体の密度が後述する範囲になる限りにおいて、特に制限はない。
混合粉末の圧粉体の密度が後述する範囲になるには、磁性粉末の平均粒径は、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、6μm以上、7μm以上、8μm以上、又は9μm以上であってよく、20μm以下、19μm以下、18μm以下、17μm以下、16μm以下、15μm以下、14μm以下、13μm以下、12μm以下、11μm以下、又は10μm以下であってよい。
また、磁性粉末は、平均粒径の異なる磁性粉末を配合してもよい。磁性粉末は、8~12μmの平均粒径を有する粉末Aと、1~5μmの平均粒径を有する粉末Bとを配合すると、圧粉体の密度が後述する範囲となり、特に好ましいが、これに限られない。
粉末Aの平均粒径については、9~11μmがより好ましい。粉末Bの平均粒径については、2~4μmがより好ましい。本明細書で、特に断りがない限り、平均粒径は、投影面積円相当径の平均である。
粉末Bの配合量は、粉末A及び粉末Bの合計量に対して、0質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上であってよく、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、又は15質量%以下であってよい。なお、粉末Bの配合量が0質量とは、粉末Bを実質的に含有しないことを意味する。
粉末Aの配合量は、粉末Bの残部である。磁性粉末は、粉末A及び粉末B以外の粉末を含有してよい。粉末A及び粉末B以外の粉末としては、粉末A及び粉末Bと同材料で粒径が異なるものであってもよいし、粉末A及び粉末Bと異なる材料であってもよい。粉末A及び粉末Bと異なる材料としては、本開示の製造方法の効果及び成果物の磁気特性を阻害しない範囲で含有してもよい材料であり、例えば、耐食性等を改善する材料である。なお、磁性粉末の残部には、不可避的不純物を含有してもよい。不可避的不純物の含有量は、磁性粉末全体に対して、5質量以下、3質量%以下、2質量%以下、又は1質量%以下であってよい。不可避的不純物とは、原材料及び/又は磁性粉末を製造等するに際し、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物のことをいう。
Zn又はZn合金を含有する粉末は、本開示の製造方法の効果及び成果物の磁気特性を阻害しない範囲で、Zn又はZn合金粉末以外を含有してもよい。Zn又はZn合金を含有する粉末中で、Zn又はZn合金粉末以外の含有量は、25.0質量%以下、20.0質量%以下、10.0質量%以下、5.0質量%以下、3.0質量%以下、又は1.0質量%以下であってよい。一方、Zn又はZn合金を含有する粉末中で、Zn又はZn合金粉末以外を皆無にすることは困難である。Zn又はZn合金を含有する粉末は、不可避的不純物を含有してよい。不可避的不純物とは、原材料及び/又は金属Znを製造等するに際し、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物元素のことをいう。Zn又はZn合金を含有する粉末において、Zn又はZn合金粉末の含有量は、0.1質量%以上、0.5質量%以上、又は0.8質量%以上であってよい。なお、「Zn又はZn合金粉末の含有量」及び「Zn又はZn合金粉末以外の含有量」は、Zn又はZn合金を含有する粉末全体に対する含有量である。また、「Zn又はZn合金」は「Zn及びZn合金の少なくともいずれか」を意味する。
Zn又はZn合金粉末以外は、典型的には、酸素及びその関連物である。Zn又はZn合金を含有する粉末中で、酸素の含有量が低いほど、磁性粉末中の酸素を吸収しやすい。そのため、Zn又はZn合金を含有する粉末中の酸素含有量は、1.0質量%以下、0.5質量%以下、0.3質量%以下、又は0.1質量%以下であってよい。一方、Zn又はZn合金を含有する粉末中の酸素含有量を、過剰に低くすることは、製造コストの増大を招く。この観点から、Zn又はZn合金を含有する粉末中の酸素含有量は、0.01質量%以上、0.03質量%以上、又は0.05質量%以上であってよい。なお、酸素含有量は、Zn又はZn合金を含有する粉末全体に対する含有量である。Zn又はZn合金を含有する粉末中の酸素の形態は、酸化物等の化合物であってもよいし、吸着物であってもよい。
そして、Zn又はZn合金を含有する粉末中で、Zn粉末の含有量は、70.0質量%以上が好ましい。このようにすることで、本開示の製造方法の効果を享受し易くなり、成果物の磁気特性も劣化し難い。この観点からは、Zn又はZn合金を含有する粉末中で、Zn粉末の含有量は、多い方がよく、80.0質量%以上、90.0質量%以上、95.0質量%以上、又は98.0質量%以上であってよい。一方、Zn及びZn合金を含有する粉末のすべてがZn粉末でなくても、本発明の効果を得ることができる。この観点からは、Zn又はZn合金を含有する粉末中で、Zn粉末の含有量は、99.5質量%以下、99.0質量%以下、又は98.5質量%以下であってよい。
本明細書中で、Znは、ZnとZn以外の元素が合金化していない「金属Zn」を意味する。金属Znには、不可避的不純物を含有してよいことは、もちろんである。不可避的不純物とは、原材料及び/又は金属Znを製造等するに際し、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物元素のことをいう。金属Znの純度は、95質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましく、99質量%以上がより一層好ましい。
混合粉末の状態で、磁性粉末の粒子間に、Zn又はZn合金を含有する粉末の粒子が侵入しやすいように、Zn又はZn合金を含有する粉末の粒径を適宜決定すればよい。これにより、成果物の磁気特性、特に、保磁力を向上させることができる。この観点からは、Zn又はZn合金を含有する粉末の平均粒径は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がより一層好ましい。一方、Zn又はZn合金を含有する粉末の粒径が過度に小さいと、Zn又はZn合金を含有する粉末の粒子が凝集して、かえって、磁性粉末の粒子間に、Zn又はZn合金を含有する粉末の粒子が侵入し難くなる。凝集抑制の観点からは、Zn又はZn合金を含有する粉末の平均粒径は、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、3μm以上がより一層好ましい。Zn又はZn合金を含有する粉末の粒径が、これまで説明してきた範囲であれば、圧粉体の密度を後述する範囲にすることを特段阻害しないが、圧粉体の密度の観点からは、Zn又はZn合金を含有する粉末の平均粒径は、1~20μmが好ましい。
Zn又はZn合金を含有する粉末の配合量については、混合粉末全体に対して、Zn成分が1~20質量%になるように配合することが好ましい。Zn成分が1質量%以上であれば、磁性粉末中の酸素を、Zn又はZn合金を含有する粉末が吸収する効果を実質的に認識できるようになる。理論に拘束されないが、Zn又はZn合金を含有する粉末中のZnが、Znの酸化物になることによって、磁性粉末中の酸素を吸収する。また、液相焼結時及び/又は固相焼結時に、潤滑材及び/又は緩衝材としての働きを実質的に認識できるようになる。酸素吸収並びに潤滑材及び/又は緩衝材の観点からは、Zn成分は、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がより一層好ましい。一方、Zn成分が過剰であると、成果物中に残留するZn成分が増加し、その分、主相が減少して、その結果、磁気特性が低下する。磁気特性の低下を抑制する観点からは、Zn成分は、18質量%以下がより好ましく、16質量%以下がより一層好ましい。
Zn又はZn合金を含有する粉末の配合量を、これまで説明してきた範囲になるようにすれば、圧粉体の密度を後述する範囲にすることを特段阻害しない。圧粉体の密度の観点からは、Zn成分が次のようになるように、Zn又はZn合金を含有する粉末を配合すればよい。すなわち、Zn成分は、混合粉末全体に対して、1質量%以上,2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、又は5質量%以上であってよく、20質量以下、10質量以下、8質量以下、又は6質量以下であってよい。特に、Zn成分は、2~8質量%以下であってよい。
磁性粉末とZn又はZn合金を含有する粉末との混合に用いる混合機は、特に制限されない。混合機としては、マラーホイール式ミキサー、アジテータ式ミキサー、メカノフュージョン、V型混合器、及びボールミル等が挙げられる。V型混合器は、2つの筒型容器をV型に連結した容器を備え、その容器を回転することによって、容器中の粉末が、重力と遠心力で集合と分離されることが繰り返され、混合する装置である。
Zn又はZn合金を含有する粉末中には、軟らかいZn又はZn合金を多量に含有する。これにより、磁性粉末とZn又はZn合金を含有する粉末との混合中に、磁性粉末の粒子の表面に、Zn又はZn合金が被覆される。Zn又はZn合金が被覆されると、磁性粉末中の酸素は、Zn又はZn合金中に吸収され易くなる。Zn又はZn合金の被覆の観点からは、V型混合器の使用がより好ましく、ボールミルの使用がより一層好ましい。なお、ボールミルを使用する場合には、混合後に、混合粉末からボールを除去することは、もちろんである。
〈圧縮成形工程〉
混合粉末を圧縮成形して、3.5~5.0g/cmの密度を有する圧粉体を得る。圧粉体の密度が3.5g/cm以上であれば、圧粉体の取り扱い時(マテリアルハンドリング時)に、圧粉体が破損することはない。この観点からは、圧粉体の密度は、3.7g/cm以上、4.0g/cm以上、4.2g/cm以上、又は4.5g/cm以上であってよい。一方、圧粉体の密度が5.0g/cm以下であれば、残留磁化(残留磁束密度)の低下を抑制できる。また、磁場中で混合粉末を圧縮成形している場合には、残留磁化(残留磁束密度)を安定して向上させることができる。これらの理由は、上述したとおりである。これらの観点からは、圧粉体の密度は、4.9g/cm以下、4.8g/cm以下、又は4.7g/cm以下であってよい。
圧縮成形方法は、金型を用いたプレス等の常法でよい。圧粉体の密度を所望の値以上にする観点からは、圧縮成形圧力は、30MPa以上、40MPa以上、又は50MPa以上であってよい。圧粉体の密度が所望の値を超えないようにする観点からは、圧縮成形圧力は、250MPa以下、240MPa以下、230MPa以下、220MPa以下、210MPa以下、200MPa以下、又は150MPa以下であってよい。
混合粉末の圧縮成形は、磁場中で行ってもよい。これにより、圧粉体に配向性をもたせることができ、熱処理固化後の希土類磁石の残留磁化(残留磁束密度)を向上させることができる。磁場中で圧縮成形する方法としては、磁石製造時に一般的に行われている方法でよい。印加する磁場は、例えば、0.3T以上、0.5T以上、又は1.0T以上であってよく、5.0T以下、4.0T以下、又は3.0T以下であってよい。
〈熱処理工程〉
圧粉体を熱処理して固化する。このようにして得られた固化物は、希土類磁石である。
熱処理の一態様としては、Zn又はZn合金を含有する粉末の少なくとも一部が液相になった状態で、圧粉体を固化する態様がある。このような態様を、便宜上、液相焼結という。熱処理の別の態様としては、Zn又はZn合金を含有する粉末が固相のまま、圧粉体を固化する態様がある。このような態様を、便宜上、固相焼結という。
液相焼結及び固相焼結いずれの場合にも、混合粉末中の主相が分解しない温度で熱処理する。この観点からは、熱処理温度は、500℃以下、490℃以下、又は480℃以下であってよい。
液相焼結の場合には、熱処理温度は、Zn又はZn合金の融点以上であってよい。すなわち、熱処理温度は、420℃以上、440℃以上、又は460℃以上であってよい。熱
処理温度は保持温度であり、定められた範囲内で変動してもよい。
固相焼結の場合には、熱処理温度は、圧粉体中のZn成分が磁性粉末の粒子に拡散する温度以上であってよい。すなわち、熱処理温度は、420℃以上、440℃以上、又は460℃以上であってよい。熱処理温度は保持温度であり、定められた範囲内で変動してもよい。
熱処理の一態様としては、圧粉体に圧力を付加せずに熱処理する態様がある。このような態様を、便宜上、無加圧焼結という。熱処理の別の態様としては、圧粉体に圧力を付加して熱処理する態様がある。このような態様を、便宜上、加圧焼結という。
加圧焼結の場合、Zn又はZn合金が潤滑材及び/又は緩衝材の働きをするため、圧粉体に比較的高い圧力を付加しながら熱処理しても、圧粉体中の主相が破壊され難い。圧粉体に付加する圧力(焼結圧力)は、50MPa以上、100MPa以上、200MPa以上、又は400MPa以上であってよく、2GPa以下、1.5GPa以下、又は1.0GPa以下であってよい。Zn又はZn合金が潤滑材及び/又は緩衝材の働きをしても、圧粉体中の主相が若干破壊されることがある。主相の若干の破壊を抑制する観点からは、圧粉体に付加する圧力(焼結圧力)は、1GPa以下であってよい。
熱処理時間(焼結時間)は、圧粉体の質量等に応じて適宜決めればよい。加圧焼結の場合は、圧粉体に圧力が付加されるため、無加圧焼結の場合よりも、熱処理時間は短くてよい。
加圧焼結の場合、熱処理時間は、例えば、1分以上、3分以上、又は5分以上であってよく、120分以下、60分以下、又は40分以下であってよい。加圧焼結においては、圧粉体が所定の温度に達するまでは圧粉体に圧力を付加せず、圧粉体が所定の温度に達してから圧粉体に圧力を付加し始めてもよい。その場合の熱処理時間は、所定の温度に達してからの時間とすることが好ましい。所定の温度が、Zn又はZn合金の融点以上であるとき、所定の温度になってから加圧を開始すると、Zn又はZn合金の潤滑材効果が享受できない状態で、圧粉体に圧力が付加されることがない。なお、所定の温度は、熱処理温度と同一であってもよいし、異なってもよい。
無加圧焼結の場合、熱処理時間は、例えば、5分以上、10分以上、30分以上、又は50分以上であってよく、600分以下、240分以下、又は120分以下であってよい。熱処理時間には、熱処理温度に達するまでの昇温時間は含まないことが好ましい。
熱処理時間が経過したら、熱処理対象物を金型から取り出して、熱処理を終了する。圧粉体の酸化を抑制するため、熱処理は、不活性ガス雰囲気中又は真空中で行うことが好ましい。不活性ガス雰囲気には、窒素ガス雰囲気を含む。
加圧焼結方法は、常法でよく、例えば、放電プラズマ焼結法(SPS:Spark Plasma Sintering)、及びホットプレス等が挙げられる。焼結対象物(熱処理対象物)が所定の温度に達してから圧粉体に圧力を付加したい場合には、ホットプレスが好ましい。無加圧焼結方法は、圧粉体に圧力を付加することを除き、加圧焼結方法に準ずる。
加圧焼結時には超硬合金製及び鉄鋼材料製の金型を用いるのが典型的であるが、これに限られない。なお、超硬合金とは、炭化タングステンと結合剤であるコバルトとを焼結して得られる合金である。金型に用いる鉄鋼材料としては、例えば、炭素鋼、合金鋼、工具鋼、及び高速度鋼等が挙げられる。炭素鋼としては、例えば、日本工業規格のSS540、S45C、及びS15CK等が挙げられる。合金鋼としては、例えば、日本工業規格のSCr445、SCM445、又はSNCM447等が挙げられる。工具鋼としては、例えば、日本工業規格のSKD5、SKD61、又はSKT4等が挙げられる。高速度鋼としては、例えば、日本工業規格のSKH40、SKH55、又はSKH59等が挙げられる。無加圧焼結に用いる金型は、加圧焼結の場合に準ずるが、無加圧焼結では、圧粉体に圧力を付加しないため、無加圧焼結に用いる金型は、加圧焼結に用いる金型よりも、耐久性を要しない。
以下、本開示の製造方法を、実施例及び比較例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の製造方法は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。
《試料の準備》
次の要領で実施例1~5及び比較例1~2の試料を準備した。
〈実施例1~3〉
SmFeN粉末(磁性粉末)とZn粉末(Zn又はZn合金を含有する粉末)とを、V型混合器を用いて、15分にわたり混合して、混合粉末を得た。Zn粉末の混合量は、混合粉末全体に対して、5質量%であった。SmFeN粉末については、次の粉末A及び粉末Bを準備し、配合した。
粉末A:平均粒径10μm、酸素含有量0.31質量%
粉末B:平均粒径3μm、酸素含有量0.47質量%
実施例1については、粉末Aと粉末Bを10:0で配合した。実施例2については、粉末Aと粉末Bを9:1で配合した。実施例3については、粉末Aと粉末Bを8:2で配合した。なお、配合比は質量比(質量%)である。また、配合比が10:0とは、すべて粉末Aであることを意味する。
SmFeN粉末とZn粉末との混合粉末2.0gを、室温の磁場中で、7mm角の立方体に圧縮成形して、磁場配向させた圧粉体を得た。印加磁場は2.0Tであり、圧縮成形圧力は100MPaであった。
図10に示した加熱及び加圧パターンで、圧粉体を熱処理した。図10において、Tは450℃、Pは1GPa、そして、Lは5分である。熱処理はアルゴンガス雰囲気で行った。なお、Tは熱処理温度、Pは熱処理温度(焼結温度)、そして、Tは熱処理時間である。
〈比較例1〉
粉末Aを次のようにし、かつ、粉末Aと粉末Bを9:1で配合したこと以外、実施例1と同様にして試料を準備した。
粉末A:平均粒径30μm、酸素含有量0.16質量%
〈比較例2〉
粉末Aと粉末Bを8:1で配合したこと以外、比較例1と同様にして試料を準備した。
〈実施例4〉
圧縮成形圧力を50、100、及び200MPa、図10のPが300MPaであること以外、実施例1と同様に試料を準備した。試料は圧縮成形圧力ごとに3種類準備した。Pは熱処理温度(焼結温度)である。
〈実施例5〉
図10のPが1GPaであること以外、実施例4と同様に試料を準備した。
《評価》
各試料について、残留磁束密度Brを測定した。測定は、東英工業株式会社製のパルス式BHトレーサー及び振動試料型磁力計(VSM)を用いて行った。測定は、室温で行った。
結果を図1~9に示す。図1は、実施例1~3及び比較例1~2の試料について、圧粉体密度を示すグラフである。図2は、実施例1~3及び比較例1~2の試料について、圧粉体密度とBr(emu/g)の関係を示すグラフである。図3は、実施例1~3及び比較例1~2の試料について、圧粉体密度とBr(T/g)の関係を示すグラフである。
図4は、実施例4及び実施例5の試料について、圧縮成形圧力と圧粉体密度の関係を示すグラフである。図5は、実施例4及び実施例5の試料について、圧縮成形圧力とBr(emu/g)との関係を示すグラフである。
図6は、実施例4の試料について、圧粉体密度とBr(emu/g)との関係を示すグラフである。図7は、実施例4の試料について、圧縮成形圧力とBr(emu/g)との関係を示すグラフである。
図8は、実施例5の試料について、圧粉体密度とBr(emu/g)との関係を示すグラフである。図9は、実施例5の試料について、圧縮成形圧力とBr(emu/g)との関係を示すグラフである。
図2~3及び図5~9のBrは、いずれも、熱処理(焼結)後のBrである。
図1から、磁性粉末の平均粒径が小さい方が、圧粉体の成形密度が小さい傾向があることを理解できる。また、図1から、磁性粉末について、粉末A(平均粒径10μm又は30μm)と粉末B(平均粒径3μm)を配合した場合には、粉末Bの配合量が少なければ、圧粉体密度は、粉末Aの平均粒径の影響を大きく受けることを理解できる。図2及び図3から、圧粉体密度が過剰であると、Brが低下することを理解できる。
図4から、磁性粉末の平均粒径が同じであれば、圧縮成形圧力が増加すると、圧粉体密度が増加することを理解できる。図5から、磁性粉末の平均粒径が同じであれば、圧縮成形圧力が増加すると、実用的に問題のない範囲で、Brが低下することを理解できる。また、図5から、熱処理圧力(焼結圧力)が増加すると、実用的に問題のない範囲で、Brが低下することを理解できる。そして、これにより、Brに与える熱処理圧力(焼結圧力)の影響は大きくないことを理解できる。
図6~9から、磁性粉末の平均粒径が同じであり、圧粉体密度が本開示の製造方法の範囲であれば、問題のないBrが得られることを理解できる。また、熱処理圧力(焼結圧力)が増加すると、実用的に問題のない範囲でBrが低下することを理解できる。
これらの結果から、本開示の製造方法の効果を確認できた。

Claims (13)

  1. Sm、Fe、及びNを含有し、少なくとも一部がThZn17型又はThNi17型の結晶構造を有する主相を含む磁性粉末と、Zn又はZn合金を含有する粉末とを混合して、混合粉末を得ること、
    前記混合粉末を圧縮成形して、4.5~5.0g/cmの密度を有する圧粉体を得ること、
    前記圧粉体を熱処理して固化すること、
    を含み、
    前記圧粉体が所定の温度に達してから、前記圧粉体に圧力を付加して熱処理する、
    希土類磁石の製造方法。
  2. 前記磁性粉末が、1μm以上、20μm以下の平均粒径を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記磁性粉末が、4μm以上、10μm以下の平均粒径を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記磁性粉末が、8~12μmの平均粒径を有する粉末Aと、1~5μmの平均粒径を有する粉末Bを有し、前記粉末Bの配合量が、前記粉末A及び前記粉末Bの合計量に対して、0~30質量%である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記粉末Aが9~11μmの平均粒径を有する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記粉末Bが2~4μmの平均粒径を有する、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記粉末Bの配合量が、前記粉末A及び前記粉末Bの合計量に対して、0~20質量%である、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記圧縮成形の圧力が、30~250MPaである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記圧縮成形の圧力が、30~150MPaである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記圧縮成形を磁場中で行う、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記圧粉体に50~2000MPaの圧力を付加して熱処理する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記熱処理の温度が420~500℃である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記主相が、(Sm(1-i)(Fe(1-j)Co17(ただし、RはSm以外の希土類元素並びにY及びZrから選ばれる1種以上、iは0~0.50、jは0~0.52、かつ、hは1.5~4.5)で表される相を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
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