JP7027739B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
したがって、従来技術では、低転がり抵抗性およびゴムの補強性能を共に高めることは非常に困難であった。
このようななか、本発明者が、特許文献1の実施例を参考にゴム組成物を調製したところ、そのシリカ分散性、破断強度及び耐屈曲疲労性は昨今要求されているレベルを必ずしも満たすものではないことが明らかになった。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
上記ジエン系ゴム中、上記ブタジエンゴムの含有量が10~90質量%であり、上記天然ゴムの含有量が10~90質量%であり、
上記シリカの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、10質量部以上であり、
上記有機ケイ素化合物の含有量が、上記ブタジエンゴムの含有量に対して、2.0~25.0質量%である、ゴム組成物。
(2) 上記シリカのCTAB吸着比表面積が、180~280m2/gである、上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) 上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明のゴム組成物に含有される各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
本発明のゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、ブタジエンゴム及び天然ゴムを含むジエン系ゴムと、シリカと、後述する式(I)で表される有機ケイ素化合物とを含有する。
ここで、上記ジエン系ゴム中、上記ブタジエンゴムの含有量は10~90質量%であり、上記天然ゴムの含有量は10~90質量%である。
また、上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、10質量部以上である。
また、上記有機ケイ素化合物の含有量は、上記ブタジエンゴムの含有量に対して、2.0~25.0質量%である。
本発明者の検討から、ブタジエンゴムと天然ゴムとシリカとを含有するゴム組成物において、シリカはブタジエンゴムの相(ブタジエンゴム相)よりも天然ゴムの相(天然ゴム相)に分配されやすく、このようなシリカの分配の偏りがシリカ分散性の低下の1つの要因となっていることが分かっている。
ここで、後述のとおり、本発明の組成物に含有される特定有機ケイ素化合物は、骨格部分はブタジエンゴムの構造を有し、側鎖部分はアルコキシシランの構造を有する。上記骨格部分はブタジエンゴムとの親和性が高く、側鎖部分はシリカとの親和性が高い。そのため、上記特定有機ケイ素化合物は、ブタジエンゴムとシリカとを結びつけるカップリング剤として機能し、シリカのブタジエンゴム相への分配を高め、シリカの分散性を向上させるものと考えられる。
一方で、本発明者の検討から、上記特定有機ケイ素化合物によるカップリングの効果は、ブタジエンゴムとの量比によって大幅に変化し、臨界性が見られることが分かっている。
本発明の組成物はブタジエンゴムと天然ゴムとシリカと特定有機ケイ素化合物とを含有するとともに、上記特定有機ケイ素化合物の含有量がブタジエンゴムに対して特定の範囲であるため、極めて高いシリカ分散性を示すものと考えられる。
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは、ブタジエンゴム及び天然ゴムを含む。
ここで、上記ジエン系ゴム中、上記ブタジエンゴムの含有量は10~90質量%であり、上記天然ゴムの含有量は10~90質量%である。
上述のとおり、ジエン系ゴムにはブタジエンゴム(以下、「BR」とも言う)が含まれる。
上記BRは、本発明の効果がより優れる理由から、シス-1,4-結合(1,4-シス構造)の含有量(シス-1,4-結合含有量)が75モル%以上であるブタジエンゴムの活性末端を少なくともヒドロカルビルオキシシラン化合物により変性してなる変性共役ジエン系重合体であることが好ましい。
ここで、ヒドロカルビルオキシシラン化合物とは、ヒドロカルビルオキシ基(-OR:ここでRは炭化水素基またはアリール基)を有するシラン化合物である。
上述のとおり、ジエン系ゴム中、ブタジエンゴムの含有量は10~90質量%である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、20~80質量%であることが好ましく、30~70質量%であることがより好ましい。
上述のとおり、ジエン系ゴムには天然ゴム(以下、「NR」とも言う)が含まれる。
上述のとおり、ジエン系ゴム中、天然ゴムの含有量は10~90質量%である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、20~80質量%であることが好ましく、30~70質量%であることがより好ましい。
ジエン系ゴム中、BRとNRの合計の含有量は、100質量%である。すなわち、ジエン系ゴム中に、BR及びNRいずれにも該当しないジエン系ゴムは含まれない。
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果がより優れる理由から、100,000~10,000,000であることが好ましく、300,000~3,000,000であることがより好ましい。
また、本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムの数平均分子量(Mn)は、50,000以上である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、5,000,000以下であることが好ましく、150,000~1,500,000であることがより好ましい。
なお、ジエン系ゴムに含まれる少なくとも1種のジエン系ゴムのMw及び/又はMnが上記範囲に含まれることが好ましく、ジエン系ゴムに含まれるすべてのジエン系ゴムのMw及び/又はMnが上記範囲に含まれることがより好ましい。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・検出器:RI検出器
本発明の組成物に含有されるシリカは特に制限されず、従来公知の任意のシリカを用いることができる。
上記シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217-3:2001「第3部:比表面積の求め方-CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物に含有される特定有機ケイ素化合物は、下記式(I)で表される。
上述のとおり、特定有機ケイ素化合物は、ブタジエンとシリカとを結びつけるカップリング剤として機能し、シリカのブタジエンゴム相への分配を高め、シリカの分散性を向上させるものと考えられる。
R1が複数存在する場合、複数存在するR1は同一であっても異なっていてもよい。R2が複数存在する場合、複数存在するR2は同一であっても異なっていてもよい。
上記炭素数6~10のアリール基の具体例としては、フェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・検出器:RI検出器
特定有機ケイ素化合物の製造方法は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、下記スキームに示されるように、式(II)で表されるポリブタジエンと式(III)で表される有機ケイ素化合物とを白金化合物含有触媒の存在下、好ましくは白金化合物含有触媒および助触媒の存在下でヒドロシリル化することで製造する方法が好ましい。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・検出器:RI検出器
ヒドロシリル化の際の選択性の面から、0価の白金錯体が好ましく、白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体のトルエンまたはキシレン溶液がより好ましい。
白金化合物含有触媒の使用量は特に限定されるものではないが、反応性や、生産性等の点から、式(III)で示される有機ケイ素化合物1molに対し、含有される白金原子が1×10-7~1×10-2molとなる量が好ましく、1×10-7~1×10-3molとなる量がより好ましい。
無機酸のアンモニウム塩の具体例としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、アミド硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸二水素一アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ジ亜リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウフッ化アンモニウム等が挙げられるが、なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、pKaが2以上の無機酸のアンモニウム塩が好ましく、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムがより好ましい。
使用可能な溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒などが挙げられ、これらの溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
適度な反応速度を得るためには加熱下で反応させることが好ましく、このような観点から、反応温度は40~110℃がより好ましく、40~90℃がより一層好ましい。
また、反応時間も特に限定されるものではなく、通常、1~60時間程度であるが、本発明の効果がより優れる理由から、1~30時間が好ましく、1~20時間がより好ましい。
本発明の組成物において、特定有機ケイ素化合物の含有量は、上述したブタジエンゴムの含有量に対して、2.0~25.0質量%である。以下、ブタジエンゴムの含有量に対する特定有機ケイ素化合物の含有量を「特定Si/BR」とも言う。
特定Si/BRは、本発明の効果がより優れる理由から、5.0~20.0質量%であることが好ましく、8.0~15.0質量%であることがより好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲で上述した成分以外の成分(任意成分)を含有することができる。
そのような成分としては、例えば、シリカ以外の充填剤(例えば、カーボンブラック)、シランカップリング剤、テルペン樹脂(好ましくは、芳香族変性テルペン樹脂)、熱膨張性マイクロカプセル、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加工助剤、プロセスオイル、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤などが挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、カーボンブラックを含有するのが好ましい。上記カーボンブラックは、1種のカーボンブラックを単独で用いても、2種以上のカーボンブラックを併用してもよい。
上記カーボンブラックは特に限定されず、例えば、SAF-HS、SAF、ISAF-HS、ISAF、ISAF-LS、IISAF-HS、HAF-HS、HAF、HAF-LS、FEF、GPF、SRF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、30~200m2/gであることが好ましく、40~190m2/gであることがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。シランカップリング剤は、加水分解性基および有機官能基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、本発明の効果がより優れる理由から、1~16であることが好ましく、1~4であることがより好ましい。炭素数1~4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(CnH2n+1O)3-Si-CmH2m-S-CO-CkH2k+1 式(S)
式(S)中、nは1~3の整数を表し、mは1~5の整数(好ましくは、2~4の整数)を表し、kは1~15の整数(好ましくは、5~10の整数)を表す。
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をサイドウォール部に使用した空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
なお、サイドウォール部2は上述した本発明の組成物により形成されている。
(1)触媒の調製
乾燥・窒素置換された、ゴム栓付き容積約100mlのガラス瓶に、以下の順番に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(15.2質量%)7.11g、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(0.56M)0.59ml、メチルアルミノキサンMAO(東ソーアクゾ製PMAO)のトルエン溶液(アルミニウム濃度として3.23M)10.32ml、水素化ジイソブチルアルミ(関東化学製)のヘキサン溶液(0.90M)7.77mlを投入し、室温で2分間熟成した後、塩素化ジエチルアルミ(関東化学製)のヘキサン溶液(0.95M)1.45mlを加えて、室温で時折撹拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液中のネオジムの濃度は、0.011M(モル/リットル)であった。
乾燥・窒素置換された、ゴム栓付き容積約900mlのガラス瓶に、乾燥精製された1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロヘキサンを各々装入し、1,3-ブタジエン12.5質量%のシクロヘキサン溶液が400g投入された状態とした。次に、上記(1)において調製した触媒溶液2.28ml(ネオジム換算0.025mmol)を投入し、50℃温水浴中で1.0時間重合を行い、中間重合体を製造した。得られた重合体のミクロ構造は、シス-1,4-結合含有量95.5モル%、トランス-1,4-結合含有量3.9モル%、ビニル結合含有量0.6モル%であつた。これらのミクロ構造(シス-1,4-結合含有量、トランス-1,4-結合含有量、ビニル結合含有量)は、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)によって求めた。
第1次変性剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPMOS)のヘキサン溶液(1.0M)として、GPMOSがネオジムに対して23.5モル当量になるよう上記(2)で得た重合液に投入し、50℃で60分間処理することにより、第1次の変性を行った。
続いて、縮合促進剤として、ビス(2-エチルヘキサノエート)スズ(BEHAS)のシクロヘキサン溶液(1.01M)を1.76ml(70.5eq/Nd相当)と、イオン交換水32μl(70.5eq/Nd相当)を投入し、50℃温水浴中で1.0時間処理した。その後、重合系に老化防止剤2,2-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)(NS-5)のイソプロパノール5%溶液2mlを加えて反応の停止を行い、更に微量のNS-5を含むイソプロパノール中で再沈殿を行い、ドラム乾燥することにより変性共役ジエン系重合体を得た。得られた変性共役ジエン系重合体は上述した変性共役ジエン系重合体に該当する。得られた変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度ML1+4(100℃)を、(有)東洋精機製作所製のRLM-01型テスターを用いて100℃で測定したところ、93であった。変性後のミクロ構造も中間重合体のミクロ構造と同様であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、Ricon130(Cray Vally社製、数平均分子量:2,500、上述した式(II)で表されるポリブタジエン、式(II)中、(f+g)/(e+f+g)=0.28)100g、トルエン200g、白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として0.52×10-4モル)、および酢酸0.31g(0.52×10-2モル)を納めた。この中に、トリエトキシシラン85g(0.52モル)を内温75~85℃で2時間かけて滴下した後、80℃で1時間撹拌した。
撹拌終了後、減圧濃縮および濾過し、特定有機ケイ素化合物(式(I)中、e=33、f=0、g=13、粘度:2,000mPa・s、数平均分子量:4,600)を得た。
下記表1に示される成分のうち硫黄及び加硫促進剤を除く成分を、1.7Lの密閉式バンバリーミキサーで混練りし、所定時間の経過後、ミキサーから放出して室温冷却させた。これを1.7Lの密閉式バンバリーミキサーに投入し硫黄及び加硫促進剤を加えて混合することにより、ゴム組成物を調製した。
なお、ジエン系ゴムが油展品である場合、下記表1のジエン系ゴムの質量部は油展オイルを除いた正味のゴムの量(質量部)を表す。
得られたゴム組成物について下記のとおり評価を行った。
得られたゴム組成物(未加硫)について、歪せん断応力測定機(RPA2000、α-テクノロジー社製)により、歪0.28%の歪せん断弾性率G′と歪30.0%の歪せん断弾性率G′とを測定し、その差G′0.28(MPa)-G′30.0(MPa)を未加硫ペイン効果として算出した。
結果を表1に示す。結果は比較例1を100とする指数で表した。指数が小さいほどシリカ分散性に優れることを意味する。
得られたゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃で15分間プレス加硫して、加硫ゴムシートを作製した。そして、加硫ゴムシートを厚さ2mmのダンベル状(ダンベル状3号形)に切り出して試験片とした。
得られた試験片について、JIS K6251:2010に準じ、温度20℃、引張り速度500mm/分の条件で破断強度(=破断時の強度)を測定した。
結果を表1に示す。結果は比較例1を100とする指数で表した。指数が大きいほど破断強度に優れることを意味する。
上述のとおり、ダンベル状(ダンベル状3号形)の試験片を作製した。そして、100%の歪みを繰り返し与え、破断するまでの回数(破断回数)を測定した。破断回数の測定は、n=6で行い、それぞれの破断回数より正規確率分布による50%残存確率を求めた。
結果を表1に示す。結果は比較例1を100とする指数で表した。指数が大きいほど耐屈曲疲労性に優れ、ゴムの補強性能に優れることを意味する。
・BR1:日本ゼオン社製Nipol BR1220
・BR2:上述のとおり製造された変性共役ジエン系重合体
・NR:天然ゴム(TSR20)
・シリカ1:ローディア社製ZEOSIL 200MP、CTAB=200m2/g
・シリカ2:ローディア社製ZEOSIL 1165MP、CTAB=155m2/g
・カーボンブラック:東海カーボン社製シーストF、窒素吸着比表面積(N2SA)=40m2/g
・特定有機ケイ素化合物:上述のとおり製造された特定有機ケイ素化合物
・シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製Si69、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ステアリン酸YR
・老化防止剤:Solutia Europe社製Santoflex 6PPD
・プロセスオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・硫黄:軽井沢精錬所社製油処理イオウ
・加硫促進剤CZ:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ-G
一方、特定有機ケイ素化合物を含有するが「特定Si/BR」が2.0質量%に満たない比較例3、及び、ブタジエンゴムを含有しない比較例2は、シリカ分散性、破断強度及び耐屈曲疲労性が不十分であった。
ここで、実施例1と実施例5~8と比較例3との対比から分かるように、「特定Si/BR」を2.0質量%以上にすることでシリカ分散性、破断強度及び耐屈曲疲労性が大幅に向上した。すなわち、「特定Si/BR」とシリカ分散性、破断強度及び耐屈曲疲労性との間に顕著な臨界性が見られた。
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
Claims (2)
- ブタジエンゴム及び天然ゴムを含むジエン系ゴムと、シリカと、下記式(I)で表される有機ケイ素化合物とを含有し、
前記シリカのCTAB吸着比表面積が、180~280m 2 /gであり、
前記ジエン系ゴム中、前記ブタジエンゴムの含有量が10~90質量%であり、前記天然ゴムの含有量が10~90質量%であり、
前記シリカの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、10質量部以上であり、
前記有機ケイ素化合物の含有量が、前記ブタジエンゴムの含有量に対して、2.0~25.0質量%である、ゴム組成物。
- 請求項1に記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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