JP2013245248A - 変性ブタジエン系重合体、変性ブタジエン系重合体の製造方法、ゴム組成物、及びタイヤ - Google Patents

変性ブタジエン系重合体、変性ブタジエン系重合体の製造方法、ゴム組成物、及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】特定部位に十分な量の官能基が導入された新規な変性ブタジエン系重合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性基により2以上の末端が変性されており、
さらに、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素変性基により主鎖のビニル基が変性されている、
変性ブタジエン系重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、変性ブタジエン系重合体、変性ブタジエン系重合体の製造方法、ゴム組成物、及びタイヤに関する。
従来から、低燃費性、耐摩耗性、ウェットスキッド性、及び加工性等の各種特性を高い次元でバランスさせることがゴム組成物の分野では重要とされている。
このようなゴム組成物においては、原料ゴムとして用いる重合体とフィラーとの親和性を改良する目的で、例えば、原料ゴムであるブタジエン系重合体に所定の官能基を導入し、変性する方法が種々検討されている。
前記変性方法としては、例えば、アニオンリビング重合を利用して開始末端又は終末端へ、あるいはその両方に官能基を導入する方法が提案されている(例えば、特許文献1から3参照。)。
また、その他の変性方法としては、官能基を有する単量体を共重合する方法(例えば、特許文献4参照。)や、重合後に主鎖の二重結合に反応させることにより官能基を導入する方法が提案されている(例えば、特許文献5及び6参照。)。
特開昭62−149708号公報 特開2003−171418号公報 国際公開08/013090号パンフレット 特開2010−077386号公報 特開昭53−119831号公報 特開2004−346140号公報
しかしながら、これまでの変性方法により製造された変性ブタジエン系重合体では、ゴム組成物に用いた場合のフィラーとの親和性改良効果が十分でない。その理由は変性ブタジエン系重合体上の官能基数が少ないため、及び重合体上の官能基の配置部位が適切でなかったためであると考えられる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、特定部位に十分な量の官能基が導入された新規な変性ブタジエン系重合体及びその製造方法を提供することを目的とする。これにより、変性ブタジエン系重合体を含むゴム組成物の加工性を改善し、フィラーの補強効果を最大限に引き出すことにより、加硫配合物の引張り特性が良好で、燃費性能が高く、剛性が高く、耐摩耗性が優れるゴム組成物及びタイヤを提供することを目的とする。
本発明者等は、前記従来技術の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ブタジエン系重合体への官能基の導入方法を検討し、変性ブタジエン系重合体の分子の特定部位に十分な量の官能基を導入することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のものである。
〔1〕
アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性基により2以上の末端が変性されており、
さらに、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素変性基により主鎖のビニル基が変性されている、
変性ブタジエン系重合体。
〔2〕
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が20,000〜2,000,000である、前記〔1〕に記載の変性ブタジエン系重合体。
〔3〕
アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤として用い、1,3−ブタジエンを重合、又は1,3−ブタジエンと、当該1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体と、を共重合して、活性末端及び前記官能基を有する重合開始末端を有するブタジエン系重合体を得る重合工程と、
前記ブタジエン系重合体の活性末端に、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する化合物を反応させて、前記官能基を導入する末端変性工程と、
前記ブタジエン系重合体の主鎖のビニル基と、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、又は水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する珪素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより、主鎖を変性する主鎖変性工程と、
を含む変性ブタジエン系重合体の製造方法。
〔4〕
多官能開始剤を用いて、1,3−ブタジエンを重合、又は1,3−ブタジエンと、当該1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体と、を共重合して、活性末端を有するブタジエン系重合体を得る重合工程と、
前記ブタジエン系重合体の活性末端に、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する化合物を反応させて、2以上の末端に前記官能基を導入する末端変性工程と、
前記ブタジエン系重合体の主鎖のビニル基と、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、又は水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する珪素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより、主鎖を変性する主鎖変性工程と、
を含む変性ブタジエン系重合体の製造方法。
〔5〕
前記〔1〕又は〔2〕に記載の変性ブタジエン系重合体を20質量部以上含む原料ゴム100質量部と、
フィラー5〜200質量部と、
を、含有するゴム組成物。
〔6〕
前記フィラーの30〜100質量%が、シリカである前記〔5〕に記載のゴム組成物。
〔7〕
架橋処理をさらに施した、前記〔5〕又は〔6〕に記載のゴム組成物。
〔8〕
前記〔7〕に記載のゴム組成物を含む、タイヤ。
本発明によれば、特定部位に十分な量の官能基が導入された変性ブタジエン系重合体を得ることができる。また、フィラーを配合し、架橋したゴム組成物とした場合に、重合体末端のみ、又は主鎖のみに官能基を導入した変性ブタジエン系重合体に比べ、フィラー分散性の効果が優れ、引張り特性が良好で、燃費性能が高く、耐摩耗性が優れ、剛性が優れ、さらには、加工性も良好な、各種特性バランスが良好なゴム組成物を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。なお、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔変性ブタジエン系重合体〕
本実施形態の変性ブタジエン系重合体は、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性基により2以上の末端が変性されており、
さらに、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素変性基により主鎖のビニル基が変性されている。
(ブタジエン系重合体)
本実施形態において、ブタジエン系重合体とは、1,3−ブタジエンの重合体、又は1,3−ブタジエンと、当該1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体と、の共重合体が挙げられる。1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体としては、特に制限されないが、具体的には、1,3−ブタジエン以外の共役ジエン化合物、ビニル芳香族化合物、アクリロニトリル、アクリル酸化合物等が挙げられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、共重合し得る他の単量体としては、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物が好ましい。
前記共役ジエン化合物としては、特に制限されないが、具体的には、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン等が挙げられる。また、前記芳香族ビニル化合物としては、特に制限されないが、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、p−N,N−ジエチルアミノメチルスチレン、p−N,N−ジエチル−2−アミノエチルスチレン等が挙げられる。この中でも、イソプレン、スチレンが好ましい。
上記のようなブタジエン系重合体としては、特に制限されないが、具体的には、ポリブタジエン、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレン共重合体が挙げられる。また、ブタジエン系重合体において、ブタジエン単位は重合体全体の50〜100質量%であることが好ましい。
(変性された末端及び主鎖)
本実施形態の変性ブタジエン系重合体は、上記の単量体から得られるブタジエン系重合体の2以上の末端及び主鎖に官能基を導入することにより、変性したものである。
本発明において、官能基を導入する2以上の末端としては、単官能開始剤を使用する場合は開始末端及び終末端の両末端であり、多官能開始剤を使用する場合は少なくとも2個の複数の終末端を意味する。すなわち、直鎖状の重合体にあっては両末端を意味し、分岐状の重合体にあっては2以上の、好ましくは3以上の末端を意味する。
すなわち、2以上の末端(開始末端及び終末端を含む)は、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性基により変性され、更に、主鎖のビニル基は、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素変性基により変性されている。
(変性基/珪素変性基)
本実施形態において、変性基及び珪素変性基とは、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、重合体末端又は重合体主鎖のビニル基に結合した基であれば特に制限されない。このような変性基としては、具体的には、重合開始剤に由来してブタジエン系重合体の重合開始末端に導入される基や、下記変性剤に由来して末端に導入される基が挙げられる。また、珪素変性基としては、具体的には、下記珪素化合物に由来して、ブタジエン系重合体の主鎖のビニル基に導入される基が挙げられる。
本実施形態において、アミノ基を有する変性基としては、特に制限されないが、具体的には、−NH2で表わされる置換基のないアミノ基、−NHR、(Rは置換基を表す)で表される1置換アミノ基、−NH−であらわされる別々の炭素と結合しているイミノ基、−NR2、(Rは置換基を表す)で表される2置換アミノ基、又は、=N−で表わされる同一の炭素と2重結合で結合しているイミノ基など、窒素原子を含む各種官能基を有する変性基が挙げられる。
本実施形態において、アルコキシシリル基を有する変性基としては、特に制限されないが、具体的には、一般式R’−O−Siで示される官能基を有する変性基が挙げられる。ここで、R’は、特に制限されないが、炭化水素基であり、炭素数1〜10の、飽和・不飽和の炭化水素基であることが好ましく、この中でも、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基のいずれかであることが好ましい。特に、この中でも、R’は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
(数平均分子量(Mn)/分子量分布(Mw/Mn))
本実施形態の変性ブタジエン系重合体の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によって得られるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、20,000〜2,000,000であることが好ましく、より好ましくは100,000〜1,500,000であり、さらに好ましくは150,000〜1,000,000である。数平均分子量がこの範囲であれば、本実施形態のゴム組成物を加硫物としたときの強度を一層向上させることができ、加工性を一層向上させることができる。具体的には、後述する実施例の「(5)分子量」に記載された方法により測定できる。
また、本実施形態の変性ブタジエン系重合体の、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比、すなわち分子量分布(Mw/Mn)は、加硫物の物性の観点から、好ましくは1.00〜3.50、より好ましくは1.10〜3.00、さらに好ましくは1.15〜2.50である。
分子量分布Mw/Mnが1.8未満の場合は、一般に重量平均分子量が60万以下であり、非油展重合体として扱われ、加硫ゴム用途で、低ヒステリシスロス性に特徴を有しており、省燃費タイヤトレッド用の原料ゴムとして好適である。一方、分子量分布Mw/Mnが1.8以上の場合は、一般に油展重合体として扱われることが多く、加硫ゴム用途でウェットスキッド抵抗性、ドライスキッド抵抗性等に特徴を有しており、省燃費性に優れた高性能タイヤトレッド用の原料ゴムとして好適である。
本実施形態の変性ブタジエン系重合体は、特に制限されないが、変性率が50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。ここで「変性率」とは、変性ブタジエン系重合体に占める変性基を有する重合体の質量%をいう。このような変性率は、シリカ粒子充填カラムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定のカラムへの吸着量によって求められる。
官能基成分を有する変性ブタジエン系重合体の変性率の定量方法としては、官能基含有の変性成分と非変性成分とを分離できるクロマトグラフィーによって測定する方法を用いることができる。このクロマトグラフィーを用いた方法としては、官能基成分を吸着するシリカ等の極性物質を充填剤としたGPCカラムを使用し、非吸着成分の内部標準を比較に用いて定量する方法が挙げられる。より具体的には、後述する実施例の「(6)変性率」に記載された方法により測定できる。
本実施形態の変性ブタジエン系重合体が1,3−ブタジエンとビニル芳香族化合物との共重合体である場合、結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、3〜50質量%であることが好ましく、5〜45質量%であることがより好ましく、15〜40質量%であることがさらに好ましい。ここで、「結合芳香族ビニル量」とは、変性ブタジエン系重合体中のビニル芳香族単位(モノマー)の質量%をいう。
特に、本実施形態の変性ブタジエン系重合体を含むゴム組成物を加硫物とし、タイヤトレッドに用いる場合は、変性ブタジエン系重合体における結合芳香族ビニル量は、20〜40質量%であることが好ましい。この場合、タイヤトレッドがキャップトレッドとアンダートレッドからなる場合は、接地する側であるキャップトレッドに本実施形態の変性ブタジエン系重合体を用いることが好ましい。
結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、タイヤトレッド用途に用いた場合において低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスが優れたものとなり、耐摩耗性や破壊強度も満足する加硫物を得ることができる。
ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定できる。具体的には、後述する実施例の「(1)結合スチレン量」に記載された方法により測定できる。
アンダートレッドに用いる場合は、より発熱性が小さい変性ポリブタジエンを用いるのが好ましい。
変性ブタジエン系重合体における、全ブタジエン単位中の1,2−ビニル結合量は、特に限定されないが、10〜80モル%であることが好ましく、25〜70モル%であることがより好ましく、30〜65モル%であることがさらに好ましい。ここで、「1,2−ビニル結合量」とは、1,2−付加、1,4−付加をしている全てのブタジエン単位中の1,2−付加をしているブタジエン単位の割合をいう。1,2−付加をしているブタジエン単位はビニル基を有する。そのため、1,2−ビニル結合量はブタジエン系重合体の主鎖中のビニル基の量に関連する。
1,2−ビニル結合量が上記範囲であると、本実施形態の変性ブタジエン系重合体を含むゴム組成物を加硫物とし、タイヤトレッド用途に用いた場合において、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスが更に優れ、かつ高い耐摩耗性や破壊強度が得られる。
ここで、変性ブタジエン系重合体がブタジエンとスチレンの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R. R. Hampton, Analytical Chemistry, 21,923(1949))により、1,2−ビニル結合量を求めることができる。より具体的には、後述する実施例の「(2)ブタジエンのミクロ構造(1,2−ビニル結合量)」に記載された方法により測定できる。
本実施形態の変性ブタジエン系重合体のガラス転移温度は、特に制限されないが、−80℃〜0℃の範囲が好ましく、−50℃〜−20℃の範囲がより好ましい。これにより、本実施形態の変性ブタジエン系重合体を含むゴム組成物を加硫物とし、タイヤトレッド用途に用いた場合において、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスが良好なものとなる。
ガラス転移温度については、ISO22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とすることにより測定でき、具体的には、後述する実施例の「(4)ガラス転移温度(Tg)」に記載された方法により測定できる。
本実施形態のブタジエン系重合体は、特に制限されないが、ブタジエン単位中の1,2−ビニル結合量が、主鎖に沿って分布を有している構造であることが好ましい。ここで、「主鎖に沿って分布を有する」とはブタジエン系重合体の主鎖中で1,2−付加をしているブタジエン単位が分布していることをいう。このような構造であれば、後述する主鎖変性工程において、ヒドロシリル化反応が1,2−ビニル結合量の多い側(1,2−付加をしているブタジエン単位が密な所)においてより高い頻度で行われ、主鎖の官能基変性度に所望の範囲で傾きが得られる。これにより、末端の変性と組み合わせて種々の所望の変性構造が得られる。すなわち、末端変性の官能基との組み合わせで、重合体分子の片側に特定の官能基を多く付与し、他の片側に他の特定の官能基を多く付与するというデザインの変性ブタジエン系重合体を得ることが可能である。具体的には、重合開始末端に2置換アミノ基を付与し、さらに、重合開始側の主鎖を高ビニル結合量として、2置換アミノ基で主鎖変性し、終末端にアルコキシシリル基を付与するというデザインの変性ブタジエン系重合体を得ることができる。
ブタジエン単位の1,2−ビニル結合量において、主鎖に沿って分布を有している構造とするための方法としては、特に制限されないが、具体的には重合時の温度を変更する方法が挙げられる。すなわち、重合時低温では1,2−付加が優勢となるため高ビニル結合量となり、重合時高温では1,4−付加が優勢となるため低ビニル結合量とすることができる傾向にある。具体的には、重合に際し、昇温しつつ重合することで主鎖に沿ってビニル結合量の分布をつけることが挙げられる。例えば、重合開始温度30℃から最高到達温度90℃までとすると、ビニル化剤の種類と量を適当に設定すると、ビニル結合量70モル%から30モル%まで連続的に変化させることができる。また、他の方法として、重合途中にビニル化剤を追加・増量する方法が挙げられる。これにより、低ビニル結合量から高ビニル結合量へ変化させることができる。この方法では、ビニル結合量を10モル%から80モル%まで連続的に、あるいは段階的に変化させることができる。ここで、「ビニル化剤」としては、後述する極性化合物などが挙げられる。
本実施形態の変性ブタジエン系重合体が、共重合体である場合は、ブタジエン−スチレン共重合体であることが好ましい。ブタジエン単位とスチレン単位との共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。ランダム共重合体としては、均一なランダム共重合体でもテーパーランダム共重合体でもよい。ブロック共重合体としては、完全なブロック共重合体でも一部にランダム構造を含むテーパーブロック共重合体でもよい。それぞれ、目的に応じて選択可能である。
本実施形態の変性ブタジエン系重合体を含むゴム組成物であって、加硫したゴム組成物をタイヤの材料として用いる場合は、変性ブタジエン系重合体は、ブタジエン−スチレンランダム共重合体であることが好ましい。ブタジエン−スチレン共重合体はランダム構造で、かつ結合スチレン量が3〜50質量%であることが好ましい。これにより繰り返し変形に対し発熱量が小さく、タイヤの要求性能に合致することができる。
ブタジエン−スチレンランダム共重合体は、スチレン単位の連鎖長が30以上のブロックスチレンが少ないものであるか、又は無いものが好ましい。具体的には、変性ブタジエン系重合体が、ブタジエン−スチレンランダム共重合体である場合、Kolthoffの方法(I.M.Kolthoff,et al. , J.Polym.Sci. 1,429(1946)に記載の方法)で、変性ブタジエン系重合体を分解し、メタノールに不溶なポリスチレン量(ブロックスチレン量)を分析する公知の方法で測定することができる。このとき、ブタジエン系重合体全量に対し、ブロックスチレン量が、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
さらに、詳細には田中らの方法(Polymer,22,1721(1981))として知られているオゾン分解による方法で、変性ブタジエン系重合体を分解し、GPCによりスチレン連鎖分布を分析することができる。この場合には、単離スチレン、すなわちスチレン単位の連鎖が1のスチレンが、全結合スチレン量に対し40質量%以上であり、長鎖ブロックスチレン、すなわちスチレン単位の連鎖が8以上のスチレンが全結合スチレン量に対し10質量%以下であることが好ましい。
本実施形態の変性ブタジエン系重合体を含むゴム組成物を加硫ゴム組成物とし、履物用途の材料とする場合は、変性ブタジエン系重合体が、ブロック構造であることが好ましい。これにより、履物特に靴底用の要求性能に合致する。特にモジュラスが高く、硬い感触となる。その場合、スチレン単位の連鎖長が30以上の成分が多いものであることが好ましい。具体的には、変性ブタジエン系重合体が、ブタジエン−スチレンランダム共重合体である場合、Kolthoffの方法で、変性ブタジエン系重合体全量に対し、ブロックスチレン量が、10質量%以上であることが好ましく、13質量%以上であることがより好ましい。
本実施形態の変性ブタジエン系重合体は、伸展油により油展されたものであってもよい。伸展油としては、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油、さらにIP346法による多環芳香族成分が3質量%以下であるアロマ代替油が好ましい。特に、多環芳香族成分が3質量%以下であるアロマ代替油を用いることが、環境安全上の観点とオイルブリード防止、さらにウェットグリップ特性の観点からより好ましい。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe 52 (12) 799 (1999) に示されるTDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts/処理留出物芳香族系抽出物)、MES(Mild Extraction Solvates/軽度抽出溶媒和物)の他、SRAE(Special Residual Aromatic Extracts/芳香族系特殊抽出物)、RAE(Residual Aromatic Extracts/残油芳香族系抽出物)等がある。
伸展油の使用量は任意であるが、変性ブタジエン系重合体100質量部に対し、5〜60質量部であることが好ましく、20〜50質量部であることがより好ましい。
本実施形態の変性ブタジエン系重合体は、重合体又はその油展重合体において、100℃におけるムーニー粘度が30〜100のものが好ましい。この範囲であれば、加工性よく、フィラーの分散性が良好で、本実施形態を好適に実施できる。
〔変性ブタジエン系重合体の製造方法(第一の態様)〕
本実施形態の変性ブタジエン系重合体の製造方法は、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤として用い、1,3−ブタジエンを重合、又は1,3−ブタジエンと、当該1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体と、を共重合して、活性末端及び前記官能基を有する重合開始末端を有するブタジエン系重合体を得る重合工程と、
前記ブタジエン系重合体の活性末端に、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する化合物を反応させて、前記官能基を導入する末端変性工程と、
前記ブタジエン系重合体の主鎖のビニル基と、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、又は水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する珪素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより、主鎖を変性する主鎖変性工程と、を含む。
〔重合開始剤を用いた重合工程〕
本実施形態の重合工程は、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤として用い、1,3−ブタジエンを重合、又は1,3−ブタジエンと、当該1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体と、を共重合して、活性末端及び前記官能基を有する重合開始末端を有するブタジエン系重合体を得る工程である。
(重合開始剤)
上記の重合開始剤としては、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物であれば、特に制限されない。この中でも、アミノ基を有するアルカリ金属化合物が好ましい。
重合開始剤として用いるアルカリ金属化合物は、特に制限されないが、例えば、有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物としては、低分子量有機リチウム化合物、可溶化したオリゴマーの有機リチウム化合物のうちいずれでもよい。有機基とリチウムの結合様式において炭素−リチウム結合を有する化合物、窒素−リチウム結合を有する化合物、錫−リチウム結合を有する化合物等が挙げられる。有機リチウム化合物を用いると、開始効率がよく、重合体のリビング率もよい。有機リチウム化合物としては、特に制限されないが、例えば、有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物が挙げられる。有機基としては官能基を含む炭化水素が好適であり、その場合は有機溶剤への溶解性が優れる利点があり、さらに開始速度も優れる。また、窒素−リチウム結合を有する化合物、錫−リチウム結合を有する化合物を用いることにより、開始末端に官能基を含む変性基を付与することもできる。
有機リチウム化合物の他の有機アルカリ金属化合物としては、特に限定されないが、例えば、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、有機ルビジウム化合物、有機セシウム化合物等が挙げられる。より具体的には、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。その他にも、リチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等が挙げられる。また、他の有機金属化合物と併用してもよい。
重合開始剤として用いるアルカリ土類金属化合物としては、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物等が挙げられる。また、アルカリ土類金属のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等の化合物を用いてもよい。これらの有機アルカリ土類金属化合物は、前記アルカリ金属化合物や、その他有機金属化合物と併用してもよい。
重合開始剤として用いることができる、官能基を有するアルカリ金属化合物としては、特に限定されないが、例えば、第2級アミンの水素をリチウム化して得られるリチウムアミド化合物、また、前記官能基が結合したアルキルリチウム等がある。これらによりブタジエン系重合体の重合開始末端に官能基を付与することができる。官能基としては、特に限定されないが、アルカリ金属に対し不活性な官能基が好ましく、例えば、2置換アミノ基、すなわち第3級アミン、保護された1置換アミノ基、保護されたアミノ基が好ましい。なお、保護された1置換アミノ基又は保護されたアミノ基としては、例えば、1置換アミノ基の1個の水素又はアミノ基の2個の水素をトリアルキルシリル基でそれぞれ置換したものが挙げられる。
官能基を有する重合開始剤としては、特に限定されないが、具体的には、下記に示す化合物が挙げられる。なお、重合体に付与することができる官能基の種類をカッコ内に記載する。 例えば、ジプロピルアミノリチウム、ジイソプロピルアミノリチウム、ジブチルアミノリチウム、テトラメチレンイミノリチウム、ペンタメチレンイミノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム、ヘプタメチレンイミノリチウム、2−ジメチルアミノエチルリチウム、3−ジメチルアミノプロピルリチウム、3−ジエチルアミノプロピルリチウム、4−ジメチルアミノブチルリチウム(以上は2置換アミノ基)、2−トリメチルシリルエチルアミノエチルリチウム、3−トリメチルシリルメチルアミノプロピルリチウム(以上は1置換アミノ基)、2−ビストリメチルシリルアミノエチルリチウム、3−ビストリメチルシリルアミノプロピルリチウム(以上はアミノ基)がある。
また、重合開始剤としては、各種のリチウム系開始剤と単量体とが反応したオリゴマー開始剤を用いることができる。その際に、その単量体にアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する単量体を用いることができる。オリゴマー開始剤としては、特に限定されないが、分子量は1000以下が工業的に取り扱いやすく好ましい。官能基を有する重合開始剤を用いて重合又は共重合を行い、次の工程で終末端に官能基を導入する方法では、別の種類の官能基を選択可能である。
〔変性ブタジエン系重合体の製造方法(第二の態様)〕
また、本実施形態の変性ブタジエン系重合体の製造方法では、前記重合開始剤の代わりに多官能開始剤を用いることもできる。この場合の変性ブタジエン系重合体の製造方法は、多官能開始剤を用いて1,3−ブタジエンを重合、又は1,3−ブタジエンと、当該1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体と、を共重合して、活性末端を有するブタジエン系重合体を得る重合工程と、
前記ブタジエン系重合体の活性末端に、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する化合物を反応させて、2以上の末端に前記官能基を導入する末端変性工程と、
前記ブタジエン系重合体の主鎖のビニル基と、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素変性基、又はアミノ基、アルコキシシリル基、又は水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する珪素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより、主鎖を変性する主鎖変性工程と、を含む。
〔多官能開始剤を用いた重合工程〕
多官能開始剤を用いる場合の重合工程は、多官能開始剤を用いて1,3−ブタジエンを重合、又は1,3−ブタジエンと、当該1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体と、を共重合して、活性末端を有するブタジエン系重合体を得る工程である。
その後、ブタジエン系重合体の2以上の末端に官能基を導入する方法として、前記ブタジエン系重合体の2以上の活性末端にアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する化合物を反応させて、2以上の官能基を導入する変性工程を行う。
(多官能開始剤)
多官能開始剤としては、特に限定されないが、具体的には、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物がある。有機基としては特に限定されないが、炭化水素が好適である。これにより、有機溶剤への溶解性が優れる利点があり、さらに開始速度も優れる。
また、多官能開始剤の調製方法としては、特に限定されないが、具体的には、金属リチウムのディスパージョンとポリハロゲン化炭化水素化合物の反応による方法、金属リチウムとジエン化合物の反応による方法、有機モノリチウム化合物と多官能性化合物の反応による方法が挙げられる。この中でも、有機モノリチウム化合物と多官能性化合物の反応によるものが好ましい。多官能性化合物としては、特に限定されないが、具体的には、芳香族化合物であって芳香族基に隣接する二重結合を複数個有する化合物、リチウムに置換し得る活性な水素を複数個有する化合物が挙げられる。有機モノリチウム化合物とこれらの多官能性化合物を反応させる際に、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物を存在させて、オリゴマーとすることも可能である。また、有機モノリチウム化合物の反応性を高めるため、エーテル化合物、第3級アミン化合物等の極性化合物を存在させてもよい。芳香族化合物であって芳香族基に隣接する二重結合を複数有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン等がある。リチウムに置換し得る活性な水素を複数有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、1,3,5−トリメチルベンゼン等がある。
上記炭化水素ジリチウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、セカンダリー又はターシャリーブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンとの反応から得られる、1,3−ビス(1−リチオ−1,3−ジメチルペンチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−リチオ−1,3−ジメチルペンチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−リチオ−1,3,3−トリメチルブチル)ベンゼン、及び1,4−ビス(1−リチオ−1,3,3−トリメチルブチル)ベンゼン等が挙げられる。
また、上記炭化水素ポリリチウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、n−ブチルリチウム、ジビニルベンゼン及び1,3−ブタジエンの反応生成物、セカンダリー又はターシャリーブチルリチウムと1,3,5−トリメチルベンゼンとの反応生成物等が挙げられる。
これらの多官能開始剤の使用量は、目的とするブタジエン系重合体の分子量により調節され、単量体100質量部に対し、0.01〜0.2質量部を用いることができる。好ましくは0.02〜0.15質量部である。この際に、単量体及び溶媒中の水分及び不純物による失活、不純物による連鎖移動、重合末端の金属ハイドライドの生成による失活等を考慮することが好ましい。
以下、前記重合開始剤又は前記多官能開始剤を用いる場合の変性ブタジエン系重合体の製造方法についてさらに説明する。
1,3−ブタジエンの重合又は共重合は、不活性溶媒中で溶液重合により行うことが好ましい。重合溶媒としては、特に限定されないが、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。好ましくは、ヘキサン、シクロヘキサンである。ヘキサンとしては、石油精製におけるヘキサン留分として得られる混合ヘキサンであってもよい。また、シクロヘキサンとしては、凝固点を下げる目的でヘキサンを10〜20質量%混合したものであってもよい。
重合反応に供する前に、単量体及び重合溶媒中の不純物である水分、アレン類、アセチレン類、アルデヒド類等を有機金属化合物で処理することが好ましい。これにより、高濃度の活性末端を有するブタジエン系重合体が得られ、さらには末端変性工程及び主鎖変性工程で高い変性率が達成されるため好ましい。
また、1,3−ブタジエンの重合又は共重合に際し、極性化合物を添加してもよい。極性化合物を添加することにより、ビニル芳香族化合物を、1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができる。また、極性化合物は、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合反応の促進等にも効果がある。
このような極性化合物としては、特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2−エトキシメチルテトラヒドロフラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、2-ジメチルアミノエチル-2−エトキシエチルエーテル等の第3級アミン含有エーテル化合物;カリウム−tert−アミラート、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を用いることができる。これらの極性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができる。通常、重合開始剤又は多官能開始剤1モルに対して0.01〜100モルであることが好ましい。このような極性化合物は重合体共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。多くの極性化合物は、同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる。共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、スチレンの全量と1,3−ブタジエンの一部とで共重合反応を開始させ、共重合反応の途中に残りの1,3−ブタジエンを連続的又は断続的に添加する方法を用いてもよい。
1,3−ブタジエン又は、1,3−ブタジエンと他の共重合可能な単量体とを共重合する際の重合温度はリビングアニオン重合が進行する温度であれば、特に限定されないが、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、重合終了後の活性末端に対する、ミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する化合物の反応量を充分に確保する観点から、120℃以下であることが好ましい。より好ましくは50〜100℃である。
また、1,3−ブタジエン又は、1,3−ブタジエンと他の共重合可能な単量体とを共重合する際、共役ジエン系重合体のコールドフローを防止する観点から、分岐をコントロールするためのジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物を用いてもよい。
1,3−ブタジエン又は、1,3−ブタジエンと他の共重合可能な単量体とを共重合する際の重合様式としては、特に限定されないが、回分式(「バッチ式」ともいう。)、連続式等の重合様式で行うことができる。連続式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。反応器は、撹拌機付きの槽型、管型等のものが用いられる。回分式では、得られる重合体の分子量分布が一般に狭く、Mw/Mnでは1.0以上、1.8未満となりやすい。また、連続式では一般に分子量分布が広く、Mw/Mnでは1.8以上、3以下となりやすい。
〔末端変性工程〕
末端変性工程は、前記ブタジエン系共重合体の活性末端に、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する化合物(以下、「変性剤」とも言う。)を反応させて、前記官能基を導入する工程である。この工程は、重合開始剤を用いる場合も、前記多官能開始剤を用いる場合も同様である。
(変性剤)
末端変性工程は、前記ブタジエン系共重合体の活性末端に、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性化合物を反応させて結合を形成するか、またはこれらの官能基を形成する化合物を反応させ、終了末端を変性する工程である。この工程で用いる変性剤において、ブタジエン系重合体の活性末端と結合する官能基としては、特に限定されないが、具体的には、ハロゲン基、二重結合、ケトン基、エステル基、アミド基、エポキシ基、アルコキシシリル基等が挙げられる。
変性剤のうち、アミノ基を有する化合物としては、特に限定されないが、具体的には、分子内にアミノ基及び重合体活性末端と結合する官能基を有し、好ましくは活性水素を有しない化合物が挙げられる。アミノ基としては、特に限定されないが、具体的には、アルカリ金属に対し不活性な官能基が好ましく、2置換アミノ基、すなわち第3級アミン、保護された1置換アミノ基、2個の水素が保護されたアミノ基が好ましい。なお、保護された1置換アミノ基又は2個の水素が保護されたアミノ基の例としては、1置換アミノ基の1個の水素又はアミノ基の2個の水素をトリアルキルシリル基でそれぞれ置換したものが挙げられる。
変性剤のうち、アルコキシシリル基を有する化合物としては、特に限定されないが、具体的には、分子内に複数のアルコキシシリル基を有する化合物(これには複数のアルコキシ基が結合したシリル基を有する化合物を含む)、及び、分子内にアルコキシシリル基及び重合体活性末端と結合する官能基を有する化合物が挙げられる。なお、これらは、活性水素を有しない化合物であることが好ましい。
変性剤のうち、水酸基を形成する化合物としては、特に限定されないが、具体的には、重合体活性末端と結合する官能基であって、結合反応後に水酸基が生成する官能基を有する化合物、重合体活性末端と結合しない官能基であって、後に加水分解等の反応によって水酸基が生成する官能基を有する化合物が挙げられ、活性水素を有しない化合物であることが好ましい。
上記結合反応後に水酸基が生成する官能基を有する化合物としては、ケトン基、エステル基、アミド基、エポキシ基等を有する化合物が挙げられる。また、結合反応後に加水分解等の反応によって水酸基が生成する官能基を有する化合物としては、アルコキシシリル基、アミノシリル基等を有する化合物が挙げられる。
変性剤の具体的な化合物の例を以下に示す。重合体活性末端と結合して重合体の末端にアミノ基を形成する化合物としては、特に限定されないが、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のC=N二重結合化合物が例示される。
重合体活性末端と結合して重合体の末端にアミノ基及び水酸基を形成する化合物としては、特に限定されないが、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン等のアミノ基を有するケトン化合物;N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状尿素化合物;環状アミド、すなわちラクタム化合物;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のアミノ基含有エポキシ化合物;特開2001−131227に記載の含窒素複素環式基を有するエポキシ化合物等が例示される。
重合体活性末端と結合して重合体の末端にアルコキシシリル基を形成する化合物としては、特に限定されないが、トリメトキクロロシシラン、トリエトキシクロロシラン、ジフェノキシジクリロロシラン等のハロゲン化アルコキシシラン化合物;ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)エタン等の多官能アルコキシシラン化合物等が例示される。
重合体活性末端と結合して重合体の末端にアルコキシシリル基及び水酸基を形成する化合物としては、特に限定されないが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランエポキシ基及びアルコキシシリル基を分子内に有するポリシロキサン化合物等が例示される。
重合体活性末端と結合して重合体の末端にアミノ基及びアルコキシシリル基を形成する化合物としては、特に限定されないが、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)メチルアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)メチルアミン等のアミノ置換基を有するアルキル基が結合したアルコキシシラン化合物;N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシラン等のWO2007/034785に記載の保護された1置換アミノ基が結合したアルコキシシラン化合物;N−〔2−(トリメトキシシラニル)−エチル〕−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミン、1−〔3−(トリエトキシシラニル)−プロピル〕−4−メチルピペラジン、2−(トリメトキシシラニル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン、ビス−(3−ジメチルアミノプロピル)−ジメトキシシラン等のWO2008/013090に記載の複数の置換アミノ基が結合したアルコキシシラン化合物;1,4−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕ピペラジン、1,4−ビス〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕ピペラジン等のWO2011/040312に記載の含窒素複素環が結合したアルコキシシラン化合物;3−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ〕プロピルトリメトキシシラン、3−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ〕プロピルメチルジエトキシシラン、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン等のWO2011/129425に記載のアザシラン基が結合したアルコキシシラン化合物等が例示される。
重合体活性末端と結合して重合体の末端に水酸基を形成する化合物としては、特に限定されないが、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のエポキシ化合物;ベンゾフェノン等のケトン化合物等が例示される。
上述した化合物を、重合体活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、0〜120℃で、30秒以上反応させることが好ましい。
上述した変性剤の添加量は、特に限定されないが、重合開始剤又は多官能開始剤のモル数すなわち重合体分子数に対して、変性剤の合計モル数が、0.1〜6倍となる範囲であることが好ましく、0.2〜3倍となる範囲であることがより好ましく、0.5〜2倍となる範囲であることがさらに好ましい。添加量が0.5倍以上であれば、目的とする変性ブタジエン系重合体において十分な変性率を得る観点から好ましい。また、加工性改良のために重合体末端同士をカップリングさせ分岐状重合体成分とすることができ、その場合には、変性剤として多官能の化合物を用いることができる。このような多官能変性剤の添加量は、重合開始剤又は多官能開始剤のモル数すなわち重合体分子数に対して0.5倍以下が好ましい。
また、官能基同士が結合する副反応を防止する目的や、異なった種類のフィラーとの親和性の向上を目的として、末端の官能基を2種類以上の異なった官能基とすることができる。
末端変性工程は、重合工程が回分式の場合は、重合工程で用いた反応器中で続いて変性反応を行っても、次の反応器に移送して行ってもよい。重合工程が連続式の場合は次の反応器に移送して行う。末端変性工程は、好ましくは重合工程に引き続いて、直ちに行い、好ましくは5分以内に変性剤を混合して反応を行わせる。変性反応のための反応器は十分な撹拌が行われるものが好ましい。具体的には、スタティックミキサー型反応器、攪拌機付漕型反応器等がある。
〔主鎖変性工程〕
主鎖変性工程は、上記の末端が変性されたブタジエン系重合体の主鎖のビニル基と、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、又は水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する珪素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより、主鎖を変性する工程である。この工程は、重合開始剤を用いる場合も、前記多官能開始剤を用いる場合も同様である。
ヒドロシリル化反応は、有機溶剤溶液中又は重合体のまま(溶剤なしの状態)で混練機中で行なうことができる。具体的には、前記官能基を有するヒドロシラン化合物等の珪素化合物を触媒存在下に反応させ、ブタジエン系重合体の主鎖のビニル基の変性を行ことができる。溶液重合における重合工程後に、さらに上述のように重合体の末端部を変性した重合体溶液をそのまま用いることが好ましい。
(珪素化合物)
官能基を有する珪素変性基を導入する珪素化合物としては、特に限定されず、具体的にはヒドロシラン化合物を挙げることができる。このようなヒドロシラン化合物としては、特に限定されず、具体的にはアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するヒドロシラン化合物であればいずれでもよい。その中でも、好ましくは、一般式HSiR’’3-nn、(R’’は特に限定されないが、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Xはアミノ基、アルコキシ基、水酸基又はアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する炭化水素又はオルガノシラン化合物基を表し、nは1〜3である。)であらわされるヒドロシラン化合物が挙げられる。より好ましくはnが1であり、また、好ましくはR’’が炭素数1〜3の炭化水素を表す。ヒドロシラン化合物がこのような構成を有している場合、ヒドロシリル化反応の収率が高い。
また、官能基を有する珪素変性基を導入する珪素化合物としては、ヒドロシラン化反応の後に加水分解等を行うことで、アミノ基、アルコキシシリル基、又は水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する珪素化合物であってもよい。このような珪素化合物としては、特に限定されず、具体的には加水分解等を行うことで、アミノ基、アルコキシシリル基、又は水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する官能基を有するヒドロシラン化合物を挙げることができる。より具体的には、保護化1置換アミノ基、保護化2置換アミノ基、保護化水酸基などを有するヒドロシラン化合物、を挙げることができる。
アルコキシ基を有する珪素化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ジメチルモノメトキシシラン、ジメチルモノエトキシシラン、ジメチルモノプロポキシシラン、ジメチルモノブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジプロポキシシラン、エチルジエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等、分子中にH−Si基及びアルコキシシリル基を有するオルガノシロキサン化合物が挙げられる。
2置換アミノ基を有する珪素化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ジメチルアミノジメチルシラン、ジエチルアミノジメチルシラン、ジエチルアミノジエチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジメチルシラン、6−ジエチルアミノヘキシルジメチルシランが挙げられる。
保護化1置換アミノ基を有する珪素化合物としては、特に限定されないが、具体的には、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノジメチルシラン、N−エチル−N−トリメチルシリルアミノジエチルシランが挙げられる。
保護化2置換アミノ基を有する珪素化合物としては、特に限定されないが、具体的には、N,N−ビストリメチルシリルアミノジメチルシラン、N,N−ビストリメチルシリルアミノジエチルシランが挙げられる。
水酸基を有する珪素化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ジメチルヒドロキシシラン、ジエチルヒドロキシシラン、ジブチルヒドロキシシランが挙げられる。
加水分解により水酸基を形成する珪素化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ジメチルモノメトキシシラン、ジメチルモノエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどのアルコキシシラン化合物;ジメチルグリシジルシラン、ジエチルグリシジルシランなどのエポキシ基を有するシラン化合物が挙げられる。
末端変性されたブタジエン系重合体の主鎖のビニル基を変性する際、反応するヒドロシラン化合物の量は、目的に応じて任意であるが、好ましくはブタジエン系重合体の主鎖1モルに対し1〜10モルである。主鎖1モルに対して1〜10モルを変性することにより、後述するように、変性ブタジエン系重合体と、シリカとを混合してゴム組成物を得る際、良好な親和性が得られ、加工性に優れたものとなる。より好ましくは、主鎖1モルに対し、2〜5モルである。
ヒドロシリル化反応を行う際には、所定の触媒を用いてもよい。触媒としては、特に制限されないが、例えば、白金又は白金含有触媒が主に用いられる。好ましくは、均一系白金触媒が好適に用いられ、例えば、塩化白金酸溶液(すなわちSpeier触媒)、Pt2(ジビニルテトラメチルジシロキサン)3溶液(すなわちKarstedt触媒)、ジクロロ(η4−シクロ−1,5−ジエン)Pt(II)等がある。反応に使う白金触媒の量
は、好ましくはヒドロシラン化合物当たり0.01〜10mmol/mol、より好ましくは0.1〜1mmol/molである。
そのほか、ヒドロシリル化反応を行う際に用いる触媒としては、例えば、Ti、Zr、Hf、Ni、Co、Ru、Rhのうちいずれかを含むメタロセン化合物が挙げられ、特にチタノセン化合物と有機リチウム又は有機アルミニウムとの反応物が好適である。
ヒドロシリル化反応は好ましくは20〜150℃の範囲で行い、より好ましくは50〜120℃の範囲で行う。この範囲では適度な反応時間で実施可能であり、ゲル化などの副反応が少なく、実用的である。なお、重合溶液をそのまま用い、末端変性反応に続いてヒドロシリル化反応を行う場合は、重合温度と同じ温度で行うことができる。溶液状態では、反応時間は10分〜5時間が好ましく、より好ましくは30分〜2時間の範囲である。
〔後処理〕
上述のようにして、末端変性及び主鎖変性がなされた、変性ブタジエン系重合体は、溶液として得られる場合、必要に応じて酸化防止剤、添加剤を加えた後、通常の方法で溶媒の除去、乾燥を行うことができる。これにより、後述するゴム組成物の原料とすることができる。具体的には、スチームストリッピング及び脱水乾燥による方法、ドラムドライヤー、フラッシング及びベント押出し機による直脱法などである。
酸化防止剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましい。
また、必要に応じ、添加剤として、イオン性物質を除去、あるいは中和するために、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールを加えたり、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、デカン酸、クエン酸、リンゴ酸等のカルボン酸、無機酸水溶液、炭酸ガス等を加えたりしてもよい。
〔ゴム組成物〕
本実施形態のゴム組成物は、前記変性ブタジエン系重合体を20質量部以上含む原料ゴム100質量部と、フィラー5〜200質量部と、を含有する。
〔原料ゴム〕
原料ゴム100質量部中の変性ブタジエン系重合体含有量は、20質量部以上であり、好ましくは40質量部以上、より好ましくは50質量部以上、さらに好ましくは60質量部以上である。20質量部以上であると、本発明の目的とするフィラー分散性が優れ、本実施形態のゴム組成物を加硫化組成物とした場合、引っ張り特性、粘弾性特性などの性能が優れ、タイヤ用の材料として用いた場合、当該タイヤにおいて優れた燃費性能、グリップ性能、耐摩耗性、剛性が得られる。また、該変性ブタジエン系重合体の含有量は、好ましくは90質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。90質量部以下とすることにより、本実施形態の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を下げて加工性が向上する。
変性ブタジエン系重合体以外の原料ゴムとしては、特に限定されず、例えば、共役ジエン系重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物、その他の共役ジエン系共重合体又はその水素添加物、非ジエン系重合体、天然ゴム等が挙げられる。
共役ジエン系重合体又はその水素添加物の具体例としては、特に制限されず、例えば、ブタジエンゴム又はその水素添加物、イソプレンゴム又はその水素添加物等が挙げられる。
共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物の具体例としては、特に制限されず、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム又はその水素添加物が挙げられる。
共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物の具体例としては、特に制限されず、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体又はその水素添加物等のスチレン系エラストマーが挙げられる。
その他の共役ジエン系共重合体又はその水素添加物の具体例としては、特に制限されず、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はその水素添加物等が挙げられる。
また、非ジエン系重合体としては、特に制限されず、例えば、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ヘキセンゴム、エチレン−オクテンゴム等のオレフィン系エラストマー、ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、α、β−不飽和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジエン共重合ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等が挙げられる。
本実施形態において、変性ブタジエン系重合体が変性スチレン−ブタジエンゴムである場合は他のゴムとしてはポリブタジエンが好ましい。また、変性ブタジエン系重合体が変性ポリブタジエンである場合は他のゴムとしては天然ゴム又はポリイソプレンゴムが好ましい。
上述した各種ゴム状重合体の重量平均分子量は、性能と加工特性のバランスの観点から、2,000〜2,000,000であることが好ましく、5,000〜1,500,000であることがより好ましい。また、低分子量のいわゆる液状ゴムを用いることもできる。これらのゴム状重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ここでいう重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によって得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
原料ゴムに対してフィラーの使用量は、フィラーを多く用いると、硬さ、モジュラスが上昇し、用途に応じ所望の物性となるように調整される。この範囲内であればフィラーの分散が良く加工性が良い。タイヤ用途では好ましくはフィラーは5〜150質量部であり、履物用途では、好ましくは30〜200質量部である。本実施形態の範囲では、柔らかいものから硬いものまで広く対応可能である。
〔フィラー〕
フィラーとしては、特に制限されず、例えば、シリカ、カーボンラックから選択するのが好ましい。特に、フィラーのうちシリカが30〜100%であることが好ましく、40〜95%であることがより好ましく、45〜90%であることがさらに好ましい。
シリカとしては、特に制限されず、例えば、沈降性シリカ、ヒュームドシリカ等があり、特に沈降性シリカが好ましく用いられる。
本実施形態では、さらに他のフィラーを併用して用いることができる。本実施形態の重合体の種々の官能基の組み合わせ効果により、シリカ及び他のフィラー双方の分散が良くなって、すぐれた補強効果が得られる。
本実施形態において用いられるシリカとしては、BET比表面積が50〜500m2/gのシリカが使用される。このようなシリカを配合することによって、優れた低燃費性、耐摩耗性、ウェットスキッド性能及び操縦安定性が得られる。
本実施形態の官能基変性したブタジエン系重合体を含む組成物においては、シリカの分散性が良好なため、高い比表面積のシリカすなわち微粒径シリカを用いてもよく分散させることが可能である。
本実施形態のゴム組成物は、微粒径シリカとしては、CTAB比表面積が180m2/g以上、BET比表面積が185m2/g以上のシリカを含有することができる。このような微粒径シリカを配合することによって、本実施形態のゴム組成物において、優れた低燃費性、耐摩耗性、ウェットスキッド性能及び操縦安定性が得られる。
本実施形態のゴム組成物に含有される微粒径シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)比表面積は、特に制限されず、好ましくは190m2/g以上、より好ましくは195m2/g以上、さらに好ましくは197m2/g以上である。CTAB比表面積が180m2/g以上であると耐摩耗性が優れるゴム組成物が得られる。該CTAB比表面積は、特に制限されず、好ましくは500m2/g以下、より好ましくは300m2/g以下、さらに好ましくは250m2/g以下である。CTAB比表面積が500m2/g以下であると、加工性が優れるゴム組成物が得られる。より好ましくはCTAB比表面積が190〜300m2/gである。なお、CTAB比表面積は、ASTM D3765−92に準拠して測定される。
微粒径シリカのBET比表面積は、特に制限されず、好ましくは190m2/g以上、より好ましくは195m2/g以上、さらに好ましくは210m2/g以上である。BET比表面積が185m2/g以上であると、耐摩耗性が優れるゴム組成物が得られる。該BET比表面積は、特に制限されず、好ましくは500m2/g以下、より好ましくは300m2/g以下、さらに好ましくは260m2/g以下である。BET比表面積が500m2/g以下であると、加工性が優れるゴム組成物が得られる。なお、シリカのBET比表面積は、ASTM D3037−81に準じて測定される。
微粒径シリカのアグリゲートサイズは、特に制限されず、30nm以上とすることができ、好ましくは35nm以上、より好ましくは40nm以上、さらに好ましくは45nm以上、さらにより好ましくは50nm以上、よりさらに好ましくは55nm以上である。また、該アグリゲートサイズは、特に制限されず、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは70nm以下、特に好ましくは65nm以下である。このようなアグリゲートサイズを有することにより、良好な分散性を有しながら、優れた補強性、低燃費性、耐摩耗性、ウェットスキッド性能及び操縦安定性を与えることができる。アグリゲートサイズは、凝集体径又は最大頻度ストークス相当径とも呼ばれているものであり、複数の一次粒子が連なって構成されるシリカの凝集体を一つの粒子と見なした場合の粒子径に相当するものである。アグリゲートサイズは、例えば、BI−XDC(Brookhaven Instruments Corporation製)等のディスク遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて測定できる。具体的には特開2011−132307に記載されている方法により測定できる。
微粒径シリカの平均一次粒子径は、特に制限されず、好ましくは25nm以下、より好ましくは22nm以下、さらに好ましくは17nm以下、特に好ましくは14nm以下である。該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上、さらに好ましくは7nm以上である。この範囲であると、分散性と補強性に優れる。なお、微粒径シリカの平均一次粒子径は、透過型又は走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。
本実施形態のゴム組成物における、上記微粒径シリカの配合量は、特に制限されず、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上、さらにより好ましくは25質量部以上、よりさらに好ましくは30質量部以上である。5質量部以上であれば、上記微粒子シリカを配合した効果が充分に得られる。該微粒径シリカの配合量は、200質量部以下、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下、さらにより好ましくは55質量部以下である。200質量部以下であれば、実質上良好な加工性が得られる。
本実施形態のゴム組成物は、好ましくは、さらにフィラーとしてBET比表面積185m2/g未満のシリカ又はカーボンブラックを5〜100質量部含む上記のゴム組成物である。
本実施形態において、さらにフィラーとしてBET法窒素吸着比表面積(N2SA)が185m2/g未満のシリカが好ましく用いられ、さらに好ましくは150 m2/g未満のシリカが用いられ、好ましくは50m2/g以上が用いられる。この範囲において補強性と分散性のバランスが良い。また、用途に応じて、好適な粒径のものが用いられる。
カーボンブラックとしては、ASTMによるゴム用カーボンブラックの分類からN110、N220、N330、N339、N550、N660等があり、用途に応じて選択される。カーボンブラックを併用することにより、補強性を高めることができるとともに、タイヤトレッド用途に用いた場合においてドライグリップ性能を向上させることができる。カーボンブラックはBET法窒素吸着比表面積(N2SA)が、好ましくは185m2/g未満のものが用いられ、好ましくは30m2/g以上であり、より好ましくは50〜130m2/gの範囲である。この範囲において補強性と分散性のバランスが良い。タイヤトレッド用途に用いた場合においてさらに好ましくはN220、N330、N339である。
(その他のフィラー)
さらに、本実施形態のゴム組成物においては、上述したシリカの他、さらに他のフィラーを用いることができる。他のフィラーとしては、特に制限されないが、例えば、アルミナ類、炭酸カルシウム、クレー、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、タルク、酸化チタン、雲母等である。
(シランカップリング剤)
また、本実施形態のゴム組成物においては、シランカップリング剤を用いてもよい。シランカップリング剤としては、特に制限されないが、例えば、分子中にシリカ親和部とポリマー親和部の両方を有する化合物であり、シリカ親和部として、代表的にはアルコキシシリル基であり、ポリマー親和部として、ポリスルフィド、メルカプト基、エチレン2重結合等である。例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が用いられる。シランカップリング剤の配合量は、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部、好ましくは2〜15質量部である。シランカップリング剤をこの範囲で配合すると、シリカの分散性がより改善され、加工性が良くなり、さらに耐摩耗性が向上する等加硫ゴムの性能が改良される。
(可塑剤)
また、本実施形態のゴム組成物において、可塑剤を用いることにより、硬さ、モジュラスの調整は可能である。可塑剤としては、特に制限されないが、例えば、上記の伸展油と同様のオイルが使用可能であり、そのほかに、種々の天然物オイル、合成オイル、低分子量重合体等を用いることができる。また、公知の加工助剤を用いることができる。
(架橋剤)
本実施形態のゴム組成物は、架橋剤、配合剤等を加えて、架橋処理をさらに施したゴム組成物としてもよい。このような架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、硫黄系加硫剤、有機過酸化物等が用いられる。
硫黄系加硫剤としては、特に制限されないが、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィド等が用いられ、有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が用いられる。
また、必要に応じて加硫促進剤を配合してもよく、加硫促進剤としては、特に制限されないが、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアジニン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系又はアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも1つを含有するものを使用することができる。
さらに、必要に応じて加硫助剤を配合してもよく、加硫助剤としては、特に制限されないが、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸等を使用することができる。またさらに、老化防止剤を用いることができる。
(ゴム組成物の製造方法)
本実施形態のゴム組成物は、上述した原料ゴム、シリカ、必要に応じてその他のフィラー、架橋剤、各種添加剤、可塑剤などを配合し、機械的に混合する方法、溶液、分散液状態での混合などの方法を適用することにより製造できる。特に、混練機により機械的に練る方法が好ましく、例えば、ロールミル、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダーなど、公知の方法で可能である。
〔タイヤ〕
本実施形態のゴム組成物は、常法に従い加硫成形することによりタイヤとすることができる。加硫ゴムとして、タイヤ、防振ゴム、各種工業用品に用いられる。特に、タイヤのトレッド用ゴムとして用いられ、SBRは特にキャップトレッド用に好適に用いられる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
先ず、実施例及び比較例に適用した、物性の測定方法、評価方法について下記に示す。
〔(1)結合スチレン量〕
測定用の試料をクロロホルム溶液とし、測定機器として、島津製作所製UV−2450を用いて、スチレンのフェニル基による波長254nmの紫外線(UV)の吸収量を測定し、結合スチレン量(質量%)を測定した。
〔(2)ブタジエン部分のミクロ構造(1,2−ビニル結合量)〕
測定用の試料を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを作製し、測定機器として、日本分光(株)製:FT−IR230を用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度により、ハンプトンの方法の計算式に従い、ブタジエン部分のミクロ構造(1,2−ビニル結合量)を求めた。
〔(3)ムーニー粘度〕
JIS K6300−1に従い、L型ローターを用い、100℃で予熱を1分間行い、その4分後の粘度を測定した。数値が小さいほど粘度が小さいことを示す。
〔(4)ガラス転移温度(Tg)〕
ISO 22768:2006に準拠して、マックサイエンス社製、示差走査熱量計DSC3200Sを用い、ヘリウム50mL/分の流通下、−100℃から20℃/分で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とした。
〔(5)分子量、分子量分布〕
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線に基づいて重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求めた。溶離液はテトラヒドロフラン(THF)を使用した。カラムは、ガードカラム:東ソー社製 TSKguardcolumn HHR−H、カラム:東ソー社製 TSKgel G6000HHR、TSKgel G5000HHR、TSKgel G4000HHRを使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で、RI検出器(東ソー社製、「HLC8020」)を用いた。測定用の試料10mgを20mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液200μLをGPC測定装置に注入して測定した。
上記のようにして求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)により、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
〔(6)変性率〕
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに変性した成分が吸着する特性を応用することにより測定した。以下に示すようにして、試料及び低分子量内部標準ポリスチレン(分子量5,000)を含む試料溶液を、ポリスチレン系ゲルカラムで測定したクロマトグラムと、シリカ系カラムで測定したクロマトグラムの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定し変性率を求めた。
・試料溶液の調製:
試料10mg及び標準ポリスチレン5mgを20mLのTHFに溶解させて、試料溶液とした。
・ポリスチレン系カラムを用いたGPC測定条件:
THFを溶離液として用い、試料溶液200μLを装置に注入して測定した。カラムは、ガードカラム:東ソー社製 TSKguardcolumn HHR−H、カラム:東ソー TSKgel G6000HHR、TSKgel G5000HHR、TSKgel G4000HHRを使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で、RI検出器(東ソー社製 HLC8020)を用いて測定しクロマトグラムを得た。
・シリカ系カラムを用いたGPC測定条件:
THFを溶離液として用い、試料200μLを装置に注入して測定した。カラムは、ガードカラム:DIOL 4.6×12.5mm 5micron、カラム:Zorbax PSM−1000S、PSM−300S、PSM−60Sを使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5ml/分で、東ソー社製 CCP8020シリーズ ビルドアップ型GPCシステム:AS−8020、SD−8022、CCPS、CO−8020、RI−8021で、RI検出器を用いて測定し、クロマトグラムを得た。
・変性率の計算方法:
ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式より変性率(%)を求めた。
変性率(%)=[1−(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(ただし、P1+P2=P3+P4=100)
〔(7)スチレン連鎖〕
Kolthoffの方法に従い、測定用の試料のオスミウム酸分解生成物を得、これを用いて、メタノール中でブロックポリスチレンに相当する不溶ポリスチレンを析出させた。この不溶ポリスチレン量を定量し、ブタジエン系重合体当たりの質量%としてブロックスチレン量を算出した。
また、スチレン単位が1個のスチレン単連鎖及びスチレン単位が8個以上連なったスチレン長連鎖の結合スチレン量に対する含有率は、それぞれ、田中らの方法(Polymer,22,1721(1981))に従って、スチレン−ブタジエン共重合ゴムをオゾンによって分解した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって分析して求めた。
〔実施例1〕
内容積11リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3−ブタジエン770g、スチレン260g、シクロヘキサン4250g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン1.30gを反応器へ入れ、反応器内温を38℃に保持した。重合開始剤として、ヘキサメチレンイミン10.4mmolとn−ブチルリチウム10.4mmolをあらかじめ反応させた、ヘキサメチレンイミノリチウム10.4mmolを含むシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は90℃に達した。反応温度のピーク到達2分後、反応器にN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.78mmol添加し、さらに5分後に、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノンを7.2mmol添加し、5分間変性反応をおこなった。
続いて、ジメチルモノエトキシシラン21mmol及び塩化白金酸イソプロパノール溶液を加えた。用いた塩化白金酸はヒドロシラン化合物に対し0.30mmol/molとした。内温を90℃に保持しながら撹拌を継続し、1時間後にブレンドタンクに移送し、安定剤としてBHTを重合体に対し1質量%加えて、ラボ用ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体を得た。得られた重合体を重合体Aとした。
重合体Aを分析した結果、結合スチレン量は25質量%、結合ブタジエン量は75%であった。100℃でのムーニー粘度は57であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は52モル%であった。また、変性率は99%であった。ガラス転移温度は−30℃であった。重合体Aの分析結果を表1に示した。
〔実施例2〕
内容積11リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3−ブタジエン770g、スチレン260g、シクロヘキサン4250g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン1.45gを反応器へ入れ、反応器内温を38℃に保持した。重合開始剤として、ヘキサメチレンイミン13.0mmolとn−ブチルリチウム13.0mmolをあらかじめ反応させた、ヘキサメチレンイミノリチウム13.0mmolを含むシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は90℃に達した。反応温度のピーク到達2分後、反応器にN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを3.25mmol添加し、5分間変性反応をおこなった。
続いて、ジエチルアミノジメチルシラン26mmol及び塩化白金酸イソプロパノール溶液を加えた。用いた塩化白金酸はヒドロシラン化合物に対し0.30mmol/molであった。内温を90℃に保持しながら撹拌を継続し、1時間後にブレンドタンクに移送し、安定剤としてBHTを重合体に対し1質量%加えて、ラボ用ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体を得た。得られた重合体を重合体Bとした。
重合体Bを分析した結果、結合スチレン量は25質量%、結合ブタジエン量は75%であった。100℃でのムーニー粘度は63であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は52モル%であった。また、変性率は99%であった。ガラス転移温度は−30℃であった。重合体Bの分析結果を表1に示した。
〔実施例3〕
内容積11リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3−ブタジエン770g、スチレン260g、シクロヘキサン4250g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン1.45gを反応器へ入れ、反応器内温を38℃に保持した。重合開始剤として、メタ−ジイソプロペニルベンゼン7.2mmolとsec−ブチルリチウム14.4mmolを用い、特公平1−53681号公報の実施例1に記載された方法で、20℃、6時間反応させて得られた、1,3−ビス(1−リチオ−1,3−ジメチルペンチル)ベンゼン7.2mmolのシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は90℃に達した。反応温度のピーク到達2分後、反応器に3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを14.4mmol添加し、5分間変性反応をおこなった。
続いて、3−ジエチルアミノプロピルジメチルシラン26mmol及び塩化白金酸イソプロパノール溶液を加えた。用いた塩化白金酸はヒドロシラン化合物に対し0.30mmol/molであった。内温を90℃に保持しながら撹拌を継続し、1時間後にブレンドタンクに移送し、安定剤としてBHTを重合体に対し1質量%加えて、ラボ用ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体を得た。得られた重合体を重合体Cとした。
重合体Cを分析した結果、結合スチレン量は25質量%、結合ブタジエン量は75%であった。100℃でのムーニー粘度は63であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は52モル%であった。また、変性率は99%であった。ガラス転移温度は−30℃であった。重合体Cの分析結果を表1に示した。
〔実施例4〕
実施例3と同様に得られた両末端活性ブタジエン系重合体溶液に、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノンを7.2mmol添加して5分間変性反応させ、さらに3−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ〕プロピルメチルジエトキシシランを7.2mmol添加して5分間変性反応させた。
続いて、ジエチルアミノジメチルシラン26mmol及び塩化白金酸イソプロパノール溶液を加えた。用いた塩化白金酸はヒドロシラン化合物に対し0.30mmol/molであった。内温を90℃に保持しながら撹拌を継続し、1時間後にブレンドタンクに移送し、安定剤としてBHTを重合体に対し1質量%加えて、ラボ用ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体を得た。得られた重合体を重合体Dとした。
重合体Dを分析した結果、結合スチレン量は25質量%、結合ブタジエン量は75%であった。100℃でのムーニー粘度は63であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は52モル%であった。また、変性率は99%であった。ガラス転移温度は−30℃であった。重合体Dの分析結果を表1に示した。
〔比較例1〕
内容積11リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3−ブタジエン770g、スチレン260g、シクロヘキサン4250g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン1.0gを反応器へ入れ、反応器内温を38℃に保持した。重合開始剤としてn−ブチルリチウム7.9mmolのシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は88℃に達した。反応温度のピーク到達2分後、反応器に3−(ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン3.96mmol添加し、5分間変性反応をおこなった。
その後、ブレンドタンクに移送し、安定剤としてBHTを重合体に対し1質量%加えて、ラボ用ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体を得た。得られた重合体を重合体Eとした。
重合体Eを分析した結果、結合スチレン量は25質量%、結合ブタジエン量は75%であった。100℃でのムーニー粘度は58であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は53モル%であった。また、変性率は80%であった。ガラス転移温度は−29℃であった。重合体Eの分析結果を表1に示した。
〔比較例2〕
内容積11リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3−ブタジエン770g、スチレン260g、シクロヘキサン4250g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン1.45gを反応器へ入れ、反応器内温を38℃に保持した。重合開始剤としてn−ブチルリチウム13.0mmolのシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は90℃に達した。反応温度のピーク到達2分後、反応器に4塩化珪素を3.25mmol添加し、5分間変性反応をおこなった。続いて、ジエチルアミノジメチルシラン26mmol及び塩化白金酸イソプロパノール溶液を加えた。用いた塩化白金酸はヒドロシラン化合物に対し0.25mmol/molであった。内温を90℃に保持しながら撹拌を継続し、1時間後にブレンドタンクに移送し、その後、ブレンドタンクに移送し、安定剤としてBHTを重合体に対し1質量%加えて、ラボ用ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体を得た。得られた重合体を重合体Fとした。
重合体Fを分析した結果、結合スチレン量は25質量%、結合ブタジエン量は75%であった。100℃でのムーニー粘度は62であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は52モル%であった。また、変性率は90%であった。ガラス転移温度は−30℃であった。重合体Fの分析結果を表1に示した。
〔比較例3〕
内容積11リットルで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3−ブタジエン770g、スチレン260g、シクロヘキサン4250g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン1.0gを反応器へ入れ、反応器内温を38℃に保持した。重合開始剤としてn−ブチルリチウム7.9mmolのシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は88℃に達した。反応温度のピーク到達2分後、反応器に3−(ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン3.96mmol添加し、5分間変性反応をおこなった。続いて、ジエチルアミノジメチルシラン16mmol及び塩化白金酸イソプロパノール溶液を加えた。用いた塩化白金酸はヒドロシラン化合物に対し0.25mmol/molであった。内温を88から90℃に保持しながら撹拌を1時間継続し、その後にブレンドタンクに移送し、安定剤としてBHTを重合体に対し1質量%加えて、ラボ用ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体を得た。得られた重合体を重合体Gとした。
重合体Gを分析した結果、結合スチレン量は25質量%、結合ブタジエン量は75%であった。100℃でのムーニー粘度は65であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−ビニル結合量)は52モル%であった。また、変性率は95%であった。ガラス転移温度は−30℃であった。重合体Gの分析結果を表1に示した。
Figure 2013245248
*1
NBL :ノルマルブチルリチウム
HMI−Li :ヘキサメチレンイミノリチウム
Di−Li :1,3−ビス(1−リチオ−1,3−ジメチルペンチル)ベンゼン
*2
TGAMC :N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチ
ルシクロヘキサン
TESPMP :1−〔3−(トリエトキシシラニル)−プロピル〕−4−メチルピ
ペラジン
TMDABPO:N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフ
ェノン
GTEOSi :3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
BSAPEOS:3−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ〕プロピルメチル
ジエトキシシラン
DMAPTES:3−(ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン
SiCL4 :4塩化珪素
*3
DEASiH :ジエチルアミノジメチルシラン
EOSiH :ジメチルモノエトキシシラン
DEAPSiH:3−ジエチルアミノプロピルジメチルシラン
〔実施例5〜9,比較例4〜6〕
得られた重合体A〜Fを原料ゴムとして、以下に示す配合1〜3に従い、それぞれの原料ゴムを含有するゴム組成物を得た。
〔配合1〕
変性ブタジエン系重合体(試料A,C,E,F,G) :100.0質量部
中粒径シリカ(ローディア社製シリカZeosil 1165MP注1)
:60.0質量部
シランカップリング剤(エボニック デグサ社製 Si75) :4.8質量部
S−RAEオイル
(ジャパンエナジー社製、JOMOプロセスNC140):10.0質量部
ワックス(大内新興化学社製、サンノックN) :1.5質量部
亜鉛華 :2.5質量部
ステアリン酸 :2.0質量部
老化防止剤
(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン):2.0質量部
硫黄 :1.5質量部
加硫促進剤
(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド):1.3質量部
加硫促進剤(ジフェニルグアニジン) :1.6質量部
合計:179.2質量部
注1)CTAB比表面積:160m2/g、BET比表面積:165m2/g、平均一次粒子径:15nm
〔配合2〕
変性ブタジエン系重合体(試料A) :100.0質量部
微粒径シリカ(ローディア社製シリカ
Zeosil Premium 200MP注2):25.0質量部
大粒径シリカ
(ローディア社製シリカZeosil 1115MP注3):35.0質量部
シランカップリング剤(エボニック デグサ社製 Si75) :4.8質量部
S−RAEオイル
(ジャパンエナジー社製、JOMOプロセスNC140):10.0質量部
ワックス(大内新興化学社製、サンノックN) :1.5質量部
亜鉛華 :2.5質量部
ステアリン酸 :2.0質量部
老化防止剤
(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン):2.0質量部
硫黄 :1.5質量部
加硫促進剤
(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド):1.3質量部
加硫促進剤(ジフェニルグアニジン) :1.6質量部
合計:187.2質量部
注2)CTAB比表面積:200m2/g、BET比表面積:220m2/g、平均一次粒子径:25nm、アグリゲートサイズ:65nm
注3)CTAB比表面積:105m2/g、BET比表面積:115m2/g、平均一次粒子径:10nm、アグリゲートサイズ:92nm
〔配合3〕
変性ブタジエン系重合体(試料B,D) :100.0質量部
中粒径シリカ(ローディア社製シリカZeosil 1165MP)
:30.0質量部
カーボンブラック
(東海カーボン社製、シーストKH(N339)):30.0質量部
シランカップリング剤(エボニック デグサ社製 Si75) :2.5質量部
S−RAEオイル
(ジャパンエナジー社製、JOMOプロセスNC140):10.0質量部
ワックス(大内新興化学社製、サンノックN) :1.5質量部
亜鉛華 :2.5質量部
ステアリン酸 :2.0質量部
老化防止剤
(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン):2.0質量部
硫黄 :1.5質量部
加硫促進剤
(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド):1.3質量部
加硫促進剤(ジフェニルグアニジン) :1.6質量部
合計:185.4質量部
上記した材料を下記の方法により混練してゴム組成物を得た。
温度制御装置を具備する密閉混練機(内容量0.3リットル)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数50/57rpmの条件で、原料ゴム(試料A〜FG)、充填剤(シリカ、カーボンブラック)、有機シランカップリング剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。このとき、密閉混合機の温度を制御し、5分間混練りし、排出温度(配合物)は155〜160℃でゴム組成物を得た。なお、〔配合2〕では8分間混練りした。
次に、第二段の混練として、上記で得た配合物を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度4分間混練した。この場合も、混合機の温度制御により排出温度(配合物)を155〜160℃に調整した。冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を加えて混練した。その後、成型し、160℃で20分間、加硫プレスにて加硫した。加硫後、ゴム組成物の物性を測定した。物性測定結果を表2に示した。
ゴム組成物の物性は、下記の方法により測定した。
(8)配合物ムーニー粘度
ムーニー粘度計を使用し、JIS K6300−1に準じて、130℃、1分間の予熱を行った後に、ローターを毎分2回転で4分間回転させた後の粘度を測定し、比較例4の結果を100として指数化した。値が小さいほど加工性に優れることを示す。
(9)ロール加工性評価
第二段の混練り後、直ちに70℃に設定したオープンロールに3回通し、練りゴムのロール肌とロールエッジの状態を目視で評価した。ロール肌は、表面が滑らかで光沢があるものを○、表面がなめらかだが光沢がないものを△、表面に凹凸が見られるものを×とした。ロールエッジの状態は滑らかなものを○、わずかにギザギザがあるものを△、大きくギザギザがあるものを×とした。
(10)300%モジュラス、切断時伸び
JIS K6251の引張特性の求め方に準じてダンベル状試験片5号形を用いて測定し、比較例4の結果を100として指数化した。
300%モジュラスとは伸び300%になるまでの引張応力である。
切断時伸びは破断伸びともいう。
(11)粘弾性パラメータ
レオメトリックス・サイエンティフィック社製の粘弾性試験機(ARES)を使用し、
ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。各々の測定値は比較例4を100として指数化した。0℃において周波数10Hz、歪み1%で測定したtanδをウェットグリップ性能の指標とした。値が大きいほどウェットグリップ性能が良好であることを示す。
また、50℃において周波数10Hz、歪み3%で測定したtanδを省燃費性能の指標とした。値が小さいほど省燃費性能が良好であることを示す。
50℃において周波数10Hz、歪み10%で測定した貯蔵弾性率G'と歪み0,1%で測定した貯蔵弾性率G'の差であるペイン効果ΔG'を、フィラー分散性の指標とした
。値が小さいほどフィラー分散が良好であることを示す。さらに、50℃において周波数10Hz、歪み3%で測定した貯蔵弾性率G'を剛性の指標とした。値が大きいほど剛性が高く、タイヤに用いた場合の走行安定性が高い。
(12)耐摩耗性
アクロン摩耗試験機(安田精機製作所製)を使用し、JIS K6264−2に準じて、荷重44.1N、1000回転の摩耗量を測定し、比較例4を100として指数化した。指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを示す。
Figure 2013245248
表2に示す通り、実施例5から9の変性ブタジエン系重合体の組成物は、比較例4から6の重合体の組成物と比較して、実用上十分な加工性(低い配合物ムーニー粘度)を有しており、歪を変えて測定した貯蔵弾性率G’の差であるペイン効果ΔG’が小さいためフ
ィラーの分散性が良好である。更には、50℃のtanδが低くてヒステリシスロスが少なく、タイヤの低転がり抵抗が実現されているとともに、0℃のtanδも高くウェットスキッド抵抗性に優れていることが確認された。
加えて、比較例1の重合体のゴム組成物と比較して、耐摩耗性及び50℃の貯蔵弾性率G‘により測定した剛性が優れていることが確認された。
本発明の変性ブタジエン系重合体は、タイヤ用ゴム、防振ゴム、履物用等に好適なゴム組成物を構成するゴム状重合体として、産業上の利用可能性がある。

Claims (8)

  1. アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する変性基により2以上の末端が変性されており、
    さらに、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素変性基により主鎖のビニル基が変性されている、
    変性ブタジエン系重合体。
  2. ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が20,000〜2,000,000である、請求項1に記載の変性ブタジエン系重合体。
  3. アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤として用い、1,3−ブタジエンを重合、又は1,3−ブタジエンと、当該1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体と、を共重合して、活性末端及び前記官能基を有する重合開始末端を有するブタジエン系重合体を得る重合工程と、
    前記ブタジエン系重合体の活性末端に、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する化合物を反応させて、前記官能基を導入する末端変性工程と、
    前記ブタジエン系重合体の主鎖のビニル基と、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、又は水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する珪素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより、主鎖を変性する主鎖変性工程と、
    を含む変性ブタジエン系重合体の製造方法。
  4. 多官能開始剤を用いて、1,3−ブタジエンを重合、又は1,3−ブタジエンと、当該1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体と、を共重合して、活性末端を有するブタジエン系重合体を得る重合工程と、
    前記ブタジエン系重合体の活性末端に、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する化合物を反応させて、2以上の末端に前記官能基を導入する末端変性工程と、
    前記ブタジエン系重合体の主鎖のビニル基と、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する珪素化合物、又はアミノ基、アルコキシシリル基、又は水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を形成する珪素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより、主鎖を変性する主鎖変性工程と、
    を含む変性ブタジエン系重合体の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の変性ブタジエン系重合体を20質量部以上含む原料ゴム100質量部と、
    フィラー5〜200質量部と、
    を、含有するゴム組成物。
  6. 前記フィラーの30〜100質量%が、シリカである請求項5に記載のゴム組成物。
  7. 架橋処理をさらに施した、請求項5又は6に記載のゴム組成物。
  8. 請求項7に記載のゴム組成物を含む、タイヤ。
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