JP7023748B2 - 調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、調理器に関し、特に内釜を備え、内釜に蓋をして使用する調理器に関する。
従来、炊飯器本体と電源部とが分離可能な炊飯器として、特許文献1に開示された炊飯器が知られている。
特開2017-79207号公報(2017年4月27日公開)
しかしながら、上述のような炊飯器では、炊飯器本体と電源部との間での制御信号等の送受信は非接触通信で行われている。このため、通信状態が悪いと制御信号の送受信が適切に行えないので、炊飯が適切に行うことができないという問題が生じる。
本発明は、制御信号の送受信を行う非接触通信における通信状態を考慮して調理動作を適切に行うことができる調理器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る調理器は、調理動作を行う調理器本体と、上記調理器本体に蓋をする蓋体とを備えた調理器であって、上記蓋体には、上記調理器を操作する操作部が形成されており、上記操作部に対して、当該調理器本体から制御に必要な情報を非接触通信によって供給すると共に、当該操作部に必要な電源を上記調理器本体からワイヤレスで給電し、上記調理器本体は、上記非接触通信の信号レベルが所定の値以下になった場合、および、ワイヤレス給電が所定の給電状態を逸脱した場合の少なくとも一方の場合に、上記調理器本体の調理動作を停止する停止部を備え、上記蓋体は、上記調理器本体からのワイヤレス給電の電力レベルが、所定の値以下であるか否かを判定する電力測定部を備え、ワイヤレス給電の上記電力レベルが所定の値以下である場合、上記蓋体から上記調理器本体にワイヤレス給電が適切に行えていないことを示す信号を送信し、上記停止部は、上記調理器本体の調理動作を停止することを特徴としている。
本発明の一態様によれば、制御信号の送受信を行う非接触通信における通信状態を考慮して調理動作を適切に行うことができる。
本発明の実施形態1に係る炊飯器の外観を示す概略斜視図である。 図1に示す炊飯器の蓋本体を取り外した状態を示す概略斜視図である。 図1に示す炊飯器の蓋本体を構成する外蓋と内蓋を示す概略斜視図である。 図1に示す炊飯器のAA線矢視断面図である。 図1に示す炊飯器のBB線矢視断面図である。 図1に示す炊飯器の蓋本体側の制御回路の概略ブロック図である。 図1に示す炊飯器の調理器本体側の制御回路の概略ブロック図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
(調理器の概略)
図1は、実施形態1に係る炊飯器1(調理器)の蓋体2を閉じた状態を示す斜視図である。図2は、炊飯器1の蓋体2を開いた状態を示す斜視図である。図3は、蓋体2の分解斜視図である。図4および図5は、図1の炊飯器1の内部構造を示す縦断面図である。これらの図を参照して、炊飯器1の構造について説明する。
図1に示すように、炊飯器1は、炊飯器本体(調理器本体)3と、この炊飯器本体3の上部に取り付けられた蓋体2とを備えている。蓋体2は、図2に示すように、当該炊飯器本体3から完全に分離できるようになっている。この炊飯器1は、炊飯のみならず、煮物や蒸し物などといった調理にも使用できるように構成されている。なお、炊飯器本体3には、図示しないが、コードリールに引き出し可能に巻き付けられている電源コードが設けられている。
蓋体2には、炊飯器1の炊飯操作を行うための操作部23が設けられている。操作部23は、タッチパネル式の液晶表示パネルで構成されている。これにより、ユーザは、液晶表示パネルに表示された操作ボタン等をタッチ操作することで、炊飯器1の炊飯操作を行うことができる。なお、タッチパネル式の液晶表示パネルの代わりに、タッチパネル式の有機ELパネルを用いてもよい。また、操作部23は、蓋体2の表面に操作ボタンと情報を表示するための表示パネルとを設けたものであってもよい。
操作部23には、電力の供給およびが炊飯器1を制御するための制御信号の送受信が必要である。電力の供給は、炊飯器本体3から行われる。また、制御信号の送受信は、蓋体2と炊飯器本体3との間で行われる。一般的には、これらの電力供給と制御信号の送受信は有線で行われるが、本実施形態に係る炊飯器1では、図2に示すように、蓋体2が炊飯器本体3から完全に分離できるように構成されているため、ワイヤレス給電による給電、非接触通信による調理信号等の制御信号の送受信を行うようになっている。ワイヤレス給電は、蓋体2のワイヤレス給電部5aと炊飯器本体3のワイヤレス給電部5bとの間で行われ、非接触通信は、蓋体2の非接触通信部6aと炊飯器本体3の非接触通信部6bとの間で行われる。ワイヤレス給電、非接触通信の詳細は後述する。
このように、ワイヤレス給電、非接触通信を実現することで、従来必要であった配線を無くすことができるので、配線によるデザインの規制を無くすことができる。従って、デザイン優先の炊飯器1を実現することが可能となる。
(蓋体2)
蓋体2は、図2および図3に示すように、炊飯器本体3の上面を覆う外蓋21と、内釜4に蓋をする内蓋22とで構成されている。ここで、内蓋22は、図3に示すように、外蓋21と完全に独立して形成されており、当該外蓋21を炊飯器本体3から取り外しときには、図2に示すように、内釜4に蓋をした状態を維持したままとなる。
蓋体2は、炊飯器本体3に蓋をする際には、まず、内蓋22によって内釜4に蓋をして、その上から外蓋21によって当該内蓋22を覆うようにセットする。内蓋22の表面には、ユーザが摘まむことができるように略円柱状に突起したつまみ部22aが形成されている。また、外蓋21には、内蓋22が内釜4に蓋をした状態で、炊飯器本体3の所定の位置にセットされたときに、当該内蓋22のつまみ部22aが嵌まり込む開口部21aが形成されている。つまり、蓋体2を炊飯器本体3にセットする際、内釜4に蓋をした内蓋22のつまみ部22aに、外蓋21の開口部21aが嵌まり込むようにする。この位置を、蓋体2が炊飯器本体3にセットされた適正位置とする。
通常、炊飯器1によって炊飯を開始すれば、内釜4内で蒸気が発生する。内釜4内で発生した蒸気を逃がすために、蓋体2には蒸気孔が設けられる。具体的には、内蓋22のつまみ部22aに蒸気口22cを形成すれば、つまみ部22aを露出させる外蓋21の開口部21aから蒸気を逃がすことができる。つまり、蓋体2において、外蓋21に形成された開口部21aが炊飯器1における蒸気口として機能する。
従って、上記構成のように、内蓋22に設けられ、上記外蓋21に形成された開口部21aから露出するつまみ部22aに内釜4で発生した蒸気を抜くための蒸気口21cが形成されていることで、内蓋22、外蓋21に蒸気を逃がすための蒸気口を、別途設ける必要がなくなる。
また、外蓋に形成する開口部の数を減らすことができるので、調理器本体の見栄えもよくなる。
蓋体2の蒸気口である開口部21aの近傍には、炊き方や調理名などを液晶で表示し、操作指示をタッチで行わせる操作部23が設けられている。この操作部23に表示される情報およびタッチしたタッチ信号の伝送は、上述したように蓋体2と炊飯器本体3との間における非接触通信によって行われる。また、操作部23への電力の供給は、上述したように蓋体2と炊飯器本体3との間におけるワイヤレス給電によって行われる。
(ワイヤレス給電、非接触通信)
ワイヤレス給電を実現するために、蓋体2にはワイヤレス給電部5a、炊飯器本体3にはワイヤレス給電部5bがそれぞれ設けられている。ワイヤレス給電部5aとワイヤレス給電部5bとは、図4に示すように、蓋体2が炊飯器本体3の所定の位置にセットされた状態で炊飯器本体3側から蓋体2へ電力が供給できる位置に設けられている。
一方、非接触通信を実現するために、蓋体2には非接触通信部6a、蓋体2には非接触通信部6bがそれぞれ設けられている。非接触通信部6aと非接触通信部6bとは、図4に示すように、蓋体2が炊飯器本体3の所定の位置にセットされた状態で蓋体2と炊飯器本体3との間で情報の送受信ができる位置に設けられている。
本実施形態では、ワイヤレス給電として電磁誘導方式を用い、非接触通信として赤外線通信(IR)送信方式を用いる。しかしながら、ワイヤレス給電、非接触通信として、これらの方式に限定されるものではなく、蓋体2が炊飯器本体3の所定の位置にセットされた状態で給電および情報の送受信が無線によって適切に行える方式であれば、どのような方式であってもよい。
内釜4内には、図4および図5に示すように、当該内釜4を誘導加熱するための誘導コイル7が設置されている。なお、誘導コイル7は、加熱部の一例である。
内釜4には、内容物の一例としての米や水などが収容される。内釜4は、例えばアルミ
ニウムなどの高熱伝導材料で形成され、その外面に加熱効率を向上させる例えばステンレスなどの磁性体が貼り付けられる一方、内面に内容物の付着を防ぐためのフッ素樹脂がコーティングされている。
(制御系)
炊飯器1の制御系について説明する。図6は、蓋体2に設けられた制御回路の構成を示すブロック図である。図7は、炊飯器本体3に設けられた制御回路の構成を示すブロック図である。
まず、蓋体2の制御回路について説明する。図6に示すように、蓋体2は、制御系の主要部として、CPU10と、ROM(Read Only Memory)14と、RAM(Random Access Memory)15とを備えている。また、CPU10は、調理制御部13、非接触通信部6a、ワイヤレス給電部5a、通信状態判定部11、電力測定部12、操作部23が接続されている。
CPU10は、ROM14に格納された制御プログラムを実行することによって、各部を制御する。具体的には、CPU10は、操作部23の表示制御、操作の受け付け、調理制御部13への調理制御の指示をする制御、通信状態判定部11による非接触通信部6aの通信状態の判定、電力測定部12によるワイヤレス給電部5aの給電状態の判定を行う制御などを行う。
次に、炊飯器本体3の制御回路について説明する。図7に示すように、炊飯器本体3は、制御系の主要部として、CPU40と、ROM44、RAM45とを備えている。また、CPU40は、非接触通信部6b、ワイヤレス給電部5b、通信状態判定部41、誘導コイル7、強制停止部46が接続されている。
CPU40は、ROM44に格納された制御プログラムを実行することによって、各部を制御する。具体的には、CPU40は、蓋体2の調理制御部13からの指示信号を非接触通信部6bによって受付けることで、誘導コイル7のオン・オフ制御、通信状態判定部41による非接触通信部6bの通信状態の判定制御、ワイヤレス給電部5bの給電制御、強制停止部46による強制停止制御などを行なう。
ワイヤレス給電部5bには、電源42が接続されている。電源42は、炊飯器本体3に内蔵されたコードリールに引き出し可能に巻き付けられている電源コードを家庭内のコンセントに差し込むことによって実現している。
また、強制停止部46には、停止スイッチ47が接続されている。停止スイッチ47をオンすることで、蓋体2の操作部23による炊飯器本体3の制御が不能になった場合であっても、強制的に調理動作を停止させることができる。この停止スイッチ47は、炊飯器1の操作部23に設けられている電源のON・OFF用のスイッチとは別に設けられ、通常の使用ではユーザが容易に触れない位置(例えば炊飯器本体3の裏側など)に形成されている。
(蓋ずれの通知)
蓋体2を炊飯器本体3に装着する際に、始めに内蓋22によって炊飯器本体3に収容されている内釜4に蓋をする。そして、内蓋22を覆うようにして外蓋21を炊飯器本体3の所定の位置にセットする。外蓋21は、炊飯器本体3に対して所定の位置に適切にセットされないと、非接触通信、ワイヤレス給電を適切に行うことができない。このため、図6に示すように、蓋体2の制御回路には、非接触通信の通信状態を判定する通信状態判定部11、ワイヤレス給電の給電状態を判定する電力測定部12が設けられている。ここで、CPU(蓋ずれ判定部)10は、通信状態判定部11および電力測定部12による判定結果が全て適切な内容であれば問題は無い、一部でも判定結果が不適切な内容(通信エラー、給電エラー)であれば、ユーザにその旨を伝えるエラー通知を行う。具体的には、操作部23にエラー表示、例えば「蓋体が適切な位置にありません」という内容を表示させたり、音声にて上記の内容をアナウンスしたり、警告音によって通知したりすることが考えられる。
ここで、通信状態判定部11、電力測定部12においては、何れも非接触通信部6a、ワイヤレス給電部5aが受信した信号によって通信状態や給電状態を判定している。このため、非接触通信部6a、ワイヤレス給電部5aの受信面・送信面が料理の汁などが付着して汚れている場合、信号の送受信を適切に行うことができない。つまり、蓋体2が炊飯器本体3に対して適切な位置にセットされていても、通信状態判定部11、電力測定部12による判定結果が適切な内容でないと判定され、ユーザに「蓋体が適切な位置にありません」という通知をしてしまう。
このような事態を回避するために、本実施形態では、蓋体2の非接触通信部6aの送信部と、受信部と、ワイヤレス給電部5aとを距離を離して設け、これに合わせて、炊飯器本体3の非接触通信部6bの送信部と、受信部と、ワイヤレス給電部5bとを距離を離して設ける。これにより、3箇所で蓋体2ずれの検知を行うことが可能となる。
例えば、3箇所のうち、1箇所の通信エラー(給電エラー)であれば、その箇所のみ食材や汁物による汚れが原因の通信エラーであると判定し、2箇所以上の通信エラー(給電エラー)であれば、蓋体2が適切な位置にセットされていないと判定し、その旨をユーザに通知する。
(効果)
上記構成の炊飯器1によれば、蓋体2を炊飯器本体3から取り外したとき、外蓋21のみが炊飯器本体3から取り外され、内蓋22は内釜4に蓋をした状態を維持している。従って、外蓋21を開放したときに、内蓋22表面の結露水を内釜4や内釜4周囲に垂らすおそれがない。
しかも、上記構成の炊飯器1によれば、蓋体2と炊飯器本体3との間に給電用配線、信号送信用配線が不要となるため、配線の経年劣化による断線等の問題が生じない。また、蓋体2を炊飯器本体3から完全に取り外すことができるので、炊飯器1の清掃が容易にできる。しかも、従来のように、蓋体と炊飯器本体との間に必要な配線によるデザインの制約を受けないため、デザインを優先した炊飯器を実現することが可能となる。
前記実施形態1では、図7に示す停止スイッチ47をユーザが操作することで炊飯動作を強制停止する例について説明した。以下の実施形態2,3では、炊飯器の炊飯時に、給電状態、通信状態を利用して、炊飯動作の停止制御を行う例について説明する。また、下記の実施形態2,3では、蓋体は、前記実施形態1と同様に、外蓋と内蓋が完全に分離できるようにしてもよいし、内蓋が外蓋に着脱自在に設けられていてもよい。また、外蓋の内面が内蓋を兼用するような蓋体であってもよい。
〔実施形態2〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。炊飯器1の構成は、前記実施形態1と同じである。異なるのは、蓋体2の非接触通信部6aと炊飯器本体3の非接触通信部6bによる非接触通信の通信状態を利用して炊飯器1の炊飯動作の停止制御を行う点である。
(炊飯動作停止制御)
炊飯器1による炊飯動作が開始されると、蓋体2に設けられた通信状態判定部11によって、非接触通信部6aによる通信状態を判定する。同時に、炊飯器本体3に設けられた通信状態判定部41によっても、非接触通信部6bによる通信状態を判定する。
具体的には、通信状態判定部11は、非接触通信部6aが受信した信号の信号レベルが、所定の値以下であるか否かを判定する。同時に、通信状態判定部41によっても、非接触通信部6bが受信した信号の信号レベルが、所定の値以下であるか否かを判定する。ここで、通信状態判定部11および通信状態判定部41によって、信号レベルが所定の値以下であると判定された場合、非接触通信部6aと非接触通信部6bとの間で適切に通信が行えていないと判定される。この場合、炊飯器本体3において現在進行中の炊飯動作を制御するための制御信号が当該炊飯器本体3に適切に行えないため、このまま、炊飯動作を進行させると、炊飯がうまくできない。従って、炊飯器本体3のCPU40は、強制停止部(停止部)46に指示を与えて炊飯動作を強制的に停止させる。
すなわち、上記構成の炊飯器1では、炊飯動作中に、制御信号を送受信する非接触通信の通信状態が所定の通信状態から逸脱したとき、すなわち非接触通信における信号の信号レベルが所定値以下になったとき、強制停止部46によって、上記炊飯器本体3の炊飯調理動作を停止するようにしている。
これにより、炊飯動作中に、非接触通信が適切に行えない場合、炊飯器本体3のみが動作を継続しないようにできる。
なお、非接触通信の通信状態の確認は、炊飯動作中に、数秒間隔で行う。しかしながら、通信状態の確認は、定期的に行うことに限定されるものではなく、連続して行ってもよいし、不定期に行ってもよい。
また、炊飯動作中に通信状態が悪くなり、炊飯動作を停止させる場合には、使用者に対して、警告音などにより報知する。
炊飯器1の故障により非接触通信の復帰が難しい場合は、炊飯器本体3における炊飯動作を完全に停止させる必要がある。しかしながら、非接触通信が一時的に不通になり、直ぐに復帰するような場合には、炊飯器本体3における炊飯動作を再開してもよい。この場合には、炊飯器本体3における炊飯動作の停止直前の状態(炊飯プログラムの途中)から再開させる。炊飯動作の停止直前の状態は、CPU40のRAM45に格納しておき、再開時に読み出すようにすればよい。
ここまでの説明では、炊飯器本体3の炊飯動作を停止させるために使用するのは、非接触通信の通信状態であるが、以下の実施形態3では、ワイヤレス給電の給電状態を使用して炊飯動作を停止させる例について説明する。
〔実施形態3〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。炊飯器1の構成は、前記実施形態1と同じである。異なるのは、蓋体2のワイヤレス給電部5aと炊飯器本体3のワイヤレス給電部5bによる給電状態を利用して炊飯器1の炊飯動作の停止制御を行う点である。
(炊飯動作停止制御)
炊飯器1による炊飯動作が開始されると、蓋体2に設けられた電力測定部12によって、ワイヤレス給電部5aとワイヤレス給電部5bとを用いたワイヤレス給電の給電状態を判定する。
具体的には、電力測定部12は、ワイヤレス給電部5aが受信した電力レベルが、所定の値以下であるか否かを判定する。ここで、電力測定部12によって、電力レベルが所定の値以下であると判定された場合、ワイヤレス給電が適切に行えていないと判定される。この場合、蓋体2の操作部23に十分な電力が供給されないため、炊飯器本体3に対して適切な指示を行うことができない。
従って、蓋体2から炊飯器本体3に対して、ワイヤレス給電が適切に行えていなことを示す信号を操作部23から炊飯器本体3のCPU40に送り、当該CPU40は、強制停止部(停止部)46に指示を与えて炊飯動作を強制的に停止させる。
すなわち、上記構成の炊飯器1では、炊飯動作中に、ワイヤレス給電の給電状態が所定の給電状態から逸脱したとき、すなわちワイヤレス給電における電力レベルが所定値以下になったとき、強制停止部46によって、上記炊飯器本体3の炊飯調理動作を停止するようにしている。
これにより、炊飯動作中に、ワイヤレス給電が適切に行えない場合、炊飯器本体3のみが動作を継続しないようにできる。
なお、ワイヤレス給電の給電状態の確認は、炊飯動作中に、数秒間隔で行う。しかしながら、給電状態の確認は、定期的に行うことに限定されるものではなく、連続して行ってもよいし、不定期に行ってもよい。
また、炊飯動作中に給電状態が悪くなり、炊飯動作を停止させる場合には、使用者に対して、警告音などにより報知する。
炊飯器1の故障により非接触通信の復帰が難しい場合は、炊飯器本体3における炊飯動作を完全に停止させる必要がある。しかしながら、ワイヤレス給電が一時的に不通になり、直ぐに復帰するような場合には、炊飯器本体3における炊飯動作を再開してもよい。この場合には、炊飯器本体3における炊飯動作の停止直前の状態(炊飯プログラムの途中)から再開させる。炊飯動作の停止直前の状態は、CPU40のRAM45に格納しておき、再開時に読み出すようにすればよい。
なお、前記実施形態1~3において、本発明の調理器の一例として炊飯器について説明したが、これに限定されるものではなく、他の加熱調理器であってもよく、また、加熱しない調理器、例えば保温器であってもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
炊飯器1の制御ブロック(特に蓋ずれ検知回路)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、炊飯器1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る調理器は、調理器本体(炊飯器本体3)と、上記調理器本体(炊飯器本体3)に蓋をする蓋体2とを備えた調理器(炊飯器1)であって、上記蓋体2には、上記調理器(炊飯器1)を操作する操作部23が形成されており、上記操作部23に対して、当該調理器本体(炊飯器本体3)から制御に必要な情報を非接触通信によって供給し、上記非接触通信の信号レベルが所定の値以下になったとき、上記調理器本体(炊飯器本体3)の調理動作を停止する停止部(強制停止部46)を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、調理器による調理中に、非接触通信が適切に行えない場合、調理器本体のみが動作を継続しないようにできる。これにより、制御に必要な情報(制御信号)の送受信を行う非接触通信における通信状態を考慮して調理動作を適切に行うことができる。
本発明の態様2に係る調理器は、上記態様1において、調理器本体(炊飯器本体3)と、調理器本体(炊飯器本体3)に蓋をする蓋体2とを備えた調理器(炊飯器1)であって、上記蓋体2には、上記調理器(炊飯器1)を操作する操作部23が形成されており、上操作部23に対して、当該調理器本体(炊飯器本体3)から制御に必要な情報を非接触通信によって供給すると共に、当該操作部23に必要な電源を上記調理器本体(炊飯器本体3)からワイヤレスで給電し、上記非接触通信の信号レベルが所定の値以下になった場合、上記ワイヤレス給電が所定の給電状態を逸脱した場合の少なくとも一方の場合に、上記調理器本体(炊飯器本体3)の調理動作を停止する停止部(強制停止部46)を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、調理器による調理中に、非接触通信が適切に行えない場合、調理器本体のみが動作を継続しないようにできる。また、ワイヤレス給電の給電が適切に行えない場合、調理器本体のみが動作を継続しないようにできる。これにより、ワイヤレス給電の給電状態も調理動作の停止の判断に用いることで、非接触通信が正常であっても、ワイヤレス給電が適切でない場合も考慮して調理動作を適切に行うことができる。
本発明の態様3に係る調理器は、上記態様1または2において、上記停止部によって調理動作が停止した場合、停止直前の調理動作を記憶部(RAM15)に記憶させ、上記停止部(強制停止部46)によって非接触通信の通信レベルが所定の値以下になって調理動作を停止してから所定時間以内に、上記非接触通信の通信レベルが所定の値よりも大きくなった場合、上記記憶部(RAM15)から停止直前の調理動作を読み出して調理を再開する調理制御部13を備えていてもよい。
上記構成によれば、非接触通信の通信不良による調理動作が停止した場合であっても、短時間で通信が再開されれば、停止直前の調理プログラムを再開することで、調理を適切に完了させることができる。
本発明の態様4に係る調理器は、上記態様2において、上記停止部によって調理動作が停止した場合、停止直前の調理動作を記憶部(RAM15)に記憶させ、上記停止部(強制停止部46)によってワイヤレス給電が所定の給電状態を逸脱して調理動作を停止してから所定時間以内に、上記ワイヤレス給電の給電状態が所定の給電状態になった場合、上記記憶部(RAM15)から停止直前の調理動作を読み出して調理を再開する調理制御部13を備えていてもよい。
上記構成によれば、ワイヤレス給電不良による調理動作が停止した場合であっても、短時間でワイヤレス給電が復旧されれば、停止直前の調理プログラムを再開することで、調理を適切に完了させることができる。
本発明の態様5に係る調理器は、上記態様1~4の何れか1態様において、上記調理器本体(炊飯器本体3)に、上記操作部23とは別に、当該調理器本体(炊飯器本体3)の調理動作を停止させる停止スイッチ47が設けられていてもよい。
上記構成によれば、操作部とは別に、当該調理器本体の調理動作を停止させる停止スイッチが設けられていることで、蓋体の操作部による調理器本体の制御が不能になった場合であっても、強制的に調理動作を停止させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 炊飯器(調理器)
2 蓋体
3 炊飯器本体(調理器本体)
4 内釜
5a、5b ワイヤレス給電部
6a、6b 非接触通信部
10 CPU
11 通信状態判定部
12 電力測定部
13 調理制御部
14 ROM
15 RAM(記憶部)
21 外蓋
23 操作部
40 CPU
41 通信状態判定部
42 電源
45 RAM(記憶部)
46 強制停止部(停止部)
47 停止スイッチ

Claims (4)

  1. 調理動作を行う調理器本体と、上記調理器本体に蓋をする蓋体とを備えた調理器であって、
    上記蓋体には、上記調理器を操作する操作部が形成されており、
    上記操作部に対して、当該調理器本体から制御に必要な情報を非接触通信によって供給すると共に、当該操作部に必要な電源を上記調理器本体からワイヤレスで給電し、
    上記調理器本体は、上記非接触通信の信号レベルが所定の値以下になった場合、および、ワイヤレス給電が所定の給電状態を逸脱した場合の少なくとも一方の場合に、上記調理器本体の調理動作を停止する停止部を備え
    上記蓋体は、上記調理器本体からのワイヤレス給電の電力レベルが、所定の値以下であるか否かを判定する電力測定部を備え、
    ワイヤレス給電の上記電力レベルが所定の値以下である場合、上記蓋体から上記調理器本体にワイヤレス給電が適切に行えていないことを示す信号を送信し、上記停止部は、上記調理器本体の調理動作を停止することを特徴とする調理器。
  2. 上記停止部によって調理動作が停止した場合、停止直前の調理動作を記憶部に記憶させ、上記停止部によって非接触通信の通信レベルが所定の値以下になって調理動作を停止してから所定時間以内に、上記非接触通信の通信レベルが所定の値よりも大きくなった場合、上記記憶部から停止直前の調理動作を読み出して調理を再開する調理制御部を備えていることを特徴とする請求項に記載の調理器。
  3. 上記停止部によって調理動作が停止した場合、停止直前の調理動作を記憶部に記憶させ、上記停止部によってワイヤレス給電が所定の給電状態を逸脱して調理動作を停止してから所定時間以内に、上記ワイヤレス給電の給電状態が所定の給電状態になった場合、上記記憶部に記憶された停止直前の調理動作を読み出して調理を再開する調理制御部を備えていることを特徴とする請求項に記載の調理器。
  4. 上記調理器本体に、上記操作部とは別に、当該調理器本体の調理動作を停止させる停止スイッチが設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の調理器。
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