JP4660623B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、調理容器を電磁誘導により加熱する誘導加熱調理器に関する。
従来の誘導加熱調理器は、調理器本体のトッププレートの上面前部に操作部が設けられ、この操作部に運転の入り切りおよび加熱出力を調節する多数のスイッチ類や、運転状態や加熱出力を表示する表示部が配列されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−228585号公報(図1、図2)
しかしながら、このように操作部がトッププレートの上面前部に配置されている誘導加熱調理器においては、調理容器をトッププレートに載せた際に、調理容器により操作部が隠れてしまい、スイッチの操作がしづらくなったり、表示部が目視できなくなるという問題があった。
このような問題は、例えば調理器本体と操作部とを分離可能に構成してトッププレート上での調理スペースを十分に確保できるようにすることで解消し得る。しかし、このように調理器本体と操作部とを分離可能に構成した場合、遠隔での操作が基本となる。実際の調理においては、確実かつ安全な調理を行うために、加熱状況を確認しながらその場で火力調整を行なう調理方法が一般的である。前述のように調理器本体と操作部とが離れていると、加熱状況を確認しながらその場で火力調整を行なうことはできず、感覚的にズレが生じ、調理がしづらくなる。
本発明の技術的課題は、調理器本体と操作部とを分離可能に構成してトッププレート上での調理スペースを確保しながら使い勝手を向上させ得るようにすることにある。
本発明に係る誘導加熱調理器は、調理容器を誘導加熱する複数の加熱コイルが配設された本体と、前記本体の上面に前記加熱コイルと対向するよう配置されたトッププレートと、前記本体内に設けられ前記加熱コイルの加熱出力を制御する制御部と、前記トッププレートの上面に載置可能な操作体と、を備え、前記トッププレート上面には、複数の加熱コイルのそれぞれに対応して前記操作体の載置領域が予め設定され、前記制御部は、前記操作体がトッププレート上面の載置領域に載置され、該操作体が載置領域に載置されたときの位置で回動操作されると、当該載置領域に対応する前記加熱コイルの加熱出力前記操作体の回動操作量に応じて制し、前記操作体がトッププレート上面の載置領域に載置されず一定時間経過した場合、前記加熱コイルの加熱出力を停止するものである。
本発明に係る誘導加熱調理器においては、調理器本体から分離してコンパクト化した操作体を設け、配置をトッププレート上の固定とせず、トッププレートと操作体とが接触している場合のみ通信可能となるようにしているので、トッププレート上での調理スペースを十分に確保できる。
本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の操作体の外観を示すトッププレート載置状態の斜視図と上面図である。 本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の操作体における送受信部を下方より示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の操作体による操作可能領域を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の操作可能領域内に操作体を置いた状態を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の操作体による複数加熱コイルの同時操作パターン例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器の操作可能領域内に操作体を置いた状態を示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器の操作体の内部構成図である。 本発明の実施の形態4に係る誘導加熱調理器の操作体の外観を下方より示す斜視図である。 本発明の実施の形態5に係る誘導加熱調理器の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5に係る誘導加熱調理器の操作体における送受信部を下方より示す斜視図である。
実施の形態1.
以下、図示実施形態により本発明を説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の外観を示す斜視図、図2はその内部構成を示すブロック図、図3はその操作体の外観を示すトッププレート載置状態の斜視図と上面図、図4はその操作体における送受信部を下方より示す斜視図、図5はその操作体による操作可能領域を示す平面図、図6はその操作可能領域内に操作体を置いた状態を示す平面図、図7はその操作体による複数加熱コイルの同時操作パターン例を示す説明図である。
本実施形態の誘導加熱調理器は、図1のように箱状の本体1と、この本体1の上面に配設された図示しない調理容器を載置するための耐熱ガラスからなるトッププレート2と、トッププレート2の下部に配設された誘導加熱コイルを含む複数個の加熱用コイル14a〜14cと、本体1とは分離して設けられトッププレート2の上面に移動可能に置された円筒形の操作体3と、を有している。
これを更に詳述すると、本体1は、図1及び図2のようにこの本体各部に電源を供給する電源部11と、調理器全体を制御する制御部12と、制御部12の制御に応じて発生する高周波電流を第1乃至第3の加熱用コイル14a〜14cに加える高周波電源発生部13a〜13cと、操作体3との間で制御信号と位置情報の送受信を行なうインターフェースすなわち送受信部15とを備えている。なお、第1乃至第3の加熱用コイル14a〜14cは、本体1内の左右および後部中央にそれぞれ設置され、トッププレート2上に載置された調理容器(図示せず)を誘導加熱する機能を有する。
トッププレート2の上面には、操作体3の位置を検知し、本体1との間で制御信号を送受信するための手段として、第1乃至第3の加熱コイル14a〜14cにそれぞれ対応して所定の領域でパターン化された金属コーティングすなわち導電部21が設けられている。例えば、図5のようにトッププレート2の前部側上面に所定幅で帯状の領域内でパターン化された導電部21を設けるとともに、このパターン化された導電部21は、中央で左右に二分し、その左側を第1の加熱コイル14a用にパターン化された第1の導電部21a、右側を第2の加熱コイル14b用にパターン化された第2の導電部21bとし、さらにその境界部分に跨るように第3の加熱コイル14c用に所定幅でパターン化された第3の導電部21cを設けて構成される。そして、これら第1乃至第3の導電部21a〜21cは、制御部12と接続され、それぞれ第1乃至第3の加熱コイル14a〜14cに対応する送受信部15として機能し、操作体3が置かれた位置によって設定可能な加熱コイルが決定されるようになっている。
一方、操作体3は、図2乃至図4のように入出力部32と、例えば画面上にタッチ式操作パネルを有する表示出力部33及び入力部34と現時点での火力を表示する火力表示部6とを備えた表示部4と、ダイヤル式の火力調節部36を備えた操作部5と、第1乃至第3の導電部21a〜21cと同時に接触可能な複数個の接触片40を底面に有し、本体1との間で制御信号と位置情報の送受信を行なうインターフェースすなわち送受信部35を備えた制御部31と、から構成されている。さらに、操作体3の形状も円筒形に限定されるものでなく、底面がトッププレート2と電気的に接続可能で、表示部4が使用者にとって見易く、操作し易い構成であれば、直方体でも多角柱でも構わないものである。
以上のように構成された本実施形態の誘導加熱調理器において、本体1の主電源を入力した後、操作体3の送受信部35がトッププレート2上の送受信部15の所定領域と接触すると、信号の送受信が行われ、導電部21上の操作体3の位置情報が送受信部15,35より本体1と操作体3に入力される。これにより、制御部12,31は操作体3の導電部21上での位置を判別する。そして、操作体3では、設定可能な加熱コイルの情報を表示出力部33に出力し、表示部4の画面上に表示させる。その後、操作体3の火力調節部36を回動操作することで、導電部21上の操作体3が置かれた位置に応じた加熱コイルの操作が可能となる。例として、導電部21からリード線を伸ばし、制御部12と接続して通信を行ったり、トッププレート2の上下面に電極を設け、交流信号を送ることで通信を行ったりする方法等が考えられる。
例えば、図6のようにトッププレート2上の決められた通信可能領域内(導電部上)において、操作体3がトッププレート2と接触した領域が第2の導電部21bである場合は、第2の加熱コイル14bの操作が可能となる。また、図7のように操作体3がトッププレート2と接触した領域が、第1及び第3の導電部21a,21cの境界線上でこれらに跨っている場合は、第1及び第3の加熱コイル14a,14cの同時操作が可能となり、第2及び第3の導電部21b,21cの境界線上でこれらに跨っている場合は、第2及び第3の加熱コイル14b,14cの同時操作が可能となり、第1乃至第3の導電部21a,21b,21cの境界線上でこれらに跨っている場合は、第1乃至第3の加熱コイル14a,14b,14cの同時操作が可能となる。
また、操作体3は、トッププレート2上の加熱コイルの通信可能領域内において接触していない領域に対応する加熱コイルの操作は不可能となるが、本体1の主電源スイッチのみはトッププレート2上の通信可能領域内のどこに操作体3を置いても操作可能となるように構成されている。
また、操作体3がトッププレート2上の通信可能領域と接触せず、本体側との送受信が一定時間行なわれない場合は、本体1の主電源が自動的にOFFになるように構成されている。電源OFFするまでの一定時間については、使用者が設定可能とし、各使用者の環境に合った時間とすることができる。
操作体3の制御部31は、加熱コイルの情報や、火力調節部36により設定された火力の情報が入出力部32を介して入力されると、設定火力から火力値を判別して加熱コイルの情報と共に調理器本体1に送信し、本体側の制御部12により制御させる。また、逆に、調理器本体1から加熱コイルの情報と火力値のデータが送られてきたときは、例えば加熱コイルの情報を表示出力部33に出力して表示部4の画面上に表示させるとともに、火力値に基づいて点灯するLEDの個数を判別してその情報を入出力部32に出力し、火力表示部6に表示させる(図3)。
また、制御部31は、予め設定された調理に必要な各種機能(調理時間を設定するためのタイマ機能、湯沸かし機能、揚げ物機能、炊飯機能など)を有し、その各種機能を表示情報として選択可能に表示出力部33を通じて表示部4の画面に表示し、何れか一つの機能が選択されたときは、入出力部32を通じて入力される信号から選択された機能を判別し、かつその機能に基づく制御を制御部12経由で本体1に行わせることができるようになっている。
このように本実施形態によれば、本体1から操作体3を分離可能に構成し、かつ操作体3には本調理器の各種機能を持たせ、コンパクト化し、かつ配置を固定せず、トッププレート2上の通信可能領域内に載置されたとき、制御信号の送受信が可能になるようにしたので、トッププレート2上での調理スペースを十分に確保しながら使い勝手を向上させることができる。
また、このようにトッププレート2と操作体3とが接触し電気的に接続している場合のみ操作が可能となるようにすることにより、操作部分を本体1とは分離しているものの、遠隔操作のような誤操作や使いづらさが解決され、使用者が調理状況を確認しながらその場で火力調整を行なうことができ、各自に適した理想的な配置で、安全な操作を行うことができる。
また、各加熱コイル14a,14b,14c毎に通信可能となる領域をトッププレート2上の特定箇所、つまり各加熱コイル14a,14b,14cの近傍に制限し、これら通信可能領域内に操作体3が載置されたときに制御信号の送受信が可能になるようにすることで、操作体3がトッププレート2上に置かれた場所を特定する位置検知を行うとともに、操作体3と各加熱コイル14a,14b,14cとの位置関係を視覚的に対応させるようにしているので、使用者は操作しようとする加熱コイルの近くで操作体3を操作することになり、加熱状況を確認しながらその場で火力調整を行なうことができる。このため、感覚的にズレを生じることがなく、調理がし易く、調理時の安全性と効率を向上させることができる。
また、複数台の加熱コイル14a,14b,14cを同じ設定にしたい場合に、各々の加熱コイル14a,14b,14cに対して始めから設定を行なう必要がなく、短時間で複数台の加熱コイル14a,14b,14cを設定可能となる。同時設定可能な加熱コイルの設定パターンとしては、本実施形態のように3個の加熱コイル14a,14b,14cを備えた誘導加熱調理器においては図7のように操作体3を第1乃至第3の導電部21a,21b,21cの境界線上でこれらに跨った状態に置く。これにより、第1乃至第3の加熱コイル14a,14b,14cの同時操作が可能となる。
また、本体1の主電源スイッチのみはトッププレート2上の通信可能領域内のどこに操作体3を置いても操作可能となるように構成しているので、例えば全調理を同時に終了させたい場合、操作体3を各加熱コイル専用の通信可能領域に逐一移動させて操作する必要はなく、通信可能領域内のどこに操作体3があっても全調理を同時に終了させる操作が可能となり、簡単に全加熱コイルの調理を終了させることができる。
また、操作体3と本体1側との送受信が一定時間行なわれないと自動的に電源OFFとなるように構成しているので、例えば地震が原因となって操作体3がトッププレート2からはずれ落ちたときや、子供が操作体3を誤って触って落としたとき等の、緊急時での被害拡大を抑止することが可能となる。
実施の形態2.
図8は本発明の実施の形態2に係る誘導加熱調理器の操作可能領域内に操作体を置いた状態を示す平面図であり、図中、前述の実施形態1と同一部分には同一符号を付してある。なお、説明にあたっては前述の図2及び図3を参照するものとする。
本実施形態の誘導加熱調理器は、操作体側の制御部31に記憶媒体を内蔵し、操作体3が設定した内容(加熱設定値等)を記憶し、蓄積できるようにするとともに、記憶した内容(加熱設定値等)を記憶媒体より読み込んで再設定可能となるように構成したものであり、それ以外の構成は前述の実施形態1と同様であり、実施形態1のもつ機能を全て備えているものである。
本実施形態の誘導加熱調理器において、トッププレート2上で、操作体3が例えば第1の加熱コイル14a(以下、これを「コイルa」という)の設定領域内に置かれてコイルaの加熱設定等を行うと、この時の設定値が記憶媒体に記憶される。その後、操作体3を例えば第2の加熱コイル14b(以下、これを「コイルb」という)の設定領域内に移動させたときに、例えば移動前に行なったコイルaの設定値を記憶媒体より読み込んで移動先のコイルbへ設定することができる。
すなわち、記憶媒体には以前に使用を終了して電源をOFFした時の設定値も記憶されており、再度、本体1の主電源をONして調理を始める際には、記憶された前使用時の加熱コイルの設定値を読み込んで再設定することができる。
このように、本実施形態の誘導加熱調理器においては、操作体3が記憶媒体を備えることにより、例えばトッププレート2上のスペースを有効に使うために、調理容器をコイルaからコイルbに移動させた場合に、移動前に行なったコイルaの設定値を記憶媒体より読み込んで移動先のコイルbへ設定できるので、移動後に移動前と同じ設定を再度零条件から行なう必要がなくなり、調理効率の向上が可能となる。
また、使用者独自の設定条件を予め記憶させておくこともでき、これにより使用者各々の好みの設定が瞬時に設定可能となり、使用者の調理効率の向上が可能となる。
実施の形態3.
図9は本発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器の操作体の内部構成図であり、図中、前述の実施形態1と同一部分には同一符号を付してある。なお、ここでも説明にあたっては前述の図2及び図3を参照するものとする。
本実施形態の誘導加熱調理器は、操作体3に搭載された制御部31などの操作回路39の周り、すなわち操作体3の内周部分を、防磁金属体37で覆うとともに、防磁金属体37の周り、すなわち使用者が接触する操作体3の外周部分を、耐熱性樹脂38で覆ったものであり、それ以外の構成は前述の実施形態1と同様であり、実施形態1のもつ機能を全て備えているものである。
本実施形態の誘導加熱調理器においては、制御部31などの操作回路39の周りを防磁金属体37で覆っているので、操作体3がトッププレート2上に置かれた際に、内部の制御部31などの操作回路39の金属体が誘導加熱されるようなことはなく、また例え誘導加熱されるような事態が発生したとしても、その場合には防磁金属体37が加熱されるだけであり、その結果、回路に障害を与えることなく操作できる。また、防磁金属体37の周りを耐熱性樹脂38で覆っているので、使用者が操作する際に接触する部分が高温となることなく使用できる。さらにまた、耐熱性樹脂38で覆われる部分を操作体3の外周部分とすることで、操作体3が接触していることに起因するトッププレート2からの伝熱によっても、使用者が操作する際に接触する操作部が高温となることはなく使用でき、安全性の確保が容易となる。
実施の形態4.
図10は本発明の実施の形態4に係る誘導加熱調理器の操作体の外観を下方より示す斜視図であり、図中、前述の実施形態1と同一部分には同一符号を付してある。なお、ここでも説明にあたっては前述の図2及び図3を参照するものとする。
本実施形態の誘導加熱調理器は、操作体3の底面に、トッププレート2の表面温度を測定する温度センサ30を設けるとともに、操作体3の内部に温度センサ30の測定結果を制御部31を介して表示部4に表示させるプレート温度判定手段(図示せず)を設けたものであり、それ以外の構成は前述の実施形態1と同様であり、実施形態1のもつ機能を全て備えているものである。
本実施形態の誘導加熱調理器においては、操作体3をトッププレート2上に置いたとき、そのトッププレート2表面の温度を測定することができる。そして、この測定した温度を制御部31を介して表示部4に直接表示して使用者に知らしめることができる。なお、プレート温度判定手段により、制御部31での温度が安全な温度かどうかを基準値と比較させることにより判断させ、判定結果を表示出力部33に出力させ、表示部4の画面上に表示させるようにしてもよい。
本実施形態によれば、トッププレート2の加熱コイルに対向する部分の局所温度だけでなく、特にトッププレート2の手前部分の表面温度も検出可能となり、使用者が誤って高温になった部分に接触してしまう危険を防ぐことができる。なお、トッププレート2上の最高温度である加熱コイルの温度については、操作体3がトッププレート2上で置かれた位置との距離関係により、予め制御部31に組み込んだ計算式から算出した温度を最高温度として、表示部4に表示させて使用者に危険度を知らしめることもできる。
実施の形態5.
図11は本発明の実施の形態5に係る誘導加熱調理器の外観を示す斜視図、図12はその操作体における送受信部を下方より示す斜視図であり、図中、前述の実施形態1と同一部分には同一符号を付してある。なお、ここでも説明にあたっては前述の図2及び図3を参照するものとする。
本実施形態の誘導加熱調理器は、本体1に操作体3との間で制御信号と位置情報の送受信を行なうインターフェースすなわち送受信部15が備えられており、本体内部には操作体3の位置を検知し制御信号を送受信するための手段として、第1乃至第3の加熱コイル14a〜14cにそれぞれ対応して所定の領域で本体非接触通信領域22a〜22cが設けられている。これら第1乃至第3の本体非接触通信領域22a〜22cは、制御部12と接続され、それぞれ第1乃至第3の加熱コイル14a〜14cに対応する送受信部15として機能し、操作体3が置かれた位置によって設定可能な加熱コイルが決定されるようになっている。ここで、本体1と操作体3との間で通信可能な条件としては、トッププレート2より上方とし、基本的には操作体3がトッププレート2上に置かれた場合にのみ有効となる。通信方式としては、例えば無線や赤外線等による通信方式が採用可能である。赤外線等による光通信方式の場合には、指向性を有する発光素子を使用する。また、無線通信方式の場合には、各本体非接触通信領域22a〜22c毎に周波数を変える。例えば、各本体非接触通信領域22a〜22cが互いに周波数を変えて発信している状態で、操作体3が置かれ、操作体3からどの周波数の信号を受信しているかが知らせられることで、換言すれば操作体3がどの本体非接触通信領域の信号に反応しているかを検知することで、操作体3が置かれた位置を検知し、検知後は対応する周波数で通信を行う。または、本体非接触通信領域22a〜22cの互いの境界部に電波シールドを設ける。これにより、操作体3を置く位置によって操作したい加熱コイルを選択することができる。
一方、操作体3は、図2乃至図4のように入出力部32と、例えば画面上にタッチ式操作パネルを有する表示出力部33及び入力部34と現時点での火力を表示する火力表示部6とを備えた表示部4と、ダイヤル式の火力調節部36を備えた操作部5と、第1乃至第3の本体非接触通信領域22a〜22cと通信可能な操作体非接触通信部41を有し、本体1との間で制御信号と位置情報の送受信を行なうインターフェースすなわち送受信部35を備えた制御部31と、から構成されている。なお、ここでは火力調節部36として、ダイヤル式のものを例に挙げて説明しているが、これをスイッチによって火力の増加・減少量を指定する方式にしてもよい。
以上のように構成された本実施の形態の誘導加熱調理器において、本体1の主電源を入力した後、操作体3の送受信部35が本体1の送受信部15と信号の送受信が行われ、操作体非接触通信部41上の操作体3の位置情報が送受信部15,35より本体1と操作体3に入力される。これにより、制御部12,31は操作体3の操作体非接触通信部41上での位置を判別する。そして、操作体3では、設定可能な加熱コイルの情報を表示出力部33に出力し、表示部4の画面上に表示させる。その後、操作体3の火力調節部36を回動操作することで、操作体3が置かれた位置に応じた加熱コイルの操作が可能となる。
また、操作体3は、これが置かれていないトッププレート2上の通信可能領域に対応する加熱コイルの操作は不可能となるが、本体1の主電源スイッチのみはトッププレート2上の通信可能領域内のどこに操作体3を置いても操作可能となるように構成されている。
また、操作体3がトッププレート2上の通信可能領域のどこにも置かれず、本体側との送受信が一定時間行なわれない場合は、本体1の主電源、もしくは加熱コイルの加熱のみを自動的にOFFになるように構成されている。電源OFFするまでの一定時間については、使用者が設定可能とし、各使用者の環境に合った時間とすることができる。
このように本実施形態によれば、本体1から操作体3を分離可能に構成し、かつ操作体3には本調理器の各種機能を持たせ、コンパクト化し、かつ配置を固定せず、トッププレート2上の通信可能領域内に載置されたとき、制御信号の送受信が可能になるようにしたので、トッププレート2上での調理スペースを十分に確保しながら使い勝手を向上させることができる。
また、操作体3がトッププレート2上の通信可能領域内に置かれた場合のみ操作が可能となるようにすることにより、操作部分を本体1とは分離しているものの、遠隔操作のような誤操作や使いづらさが解決され、使用者が調理状況を確認しながらその場で火力調整を行なうことができ、各自に適した理想的な配置で、安全な操作を行うことができる。
また、本体1の主電源スイッチのみはトッププレート2上の通信可能領域内のどこに操作体3を置いても操作可能となるように構成しているので、例えば全調理を同時に終了させたい場合、操作体3を各加熱コイル専用の通信可能領域に逐一移動させて操作する必要はなく、通信可能領域内のどこに操作体3があっても全調理を同時に終了させる操作が可能となり、簡単に全加熱コイルの調理を終了させることができる。
また、操作体3と本体1側との送受信が一定時間行なわれないと、本体1の主電源を自動的にOFFとなるように構成しているので、例えば地震が原因となって操作体3がトッププレート2からはずれ落ちたときや、子供が操作体3を誤って触って落としたとき等の、緊急時での被害拡大を抑止することが可能となる。
また、もしくは操作体3と本体1側との送受信が一定時間行なわれないと、加熱コイルの加熱のみを自動的にOFFとなるように構成しているので、自動OFF後に直ちに再加熱を開始することができる。さらに、図示していないが、ロースター等の加熱コイル以外の加熱手段を備えた組込み式の誘導加熱調理器では、それら加熱コイル以外の加熱手段は自動的にOFFとしないように構成したり、加熱コイルと加熱コイル以外の加熱手段を同時にOFFとする構成としたりするなど、自動停止の条件は使用者が設定可能とし、各使用者の環境に合った自動停止機能とすることができる。
なお、実施の形態1〜5では、操作体3に表示部4を設けた構成としているが、操作体3には操作部5のみを設け表示部4を本体1側に設ける構成としてもよい。
1 本体、2 トッププレート、3 操作体、12 制御部、14a〜14c 加熱コイル、21a〜21c 導電部、22a〜22c 本体非接触通信領域、30 温度センサ、37 防磁金属体、38 耐熱性樹脂、39 操作回路、40 接触片、41 操作体非接触通信部。

Claims (2)

  1. 調理容器を誘導加熱する複数の加熱コイルが配設された本体と、
    前記本体の上面に前記加熱コイルと対向するよう配置されたトッププレートと、
    前記本体内に設けられ前記加熱コイルの加熱出力を制御する制御部と、
    前記トッププレートの上面に載置可能な操作体と、
    を備え、
    前記トッププレート上面には、複数の加熱コイルのそれぞれに対応して前記操作体の載置領域が予め設定され、
    前記制御部は、前記操作体がトッププレート上面の載置領域に載置され、該操作体が載置領域に載置されたときの位置で回動操作されると、当該載置領域に対応する前記加熱コイルの加熱出力前記操作体の回動操作量に応じて制し、前記操作体がトッププレート上面の載置領域に載置されず一定時間経過した場合、前記加熱コイルの加熱を停止することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記操作体が前記複数の載置領域の何れに載置されても、前記本体の主電源スイッチは操作可能であることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
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