JP7021734B2 - 色素沈着抑制剤のスクリーニング方法 - Google Patents
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例えば、アスコルビン酸類、コロイド硫黄、グルタチオン、ハイドロキノン、カテコール等(非特許文献1)が、美白成分としてよく知られている。さらに近年、新たな作用機序に基づいた美白成分が種々開発されている。メラニン生成抑制を標的とするものとしては、チロシナーゼ関連蛋白阻害剤(特許文献1)、エンドセリン作用抑制剤(特許文献2)、プロトンポンプ阻害剤(特許文献3)、ステムセルファクター結合阻害剤(特許文献4)等がある。また、生成したメラニンの表皮への移動抑制を標的とするものとしては、メラノサイトのデンドライト伸張抑制剤(特許文献5)、メラニン移送又は放出抑制剤(特許文献6)等がある。
今なおより高い効果が得られる美白用化粧料の開発を目指して、色素沈着改善に有効な新たな成分の探索や、色素沈着抑制剤の標的となり得る新たな作用機序の検討がなされている。
とする。
そして、シミの部位ではメラノサイトが密集して存在するところ、メラノサイトを移動させて分散させることにより、相対的に肌色が濃くなりシミに見えるのを解消したり、メラニンの過剰産生を抑制したりすることができるだろうと考え、メラノサイトの細胞移動の制御因子の活性を指標とすれば、シミ等の色素沈着を抑制できる素材をスクリーニングできることに想到し、完成するに至った。
[1]メラノサイトの細胞移動の制御因子の活性を指標とする、色素沈着抑制剤のスクリーニング方法。
[2]前記制御因子の活性が、該制御因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子又は前記タンパク質の発現量であり、被験物質を細胞に添加する工程、及び被験物質を添加した細胞における前記発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における発現量と比較して変化する被験物質を選択する工程、を含む、[1]に記載のスクリーニング方法。
[3]前記制御因子がメラノサイトの細胞移動を抑制する因子であり、前記変化が発現量の減少であり、被験物質を添加した細胞における前記発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における発現量の90%以下となる被験物質を選択する、[2]に記載のスクリーニング方法。
[4]前記制御因子が、NCAM2遺伝子、ABR遺伝子、SMYD3遺伝子、及びKIAA0825遺伝子からなる群から選択される、[3]に記載のスクリーニング方法。
[5]前記制御因子がメラノサイトの細胞移動を亢進する因子であり、前記変化が発現量の増大であり、被験物質を添加した細胞における前記発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における発現量の110%以上となる被験物質を選択する、[2]に記載のスクリーニング方法。
[6]前記細胞がメラノサイトである、[2]~[5]のいずれかに記載のスクリーニング方法。
[7][1]~[6]のいずれかに記載のスクリーニング方法を行う工程、及び前記工程により選択された物質を含有させる工程、を含む、組成物の設計方法。
[8]前記組成物が、美白用化粧料である、[7]に記載の設計方法。
前述の通り、シミの部位ではメラノサイトが密集して存在する。そのため、メラノサイトを移動させて分散させることにより、相対的に肌色が濃くなりシミに見えるのを解消したり、メラニンの過剰産生を抑制したりすることができ、かかる作用を有する物質はシミ等の色素沈着抑制剤となり得る。
本発明におけるメラノサイトの細胞移動を制御する因子は、メラノサイトの細胞移動を抑制する方向に制御する因子又は亢進する方向に制御する因子のいずれでもよい。例えば、メラノサイトの細胞移動を抑制する方向に制御する因子としては、本発明者らがシミとの関連を新たに見出した遺伝子である、NCAM2遺伝子、ABR遺伝子、SMYD3遺伝子、及びKIAA0825遺伝子が好ましく挙げられる。これらの遺伝子は、ヒトの皮膚もしくは他の臓器で発現することが知られているが(例えばNucleic Acids Research, 1989 Nov 11;17(21):8821-31)、メラノサイトで発現することも、シミ等の皮膚の色素沈着と関連することも知られていなかった。また、これらの遺伝子のヒトの塩基配列及びタンパク質のアミノ酸配列は公知であり、GenBank等から取得することができる。しかしながらこれらに限定されず、既知の遺伝子であって、メラノサイトの細胞移動を制御する因子の遺伝子は、本発明のスクリーニング方法においてその活性を指標として用いることができる。
本発明のスクリーニング方法は、通常は、本発明の被験物質を細胞に添加する工程、及び被験物質を添加した細胞における前記発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における発現量と比較して変化する被験物質を選択する工程、を含む。
前記制御因子がメラノサイトの細胞移動を抑制する因子である場合、例えば、前記制御因子がNCAM2遺伝子、ABR遺伝子、SMYD3遺伝子、及びKIAA0825遺伝子から選択される場合、これらの遺伝子の発現抑制と、メラノサイトの細胞移動亢進とが相関し、結果的に色素沈着抑制と相関する。そのため、被験物質を細胞に添加することで、これらの遺伝子の発現抑制が生じた被験物質は、色素沈着抑制作用を有する成分として選択できる。
前記制御因子がメラノサイトの細胞移動を亢進する因子である場合、これらの遺伝子の発現亢進と、メラノサイトの細胞移動亢進とが相関し、結果的に色素沈着抑制と相関する。そのため、被験物質を細胞に添加することで、これらの遺伝子の発現亢進が生じた被験物質は、色素沈着抑制作用を有する成分として選択できる。
的に肌のその部分の色が濃く見えるのを解消する作用、及び/又はメラニン産生を抑制することにより、皮膚におけるシミ等の色素沈着が生じるのを予防及び/又は改善する作用をいい、結果として肌に対して美白作用をもたらすものである。
また、例えば、前記遺伝子によりコードされるタンパク質の細胞内存在量を、常法により定量的に測定して、前記遺伝子の発現量としてもよい。
動植物由来の抽出物は、動物又は植物由来の抽出物自体のみならず、抽出物の画分、精製した画分、抽出物乃至は画分、精製物の溶媒除去物の総称を意味するものとし、植物由来の抽出物は、自生若しくは生育された植物、漢方生薬原料等として販売されるものを用いた抽出物、市販されている抽出物等が挙げられる。
抽出操作は、植物部位の全草を用いるほか、植物体、地上部、根茎部、木幹部、葉部、茎部、花穂、花蕾等の部位を使用することできるが、予めこれらを粉砕あるいは細切して抽出効率を向上させることが好ましい。抽出溶媒としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、1,3-ブタンジオール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類等の極性溶媒から選択される1種乃至は2種以上が好適なものとして例示することができる。具体的な抽出方法としては、例えば、植物体等の抽出に用いる部位乃至はその乾燥物1質量に対して、溶媒を1~30質量部加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬し、室温まで冷却し後、所望により不溶物及び/又は溶媒除去し、カラムクロマトグラフィー等で分画精製する方法が挙げられる。
そのため、本発明のスクリーニング方法により選択された色素沈着抑制剤は、化粧料等の美白用組成物に有効成分として好適に配合することができる。
また、組成物の剤型は特に限定されない。例えば、化粧料として設計される場合の剤型
は、通常知られているローション剤型、乳液剤型、エッセンス剤型、クリーム剤型、粉体含有剤型等が挙げられる。
また、該組成物に含有させる色素沈着抑制剤の種類は、1種類のみでなく2種類以上であってもよい。
例えば、化粧料組成物として設計する場合は、通常化粧料に使用される成分を広く配合することが可能であり、また、その剤型や用途についても、何ら限定されない。以下、主に化粧料に適用される場合に化粧料中に含有させることができる成分について説明する。
他の美白成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、アスコルビン酸グルコシド、3-О-エチルアスコルビン酸、トラネキサム酸、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、リノール酸、ニコチン酸アミド、5,5'-ジプロピルビフェニル-2,2'-ジオール、5'-アデニル酸二ナトリウム、トラネキサム酸セチル、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、ハイドロキノン、パントテン酸等が挙げられる。
化粧料における美白成分の含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、0.3~5質量%がより好ましい。
化粧料におけるシワ改善成分の含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
ス、ケイケットウエキス、ゲットウヨウエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、ゴボウエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コケモモエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンシャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウキョウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ヒノキエキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マヨナラエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、緑茶エキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス等のエキスが好ましいものとして挙げられる。
化粧料中における動植物由来抽出物の含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
食品中における動植物由来抽出物の含有量は、通常0.01~80質量%であり、0.1~50質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましい。
化粧料中における抗炎症成分の含有量は、通常0.01~30質量%であり、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、イソノナン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタンエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンを挙げることができる。
リスチン酸グリセリル、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、オクチルメトキシシンナメート等も挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等) 、グリセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸グリセリル等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE-ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE-グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2-オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2-デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、等が挙げられる。
アルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸,キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が挙げられる。
以下の手順で、メラノサイトにおける各制御因子の遺伝子発現をsiRNAで阻害することにより、メラノサイトの細胞移動への影響を検討した。
ヒト正常メラノサイト(新生児、Dark/AfricanAmerican、Lot. 1223150、Thermo Fisher Scientific社製)に、ネッパジーン社製NEPA 21を使用してエレクトロポレーション法にて、表1に記載のsiRNAを導入した。コントロールとしてはNon-coding siRNAを用いた。該メラノサイトを24ウェルプレートに播種し(4.0×104 cells/ウェル)、Medium254+HMGS培地(Gibco社製)で24時間37℃でO/N培養した。
細胞核染色試薬(0.1% Cellstain Hoechst 33342 solution、H342、同仁化学株式会社製)含有Medium254+HMGS培地に交換し、15分間インキュベートした。細胞核染色試薬含有培地を除去し、Medium254+HMGS培地を添加した(500μL/ウェル)。
撮影条件:DAPI、撮影頻度:4分毎、撮影時間:48時間
動画解析ソフトウェア(Multi Dimentional Motion Analysis Molecular Device株式会社製)を用いて、前記動画データに対して、細胞核検出感度を最大に、ノイズを最小限に抑えるよう蛍光の閾値を調節し、Search Optionsで以下に示すように各種設定を行い、細胞核のトラッキングを行い、数値データを保存した。該数値データから、撮影した全画像で検出された細胞のうち任意の21個の細胞を選択し、各細胞の移動距離を測定し、各群の平均値を算出した。
Algorithm:Auto-find Objects
Segmentation method:Adaptive threshold
XY diameter:min 5, max 30
Local intensity above bkgd:100
Split touching objects:有
Object may skip frames along path:有
鏡写真を示す。また、図2に、各遺伝子の発現を抑制したメラノサイトの24時間の移動距離を、コントロール群を100%としたときの相対値として示す。NCAM2遺伝子、ABR遺伝子、SMYD3遺伝子、及びKIAA0825遺伝子のそれぞれの発現を抑制したメラノサイトにおいて、細胞移動の亢進が認められた。
なお、別途、生体の皮膚のようにケラチノサイトに周囲を取り囲まれた環境にあるメラノサイトにおいても、同様にメラノサイトが移動することが、確認された。
また、siRNAを導入したメラノサイトにおいて、各遺伝子の発現量が有意に抑制されたことが、RT-PCRの結果から確認された(対コントロール:30~50%)。
以下の手順で、メラノサイトにおけるABR遺伝子のmRNA発現量を指標として色素沈着産生抑制剤のスクリーニングを行った。
正常ヒトメラノサイト(新生児、Dark/AfricanAmerican、Lot. 1223150、Thermo Fisher Scientific株式会社製)を24ウェルプレートに8.0×104cells/ウェル播種し、Medium254+HMGS培地培地で24時間37℃でO/N培養した。培養後に、最終濃度1.0質量%の被験物質を添加して試験群とし、各被験物質に代えてその溶媒を同量添加したものをコントロール群とし、さらに24時間37℃でO/N培養した。培養後に、参考例と同様に、回収したメラノサイトからmRNAを抽出し、合成したcDNAを用いてRT-PCRを行い、各遺伝子のmRNA量を測定した。
ローズマリーエキスにおいて、コントロールの40%にABR遺伝子の発現が抑制されたことが認められ、このエキスがメラノサイトの細胞移動促進作用を有し、その結果色素沈着抑制効果を奏することが示唆された。
以下の手順で、ABR遺伝子の発現を抑制する物質の、メラノサイトの細胞移動促進効果を評価した。
正常ヒトメラノサイト(新生児、Dark/AfricanAmerican、Lot. 1223150、Thermo Fisher Scientific株式会社製)を24ウェルプレートに4.0×104cells/ウェル播種し、Medium254+HMGS培地で24時間37℃でO/N培養した。培養後に、最終濃度1.0質量%の実施例1と同じ被験物質を添加して試験群とし、各被験物質に代えてその溶媒を同量添加したものをコントロール群とした。細胞核染色試薬(0.1% Cellstain Hoechst 33342 solution、H342、同仁化学株式会社製)含有Medium254+HMGS培地に交換し、15分間インキュベートした。細胞核染色試薬含有
培地を除去し、被験物質含有Medium254+HMGS培地を添加した(500μL/ウェル)。参考例と同様に、細胞のタイムラプス動画を撮影し、細胞移動の解析を行った。
Claims (6)
- メラノサイトの細胞移動の制御因子の活性の減少を指標とする、色素沈着抑制剤をインビトロでスクリーニングする方法であって、
前記制御因子が、NCAM2遺伝子、ABR遺伝子、SMYD3遺伝子、及びKIAA0825遺伝子からなる群から選択される因子である、方法。 - 前記制御因子の活性が、該制御因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子又は前記タンパク質の発現量であり、
被験物質を細胞に添加する工程、及び
被験物質を添加した細胞における前記発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における発現量と比較して減少する被験物質を選択する工程、
を含む、請求項1に記載の方法。 - 被験物質を添加した細胞における前記発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における発現量の90%以下となる被験物質を選択する、請求項2に記載の方法。
- 前記細胞がメラノサイトである、請求項2又は3に記載の方法。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の方法を行う工程、及び
前記工程により選択された物質を含有させる工程、
を含む、組成物の設計方法。 - 前記組成物が、美白用化粧料である、請求項5に記載の設計方法。
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