以下、典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。図1~図6は本実施形態に係る視力検査装置について説明するための図である。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立又は関連して利用され得る。
<概要>
典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。図1~図6は、本実施形態に係る視力検査装置を説明する図である。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用され得る。また、以下において符号に付されるLとRは、それぞれ左眼用と右眼用を示すものとする。
例えば、本実施例における視力検査装置(例えば、視力検査装置1)は、被検者眼(被検眼)の視力検査を行うために用いられる。
例えば、視力検査装置は、第1視標呈示部(例えば、第1視標呈示部20)と、第2視標呈示部(例えば、第2視標呈示部60)と、筐体(例えば、筐体9)と、を備えていてもよい。例えば、第1視標呈示部は、第1視標光束を出射し、被検眼に第1検査視標を呈示するようにしてもよい。例えば、第2視標呈示部は、第1視標呈示部と異なる視標呈示部であって、第2視標光束を出射して、被検眼に第1検査視標よりも精細度の低い第2検査視標(低精細の第2検査視標)を呈示するようにしてもよい。すなわち、例えば、第2視標呈示部は、被検眼に第1検査視標よりも分解能の低い第2検査視標を呈示するようにしてもよい。言い換えると、例えば、第1視標呈示部は、第2視標呈示部と異なる視標呈示部であって、第1視標光束を出射して、被検眼に第2検査視標よりも精細度の高い第1検査視標(高精細の第1検査視標)を呈示するようにしてもよい。すなわち、例えば、第1視標呈示部は、被検眼に第2検査視標よりも分解能の高い第1検査視標を呈示するようにしてもよい。
例えば、筐体は、第1視標呈示部及び第2視標呈示部を収納するようにしてもよい。例えば、筐体には、呈示窓(例えば、呈示窓2)が設けられていてもよい。例えば、呈示窓は、第1検査視標及び第2検査視標を筐体の内部から外部に向けて呈示するようにしてもよい。上記のような構成を備える視力検査装置において、例えば、視力検査装置は、被検者が呈示窓を覗き込むことによって、第1検査視標と第2検査視標との少なくとも一方を確認し、被検眼の視力検査を行うようにしてもよい。このような構成によって、例えば、精細度が高い検査視標と精細度が低い検査視標とを被検眼に容易に呈示することが可能となり、安価で容易に種々の視機能検査を行うことができるとともに、視力検査を精度よく行うことができる。
なお、視力検査装置としては、覗き込むことで視力検査を行う構成に限定されない。例えば、被検眼に対して検査視標を呈示する装置であれば本開示の技術を適用できる。一例として、視標呈示部が収納された筐体に対して、被検眼の光学特性を矯正するための矯正手段が一体的に連結された装置においても本開示の技術は適用可能である。
<第1視標呈示部>
例えば、第1視標呈示部としては、第2視標呈示部よりも精細度の高い検査視標を呈示できる構成であればよい。例えば、第1視標呈示部としては、視標呈示用可視光源と、視標板と、を有する構成であってもよい。この場合、例えば、第1視標呈示部は、視標呈示用可視光源と、複数の視標を備える視標板と、を有し、視標呈示用可視光源からの光束が前記視標板を介して被検眼に導光されることで、第1検査視標を被検者に呈示するようにしてもよい。
例えば、視標板は、回転可能なディスク板(例えば、ガラスディスク、アクリルディスク等)であり、複数の視標を持つようにしてもよい。例えば、視標板はモータ等によって回転され、視標は、被検眼に視標光束が導光される光路上で切換え配置される。もちろん、視標光束を投影する光源としては、上記構成以外の光源を用いてもよい。また、例えば、視標板は上記構成に限定されない。
例えば、第1検査視標としては、視力検査(静止視力検査)を行うための視力検査視標であってもよい。この場合、例えば、視標板に設けられる複数の視標は、例えば、視力値(静止視力値)を検査するための視力検査視標、等を含むようにしてもよい。例えば、視力検査視標は、視力値毎の視標(視力値0.1、0.2、0.3、・・・、1.5)が用意されているようにしてもよい。例えば、第2検査視標としては、ランドルト環視標と、タンブリングE視標と、文字視標(例えば、ひらがな視標と、アルファベット視標と、数字視標と、等の少なくともいずれか)等の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、第1検査視標としては、視力検査視標に限定されない。例えば、第1検査視標としては、視力値と異なる視機能を検査する特殊視標を含むようにしてもよい。この場合、例えば、第1検査視標としては、高い視力値を検査するための高視力用の視力検査視標を少なくとも含むようにしてもよい。
例えば、第1視標呈示部は、左右一対に設けられた右眼用第1視標呈示部(例えば、第1視標呈示部20R)と左眼用第1視標呈示部(例えば、第1視標呈示部20L)を有するようにしてもよい。例えば、右眼用第1視標呈示部と左眼用第1視標呈示部は、右眼用第1視標呈示部を構成する部材と左眼用第1視標呈示部を構成する部材とが、同一の部材によって構成されていてもよい。また、例えば、右眼用第1視標呈示部と左眼用第1視標呈示部は、右眼用第1視標呈示部を構成する部材と左眼用第1視標呈示部を構成する部材とで少なくとも一部の部材が異なる部材によって構成されていてもよい。例えば、右眼用第1視標呈示部と左眼用第1視標呈示部は、右眼用第1視標呈示部を構成する部材と左眼用第1視標呈示部を構成する部材とで少なくとも一部の部材が兼用されている構成であってもよい。また、例えば、右眼用第1視標呈示部と左眼用第1視標呈示部は、右眼用第1視標呈示部を構成する部材と左眼用第1視標呈示部を構成する部材とが、別途それぞれ設けられている構成であってもよい。
<第2視標呈示部>
例えば、第2視標呈示部としては、 ディスプレイ(例えば、ディスプレイ61)を用いる構成であってもよい。例えば、ディスプレイには、第2検査視標が表示される。この場合、例えば、第2視標呈示部は、ディスプレイであって、ディスプレイからの光束が被検者に導光されることで、第2検査視標を被検眼に呈示する。例えば、ディスプレイとしては、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)等が用いられる。
また、例えば、第2視標呈示部としては、光源とDMD(Digital Micromirror Device)を用いるようにしてもよい。一般的にDMDは反射率が高く、明るい。そのため、偏光を用いる液晶ディスプレイを用いた場合と比べ、視標光束の光量を維持できる。
例えば、第2検査視標としては、視力検査(静止視力検査)を行うための視力検査視標と異なる視標であってもよい。つまり、例えば、第2検査視標は、視力値(静止視力値)とは異なる視機能を検査するための検査視標(特殊視標)であってもよい。例えば、異なる視機能を検査するため第2検査視標としては、両眼視機能検査用視標(例えば、立体視検査用視標、斜位検査用視標、斜視検査用視標等の少なくともいずれか)、乱視検査用視標、動体視力検査用視標等の少なくともいずれかのであってもよい。例えば、異なる視機能を検査するため第1検査視標としては、静止画像、動画画像の少なくともいずれかが表示されてもよい。もちろん、第1検査視標としては、視力値と異なる視機能を検査する特殊視標に限定されず、一部の視力検査視標であってもよい。この場合、例えば、低い視力値を検査するための低視力用の視力検査視標として用いられてもよい。
例えば、第2視標呈示部は、左右一対に設けられた右眼用第2視標呈示部(例えば、第2視標呈示部60R)と左眼用第2視標呈示部(例えば、第2視標呈示部60L)を有するようにしてもよい。例えば、右眼用第2視標呈示部と左眼用第2視標呈示部は、右眼用第2視標呈示部を構成する部材と左眼用第2視標呈示部を構成する部材とが、同一の部材によって構成されていてもよい。また、例えば、右眼用第2視標呈示部と左眼用第2視標呈示部は、右眼用第2視標呈示部を構成する部材と左眼用第2視標呈示部を構成する部材とで少なくとも一部の部材が異なる部材によって構成されていてもよい。例えば、右眼用第2視標呈示部と左眼用第2視標呈示部は、右眼用第2視標呈示部を構成する部材と左眼用第2視標呈示部を構成する部材とで少なくとも一部の部材が兼用されている構成であってもよい。また、例えば、右眼用第2視標呈示部系と左眼用第2視標呈示部は、右眼用第2視標呈示部を構成する部材と左眼用第2視標呈示部を構成する部材とが、別途それぞれ設けられている構成であってもよい。
<光路切換手段>
例えば、視力検査装置は、光路切換手段(例えば、光路切換手段70)を備えるようにしてもよい。例えば、光路切換手段は、第1視標呈示部からの第1視標光束が被検眼に導光される第1光路と、第2視標呈示部からの第2視標光束が被検眼に導光される第2光路と、切り換えるようにしてもよい。例えば、第1光路と第2光路とを切り換えることによって、実施したい検査に応じた視標呈示部を選択して、種々の視標を被検眼に容易に呈示することができる。
例えば、光路切換手段としては、第1光路と、第2光路と、で共有される反射部材を備えるようにしてもよい。この場合、例えば、反射部材は、第1光路における反射部材から被検眼までの間の光軸(例えば、光軸L1R)と、第2光路における反射部材から被検眼までの間の光軸(例えば、光軸L2R)と、を同軸とする構成であってもよい。なお、本実施形態において、同軸とは略同軸を含む。例えば、反射部材を用いた容易な構成で光路を切り換えることが可能となる。
例えば、反射部材としては、ミラー(例えば、ハーフミラー、全反射ミラー、ビームスプリッタ等)、プリズム、等のいずれかであってもよい。もちろん、例えば、反射部材は、上記反射部材に限定されず、上記反射部材と異なる反射部材が用いられるようにしてもよい。例えば、反射部材としては、少なくとも1つ以上の反射部材であってもよい。なお、反射部材を複数用いる場合に、異なる特性の反射部材が組み合わせられて用いられてもよい。
例えば、光路切換手段は、固定された反射部材を用いて第1光路と第2光路を切り換える構成であってもよい。また、例えば、光路切換手段は、反射部材を駆動して第1光路と第2光路を切り換える構成であってもよい。
例えば、光路切換手段が固定された反射部材を用いる場合、光路切換手段は、第1視標呈示部と第2視標呈示部との一方を点灯することによって、第1光路と第2光路を切り換えるようにしてもよい。この場合、例えば、反射部材としては、第1視標呈示部と第2視標呈示部との一方の視標呈示部からの視標光束を透過し、他方の視標呈示部からの視標光束を反射する反射部材を用いるようにしてもよい。一例として、例えば、ハーフミラー(例えば、ハーフミラー71)を用いるようにしてもよい。このような反射部材を用いることによって、一方の視標光束と他方の視標光束とが、反射部材によって、反射部材から被検眼までの光路が共通化される。例えば、第1視標呈示部と第2視標呈示部との点灯が切り換えられることによって、点灯された視標呈示部の視標光束のみを反射部材を介して被検眼に導光することができる。
例えば、光路切換手段が反射部材を駆動する構成の場合、光路切換手段は、反射部材の傾斜角度を変更することによって、第1光路と第2光路を切り換える構成であってもよい。また、例えば、光路切換手段が反射部材を駆動する構成の場合、光路切換手段は、反射部材を移動させることによって第1光路と第2光路を切り換える構成であってもよい。
例えば、反射部材の傾斜角度を変更する構成として、光路切換手段は、反射部材の傾斜角度を変更するための第1駆動手段(例えば、モータ76)を有し、第1駆動手段を駆動することによって、反射部材の傾斜角度を変更し、第1光路と第2光路とを切り換えるようにしてもよい。上記のように、例えば、傾斜角度を変更することによって、より精度よく被検眼に各視標光束を導光することができる。これによって、被検眼に良好に検査視標を呈示することが可能となり、精度のよい種々の視機能検査を行うことができる。なお、例えば、傾斜角度が変更される反射部材は、少なくとも1つ以上の反射部材であってもよい。なお、例えば、反射部材の傾斜角度を変更することで、第1光路と第2光路とを切り換える構成としては、反射部材の傾斜角度を微調整することによって、第1光路と第2光路との少なくともいずれかの光路からの視標光束をより精度よく被検眼に導光する構成を含む。
例えば、反射部材を移動させる構成として、光路切換手段は、第1光路及び第2光路の少なくともいずれかに反射部材を挿脱するようにしてもよい。この場合、例えば、反射部材を挿脱するための第3駆動手段を備えていてもよい。例えば、第3駆動手段が駆動されることによって、反射部材が挿脱されるようにしてもよい。なお、例えば、挿脱される反射部材は、少なくとも1つ以上の反射部材であってもよい。例えば、反射部材を挿脱することによって、容易に光路を切り換えることができる。
また、例えば、光路切換手段は、第1光路と第2光路を切換えるために、反射部材を第1光路及び第2光路の少なくともいずれかの光路中で移動する構成としてもよい。この場合、例えば、第1光路と第2光路の少なくともいずれかにおいて移動可能な反射部材を備える構成であってもよい。また、例えば、反射部材を第1光路と第2光路の少なくともいずれかにおいて移動させる第4駆動手段を備える構成であってもよい。なお、例えば、移動される反射部材は、少なくとも1つ以上の反射部材であってもよい。また、例えば、反射部材としては、第1光路と第2光路のいずれかの反射部材を用いてもよい。また、例えば、反射部材としては、第1光路と第2光路のいずれかの反射部材とは別途設けられた異なる反射部材を用いてもよい。
なお、例えば、光路切換手段は、上記構成に限定されない。例えば、光路切換手段は、
第1光路と第2光路を切換えることができる構成であればよい。また、例えば、光路切換手段は、上記構成を組み合わせた構成であってもよい。一例として、例えば、第1視標呈示部と第2視標呈示部の点灯を切り換えるとともに、反射部材の傾斜角度を変更する構成であってもよい。もちろん、例えば、光路切換手段は、異なる構成を組み合わせてもよい。
なお、上記の光路切換手段において、反射部材を用いる構成を例に挙げているがこれに限定されない。例えば、光学部材(例えば、レンズ等)を用いることによって、第1光路と第2光路とを切り換えるようにしてもよい。
<呈示距離変更手段>
例えば、視力検査装置は、第2視標呈示部を移動させて第2検査視標の呈示距離を変更する呈示距離変更手段(例えば、呈示距離変更手段62)を設けてもよい。この場合、例えば、呈示距離変更手段は、第2視標呈示部を光軸方向に移動させる第2駆動手段(例えば、モータ63)を有し、第2視標呈示部を光軸方向に移動させることで、被検眼に対する第2検査視標の呈示距離を変更する呈示距離変更手段を備えるようにしてもよい。なお、呈示距離変更手段としては、光学的に呈示距離を変更する構成であってもよい。このような構成を設けることによって、例えば、種々の検査距離にて第2検査視標を呈示することが可能となり、種々の呈示距離にて種々の視機能検査を行うことができる。もちろん、例えば、視力検査装置は、第1視標呈示部を移動させて第1検査視標の呈示距離を変更する呈示距離変更手段を設けてもよい。
なお、例えば、呈示距離を変更した場合に、第2視標呈示部からの第2視標光束が被検者に良好に呈示されるように、調整を行うようにしてもよい。例えば、呈示距離を変更した場合に、第2視標呈示部からの第2視標光束が被検眼に良好に呈示されるように、光学部材を用いて、第2視標光束の照射位置を変更するようにしてもよい。一例として、例えば、呈示距離を変更した場合に、第2光路において、反射部材の傾斜角度を変更することによって、第2視標光束の照射位置を変更するようにしてもよい。この場合、例えば、光路切換手段における反射部材が用いられるようにしてもよい。例えば、呈示距離変更手段は、第2視標呈示部を光軸方向に移動させることで、被検眼に対する第2検査視標の呈示距離を変更し、光路切換手段は、呈示距離に応じた傾斜角度に反射部材の傾斜角度を変更するようにしてもよい。
なお、例えば、視力検査装置は、第1検査視標と第2検査視標を同時に呈示可能な表示制御手段を設けてもよい。この場合、例えば、視力検査装置は、第1視標呈示部と、第2視標呈示部と、を同時に点灯させることによって、被検眼に第1検査視標と、第2検査視標と、を同時に呈示させる制御を行う表示制御手段(例えば、制御部30)を備えるようにしてもよい。例えば、第1検査視標と第2検査視標を重ねて確認することができ、2つの検査視標の組み合わせから、より様々な種類の検査視標を呈示することが可能となる。例えば、2つの検査視標を組わせることで、実距離に近い状態での両眼視機能検査用視標の呈示を行うことができる。
なお、第1視標呈示部と第2視標呈示部とを同時に点灯させる構成の場合に、視力検査装置は、第1視標呈示部からの第1視標光束が被検眼に導光される第1光路と、第2視標呈示部からの第2視標光束が被検眼に導光される第2光路と、で共有される光学部材を備えるようにしてもよい。例えば、光学部材は、第1光路における光軸と、第2光路における光軸と、を同軸とするようにしてもよい。例えば、第1光路と第2光路の光軸を同軸とする構成によって、第1視標呈示部と、第2視標呈示部と、同時に点灯させ、被検眼に、第1検査視標と第2検査視標を重ねて呈示することができる。例えば、光学部材としては、ミラー(例えば、ハーフミラー等)、プリズム、レンズ等の少なくともいずれかであってもよい。なお、光路切換手段における反射部材を上記光学部材として用いるようにしてもよい。この場合、例えば、第1視標呈示部と、第2視標呈示部と、の一方を点灯することによって、被検眼に第1検査視標又は第2検査視標が呈示され、双方を点灯することによって、被検眼に第1検査視標と第2検査視標が同時に呈示されるようにしてもよい。
<実施例>
以下、本実施例の視力検査装置について説明する。例えば、図1は、本実施例に係る視力検査装置1の外観図である。なお、以下符号に付されるR、Lはそれぞれ右眼用、左眼用を示すものとする。
例えば、視力検査装置1は筺体9を備える。例えば、筺体9の前側の上部には、呈示窓2が設けられている。呈示窓2は、検査視標(第1検査視標、第2検査視標)を筺体9の内部から外部に向けて呈示する。例えば、本実施例における呈示窓2は、左眼用呈示窓2Lと右眼用呈示窓2Rとを有している。例えば、被検者は呈示窓2(左眼用呈示窓2L及び右眼用呈示窓2R)を覗き込むことによって、第1検査視標及び第2検査視標を確認し、被検眼の視力検査を行うことができる。
例えば、筺体9の前側の中央部には、スピーカ6が設けられている。スピーカ6は左右一対であり、音声ガイド等が出力される。もちろん、スピーカ6は、左右で1つのスピーカを用いる構成であってもよい。例えば、筺体9の前側の下部には、入力ボタン3、応答ボタン4、応答レバー(ジョイスティック)5、応答ボタン50、が設けられている。入力ボタン3は、被検者が視力検査を開始する信号を入力する際に用いる。応答ボタン4は、被検者が呈示された検査視標(第1検査視標、第2検査視標)を判読できない際に用いる。応答レバー5は、被検者が呈示された第1検査視標を判読して、その方向を応答する際に用いる。例えば、本実施例における応答レバー5は、呈示される第1検査視標の上下左右の4つの方向に対応する前後左右の4つの方向に傾倒可能であり、4つの方向の信号を入力することができる。例えば、応答ボタン50は、第2検査視標における検査の応答をする際に用いられる。
例えば、筺体9の側部には、プリンタ7が設けられている。プリンタ7は検査結果を出力するために用いる。例えば、筺体9の上部には、ランプ8が設けられている。ランプ8は、検者に検査状況や検査結果等を報知する。ランプ8は、被検者が呈示窓2を覗き込んだときにみえない位置に配置されている。ランプ8は、複数のLED(発光ダイオード)を備えており、多色(例えば、緑色と橙色の2色)発光が可能である。もちろん、ランプ8は1つのLEDからなり、単色発光する構成であってもよい。
また、例えば、筺体9の側部には、ケーブル42を介してコントロールボックス40が接続されている。コントロールボックス40は、視力検査装置1のパラメータ等を入力す
るための操作部と、入力されたパラメータ等を確認するための表示部と、を兼ねるタッチパネル式のモニタ41を備える。なお、コントロールボックス40は、筐体9の外部に設けられる構成に限定されず、筐体9に一体的に設けられる構成であってもよい。
<光学系>
例えば、図2は、視力検査装置1の光学系を右側面から見たときの概略図であり、制御系の構成も共に図示している。また、例えば、図3は、視力検査装置1の光学系を上部から見たときの概略図である。なお、本実施例においては、側面における光学系の説明については、右側面から見た右眼用の光学系を例に挙げて説明する。本実施例において、右側面から見た右眼用の光学系は、左側面から見た左眼用の光学系と同様の構成であるため、側面図における左眼用の光学系の説明は省略する。
例えば、左右の呈示窓2R,2Lにはそれぞれレンズ10R,10Lが配置され、後方の視標窓12(右視標窓12R,左視標窓12L)にそれぞれ切替え配置される第1検査視標が被検眼(左被検眼EL,右被検眼ER)から見かけ上5mの検査距離にされる。例えば、左右の光路は中央に仕切り板を持つ筒状の内部カバー11R,11Lによって区分けされ、左右眼が視標を見る視野空間が個別に確保されている。この内部カバー11R,11Lは共に同一形状で、呈示窓2R,2Lのそれぞれの中心軸(レンズ10R,10Lのそれぞれの光軸)を中心にして左右の内壁面が対称に形成されており、後方の視標窓12R,12Lも同一位置に設けられている。したがって、左右両眼で呈示窓2R,2Lを介して内部を観察したときには、左右眼単独で内部を観察したときと同様に、2つの視標窓12R,12Lは融像して1つに見えると共に、内部カバー11R,11Lも左右の壁が同じ状態で1つの空間として観察される。このため、被検者は光学的に遠方距離(5m)に置かれる第1検査視標を違和感なく見ることができる。なお、本実施例においては、第1視標呈示部20からの第1視標光束が被検者に導光される第1光路における第1光軸S1R,S1Lと、検査窓2R,2Lのそれぞれの中心軸が同軸となっている。なお、本実施例において、同軸は略同軸を含む。
なお、内部カバー11R,11Lの内面にはつや消しの白塗装が施されており、通常の視力検査時や視力回復時間測定のための明順応時には照明ランプ12R,12Lの点灯によって共に所定の明るさにされる。照明ランプ17R,17Lはその照明光が直接被検眼に入射しない位置に置かれている。
例えば、第1視標呈示部20は、視標窓12に第1検査視標を切り換えて配置するために用いられる。例えば、第1視標呈示部20は、視標板21、モータ22、視標照明ランプ24L及び24R、を備える。視標板21は透光性をもつガラス板からなる。このガラス板上には、方向性のある第1検査視標(例えば、上下左右に方向性をもつランドルト環視標等)が、遮光性をもつクロムコートによって形成されている。例えば、このような第1検査視標は、視力値0.1~1.0、1.2、1.5、の12段階で形成されていてもよい。また、例えば、このような第1検査視標は、左被検眼EL(以下、被検眼ELと記載)及び右被検眼ER(以下、被検眼ERと記載)に対して、対となる同一の左眼用第1検査視標と右眼用第1検査視標を同時に呈示できるように、それぞれを視標窓12L及び12Rの位置に対応させて形成してもよい。
例えば、モータ22は、視標板21を回転させる。これにより、左眼用第1検査視標と右眼用第1検査視標とが、視標窓12Lと視標窓12Rとにそれぞれ配置される。視標照明ランプ24L及び24Rは、視標板21を背面から照明する。これにより、視標窓12L及び12Rに配置された第1検査視標は、呈示窓2L及び呈示窓2Rに向けて呈示される。
例えば、第2視標呈示部60は、ディスプレイ61を備える。例えば、ディスプレイ61には、視力検査を行うための視力検査視標と異なる第2検査視標(特殊視標)が表示される。例えば、ディスプレイ61には、第2検査視標として、両眼視機能検査用視標(例えば、立体視検査用視標、斜位検査用視標、斜視検査用視標等の少なくともいずれか)、乱視検査用視標、動体視力検査用視標等の少なくともいずれかが表示される。
例えば、呈示距離変更手段62は、ディスプレイ61を移動させ、呈示距離を変更することができる。例えば、呈示距離変更手段62は、モータ63を備える。なお、本実施例において、制御部30が、呈示距離変更手段62の制御部として用いられる。例えば、制御部30によって、モータ63が駆動されることによって、ディスプレイ61が移動される。例えば、ディスプレイ61は、モータ63からなる駆動機構により第2視標呈示部からの第2視標光束が被検眼ERに導光される第2光路における第2光軸S2R方向に移動される。例えば、検査時において、ディスプレイ61が移動されることにより、被検眼ERに対する第2検査視標の呈示位置(呈示距離)が変えられることになる。これによって、例えば、種々の検査距離にて第2検査視標を呈示することが可能となり、種々の呈示距離にて種々の視機能検査を行うことができる。
例えば、光路切換手段70は、第1視標呈示部20からの第1視標光束が被検眼ERに導光される第1光路と、第2視標呈示部60からの第2視標光束が被検眼ERに導光される第2光路と、切り換えるために用いられる。本実施例において、光路切換手段70は、ハーフミラー71を備える。なお、本実施例においては、制御部30が光路切換手段70の制御部として用いられる。
例えば、ハーフミラー71は、第1視標呈示部20からの第1視標光束が被検眼ERに導光される第1光路と、第2視標呈示部60からの第2視標光束が被検眼ERに導光される第2光路と、切り換える光路切換手段の一部として用いられる。なお、ハーフミラーと異なる反射部材が用いられてもよい。例えば、ハーフミラー71は、第1光路と、第2光路と、で共有される。すなわち、例えば、ハーフミラー71は、第1光路中及び第2光路中に配置されている。例えば、ハーフミラー71は、第1視標呈示部20の第1光路におけるハーフミラー71から被検眼ERまでの間の光軸L1R(光軸L1Rは、第1光軸S1Rにおけるハーフミラー71から被検眼ERまでの間の光軸を示す)と、第2光路におけるハーフミラー71から被検眼ERまでの間の光軸L2R(光軸L2Rは、第2光軸S2Rにおけるハーフミラー71から被検眼ERまでの間の光軸を示す)と、を同軸とする。
例えば、ハーフミラー71は、第1視標呈示部20からの第1視標光束の一部を透過し、残りを反射する。例えば、制御部30によって、第1視標呈示部20の視標照明ランプ24Rが点灯されることによって、第1視標呈示部20から第1視標光束が出射される。例えば、第1視標呈示部20から出射された第1視標光束の内、ハーフミラー71を透過した第1視標光束は、被検眼ERに導光される。これによって、被検眼ERに第1検査視標を呈示することができる。
また、例えば、ハーフミラー71は、第2視標呈示部60からの第2視標光束の一部を透過し、残りの第2視標光束を反射する。例えば、制御部30によって、第2視標呈示部60のディスプレイ61が点灯されることによって、第2視標呈示部60から第2視標光束が出射される。例えば、第2視標呈示部60から出射された第2視標光束の内、ハーフミラー71によって反射された第2視標光束は、被検眼ERに導光される。これによって、被検眼に第2検査視標を呈示することができる。このように、ハーフミラー71によって、第1視標光束と第2視標光束が被検眼ERに導光することができる。
<制御系>
例えば、制御部30(図2参照)は、視力検査装置1の各部を統括・制御する。例えば、制御部70は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM等を含んで構成されてもよい。例えば、CPUは、視力検査装置1における各部材の駆動を制御する。例えば、RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。例えば、ROMには、CPUが実行するプログラム等が記憶されている。なお、制御部30は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。
例えば、制御部30には、入力ボタン3、応答ボタン4、応答レバー5、スピーカ6、プリンタ7、ランプ8、内部照明ランプ17L及び17R、モータ22、視標照明ランプ24L及び24R、記憶部(メモリ)31、コントロールボックス40、応答ボタン50等が電気的に接続されている。例えば、メモリ31は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体であってもよい。例えば、メモリ31としては、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、および、視力検査装置1に着脱可能に装着されるUSBメモリ、等を使用することができる。例えば、メモリ31には、検査プログラム(例えば、後述する自動検査モードにおいて用いられる自動検査プログラム、後述する手動検査モードにおいて用いられる手動検査プログラム、視力検査を行う際に用いられる第1検査プログラム、両眼視機能検査を行う際に用いられる第2検査プログラム等)が記憶されていてもよい。
<制御動作>
上記の構成を備える視力検査装置1の制御動作について、遠用視力を検査する場合を例に挙げて説明する。また、例えば、遠用視力を検査した後、遠用の両眼視機能を検査する場合を例に挙げて説明する。なお、本実施例における視力検査装置1では、遠用視力検査が右眼、左眼、両眼の順に連続して進行する。また、本実施例における視力検査装置1は、制御部30が被検眼Eに呈示する検査視標を自動で選択する自動検査モードと、検者が被検眼Eに呈示する検査視標を手動で選択する手動検査モードと、を備える。
例えば、検者が視力検査装置1の図示なき電源を入れると、自動検査モードに設定される。もちろん、モニタ41を操作して、検査モードを選択するようにしてもよい。また、検者によって、モニタ41が操作され、遠用視力を検査する第1検査モードと、遠用両眼視機能を検査する第2検査モードと、の少なくともいずれかを実施するように選択を行う。本実施例においては、例えば、検者によって、モニタ41が操作され、第1検査モードと第2検査モードが選択された場合を例に挙げて説明する。例えば、検者によって、モニタ41が操作され、第1検査モードと第2検査モードが選択されると、制御部30は、第1検査モードを実施するための第1検眼プログラムと、第2検査モードを実施するための第2検眼プログラムと、を実施するように設定する。なお、本実施例においては、第1検査モードを実施した後、第2検査モードを実施する構成を例に挙げて説明するが、これに限定されない。例えば、第2検査モードを実施した後、第1検査モードを実施するようにしてもよい。
例えば、検者は、被検者に呈示窓2を覗かせて、入力ボタン3を押す。被検者に入力ボタン3を押すよう指示してもよい。制御部30は、入力ボタン3からの信号に応じて第1検査モードによる視力検査を開始する。このとき、例えば、スピーカ6からは、「視力を自動で計ります。軽くレバーを倒して下さい。」というように、最初の音声ガイドが発生される。被検者が音声ガイドに従って応答レバー5をいずれかの方向に倒すと、制御部30はその信号を受けて視力検査装置1を可動状態にする。
例えば、制御部30は、第1検査モードの設定を行う。例えば、制御部30は、第1視標呈示部20を点灯させる。例えば、制御部30は、内部照明ランプ17(内部照明ランプ17L及び17R)と、視標照明ランプ24(視標照明ランプ24L及び24R)と、を点灯させる。また、例えば、制御部30は、モータ22を駆動することにより視標板21を回転させ、視標窓12(視標窓12L及び12R)に初期第1検査視標(例えば、視力値0.5の検査視標等)を配置する。スピーカ6からは「右手で軽くレバーを持ち、左手は手前のボタンに添えて、窓を覗いて下さい。」との音声ガイドが発生される。次に、「視力を計ります。輪の切れた方向(第1検査視標がランドルト環視標である場合)に軽くレバーを倒して下さい。輪の切れた方向が分からないときは、手前のボタンを押して下さい。」との音声ガイドが発生される。被検者が応答レバー5または応答ボタン4を用いて応答すると、被検眼の視力を判定するための第1検査プログラムが実行される。
例えば、第1検査プログラムでは、制御部30の制御によってスピーカ6から「方向は?」との音声ガイドが発生される。被検者は、視標窓12に呈示された第1検査視標の方向を判読して、応答レバー5をその方向に傾倒する。制御部30は、第1検査視標の方向と、被検者が傾倒した応答レバー5の方向と、が一致しているかを判別する。例えば、制御部30は、被検者の応答が正答であれば(すなわち、第1検査視標の方向と応答レバー5の方向とが一致していれば)、視標板21を回転させて1段階高い視力値の第1検査視標を呈示する。また、例えば、制御部30は、被検者の応答が誤答であれば(すなわち、第1検査視標の方向と応答レバー5の方向とが一致していなければ)、視標板21を回転させて1段階低い視力値の第1検査視標を呈示する。
例えば、被検眼Eに呈示された第1検査視標の視力値及び方向は、メモリ31に遂次記憶される。例えば、1段階高い視力値の第1検査視標を呈示した場合に、被検者の応答が誤答であったとき、または判読不能であったとき(応答ボタン4が操作されたとき)は、制御部30が、第1検査視標の視力値を被検眼がみえていた段階まで戻し、第1検査視標の方向を変えて視力検査を続ける。例えば、制御部30は、このようにして視標窓12に呈示される第1検査視標を順次変更し、被検者の応答結果の正誤を判別する。例えば、制御部30は、同一視力値の第1検査視標で2回以上の正答があれば、被検眼にその視力値があるものと判定する。
例えば、右被検眼に対して上述の遠用視力検査を行うと、左被検眼に対しても同様に遠用視力検査が行われる。これによって、被検者の右被検眼と左被検眼において、それぞれの検査結果が取得される。
ここで、例えば、制御部30は、自動検査モードで得られた最終的な検査結果(最終視力値)と、手動検査モード設定時の判定基準(基準視力値)と、に基づいて、再検査の有無を判定する。なお、本実施例では、このような基準視力値が視力値0.7に設定されている。例えば、制御部30は、自動検査モードで取得した最終視力値が、基準視力値である0.7を下回ったか否かを判定する。例えば、制御部30は、最終視力値が基準視力値を上回るか、あるいは同じであった場合には、遠用視力検査を終了すると判定してもよい。また、例えば、制御部30は、最終視力値が基準視力値を下回っていた場合には、再検査を行うと判定してもよい。
被検者の右被検眼と左被検眼において、それぞれの遠用視力検査の検査結果が取得されると、制御部30は、検査モードを切り換える。例えば、制御部30は、検査モードを第1検査モードから第2検査モードへと切り換える。例えば、制御部30は、被検眼の遠用両眼視機能を検査するための第2検査プログラムを実行する。なお、本実施例においては、遠用両眼視機能の検査として、斜視検査を実施する場合を例に挙げて説明する。もちろん、その他の両眼視機能検査(例えば、開散力を検査する開散検査、輻輳力を検査する輻輳検査等)を実施してもよい。
例えば、制御部30は、斜視検査を行うための第2検査視標として、左右の被検眼EL,ERに第2検査視標を呈示する。例えば、左右の被検眼EL,ERの両眼で第2検査視標を確認することによって、斜視検査が行われる。例えば、制御部30は、斜視検査を行うための第2検査視標として、ディスプレイ61に小屋と動物を表示する。例えば、左右の被検眼用に設けられた左右のディスプレイ61において、一方に小屋を他方に動物を表示する。図4は、ディスプレイ61の画面に表示される第2検査視標の一例を示す図である。例えば、左眼用ディスプレイ61Lには、小屋の画像66が表示される。例えば、右眼用のディスプレイ61Rには動物の画像67が表示される。
例えば、被検者の左被検眼ELには、小屋の画像66が呈示される。また、被検者の右被検眼ERには、動物の画像67が呈示される。図5は、被検眼が斜視眼でない場合における第2検査視標の一例を示す図である。図5に示されるように、例えば、被検眼が斜視眼でなく正常眼である場合、被検者は、動物の画像67が小屋の画像66の中に入っているように観察することができる。例えば、被検眼が斜視眼である場合、被検者は、動物の画像67が小屋の画像66の中に入っておらず、動物の画像67が小屋の画像66がずれているように観察することができる。なお、小屋の画像66と動物の画像67は、画像の中心位置が対応付けされており、斜視のない正常眼の場合に、小屋の画像66と動物の画像67の中心位置が一致し、動物の画像67が小屋の画像66に収まるように観察できるようになっている。
例えば、第2検査プログラムでは、制御部30の制御によってスピーカ6から「動物が小屋に入っていますか?」との音声ガイドが発生される。被検者は、ディスプレイ61に呈示された第2検査視標を判読して、応答ボタン50又は応答ボタン4を押す。例えば、被検者は、動物が小屋に入っているように観察できる場合には、応答ボタン50を押す。また、例えば、被検者は、動物が小屋に入っていないように観察できる場合には、応答ボタン4を押す。例えば、制御部30は、応答ボタン50が選択された場合には、正常眼であると判定し、判定結果を取得する。また、例えば、制御部30は、応答ボタン4が選択された場合には、斜視眼の可能性があると判定し、判定結果を取得する。
なお、本実施例においては、斜視眼の可能性があるか否かをのみを判定する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、小屋の画像66と動物の画像67との少なくとも一方を移動可能として、斜視量と斜視方向を取得するようにしてもよい。この場合、例えば、被検者に、小屋の画像66の中に動物の画像67に収まるように上下左右方向に移動させるように指示し、小屋の画像66と動物の画像67との少なくとも一方の移動量及び移動方向に基づいて、斜視量と斜視方向を取得するようにしてもよい。
以上のようにして、遠用視力検査結果及び遠用両眼視機能検査結果が取得される。例えば、遠用視力検査及び遠用両眼視機能検査を終了する場合、制御部30の制御により、スピーカ6から「終わりました。装置の右側から検査結果が印刷されます。」と音声ガイドが発生される。このとき、プリンタ7から検査結果が出力される。また、このとき、検査結果がモニタ41に表示されるとともに、検査結果がメモリ31に記憶される。なお、検査終了時の音声ガイド、検査結果の印刷と表示、等は再検査が終了した場合も同様である。
なお、例えば、視力検査の再検査を行う場合、制御部30は、検査モードを自動検査モードから手動検査モードに切り換える。手動検査モードが設定されると、制御部30は、自動検査モードで最終視力値を判定した際の検査視標(最終視力判定時視標)をメモリ31から読み出す。そして、制御部30は、最終視力判定時視標と同じ視力値であり、最終視力判定時視標の方向に対して直交する方向をもつ検査視標を視標窓12に呈示する。
また、制御部30は、コントロールボックス40が備えるモニタ41に、方向選択部50及び視力値選択部60を表示させる。なお、制御部30は、ランプ8を発光させて、検査モードが手動検査モードに設定されたこと(すなわち、再検査が必要になったこと)を検者に知らせてもよい。例えば、検者は、コントロールボックス40を操作して、再検査を手動で行う。このとき、検者は、被検者に検査視標の見え方を確認したり、矯正レンズ等を用いて被検者の視力を調整したりしながら、遠用視力検査を進める。再検査が終了すると、前述と同様にプリンタ7から検査結果が出力される。
以上のように、本実施例において、視力検査装置は、第1視標光束を出射し、被検眼に第1検査視標を呈示する第1視標呈示部と、第1視標呈示部と異なる視標呈示部であって、第2視標光束を出射して、被検眼に第1検査視標よりも精細度の低い第2検査視標を呈示する第2視標呈示部と、を備える。これによって、例えば、精細度が高い検査視標と精細度が低い検査視標とを被検者に容易に呈示することが可能となり、安価で容易に種々の視機能検査を行うことができるとともに、視力検査を精度よく行うことができる。
また、例えば、視力検査装置は、第1視標呈示部からの第1視標光束が被検眼に導光される第1光路と、第2視標呈示部からの第2視標光束が被検眼に導光される第2光路と、切り換える光路切換手段を備えるようにしてもよい。これによって、例えば、第1光路と第2光路とを切り換えることによって、実施したい検査に応じた視標呈示部を選択して、種々の視標を被検者に容易に呈示することができる。
また、例えば、光路切換手段は、第1光路と、第2光路と、で共有される反射部材を備えるようにしてもよい。この場合、例えば、反射部材は、第1光路における反射部材から被検眼までの間の光軸と、第2光路における反射部材から被検眼までの間の光軸と、を同軸とするようにしてもよい。これによって、例えば、反射部材を用いた容易な構成で光路を切り換えることが可能となる。
<変容例>
なお、本実施例おいて、第1視標呈示部20と、第2視標呈示部60と、同時に点灯させることによって、被検眼に第1検査視標と、第2検査視標と、を同時に呈示させるようにしてもよい。例えば、第1視標呈示部20と、第2視標呈示部60と、の双方が点灯されることによって、ハーフミラー71を介して、第1視標光束と第2視標光束とを同時に被検眼に導光することができる。これによって、被検眼に第1検査視標と第2検査視標とを同時に呈示することができる。一例として、第1検査視標として、静止する棒の検査視標を呈示させるとともに、第2検査視標として、第1検査視標に対して移動する棒の検査視標を呈示させるようにすることで、動的立体視検査視標を呈示することができる。上記のように、例えば、第1検査視標と第2検査視標を重ねて確認することができ、2つの検査視標の組み合わせから、より様々な種類の検査視標を呈示することが可能となる。例えば、2つの検査視標を組わせることで、実距離に近い状態での両眼視機能検査用視標の呈示を行うことができる。
なお、本実施例において、反射部材の傾斜角度を変更することによって、光路を切り換えるようにしてもよい。図6は、光路切換手段の変容例について示す図である。例えば、モータ76が駆動されることによって、反射部材(例えば、全反射ミラー等)75の傾斜角度を変更可能な構成を設ける。例えば、第1視標呈示部20を用いる場合には、制御部30は、モータ76を駆動し、反射部材75が第1視標呈示部20の第1光路から外れるように、反射部材75の傾斜角度を変更させる(例えば、図6の点線部の位置に移動)。これによって、反射部材が第1光路から外れ、第1視標呈示部20からの第1視標光束が被検眼ERに導光できる。また、例えば、第2視標呈示部60を用いる場合には、制御部30は、モータ76を駆動し、第1視標呈示部20の第1光路中に反射部材75が配置されるとともに、第2視標呈示部60からの第2視標光束が反射部材75によって反射され被検眼ERに導光されるように、反射部材75の傾斜角度を変更する(例えば、図6の実線部の位置に移動)。これによって、第2視標呈示部60からの第2視標光束が被検眼ERに導光できる。上記のように、例えば、傾斜角度を変更することによって、より精度よく被検者に各視標光束を導光することができる。これによって、被検者に良好に検査視標を呈示することが可能となり、精度のよい種々の視機能検査を行うことができる。なお、第2視標呈示部60の呈示距離を変更した場合に、反射部材の傾斜角度を変更して、視標光束をより良好に被検眼に導光できるようにしてもよい。