JP7017489B2 - 軸受部品 - Google Patents
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Description
第1実施形態に係る軸受部品について説明する。
第1実施形態に係る軸受部品は、スラスト玉軸受の軌道輪10(軸軌道盤)である。但し、第1実施形態に係る軸受部品は、これに限られるものではない。第1実施形態に係る軸受部品は、例えば、その他の転がり軸受の軌道輪であってもよい。
図5は、軌道輪10の製造方法を示す工程図である。図5に示されるように、軌道輪10の製造方法は、準備工程S1と、焼き入れ工程S2と、焼き戻し工程S3と、加工工程S4と、表面処理工程S5とを有している。焼き入れ工程S2は、準備工程S1の後に行われる。焼き戻し工程S3は、焼き入れ工程S2の後に行われる。加工工程S4は、焼き戻し工程S3の後に行われる。表面処理工程S5は、加工工程S4の後に行われる。
上記のとおり、軌道輪10において、焼き入れ硬化層11中における水素拡散係数は、2.6×10-11m2/s未満である。そのため、軌道輪10においては、表面から侵入した水素が焼き入れ硬化層11の内部に拡散するためにより長時間を要する。
以下に、焼き入れ硬化層11中の水素拡散係数と軌道輪10の転動疲労寿命との関係を確認するために行った第1転動疲労試験を説明する。
表1に、第1転動疲労試験に供した供試材の焼き入れ硬化層11中における窒素濃度、焼き入れ硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率及び焼き入れ硬化層11中における水素拡散係数を示す。
各供試材を用いてスラスト玉軸受を構成した。なお、このスラスト玉軸受の転動体は、SUS440C製の鋼球とした。このスラスト玉軸受には、潤滑剤として、グリコール系潤滑油に純水を混合したもの用いた。これにより、このスラスト玉軸受は、水素が軌道面から侵入しうる状況とされた。
表2に、第1転動疲労試験の結果を示す。表2中において、L10及びL50は、各供試材を用いて構成したスラスト玉軸受の剥離寿命(軌道面にフレーキングが生じるまでの時間)を2母数ワイブル分布にあてはめて求めた10パーセント寿命及び50パーセント寿命であり、eは当該2母数ワイブル分布のワイブルスロープ(形状母数)である。
第2実施形態に係る軸受部品について説明する。なお、以下においては、第1実施形態に係る軸受部品と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
第2実施形態に係る軸受部品は、ラジアルニードル軸受の転動体30である。但し、第2実施形態に係る軸受部品は、これに限られない。第2実施形態に係る軸受部品は、例えば、ラジアルニードル軸受の内輪又は外輪であってもよい。
図11は、転動体30の製造方法を示す工程図である。図11に示されるように、転動体30の製造方法は、準備工程S1と、焼き入れ工程S2と、焼き戻し工程S3と、加工工程S4と、表面処理工程S5とを有している。転動体30の製造方法は、さらに酸化膜形成工程S6を有している。酸化膜形成工程S6は、表面処理工程S5の後に行われる。
上記のとおり、厚さTは、0.5μm以上となっている。そのため、転動体30においては、表面に新生面が生じにくい。すなわち、転動体30の表面においては、水素発生反応が生じにくい。したがって、転動体30によると、表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制することができる。
以下に、酸化膜32の効果を確認するために行った第2転動疲労試験を説明する。
表3に、第2転動疲労試験に供した供試材の作製条件を示す。表3に示されるように、供試材1及び供試材2に用いられた鋼種は、SUJ2である。供試材1及び供試材2に対する加熱工程S21は、加熱温度850℃、RXガス雰囲気中において行われた。供試材1に対しては、厚さTが0.5μmとなるように酸化膜形成工程S6が行われた。供試材2に対しては、酸化膜形成工程S6が行われなかった。
各供試材で形成された転動体により、ラジアルニードル軸受が作製された。第2転動疲労試験は、このラジアルニードル軸受に13.5kNのラジアル荷重を加えた状態で(なお、この状態における内輪の軌道面と転動体との間における最大接触面圧は、弾性ヘルツ接触計算で2.6GPaとなり、外輪の軌道面と転動体との最大接触面圧は2.3GPaとなる)、内輪を外輪に対して相対的に回転させることにより行われた。
表4に、第2転動疲労試験の結果を示す。表4に示されるように、供試材2を用いたラジアルニードル軸受においては、最短寿命が12.3時間であり、平均寿命が14.6時間であった。他方で、供試材1を用いたラジアルニードル軸受においては、最短寿命が63.5時間であり、平均寿命が64.4時間であった。この比較から、転動体本体31の表面に厚さTが0.5μm以上2μm以上の酸化膜32が形成されることにより、表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制することができることが実験的に明らかにされた。
Claims (12)
- 鋼製の軸受部品であって、
前記軸受部品は、表面に形成された焼き入れ硬化層を有しており、
前記焼き入れ硬化層中における水素拡散係数は2.6×10-11m2/s未満であり、
前記表面と前記鋼のファイバーフローとがなす角度は15°以上であり、
前記表面における周方向の残留圧縮応力は700MPa以上である、軸受部品。 - 前記表面の算術平均粗さは0.1μm以下であり、
前記表面のスキューネスは0未満である、請求項1に記載の軸受部品。 - 前記鋼中における酸素濃度は5質量ppm以上である、請求項1又は請求項2に記載の軸受部品。
- 前記表面における前記焼き入れ硬化層は窒素を含有している、請求項1~請求項2のいずれか1項に記載の軸受部品。
- 前記表面における前記焼き入れ硬化層中の窒素濃度は、0.05重量パーセント以上0.6重量パーセント以下である、請求項4に記載の軸受部品。
- 前記焼き入れ硬化層中におけるオーステナイト相の体積比率は、10パーセント以上40パーセント以下である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の軸受部品。
- 前記表面における前記焼き入れ硬化層の硬度は58HRC以上64HRC以下である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の軸受部品。
- 前記鋼は、JIS規格に定められたSUJ2及びSUJ3のいずれかである、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の軸受部品。
- 表面を有する鋼製の軸受部品本体と、前記表面上に形成された酸化膜とを備え、
前記表面と前記鋼のファイバーフローとがなす角度は15°以上であり、
前記表面における周方向の残留圧縮応力は700MPa以上であり、
前記酸化膜の厚さは、0.5μm以上2μm以下である、軸受部品。 - 前記表面の算術平均粗さは0.1μm以下であり、
前記表面のスキューネスは0未満である、請求項9に記載の軸受部品。 - 前記鋼中における酸素濃度は5質量ppm以上である、請求項9又は請求項10に記載の軸受部品。
- 前記鋼は、JIS規格に定められたSUJ2及びSUJ3のいずれかである、請求項9~請求項11のいずれか1項に記載の軸受部品。
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