JP7016425B2 - ポリマーフィルム、及び表示装置 - Google Patents

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Description

本開示は、ポリマーフィルム、及び表示装置に関する。
ポリマーフィルムは、光学用フィルム、電子機器材料、包装材料等の幅広い用途に利用されている。用途に応じて種々の特性が求められるため、これまでに、ポリマーフィルムの特性を改良するための様々な検討が行われている。例えば、エラストマーを用いることによって、ポリマーフィルムの耐衝撃性、耐熱性、脆性等を改良することが試みられている。
例えば、特許第3327481号公報には、デカリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.05~10dl/gの範囲にあり、ガラス転移温度(Tg)が10℃未満であり、重合可能な二重結合を有し、ヨウ素価が3~30(g-ヨウ素/100g-重合体)である炭化水素系エラストマー成分[A]と、エラストマー成分[A]の存在下に(a)炭素数2以上のα-オレフィンと、(b)一般式[I]または[II]で表される環状オレフィンとを共重合させて得られる環状オレフィン系共重合体成分[B]と、からなる環状オレフィン系共重合体組成物[C]であって、この共重合体組成物[C]中に成分[A]が、1~50重量%の量で存在していることを特徴とする環状オレフィン系共重合体組成物が開示されている。
また、国際公開第2014/034200号には、屈折率がn1でガラス転移点(Tg)が170℃以上の環状オレフィン樹脂と、屈折率がn2でΔn=│n2-n1│が0.012以下であるスチレン系エラストマーとを含み、JIS K7136に準拠し、厚みが100μmの試験片についてポリエチレングリコール液中で測定される内部ヘイズ値が1.0%以下である透明フィルムが開示されている。
近年、種々の用途に適用されるポリマーフィルムのさらなる特性の改良が求められている。例えば、光学用フィルムに用いられる樹脂としては、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、ポリ乳酸等が挙げられる。これらの樹脂を含むポリマーフィルムは優れた特性を有するものの、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性を両立することが課題となっている。例えば、柔軟性を備える表示装置(例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、液晶表示装置等)等への用途を中心に、耐屈曲性が求められる傾向にある。ただし、耐熱性を有するポリマーフィルムの多くは、分子構造が剛直であるため、脆性的な破壊挙動を示しやすい。脆性的な破壊挙動を示し得るポリマーフィルムを繰り返し折り曲げると、割れる可能性がある。
ポリマーフィルムの脆性を改良する方法としては、上記のようなエラストマーを用いる方法が考えられる。しかしながら、特許第3327481号公報に記載された方法では、重合可能な二重結合を有するエラストマーとオレフィンとを共重合させているため、得られるポリマーフィルムのガラス転移温度が低下し、耐熱性が低下するということが考えられる。また、国際公開第2014/034200号に記載された方法では、高いガラス転移温度(Tg)を有する環状オレフィン樹脂とエラストマーとを混合し、フィルム成形において平面内に異方性を有するミクロドメイン構造を形成している。このため、国際公開第2014/034200号に記載された方法においても、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性を両立するという点では十分とは言い難い。
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものである。
本開示の一実施形態は、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性に優れるポリマーフィルムを提供することを目的とする。
本開示の他の一実施形態は、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性に優れるポリマーフィルムを有する表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 第1の樹脂を含む樹脂相と、上記第1の樹脂を含む樹脂相中に分散され、ガラス転移温度が30℃以下の第2の樹脂を含む複数の粒子と、を含む層を有し、上記第1の樹脂は、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、及びポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であって、上記粒子の表面間距離が、1nm~100nmであって、上記粒子の最大径が、200nm以下である、
ポリマーフィルム。
<2> 少なくとも一方の面の表面粗さRzが、100nm以下である<1>に記載のポリマーフィルム。
<3> 曲率半径Rを1.0mm、折り曲げ角度を180°、折り曲げ回数を100,000回とする条件で折り曲げ操作を行った後の、上記粒子の周囲に形成される空洞の幅が、上記空洞の起点となる上記粒子の直径の50%以下である<1>又は<2>に記載のポリマーフィルム。
<4> 曲率半径Rを1.0mm、折り曲げ角度を180°、折り曲げ回数を100,000回とする条件で折り曲げ操作を行った後の破断伸度が、上記折り曲げ操作前の破断伸度に対して80%~120%である<1>~<3>のいずれか1つに記載のポリマーフィルム。
<5> 上記第2の樹脂の含有量が、ポリマーフィルムの全体積に対して、1体積%~20体積%である<1>~<4>のいずれか1つに記載のポリマーフィルム。
<6> 上記第1の樹脂が、環状ポリオレフィンである<1>~<5>のいずれか1つに記載のポリマーフィルム。
<7> 上記第2の樹脂が、スチレン骨格を有する単量体由来の構成単位を有する共重合体である<1>~<6>のいずれか1つに記載のポリマーフィルム。
<8> 上記粒子の表面間距離が、1nm~40nmである<1>~<7>のいずれか1つに記載のポリマーフィルム。
<9> 上記粒子の最大径が、80nm以下である<1>~<8>のいずれか1つに記載のポリマーフィルム。
<10> 厚みが5μm~100μmである<1>~<9>のいずれか1つに記載のポリマーフィルム。
<11> 上記ポリマーフィルムのガラス転移温度TgAと上記第2の樹脂のガラス転移温度Tg2との関係が、TgA-Tg2>30℃を満たす<1>~<10>のいずれか1つに記載のポリマーフィルム。
<12> 光学用ポリマーフィルムである、<1>~<11>のいずれか1つに記載のポリマーフィルム。
<13> <1>~<12>のいずれか1つに記載のポリマーフィルムを有する表示装置。
本開示の一実施形態によれば、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性に優れるポリマーフィルムを提供することができる。
本開示の他の一実施形態によれば、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性に優れるポリマーフィルムを有する表示装置を提供することができる。
図1は、本開示に係るポリマーフィルムの製造方法を実施するための装置の全体構成の一例を示す概略図である。 図2は、本開示に係るポリマーフィルムの製造方法で用いることができる押出機の構成の一例を示す概略図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本開示は、以下の実施形態に何ら制限されず、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との用語には、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有しないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
<ポリマーフィルム>
本開示に係るポリマーフィルムは、第1の樹脂を含む樹脂相と、上記第1の樹脂を含む樹脂相中に分散され、ガラス転移温度が30℃以下の第2の樹脂を含む複数の粒子と、を含む層(以下、「分散粒子層」ということがある。)を有し、上記第1の樹脂は、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、及びポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であって、上記粒子の表面間距離が、1nm~100nmであって、上記粒子の最大径が、200nm以下である。
本開示に係るポリマーフィルムは、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性に優れる。本開示に係るポリマーフィルムが、上記効果を奏する理由は明らかではないが、以下のように推察される。
上記のとおり、エラストマーを用いる従来の技術では、ポリマーフィルムの透明性及び耐熱性の低下を招くため、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性を両立することは困難であると考えられる。
本開示に係るポリマーフィルムは、第1の樹脂を含む樹脂相中に、ガラス転移温度の低い第2の樹脂を含む微細な粒子を、特定の間隔で分散させた層を有するため、耐熱性及び透明性の低下を防ぐことができ、さらに、折り曲げられた際に生じるポリマーフィルム内の応力集中を緩和できると考えられる。このため、本開示に係るポリマーフィルムは、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性を両立できると考えられる。
[分散粒子層]
本開示に係るポリマーフィルムは、第1の樹脂を含む樹脂相と、上記第1の樹脂を含む樹脂相中に分散され、ガラス転移温度が30℃以下の第2の樹脂を含む複数の粒子と、を含む層を有する。上記層を有することで、耐熱性及び透明性の低下を防ぐことができ、さらに、折り曲げられた際に生じるポリマーフィルム内の応力集中を緩和できる。
本開示に係るポリマーフィルムは、1つの分散粒子層からなる単層構造であってもよく、2つ以上の分散粒子層を有する複層構造であってもよい。また、本開示に係るポリマーフィルムは、必要に応じて、分散粒子層とは異なる他の層を有していてもよい。他の層として、例えば、粘着層、表面保護層、屈折率調整層等が挙げられる。
〔樹脂相〕
分散粒子層は、第1の樹脂を含む樹脂相を含む。分散粒子層において樹脂相は、後述する第2の樹脂を含む各粒子の間に存在している。樹脂相は、必要に応じて、例えば、第1の樹脂以外の樹脂、後述する添加剤等の他の成分を含んでいてもよい。
(第1の樹脂)
第1の樹脂は、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、及びポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂である。第1の樹脂が上記樹脂であることで、ポリマーフィルムの透明性を向上させるとともに、光学用ポリマーフィルムとして用いられる場合に好適な性能を得ることができる。
ポリカーボネートとしては、制限されず、公知のポリカーボネートを適用することができる。ポリカーボネートとしては、例えば、ジオールポリカーボネートが挙げられる。ジオールポリカーボネートは、ジオールとジメチルカーボネートとの脱メタノール縮合反応、ジオールとジフェニルカーボネートとの脱フェノール縮合反応、ジオールとエチレンカーボネートとの脱エチレングリコール縮合反応等の反応を経て合成することができる。これらの反応で使用されるジオールとしては、例えば、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリメタクリル酸メチルとしては、メタクリル酸メチル由来の構成単位を有する重合体であれば制限されず、公知のポリメタクリル酸メチルを適用することができる。また、ポリメタクリル酸メチルは、メタクリル酸メチルの単独重合体であってもよく、メタクリル酸メチルと他の単量体(例えば、α-オレフィン等)との共重合体であってもよい。
ポリスチレンとしては、スチレン骨格を有する単量体(例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等)由来の構成単位を有する重合体であれば制限されず、公知のポリスチレンを適用することができる。また、ポリスチレンは、スチレンの単独重合体であってもよく、スチレンと他の単量体(例えば、α-オレフィン等)との共重合体であってもよい。
環状ポリオレフィンとしては、環状オレフィン(例えば、ノルボルネン等)由来の構成単位を有する重合体であれば制限されず、公知の環状ポリオレフィンを適用することができる。また、環状ポリオレフィンは、環状オレフィンの単独重合体であってもよく、環状オレフィンと他の単量体(例えば、α-オレフィン等)との共重合体であってもよい。
ポリメチルペンテンとしては、メチルペンテン由来の構成単位を有する重合体であれば制限されず、公知のポリメチルペンテンを適用することができる。また、ポリメチルペンテンは、メチルペンテンの単独重合体であってもよく、メチルペンテンと他の単量体(例えば、α-オレフィン等)との共重合体であってもよい。
ポリ乳酸としては、乳酸由来の構成単位を有する重合体であれば制限されず、公知のポリ乳酸を適用することができる。また、ポリ乳酸は、乳酸の単独重合体であってもよく、乳酸と他の単量体(例えば、グリコール酸等)との共重合体であってもよい。
上記の中でも、第1の樹脂としては、光学特性の観点から、環状ポリオレフィンが好ましい。
環状ポリオレフィンは、脂環構造を有する重合体である。脂環構造を有する重合体の例としては、(1)ノルボルネン重合体、(2)単環の環状オレフィンの重合体、(3)環状共役ジエンの重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及び(1)~(4)の水素化物などが挙げられる。なお、本開示において、「重合体」との用語は、特に断りのない限り、特定の構成単位を含む単独重合体だけでなく、特定の構成単位を含む共重合体を包含する。
中でも、(1)ノルボルネン重合体、並びに(2)単環の環状オレフィンの重合体及びその水素化物が好ましい。
なお、本開示におけるノルボルネン重合体とは、ノルボルネン構造を有する構成単位を含む単独重合体、及び共重合体を含む意味で用いられ、ノルボルネン構造は、開環であってもよい。
環状ポリオレフィンとしては、下記一般式(II)で表される構成単位を少なくとも1種含む付加重合体、及び必要に応じ、一般式(I)で表される構成単位の少なくとも1種をさらに含んでなる付加共重合体が挙げられる。
また、環状ポリオレフィンとしては、一般式(III)で表される構成単位を少なくとも1種含む開環重合体も好適に使用することができる。
Figure 0007016425000001
Figure 0007016425000002
Figure 0007016425000003
一般式(II)、及び一般式(III)において、mは0~4の整数を表す。一般式(I)、一般式(II)、及び一般式(III)において、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基を表し、X、X、X、Y、Y及びYはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1~10の炭化水素基、-(CHCOOR11、-(CHOCOR12、-(CHNCO、-(CHNO、-(CHCN、-(CHCONR1314、-(CHNR1314、-(CHOZ、-(CHQを表すか、又はXとY、XとY、及びXとYがそれぞれ(-CO)O若しくは(-CO)NR15を表す。なお、R11、R12、R13、R14、及びR15はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表し、Zは炭化水素基又はハロゲンで置換された炭化水素基を表し、QはSiR16 3-pを表し(R16は炭素数1~10の炭化水素基を表し、Dはハロゲン原子、-OCOR16又は-OR16を表し、pは0~3の整数を表す。)、nは0~10の整数を表す。
、X、X、Y、Y及びYの全部又は一部の置換基に分極性の大きい官能基を導入することにより、ポリマーフィルムの厚さ方向レターデーションを大きくし、面内レターデーションの発現性を大きくすることができる。面内レターデーションの発現性の大きなポリマーフィルムは、製膜過程で延伸することにより面内レターデーションの値を大きくすることができる。
分極性の大きい官能基とは、電気陰性度の異なる2種以上の原子を含み、双極子モーメントを有する官能基を意味する。分極性の大きい官能基としては、例えば、カルボキシ基、カルボニル基、エポキシ基、エーテル基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、アミド基、イミド基、エステル基、スルホン基等を挙げることができる。
ノルボルネン重合体の一例であるノルボルネン付加重合体は、特開平10-7732号公報、特表2002-504184号公報、米国特許出願公開2004/229157号明細書、国際公開第2004/070463号等に開示されている。ノルボルネン付加重合体は、例えば、ノルボルネン多環状不飽和化合物同士を付加重合することによって得られる。また、ノルボルネン付加重合体は、必要に応じ、ノルボルネン多環状不飽和化合物と、エチレン、プロピレン、ブテン;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;エチリデンノルボルネン等の非共役ジエン;アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニル等の線状ジエン化合物と、を付加重合して得ることもできる。
ノルボルネン付加重合体は、市販品を用いてもよい。ノルボルネン付加重合体は、三井化学(株)よりアペル(登録商標)の商品名で市販されており、ガラス転移温度(Tg)の異なる、例えばAPL8008T(Tg:70℃)、APL6013T(Tg:125℃)、APL6015T(Tg:145℃)などのグレードがある。ポリプラスチックス(株)よりTOPAS8007、TOPAS6013、TOPAS6015などのノルボルネン付加重合体がペレットとして市販されている。更に、Ferrania社よりノルボルネン付加重合体として、Appear3000が市販されている。
ノルボルネン重合体の水素化物は、多環状不飽和化合物を付加重合又はメタセシス開環重合したのち水素添加することにより得ることができる。ノルボルネン重合体の水素化物については、例えば、特開平1-240517号公報、特開平7-196736号公報、特開昭60-26024号公報、特開昭62-19801号公報、特開2003-159767号公報、特開2004-309979号公報等に開示されており、これらの記載を本開示に参照することができる。
ノルボルネン重合体としては、上記一般式(III)で表される構成単位を含む重合体が好ましく、一般式(III)で表される構成単位において、R及びRは水素原子又は-CHが好ましく、X及びYは水素原子、-Cl又は-COOCHが好ましく、その他の基は適宜選択される。
ノルボルネン重合体は、JSR(株)からアートン(ARTON:登録商標)G、アートンF等の商品名で市販されており、日本ゼオン(株)からゼオネックス(ZEONEX:登録商標)250、ゼオネックス280等の商品名で市販されており、これらを使用することができる。
本開示において、第1の樹脂は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
樹脂相中の第1の樹脂の含有量は、透明性の観点から、樹脂相中の樹脂成分の全質量に対して、80質量%~100質量%であることが好ましく、90質量%~100質量%であることがより好ましく、95質量%~100質量%であることがさらに好ましく、98質量%~100質量%であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。ここで、「樹脂成分」とは、重合体の成分をいう。ポリマーフィルムから樹脂相を分離する方法としては、例えば、後述のポリマーフィルム中の第2の樹脂を分離する方法を用いることができる。
〔粒子〕
分散粒子層は、上記第1の樹脂を含む樹脂相中に分散され、ガラス転移温度が30℃以下の第2の樹脂を含む複数の粒子を含む。上記粒子の表面間距離は、1nm~100nmであって、上記粒子の最大径は、200nm以下である。上記粒子を含むことで、耐熱性及び透明性の低下を防ぐことができ、折り曲げられた際に生じるポリマーフィルム内の応力集中を緩和できる。また、上記粒子は、必要に応じて、例えば、後述する添加剤等の他の成分を含んでいてもよい。
(第2の樹脂)
第2の樹脂のガラス転移温度は、30℃以下である。ガラス転移温度は、粒子中に含まれる第2の樹脂として適用可能な樹脂の範囲を定める指標であり、「ガラス転移温度が30℃以下である」とはガラス転移温度が低いことを意味する。第2の樹脂のガラス転移温度は、耐屈曲性の観点から、20℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることがさらに好ましく、-10℃以下であることが特に好ましい。ガラス転移温度の測定は、示差走査熱量計(例えば、(株)島津製作所製DSC-60A等)を用いて測定することができる。
第2の樹脂の種類としては、耐屈曲性の観点から、スチレン骨格を有する単量体由来の構成単位を有する共重合体(以下、「スチレン共重合体」ということがある。)が好ましく、ポリスチレンブロックを有するブロック共重合体が好ましく、ポリスチレンブロックと、ポリオレフィンブロック及びポリメタクリル酸メチルブロックから選択される少なくとも1種のブロックと、を有するブロック共重合体がより好ましい。
スチレン骨格を有する単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。
スチレン共重合体に適用可能な、スチレン骨格を有する単量体由来の構成単位以外の他の構成単位としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、メタクリル酸メチル等が挙げられる。
ポリスチレンブロックは、スチレン骨格を有する単量体由来の構成単位を主鎖に有する。スチレン骨格を有する単量体としては、既述の単量体を適用することができる。
ポリオレフィンブロックとしては、例えば、ポリブタジエンブロック、ポリ(エチレン-ブチレン)ブロック、ポリ(エチレン-プロピレン)ブロック、ポリ(エチレン-エチレン-プロピレン)ブロック等が挙げられる。
第2の樹脂の具体例としては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(通常、「SBS」と称される。)、スチレン-(エチレン-ブチレン)-スチレンブロック共重合体(通常、「SEBS」と称される。)、スチレン-(エチレン-プロピレン)-スチレンブロック共重合体(通常、「SEPS」と称される。)、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(通常、「MBS」と称される。)、スチレン-(エチレン-エチレン-プロピレン)-スチレンブロック共重合体(通常、「SEEPS」と称される。)等が挙げられる。
上記の中でも、第2の樹脂の種類としては、耐屈曲性の観点から、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-(エチレン-ブチレン)-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-(エチレン-プロピレン)-スチレンブロック共重合体(SEPS)、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(MBS)、及びスチレン-(エチレン-エチレン-プロピレン)-スチレンブロック共重合体(SEEPS)からなる群より選択される少なくとも1種のブロック共重合体であることが好ましく、スチレン-(エチレン-ブチレン)-スチレンブロック共重合体(SEBS)、及びメタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(MBS)からなる群より選択される少なくとも1種のブロック共重合体であることがより好ましい。
本開示において、第2の樹脂は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
ポリマーフィルム中の第2の樹脂の含有量は、耐熱性及び耐屈曲性の観点から、ポリマーフィルムの全体積に対して、1体積%~20体積%であることが好ましく、2体積%~15体積%であることがより好ましく、2体積%~10体積%であることが特に好ましい。ポリマーフィルム中の第2の樹脂の含有量を1体積%以上に調節することで、耐屈曲性を向上させることができる。ポリマーフィルム中の第2の樹脂の含有量を20体積%以下に調節することで、透明性及び耐熱性の低下を抑制することができる。
ポリマーフィルム中の第2の樹脂の含有量(体積%)は、以下の方法によって測定することができる。
まず、任意の大きさのポリマーフィルムの中心領域から、試験片1cmを採取する。試験片1cmから第2の樹脂を分離し、第2の樹脂の体積を測定する。そして、第2の樹脂の体積を試験片の体積1cmで除して得られる値に100を乗じ、得られる値をポリマーフィルム中の第2の樹脂の含有量とする。
第2の樹脂を分離する方法としては、例えば、第1の樹脂を溶解する一方で第2の樹脂を溶解しない溶媒に試験片を浸漬し、次いで、溶け残った第2の樹脂を濾過によって収集することで、単体の第2の樹脂を得る方法が挙げられる。試験片の浸漬の際に使用する溶媒の量は、試験片の体積の1000倍以上の量とする。
(表面間距離)
粒子の表面間距離は、1nm~100nmであり、1nm~40nmであることが好ましく、1nm~20nmであることがより好ましく、1nm~15nmであることが特に好ましい。粒子の表面間距離を上記数値範囲に調節することで、屈曲された際に生じるポリマーフィルム内の応力集中を緩和し、耐屈曲性を向上させることができる。また、耐屈曲性の向上と透明性低下の抑制とを両立することができる。
粒子の表面間距離は、以下の方法によって測定することができる。
ポリマーフィルムにおいて任意に選択した10箇所における断面XZ及び断面YZをそれぞれ、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、合計20枚の観察像を得る。断面XZとは、ポリマーフィルム面に対して平行な任意の方向X(例えば、ポリマーフィルムの幅方向)に対して平行であって、ポリマーフィルムの厚み方向Z(すなわち、ポリマーフィルム面に対して直交する方向)に対して平行な平面XZに沿ってポリマーフィルムを切断した断面をいう。断面YZとは、上記断面XZに直交する断面をいう。観察像の撮影は、観察倍率を100倍~100,000倍の範囲で調節し、各断面の厚み方向Zに存在する粒子の分散状態を確認可能な視野範囲で行う。次に、各観察像について、任意に選択した10μm×10μmの領域内に存在する粒子の外周をトレースし、画像解析装置を用いてトレース像から各粒子の表面間距離の平均値を測定する。各観察像から得られる合計20点の測定値を平均して算出される値を、粒子の「表面間距離」とする。
(最大径)
粒子の最大径は、200nm以下であり、80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが特に好ましい。粒子の最大径を上記数値範囲に調節することで、屈曲された際に生じるポリマーフィルム内の応力集中を緩和し、耐屈曲性を向上させることができる。また、透明性の低下を防ぐことができる。
粒子の最大径は、以下の方法によって測定することができる。
上記粒子の表面間距離を測定する際に得られる20枚の各観察像について、任意に選択される200個の粒子の外周をトレースし、画像解析装置を用いてトレース像から粒子の円相当径を測定することによって、円相当径の最大値を求める。各観察像から得られる合計20点の測定値を平均して算出される値を、粒子の「最大径」とする。
[添加剤]
本開示に係るポリマーフィルムは、必要に応じて、種々の添加剤、例えば、劣化防止剤、紫外線防止剤、レターデーション(光学異方性)調節剤、無機微粒子、剥離促進剤、赤外線吸収剤等を含んでいてもよい。
[表面粗さRz]
本開示に係るポリマーフィルムの少なくとも一方の面の表面粗さRzは、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることが特に好ましい。ポリマーフィルムの少なくとも一方の面の表面粗さRzを上記上限値以下に調節することで、ポリマーフィルム表面の凹凸に起因する破断を低減し、耐屈曲性を向上させることができる。本開示においては、ポリマーフィルムの少なくとも一方の面の表面粗さRzが上記上限値以下であることが好ましく、ポリマーフィルムの両面の表面粗さRzが上記上限値以下であることがより好ましい。
本開示に係るポリマーフィルムの少なくとも一方の面の表面粗さRzの下限値は、制限されない。本開示に係るポリマーフィルムの少なくとも一方の面の表面粗さRzは、製造適性の観点から、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることが特に好ましい。本開示においては、ポリマーフィルムの少なくとも一方の面の表面粗さRzが上記下限値以上であることが好ましく、ポリマーフィルムの両面の表面粗さRzが上記下限値以上であることがより好ましい。
ポリマーフィルムの表面粗さRzは、JIS B 0601:2013に準じて、触針式粗さ計を用いて測定することができる。具体的には、測定面となるポリマーフィルム中心領域の10cm×10cmの範囲において、任意に選択した5箇所で表面粗さRzを測定する。合計5点の測定値を平均して算出される値を、ポリマーフィルムの「表面粗さRz」とする。
[空洞(void)の幅]
本開示に係るポリマーフィルムにおいては、耐屈曲性の観点から、曲率半径Rを1.0mm、折り曲げ角度を180°、折り曲げ回数を100,000回とする条件で折り曲げ操作を行った後の、粒子の周囲に形成される空洞の幅が、上記空洞の起点となる粒子の直径の50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、25%以下であることがさらに好ましく、20%以下であることが特に好ましい。上記折り曲げ操作には、例えば、面状体無負荷U字伸縮試験機(DLDMLH-FS、ユアサシステム機器社製)を用いることができる。
本開示において、「粒子の周囲に形成される空洞」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて得られる観察像において、粒子を内包する形状を有する空洞である。
本開示において、「空洞の起点となる粒子」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて得られる観察像において、空洞に内包される粒子である。
上記折り曲げ操作後の空洞の幅及び空洞の起点となる粒子の直径は、以下の手順で測定することができる。
折り曲げ角度が180℃の際に形成されるポリマーフィルムの湾曲部の頂点を通る仮想線(以下、「折り曲げ中心線」ということがある。)に沿って、上記折り曲げ操作後のポリマーフィルムを厚み方向(すなわち、ポリマーフィルム面に対して直交する方向)に切断する。得られる断面から任意に選択した10箇所を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、合計10枚の観察像を得る。観察像の撮影は、観察倍率を100倍~100,000倍の範囲で調節し、断面の厚み方向に存在する粒子の分散状態を確認可能な視野範囲で行う。次に、各観察像において、空洞の起点となる粒子を200個任意に選択する。ただし、各観察像の少なくとも1つにおいて選択される空洞の起点となる粒子の数が200個を下回る場合には、各観察像において観察される空洞の起点となる粒子の数のうち最も小さな数を、各画像において任意に選択する粒子の数とする。各観察像について、任意に選択した空洞の起点となる粒子及び上記粒子の周囲に形成される空洞の外周をトレースし、画像解析装置を用いてトレース像から粒子の円相当径の平均値及び空洞の円相当径の平均値をそれぞれ測定する。粒子の円相当径に関し、各観察像から得られる合計10点の測定値(粒子の円相当径の平均値)を平均して算出される値を、「空洞の起点となる粒子の直径」とする。また、各観察像について空洞の円相当径の平均値と粒子の円相当径の平均値との差(「空洞の円相当径の平均値」-「粒子の円相当径の平均値」)を2で除する。次いで、得られる合計10点の計算値を平均して算出される値を、「粒子の周囲に形成される空洞の幅」とする。
[破断伸度]
本開示に係るポリマーフィルムにおいては、耐屈曲性の観点から、曲率半径Rを1.0mm、折り曲げ角度を180°、折り曲げ回数を100,000回とする条件で折り曲げ操作を行った後の破断伸度は、折り曲げ操作前の破断伸度に対して80%~120%であることが好ましく、90%~120%であることがより好ましく、90%~100%であることが特に好ましい。
ポリマーフィルムの破断伸度は、JIS C 2151:2006に準じて、引張試験機を用いて測定することができる。
同一の試験片を2つ用意し、1つの試験片に対して上記条件で折り曲げ操作を行う。次に、チャック間の中心に折り曲げ中心線の位置を合わせて、引張試験機に折り曲げ操作を行った試験片を取り付ける。折り曲げ操作を行った試験片を、折り曲げ中心線に対して直交する方向に引っ張り、以下の式より破断伸度を求める。
同様の手順により、折り曲げ操作を行っていない試験片の破断伸度を求める。ただし、試験片の引張方向は、折り曲げ操作を行った試験片の引張方向と同一とする。折り曲げ操作を行っていない試験片の破断伸度を、折り曲げ操作前の破断伸度とする。
式:破断伸度(%)=100×(破断の際のチャック間距離-チャック間距離)/(チャック間距離)
[厚み]
本開示に係るポリマーフィルムの厚みは、5μm~100μmであることが好ましく、10μm~100μmであることがより好ましく、20μm~60μmであることが特に好ましい。ポリマーフィルムの厚みを5μm以上に調節することで、衝撃強度を向上させることができる。ポリマーフィルムの厚みを100μm以下に調節することで、屈曲された際に生じるポリマーフィルム内の応力集中を緩和し、耐屈曲性を向上させることができる。
ポリマーフィルムの厚みは、以下の方法にしたがって測定することができる。
触式膜厚測定機(Mitutoyo ID-C112X)を用い、ポリマーフィルム面に対して平行な任意の方向X(例えば、ポリマーフィルムの幅方向)に50mm間隔で厚みを測定する。この操作を、ポリマーフィルム面において上記方向Xに直交する方向Yに沿って1m間隔で合計5セット行い、測定される値の平均値を、ポリマーフィルムの「厚み」とする。
[ガラス転移温度]
本開示に係るポリマーフィルムのガラス転移温度は、130℃以上であることが好ましく、140℃以上であることがより好ましく、143℃以上であることが特に好ましい。ポリマーフィルムのガラス転移温度を上記下限値以上に調節することで、耐熱性を向上させ、また、光学用ポリマーフィルムとして用いる場合に好適な製造適性を得ることができる。
一方、本開示に係るポリマーフィルムのガラス転移温度は、170℃未満であることが好ましく、160℃未満であることがより好ましく、155℃未満であることが特に好ましい。ポリマーフィルムのガラス転移温度を上記上限値未満に調節することで、例えば溶融製膜等の加熱工程において発生する熱劣化異物を低減することができる。
ポリマーフィルムのガラス転移温度TgAと第2の樹脂のガラス転移温度Tg2との関係は、耐屈曲性の観点から、TgA-Tg2>30℃を満たすことが好ましく、TgA-Tg2>60℃を満たすことがより好ましく、TgA-Tg2>90℃を満たすことが特に好ましい。
ガラス転移温度の測定は、示差走査熱量計(例えば、(株)島津製作所製DSC-60A等)を用いて測定することができる。
[ヘイズ]
本開示に係るポリマーフィルムのヘイズは、透明性の観点から、2%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。ヘイズメーターを用い、JIS K7136:2000に準ずる方法により測定することができる。
[用途]
本開示に係るポリマーフィルムは、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性に優れるため、光学用途等の種々の用途に適用することができる。上記の中でも、本開示に係るポリマーフィルムは、光学用ポリマーフィルムとして好適に用いることができる。
<ポリマーフィルムの製造方法>
本開示に係るポリマーフィルムの製造方法としては、制限されず、例えば、以下の製造方法を適用することができる。
本開示に係るポリマーフィルムの製造方法は、原料樹脂が供給される供給口及び原料樹脂が溶融した溶融樹脂が押出される押出口を有するシリンダーと、スクリュ軸及びスクリュ軸の周囲に螺旋状に配置されたフライトを有し、シリンダー内で回転するスクリュと、を備え、シリンダー内に、スクリュ軸に沿って供給口側から順に、供給部、圧縮部及び計量部を有する押出機を用い、下記式で算出される供給部樹脂輸送効率が、0.75≦供給部樹脂輸送効率≦1.0を満たす条件で、原料樹脂の供給及び溶融を行い、押出口から押出された溶融樹脂をダイからフィルム状に溶融押出しする工程を有する。
Figure 0007016425000004
上記供給部樹脂輸送効率を算出する式における記号の意味は、それぞれ以下の通りであり、詳細については後述する。
W:供給部におけるスクリュフライト間隔(mm)
Hf:供給部における溝深さ(mm)
D:シリンダーの内径(mm)
Ψ:供給部におけるスクリュフライト角(°)
Q:溶融樹脂の押出量(kg/h)
ρ:原料樹脂の比重(g/cm
N:1分間当たりのスクリュ回転数(rpm)
圧縮比:供給部におけるスクリュフライト1ピッチあたりの容積/計量部におけるスクリュフライト1ピッチあたりの容積
本開示において、「原料樹脂」とは、樹脂成分のほか、必要に応じて添加される添加剤も含む樹脂組成物を意味する。
まず、本開示に係るポリマーフィルムの製造方法で用いる製造装置及び製造方法の概略について説明する。
図1は、本開示のポリマーフィルムの製造方法を実施するための製膜装置の全体構成の一例を概略的に示している。
図1に示す製膜装置10は、原料樹脂が投入されるホッパー12と、ホッパー12から供給された原料樹脂を溶融する押出機14と、溶融した原料樹脂(以下、「溶融樹脂」ということがある。)の押出量を安定化させるギアポンプ16と、溶融樹脂を濾過するフィルター18と、溶融樹脂をフィルム状に溶融押出するダイ20と、ダイ20から吐出された高温の樹脂を多段冷却する複数の冷却ロール(以下、「キャスティングロール」ということがある。)22、24及び26と、ダイ20から吐出されたフィルム状の樹脂100を第1冷却ロール22との間で挟み込む接触ロール(以下、「タッチロール」ということがある。)28と、を備えている。なお、図示されていないが、製膜装置10には、通常、最後の第3冷却ロール26からフィルム状の樹脂100を剥離する剥離ロールと、冷却されたフィルムを巻き取る巻取機と、が設けられる。
図2は、本開示の製造方法に用いることができる押出機の構成の一例を概略的に示している。
図2に示すように、押出機14は、シリンダー44と、シリンダー内に配置されたスクリュ50と、を備えている。
シリンダー44は、原料樹脂が供給される供給口52及び溶融樹脂が押出される押出口54を有する。シリンダー44内は、スクリュ軸46に沿って、供給口52側から順に、供給口52から供給された原料樹脂を予熱しながら輸送する供給部(図2においてAで示す領域)と、原料樹脂を圧縮しながら混練して溶融する圧縮部(図2においてBで示す領域)と、溶融された原料樹脂を計量し、押出量を安定化する計量部(図2においてCで示す領域)と、を有する。また、図2に示すシリンダー44の供給口52には、図1に示すホッパー12が取り付けられている。
スクリュ50は、スクリュ軸46及びスクリュ軸46の周囲に螺旋状に配置されたフライト(以下、「スクリュフライト」ということがある。)48を有し、不図示のモータによってシリンダー44内で回転する構成とされている。
また、図示していないが、シリンダー44内での原料樹脂の温度を制御するため、シリンダー44の周囲には、長手方向に例えば3~20に分割して配置された温度制御手段(ヒーター等)を設けることが好ましい。
図2に示す構成を有する押出機14を備え、図1に示す構成を有する製膜装置10によりポリマーフィルムを製造する場合、原料樹脂がホッパー12に投入され、シリンダー44の供給口52を通じてシリンダー44内に供給される。供給口52からシリンダー44内に供給された原料樹脂は、スクリュ50の回転により供給部Aにおいて予熱されながら押出口54に向けて輸送される。
なお、シリンダー44内では、残存する酸素による溶融樹脂の酸化を防止するために、押出機内を窒素等の不活性気流中で、又はベント付き押出機を用いて真空排気しながら原料樹脂を輸送することがより好ましい。
供給部Aで予熱された原料樹脂は圧縮部Bに輸送される。圧縮部Bでは、スクリュ軸46の径が押出口54に向けて徐々に大きくなる構成を有しており、原料樹脂は、圧縮部Bにおける輸送に伴い、シリンダー44の内壁とスクリュ50との間で圧縮されながら混練され、かつ、温度制御されたシリンダー44に接触することで加熱され、溶融する。圧縮部Bで溶融された原料樹脂は計量部Cに輸送され、計量部Cでは溶融樹脂を計量し、押出口54からの押出量が安定化される。
押出機14で溶融され、押出口54から押出された溶融樹脂は、配管40を通じてギアポンプ16及びフィルター18を経て、ダイ20に向けて連続的に送られる。そして、溶融樹脂は、ダイ20からフィルム状に溶融押出しされる。フィルム状に押出された樹脂100を図1に示す。ダイ20から溶融押出しされたフィルム状の樹脂100は、接触ロール(タッチロール)28と第1冷却ロール22との間に挟み込まれ、第2冷却ロール24、第3冷却ロール26を経て、不図示の巻取機により巻き取られる。
本開示のポリマーフィルムの製造方法においては、上記の式で算出される供給部樹脂輸送効率が、0.75≦供給部樹脂輸送効率≦1.0を満たす条件で、原料樹脂の供給及び溶融を行い、押出機によって溶融された原料樹脂をダイからフィルム状に溶融押出しする。
次に、本開示に係るポリマーフィルムの製造方法について、具体的に説明する。
[原料樹脂]
原料樹脂の形状は、ホッパーに投入可能であり、押出機で溶融可能であれば特に限定されず、フレークであってもよく、ペレットであってもよい。原料樹脂は、必要に応じて、後述する他の添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤、紫外線防止剤、レターデーション(光学異方性)調節剤、無機微粒子、剥離促進剤、赤外線吸収剤等が挙げられる。添加剤は、固体でもよく、油状物でもよい。上記添加剤は、第1の樹脂及び第2の樹脂から選択される少なくとも一方の樹脂を含むマスターペレット中に混合してもよい。添加剤が流動性を有する油状物等である場合には、そのまま、押出し機に投入し、押出し機中で第1の樹脂及び第2の樹脂と混合すればよい。添加剤をマスターペレット中に混合する方法としては、国際公開第2017/126572号の段落0043~0047等を参照することができる。
第1の樹脂と第2の樹脂とを混合する方法としては、溶融製膜の際に第1の樹脂及び第2の樹脂をそのまま押出機に投入し、押出機中で溶融混合してもよい。また、第1の樹脂及び第2の樹脂を混合して第2の樹脂が任意の濃度を有するマスターペレットを予め調製し、溶融製膜時に第1の樹脂及びマスターペレットを押出機に投入してもよい。マスターペレットを調製する前に、第1の樹脂を乾燥させておくことが好ましい。また、第2の樹脂も事前に乾燥させておくことが好ましい。
第1の樹脂と、必要に応じて用いられる添加剤とは、溶融製膜を行う前に混合してペレット化することが好ましい。ペレット化を行うにあたり、第1の樹脂は事前に乾燥しておくことが好ましい。また、添加剤として固体状添加剤を使用する場合、添加剤も事前に乾燥させておくことが好ましい。
第1の樹脂及び第2の樹脂の乾燥方法及び乾燥条件は、制限されない。乾燥方法としては、例えば、加熱炉内にて80℃~110℃、好ましくは90℃前後の温度条件で、8時間以上、好ましくは8時間~12時間加熱する方法等が挙げられる。第1の樹脂及び第2の樹脂を乾燥する際の加熱温度及び加熱時間は、第1の樹脂及び第2の樹脂のガラス転移温度(Tg)並びに、第1の樹脂及び第2の樹脂の融点のうち少なくとも1つのパラメータを考慮して決定すればよい。
ペレット化に際し、例えばベント式押出機を用いることで、上記乾燥を省略することもできる。第1の樹脂のペレット化を行う時に、必要に応じて添加される添加剤は、予め第1の樹脂と混合せず、ペレット化に使用される押出機の途中にある原料投入口又はベント口から投入することもできる。
ペレットの大きさは、例えば断面積が1mm~300mm、長さが1mm~30mmが好ましく、より好ましくは断面積が2mm~100mm、長さが1.5mm~10mmである。
溶融製膜を行う前に、ペレット中の水分を減少させることが好ましい。ペレットの乾燥の方法については、目的とする含水率が得られるのであれば制限されない。通常、除湿風乾燥機を用いてペレットを乾燥させることが多い。加熱、送風、減圧、攪拌等の手段を、単独で又はそれらを組み合わせて用いてペレットを乾燥させることが好ましい。また、原料樹脂の供給に乾燥ホッパーを用いることが好ましく、断熱構造を有する乾燥ホッパーを用いることが好ましい。ペレットの乾燥温度は、0℃~200℃であることが好ましく、40℃~180℃であることがより好ましく、60℃~150℃であることが特に好ましい。
原料樹脂として用いる第1の樹脂及び第2の樹脂の含水率は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることがさらに好ましい。
[押出機への原料樹脂の供給]
原料樹脂をホッパー12に投入し、シリンダー44の供給口52からシリンダー44内に供給する。シリンダー44に供給する原料樹脂の熱酸化を抑制する観点から、供給口52における酸素濃度は低いことが好ましく、具体的には体積基準で0.1%以下であることが好ましい。供給口52における酸素濃度を低くする方法としては、原料樹脂を、真空ホッパーを通じて供給口52からシリンダー44内に供給する方法、シリンダー44の供給口52に窒素ガスを供給する方法等が挙げられる。供給口52における酸素濃度は、供給口52に配管(図示せず)を設けて酸素濃度計(図示せず)を接続することによって測定することができる。
上記の供給部樹脂輸送効率の算出式において、Dは、シリンダー44の内径(mm)を示している。シリンダー44の内径Dは、供給部樹脂輸送効率を0.75以上1.0以下に制御して溶融押出しを実施する観点から、10mm~300mmが好ましく、20mm~250mmがより好ましい。
シリンダー44内に供給された原料樹脂はスクリュ50の回転による摩擦と、シリンダー44の周囲に配置されている不図示の温度制御手段と、により徐々に加熱される。原料樹脂を供給口52から供給し、かつ、シリンダー44内で原料樹脂を速やかに溶融させる観点から、原料樹脂は、加熱された状態で供給口から供給されることが好ましい。原料樹脂のガラス転移温度をTg(℃)とした場合に、供給口52からシリンダー44内に供給する原料樹脂の温度が、Tgより90℃低い温度以上であり、かつ、Tgより10℃高い温度以下であることが好ましく、Tgより80℃低い温度以上であり、かつ、Tgより10℃低い温度以下であることがより好ましい。供給口52からシリンダー44内に供給する原料樹脂の温度を上記範囲に制御する方法としては、ホッパーに投入するペレットを予め加熱しておく方法、加熱手段を備えたホッパーを用いる方法、ホッパーとは別に供給口付近に加熱手段を設ける方法等が挙げられる。
[押出機による原料樹脂の溶融]
供給口52からシリンダー44内に供給された原料樹脂は、スクリュ50の回転により、供給部Aにおいて予熱されながら押出口54に向けて輸送される。
上記の供給部樹脂輸送効率の算出式において、Wは、シリンダー内の供給部におけるスクリュ50のフライト間隔(mm)を示している。スクリュフライト間隔Wは、供給部樹脂輸送効率を0.75以上1.0以下に制御して溶融押出しを実施する観点から、10mm~300mmが好ましく、20mm~250mmがより好ましい。
上記の供給部樹脂輸送効率の算出式において、Ψは、供給部Aにおけるスクリュフライト角(°)を示している。供給部Aにおけるスクリュフライト角Ψは、供給部樹脂輸送効率を0.75以上1.0以下に制御して溶融押出しを実施する観点から、5°~30°が好ましく、10°~25°がより好ましい。
スクリュにおけるフライトとしては、フルフライト、ダブルフライト等を採用することができる。圧縮部Bにおいて原料樹脂の溶融混練を促進する観点からダブルフライトスクリュが好ましい。なお、ダブルフライトスクリュとは、圧縮部Bにおいて2枚のフライトがスクリュ軸に螺旋状に配置されているスクリュである。
上記の供給部樹脂輸送効率の算出式において、Hfは、供給部Aにおける溝深さ(mm)、すなわち、供給部Aにおけるスクリュ軸の外周面からスクリュフライトの外周までのスクリュ軸径方向の距離(以下、「供給部溝深さ」ということがある。)を示している。供給部溝深さHfは、供給部樹脂輸送効率を0.75以上1.0以下に制御して溶融押出しを実施する観点から、2mm~30mmが好ましく、3mm~25mmがより好ましい。供給部溝深さは、シリンダー44の内径Dと供給部におけるスクリュ軸の外径d1及びスクリュフライト48の高さによって調整することができる。
シリンダー44内に供給された原料樹脂はスクリュ50の回転による摩擦等によって徐々に加熱される。
上記の供給部樹脂輸送効率の算出式において、Nは、スクリュ回転数(rpm:回転/分)を示している。本開示に係るポリマーフィルムの製造方法では、供給部において原料樹脂が密な状態でスクリュを回転させることになるため、通常は、高いトルク、かつ、比較的低速でスクリュを回転させることになる。そのような観点から、スクリュ回転数(rpm)は、3rpm~150rpmが好ましく、5rpm~100rpmがより好ましい。
供給部Aではシリンダー44内の原料樹脂が全て溶融する必要はないが、圧縮部Bでは原料樹脂が全て溶融する必要がある。一方、供給部Aにおいてスクリュ50の回転によって原料樹脂を圧縮部B側に円滑に送るには、供給部Aと圧縮部Bとにおいて、スクリュ50とシリンダー44と原料樹脂との間の摩擦力に差があることが好ましい。
一般的に、シリンダー44が高温であれば、シリンダー44に対する原料樹脂の摩擦力が高くなり、スクリュ50が低温であれば、スクリュ50に対する原料樹脂の摩擦力が低くなり、摩擦力差が生じて原料樹脂を圧縮部B側に送り易くなるという関係となる。原料樹脂のガラス転移温度をTg(℃)とした場合に、スクリュ50の温度をTgよりも高温にして供給部Aで原料樹脂を軟化させる温度に設定すると、スクリュ50に対する原料樹脂の摩擦力とシリンダー44に対する原料樹脂の摩擦力との差が小さくなり、原料樹脂が圧縮部Bに進み難くなる可能性がある。このような観点から、供給部Aにおけるスクリュの温度を、Tgより80℃低い温度以上であり、かつ、Tgと同じ温度以下に制御することが好ましく、Tgより70℃低い温度以上であり、かつ、Tgより10℃低い温度以下に制御することがより好ましい。例えば、スクリュ軸の内部に熱媒体を循環供給する構造を有するスクリュを用いることでスクリュの温度を高精度に制御することができる。
供給部Aで加熱された原料樹脂は、スクリュの回転により、圧縮部Bに輸送され、圧縮部Bでさらに加熱されて溶融する。圧縮部Bで溶融した原料樹脂は、さらに計量部Cに輸送される。
上記の供給部樹脂輸送効率の算出式において、圧縮比は、「供給部におけるスクリュフライト1ピッチあたりの容積/計量部におけるスクリュフライト1ピッチあたりの容積」を示している。圧縮比は、供給部Aのスクリュ軸の外径d1、計量部Cのスクリュ軸の外径d2、供給部Aの溝深さHf、及び計量部Cの溝深さHmを使用して算出される。
圧縮比が小さ過ぎると、原料樹脂は十分に溶融混練されず、未溶解部分が発生し、製造後のポリマーフィルムに未溶解異物が残存し易くなり、さらに、気泡が混入し易くなる。ポリマーフィルムに未溶解異物、気泡等が存在すると、ポリマーフィルムの強度が低下する可能性があり、また、フィルムを延伸する場合に破断し易くなるため配向を十分に上げることができなくなる可能性がある。一方、圧縮比が大き過ぎると、原料樹脂にかかるせん断応力が大きくなり過ぎて発熱により原料樹脂が劣化し易くなるので、製造後のポリマーフィルムに黄色味が出易くなる可能性がある。また、原料樹脂にかかるせん断応力が大きくなり過ぎると、原料樹脂において分子の切断が起こり、分子量が低下してポリマーフィルムの機械的強度が低下する可能性がある。圧縮比は、上記観点及び供給部樹脂輸送効率を0.75以上1.0以下に制御して溶融押出しを実施する観点から、1.5~4.0が好ましく、2.0~3.5がより好ましい。圧縮比は、シリンダー44の内径D、供給部及び計量部におけるスクリュ軸の外径d1、d2、スクリュ50のフライト間隔W、並びにフライト角Ψのうち少なくとも1つのパラメータを調整することによって調整することができる。
上記の供給部樹脂輸送効率の算出式において、L/Dは20~70が好ましい。L/Dとはシリンダー内径Dに対するシリンダー長さLの比である。押出温度は200℃~300℃に設定されることが好ましい。押出機内の設定温度は、全領域が同じ温度でもよく、領域により異なる温度分布としてもよい。領域により異なる温度分布とすることが好ましく、中でも、押出機において既述の供給部Aの温度を圧縮部Bの温度より高くすることがより好ましい。
上記L/Dが小さ過ぎると、押出機内における原料樹脂の溶融不足、混練不足等が生じ易くなり、圧縮比が小さい場合と同様に、ポリマーフィルムに未溶解異物が発生し易くなる可能性がある。一方、L/Dが大き過ぎると、押出機内での原料樹脂の滞留時間が長くなり過ぎ、原料樹脂の劣化を引き起こし易くなる。また、滞留時間が長くなると原料樹脂において分子の切断に起因して原料樹脂の分子量が低下し、ポリマーフィルムの機械的強度が低下する可能性がある。このような観点から、L/Dは20~70の範囲が好ましく、22~60の範囲がより好ましく、24~50の範囲が特に好ましい。
溶融樹脂は計量部Cを経て、シリンダー44の押出口54から押出される。計量部Cでは溶融樹脂を計量し、押出口54からの押出量が安定化される。
押出機14から押出された溶融樹脂は、配管40を通ってダイ20に向けて輸送される。押出機14の出口にフィルター濾材を設けることが好ましく、いわゆるブレーカープレート式の濾過を行うことが好ましい。また、押出機14から押出された溶融樹脂は、ギアポンプ16及びフィルター18を経てダイ20に輸送されることが好ましい。
[ギアポンプ]
ポリマーフィルムの厚み精度を向上させるために、押出機14から押出される溶融樹脂の吐出量の変動を低く抑えることが重要である。吐出量の変動をより低減させるという観点からは、押出機14とダイ20との間にギアポンプ16を設けて、ギアポンプ16から一定量の溶融樹脂を供給することが好ましい。ギアポンプ16には、ドライブギアとドリブンギアとからなる一対のギアが互いに噛み合った状態で収容されている。ドライブギアを駆動して両ギアを噛み合い回転させることにより、ハウジングに形成されている吸引口から溶融樹脂をキャビティ内に吸引し、同じくハウジングに形成されている吐出口から溶融樹脂を一定量吐出する。押出機の先端部分の樹脂圧力に若干の変動があっても、ギアポンプを用いることにより、製膜装置下流の樹脂圧力の変動を小さくできるため、厚み変動を改善できる。ギアポンプを用いることにより、ダイ部分の樹脂圧力の変動幅を±1%以内にすることが可能である。
ギアポンプによる定量供給性能を向上させるために、スクリュの回転数を変化させて、ギアポンプ前において原料樹脂に掛かる圧力の変動を抑制する方法も用いることができる。また、3枚以上のギアを用いた高精度ギアポンプも圧力の変動を抑制に有効である。
[フィルター]
より高い精度で異物の混入を防ぐために、ギアポンプ16の後にフィルター18を設けることが好ましい。フィルター18としては、いわゆるリーフ型ディスクフィルターを組み込んだ濾過装置が好ましい。押出機から吐出される原料樹脂の濾過は、濾過部を1箇所に設けて行う濾過であってもよく、また、濾過部を複数箇所に設けて行う多段濾過でもよい。フィルター濾材の濾過精度は高い方が好ましい。濾材の耐圧を考慮したり、濾材の目詰まりによる濾圧上昇を抑制したりするという観点から、濾過精度は15μm~3μmが好ましく、10μm~3μmがより好ましい。特に最終的に異物濾過を行うリーフ型ディスクフィルター装置を使用する場合には、品質の上で濾過精度の高い濾材を使用することが好ましく、耐圧、フィルター寿命の適性を確保するために、濾過部に装填する濾材の枚数にて耐圧、フィルターの寿命等を調整することが可能である。
フィルターに用いられる濾材の種類は、高温高圧下で使用される点から鉄鋼材料にて形成された濾材を用いることが好ましい。濾材を形成する鉄鋼材料の中でも特にステンレス鋼、スチールなどを用いることが好ましく、腐食の点からステンレス鋼を用いることがより好ましい。濾材の構成としては、線材を編んで形成された濾材の他に、例えば金属長繊維又は金属粉末を焼結して形成する焼結濾材を使用でき、濾過精度、フィルター寿命の点から焼結濾材が好ましい。
[ダイによる溶融押出し]
押出機14、ギアポンプ16及びフィルター18を経てダイ20に連続的に送られた溶融樹脂は、ダイ20からフィルム状に溶融押出しされる。
ダイ20としては、一般的に用いられるTダイのほか、フィッシュテールダイ、ハンガーコートダイ等を用いてもよい。樹脂温度の均一性向上の観点から、ダイ20の直前にスタティックミキサーを設けてもよい。ダイ20のスリット間隔(以下、「リップクリアランス」ということがある。)は、一般的に、ポリマーフィルムの厚みの1.0倍~5.0倍であるが好ましく、1.2倍~3.0倍であることがより好ましく、1.3倍~2.0倍であることが特に好ましい。リップクリアランスがポリマーフィルムの厚みの1.0倍以上であれば、製膜により面状の良好なポリマーフィルムが得られ易い。また、リップクリアランスがポリマーフィルムの厚みの5.0倍以下であればポリマーフィルムフィルムの厚み精度を向上させることができる。
ダイは、ポリマーフィルムの厚み精度を左右する設備の1つであり、ポリマーフィルムの厚みを高精度に制御できるものが好ましい。通常、ダイから押し出されるポリマーフィルムの厚みの調節を行うための設備(以下、「厚み調節設備」ということがある。)の、ダイの幅方向における設置間隔は40mm~50mmの範囲で選択することができる。厚み調整設備の設置間隔が狭いほど、厚みの制御を詳細に行うことができるという観点から、設置間隔が好ましくは35mm以下、さらに好ましくは25mm以下で厚み調整設備を設置しうる、ポリマーフィルムの厚みの微調整が可能なタイプのダイを用いることが好ましい。また、ポリマーフィルムの均一性をより向上するために、ダイの温度ムラ及び幅方向の流速ムラをできるだけ少なくし得る諸条件に調整することが好ましい。また、下流のポリマーフィルムの厚みを計測して、厚み偏差を計算し、その結果をダイの厚み調整にフィードバックさせる自動厚み調整ダイを用いることも長期連続生産の厚み変動の低減に有効である。
ポリマーフィルムの製造においては、設備コストの安い単層製膜装置が一般的に用いられる。必要に応じて、シリンダー44の外層に設けた多層製膜装置を用いて、機能層を含む2種以上の構造を有するポリマーフィルムを製造することも可能である。多層製膜装置を用いて多層膜を製膜する場合、一般的には、第1の樹脂及び第2の樹脂を含有する基材の表面に、基材よりも厚みの薄い機能層を表層として積層することが好ましい。
上記の供給部樹脂輸送効率の算出式において、Qは、溶融樹脂の押出量(kg/h)を示している。溶融樹脂の押出量(kg/h)は、押出機の供給口への溶融樹脂の供給量(kg/h)に依存し、押出機の押出口からの押出量(kg/h)と見ることもできる。溶融樹脂の押出量Qは、押出機のシリンダーの容量、ダイの種類等にもよるが、供給部樹脂輸送効率を0.75以上1.0以下に制御して溶融押出しを実施する観点から、溶融樹脂の押出量は、0.5kg/h~1800kg/hが好ましく、1kg/h~900kg/hがより好ましい。
[キャスト]
上記条件にて、ダイよりフィルム状に押し出された溶融樹脂をキャスティングロール上において冷却固化し、ポリマーフィルムを得る。なお、溶融樹脂がキャスティングロールに接触する前に、溶融押出された溶融樹脂を遠赤外線ヒーターで加熱することにより、ドラム上でレベリング効果が発現して、溶融押出された溶融樹脂の表面がより均一となり、得られるポリマーフィルムの膜厚分布を小さくし、ダイスジの発生を抑制することができる。
キャスティングロール上で、溶融押出された溶融樹脂に対して、静電印加法、エアーナイフ法、エアーチャンバー法、バキュームノズル法、タッチロール法等の方法を用いることで、キャスティングロールと溶融樹脂との密着性を上げることが好ましい。上記の中でもタッチロール法を用いることが好ましい。タッチロール法は、ダイから吐出された高温の溶融樹脂を、キャスティングロールとキャスティングロール上に配置されたタッチロールとの間で挟み込んで、冷却及び整形(すなわち、表面を平滑にすること)を行う方法である。タッチロールは、通常の剛性の高いロールではなく、弾性を有するロールが好ましい。
タッチロールの温度は、Tgより10℃低い温度以上であり、かつ、Tgより30℃高い温度以下であることが好ましく、Tgより7℃低い温度以上であり、かつ、Tgより20℃高い温度以下であることがより好ましく、Tgより5℃低い温度以上であり、かつ、Tgより10℃高い温度以下であることが特に好ましい。複数のタッチロールを用いる場合、いずれのタッチロールも、上記温度域に調整することが好ましい。さらに、キャスティングロールの温度も、上記したタッチロールの温度域と同様の温度域に調整することが好ましい。
タッチロールとしては、例えば、特開平11-314263号公報、特開平11-235747号公報等に記載のタッチロールが挙げられ、これらの文献に記載のタッチロールは、本開示に係るポリマーフィルムの製造方法に利用できる。
また、吐出された溶融樹脂の冷却は、キャスティングロールを複数本用いて徐冷することがより好ましい。徐冷に用いるキャスティングロールの本数は、制限はされず、目的に応じて適宜選択される。例えば、溶融樹脂の徐冷に3本のキャスティングロールを用いる方法が挙げられるが、この限りではない。吐出された溶融樹脂の冷却に複数のキャスティングロールを用いる場合、タッチロールは最上流側(ダイに近い方)の最初のキャスティングロールにタッチさせる位置に配置することが好ましい。
キャスティングロールの直径は、50mm~5000mmであることが好ましく、100mm~2000mmであることがより好ましく、150mm~1000mmであることが特に好ましい。複数のキャスティングロールを用いる場合、いずれのキャスティングロールも上記直径の範囲であることが好ましい。キャスティングロールを複数用いる場合、隣接するキャスティングロールの間隔は、面間で0.3mm~300mmであることが好ましく、1mm~100mmであることがより好ましく、3mm~30mmであることが特に好ましい。また、キャスティングロールの最上流側のライン速度は20m/分以上70m/分以下とすることが好ましい。
[巻取り]
冷却されたポリマーフィルム(未延伸フィルム)をキャスティングロールから剥ぎ取った後、ニップロール(不図示)を経て巻き取る。
巻取り前に、ポリマーフィルムの両端をトリミングすることも好ましい。トリミングは公知の方法で実施することができる。トリミングに用いるトリミングカッターとしては、ロータリーカッター、シャー刃、ナイフ等の種々のタイプのカッターを用いることができる。カッターの材質としては、炭素鋼、ステンレス鋼等が挙げられる。一般的には、トリミングカッターとして、超硬刃、セラミック刃を備えるカッター用いると、刃物の寿命が長く、また切り粉の発生が抑えられて好ましい。トリミングで切り落とした部分は破砕し、再度原料として使用してもよい。
ポリマーフィルムの片端又は両端に厚み出し加工(ナーリング処理)を行うことも好ましい。厚み出し加工による凹凸の高さは、1μm~200μmであることが好ましく、10μm~150μmであることがより好ましく、20μm~100μmであることが特に好ましい。厚み出し加工においては、両面に凸になる形状としても、片面に凸になる形状としても構わない。厚み出し加工の幅は1mm~50mmであることが好ましく、3mm~30mmであることがより好ましく、5mm~20mmであることが特に好ましい。厚み出し加工は、室温~300℃で実施できる。
ポリマーフィルムを巻き取る際には、ポリマーフィルムの少なくとも一方の面にラミネートフィルムを付けることが、傷防止の観点から好ましい。ラミネートフィルムの厚みは、5μm~200μmであることが好ましく、10μm~150μmであることがより好ましく、15μm~100μmであることが特に好ましい。ラミネートフィルムの材質は、制限されない。ラミネートフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン等が挙げられる。
[延伸]
製膜して得られるポリマーフィルムは、目的に応じて延伸を行うことができる。延伸を行う場合、ポリマーフィルムをそのまま延伸するオンライン延伸を施してもよく、一度ポリマーフィルムを巻き取った後、再度ポリマーフィルムを送り出して延伸するオフライン延伸を施してもよい。
延伸方向としては、ポリマーフィルムの幅方向に延伸する横延伸でもよく、ポリマーフィルムの製膜方向に延伸する縦延伸でもよく、横延伸及び縦延伸の双方を行ってもよい。さらに、延伸と組み合わせて、後述の緩和処理を行ってもよい。
延伸として、横延伸と縦延伸とを組み合わせて行うことが好ましい。横延伸と縦延伸とを行う場合、二軸同時延伸を行ってもよく、逐次延伸を行ってもよい。上記の中でも、まず、縦延伸を行ない、その後、横延伸を行う逐次延伸を行うことがより好ましい。
[緩和処理]
ポリマーフィルムの延伸後に緩和処理を行うことでポリマーフィルムの寸法安定性を改良できる。緩和処理は、延伸フィルムの縦方向及び横方向のうち少なくとも一方の寸法を、例えば、1%~8%程度緩和した状態で、熱固定する熱緩和処理が好ましい。熱緩和処理における温度は、ポリマーフィルムに用いられる樹脂の種類により適宜選択されるが、一般的には、130℃~240℃であることが好ましい。熱緩和は、縦延伸後若しくは横延伸後、又は縦延伸後及び横延伸後に行うことが好ましく、横延伸後に行うことがより好ましい。緩和処理は、ポリマーフィルムの延伸後に連続してオンラインで行ってもよく、延伸後、巻き取ったポリマーフィルムに対し、オフラインで行ってもよい。
<表示装置>
本開示に係る表示装置は、本開示に係るポリマーフィルムを有する。本開示に係るポリマーフィルムは、透明性、耐熱性、及び耐屈曲性に優れるため、種々の表示装置において、例えば光学用ポリマーフィルムとして好適に用いることができる。表示装置としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、液晶表示装置等が挙げられる。
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに制限されるものではない。
<実施例1~18及び比較例1~10>
以下の手順に準じて、実施例1~18及び比較例1~10のポリマーフィルムをそれぞれ製造した。なお、以下の「製膜」においては、供給部樹脂輸送効率を適宜調節してポリマーフィルムを製膜した。供給部樹脂輸送効率の計算に用いる原料樹脂の密度ρとしては、表1に記載の「フィルム全体の比重」の値を使用した。
[マスターペレットの製造]
表1の「マトリクス材料」の欄に記載の樹脂(以下、単に「マトリクス材料」ということがある。)を、100℃で5時間予備乾燥した。なお、実施例1~18で用いたマトリックス材料が第1の樹脂であり、実施例1~18で用いたフィラー材料が第2の樹脂である。
表1の「フィラー材料」の欄に記載の樹脂(以下、単に「フィラー材料」ということがある。)を、80℃で5時間予備乾燥した。
押出機に、マトリクス材料、及びフィラー材料を投入し、次いで、285℃で溶融押出することによって、フィラー材料を30質量%含むマスターペレットを得た。
[製膜]
マトリクス材料と、上記の方法で得たマスターペレットとを、100℃で5時間予備乾燥した。
予備乾燥後、押出機に設けたホッパーに、マトリクス材料、及びマスターペレットを投入し、押出機により285℃で溶融した。なお、上記温度は、圧縮部以降のシリンダーの温度である。また、マトリクス材料、及びマスターペレットの投入量をそれぞれ調節することで、ポリマーフィルムに含まれるフィラー材料の含有量を調節した。
押出機から押出され、配管を通じてギアポンプに輸送された溶融樹脂は、さらにギアポンプから送り出され、濾過精度5μmのリーフ型ディスクフィルターにて濾過された。
濾過後、スリット間隔1.0mm、285℃のコートハンガーダイから、137℃に設定したキャスティングロール1上に溶融樹脂を押出し、これにタッチロール(金属製、133℃に設定)を接触させた。次いで、キャスティングロール2、キャスティングロール3を通過させることで、実施例1~18及び比較例1~10のポリマーフィルムをそれぞれ得た。
<測定>
実施例1~18及び比較例1~10の各ポリマーフィルムについて、以下の測定を行った。測定結果をまとめて表1に示す。
[フィラー材料の含有量]
まず、ポリマーフィルムの幅方向の中心領域から、試験片1cmを採取した。試験片をメチルイソブチルケトン(MIBK)(1000cm)に浸漬し、次いで、溶け残ったフィラー材料を濾過によって収集した。得られたフィラー材料の体積を試験片の体積1cmで除して得られる値に100を乗じた。得られた値をポリマーフィルム中のフィラー材料の含有量とした。
[分散/相溶]
ポリマーフィルム中のフィラー材料の状態を、走査型電子顕微鏡を用いて観察した。観察像において、フィラー材料の粒子の外周を確認できる場合を「分散」とし、フィラー材料の粒子の外周を確認できない場合を「相溶」とした。
[粒子の表面間距離]
ポリマーフィルムにおいて任意に選択した10箇所における断面XZ及び断面YZをそれぞれ、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、合計20枚の観察像を得た。断面XZとは、ポリマーフィルムの幅方向Xに対して平行であって、ポリマーフィルムの厚み方向Zに対して平行な平面XZに沿ってポリマーフィルムを切断した断面をいう。断面YZとは、上記断面XZに直交する断面をいう。観察像の撮影は、観察倍率を100~100,000倍の範囲で調節し、各断面の厚み方向Zに存在する粒子の分散状態を確認可能な視野範囲で行った。次に、各観察像について、任意に選択した10μm×10μmの領域内に存在する粒子の外周をトレースし、画像解析装置を用いてトレース像から各粒子の表面間距離の平均値を測定した。各観察像から得られる合計20点の測定値を平均して算出される値を、粒子の表面間距離とした。
[粒子の最大径]
上記粒子の表面間距離を測定する際に得られた20枚の各観察像について、任意に選択される200個の粒子の外周をトレースし、画像解析装置を用いてトレース像から粒子の円相当径を測定することによって、円相当径の最大値を求めた。各観察像から得られる合計20点の測定値を平均して算出される値を、粒子の最大径とした。
[ガラス転移温度(Tg)]
ポリマーフィルムの幅方向の中心領域から採取した試験片を用いて、示差走査熱量計(DSC-60A、株式会社島津製作所製)を用いてガラス転移温度(Tg)を測定した。
[厚み]
触式膜厚測定機(Mitutoyo ID-C112X)を用い、ポリマーフィルムの幅方向に50mm間隔で厚みを測定した。この操作を、ポリマーフィルム面において長さ方向に沿って1m間隔で合計5セット行い、測定される値の平均値を、ポリマーフィルムの厚みとした。測定結果を表1に示す。
[表面粗さRz]
ポリマーフィルムの表面粗さRzを、JIS B 0601:2013に準じて、触針式粗さ計を用いて測定した。具体的には、ポリマーフィルムの中心領域の10cm×10cmの範囲において、任意に選択した5箇所で表面粗さRzを測定した。合計5点の測定値を平均して算出される値を、ポリマーフィルムの表面粗さRzとした。測定結果を表1に示す。
[破断伸度(折曲後)/破断伸度(折曲前)]
ポリマーフィルムについて、折り曲げ操作前の破断伸度に対する、折り曲げ操作を行った後の破断伸度の比率(%)を、以下の方法にしたがって測定した。
(折り曲げ操作)
長さ75mm、幅20mmの試験片を2枚用意した。一方の試験片に対して、曲率半径Rを1.0mm、折り曲げ角度を180°、折り曲げ回数を100,000回とする条件で折り曲げ操作を行った。折り曲げ操作には、面状体無負荷U字伸縮試験機(DLDMLH-FS、ユアサシステム機器社製)を用いた。
(破断伸度の測定)
チャック間の中心に折り曲げ中心線の位置を合わせて、引張試験機(東洋精機製ストログラフ)に折り曲げ操作を行った試験片を取り付けた。折り曲げ操作を行った試験片を、折り曲げ中心線に対して直交する方向に引っ張り、以下の式より破断伸度を求めた。同様の手順により、折り曲げ操作を行っていない試験片の破断伸度を求めた。折り曲げ操作を行っていない試験片の破断伸度を、折り曲げ操作を行う前の破断伸度とした。得られた測定値から、折り曲げ操作前の破断伸度に対する、折り曲げ操作を行った後の破断伸度の比率(%)を求めた。測定結果を表1に示す。
式:破断伸度(%)=100×(破断の際のチャック間距離-チャック間距離)/(チャック間距離)
[空洞の幅/粒子の直径]
ポリマーフィルムについて、折り曲げ操作を行った後の、空洞の起点となる粒子の直径に対する、粒子の周囲に形成される空洞の幅の比率(%)を、以下の方法にしたがって測定した。
(折り曲げ操作)
長さ75mm、幅20mmの試験片を1枚用意した。試験片に対して、曲率半径Rを1.0mm、折り曲げ角度を180°、折り曲げ回数を100,000回とする条件で折り曲げ操作を行った。折り曲げ操作には、面状体無負荷U字伸縮試験機(DLDMLH-FS、ユアサシステム機器社製)を用いた。
(空洞の幅及び粒子の直径の測定)
折り曲げ中心線に沿って、折り曲げ操作後の試験片を厚み方向に切断する。得られる断面から任意に選択した10箇所を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、合計10枚の観察像を得た。観察像の撮影は、観察倍率を100倍~100,000倍の範囲で調節し、断面の厚み方向に存在する粒子の分散状態を確認可能な視野範囲で行った。次に、各観察像において、空洞の起点となる粒子を200個任意に選択した。各観察像について、任意に選択した空洞の起点となる粒子及び上記粒子の周囲に形成される空洞の外周をトレースし、画像解析装置を用いてトレース像から粒子の円相当径の平均値及び空洞の円相当径の平均値をそれぞれ測定した。粒子の円相当径に関し、各観察像から得られる合計10点の測定値(粒子の円相当径の平均値)を平均して算出される値を、「空洞の起点となる粒子の直径」とした。また、各観察像について空洞の円相当径の平均値と粒子の円相当径の平均値との差(「空洞の円相当径の平均値」-「粒子の円相当径の平均値」)を2で除し、次いで、得られる合計10点の計算値を平均して算出される値を、「粒子の周囲に形成される空洞の幅」とした。
以上の手順によって得られた「空洞の起点となる粒子の直径」及び「粒子の周囲に形成される空洞の幅」に基づいて、折り曲げ操作を行った後の、空洞の起点となる粒子の直径に対する、粒子の周囲に形成される空洞の幅の比率(%)を測定した。測定結果を表1に示す。
<評価>
実施例1~18及び比較例1~10の各ポリマーフィルムについて、以下の評価を行った。評価結果をまとめて表1に示す。
[耐屈曲性]
表1に記載の「破断伸度(折曲後)/破断伸度(折曲前)(%)」に基づいて、以下の基準にしたがって、各ポリマーフィルムの耐屈曲性を評価した。なお、下記基準のA、B、及びCが実用範囲である。
(基準)
A:折り曲げ操作前の破断伸度に対する、折り曲げ操作を行った後の破断伸度の比率(%)≧90%
B:80%≦折り曲げ操作前の破断伸度に対する、折り曲げ操作を行った後の破断伸度の比率(%)<90%
C:70%≦折り曲げ操作前の破断伸度に対する、折り曲げ操作を行った後の破断伸度の比率(%)<80%
D:折り曲げ操作前の破断伸度に対する、折り曲げ操作を行った後の破断伸度の比率(%)<70%
[透明性]
ヘイズメーター(HZ-V3、スガ試験機株式会社製)を用いて、各ポリマーフィルムのヘイズを測定した。下記基準にしたがって、各ポリマーフィルムの透明性を評価した。なお、下記基準のA、B、及びCが実用範囲である。
(基準)
A:0.5%>ポリマーフィルムのヘイズ(%)
B:0.5%≦ポリマーフィルムのヘイズ(%)<1%
C:1%≦ポリマーフィルムのヘイズ(%)<2%
D:ポリマーフィルムのヘイズ(%)≧2%
[耐熱性]
表1に記載の「ポリマーフィルムのTg」及び「マトリックス材料のTg」に基づいて、下記基準にしたがって、各ポリマーフィルムの耐熱性(耐熱性低下率)を評価した。なお、下記基準のA、B、及びCが実用範囲である。
(基準)
A:0℃≦[ポリマーフィルムのTg(℃)]-[マトリックス材料のTg(℃)]<4℃
B:4℃≦[ポリマーフィルムのTg(℃)]-[マトリックス材料のTg(℃)]<7℃
C:7℃≦[ポリマーフィルムのTg(℃)]-[マトリックス材料のTg(℃)]<10℃
D:10℃≦[ポリマーフィルムのTg(℃)]-[マトリックス材料のTg(℃)]
Figure 0007016425000005
表1に記載の略語の詳細は下記のとおりである。
COP:環状オレフィンポリマー(ARTON(登録商標)、JSR株式会社製、ガラス転移温度:151℃)
PC:ポリカーボネート(SDポリカ(登録商標)、住化ポリカーボネート株式会社製、ガラス転移温度:148℃)
PMMA:ポリメタクリル酸メチル(デルペット(登録商標)、旭化成株式会社製、ガラス転移温度:91℃)
PS:ポリスチレン(GPPS、PSジャパン株式会社製、ガラス転移温度:102℃)
PMP:ポリメチルペンテン(TPX(登録商標)、三井化学株式会社製、ガラス転移温度:25℃)
PLA:ポリ乳酸(テラマック(登録商標)、ユニチカ製、ガラス転移温度:64℃)
共重合COP:特許第3327481号公報の段落0171~0179の記載を参考に合成した共重合体(ガラス転移温度:151℃)
PVC:ポリ塩化ビニル(信越PVC、信越化学工業株式会社製、ガラス転移温度Tg:81℃)
PP:ポリプロピレン(ノバテック(登録商標)PP、日本ポリプロ株式会社製、ガラス転移温度:0℃)
SEBS1:スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(タフテック(登録商標)、旭化成株式会社製、ガラス転移温度:-13℃)
SEBS2:スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(タフテック(登録商標)、旭化成株式会社製、ガラス転移温度:9℃)
SEBS3:スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(タフテック(登録商標)、旭化成株式会社製、ガラス転移温度:19℃)
SEBS4:スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(タフテック(登録商標)、旭化成株式会社製、ガラス転移温度:18℃)
SEBS5:スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(タフテック(登録商標)、旭化成株式会社製、ガラス転移温度:-35℃)
MBS:メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(THポリマー、デンカ株式会社製、ガラス転移温度:-50℃)
マトリックス材料及びフィラー材料の上記ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC-60A、株式会社島津製作所製)を用いて測定した値又はカタログ値である。
表1より、実施例1~18のポリマーフィルムにおいては、耐屈曲性、透明性、及び耐熱性に優れていることがわかった。一方、比較例1~10のポリマーフィルムにおいては、耐屈曲性、透明性、又は耐熱性について十分ではなかった。なお、比較例10では、ガラス転移温度(Tg)が30℃を超え、熱可塑性に乏しいフィラー材料を用いたため、耐屈曲性が劣る結果となった。
なお、2018年9月28日に出願された日本国特許出願2018-185544の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。また、本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (12)

  1. 第1の樹脂を含む樹脂相と、前記第1の樹脂を含む樹脂相中に分散され、ガラス転移温度が30℃以下の第2の樹脂を含む複数の粒子と、を含む層を有し、
    前記第1の樹脂は、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、及びポリ乳酸からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であって、
    前記第2の樹脂が、スチレン骨格を有する単量体由来の構成単位を有する共重合体であって、
    前記粒子の表面間距離が、1nm~100nmであって、
    前記粒子の最大径が、200nm以下である、
    ポリマーフィルム。
  2. 少なくとも一方の面の表面粗さRzが、100nm以下である請求項1に記載のポリマーフィルム。
  3. 曲率半径Rを1.0mm、折り曲げ角度を180°、折り曲げ回数を100,000回とする条件で折り曲げ操作を行った後の、前記粒子の周囲に形成される空洞の幅が、前記空洞の起点となる前記粒子の直径の50%以下である請求項1又は請求項2に記載のポリマーフィルム。
  4. 曲率半径Rを1.0mm、折り曲げ角度を180°、折り曲げ回数を100,000回とする条件で折り曲げ操作を行った後の破断伸度が、前記折り曲げ操作前の破断伸度に対して80%~120%である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のポリマーフィルム。
  5. 前記第2の樹脂の含有量が、ポリマーフィルムの全体積に対して、1体積%~20体積%である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のポリマーフィルム。
  6. 前記第1の樹脂が、環状ポリオレフィンである請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のポリマーフィルム。
  7. 前記粒子の表面間距離が、1nm~40nmである請求項1~請求項のいずれか1項に記載のポリマーフィルム。
  8. 前記粒子の最大径が、80nm以下である請求項1~請求項のいずれか1項に記載のポリマーフィルム。
  9. 厚みが5μm~100μmである請求項1~請求項のいずれか1項に記載のポリマーフィルム。
  10. 前記ポリマーフィルムのガラス転移温度TgAと前記第2の樹脂のガラス転移温度Tg2との関係が、TgA-Tg2>30℃を満たす請求項1~請求項のいずれか1項に記載のポリマーフィルム。
  11. 光学用ポリマーフィルムである、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のポリマーフィルム。
  12. 請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のポリマーフィルムを有する表示装置。
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