以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(部品実装装置の構成)
まず、図1~図3を参照して、本発明の一実施形態による部品実装装置1の全体構成について説明する。なお、以下の説明では、基板搬送方向に沿う方向をX方向とし、水平面内でX方向と直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向とする。なお、部品実装装置1は、特許請求の範囲の「基板作業装置」の一例である。
部品実装装置1は、図1に示すように、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品Eを、プリント基板などの基板Aに実装する装置である。部品実装装置1は、基台2と、部品供給部3と、搬送部4と、ヘッドユニット5と、支持部6と、レール部7と、部品撮像装置8と、基板撮像部9と、制御部10(図3参照)とを備えている。なお、電子部品Eは、特許請求の範囲の「対象物」の一例である。また、部品撮像装置8は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
基台2は、部品供給部3、搬送部4、レール部7、部品撮像装置8および制御部10を配置する基礎となる台である。基台2には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、部品供給部3がそれぞれ配置されている。基台2上には、搬送部4、レール部7および部品撮像装置8が設けられている。
部品供給部3は、基板Aに実装される電子部品Eを供給する装置である。部品供給部3は、複数のテープフィーダ3aを含んでいる。テープフィーダ3aは、複数の電子部品Eを保持した部品供給テープ(図示せず)が巻き回されたリール(図示せず)を保持している。また、テープフィーダ3aは、ヘッドユニット5による電子部品Eの取出しのための部品保持動作に応じて、保持されたリールを回転させて部品供給テープを送り出すことにより、電子部品Eを供給するように構成されている。
搬送部4は、実装前の基板Aを搬入し、基板搬送方向(X方向)に搬送し、実装後の基板Aを搬出するように構成されている。また、搬送部4は、搬入された基板Aを実装停止位置Sまで搬送するとともに、実装停止位置Sにおいて基板固定機構(図示せず)により固定するように構成されている。また、搬送部4は、一対のコンベア部4aを含んでおり、一対のコンベア部4aにより、基板Aを基板搬送方向に搬送するように構成されている。
ヘッドユニット5は、図2に示すように、部品実装用のヘッドユニット5であり、実装停止位置Sにおいて固定された基板Aに電子部品Eを実装するように構成されている。具体的には、ヘッドユニット5は、複数(6つ)のヘッド51(実装ヘッド51)と、ヘッド51を上下方向(Z方向)に移動させるためのZ軸モータ52(図3参照)と、ヘッド51の先端に装着されたノズル51aを上下方向に沿って延びる回転軸線周りに回転させるためのR軸モータ53(図3参照)とを含んでいる。
ヘッド51は、真空発生装置(図示せず)に接続されており、真空発生装置から供給される負圧によって、先端に装着されたノズル51aに電子部品Eを保持(吸着)可能に構成されている。また、ヘッド51は、Z軸モータ52により、電子部品Eを保持する際または保持された電子部品Eを実装する際の下降位置と、保持された電子部品Eを基板Aに搬送する際の上昇位置との間で、上下方向に移動可能に構成されている。
支持部6は、図1に示すように、ヘッドユニット5を基板搬送方向(X方向)に移動可能に支持するように構成されている。具体的には、支持部6は、基板搬送方向に延びるボールねじ軸6aと、ボールねじ軸6aを回転させるX軸モータ6bとを含んでいる。ヘッドユニット5には、支持部6のボールねじ軸6aと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。ヘッドユニット5は、X軸モータ6bによりボールねじ軸6aが回転されることにより、ボールねじ軸6aと係合するボールナットとともに、支持部6に沿って基板搬送方向に移動可能に構成されている。
一対のレール部7は、支持部6をY方向に移動可能に支持するように構成されている。具体的には、レール部7は、支持部6のX方向の両端部をY方向に移動可能に支持する一対のガイドレール7aと、Y方向に延びるボールねじ軸7bと、ボールねじ軸7bを回転させるY軸モータ7cとを含んでいる。支持部6には、レール部7のボールねじ軸7bと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。支持部6は、Y軸モータ7cによりボールねじ軸7bが回転されることにより、ボールねじ軸7bと係合するボールナットとともに、一対のレール部7に沿ってY方向に移動可能に構成されている。
このような構成により、ヘッドユニット5は、基台2上を水平方向に(X方向およびY方向に)移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット5は、部品供給部3の上方に移動して、部品供給部3から供給される電子部品Eを保持(吸着)することが可能である。また、ヘッドユニット5は、実装停止位置Sにおいて固定された基板Aの上方に移動して、保持(吸着)された電子部品Eを基板Aに実装することが可能である。
部品撮像装置8は、図1に示すように、ヘッド51による電子部品Eの基板Aへの搬送中に、ヘッド51に保持(吸着)された電子部品Eを撮像する部品認識用のカメラである。部品撮像装置8は、基台2の上面上に固定されており、電子部品Eの下方(Z2方向)から、ヘッド51に保持(吸着)された電子部品Eを撮像するように構成されている。部品撮像装置8による電子部品Eの撮像画像に基づいて、制御部10は、電子部品Eの保持状態(回転姿勢およびヘッド51に対する保持位置)を取得(認識)するように構成されている。なお、支持部6に設けられたX方向エンコーダによるヘッドユニット5のX方向位置と、レール部7に設けられたY方向エンコーダによる支持部6のY方向位置との検知結果により把握されたヘッドユニット5の移動位置に基づいて、部品撮像装置8による電子部品Eの撮像動作(画像取り込み)の開始タイミングが図られるように構成されている。
部品撮像装置8は、図3に示すように、電子部品Eに発光素子11aからの照明光を照射する照明部11と、電子部品Eによる照明光の反射光を受光して電子部品Eを撮像する二次元イメージセンサ12(エリアセンサ)とを備えている。この二次元イメージセンサ12は、たとえば、任意の撮像部分の画像の切り出しが可能なCMOSイメージセンサからなる。二次元イメージセンサ12は、図5に示すように、個々の画素Pが互いに直交する方向にマトリクス状に配置されており、撮像領域が矩形形状に形成されたエリアセンサである。ここで、二次元イメージセンサ12の上方(Z1方向)を通過する電子部品Eの移動方向を第1方向M1とする。また、水平方向において、第1方向M1に直交する方向を第2方向M2とする。なお、第1方向M1および第2方向M2は、それぞれ、特許請求の範囲の「第2方向」および「第1方向」の一例である。
そして、二次元イメージセンサ12は、電子部品Eを第1方向M1に沿って短冊状に等分割した場合に形成される複数のライン状撮像領域を有している。複数のライン状撮像領域は、第1方向M1に複数配置されている。そして、ライン状撮像領域は、一例として、図5に示すライン状撮像領域P5のように、第2方向M2に並んで配置される複数の画素Pとして画素P5a~P5hを有している。なお、ライン状撮像領域P5以外のライン状撮像領域も同様に、第2方向M2に並んで配置される複数の画素Pを有している。
また、部品撮像装置8は、図3に示すように、二次元イメージセンサ12から出力された複数の画像データに基づいて、複数の画像データを合成した合成画像を生成する画像処理部13を含んでいる。具体的には、画像処理部13は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなるメモリ22とを有している。CPU21は、二次元イメージセンサ12から出力された電子部品Eの画像データに対して処理を行うように構成されている。メモリ22は、CPU21による処理が行なわれた画像データが保存されるように構成されている。メモリ22には、二次元イメージセンサ12の複数のライン状撮像領域による電子部品Eの撮像タイミングをチェックするための処理である撮像タイミング検査処理に基づく撮像タイミング検査処理プログラム22aが記憶されている。
また、部品撮像装置8は、二次元イメージセンサ12を複数の撮像部分に分割して個々の撮像部分毎に画像の切り出しを行う撮像制御部14と、撮像制御部14から出力される制御信号に基づいて、照明部11に設けられた発光素子11aを所定のタイミングで点灯させる照明制御部15とを有している。なお、部品実装装置1については、後に詳細に説明を行う。
基板撮像部9は、図1に示すように、ヘッド51による基板Aへの電子部品Eの実装開始前に、基板Aの上面に付された位置認識マーク(フィデューシャルマーク)を撮像するマーク認識用のカメラである。位置認識マークは、基板Aの位置を認識するためのマークである。基板撮像部9による位置認識マークの撮像画像に基づいて、制御部10は、実装停止位置Sにおいて固定された基板Aの正確な位置および姿勢を取得(認識)するように構成されている。
制御部10は、図3に示すように、CPU10aと、ROM、およびRAMなどからなるメモリ10bとを含み、部品実装装置1の動作を制御する制御回路である。制御部10は、部品供給部3、搬送部4、ヘッドユニット5、支持部6、レール部7、部品撮像装置8および基板撮像部9に電気的に接続されている。制御部10は、部品供給部3、搬送部4、ヘッドユニット5、支持部6、レール部7、部品撮像装置8および基板撮像部9などを生産プログラムに従って制御することにより、ヘッドユニット5により基板Aに電子部品Eを実装させる制御を行うように構成されている。
(部品撮像装置の詳細な構成)
ここで、図4に示す比較例に示す部品実装装置では、電子部品Eにおいて二次元イメージセンサにより撮像されていない未撮像部分が、ライン状撮像領域P1~P4のそれぞれに対向したタイミングで、二次元イメージセンサによる撮像が行われる。まず、図4(A)に示す第1回目の撮像では、電子部品Eの先端部分の未撮像部分とライン状撮像領域P1~P4とが対向する撮像タイミングで、二次元イメージセンサにより撮像が行われる。次に、部品実装装置では、電子部品Eの先端部分の次の未撮像部分とライン状撮像領域P1~P4とが対向するタイミング(撮像タイミング)で、二次元イメージセンサによる第2回目の撮像が行われる。なお、撮像タイミングは、ヘッドユニットによる電子部品Eの移動速度と二次元イメージセンサの撮像範囲とに基づいて決定される。
しかし、図4(B)に示すように、想定していた電子部品Eの移動位置よりも第1方向M1とは反対側にずれた移動位置に到達したタイミングで電子部品Eを撮像してしまったとする。この場合、第1回目の撮像時のライン状撮像領域P4により撮像された画像と第2回目の撮像時のライン状撮像領域P1により撮像された画像とが重なって(一点鎖線部分)しまう。また、図4(C)に示すように、想定していた電子部品Eの移動位置よりも第1方向M1にずれた移動位置に到達したタイミングで電子部品Eを撮像してしまったとする。この場合、第1回目の撮像時にライン状撮像領域P1~P4により撮像された画像と第2回目の撮像時にライン状撮像領域P1~P4により撮像された画像との間に抜け(一点鎖線部分)が生じてしまう。
そこで、本実施形態の部品撮像装置8は、想定していた撮像タイミングが、実際の二次元イメージセンサ12による電子部品Eを撮像する撮像タイミングとして適切か否かを確認するように構成されている。以下に、部品撮像装置8について説明する。
具体的には、図5に示すように、部品撮像装置8における複数のライン状撮像領域は、第1撮像領域部12aと、第2撮像領域部12bとを有している。
第1撮像領域部12aは、第1方向M1に配置される複数(一例として4個)のライン状撮像領域P5~P8を有しており、複数のライン状撮像領域P5~P8により電子部品Eの対象部分Tを撮像する。ライン状撮像領域P5は、第1方向M1に直交する第2方向M2に画素Pが複数並んで配置される第1画素群31を有している。ライン状撮像領域P6~P8は、ライン状撮像領域P5と同様に第1画素群31を有している。これにより、第1撮像領域部12aは、ライン状撮像領域P5~P8の各々が第1画素群31を有しているので、第1方向M1に画素Pが複数(一例として4個)並ぶ第3画素群33(図10参照)を有している。なお、ライン状撮像領域P5~P8には、それぞれ、第2方向M2に複数(一例として8個)の画素Pが配置されている。なお、ライン状撮像領域P5~P8は、特許請求の範囲の「撮像領域」の一例である。
第2撮像領域部12bは、図6に示すように、第1撮像領域部12aの第1方向M1側に隣接して配置されている。第2撮像領域部12bは、複数(一例として4個)のライン状撮像領域P1~P4を有しており、複数のライン状撮像領域P1~P4により、第2撮像領域部12bによる対象部分Tの撮像から所定時間経過後の撮像タイミングで電子部品Eの対象部分Tを撮像する。ライン状撮像領域P1は、第2方向M2に画素Pが複数(一例として4個)並んで配置される第2画素群32を有している。ライン状撮像領域P2~P4は、ライン状撮像領域P1と同様に第2画素群32を有している。これにより、第2撮像領域部12bは、ライン状撮像領域P1~P4の各々が第2画素群32を有しているので、第1方向M1に画素Pが複数(一例として8個)並ぶ第4画素群34(図10参照)を有している。なお、ライン状撮像領域P1~P4には、それぞれ、第2方向M2に複数(8個)の画素Pが配置されている。また、ライン状撮像領域P1~P4は、特許請求の範囲の「撮像領域」の一例である。
第2撮像領域部12bは、第1撮像領域部12aのライン状撮像領域P5~P8の数だけ、第1方向M1に配置される複数のライン状撮像領域P1~P4を有している。すなわち、二次元イメージセンサ12において、電子部品Eを撮像するライン状撮像領域P1~P8のうち、1/2のライン状撮像領域に第1撮像領域部12aのライン状撮像領域P5~P8が割り当てられ、残りの1/2のライン状撮像領域に第2撮像領域部12bのライン状撮像領域P1~P4が割り当てられている。
このように、二次元イメージセンサ12では、第1方向M1側に向かって、非撮像領域部、第1撮像領域部12a、第2撮像領域部12bおよび非撮像領域部の順に繋げられている。したがって、第1方向M1に移動する電子部品Eを撮像する際、図5に示すように、まず、電子部品Eが第1撮像領域部12a上を通過する際に、第1撮像領域部12aにより電子部品Eの対象部分Tが撮像される。その後、電子部品Eが第2撮像領域部12b上を通過する際に電子部品Eの同じ対象部分Tが撮像される。このとき、第2撮像領域部12bも撮像を行う。また、第1撮像領域部12aにより、電子部品Eの第1撮像領域部12aによりまだ撮像していない対象部分Tが撮像される。
そして、電子部品Eが第1撮像領域部12aにより撮像されるその都度、ライン状撮像領域P5~P8の第1画素群31により受光された画像信号(画像データ)が二次元イメージセンサ12から出力されて、画像処理部13内のメモリ22に記憶される。また、電子部品Eが第2撮像領域部12bにより撮像されるその都度、ライン状撮像領域P1~P4の第2画素群32により受光された画像信号(画像データ)が二次元イメージセンサ12から出力されて、画像処理部13内のメモリ22に記憶される。なお、一度に画像処理部13に入力されるデータ量が、第1撮像領域部12aおよび第2撮像領域部12bのみに限定されるので、高速に動く電子部品Eであっても、撮像を行うことが可能である。
〈撮像タイミング検査処理プログラム〉
図5~図9に示すように、部品撮像装置8の制御部10は、撮像タイミング検査処理プログラム22aによって、第1撮像領域部12aにより撮像された電子部品Eの対象部分Tの第1画像と、第2撮像領域部12bにより撮像された電子部品Eの同じ対象部分Tの第2画像とを比較するように構成されている。具体的には、制御部10は、撮像タイミング検査処理プログラム22aによって、第1画素群31により計測された複数の第1輝度値のそれぞれと、第1画素群31に対応する第2画素群32により計測された複数の第2輝度値のそれぞれとを比較するように構成されている。
まず、図5に示すように、画像処理部13は、ヘッドユニット5の移動位置に基づく撮像タイミング信号に基づいて、二次元イメージセンサ12により、第1回目の電子部品Eの撮像を行わせる。このとき、第1撮像領域部12aのライン状撮像領域P5~P8は、対象部分Tとして電子部品Eの第1対象部分T1を撮像する。また、第2撮像領域部12bのライン状撮像領域P1~P4は、電子部品Eを撮像していない。ここで、電子部品Eの第1対象部分T1において、二次元イメージセンサ12のライン状撮像領域P5~P8により撮像される電子部品Eの第1撮像部分のうち、ライン状撮像領域P5により撮像された部分を検査対象部分TAとする。このように、画像処理部13は、ライン状撮像領域P5~P8により電子部品Eの対象部分Tである第1画像を取得する。なお、撮像タイミング信号は、ヘッドユニット5の移動による電子部品Eの移動速度と二次元イメージセンサ12の撮像範囲とに基づいて、タイミングがあらかじめ決定されている。なお、第1対象部分T1は、特許請求の範囲の「対象部分」の一例である。
そして、画像処理部13は、ライン状撮像領域P5の第1画素群31により、電子部品Eの検査対象部分TAの輝度値を取得する。対象部分Tにおいて、画素P5a、P5b、P5gおよびP5hのそれぞれに対応する部分は0として、画素P5a、P5b、P5gおよびP5hにより計測されている。また、対象部分Tにおいて、画素P5c~P5fのそれぞれに対応する部分は21として、画素P5c~P5fにより計測されている。
次に、図6に示すように、画像処理部13は、第1回目の撮像から所定時間経過後の撮像タイミングに基づいて、二次元イメージセンサ12により、第2回目の電子部品Eの対象部分Tの撮像を行わせる。このとき、第1撮像領域部12aのライン状撮像領域P5~P8は、それぞれ、対象部分Tとして第2対象部分T2を撮像する。また、第2撮像領域部12bのライン状撮像領域P1~P4は、対象部分Tとして第1対象部分T1を撮像する。ここで、電子部品Eの第1対象部分T1は、第1回目の撮像において、ライン状撮像領域P5~P8により撮像された部分である。電子部品Eの第1対象部分T1において、二次元イメージセンサ12のライン状撮像領域P1~P4により撮像される電子部品Eの第1対象部分T1のうち、ライン状撮像領域P1により撮像される部分が検査対象部分TAである。
このように、画像処理部13は、ライン状撮像領域P1~P4により電子部品Eの第1対象部分T1である第2画像を取得する。
そして、画像処理部13は、ライン状撮像領域P1の第2画素群32により、電子部品Eの対象部分Tの輝度値を取得する。対象部分Tにおいて、画素P1a、P1b、P1gおよびP1hのそれぞれに対応する部分は0として、画素P1a、P1b、P1gおよびP1hにより計測されている。また、対象部分Tにおいて、画素P1c~P1fのそれぞれに対応する部分は21として、画素P1c~P1fにより計測されている。
画像処理部13は、図7に示すように、第1回目の撮像および第2回目の撮像により計測された電子部品Eの検査対象部分TAのそれぞれの輝度値に基づいて、第1画像と第2画像とが整合しているか否かを判断するための比較を行う。まず、画像処理部13は、第1回目の撮像において第1画素群31により計測された複数の輝度値を加算した合計である第1加算合計値を取得するように構成されている。この場合、画像処理部13は、第1加算合計値として84を取得する。次に、画像処理部13は、第2回目の撮像において第2画素群32により計測された複数の輝度値を加算した合計である第2加算合計値を取得するように構成されている。この場合、画像処理部13は、第2加算合計値として84を取得する。なお、第1加算合計値および第2加算合計値は、各々、特許請求の範囲の「加算合計値」の一例である。
これらにより、画像処理部13は、第1回目の撮像における第1加算合計値から第2回目の撮像における第2加算合計値を引いた絶対値をとることにより比較用加算合計値を取得する。この場合、画像処理部13は、比較用加算合計値として0を取得する。そして、画像処理部13は、比較用加算合計値が閾値よりも小さいか否かを判断するように構成されている。この場合、閾値はたとえば10であるので、画像処理部13は、比較用加算合計値が閾値よりも小さいと判断したことに基づいて、第1画像の検査対象部分TAと第2画像の検査対象部分TAとが整合していると判断する。この結果、画像処理部13は、電子部品Eを撮像する撮像タイミングが適切な撮像タイミングであると判断する。すなわち、画像処理部13は、電子部品Eを撮像するためにヘッドユニット5がヘッド51を移動させる移動速度と二次元イメージセンサ12の撮像範囲との間にずれが生じていないと判断する。なお、閾値は、特許請求の範囲の「第3閾値」の一例である。
次に、図8および図9に示すように、画像処理部13が、図6の場合とは異なる第1回目の撮像から所定時間経過後の撮像タイミングに基づいて、二次元イメージセンサ12により、第2回目の電子部品Eの対象部分Tの撮像を行わせた場合を説明する。
図8(A)の場合、第1撮像領域部12aのライン状撮像領域P5~P8は、第1撮像領域部12aのライン状撮像領域P5~P8は、それぞれ、電子部品Eの第1対象部分T1を含む電子部品Eの第3対象部分T3を撮像する。また、第2撮像領域部12bのライン状撮像領域P1~P4は、第1対象部分T1の一部を撮像する。ここで、電子部品Eの第1対象部分T1の検査対象部分TAは、第1回目の撮像において、ライン状撮像領域P5により撮像された部分である。このとき、画像処理部13は、ライン状撮像領域P1により電子部品Eが写っていない画像を取得する。
そして、画像処理部13は、ライン状撮像領域P1の第2画素群32により、電子部品Eの対象部分Tの輝度値を取得する。対象部分Tにおいて、画素P1a~P1hのそれぞれに対応する部分は0として、画素P1a~P1hにより計測されている。これにより、画像処理部13は、図8(B)に示すように、第2加算合計値として0を取得する。
そして、画像処理部13は、第1回目の撮像における第1加算合計値(84)から第2回目の撮像における第2加算合計値(0)を引いた絶対値をとることにより比較用加算合計値として84を取得する。ここで、画像処理部13は、閾値はたとえば10であるので、比較用加算合計値が閾値よりも大きいと判断したことに基づいて、第1画像のライン状撮像領域P5の画像と第2画像のライン状撮像領域P1の画像とが整合していないと判断する。この結果、画像処理部13は、電子部品Eを撮像する撮像タイミングが適切な撮像タイミングではないと判断する。すなわち、画像処理部13は、電子部品Eを撮像するためにヘッドユニット5がヘッド51を移動させる移動速度と二次元イメージセンサ12の撮像範囲との間にずれが生じていると判断する。
この場合では、電子部品Eを撮像する撮像タイミングが早すぎることから、電子部品Eを撮像するためにヘッドユニット5がヘッド51を移動させる移動速度の設定が小さすぎることが原因であると考えられる。これにより、ヘッドユニット5の移動速度を大きくする必要がある。
図9(A)の場合、第1撮像領域部12aのライン状撮像領域P5~P8は、電子部品Eの第4対象部分T4を撮像する。また、第2撮像領域部12bのライン状撮像領域P1~P4は、第1対象部分T1の一部分と、第1対象部分T1と第4対象部分T4との間の部分である第5対象部分T5とを撮像する。ここで、電子部品Eの第1対象部分T1は、第1回目の撮像において、ライン状撮像領域P5~P8により撮像された部分である。このとき、画像処理部13は、ライン状撮像領域P1~P4により電子部品Eの第1対象部分T1の一部分と第5対象部分T5とが写った画像を取得する。
そして、画像処理部13は、ライン状撮像領域P1の第2画素群32により、電子部品Eの撮像部分の輝度値を取得する。撮像部分において、画素P1a、P1b、P1gおよびP1hのそれぞれに対応する部分の輝度値は0として、画素P1a、P1b、P1gおよびP1hにより計測されている。また、第1対象部分T1において、画素P1c~P1fのそれぞれに対応する部分の輝度値は120として、画素P1c~P1fにより計測されている。これにより、画像処理部13は、図9(B)に示すように、第2加算合計値として480を取得する。
そして、画像処理部13は、第1回目の撮像における第1加算合計値(84)から第2回目の撮像における第2加算合計値(480)を引いた値の絶対値をとることにより比較用加算合計値として396を取得する。ここで、画像処理部13は、閾値は10であるので、比較用加算合計値が閾値よりも大きいと判断したことに基づいて、第1画像のライン状撮像領域P5の画像と第2画像のライン状撮像領域P1の画像とが整合していないと判断する。この結果、画像処理部13は、電子部品Eを撮像する撮像タイミングが適切な撮像タイミングではないと判断する。すなわち、画像処理部13は、電子部品Eを撮像するためにヘッドユニット5がヘッド51を移動させる移動速度と二次元イメージセンサ12の撮像範囲との間にずれが生じていると判断する。
この場合では、電子部品Eを撮像する撮像タイミングが遅いことから、電子部品Eを撮像するためにヘッドユニット5がヘッド51を移動させる移動速度の設定が大きいことが原因であると考えられる。これにより、ヘッドユニット5の移動速度を小さくする必要がある。
ここまで、画像処理部13が、第1撮像領域部12aおよび第2撮像領域部12bによる電子部品Eの撮像タイミングにずれが生じているか否かを判断する例を示した。次に、画像処理部13が、複数のライン状撮像領域P1~P8が受光した画像の輝度値を加算する例について説明する。
図10に示すように、画像処理部13は、第2撮像領域部12bの撮像タイミングが適正である場合には、第1撮像領域部12aにより撮像された第1画像と、第2撮像領域部12bにより撮像された第2画像とを合成することにより、第1画像の輝度値と第2画像の輝度値とが加算された第3画像を取得するように構成されている。具体的には、画像処理部13は、撮像タイミング検査処理プログラム22aにより、ライン状撮像領域P5~P8が取得した電子部品Eの画像信号(画像データ)と、ライン状撮像領域P1~P4が取得した電子部品Eの画像信号(画像データ)とを、メモリ22において積算するデータ処理を行う。
ここで、画像処理部13によるデータ処理は、ライン状撮像領域P5~P8の各々に設けられた第1画素群31のそれぞれの輝度値と、第1画素群31に対応する、ライン状撮像領域P1~P4に設けられた第2画素群32のそれぞれの輝度値とを加算することにより行われる。一例として、第1撮像領域部12aのライン状撮像領域P5~P8の各々の画素P5a~P8aと、第2撮像領域部12bのライン状撮像領域P1~P4の各々の画素P1a~P4aとを用いて、画像処理部13によるデータ処理を説明する。
図10(A)に示すように、第1回目の撮像において、第1撮像領域部12aが電子部品Eの第1対象部分T1を撮像し、第2撮像領域部12bは電子部品Eを撮像しない。これにより、画像処理部13は、ライン状撮像領域P1~P8のそれぞれの対応する画素P1a~P8aにより、それぞれ、0、0、0、0、7、51、40および35という輝度値を取得し、第1加算用輝度値としてメモリ22に保存する。そして、図10(B)に示すように、第2回目の撮像において、第1撮像領域部12aが電子部品Eの第2対象部分T2を撮像し、第2撮像領域部12bは電子部品Eの第1対象部分T1を撮像する。これにより、画像処理部13は、ライン状撮像領域P1~P8のそれぞれの対応する画素P1a~P8aにより、それぞれ、7、51、40、35、70、62、41および38という輝度値を取得し、第2加算用輝度値としてメモリ22に保存する。
図10(C)に示すように、画像処理部13は、第1加算用輝度値の第1画像の第1対象部分T1に対応する輝度値と第2加算用輝度値の第2画像の第1対象部分T1に対応する輝度値とを加算する。すなわち、画像処理部13は、画素P5aに対応する第1加算用輝度値の輝度値7と、画素P1aに対応する第2加算用輝度値の輝度値7とを加算することにより、第2撮像領域部12bの画素P1aに対応する第3画像の輝度値として14を取得する。画像処理部13は、同様の処理を行い、第2撮像領域部12bの画素P2a~P4aに対応する第3画像の輝度値として102、80および70を取得する。このように、画像処理部13は、輝度値が加算された画像データである第3画像を取得して、メモリ22に保存する。そして、画像処理部13は、画像データである第3画像を部品実装装置1の制御部10に出力する。
これにより、ライン状撮像領域P1~P8の各々が受光した画像の輝度値(濃度値)が十分に得られていない場合であっても、個々の第1画像と第2画像とを足し合わせることによって、十分な輝度値(濃度値)を有する画像データである第3画像を得ることが可能となる。画像処理部13は、二次元イメージセンサ12による撮像が行われる毎に、このような処理を行う。
(撮像タイミング検査処理フロー)
次に、図11を参照して、画像処理部13による撮像タイミング検査処理フローをフローチャートに基づいて説明する。撮像タイミング検査処理フローの各処理は、画像処理部13により行われる。
図11に示すように、まず、ステップS1において、画像処理部13は、撮像制御部14により、「部品画像取り込み信号」が検知されたか否かを判断する。画像処理部13は、「部品画像取り込み信号」が検知されていた場合には、ステップS2に進む。また、画像処理部13は、「部品画像取り込み信号」が検知されていない場合には、ステップS1に戻り、再度、「部品画像取り込み信号」の検知を行う。ステップS2において、画像処理部13は、撮像制御部14が照明部11に指示を送信することにより、照明光を電子部品Eに照射させる。
ステップS3において、画像処理部13は、撮像制御部14により、「撮像タイミング信号」が検知されたか否かを判断する。ここで、「撮像タイミング信号」は、X方向エンコーダによるヘッドユニット5のX方向位置と、Y方向エンコーダによる支持部6のY方向位置との検知結果により把握されたヘッドユニット5の移動位置に基づく信号、または、先の撮像から所定時間経過した後に出力される信号である。ステップS4において、画像処理部13は、撮像制御部14により、電子部品Eを撮像させる。ステップS5において、画像処理部13部は、撮像した部品画像をメモリ22に記憶させる。ステップS6において、画像処理部13は、撮像回数が1回を超えているか否かを判断する。画像処理部13は、撮像回数が1回を超えていた場合には、ステップS7に進む。また、画像処理部13は、撮像回数が1回以下の場合には、ステップS3に戻る。
ステップS7において、画像処理部13は、先の部品画像の所定のライン状撮像領域により取得された複数の輝度値を加算して第1加算輝度値を取得する。ここで、先の部品画像とは、前回の撮像タイミングにおいて撮像された部品画像である。ステップS8において、画像処理部13は、後の部品画像の所定のライン状撮像領域により取得された複数の輝度値を加算して第2加算輝度値を取得する。ここで、後の部品画像とは、今回の撮像タイミングにおいて撮像された部品画像である。ステップS9において、画像処理部13は、第1加算輝度値と第2加算輝度値との差の絶対値が閾値未満か否かを判断する。画像処理部13は、第1加算輝度値と第2加算輝度値との差の絶対値が閾値未満であった場合には、ステップS10に進む。画像処理部13は、第1加算輝度値と第2加算輝度値との差の絶対値が閾値以上であった場合には、第2撮像領域部12bの撮像タイミングが適切ではないと判断し、ステップS15に進む。ステップS15において、画像処理部13は、エラー処理を行い、第2撮像領域部12bの撮像タイミングが適切ではないことをユーザーに報知する。このとき、画像処理部13は、電子部品Eの撮像位置および撮像範囲の各々をユーザーに確認させる。
ステップS10において、画像処理部13は、先の部品画像(第1画像)における電子部品Eの対象部分Tの第1加算用輝度値を取得する。ステップS11において、画像処理部13は、後の部品画像(第2画像)における電子部品Eの対象部分Tの第2加算用輝度値を取得する。ステップS12において、画像処理部13は、第1加算用輝度値と第2加算用輝度値とを加算する。ステップS13において、画像処理部13は、加算結果を新たな部品画像(第3画像)としてメモリ22に保存する。ステップS14において、画像処理部13は、撮像終了か否かを判断する。画像処理部13は、撮像を終了する場合には、そのまま撮像タイミング検査処理を終了する。画像処理部13は、撮像を続ける場合には、ステップS3に戻る。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、部品実装装置1は、電子部品Eの対象部分Tを撮像する第1撮像領域部12aと、第1撮像領域部12aと第1方向M1に並んで配置され、第1撮像領域部12aによる対象部分Tの撮像から所定時間経過後の撮像タイミングで対象部分Tと同一部分を撮像する第2撮像領域部12bとを含んでいる。そして、画像処理部13は、第1撮像領域部12aにより撮像された対象部分Tの第1画像と、第2撮像領域部12bにより撮像された対象部分Tの第2画像との比較に基づいて、第2撮像領域部12bによる撮像タイミングが適正か否かを判断するように構成されている。これにより、第1画像および第2画像のそれぞれは、同じ対象部分Tを撮像した画像になるはずなので、第1画像と第2画像との比較において差異点が検出されることにより、部品撮像装置8の撮像範囲と電子部品Eとの間に生じたずれに起因する第2撮像領域部12bの撮像タイミングのずれを検出することができる。この結果、第2撮像領域部12bの撮像タイミングがずれている場合には、部品撮像装置8による撮像を停止し、撮像タイミングがずれていない場合には、部品撮像装置8による撮像を停止しないようにすれば、電子部品Eの画像の一部が抜けていたり、電子部品Eの画像の一部が重複していたりすることを抑制することができるので、基板Aへの部品の実装作業といった作業の確認を正しく行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、第2撮像領域部12bは、第1撮像領域部12aと第2方向に隣接して配置されている。画像処理部13は、第1撮像領域部12aによる対象部分Tの撮像を行う撮像タイミングの次の撮像タイミングにおいて、隣接する第2撮像領域部12bによる対象部分Tと同一部分の撮像が行われるように構成されている。これにより、第1撮像領域部12aにより撮像された第1画像と、第2撮像領域部12bにより撮像された第2画像との比較を速やかに行うことができるので、第1画像と第2画像との比較に対する、誤った判定に起因する部品実装装置1の不必要な停止を早期に抑制することができる。
また、本実施形態では、第1撮像領域部12aおよび第2撮像領域部12bは、それぞれ、複数の画素Pを有している。画像処理部13は、第1撮像領域部12aの画素Pにより計測された輝度値と、第2撮像領域部12bの画素Pにより計測された輝度値との比較に基づいて、第2撮像領域部12bによる撮像タイミングが適正か否かを判断するように構成されている。これにより、輝度値同士を比較することにより、第1画像および第2画像同士の差異を容易に得ることができる。また、輝度値のみを利用した比較により第2撮像領域部12bによる撮像タイミングが適正か否かを容易に判断することが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部13は、第1画素群31においてそれぞれ計測された複数の輝度値の加算合計値と、第2画素群32においてそれぞれ計測された複数の輝度値の加算合計値との差の絶対値が第3閾値よりも小さいことに基づいて、第2撮像領域部12bによる撮像タイミングが適正であると判断するように構成されている。このように構成すれば、第1画素群31により計測された輝度値と第2画素群32により計測された複数の輝度値のそれぞれを加算合計値同士の比較を1回行うだけなので、撮像タイミングの判断処理の処理効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部13は、第2撮像領域部12bによる撮像タイミングが適正である場合には、第1撮像領域部12aにより撮像された第1画像と、第2撮像領域部12bにより撮像された第2画像とを合成することにより、第1画像の輝度値と第2画像の輝度値とが加算された第3画像を取得するように構成されている。これにより、第1撮像領域部12aの複数の撮像領域の各々が受光した画像の輝度値が十分に得られていない場合であっても、第1画像の輝度値と第2画像の輝度値とが加算されるので、十分な輝度値を有する第3画像を得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の撮像領域における対象部分Tの撮像を行う複数の撮像領域のうち、1/2の撮像領域に第1撮像領域部12aが配置されるとともに、残りの1/2の撮像領域に第2撮像領域部12bが配置されている。これにより、電子部品Eの対象部分Tの撮像を行う複数のライン状撮像領域P1~P8の全てを第1撮像領域部12aおよび第2撮像領域部12bに割り当てた上で、第1画像の輝度値と第2画像の輝度値とによる加算が行われるので、複数のライン状撮像領域P1~P8における第1撮像領域部12aおよび第2撮像領域部12bにより有効に活用することできるとともに、十分な輝度値を有する第3画像を得ることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、撮像タイミングが適切であるか否かを判断するために、画像処理部13が、第1画素群31により計測された複数の輝度値の第1加算合計値と、第2画素群32により計測された複数の第2加算合計値との差の絶対値が閾値よりも小さいか否かを判断する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図12に示す第1変形例のように、画像処理部が、撮像タイミングが適切であるか否かを判断するために、第1画素群231から選択される第1グループ(点線)内の複数の画素のそれぞれの輝度値と、第2画素群232から選択される第2グループ(点線)内の複数の画素のそれぞれの輝度値との差の絶対値が閾値よりも小さいか否かを判断してもよい。これにより、第1画素群231のうちから選択された第1グループの複数の画素と、第2画素群232のうちから選択された第2グループの複数の画素とを比較しているだけなので、第1画素群231の画素と第2画素群232の画素とを比較する場合よりも、第2撮像領域部による撮像タイミングが適正であるか否かを判断するのに必要な処理量を減少させることができる。なお、閾値は、特許請求の範囲の「第2閾値」である。
また、図13に示す第2変形例のように、画像処理部が、ライン状撮像領域P5~P8により計測された複数の輝度値のそれぞれと、ライン状撮像領域P1~P5により計測された複数の輝度値のそれぞれとの差が、閾値よりも小さいか否かをそれぞれ判断してもよい。これにより、第1画素群331により計測された複数の輝度値および第2画素群332により計測された複数の輝度値を比較して、第2撮像領域部による撮像タイミングが適正であると判断するので、第2撮像領域部による撮像タイミングが適正である否かを正確に判断することができる。なお、閾値は、特許請求の範囲の「第1閾値」である。
また、上記実施形態では、画像処理部13が、第1画素群31により計測された複数の輝度値のそれぞれと、第2画素群32により計測された複数の輝度値のそれぞれとに基づいて、第2撮像領域部12bによる撮像タイミングが適切か否かを判断するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図14に示す第3変形例のように、第3画素群433により計測された複数の輝度値のそれぞれと、第4画素群434により計測された複数の輝度値のそれぞれとに基づいて、第2撮像領域部による撮像タイミングが適切か否かを判断してもよい。ここで、図14(A)に示すように、第1撮像領域部12aは、複数の画素Pとして第1方向M1に画素Pが並ぶ第3画素群433を有している。また、第3画素群433は、第1方向M1に配置される複数のライン状撮像領域P5~P8の各々における第2方向M2の一方端の画素P5a~P8aを有している。画素P5a~P8aは、第1方向M1に配置される画素Pである。そして、第2撮像領域部12bは、複数の画素Pとして第1方向M1に画素Pが並ぶ第4画素群434を有している。また、第4画素群434は、第1方向M1に配置される複数のライン状撮像領域P1~P4の各々における第2方向M2の一方端の画素P1a~P4aを有している。画素P1a~P4aは、第1方向M1に配置される画素Pである。これにより、図14(B)に示すように、第1撮像領域部12aにおいて複数のライン状撮像領域にまたがって配置される第3画素群433により計測された複数の輝度値Lu1と、第2撮像領域部12bにおいて複数のライン状撮像領域にまたがって配置される第4画素群434により計測された複数の輝度値Lu2とに基づいて、第2撮像領域部12bによる撮像タイミングが適正か否かを判断することできる。この結果、1つの撮像領域の範囲では撮像できなかった第1画像と第2画像との差異を検出することができるので、より適切に第2撮像領域部12bによる撮像タイミングが適正か否かを判断することできる。
なお、この場合において、画像処理部13は、第3画素群433により計測された複数の輝度値の加算値と第4画素群434により計測された複数の輝度値の加算値とに基づいて、撮像タイミングが適切か否かを判断してもよい。また、第3画素群433により計測された複数の輝度値から選択された第1グループ内の複数の輝度値と第4画素群434により計測された複数の輝度値から選択された第2グループ内の複数の輝度値のそれぞれとに基づいて、撮像タイミングが適切か否かを判断してもよい。また、第3画素群433により計測された複数の輝度値のそれぞれと第4画素群434により計測された複数の輝度値のそれぞれとに基づいて、撮像タイミングが適切か否かを判断してもよい。
また、上記実施形態では、特許請求の範囲の「基板作業装置」として部品実装装置1を例として示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、特許請求の範囲の「基板作業装置」は、基板上のメタルマスクにはんだを塗布する塗付作業を行うヘッドを有する印刷装置であってもよい。この場合、ヘッドユニットに取り付けられている撮像部により、特許請求の「対象物」としてのはんだの検査のために撮像を行う際に、撮像タイミング検査処理プログラムが実行される。
また、上記実施形態では、部品撮像装置8は、任意の撮像部分の画像の切り出しが可能なCMOSイメージセンサである二次元イメージセンサ12を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品撮像装置は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを有していてもよい。
また、上記実施形態では、第1撮像領域部12aおよび第2撮像領域部12bが、二次元イメージセンサ12の中央部に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1撮像領域部および第2撮像領域部は、二次元イメージセンサのどの部分に配置されてもよい。
また、上記実施形態では、第1撮像領域部12aと第2撮像領域部12bとは、隣接して配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1撮像領域部と第2撮像領域部とは離間して配置されてもよい。
また、上記実施形態では、第1撮像領域部12aが有する複数の撮像領域の数と第2撮像領域部12bが有する複数の撮像領域の数とは同じである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図15に示す第4変形例のように、電子部品Eの同じ対象部分Tを撮像することが可能であれば、電子部品Eが第1方向M1に移動する前に電子部品Eを撮像するライン状撮像領域の数と、電子部品Eが第1方向M1に移動した後に電子部品Eを撮像するライン状撮像領域の数とが異なっていてもよい。具体的には、図15(A)に示すように、複数のライン状撮像領域P1~P5のうちライン状撮像領域P5を第1撮像領域部512aとして、まず、複数のライン状撮像領域P1~P5により、電子部品Eが撮像される。この際、ライン状撮像領域P5において撮像された電子部品Eの部分が対象部分Tである。次に、電子部品Eが第1方向M1に移動した後、図15(B)に示すように、複数のライン状撮像領域P1~P5のうち、第2撮像領域部512bをライン状撮像領域P3として、複数のライン状撮像領域P3~P5により、電子部品Eが撮像される。この際、ライン状撮像領域P3において撮像された電子部品Eの対象部分Tが、先に第1撮像領域部512aであるライン状撮像領域P5により撮像された対象部分Tと同じである。このようにして、移動前の電子部品Eの撮像時の5つのライン状撮像領域P1~P5による撮像と、移動後の電子部品Eの撮像時の3つのライン状撮像領域P3~P5による撮像とでライン状撮像領域の数が異なっていても、先に第1撮像領域部512aであるライン状撮像領域P5により撮像された対象部分Tと、後に第2撮像領域部512bであるライン状撮像領域P3により撮像された対象部分Tとの比較により、撮像タイミングのずれを検出することが可能である。そして、検出された撮像タイミングのずれに基づいて、撮像タイミングのずれを修正することができる。
また、上記実施形態では、第1撮像領域部12aが有する複数の撮像領域の数および第2撮像領域部12bが有する複数の撮像領域の数が、各々、4本である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1撮像領域部が有する複数の撮像領域の数および第2撮像領域部が有する複数の撮像領域の数は、各々、1~3本または5本以上であってもよい。
また、上記実施形態では、画像処理部13が、撮像タイミング検査処理プログラム22aをメモリ22に記憶している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部が、撮像タイミング検査処理プログラムをメモリに記憶していてもよい。
また、上記実施形態では、部品実装装置1の部品撮像装置8において、撮像タイミング検査処理プログラム22aが実行される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヘッドユニットに取り付けられている基板撮像部において、撮像タイミング検査処理プログラムが実行されてもよい。これにより、基板撮像部においても、撮像タイミングが適正か否かを判断しながら、電子部品または基板などの撮像を行うことが可能である。
また、上記実施形態では、部品実装装置において、ヘッドユニット5により電子部品Eが部品撮像装置8に対して相対的に移動する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装装置において、基板撮像部が部品撮像装置の機能を兼ねるとともに、基板撮像部がヘッドユニットに対して相対的に移動可能に設けられることにより、基板撮像部が電子部品に対して相対的に移動し、基板撮像部による電子部品の撮像が行われてもよい。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部10の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。