JP7011681B2 - 車体側部構造 - Google Patents
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Description
したがって、従来技術と比較してさらなる軽量化をするとともに電食の発生を抑制した車体側部構造を提供できる。
連結部材と延長部材とが同材接合部で接合されることにより、ホイールハウスアウタとサイドパネルアウタとが連結される。また、延長部材は、車体のフロアパネルと接続されている。これにより、ホイールハウスアウタ、サイドパネルアウタ及びフロアパネル間を強固に結合できる。同材接合部は、リアホイールを囲うホイールハウスアウタの後端部に設けられるため、被水し易い環境に晒されている。このように被水し易い同材接合部を鋼同士、すなわち同材同士の接合とすることにより、同材接合部における電食の発生を抑制できる。よって、軽量化のためにホイールハウスアウタやサイドパネルアウタ等をアルミニウム合金製にした場合であっても、鋼製の車体部材との間における電食の発生を抑制できる。
同様に、延長部材は、延長接合部において車室外側からサイドパネルアウタに接合されている。これにより、サイドパネルアウタの車室内側の壁面を伝って上方から降りてくる水がサイドパネルアウタの端部に溜まることを抑制できる。よって、シーラの塗布が難しい車室内側の壁面において、電食の発生し易い環境が形成されることを抑制し、電食を効果的に抑制できる。一方、車室外側に露出した延長部材の端部にはシーラ等を容易に配置できるので、車室外側からの水の侵入を抑制し、電食の発生を抑制できる。
図1は、実施形態に係る車体側部構造1の外観斜視図である。
車体側部構造1は、車体の両側部に左右一対設けられている。左右一対の車体側部構造1は対称な構成となっている。このため、以下の説明では車体左方に設けられる車体側部構造1について説明し、車体右方に設けられる車体側部構造1についての説明を省略する。
車体側部構造1は、サイドパネルユニット50と、アウタパネルユニット2と、ホイールハウスユニット3と、を備える。
サイドパネルユニット50は、複数のドア開口17を有する枠状に形成されている。サイドパネルユニット50は、フロントピラー51と、センターピラー52と、リアピラー53と、ルーフサイドレール54と、ロッカ55と、を有する。
フロントピラー51、センターピラー52、及びリアピラー53は、車体の前方から後方に向かって順に配設されている。フロントピラー51、センターピラー52、及びリアピラー53は、それぞれ上下方向に沿って延びている。フロントピラー51とセンターピラー52との間に前側ドアのドア開口17が設けられている。センターピラー52とリアピラー53との間に後側ドアのドア開口17が設けられている。
ロッカ55は、サイドパネルユニット50の下部を形成している。ロッカ55には、フロントピラー51、センターピラー52、及びリアピラー53の下端部が接続されている。ロッカ55は、前後方向に沿って延びている。
アウタパネルユニット2は、サイドパネルユニット50の上部から後部に亘って設けられている。アウタパネルユニット2は、サイドパネルユニット50の上部及び後部を車幅方向の外側から覆っている。
アウタパネルユニット2は、サイドパネルアウタ4と、延長部材5と、を備える。
図2及び図3に示すように、延長部材5は、サイドパネルアウタ4の後端部に接続されている。延長部材5は、鋼製の材料により形成されている。延長部材5は、サイドパネルアウタ4よりも下方に設けられている。延長部材5は、サイドパネルアウタ4の後端部の下端辺4aに接合されて延長接合部15を形成している。延長接合部15において、サイドパネルアウタ4及び延長部材5は、不図示の接着剤が介在された状態で、クリンチングにより機械的に結合されている。サイドパネルアウタ4の下端辺4aは、前方から後方へ向かうにつれて上方へ位置するように傾斜している。延長部材5は、車幅方向から見て、サイドパネルアウタ4の下端辺4aに沿う延長接合部15を斜辺とする三角形状に形成されている。
延長部材5の内フランジ23のうち車幅方向の内側を向く面には、フロアパネル10が接続されている。つまり、サイドパネルアウタ4は、延長部材5を介して車体のフロアパネル10と連結されている。
図5は、実施形態に係るホイールハウスユニット3の斜視図である。図6は、実施形態に係るホイールハウスユニット3の分解図である。図5及び図6では、サイドパネルアウタ4の図示を省略している。
ホイールハウスユニット3は、サイドパネルアウタ4より車幅方向の内側に設けられている。ホイールハウスユニット3は、リアホイール20の上部に設けられている。ホイールハウスユニット3は、ホイールハウスアウタ6と、ホイールハウスインナ7と、補強部材8と、連結部材9と、を備える。
ホイールアーチ31の車幅方向外側の端部は、サイドパネルアウタ4と接合されている。ホイールアーチ31とサイドパネルアウタ4とが接合された部分は、第一接合部11とされている。第一接合部11は、アルミニウム合金同士、すなわち同材同士の接合部となっている。第一接合部11において、サイドパネルアウタ4は、ホイールハウスアウタ6のホイールアーチ31に沿って接合されている。第一接合部11において、サイドパネルアウタ4及びホイールハウスアウタ6は、接着剤28による接着結合と、ヘミング加工による機械的結合と、を併用して互いに結合されている。具体的に、サイドパネルアウタ4は、ホイールアーチ31に対して車幅方向の外側から接着剤28により結合されている。この状態で、更にサイドパネルアウタ4の端部が内側に折り曲げられてホイールアーチ31の端部を挟持することにより、サイドパネルアウタ4とホイールアーチ31とが機械的に結合されている。
傾斜壁部42は、ダンパベース41の外周部に接続されている。傾斜壁部42は、ダンパベース41の外周部から下方に向けて延びている。傾斜壁部42は、上下方向から見て、車幅方向の内側に凸となる半円形状に形成されている。傾斜壁部42は、ダンパベース41に接続された上端部から下方へ向かうにつれて、上下方向に直交する断面視における半円形状の直径が漸次大きくなるように傾斜している。ダンパベース41及び傾斜壁部42により、車幅方向の外側に開口する開空間が形成される。開空間の内部には、ダンパやリアホイール20の一部が配置される。
インナ縦壁43の端部は、ホイールハウスアウタ6のアウタ縦壁32と接合されている。インナ縦壁43とアウタ縦壁32とが接合された部分は、第二接合部12とされている。第二接合部12は、鋼とアルミニウム合金との異種金属同士の接合部となっている。第二接合部12において、ホイールハウスインナ7及びホイールハウスアウタ6は、接着剤により互いに接着されている。ホイールハウスアウタ6のアウタ屈曲部33は、ホイールハウスインナ7のインナ屈曲部44よりもリアホイール20から離間した位置に設けられている。アウタ屈曲部33の外周部とインナ縦壁43との間には、シーラ34が設けられている。シーラ34は、第二接合部12におけるホイールハウスインナ7とホイールハウスアウタ6との合わせ面への水の侵入を抑制している。
インナ縦壁43のうちインナ屈曲部44とは反対側の端部と、アウタ縦壁32のうちアウタ屈曲部33に接続される基端部と、は第二接合部12において接合される。これにより、ホイールハウスインナ7とホイールハウスアウタ6との間には、空間が形成される。この空間は、リアホイール20やダンパ等が収容されるホイール収容部40(図5参照)となっている。
図9に示すように、補強部材8の側板部61は、サイドパネルアウタ4に形成された燃料供給開口21の周縁部と接合されている。補強部材8の側板部61とサイドパネルアウタ4の燃料供給開口21の周縁部とが接合された部分は、第三接合部13とされている。第三接合部13は、アルミニウム合金同士、すなわち同材同士の接合部となっている。第三接合部13において、補強部材8及びサイドパネルアウタ4は、接着剤29により互いに接着結合されている。
後板部63は、側板部61の後端部に接続されている。後板部63は、前後方向を厚み方向とする三角形板状に形成されている。
図10に示すように、第三フランジ66は、インナ縦壁43と接合されて縦面接合部45を形成している。縦面接合部45は、上下方向に沿って補強部材8の第三フランジ66とホイールハウスインナ7のインナ縦壁43とを接合している。縦面接合部45は、鋼とアルミニウム合金との異種金属同士の接合部となっている。縦面接合部45において、第三フランジ66とインナ縦壁43との間にはシーラ47が設けられている。シーラ47は、縦面接合部45の車室外側に設けられている。具体的に、縦面接合部45のシーラ47は、ホイール収容部40内に露出するように設けられている。これにより、リアホイール20や路面等から飛散した水の縦面接合部45における合わせ面への侵入が抑制されている。
インナ縦壁43のうち、第二接合部12においてアウタ縦壁32と接合される部分、及び縦面接合部45において第三フランジ66と接合される部分には、段差部46が設けられている。具体的に、第二接合部12において、ホイールアーチ31の内周面は、傾斜壁部42の内周面よりもリアホイール20から離間した位置に設けられる。これにより、ホイールアーチ31の内周面と傾斜壁部42の内周面との間には、段差部46が設けられている。また、縦面接合部45において、補強部材8の前板部62及び後板部63の内周面は、傾斜壁部42の内周面よりもリアホイール20から離間した位置に設けられる。これにより、補強部材8の前板部62及び後板部63の内周面と傾斜壁部42の内周面との間には、段差部46が設けられている。段差部46は、第二接合部12及び縦面接合部45に沿って連続して設けられている。段差部46におけるホイールハウスアウタ6とホイールハウスインナ7との間には、シーラ34,47が塗布される。これにより、段差部46は、シーラ34,47の塗布作業を容易にするとともに、シーラ34,47の塗布量を管理し易くする機能を有している。
連結接合部14において、連結部材9は、ホイール収容部40内側(車室外側)からホイールハウスアウタ6に接合されている。車室外側に露出した連結部材9の上端部には、シーラ69が設けられている。シーラ69は、連結接合部14におけるホイールハウスアウタ6と連結部材9との合わせ面への水の侵入を抑制している。また、上下方向及び車幅方向を面方向とする連結部材9に対して上方からホイールアーチ31の下端壁が接合される。これにより、連結部材9及びホイールアーチ31は、連結接合部14の車室内側の面を伝って降りてくる水が連結接合部14に溜まることを抑制している。
次に、上述の車体側部構造1の作用、効果について説明する。
本実施形態の車体側部構造1によれば、サイドパネルアウタ4に加え、ホイールハウスアウタ6をアルミニウム合金製の材料で形成することにより、車体側部構造1をより一層軽量化できる。サイドパネルアウタ4及びホイールハウスアウタ6は、第一接合部11において、ホイールアーチ31に沿って互いに接合されている。これにより、第一接合部11は、アルミニウム合金同士、すなわち同材同士が接合された接合部となるので、第一接合部11における電食の発生を抑制できる。また、外観上見えやすいホイールアーチ31に設けられた第一接合部11における電食錆の発生を抑制できるので、車体側部構造1の外観を良好に維持できる。
ホイールハウスインナ7のインナ縦壁43及びホイールハウスアウタ6は、第二接合部12において互いに接合されている。第二接合部12では、鋼とアルミニウムとの異種金属同士が接合されている。車室内側に位置するインナ縦壁43に沿って第二接合部12を設けることにより、第二接合部12の合わせ面に水が溜まり難い構造とすることができる。これにより、異種金属同士の接合であっても、例えば車室外側からシーラ34等を塗布することで、合わせ面への水の侵入を効果的に抑制し、電食の発生を抑制することができる。
したがって、従来技術と比較してさらなる軽量化をするとともに電食の発生を抑制した車体側部構造1を提供できる。
同様に、延長部材5は、延長接合部15において車室外側からサイドパネルアウタ4に接合されている。これにより、サイドパネルアウタ4の車室内側の壁面を伝って上方から降りてくる水がサイドパネルアウタ4の端部に溜まることを抑制できる。よって、シーラの塗布が難しい車室内側の壁面において、電食の発生し易い環境が形成されることを抑制し、電食を効果的に抑制できる。一方、車室外側に露出した延長部材5の端部にはシーラ26等を容易に配置できるので、車室外側からの水の侵入を抑制し、電食の発生を抑制できる。
上述の実施形態では、延長接合部15及び連結接合部14における機械的結合としてクリンチング加工が施された構成について説明したが、これに限られない。クリンチングの代わりにリベット加工を施すことにより機械的に結合してもよい。
フロントホイールの外周部に上述の構成を適用してもよい。
4 サイドパネルアウタ
5 延長部材
6 ホイールハウスアウタ
7 ホイールハウスインナ
8 補強部材
9 連結部材
10 フロアパネル
11 第一接合部
12 第二接合部
13 第三接合部
14 連結接合部
15 延長接合部
16 同材接合部
20 リアホイール(ホイール)
21 燃料供給開口
26,34,47,69 シーラ
31 ホイールアーチ
32 アウタ縦壁
33 アウタ屈曲部
43 インナ縦壁
45 縦面接合部
Claims (5)
- アルミニウム合金製のサイドパネルアウタと、
前記サイドパネルアウタより車幅方向の内側に設けられ、ホイールの外周部に沿うホイールアーチを有するアルミニウム合金製のホイールハウスアウタと、
前記ホイールハウスアウタより前記車幅方向の内側に設けられる鋼製のホイールハウスインナと、
前記サイドパネルアウタと前記ホイールハウスアウタとを前記ホイールアーチに沿って接合する第一接合部と、
前記ホイールハウスインナのうち上下方向に沿って延びるインナ縦壁と前記ホイールハウスアウタとを接合する第二接合部と、
前記ホイールハウスアウタの後端部に接合されて連結接合部を形成する鋼製の連結部材と、
前記サイドパネルアウタの後端部に接合されて延長接合部を形成するとともに車体のフロアパネルと接続される鋼製の延長部材と、
を備え、
前記ホイールハウスアウタは、リアホイールを囲うように設けられており、
前記連結部材と前記延長部材とは、互いに接合されて同材接合部を形成することを特徴とする車体側部構造。 - 前記ホイールハウスアウタの上部に取り付けられるアルミニウム合金製の補強部材と、
前記サイドパネルアウタに形成された燃料供給開口の周縁部と前記補強部材とを接着により接合する第三接合部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。 - 前記補強部材は、ダンパベースを含む前記ホイールハウスインナと上下方向に沿う縦面接合部において接合され、
前記縦面接合部の車室外側にはシーラが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車体側部構造。 - 前記連結部材は、前記連結接合部において車室外側から前記ホイールハウスアウタに接合され、
前記延長部材は、前記延長接合部において前記車室外側から前記サイドパネルアウタに接合されることを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。 - 前記ホイールハウスアウタは、
前記第二接合部において前記ホイールハウスインナの前記インナ縦壁と接合されるアウタ縦壁と、
前記アウタ縦壁の前記ホイール側の端部から前記インナ縦壁と反対側に向かって屈曲されるアウタ屈曲部と、
を有し、
前記アウタ屈曲部は、前記インナ縦壁の前記ホイール側の端部よりも前記ホイールから離間した位置に設けられ、
前記アウタ屈曲部の外周部と前記インナ縦壁との間にシーラが設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車体側部構造。
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