JP7009923B2 - 物理量測定装置、電子機器及び移動体 - Google Patents

物理量測定装置、電子機器及び移動体 Download PDF

Info

Publication number
JP7009923B2
JP7009923B2 JP2017210816A JP2017210816A JP7009923B2 JP 7009923 B2 JP7009923 B2 JP 7009923B2 JP 2017210816 A JP2017210816 A JP 2017210816A JP 2017210816 A JP2017210816 A JP 2017210816A JP 7009923 B2 JP7009923 B2 JP 7009923B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
detection
failure diagnosis
physical quantity
switch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017210816A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019082442A (ja
Inventor
憲行 村嶋
哲平 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2017210816A priority Critical patent/JP7009923B2/ja
Priority to CN201811265252.1A priority patent/CN109724580A/zh
Priority to US16/174,653 priority patent/US11014571B2/en
Publication of JP2019082442A publication Critical patent/JP2019082442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7009923B2 publication Critical patent/JP7009923B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W50/00Details of control systems for road vehicle drive control not related to the control of a particular sub-unit, e.g. process diagnostic or vehicle driver interfaces
    • B60W50/02Ensuring safety in case of control system failures, e.g. by diagnosing, circumventing or fixing failures
    • B60W50/0205Diagnosing or detecting failures; Failure detection models
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5607Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using vibrating tuning forks
    • G01C19/5614Signal processing
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C21/00Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00
    • G01C21/10Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration
    • G01C21/12Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration executed aboard the object being navigated; Dead reckoning
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C25/00Manufacturing, calibrating, cleaning, or repairing instruments or devices referred to in the other groups of this subclass
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W50/00Details of control systems for road vehicle drive control not related to the control of a particular sub-unit, e.g. process diagnostic or vehicle driver interfaces
    • B60W50/02Ensuring safety in case of control system failures, e.g. by diagnosing, circumventing or fixing failures
    • B60W50/0205Diagnosing or detecting failures; Failure detection models
    • B60W2050/0215Sensor drifts or sensor failures

Description

本発明は、物理量測定装置、電子機器及び移動体等に関する。
従来より、センサー素子からの検出信号に基づいて物理量を検出する物理量測定装置が知られている。ジャイロセンサーを例にとれば、物理量測定装置は物理量として角速度等を検出する。ジャイロセンサーは、例えばデジタルカメラ、スマートフォン等の電子機器や、車、飛行機等の移動体に組み込まれ、検出された角速度等の物理量を用いて、手振れ補正、姿勢制御、GPS自律航法等が行われる。
このような物理量測定装置における故障診断手法としては、例えば特許文献1、2、3、4に開示される従来技術が知られている。特許文献1では、センサー素子の検知板(検出素子)と駆動板(駆動素子)との機械結合に起因する機械結合信号を検出手段により検出することで、故障診断を実現している。特許文献2でも同様に、振動子自身が励振することによって発生する自己振動成分(漏れ振動)を監視することで、故障診断を実現している。特許文献3では、自己振動成分を抽出し、温度特性補正手段によって温度補正を行うことで、精度の高い故障診断を実現している。特許文献4の角度センサーは、第1、第2のD/A変換回路と第1、第2の積分回路と比較回路を備えるΣΔ変調器を有している。そして互いに逆電位となる電源電圧を供給する第1、第2の電圧源と第1、第2のスイッチを用いて、第1、第2の検出電極のいずれかの検出電極周りの断線を検出する故障診断を実現している。
特開平8-327363号公報 特開2000-171257号公報 特開2010-25695号公報 特開2011-27455号公報
しかしながら、物理量測定装置の故障診断に振動漏れ成分(自己振動成分、機械結合信号)を用いる特許文献1~3の手法では、センサー素子の個体ばらつきの影響を受けやすく、故障診断の判定精度が悪くなる傾向があった。また振動漏れ成分が構造上少ないセンサー素子では、確実な故障診断を行うため、所望の振動漏れ成分をトリミング技術等を用いて精度よく作り込む必要があった。また振動漏れ成分を電気的に抽出するため、コリオリ力を検波する回路とは別に振動漏れ成分を検波する同期検波回路が必要であり、チップサイズが大きくなり、製品の小型化や低コスト化の妨げとなっていた。また振動漏れ成分の抽出回路が必要になり、この抽出回路のトラブルによっても故障と判断されてしまうという問題があった。また特許文献4の従来技術では、故障診断用に逆電位の電源電圧を供給する第1、第2の基準電圧が別途に必要になり、第1、第2の検出電極のどちらの検出電極周りに断線が生じたのかを判別できないという問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は態様として実現することが可能である。
本発明の一態様は、駆動電極と第1の検出電極と第2の検出電極とを有し、前記駆動電極と前記第1の検出電極との間及び前記駆動電極と前記第2の検出電極との間に容量結合が形成されるセンサー素子と、前記駆動電極に駆動信号を供給する駆動回路と、前記第1の検出電極からの第1の検出信号及び前記第2の検出電極からの第2の検出信号に基づいて物理量に対応した物理量情報を検出する検出回路と、故障診断回路と、を有する回路装置と、を含み、前記回路装置は、前記第1の検出信号が入力される第1の端子と前記検出回路との間に設けられる第1のスイッチと、前記第2の検出信号が入力される第2の端子と前記検出回路との間に設けられる第2のスイッチと、を有し、前記故障診断回路は、前記第1、第2のスイッチの接続状態を変化させたときの前記検出回路の検出結果に基づいて、故障診断を行う物理量測定装置に関係する。
本発明の一態様では、センサー素子の駆動電極と第1の検出電極との間及び駆動電極と第2の検出電極との間に容量結合が形成される。これにより、駆動回路の駆動信号の信号成分が当該容量結合を介して回路装置の第1、第2の端子に伝わるようになる。また回路装置では、センサー素子からの第1の検出信号が入力される第1の端子と検出回路との間に第1のスイッチが設けられ、センサー素子からの第2の検出信号が入力される第2の端子と検出回路との間に第2のスイッチが設けられる。そして故障診断の際に第1、第2のスイッチの接続状態が変化する。これにより、容量結合を介して回路装置の第1、第2の端子に伝わった信号成分が、第1、第2のスイッチがオンであるか、オフであるかに応じて、検出回路に伝わったり、伝わらなかったりする。従って、第1、第2のスイッチの接続状態に応じて、検出回路からの検出結果が変化するようになり、故障診断回路は、この検出結果の変化に基づき、第1、第2の検出信号のいずれの信号経路で故障が発生したのかを判別して検出できるようになる。従って、第1、第2のスイッチの接続状態を変化させるという簡素な処理、構成で、第1、第2の検出信号の信号経路での故障を判別して検出できる物理量測定装置等の提供が可能になる。
また本発明の一態様では、前記接続状態は、前記第1のスイッチがオフとなり、前記第2のスイッチがオンとなる第1の接続状態と、前記第1のスイッチがオンとなり、前記第2のスイッチがオフとなる第2の接続状態を含み、前記故障診断回路は、前記第1、第2のスイッチが前記第1の接続状態であるときの前記検出回路の検出結果値である第1の故障診断値と、前記第1、第2のスイッチが前記第2の接続状態であるときの前記検出回路の検出結果値である第2の故障診断値とに基づいて、故障診断を行ってもよい。
このようにすれば、第1の接続状態においては、第1のスイッチがオフになり、第2のスイッチがオンになることで、容量結合を介した信号成分が、第1の検出信号の信号経路では検出回路に伝わらず、第2の検出信号の信号経路では検出回路に伝わるようになる。一方、第2の接続状態においては、第1のスイッチがオンになり、第2のスイッチがオフになることで、容量結合を介した信号成分が、第1の検出信号の信号経路では検出回路に伝わり、第2の検出信号の信号経路では検出回路に伝わらないようになる。従って、故障診断回路が検出回路の検出結果に基づき故障診断を行うことで、第1、第2の検出信号の信号経路での故障を判別して検出できるようになる。
また本発明の一態様では、前記接続状態は、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチがオンになる第3の接続状態を含み、前記故障診断回路は、前記第1、第2の故障診断値と、前記第1、第2のスイッチが前記第3の接続状態であるときの前記検出回路の検出結果値である第3の故障診断値とに基づいて、故障診断を行ってもよい。
このようにすれば、第1、第2の故障診断値に加えて、第3の故障診断値を用いて、故障診断を行うことが可能になり、故障診断の判定精度の向上等を図れる。
また本発明の一態様では、前記故障診断回路は、前記第1、第2、第3の故障診断値の比較判定処理により、故障診断を行ってもよい。
このようにすれば、第1、第2、第3の故障診断値の比較判定を行うという簡素な処理で、適切な故障診断を実現できるようになる。
また本発明の一態様では、前記駆動回路は、矩形波の前記駆動信号を出力し、前記検出回路は、前記駆動信号に基づく同期検波を行う同期検波回路を含んでもよい。
このように矩形波の駆動信号で駆動して、容量結合を介して検出可能な信号(静電漏れ信号)の同期検波を行うことで、正弦波の駆動信号で駆動する場合に比べて、安定した故障診断を実現でき、判定精度を向上できる。例えば同期検波回路の同期検波により、矩形波の駆動信号の立ち上がりエッジや立ち下がりエッジでの検出回路の検出結果が適切に取り込まれるようになり、故障診断の判定精度の向上等を図れる。
また本発明の一態様では、一端が前記第1の端子に接続される前記第1のスイッチの他端と、アナロググランドのノードとの間に設けられ、前記第1のスイッチがオフのときにオンになる第3のスイッチと、一端が前記第2の端子に接続される前記第2のスイッチの他端と、前記アナロググランドのノードとの間に設けられ、前記第2のスイッチがオフのときにオンになる第4のスイッチと、を含んでもよい。
このようにすれば、第1のスイッチがオフの場合には第3のスイッチがオンになることで、第1の端子のノードをアナロググランドに設定し、第2のスイッチがオフの場合には第4のスイッチがオンになることで、第2の端子のノードをアナロググランドに設定することができ、適切な故障診断の実現が可能になる。
また本発明の一態様では、前記検出回路は、第1の出力端子と第1の入力端子との間に設けられた第1のキャパシターと、第2の出力端子と第2の入力端子との間に設けられた第2のキャパシターとを有し、前記第1、第2の検出信号の差動増幅を行う増幅回路を含み、前記増幅回路の前記第1の入力端子と前記回路装置の前記第1の端子との間に前記第1のスイッチが設けられ、前記増幅回路の前記第2の入力端子と前記回路装置の前記第2の端子との間に前記第2のスイッチが設けられてもよい。
このようにすれば、容量結合の結合キャパシターと増幅回路の第1、第2のキャパシターを利用して、検出回路の検出結果に基づく故障診断を実現できるようになる。
また本発明の一態様では、前記故障診断回路は、前記第1、第2のスイッチの接続状態を変化させたときの前記検出回路のデジタルデータの検出結果値に基づいて、故障診断を行ってもよい。
このようにすれば、検出回路の検出結果値を用いたデジタル演算処理により、故障の発生を検出できるようになり、簡素な処理での故障診断を実現することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記故障診断回路は、前記センサー素子の発振起動期間において、故障診断を行ってもよい。
このように発振駆動期間で故障診断を行えば、第1、第2の検出信号の信号経路にある第1、第2のスイッチのオン、オフを行っても、検出回路の検出処理には影響を与えないため、適切な故障診断と検出処理を両立して実現できるようになる。
また本発明の一態様では、前記故障診断回路は、前記駆動回路による前記センサー素子の駆動開始後の前記発振起動期間において、故障診断を行ってもよい。
このようにすれば、発振起動期間において駆動回路の駆動信号の電圧レベルを変化させながら、第1、第2のスイッチの接続状態を変化させて、故障診断を行うことなどが可能になる。
また本発明の一態様では、前記故障診断回路は、前記検出回路の検出期間において、前記検出回路で発生するフロアノイズの指標情報を、前記検出回路の検出結果に基づいて求め、前記指標情報に基づいて故障診断を行ってもよい。
このようにフロアノイズの指標情報を用いることで、故障の発生を適切に検出することが可能になる。また、検出処理を行う検出期間においても故障検出が可能になり、常時故障診断の実現が可能になる。
また本発明の他の態様は、上記に記載の物理量測定装置を含む電子機器に関係する。
また本発明の他の態様は、上記に記載の物理量測定装置を含む移動体に関係する。
本実施形態の物理量測定装置の構成例。 物理量測定装置の詳細な構成例。 センサー出力電圧の温度特性の例。 駆動電極と検出電極の間に形成される容量結合の説明図。 本実施形態の故障診断手法についての説明図。 本実施形態の故障診断手法についての説明図。 本実施形態の動作の一例を説明する信号波形図。 本実施形態の動作の一例を説明する信号波形図。 フロアノイズ検出により故障診断を行う場合の物理量測定装置の構成例。 増幅回路のフロアノイズの説明図。 ノイズゲイン(ノイズ伝達関数)の特性例。 ノイズゲイン(ノイズ伝達関数)の特性例。 フロアノイズ検出回路の構成例。 センサー素子の構成例。 駆動用端子、検出用端子を覆うように誘電体を設ける手法の説明図。 センサー素子の動作説明図。 電子機器の構成例。 移動体の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.物理量測定装置
図1に本実施形態の物理量測定装置5の構成例を示す。物理量測定装置5(物理量検出装置、センサーデバイス)は、センサー素子10と回路装置20を含む。なお物理量測定装置5は図1の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
センサー素子10(物理量トランスデューサー、振動子)は、物理量を検出するための素子である。例えばセンサー素子10は振動片(振動子)を有し、この振動片の振動を利用して物理量が検出される。例えばセンサー素子10がジャイロセンサー素子である場合には、物理量として角速度が検出される。なおセンサー素子10により検出される物理量は、角速度以外の物理量(例えば加速度、角加速度、速度、移動距離又は圧力等)であってもよい。
センサー素子10は、駆動電極13と検出電極15、16を有し、駆動電極13と検出電極15(第1の検出電極)との間、及び、駆動電極13と検出電極16(第2の検出電極)との間に容量結合(静電容量結合)が形成されている。例えば駆動電極13と検出電極15、16との間に寄生容量による容量結合が形成(構成)されている。駆動電極13は、後述の図14で説明するような駆動アーム18A~18Dに設けられた駆動電極(駆動用導電体パターン)であってもよいし、当該駆動電極に接続されている駆動用配線(駆動配線導電体パターン)であってもよい。検出電極15、16も、検出アーム19A、19Bに設けられた検出電極(検出用導電体パターン)であってもよいし、当該検出電極に接続されている検出用配線(検出配線導電体パターン)であってもよい。なお、本実施形態では、検出電極15(第1の検出電極)と検出電極16(第2の検出電極)とが、差動信号の関係にある検出信号S1(第1の検出信号)と検出信号S2(第2の検出信号)とをそれぞれ出力するように設けられている例となっている。
回路装置20は、駆動回路30と検出回路60と故障診断回路150を含む。また回路装置20は、スイッチSW1(第1のスイッチ)、スイッチSW2(第2のスイッチ)や、端子TD、TS1、TS2(パッド)を含む。駆動回路30は、センサー素子10の駆動電極13に駆動信号DSを供給する。例えば端子TD(駆動用端子)を介して駆動信号DSをセンサー素子10に供給する。例えば駆動電極13に駆動信号DSが供給されることでセンサー素子10の振動片が振動する。検出回路60は、センサー素子10の検出電極15からの検出信号S1(第1の検出信号)が端子TS1(第1の端子)を介して入力され、検出電極16からの検出信号S2(第2の検出信号)が、端子TS2(第2の端子)を介して入力される。そして検出電極15、16からの検出信号S1、S2に基づいて物理量に対応した物理量情報(角速度、加速度等)を検出する。例えば駆動信号DSによりセンサー素子10の振動片が振動し、これにより検出電極15、16から電流信号又は電圧信号である検出信号S1、S2が出力される。検出回路60は、これらの検出信号S1、S2に基づいて、物理量に対応する所望信号(コリオリ力信号等)を検出して、物理量情報を検出する。例えば検出回路60は、増幅回路61と同期検波回路81を有する。増幅回路61は検出信号S1、S2の信号増幅(差動増幅)を行い、同期検波回路81は、増幅回路61による増幅後の信号に基づいて同期検波を行い、所望信号(所望波)を検出する。
回路装置20はスイッチSW1、SW2を含む。スイッチSW1(第1のスイッチ)は、検出信号S1(第1の検出信号)が入力される端子TS1(第1の端子)と検出回路60(増幅回路61)との間に設けられる。スイッチSW2(第2のスイッチ)は、検出信号S2(第2の検出信号)が入力される端子TS2(第2の端子)と検出回路60(増幅回路61)との間に設けられる。これらのスイッチSW1、SW2は、例えば故障診断回路150(処理回路)によりオン、オフ制御される。なお検出回路60がスイッチSW1、SW2のオン、オフ制御を行ったり、後述する図9のレジスター部180によりスイッチSW1、SW2のオン、オフ制御を行ってもよい。またスイッチSW1、SW2はトランジスターにより実現できる。具体的にはスイッチSW1、SW2としてはMOSトランジスターを用いることができる。またスイッチSW1、SW2をトランスファーゲートにより実現してもよい。
故障診断回路150(異常診断回路)は、物理量測定装置5の故障診断(異常状態の診断)を行う回路である。故障診断回路150は、ゲートアレイなどの自動配置配線で実現される回路であってもよいし、DSP、MPU等のプロセッサーにより実現される回路であってもよい。例えば故障診断回路150は、検出回路60の検出結果である検出結果値DQに基づいて故障診断を行う。検出回路60がA/D変換回路を有している場合に、この検出結果値DQは、A/D変換回路によりA/D変換されたデジタルデータである。故障診断回路150は、スイッチSW1、SW2の接続状態を変化させたときの検出回路60の検出結果である検出結果値DQに基づいて、故障診断を行う。このようにすれば、スイッチSW1、SW2のオン、オフを制御することで、その接続状態を変化させ、各接続状態での検出結果をモニターするだけで、故障診断を実現できるようになる。従って、スイッチSW1、SW2をオン、オフするという簡素な処理、構成で、検出信号S1、S2の信号経路での故障を判別して検出できる故障診断の実現が可能になる。また結合容量の容量値を小さくしてノイズを低減することと、故障診断とを両立して実現することも可能になる。なお接続状態は、スイッチSW1、SW2の各々がオン又はオフになることによる複数の状態である。検出回路60の検出結果は、物理量情報を検出する通常の検出処理と同様の検出処理により得られる結果である。例えば通常の検出処理においては、検出回路60の検出結果である検出結果値DQは、検出された物理量情報を表す値となる。
例えばスイッチSW1、SW2の接続状態は、スイッチSW1がオフとなり、スイッチSW2がオンとなる第1の接続状態と、スイッチSW1がオンとなり、スイッチSW2がオフとなる第2の接続状態を含む。この場合に故障診断回路150は、スイッチSW1、SW2が第1の接続状態であるときの検出回路60の検出結果値DQである第1の故障診断値と、スイッチSW1、SW2が第2の接続状態であるときの検出回路60の検出結果値DQである第2の故障診断値とに基づいて、故障診断を行う。このようにすれば、スイッチSW1、SW2の接続状態を第1、第2の接続状態に設定し、第1、第2の接続状態での検出結果値DQを、第1、第2の故障診断値として故障診断回路150が取得することで、物理量測定装置5の故障診断を実現できるようになる。これにより、例えば検出信号S1、S2のいずれの信号経路で故障が発生したのかを判別して検出できるようになる。
またスイッチSW1、SW2の接続状態は、スイッチSW1及びスイッチSW2がオンになる第3の接続状態を含むことができる。この場合に故障診断回路150は、上記の第1、第2の故障診断値と、スイッチSW1、SW2が第3の接続状態であるときの検出回路60の検出結果値DQである第3の故障診断値とに基づいて、故障診断を行う。このようにすれば、スイッチSW1、SW2の接続状態を第1、第2、第3の接続状態に設定し、第1、第2、第3の接続状態での検出結果値DQを、第1、第2、第3の故障診断値として故障診断回路150が取得することで、物理量測定装置5の故障診断を実現できるようになる。これにより、例えば第1、第2の故障診断値と第3の故障診断値とを比較するなどの判定処理を実現でき、より適切な故障診断の判定処理を実現できるようになる。
また故障診断回路150は、第1、第2、第3の故障診断値の比較判定処理により、故障診断を行う。例えば第1の故障診断値と第2の故障診断値を比較したり、第1の故障診断値と第3の故障診断値を比較したり、第2の故障診断値と第3の故障診断値を比較するなどの処理を行って、故障診断の判定処理を行う。このようにすれば、第1、第2、第3の故障診断値を用いた簡素な演算処理で、故障診断の判定処理を実現できるようになり、故障診断回路150の小規模化や判定処理の簡素化などを図れる。
図2に本実施形態の物理量測定装置5の詳細な構成例を示す。センサー素子10は、振動片11、12と、駆動電極13、14と、検出電極15、16と、接地電極17を有する。振動片11、12は、例えば水晶などの圧電材料の薄板から形成される圧電型振動片である。具体的には、振動片11、12は、Zカットの水晶基板により形成された振動片である。なお振動片11、12の圧電材料は、水晶以外のセラミックスやシリコン等の材料であってもよい。
駆動電極13には駆動回路30からの駆動信号DSが端子TDを介して供給され、これにより駆動用の振動片11が振動する。振動片11は例えば後述の図14の駆動アーム18A~18Dである。そして駆動電極14からのフィードバック信号DGが駆動回路30に対して端子TGを介して入力される。例えば振動片11が振動することによるフィードバック信号DGが駆動回路30に入力される。
そして駆動用の振動片11が振動することにより検出用の振動片12が振動し、この振動により発生した電荷(電流)が検出信号S1、S2として検出電極15、16から検出回路60に入力される。具体的にはセンサー素子10からの検出信号S1、S2は、端子TS1、TS2及びスイッチSW1、SW2を介して検出回路60に入力される。ここで接地電極17は接地電位(GND)に設定されている。検出回路60は、これらの検出信号S1、S2に基づいて、検出信号S1、S2に対応する物理量情報(角速度等)を検出する。
なお以下ではセンサー素子10がジャイロセンサー素子である場合を主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、加速度等の他の物理量を検出する素子であってもよい。またセンサー素子10としては例えば後述の図14のようなダブルT字型の振動片を用いることができるが、音叉型又はH型等の振動片であってもよい。
回路装置20は、駆動回路30、スイッチSW1~SW4、検出回路60、処理回路140、不揮発性メモリー170、レジスター部180を含む。駆動回路30は、センサー素子10からのフィードバック信号DGが入力される増幅回路32と、自動ゲイン制御を行うゲイン制御回路40(AGC回路)と、駆動信号DSをセンサー素子10に出力する駆動信号出力回路50を含む。また駆動回路30は、同期信号SYCを検出回路60に出力する同期信号出力回路52を含む。なお、駆動回路30の構成は図2に限定されず、これらの構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
増幅回路32(I/V変換回路)は、センサー素子10からのフィードバック信号DGを増幅する。例えばセンサー素子10からの電流のフィードバック信号DGを電圧の信号DVに変換して出力する。この増幅回路32は、演算増幅器、帰還抵抗、帰還キャパシターなどにより実現できる。
駆動信号出力回路50は、増幅回路32による増幅後の信号DVに基づいて、駆動信号DSを出力する。ゲイン制御回路40(AGC)は、駆動信号出力回路50に制御電圧GCを出力して、駆動信号DSの振幅を制御する。具体的には、ゲイン制御回路40は、信号DVを監視して、発振ループのゲインを制御する。例えば駆動回路30では、センサーの感度を一定に保つために、センサー素子10(駆動用の振動片11)に供給する駆動電圧の振幅を一定に保つ必要がある。このため、駆動振動系の発振ループ内に、ゲインを自動調整するためのゲイン制御回路40が設けられる。ゲイン制御回路40は、センサー素子10からのフィードバック信号DGの振幅(振動片の振動速度v)が一定になるように、ゲインを可変に自動調整する。このゲイン制御回路40は、増幅回路32からの信号DVを全波整流する全波整流器や、全波整流器の出力信号の積分処理を行う積分器などにより実現できる。
例えば駆動信号出力回路50が、矩形波の駆動信号DSを出力する場合には、駆動信号出力回路50はコンパレーターとバッファー回路などにより構成できる。コンパレーターは信号DVの電圧と基準電圧(AGND)とを比較する。バッファー回路は、コンパレーターの出力信号をバッファリングして、駆動信号DSとして出力する。この場合にバッファー回路は、ゲイン制御回路40からの制御電圧GCが電源電圧レベル(高電位側電源電圧)となる駆動信号DSを出力する。これにより、矩形波信号である駆動信号DSの振幅が、ゲイン制御回路40からの制御電圧GCにより制御されるようになる。例えば制御電圧GCが高くなれば、矩形波信号である駆動信号DSの振幅が大きくなり、制御電圧GCが低くなれば、駆動信号DSの振幅は小さくなる。このように駆動信号DSによる矩形波駆動を行えば、矩形波信号は広い範囲の周波数成分を含むため、物理量測定装置5の発振の起動期間を短縮化できる。なお駆動信号出力回路50が正弦波の駆動信号DSを出力するようにしてもよい。
同期信号出力回路52は、増幅回路32による増幅後の信号DVを受け、同期信号SYC(参照信号)を検出回路60に出力する。この同期信号出力回路52は、正弦波(交流)の信号DVの2値化処理を行って矩形波の同期信号SYCを生成するコンパレーターや、同期信号SYCの位相調整を行う位相調整回路(移相器)などにより実現できる。
検出信号S1が入力される端子TS1と検出回路60の間にはスイッチSW1が設けられ、検出信号S2が入力される端子TS2と検出回路60の間にはスイッチSW2が設けられる。そして図2の回路装置20は、スイッチSW1、SW2に加えて、スイッチSW3(第3のスイッチ)とスイッチSW4(第4のスイッチ)を含む。これらのスイッチSW3、SW4は例えばトランジスター(MOSトランジスター)により実現される。
スイッチSW3は、一端が端子TS1に接続されるスイッチSW1の他端(NI1)と、AGND(アナロググランド)のノードNG1との間に設けられ、スイッチSW1がオフのときにオンになるスイッチである。スイッチSW4は、一端が端子TS2に接続されるスイッチSW2の他端(NI2)と、AGND(アナロググランド)のノードNG2との間に設けられ、スイッチSW2がオフのときにオンになるスイッチである。ノードNG1、NG2は、AGNDの電位に設定されるノードである。
このようなスイッチSW3を設けることで、故障診断時にスイッチSW1がオフになった際に、スイッチSW3がオンになることで、スイッチSW1の他端のノードNI1を、AGNDの電位に設定できる。またスイッチSW4を設けることで、故障診断時にスイッチSW2がオフになった際に、スイッチSW4がオンになることで、スイッチSW2の他端のノードNI2を、AGNDの電位に設定できる。従って、故障診断時にスイッチSW1、SW2がオフになった際に、ノードNI1、NI2が不定の電位になって、不定の電位の信号が検出回路60に入力されるのを防止できる。これにより検出回路60の誤検出などの事態が生じてしまうのを防止できる。
検出回路60は、増幅回路61、PGA回路70、同期検波回路81、フィルター部90、A/D変換回路100を含む。なお、検出回路60の構成は図2に限定されず、これらの構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
増幅回路61は、センサー素子10からの検出信号S1と検出信号S2を受けて、電荷-電圧変換や信号増幅を行う。検出信号S1、S2は差動信号を構成している。この増幅回路61は例えばQ/V変換回路(電荷/電圧変換回路)などにより構成される。Q/V変換回路は例えば演算増幅器と、演算増幅器の出力端子と入力端子の間に設けられる抵抗やキャパシターなどの帰還用の受動素子により実現できる。増幅回路61の具体的な構成については後述する。
PGA回路70は、いわゆるプログラマブルゲインアンプ(Programmable Gain Amplifier)であり、増幅回路61による増幅後の信号のゲイン調整を行う回路である。例えばPGA回路70は、増幅回路61からの差動の入力信号のゲイン調整を行って、差動の出力信号を出力する。
同期検波回路81は、PGA回路70の出力信号が入力され、駆動回路30からの同期信号SYCを用いた同期検波を行う。例えば検出信号S1、S2から所望信号を抽出するための同期検波を行う。例えば同期検波回路81は、PGA回路70からの差動の入力信号に対して同期検波を行って、同期検波後の差動の出力信号を出力する。同期検波回路81は例えばスイッチングミキサーなどにより実現できる。スイッチングミキサーは、同期信号SYCに基づいて差動の同期検波を行うミキサーであり、複数のスイッチにより構成される。同期検波回路81による同期検波により、前段の回路(増幅回路61、PGA回路70)が発生したノイズ(1/fノイズ)などの不要信号が高周波帯域に周波数変換される。また、コリオリ力に応じた信号である所望信号が直流信号に落とし込まれる。
フィルター部90は、同期検波回路81の出力信号に対して例えばローパスのフィルター処理(LPF)を行う。例えばフィルター部90は、同期検波回路81からの差動の入力信号に対してフィルター処理を行って、差動の出力信号を出力する。フィルター部90により、例えば同期検波回路81により高周波帯域に周波数変換された1/fノイズ等の不要信号が除去される。フィルター部90は、例えばパッシブ素子で構成されるパッシブフィルターである。即ち、フィルター部90としては、演算増幅器を用いずに、抵抗やキャパシターなどのパッシブ素子で構成されるパッシブフィルターを採用できる。
A/D変換回路100は、フィルター部90の出力信号のA/D変換を行い、デジタルデータである検出結果値DQを出力する。A/D変換回路100は、フィルター部90からの差動の入力信号に対してA/D変換を行って、A/D変換結果である検出結果値DQを後段の処理回路140に出力する。例えばA/D変換回路100は、フィルター部90をアンチエイリアシング用のフィルター(前置きフィルター)として、フィルター部90からの差動の入力信号のサンプリングを行ってA/D変換を行う。A/D変換回路100としては、例えばΔシグマ型や逐次比較型などの種々の方式のA/D変換回路を採用できる。
図2の検出回路60の構成によれば、増幅回路61やPGA回路70で発生した1/fノイズ等は、同期検波回路81(スイッチングミキサー)での周波数変換とフィルター部90によるローパスフィルター特性により除去される。そしてPGA回路70とA/D変換回路100の間には、ゲインは稼げないが1/fノイズが発生しないスイッチングミキサーで構成される同期検波回路81や、低ノイズのパッシブ素子により構成されるフィルター部90が設けられる構成となっている。従って、増幅回路61やPGA回路70で発生したノイズが除去されると共に、同期検波回路81やフィルター部90が発生するノイズも最小限に抑えることができる。そして低ノイズの状態の差動の入力信号をA/D変換回路100に入力して、A/D変換できるため、S/N比を大幅に向上できるようになる。なお検出回路60の構成は図2の構成には限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば増幅回路61がシングルエンドの信号を出力し、PGA回路70、同期検波回路81等のアナログ回路がシングルエンドの信号のアナログ回路処理を行ってもよい。
処理回路140(DSP)は、各種のデジタル信号処理を行う。処理回路140は、例えば所望信号のアプリケーションに応じた帯域制限のデジタルフィルター処理や、A/D変換回路100等により発生したノイズを除去するデジタルフィルター処理を行う。また、ゲイン補正(感度調整)、オフセット補正などのデジタル補正処理を行う。この処理回路140は、例えばゲートアレイなどの自動配置配線で実現される回路であってもよいし、DSP、MPU等のプロセッサーにより実現される回路であっても。そして図2では、故障診断回路150は処理回路140に設けられている。例えば処理回路140が本実施形態の故障診断処理を行う。
不揮発性メモリー170は回路装置20についての種々の情報を記憶する。例えば不揮発性メモリー170は回路動作設定情報や回路定数情報を記憶する。不揮発性メモリー170は例えばMONOS(metal-oxide-nitride-oxide-silicon)のメモリーなどにより実現できる。レジスター部180は、レジスター182とMONOSレジスター184(不揮発性メモリー用レジスター)を含む。レジスター182は通常のレジスターであり、各種の情報(データ、コマンド)が設定される。MONOSレジスター184は、不揮発性メモリー170に記憶される情報が回路装置20の起動時に転送されて記憶されるレジスターである。
2.故障診断手法
次に本実施形態の故障診断手法について詳細に説明する。前述の特許文献1~3では、自己振動成分とも呼ばれる振動漏れ成分を用いて故障診断を行っていた。この振動漏れ成分は、センサー素子10の構造に起因して生じる不要成分であり、角速度等の物理量を検出する際に好ましくない成分となる。
また後述の図14に示すようなダブルT字型構造のセンサー素子10では、駆動アーム18A~18Dと検出アーム19A、19Bとが分離した構造となっているため、検出アーム19A、19Bについての不要振動が発生しにくい。またダブルT字型構造のセンサー素子10は、駆動系を回転対称に配置した形状であるため、互いの駆動系から漏れるわずかな振動を相殺することができる。このため、振動漏れ成分による不要振動が発生しにくく、S/N比に優れた構造であり、ノイズ成分が小さく、コリオリ力を感度良く検出できるという特徴を持つ。従って、振動漏れ成分が小さくなる方向になるため、振動漏れ成分を用いる手法では、適正な故障診断を実現できないという課題があった。
また、振動漏れ成分を用いて故障診断を行う従来例の故障診断回路では、所望信号(コリオリ力)を検波する同期検波回路とは別に、振動漏れ成分を検波する同期検波回路が必要になってしまう。このため、チップサイズが大きくなり、製品の小型化や低コスト化の妨げとなってしまうという課題があった。
また検出信号S1、S2に所定量以上の振動漏れ成分が含まれていると、図3に示すように温度に応じてセンサー出力電圧(VOUT)が変動してしまう。即ち、故障診断の判定精度を高めるために、振動漏れ成分を大きくしてしまうと、図3に示すようにセンサー出力電圧の温度変動特性が悪化してしまう。なお図3の破線は、振動漏れ成分がゼロである場合の温度変動特性を表している。
そこで本実施形態では、駆動電極13と検出電極15、16の容量結合(静電容量結合)を利用して、故障診断を行う手法を採用している。例えば図4に示すように、駆動信号DSが供給される駆動電極13と検出信号S1が出力される検出電極15との間には、結合キャパシターCC1による容量結合が形成され、駆動電極13と検出信号S2が出力される検出電極16との間には、結合キャパシターCC2による容量結合が形成されている。後述の図14を例にとれば、CC1は、駆動電極13の駆動用端子23と、検出電極15の検出用端子25との間に形成される結合キャパシター(静電結合キャパシター)である。CC2は、駆動電極13の駆動用端子23と、検出電極16の検出用端子26との間に形成される結合キャパシター(静電結合キャパシター)である。このように電極の物理的構造に起因して容量結合(CC1、CC2)が形成され、この容量結合に起因する静電漏れ成分が検出信号S1、S2に現れる。
即ち本実施形態の物理量測定装置5は、図1、図2に示すように、駆動電極13と検出電極15、16とを有し、駆動電極13と検出電極15の間及び駆動電極13と検出電極16との間に容量結合(CC1、CC2)が形成されるセンサー素子10と、回路装置20を含む。回路装置20は、駆動電極13に駆動信号DSを供給する駆動回路30と、検出電極15からの検出信号S1及び検出電極16からの検出信号S2に基づいて物理量に対応した物理量情報を検出する検出回路60と、故障診断回路150を含む。
そして回路装置20は、検出信号S1が入力される端子TS1と検出回路60との間に設けられるスイッチSW1と、検出信号S2が入力される端子TS2と検出回路60との間に設けられるスイッチSW2を更に有する。そして故障診断回路150は、スイッチSW1、SW2の接続状態を変化させたときの検出回路60の検出結果に基づいて、故障診断を行う。
図5は本実施形態の故障診断手法の説明図である。図5に示すようにセンサー素子10の検出電極15用の端子TE1は、配線WR1(金属線)により、回路装置20の端子TS1に接続されている。検出電極16用の端子TE2は、配線WR2(金属線)により、回路装置20の端子TS2に接続されている。従って検出電極15からの検出信号S1は、端子TE1、配線WR1、端子TS1を介して回路装置20に入力される。検出電極16からの検出信号S2は、端子TE2、配線WR2、端子TS2を介して回路装置20に入力される。
検出回路60は増幅回路61を含む。増幅回路61は、第1の出力端子(反転出力端子)と第1の入力端子(非反転入力端子)との間に設けられたキャパシターCF1(第1のキャパシター)と、第2の出力端子(非反転出力端子)と第2の入力端子(反転入力端子)との間に設けられたキャパシターCF2(第2のキャパシター)を含む。そして検出信号S1、S2の差動増幅を行う。また増幅回路61は、第1の出力端子(-)と第1の入力端子(+)との間に設けられた抵抗RF1(第1の抵抗)と、第2の出力端子(+)と第2の入力端子(-)との間に設けられた抵抗RF2(第2の抵抗)を含むことができる。増幅回路61は、Q/V変換(電荷/電圧変換)を行う増幅回路であり、例えば帰還用のキャパシターCF1、CF2、抵抗RF1、RF2により検出信号S1、S2のQ/V変換が実現される。
そしてスイッチSW1は、増幅回路61の第1の入力端子(+)と端子TS1との間に設けられる。スイッチSW2は、増幅回路61の第2の入力端子(-)と端子TS2との間に設けられる。またスイッチSW1の他端のノードNI1とAGNDのノードNG1の間にはスイッチSW3が設けられ、スイッチSW2の他端のノードNI2とAGNDのノードNG2の間にはスイッチSW4が設けられる。
また図2、図4で説明したように駆動電極14と検出電極15の間には、結合キャパシターCC1による容量結合が形成され、駆動電極14と検出電極16の間には、結合キャパシターCC2による容量結合が形成される。
ここで駆動信号DSの電圧(高電位側電圧レベルと低電位側電圧レベルの電圧差)をvdsとし、結合キャパシターCC1、CC2の容量値をcp1、cp2とし、キャパシターCF1、CF2の容量値をcfとする。また増幅回路61の第1、第2の出力端子の電圧をv1、v2とし、v1とv2の電圧差をΔOUTとする。演算増幅器OPの第1、第2の入力端子は仮想接地(AGND)される。従って、スイッチSW1、SW2がオンの場合には、下式(1)、(2)が成り立つ。
cp1*vds=cf*v1 (1)
cp2*vds=cf*v2 (2)
上式(1)は、電圧v1が、駆動信号DSの電圧vdsを、cp1とcfの比により設定されるゲインで増幅した電圧であることを表している。上式(2)は、電圧v2が、駆動信号DSの電圧vdsを、cp2とcfの比により設定されるゲインで増幅した電圧であることを表している。上式(1)、(2)から、スイッチSW1、SW2がオンの場合の電圧差ΔOUT=v1-v2は、下式(3)のように表されることになる。
ΔOUT=v1-v2={(cp1-cp2)/cf}*vds (3)
一方、スイッチSW1がオフで、スイッチSW2がオンの場合には、ΔOUT=v1-v2は下式(4)のように表され、スイッチSW1がオンで、スイッチSW2がオフの場合には、ΔOUT=v1-v2は下式(5)のように表される。
ΔOUT=-(cp2/cf)*vds (4)
ΔOUT= (cp1/cf)*vds (5)
なおスイッチSW1がオフの場合には、スイッチSW3がオンになってノードNI1はAGNDに設定され、スイッチSW2がオフの場合には、スイッチSW4がオンになってノードNI2はAGNDに設定される。
図6は本実施形態の故障診断手法を説明するための図である。図6において、D1は、スイッチSW1がオフで、スイッチSW2がオンである場合の接続状態を示し、D2は、スイッチSW1がオンで、スイッチSW2がオフである場合の接続状態を示す。D3は、スイッチSW1、SW2の両方がオンである場合の接続状態を示し、D4は、スイッチSW1、SW2の両方がオフである場合の接続状態を示す。
図6に示すように、配線WR1、WR2が断線しておらず、正常である場合には、D1の接続状態(第1の接続状態)では、上式(4)からΔOUT=-(cp2/cf)*vdsになる。またD2の接続状態(第2の接続状態)では、上式(5)からΔOUT=(cp1/cf)*vdsになる。またD3の接続状態(第3の接続状態)では、上式(3)からΔOUT={(cp1-cp2)/cf}*vdsになり、D4の接続状態(第4の接続状態)ではΔOUT=0になる。
一方、配線WR1が断線している場合には、D1、D3の接続状態ではΔOUT=-(cp2/cf)*vdsになり、D2、D4の接続状態ではΔOUT=0になる。また配線WR2が断線している場合には、D2、D3の接続状態ではΔOUT=(cp1/cf)*vdsになり、D1、D4の接続状態ではΔOUT=0になる。また配線WR1及びWR2の両方が断線している場合には、D1、D2、D3、D4の接続状態においてΔOUT=0になる。
ここで、検出回路60から故障診断回路150に入力される検出結果値DQは、増幅回路61の出力電圧の電圧差ΔOUT=V1-V2に対応している。そして図6に示すように、スイッチSW1、SW2の接続状態D1、D2、D3、D4に応じて、電圧差ΔOUTが変化するため、故障診断回路150に入力される検出結果値DQも変化することになる。また配線WR1、WR2が断線しておらず正常の場合と、配線WR1、WR2の少なくとも1つが断線している場合とで、電圧差ΔOUTも異なった値になり、検出結果値DQも異なった値になる。
そこで本実施形態では、故障診断回路150が、スイッチSW1、SW2の接続状態を、例えばD1、D2、D3、D4に示すように変化させたときの検出回路60の検出結果値DQを用いて、配線などの故障の検出を行う。このようにすれば、スイッチSW1、SW2のオン、オフを制御して、D1、D2、D3、D4のように接続状態を変化させ、各接続状態での検出結果をモニターするだけで、故障診断を実現できるようになるため、小規模な回路構成での適切な故障診断の実現が可能になる。
例えば振動漏れ成分(自己振動成分、機械漏れ信号)を用いる従来例の手法では、別の信号入力が必要となったり、振動漏れ成分の抽出回路が必要になるという問題があった。これに対して本実施形態では、スイッチSW1、SW2の接続状態を変化させるという簡素な処理、構成により故障診断を実現できるため、このような別の信号入力や抽出回路を不要にできるという利点がある。また本実施形態によれば、スイッチSW1、SW2の接続状態を図6に示すように様々に変化させることで、検出信号S1の信号経路での故障と、検出信号S2の信号経路での故障とを、区別して判定できるようになる。また本実施形態によれば、結合キャパシターCC1、CC2の容量値cp1、cp2を小さくしても故障検出が可能なため、当該容量値cp1、cp2を小さくしてノイズを低減することと、適切な故障診断とを両立して実現できるという利点がある。
なお本実施形態の故障診断の対象となる故障としては、配線WR1、WR2の断線のみならず、検出信号S1、S2の信号経路における種々の異常が含まれる。例えば断線は、センサー素子10や回路装置20の内部での配線(信号線)の断線でもよい。或いは、完全な断線である必要は無く、配線が切れかかった状態になったような場合も含まれる。即ち、本実施形態の故障診断の対象となる故障は、配線WR1、WR2の断線など、検出信号S1、S2の信号経路での何らかの異常である。
本実施形態の故障診断の際の接続状態は、図6に示すように、スイッチSW1がオフとなり、スイッチSW2がオンとなる接続状態D1(第1の接続状態)と、スイッチSW1がオンとなり、スイッチSW2がオフとなる接続状態D2(第2の接続状態)を含む。この場合には故障診断回路150は、スイッチSW1、SW2が接続状態D1であるときの故障診断値DV1(第1の故障診断値)と、スイッチSW1、SW2が接続状態D2であるときの故障診断値DV2(第2の故障診断値)とに基づいて故障診断を行う。また本実施形態の故障診断の際の接続状態は、スイッチSW1、SW2の両方がオンになる接続状態D3(第3の接続状態)を含んでもよい。この場合には故障診断回路150は、故障診断値DV1、DV2と、スイッチSW1、SW2が接続状態D3であるときの故障診断値DV3(第3の故障診断値)とに基づいて故障診断を行う。また接続状態は、スイッチSW1、SW2の両方がオフになる接続状態D4(第4の接続状態)を含んでもよく、故障診断回路150が、第1、第2、第3故障診断値DV1、DV2、DV3と、スイッチSW1、SW2が接続状態D4であるときの故障診断値DV4(第4の故障診断値)に基づいて故障診断を行ってもよい。
例えば配線WR1、WR2の断線等が発生しておらず、正常状態である場合には、接続状態D1、D2、D3、D4での故障診断値DV1、DV2、DV3、DV4は、図6のΔOUT=-(cp2/cf)*vds、ΔOUT=(cp1/cf)*vds、ΔOUT={(cp1-cp2)/cf}*vds、ΔOUT=0に対応する検出結果値DQになるはずである。なお、以下では説明の簡素化のために、検出結果値DQ=ΔOUTとして説明する。即ち、正常状態である場合の故障診断値が、DV1=-(cp2/cf)*vds、DV2=(cp1/cf)*vds、DV3={(cp1-cp2)/cf}*vds、DV4=0となるとして説明を行う。
一方、配線WR1が断線している場合(或いは検出信号S1に異常がある場合。以下、同様)は、DV1=-(cp2/cf)*vdsになるが、DV2=0になる。また配線WR2が断線している場合(或いは検出信号S2に異常がある場合。以下、同様)は、DV2=(cp1/cf)*vdsになるが、DV1=0になる。また配線WR1、WR2の両方が断線している場合は、DV1=0、DV2=0になる。このため、スイッチSW1、SW2の接続状態をD1、D2というように変化したときの検出回路60の検出結果に基づいて、配線WR1、WR2の断線等の故障の発生を検出できるようになる。従って、スイッチSW1、SW2の接続状態をD1、D2というように変化させるという簡素な構成、処理により、適切な故障検出を実現することが可能になる。
また接続状態D3での検出回路60の検出結果を用いることで、故障の発生を更に適切に検出できるようになる。例えば図6に示すように正常状態の場合には、DV3={(cp1-cp2)/cf}*vdsになるが、配線WR1が断線している場合は、DV3=-(cp2/cf)*vdsになり、配線WR2が断線している場合は、DV3=(cp1/cf)*vdsになる。また配線WR1、WR2の両方が断線している場合には、DV3=0になる。従って、3つの故障診断値DV1、DV2、DV3を用いて故障を検出できるようになり、故障診断値DV1、DV2を用いて故障検出を行う場合に比べて、更に適切に故障を検出できるようになる。例えば接続状態D1、D2の変化だけでは、2つの故障診断値DV1、DV2を用いた比較判定処理等により故障を検出することになるが、接続状態をD1、D2、D3というよう変化させることで、3つの故障診断値DV1、DV2、DV3を用いた比較判定処理等により故障を検出できるようになり、故障検出の精度の向上を図れる。なお、接続状態D4での検出回路60の検出結果を用いてもよい。即ち故障診断値DV1、DV2、DV3に加えて、故障診断値DV4を用いて、故障の発生を検出する。
また本実施形態では故障診断回路150は、故障診断値DV1、DV2、DV3の比較判定処理により故障診断を行う。例えばDV1とDV2の比較判定処理、DV1とDV3の比較判定、DV2とDV3の比較判定処理などにより故障の発生を検出する。例えば増幅回路61のキャパシターCF1、CF2の容量値cfは回路設計で決定されるものであるが、製造プロセス変動や環境変動によるバラツキがある。また結合キャパシターCC1、CC2の容量値cp1、cp2は回路設計で決定されるものではなく、バラツキが大きい。従って、故障診断時に検出される故障診断値と図6に示す故障診断値の期待値との間にはズレが生じてしまう。この点、故障診断値DV1、DV2、DV3の比較判定処理により故障診断を行えば、故障診断値DV1、DV2、DV3の相対的な比較判定により、故障の発生を検出できる。従って、上記のようなズレが生じた場合にも、故障の発生を適切に検出できるようになる。
また本実施形態によれば、故障診断の際に、スイッチSW1がオフになった場合には、スイッチSW3がオンになることで、ノードNI1がAGNDに設定され、スイッチSW2がオフになった場合には、スイッチSW4がオンになることで、ノードNI2がAGNDに設定される。従って、スイッチSW1、SW2の接続状態を変化させたときに、ノードNI1、NI2が不定の電位になって、適切な故障診断値を得ることができなくなってしまう事態を防止できる。例えばスイッチSW1、SW2がオフの場合に、ノードNI1、NI2がAGNDに設定されることで、図6に示すような故障診断値を用いた故障検出を適切に実現できるようになる。
また本実施形態によれば、スイッチSW1は、第1の入力端子と第1の出力端子の間にキャパシターCF1を有する増幅回路61の当該第1の入力端子と、端子TS1との間に設けられる。スイッチSW2は、第2の入力端子と第2の出力端子の間にキャパシターCF2を有する増幅回路61の当該第2の入力端子と、端子TS2との間に設けられる。従って、故障診断の際にスイッチSW1、SW2の接続状態が変化することで、図6に示すように、結合キャパシターCC1、CC2の容量値cp1、cp2とキャパシターCF1、CF2の容量値cfに基づく検出結果値DQを、故障診断値として故障診断回路150に入力できるようになる。従って故障診断回路150は、容量値cp1、cp2と容量値cfに基づく故障診断値を用いた演算処理により、故障の発生を適切に検出することが可能になる。
また本実施形態では故障診断回路150は、スイッチSW1、SW2の接続状態を変化させたときの検出回路60のデジタルデータの検出結果値DQに基づいて、故障診断を行う。このようにすれば、検出結果値DQである図6に示すような故障診断値DV1~DV4を用いたデジタル演算処理により、故障の発生を検出できるようになり、簡素な処理、構成での故障診断を実現することが可能になる。
例えば故障診断回路150は、以下に説明するような演算処理により故障診断を行うことが可能である。
例えば|DV1|≒|DV2|>|DV3|>|DV4|である場合には故障が発生していないと判断する。ここで|X|はXの絶対値を表している。また結合キャパシターCC1、CC2の容量値cp1、cp2は、ほぼ等しいものとしている(cp1≒cp2)。例えば図6に示すように、故障が発生しておらず正常な場合には、|(cp1/cf)*vds|≒|-(cp2/cf)*vds|となり、|DV1|≒|DV2|が成り立つ。またcp1≒cp2であるため、cp1-cp2は非常に小さな値になり、|DV1|≒|DV2|>|DV3|=|{(cp1-cp2)/cf}*vds|が成り立つ。またDV4=0になるため|DV3|>|DV4|=0が成り立つ。
また|DV1|≒|DV3|>|DV2|=|DV4|である場合には、配線WR1に断線が発生するなど、検出信号S1の信号経路に故障(異常)が発生していると判断する。例えば図6に示すように、配線WR1が断線した場合にDV1、DV3は-(cp2/cf)*vdsと表されるため、検出信号S1の経路に故障が発生すると、|DV1|≒|DV3|になる。またDV2=DV4=0になるため、|DV1|≒|DV3|>|DV2|=|DV4|が成り立つ。
また|DV2|≒|DV3|>|DV1|=|DV4|である場合には、配線WR2に断線が発生するなど、検出信号S2の信号経路に故障が発生していると判断する。例えば図6に示すように、配線WR2が断線した場合にDV2、DV3は(cp1/cf)*vdsと表されるため、検出信号S2の経路に故障が発生すると、|DV2|≒|DV3|になる。またDV1=DV4=0になるため、|DV2|≒|DV3|>|DV1|=|DV4|が成り立つ。
また|DV1|=|DV2|=|DV3|=|DV4|である場合には、配線WR1及びWR2の両方に断線が発生するなど、検出信号S1、S2の両方の信号経路に故障が発生していると判断する。例えば図6に示すように、配線WR1及びWR2の両方が断線した場合に、DV1=DV2=DV3=DV4=0になるため、|DV1|=|DV2|=|DV3|=|DV4|が成り立つ。このように故障診断回路150の故障診断処理は、故障診断値DV1、DV2、DV3、DV4を用いた比較判定処理などにより実現できる。
なお、|DV1|≒|DV2|の判定処理は、|DV1|と|DV2|の差分値が所与のしきい値よりも小さいか否かを判定することで実現できる。|DV1|≒|DV3|、|DV2|≒|DV3|の判定処理も同様である。
また本実施形態では故障診断回路150は、センサー素子10の発振起動期間において故障診断を行う。具体的には故障診断回路150は、駆動回路30によるセンサー素子10の駆動開始後の発振起動期間において、故障診断を行う。
例えば図7、図8は本実施形態の動作の一例を説明する信号波形図である。例えば図7において、電源(VDDL)が立ち上がって、パワーオンリセット(XPOR)が行われると、メモリー転送が行われる。そして発振起動期間において駆動回路30が動作を開始して、駆動信号DSを出力する。その後、図8に示すようにスイッチSW1、SW2の接続状態を変化させて、故障診断が行われる。そして故障診断が終了した後、検出期間になり、検出信号S1、S2についての通常の検出処理が行われる。
具体的には、パワーオンリセット(XPOR)の後、図7のタイミングTM1とTM2の間の期間において、図2のMONOSレジスター184のレジスター値が初期値に設定される。そしてタイミングTM2とTM3の間の期間において、不揮発性メモリー170からMONOSレジスター184に情報が転送(メモリー転送)され、当該情報に基づくレジスター値が設定される。そしてタイミングTM3において、駆動回路30が動作を開始し、発振起動期間になる。発振起動期間においては、例えば駆動回路30に設けられた種回路(不図示)を用いてセンサー素子10の振動片の発振が起動される。そしてタイミングTM4で検出期間になり、検出信号S1、S2から所望信号を検出する通常の検出処理が行われる。
そして本実施形態では図7の発振起動期間(TM3~TM4)において、故障診断回路150が故障診断を行う。例えば図7において、SWがHレベルである場合には、スイッチSW1、SW2のオン、オフが制御されて、スイッチSW1、SW2の接続状態が変化する。具体的には図8に示すようにスイッチSW1、SW2のオン、オフが制御される。図8において、HレベルはスイッチSW1、SW2がオンであることを示し、LレベルはスイッチSW1、SW2がオフであることを示している。図8では、スイッチSW1、SW2の接続状態を、D3、D1、D2、D4というように変化させている。即ち、まずスイッチSW1、SW2が共にオンになる接続状態D3にする。次にスイッチSW1がオフで、スイッチSW2がオンになる接続状態D1にし。次にスイッチSW1がオンで、スイッチSW2がオフになる接続状態D2にする、最後にスイッチSW1、SW2が共にオフになる接続状態D4にする。またD3、D1、D2、D4の各接続状態の期間において、駆動信号DSを低電位側電圧レベル及び高電位側電圧レベルの一方のレベルから他方のレベルに変化させる。また他方のレベルから一方のレベルに変化させる。このようにすれば、接続状態D3、D1、D2、D4において故障診断値DV3、DV1、DV2、DV4を取得できる。そして、取得された故障診断値DV3、DV1、DV2、DV4の比較判定処理を行うことで、図6等で説明した故障診断を実現できるようになる。
そして本実施形態では、図7に示すセンサー素子10の発振起動期間(TM3~TM4において、図8に示すような故障診断を行っている。このような発振駆動期間であれば、検出信号S1、S2の信号経路にあるスイッチSW1、SW2のオン、オフを行っても、所望信号の検出処理には影響を与えない。従って、スイッチSW1、SW2の接続状態を変化させるという簡素な処理、構成での故障診断と、検出期間での所望信号の検出処理とを両立して実現することが可能になる。
また本実施形態では、例えば駆動回路30によるセンサー素子10の駆動開始後の発振起動期間において、故障診断を行う。具体的には図8に示すように発振起動期間において、駆動回路30の駆動信号DSの電圧レベルに変化させながら、スイッチSW1、SW2の接続状態を変化させて、故障診断を行う。このようにすれば、駆動信号DSの信号成分が、容量結合を形成する結合キャパシターCC1、CC2と、増幅回路61のキャパシターCF1、CF2を介して伝わり、故障診断回路150は、図6に示すような故障診断値を取得できるようになる。従って、発振起動期間での駆動信号DSを有効利用して、故障の発生を検出できるようになる。
また図8に示すように本実施形態では、駆動信号DSを、D3、D1、D2、D4の各接続状態の期間(TP)において、Lレベル(低電位側電圧レベル)及びHレベル(高電位側電圧レベル)の一方のレベルから他方のレベルに変化させる。また、更にHレベル及びLレベルの他方のレベルから一方のレベルに変化させる。同期検波回路81により同期検波が行われることで、各接続状態の期間(TP)において、駆動信号DSがLレベルからHレベルにする場合とHレベルからLレベルに変化する場合の両方での故障診断値(検出結果値)を取得できる。例えば各接続状態の期間において、駆動信号DSを、複数回(例えば10回以上)、変化させて、複数の故障診断値を取得することで、故障診断の判定精度を向上できる。例えば、取得された複数の故障診断値の平均値を求めることで、故障診断の判定精度の更なる向上を図れる。
また本実施形態では駆動回路30は、矩形波の駆動信号DSを出力することが望ましい。そして検出回路60は、矩形波の駆動信号DSに基づく同期検波を行う同期検波回路81を含んでいる。例えば図8では駆動信号DSは矩形波の信号になっている。このように駆動信号DSを矩形波の信号にすれば、図8に示すようにD3、D1、D2、D4の各接続状態の期間(TP)において、矩形波の駆動信号DSの立ち上がりエッジや立ち下がりエッジで、故障診断値が適切に取り込まれるようになる。例えば同期検波回路81の同期検波により、矩形波の駆動信号DSの立ち上がりエッジや立ち下がりエッジでの故障診断値(検出結果)が適切に取り込まれるようになり、故障診断の判定精度の向上等を図れる。
そしてスイッチSW1、SW2の接続状態を変化させる故障診断の期間においては、駆動信号DSの振幅を大きくする。例えば発振起動期間における故障診断期間以外の期間に比べて、故障診断期間では駆動信号DSの振幅を大きくする。ここで駆動信号DSの振幅は、例えば高電位側電圧レベルと低電位側電圧レベルの電位差vdsに対応する。
このように駆動信号DSの振幅を大きくすれば、vdsが大きくなり、(cp1/cf)*vds、-(cp2/cf)*vds、{(cp1-cp2)/cf}*vdsで表される故障診断値の絶対値も大きくなる。従って、故障診断処理において、故障診断値の比較判定処理を行った場合に、より確度の高い比較判定処理が可能になる。例えば、前述したような|DV1|≒|DV2|>|DV3|>|DV4|であるかを比較判定する処理において、故障診断値の絶対値である|DV1|、|DV2|、|DV3|などの値が大きくなることで、より確度の高い比較判定処理を実現できるようになり、故障診断の判定精度の向上を図れる。
3.フロアノイズに基づく故障診断
図9に本実施形態の物理量測定装置5の第2の構成例を示す。図9が図2と異なるのは、図9ではフロアノイズ検出回路160が更に設けられている点である。例えば図9では処理回路140の故障診断回路150がフロアノイズ検出回路160を有する。故障診断回路150は、このフロアノイズ検出回路160を用いて故障診断を行う。即ち図7において、発振駆動期間では、スイッチSW1、SW2の接続状態を変化させることで故障診断を行い、検出期間では、フロアノイズの検出処理を行うことで故障診断を行う。具体的には故障診断回路150は、検出回路60で発生するフロアノイズの指標情報を、検出回路60の検出結果(検出結果値、出力信号)に基づいて求め、求められた指標情報に基づいて故障診断を行う。
物理量測定装置5に故障(異常)が発生した場合に、検出回路60の検出結果値DQを単純に監視したとしても、その故障を検出することは困難である。なぜなら、検出回路60の検出結果値DQが所定値になったときに、その所定値に対応する物理量の変化(例えばジャイロセンサーでは所定値に対応する角速度の回転)があったのか、故障によるものなのかを判別できないからである。
そこで本実施形態では、故障診断回路150は、検出期間において、検出回路60で発生するフロアノイズの指標情報を、検出回路60の検出結果である検出結果値DQに基づいて求め、求められた指標情報に基づいて故障診断を行う。
ここで、フロアノイズとは、検出回路60などにおいて発生するノイズを表し、例えばサーマルノイズや1/fノイズ等である。具体的には、フロアノイズは、例えば増幅回路61などで発生するフロアノイズである。フロアノイズは、回路の設計や使用時の温度、信号の周波数等に応じて変動する可能性はあるが、一定のレベル(振幅)を有するものである。以下、フロアノイズに基づいて故障診断が可能である理由について説明する。
図10は、増幅回路61を、説明の簡素化のためにシングルエンド入力、シングルエンド出力の構成例として示した図である。増幅回路61は、演算増幅器OPと帰還用のキャパシターCF及び抵抗RFを有する。ここで図10はセンサー素子10が接続された状態での増幅回路61の構成例を示している。但しスイッチSW1、SW2については省略して示している。センサー素子10が接続された状態では、増幅回路61の入力側からは、容量結合の結合キャパシターCCが接続されているようにみえる。増幅回路61では、回路全体でのノイズが入力箇所(図10のNin)で発生したものと仮定し(入力換算ノイズ)、当該入力換算ノイズがノイズ伝達関数NTF(ノイズゲイン)により増幅されるものとするモデルが広く用いられる。図10の例ではノイズ伝達関数NTFは、下式(6)により表される。rfは抵抗RFの抵抗値であり、cf、cpはキャパシターCF、結合キャパシターCCの容量値である。
NTF=VQ/Vn
={1+s*rf*(cf+cp)}/(1+s*rf*cf) (6)
図11、図12は、上式(6)に示したノイズ伝達関数NTFの周波数特性を表す図である。図11、図12の横軸は周波数、縦軸はゲイン(増幅率、単位dB)を表す。図11は、rf=100MΩ、cf=1pF、cp=2pFの例である。図12は、rf=100MΩ、cf=1pF、cp=1pFの例である。
図11、図12からわかるように、抵抗値rf及び容量値cfが同じであっても(同じ増幅回路61であっても)、結合キャパシターCCの容量値cpが変化すれば、ノイズ伝達関数NTFが変化する。つまり、増幅回路61の入力換算ノイズのレベルが同程度であっても、容量値cpが変化すれば、増幅回路61のフロアノイズ(検出回路60のフロアノイズ)が変化することになる。
ここで、センサー素子10と検出回路60が正常に接続されていれば、検出回路60から見える結合キャパシターCCの容量値cpは、設計により決まる所定値に十分近いと考えられる。それに対して、センサー素子10と検出回路60(回路装置20)とを接続する配線が断線状態になるなどの接続異常が発生した場合には、結合キャパシターCCの容量値cpが検出回路60から見えなくなってしまう。接続異常は、例えば配線WR1、WR2などにより検出電極15、16と検出回路60の端子TS1、TS2(パッド)を電気的に接続した場合において、接合部分での接合面積が狭くなる(配線が剥離する)ことなどにより生じる。
フロアノイズのレベルは、ある一定のレベルとなり、当該レベルより極端に小さくなることは想定されない。しかし故障時には、容量値cpが見えなくなることで、フロアノイズのレベルが、正常状態でのフロアノイズのレベルに比べて識別可能な程度に小さくなる。従って、本実施形態では、フロアノイズの指標値を求め、当該指標値を用いて、フロアノイズのレベルを判定する。故障診断回路150は、フロアノイズのレベルが正常状態に比べて小さくなっている場合に、故障(異常)が発生していると判定する。
以上のように、故障診断回路150は、フロアノイズの指標情報に基づいて故障診断を行う。このようにフロアノイズの指標情報を用いることで、故障の発生を適切に検出することが可能になる。そして本実施形態では、検出回路60の検出結果値DQをモニターし、検出結果値DQからフロアノイズの指標情報を求めているため、所望信号の検出処理を行う検出期間においても故障検出が可能になり、常時故障診断の実現が可能になる。
図13に故障診断回路150が有するフロアノイズ検出回路160の構成例を示す。フロアノイズ検出回路160は、ハイパスフィルター161と、演算回路162を有する。演算回路162は、二乗演算処理部163と、二乗演算処理部163の出力を平滑化する平滑化回路164を有する。
ハイパスフィルター161は、検出回路60からの検出結果値DQに対するフィルター処理(ハイパスフィルター処理)を行い、DC成分を除去する。二乗演算処理部163は、DC成分除去後の値TQの二乗演算を行う。平滑化回路164は、二乗演算処理部163により二乗演算された値を平滑化し、二乗平均を求める。この二乗平均によりノイズ成分が抽出される。平滑化回路164は、例えばローパスフィルターにより実現できる。平滑化回路164からは、フロアノイズの実効値(フロアノイズの分散)が出力される。
このようなフロアノイズ検出回路160を用いることで、フロアノイズのレベルを表す指標情報(分散、絶対値平均等)が求められる。故障診断回路150は、フロアノイズの指標情報である指標値と閾値とを比較し、故障検出を行う。ここでの閾値は、正常状態でのフロアノイズの指標値と、故障状態(異常状態)でのフロアノイズの指標値とを識別可能な値である。フロアノイズのノイズレベルが高いほど指標値が大きくなる例であれば、故障診断回路150は、指標情報により表される指標値が閾値より小さい場合に、異常が発生したと判定する。
4.センサー素子
図14にセンサー素子10の構成の一例を示す。図14はダブルT字型のジャイロセンサー素子の例である。
センサー素子10は、駆動アーム18A、18B、18C、18Dと、検出アーム19A、19Bと、基部21と、連結アーム22A、22Bを有する。矩形状の基部21に対して+Y軸方向、-Y軸方向に検出アーム19A、19Bが延出している。また基部21に対して+X軸方向、-X軸方向に連結アーム22A、22Bが延出している。そして連結アーム22Aに対して、その先端部から+Y軸方向、-Y軸方向に駆動アーム18A、18Bが延出しており、連結アーム22Bに対して、その先端部から+Y軸方向、-Y軸方向に駆動アーム18C、18Dが延出している。駆動アーム18A、18B、18C、18D及び検出アーム19A、19Bの先端側に設けられるハンマーヘッド部は、例えば周波数調整用の錘として用いられる。Z軸をセンサー素子10の厚さ方向とすると、ジャイロセンサー素子であるセンサー素子10は、Z軸回りでの角速度を検出する。X軸及びY軸は、Z軸に直交する座標軸であり、X軸とY軸は互いに直交する。センサー素子10の振動片は、例えば水晶、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムなどの圧電材料により形成できる。これらの中でも振動片の構成材料としては水晶を用いることが好ましい。X軸、Y軸、Z軸は、各々、水晶基板の電気軸、機械軸、光軸とも呼ばれる。水晶基板は、Z軸方向に厚みを有する板状のZカット水晶板などで構成される。
駆動アーム18A、18Bの上面及び下面には、駆動電極13が形成され、駆動アーム18A、18Bの右側面及び左側面には、駆動電極14が形成される。駆動アーム18C、18Dの上面及び下面には、駆動電極14が形成され、駆動アーム18C、18Dの右側面及び左側面には駆動電極13が形成される。そして駆動回路30からの駆動信号DSは駆動電極13に供給され、駆動電極14からのフィードバック信号DGが駆動回路30に入力される。
検出アーム19Aの上面及び下面には、検出電極15が形成され、検出アーム19Aの右側面及び左側面には、接地電極17が形成される。検出アーム19Bの上面及び下面には、検出電極16が形成され、検出アーム19Bの右側面及び左側面には、接地電極17が形成される。そして検出電極15、16からの検出信号S1、S2は検出回路60に入力される。
なお駆動アーム18A、18B、18C、18D、検出アーム19A、19Bの上面及び下面には、電極間の電界効果を向上させるための溝部(不図示)が設けられている。溝部を設けることで、比較的少ない歪み量で比較的大きな電荷量を発生させることが可能になる。また上面は、+Z軸方向側(Z軸の正方向側)の面であり、下面は、-Z軸方向側(Z軸の負方向側)の面である。右側面は、+X軸方向側(X軸の正方向側)の側面であり、左側面は、-X軸方向側(X軸の負方向側)の側面である。
基部21には、駆動用端子23、24と検出用端子25、26が設けられている。これらの端子間には接地電極17が形成されている。駆動用端子23には、駆動回路30からの駆動信号DSが入力され、駆動用端子24からは、駆動回路30へのフィードバック信号DGが出力される。検出用端子25からは、検出回路60への検出信号S1が出力され、検出用端子26からは、検出回路60への検出信号S2が出力される。
例えば駆動用端子23、24には、第1、第2の電極リード(不図示)が接続される。そして駆動信号DSは、第1の電極リードを介して駆動回路30から供給され、フィードバック信号DGは、第2の電極リードを介して駆動回路30に出力される。また検出用端子25、26には、第3、第4の電極リード(不図示)が接続される。そして検出信号S1、S2は、第3、第4の電極リードを介して検出回路60に出力される。
なお図14のセンサー素子10の駆動電極は、駆動アーム18A~18Dに設けられる駆動電極13、14と、それらに接続される駆動用配線と、を含むものである。この駆動用配線は、連結アーム22A、22Bに形成(配置)されている駆動電極13、14と、基部21に形成(配置)されている駆動用端子23、24と、駆動アーム18A~18Dの連結アームとの接続部に形成(配置)されている駆動電極13、14と、を含む。なお本実施形態は、図14の駆動電極13、14および駆動用端子23、24の例に限定されない。また図14のセンサー素子10の検出電極は、検出アーム19A、19Bに設けられる検出電極15、16と、それらに接続される検出用配線と、を含むものである。この検出用配線は、基部21に形成(配置)されている検出用端子25、26と、検出アーム19A、19Bの基部との接続部に形成(配置)されている検出電極15、16と、を含む。なお本実施形態は、図14の検出電極15、16および検出用端子25、26の例に限定されない。また、図14のセンサー素子10の場合には、図4で説明した容量結合(CC1、CC2)に、基部21に形成されている駆動用端子23と、検出用端子25、26との間に生じている容量結合が寄与していると考えられる。
図15は図14のE-E’での断面図である。基部21には駆動用端子23、24や検出用端子25(検出用端子26)が形成されている。また接地電極17も形成されている。そして駆動用端子23、24、検出用端子25等を覆うように誘電体28が形成されている。例えば絶縁物質である誘電体28(絶縁体)が形成される。
このように本実施形態では、センサー素子10は、基部21と駆動アーム18A、18B、18C、18Cと検出アーム19A、19Bを含む。そして基部21には駆動用端子23、24と検出用端子25、26が設けられ、基部21の駆動用端子23、24と検出用端子25、26を覆うように誘電体28が設けられる。例えばポリイミド等の絶縁体物質を塗布することで、誘電体28が形成される。このようにすれば、絶縁物質を塗布しなかった場合に比べて、絶縁物質の誘電率εaの分だけ、図4で説明した容量結合の結合キャパシターCC1、CC2の容量値を大きくできるようなる。なお、電極間の絶縁体の量をトリミング技術により調整することで、結合キャパシターCC1、CC2を所望の容量値に調整するようにしてもよい。
例えば、静電漏れ成分は、駆動電極と検出電極の構造から一意的に決まる容量結合に基づくものであるが、ポリイミド等の絶縁物質をセンサー素子10の表面(基部21の正面)に塗布することで、結合キャパシターの容量値を大きくすることができる。これにより、静電漏れ成分を大きくできる。従って、静電漏れ成分に基づく故障診断値も大きな値になり、判定精度が高い故障診断の実現が可能になる。なおセンサー素子10は、駆動用端子23、24、検出用端子25、26に接続される電極リードを支持部として、物理量測定装置5のパッケージ内において、回路装置20の上方に支持される構造とすることができる。この場合には駆動用端子23、24、検出用端子25、26の部分に開口を形成して、電極リードの一端を接続する。例えば金属バンプなどの導電性のバンプを用いて電極リードを接続してもよい。
図16はセンサー素子10の動作を模式的に説明する図である。角速度センサーであるセンサー素子10により、Z軸回りの角速度が検出される。
駆動回路30により駆動電極13に対して駆動信号DSが印加されると、駆動アーム18A、18B、18C、18Dは、逆圧電効果により図16の矢印C1に示すような屈曲振動(励振振動)を行う。例えば実線の矢印で示す振動姿態と点線の矢印で示す振動姿態を所定の周波数で繰り返す。即ち、駆動アーム18A、18Cの先端が互いに接近と離間を繰り返し、駆動アーム18B、18Dの先端も互いに接近と離間を繰り返す屈曲振動を行う。このとき駆動アーム18A及び18Bと駆動アーム18C及び18Dとが、基部21の重心位置を通るX軸に対して線対称の振動を行っているので、基部21、連結アーム22A、22B、検出アーム19A、19Bはほとんど振動しない。
この状態で、センサー素子10に対してZ軸を回転軸とした角速度が加わると(センサー素子10がZ軸回りで回転すると)、コリオリ力により駆動アーム18A、18B、18C、18Dは矢印C2に示すように振動する。即ち、矢印C1の方向とZ軸の方向とに直交する矢印C2の方向のコリオリ力が、駆動アーム18A、18B、18C、18Dに作用することで、矢印C2の方向の振動成分が発生する。この矢印C2の振動が連結アーム22A、22Bを介して基部21に伝わり、これにより検出アーム19A、19Bが矢印C3の方向で屈曲振動を行う。この検出アーム19A、19Bの屈曲振動による圧電効果で発生した電荷信号が、検出信号S1、S2として検出回路60に入力されて、Z軸回りでの角速度が検出されるようになる。
例えば、Z軸回りでのセンサー素子10の角速度をωとし、質量をmとし、振動速度をvとすると、コリオリ力はFc=2m・v・ωと表される。従って検出回路60が、コリオリ力に応じた信号である所望信号を検出することで、Z軸回りでの角速度ωを求めることができる。
5.移動体、電子機器
図17に本実施形態の物理量測定装置5を含む電子機器500の構成例を示す。電子機器500は、センサー素子10及び回路装置20を有する物理量測定装置5と、処理部520を含む。また電子機器500は、通信部510、操作部530、表示部540、記憶部550、アンテナANTを含むことができる。
通信部510(無線回路)は、アンテナANTを介して外部からデータを受信したり、外部にデータを送信する処理を行う。処理部520(処理回路)は、電子機器500の制御処理や、物理量測定装置5で測定された物理量情報の信号処理や、通信部510を介して送受信されるデータの信号処理などを行う。処理部520の機能は、例えばマイクロコンピューターなどのプロセッサーにより実現できる。操作部530は、ユーザーが入力操作を行うためのものであり、操作ボタンやタッチパネルディスプレイなどにより実現できる。表示部540は、各種の情報を表示するものであり、液晶や有機ELなどのディスプレイにより実現できる。記憶部550は、データを記憶するものであり、その機能はRAMやROMなどの半導体メモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。
本実施形態の物理量測定装置5は、デジタルスチルカメラ又はビデオカメラ等のカメラ、車載機器、ウェアラブル機器、又はロボットなどの種々の電子機器に適用できる。例えばカメラにおいて物理量測定装置5を用いた手ぶれ補正等を行うことができる。車載機器は、自動車や自動二輪車などに搭載される電子機器であり、例えば自動運転用の機器、ナビゲーション機器又は車載通信機器などである。ウェアラブル機器は、ユーザーが身体に装着する機器であり、例えばリスト型ウェアラブル機器、頭部装着型表示装置、脈拍計、歩数計又は活動量計等である。例えばウェアラブル機器において、物理量測定装置5を用いて、ユーザーの体動を検出したり、運動状態を検出できる。また物理量測定装置5はロボットの可動部(アーム、関節)や本体部にも適用できる。ロボットは、移動体(走行・歩行ロボット)、電子機器(非走行・非歩行ロボット)のいずれも想定できる。走行・歩行ロボットの場合には、例えば自律走行に本実施形態の物理量測定装置5を利用できる。また本実施形態の物理量測定装置5は、携帯情報端末(スマートフォン等)、印刷装置、投影装置又は物理量を計測する計測機器などの種々の電子機器に適用できる。
図18に本実施形態の物理量測定装置5を含む移動体の例を示す。本実施形態の物理量測定装置5は、例えば、車、飛行機、バイク、自転車、或いは船舶等の種々の移動体に組み込むことができる。移動体は、例えばエンジンやモーター等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器を備えて、地上や空や海上を移動する機器・装置である。図18は移動体の具体例としての自動車206を概略的に示している。自動車206には、センサー素子10と回路装置20を有する物理量測定装置5が組み込まれている。物理量測定装置5は車体207の姿勢を検出することができる。物理量測定装置5で測定された角速度等の物理量情報は、車体姿勢制御などを行う制御装置208に供給される。制御装置208は例えば車体207の姿勢に応じてサスペンションの硬軟を制御したり個々の車輪209のブレーキを制御したりすることができる。その他、こういった姿勢制御は二足歩行ロボットや航空機、ヘリコプター等の各種の移動体において利用されることができる。姿勢制御の実現にあたって物理量測定装置5は組み込まれることができる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、物理量測定装置、回路装置、センサー素子、電子機器、移動体の構成等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
SW1、SW2、SW3、SW4…スイッチ、TS1、TS2、TG、TD…端子、
S1、S2…検出信号、DS…駆動信号、DG…フィードバック信号、
DQ…検出結果値、CC1、CC2…結合キャパシター、
CC1、CC2、CC…結合キャパシター、RF、RF1、RF2…抵抗、
CF1、CF2、CF…キャパシター、WR1、WR2…配線、ANT…アンテナ、
5…物理量測定装置、10…センサー素子、11、12…振動片、
13、14…駆動電極、15、16…検出電極、17…接地電極、
18A、18B、18C、18D…駆動アーム、19A、19B…検出アーム、
20…回路装置、21…基部、22A、22B…連結アーム、
23、24…駆動用端子、25、26…検出用端子、28…誘電体、
30…駆動回路、32…増幅回路、40…ゲイン制御回路、50…駆動信号出力回路、
52…同期信号出力回路、60…検出回路、61…増幅回路、70…PGA回路、
81…同期検波回路、90…フィルター部、100…A/D変換回路、
140…処理回路、150…故障診断回路、160…フロアノイズ検出回路、
161…ハイパスフィルター、162…演算回路、163…二乗演算処理部、
164…平滑回路、170…不揮発性メモリー、180…レジスター部、
182…レジスター、184…MONOSレジスター、
206…自動車、207…車体、208…制御装置、209…車輪、
500…電子機器、510…通信部、520…処理部、530…操作部、
540…表示部、550…記憶部

Claims (12)

  1. 駆動電極と第1の検出電極と第2の検出電極とを有し、前記駆動電極と前記第1の検出電極との間及び前記駆動電極と前記第2の検出電極との間に容量結合が形成されるセンサー素子と、
    前記駆動電極に駆動信号を供給する駆動回路と、前記第1の検出電極からの第1の検出信号及び前記第2の検出電極からの第2の検出信号に基づいて物理量に対応した物理量情報を検出する検出回路と、故障診断回路と、を有する回路装置と、
    を含み、
    前記回路装置は、
    前記第1の検出信号が入力される第1の端子と前記検出回路との間に設けられる第1のスイッチと、
    前記第2の検出信号が入力される第2の端子と前記検出回路との間に設けられる第2のスイッチと、
    を有し、
    前記故障診断回路は、
    前記第1、第2のスイッチの接続状態を変化させたときの前記検出回路の検出結果に基づいて、故障診断を行い、
    前記接続状態は、前記第1のスイッチがオフとなり、前記第2のスイッチがオンとなる第1の接続状態と、前記第1のスイッチがオンとなり、前記第2のスイッチがオフとなる第2の接続状態を含み、
    前記故障診断回路は、
    前記第1、第2のスイッチが前記第1の接続状態であるときの前記検出回路の検出結果値である第1の故障診断値と、前記第1、第2のスイッチが前記第2の接続状態であるときの前記検出回路の検出結果値である第2の故障診断値とに基づいて、故障診断を行うことを特徴とする物理量測定装置。
  2. 請求項に記載の物理量測定装置において、
    前記接続状態は、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチがオンになる第3の接続状態を含み、
    前記故障診断回路は、
    前記第1、第2の故障診断値と、前記第1、第2のスイッチが前記第3の接続状態であるときの前記検出回路の検出結果値である第3の故障診断値とに基づいて、故障診断を行うことを特徴とする物理量測定装置。
  3. 請求項に記載の物理量測定装置において、
    前記故障診断回路は、
    前記第1、第2、第3の故障診断値の比較判定処理により、故障診断を行うことを特徴とする物理量測定装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の物理量測定装置において、
    前記駆動回路は、
    矩形波の前記駆動信号を出力し、
    前記検出回路は、
    前記駆動信号に基づく同期検波を行う同期検波回路を含むことを特徴とする物理量測定装置。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の物理量測定装置において、
    一端が前記第1の端子に接続される前記第1のスイッチの他端と、アナロググランドのノードとの間に設けられ、前記第1のスイッチがオフのときにオンになる第3のスイッチと、
    一端が前記第2の端子に接続される前記第2のスイッチの他端と、前記アナロググランドのノードとの間に設けられ、前記第2のスイッチがオフのときにオンになる第4のスイッチと、
    を含むことを特徴とする物理量測定装置。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の物理量測定装置において、
    前記検出回路は、
    第1の出力端子と第1の入力端子との間に設けられた第1のキャパシターと、第2の出力端子と第2の入力端子との間に設けられた第2のキャパシターとを有し、前記第1、第2の検出信号の差動増幅を行う増幅回路を含み、
    前記増幅回路の前記第1の入力端子と前記回路装置の前記第1の端子との間に前記第1のスイッチが設けられ、
    前記増幅回路の前記第2の入力端子と前記回路装置の前記第2の端子との間に前記第2のスイッチが設けられることを特徴とする物理量測定装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の物理量測定装置において、
    前記故障診断回路は、
    前記第1、第2のスイッチの接続状態を変化させたときの前記検出回路のデジタルデータの検出結果値に基づいて、故障診断を行うことを特徴とする物理量測定装置。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の物理量測定装置において、
    前記故障診断回路は、
    前記センサー素子の発振起動期間において、故障診断を行うことを特徴とする物理量測定装置。
  9. 請求項に記載の物理量測定装置において、
    前記故障診断回路は、
    前記駆動回路による前記センサー素子の駆動開始後の前記発振起動期間において、故障診断を行うことを特徴とする物理量測定装置。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の物理量測定装置において、
    前記故障診断回路は、
    前記検出回路の検出期間において、前記検出回路で発生するフロアノイズの指標情報を、前記検出回路の検出結果に基づいて求め、前記指標情報に基づいて故障診断を行うことを特徴とする物理量測定装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の物理量測定装置を含むことを特徴とする電子機器。
  12. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の物理量測定装置を含むことを特徴とする移動体。
JP2017210816A 2017-10-31 2017-10-31 物理量測定装置、電子機器及び移動体 Active JP7009923B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017210816A JP7009923B2 (ja) 2017-10-31 2017-10-31 物理量測定装置、電子機器及び移動体
CN201811265252.1A CN109724580A (zh) 2017-10-31 2018-10-29 物理量测量装置、电子设备以及移动体
US16/174,653 US11014571B2 (en) 2017-10-31 2018-10-30 Physical quantity measurement device, electronic apparatus, and vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017210816A JP7009923B2 (ja) 2017-10-31 2017-10-31 物理量測定装置、電子機器及び移動体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019082442A JP2019082442A (ja) 2019-05-30
JP7009923B2 true JP7009923B2 (ja) 2022-01-26

Family

ID=66245196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017210816A Active JP7009923B2 (ja) 2017-10-31 2017-10-31 物理量測定装置、電子機器及び移動体

Country Status (3)

Country Link
US (1) US11014571B2 (ja)
JP (1) JP7009923B2 (ja)
CN (1) CN109724580A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10914583B2 (en) * 2018-02-20 2021-02-09 Analog Devices, Inc. Sense amplifiers for gyroscopes and related systems and methods
US11092654B2 (en) * 2019-06-28 2021-08-17 Teradyne, Inc. Measuring a leakage characteristic of a signal path
WO2023149171A1 (ja) * 2022-02-02 2023-08-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 ジャイロセンサ

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012112695A (ja) 2010-11-22 2012-06-14 Denso Corp 加速度および角速度検出装置
JP2013120087A (ja) 2011-12-06 2013-06-17 Denso Corp 容量式センサ装置
JP2014153204A (ja) 2013-02-08 2014-08-25 Denso Corp 容量式物理量検出装置
JP2016170136A (ja) 2015-03-16 2016-09-23 セイコーエプソン株式会社 回路装置、物理量検出装置、電子機器及び移動体

Family Cites Families (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3430711B2 (ja) 1995-05-30 2003-07-28 松下電器産業株式会社 角速度センサ
US6705151B2 (en) 1995-05-30 2004-03-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Angular velocity sensor
JP4126785B2 (ja) * 1997-11-18 2008-07-30 株式会社デンソー 角速度センサ
JP2000171257A (ja) 1998-12-04 2000-06-23 Toyota Motor Corp 角速度検出装置
JP4229885B2 (ja) * 2004-08-18 2009-02-25 株式会社デンソー 容量式物理量検出装置
DE102004059643B4 (de) * 2004-12-10 2009-11-12 Infineon Technologies Ag Gateansteuerschaltung für einen Leistungstransistor mit isoliertem Gate
JP2006301413A (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Hitachi Ltd 画像表示装置及びその駆動方法
JP5406473B2 (ja) * 2007-07-19 2014-02-05 キヤノン株式会社 放射線検出装置
JP5494477B2 (ja) * 2008-04-10 2014-05-14 パナソニック株式会社 慣性力センサ
JP5360361B2 (ja) 2008-07-17 2013-12-04 セイコーエプソン株式会社 角速度検出装置用回路、角速度検出装置及び故障判定システム
JP5267932B2 (ja) * 2008-11-11 2013-08-21 株式会社フジクラ 位置検出装置
JP5368181B2 (ja) * 2009-06-12 2013-12-18 セイコーエプソン株式会社 物理量検出装置並びに物理量検出装置の制御方法、異常診断システム及び異常診断方法
JP5515482B2 (ja) 2009-07-22 2014-06-11 パナソニック株式会社 角速度センサ
WO2011010446A1 (ja) 2009-07-22 2011-01-27 パナソニック株式会社 角速度センサ
JP5539106B2 (ja) * 2010-08-23 2014-07-02 株式会社ジャパンディスプレイ タッチ検出機能付き表示装置、駆動回路、タッチ検出機能付き表示装置の駆動方法、および電子機器
JP2012255669A (ja) * 2011-06-07 2012-12-27 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 加速度計測装置
US9460660B2 (en) * 2011-12-21 2016-10-04 Sharp Kabushiki Kaisha Pixel circuit and display device
CN102539005B (zh) * 2011-12-26 2013-06-05 浙江大学 一种基于耦合的非接触式温度测量系统及其测量方法
KR101335892B1 (ko) * 2012-04-23 2013-12-02 한국과학기술원 정전용량방식의 대형 멀티 터치스크린의 신호검출시스템
JP2014003542A (ja) * 2012-06-20 2014-01-09 Canon Inc 検出装置、検出システム及び検出装置の駆動方法
JP6067302B2 (ja) * 2012-09-28 2017-01-25 シナプティクス・ジャパン合同会社 半導体装置
JP6042763B2 (ja) * 2012-12-26 2016-12-14 株式会社ジャパンディスプレイ タッチ検出機能付き表示装置及び電子機器
JP2014160458A (ja) * 2013-01-25 2014-09-04 Japan Display Inc タッチ検出機能付き表示装置及び電子機器
JP2015072549A (ja) * 2013-10-02 2015-04-16 株式会社ジャパンディスプレイ タッチパネル付液晶表示装置
WO2015063981A1 (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 株式会社Joled 表示装置の電源断方法および表示装置
JP2015118506A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 シナプティクス・ディスプレイ・デバイス合同会社 タッチパネル制御回路及びそれを備える半導体集積回路
JP2015122020A (ja) * 2013-12-25 2015-07-02 シナプティクス・ディスプレイ・デバイス合同会社 タッチパネル制御回路及びそれを備える半導体集積回路
CN103698927B (zh) * 2013-12-31 2017-05-10 敦泰电子有限公司 触摸显示装置、驱动电路及驱动方法
JP2015135622A (ja) * 2014-01-17 2015-07-27 株式会社ジャパンディスプレイ タッチ検出装置、タッチ検出機能付き表示装置及び電子機器
CN104166489B (zh) * 2014-08-05 2018-07-10 京东方科技集团股份有限公司 显示面板、显示装置及显示驱动方法
JP6484968B2 (ja) * 2014-09-16 2019-03-20 セイコーエプソン株式会社 物理量検出デバイス、電子機器、移動体
JP6488784B2 (ja) * 2015-03-16 2019-03-27 セイコーエプソン株式会社 回路装置、物理量検出装置、電子機器及び移動体
JP2016178601A (ja) * 2015-03-23 2016-10-06 セイコーエプソン株式会社 データ処理回路、物理量検出用回路、物理量検出装置、電子機器及び移動体
JP6492949B2 (ja) * 2015-05-14 2019-04-03 セイコーエプソン株式会社 回路装置、物理量検出装置、電子機器及び移動体
CN108027686B (zh) * 2015-10-01 2021-01-15 夏普株式会社 电容检测方法、位置检测方法、触摸面板控制器及电子设备
JP6518576B2 (ja) * 2015-11-27 2019-05-22 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置及び表示装置のタッチ検出方法
JP6246783B2 (ja) * 2015-12-28 2017-12-13 アルプス電気株式会社 静電容量検出装置及び入力装置
US10817092B2 (en) * 2016-03-11 2020-10-27 Konica Minolta, Inc. Organic electroluminescence module, smart device, and illumination device
US9983749B2 (en) * 2016-05-19 2018-05-29 Atmel Corporation Touch detection
JP6647173B2 (ja) * 2016-08-05 2020-02-14 株式会社ジャパンディスプレイ 入力検出装置
WO2018029948A1 (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 シャープ株式会社 タッチパネルコントローラ、電子機器、容量検出方法、および位置検出方法
KR102354204B1 (ko) * 2016-10-31 2022-01-24 엘지디스플레이 주식회사 터치표시장치, 터치구동회로 및 터치감지방법
JP6667012B2 (ja) * 2016-12-21 2020-03-18 アルプスアルパイン株式会社 静電容量検出装置及び入力装置
JP2018155964A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置、及び表示装置の共通電圧調整方法
JP2019074869A (ja) * 2017-10-13 2019-05-16 シャープ株式会社 タッチパネル、タッチパネルコントローラ、及びタッチディスプレイ
CN108154843B (zh) * 2018-01-31 2019-12-06 京东方科技集团股份有限公司 子像素单元、触控单元、触控显示面板及触控显示装置
JP2020149543A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 シャープ株式会社 タッチ入力システム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012112695A (ja) 2010-11-22 2012-06-14 Denso Corp 加速度および角速度検出装置
JP2013120087A (ja) 2011-12-06 2013-06-17 Denso Corp 容量式センサ装置
JP2014153204A (ja) 2013-02-08 2014-08-25 Denso Corp 容量式物理量検出装置
JP2016170136A (ja) 2015-03-16 2016-09-23 セイコーエプソン株式会社 回路装置、物理量検出装置、電子機器及び移動体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019082442A (ja) 2019-05-30
US20190126936A1 (en) 2019-05-02
CN109724580A (zh) 2019-05-07
US11014571B2 (en) 2021-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6972845B2 (ja) 物理量測定装置、電子機器及び移動体
US10731985B2 (en) Sensor element control device, physical quantity sensor, electronic device, and fault diagnosis method of vehicle and physical quantity sensor
US10794778B2 (en) Physical quantity detecting device, electronic apparatus, and moving object
JP7009923B2 (ja) 物理量測定装置、電子機器及び移動体
US10116275B2 (en) Physical quantity detection circuit, physical quantity detection device, electronic apparatus, and vehicle
JP6834581B2 (ja) 物理量センサー、電子機器及び移動体
US20170131099A1 (en) Physical quantity detection circuit, electronic device, and moving object
US20170276694A1 (en) Circuit device, physical quantity detection device, electronic apparatus, and vehicle
US20160290802A1 (en) Vibrator element, vibrator, gyro sensor, electronic apparatus, and moving object
US10055975B2 (en) Circuit device, physical quantity detection device, electronic apparatus, and moving object
JP2021185356A (ja) 物理量検出回路、物理量検出装置、電子機器及び移動体
US11650056B2 (en) Physical quantity detection circuit, physical quantity sensor, electronic apparatus, vehicle, and operation method of physical quantity detection circuit
US20180348277A1 (en) Circuit Apparatus, Physical Quantity Measuring Apparatus, Electronic Device, And Vehicle
US9987662B2 (en) Drive circuit, vibrator device, electronic apparatus, and moving object
JP6867214B2 (ja) 角速度検出装置
JP7456284B2 (ja) 物理量検出回路、物理量検出装置、電子機器及び移動体
JP6521236B2 (ja) 物理量処理回路、物理量処理装置、電子機器及び移動体
US20180224278A1 (en) Gyro sensor, electronic apparatus, and vehicle
JP6508460B2 (ja) 物理量検出用回路、物理量検出装置、電子機器及び移動体
JP6756175B2 (ja) 整流回路、駆動回路、物理量検出装置、電子機器及び移動体
US10746549B2 (en) Physical quantity detection apparatus, electronic device, and mobile body that count a number of times a vibrator begins to oscillate
JP6478034B2 (ja) 角速度検出装置の評価方法、信号処理回路、角速度検出装置、電子機器及び移動体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7009923

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150