JP6521236B2 - 物理量処理回路、物理量処理装置、電子機器及び移動体 - Google Patents

物理量処理回路、物理量処理装置、電子機器及び移動体 Download PDF

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Description

本発明は、物理量処理回路、物理量処理装置、電子機器及び移動体に関する。
特許文献1には、外部装置からの出力要求に対し、角速度データと温度データを含む各種の情報を一括して出力する検出装置が開示されている。
特開2011−203028号公報
しかしながら、温度の変化は角速度の変化とくらべて頻繁に生じないが、特許文献1に記載の検出装置は、角速度データと同じ頻度で温度データを出力するため、外部装置が温度データを取得する処理が過剰に必要となり、外部装置の負担が大きくなるという問題がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、外部装置が情報を取得する負荷を軽減させることが可能な物理量処理回路を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、処理部が当該物理量処理回路から情報を取得する負荷を軽減させることが可能な物理量処理装置を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、当該物理量処理回路を用いた振動デバイス、電子機器及び移動体を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る物理量処理回路は、第1物理量の情報を発信する第1物理量検出部と、前記第1物理量以外の物理量である第2物理量の情報を発信する第2物理量検出部と、を備え、前記第2物理量の情報と共に、前記第1物理量の情報よりも情報量が小さい前記第1物理量の情報の更新情報を発信する。
第1物理量は、例えば、温度、角速度、角加速度、加速度、速度、力等であってもよい。同様に、第2物理量は、例えば、温度、角速度、角加速度、加速度、速度、力等であってもよい。
第2物理量は、第1物理量に依存性があってもよく、例えば、第1物理量が温度であり、第2物理量が角速度であってもよい。
第1物理量の情報の更新情報は、第1物理量の情報が新たに生成されたことを示す情報でもよいし、新たに生成された第1物理量の情報が変化したことを示す情報であってもよい。
本適用例に係る物理量処理回路は、第2物理量の情報と共に、第1物理量の情報の更新
情報を発信するので、外部装置は、第2物理量の情報を取得するとともに、更新情報が、第1物理量の情報が更新されたことを示す場合にのみ、第1物理量の情報を取得することが可能となる。従って、本適用例に係る物理量処理回路によれば、外部装置が第2物理量を取得するとともに第2物理量よりも低い頻度で第1物理量を取得することができる。また、更新情報は第1物理量の情報よりも情報量が小さいため、第2物理量の情報と共に第1物理量の情報を常に取得する場合と比較して、外部装置が取得する情報量を削減することができる。従って、本適用例に係る物理量処理回路によれば、外部装置が情報を取得する負荷を軽減させることができる。
[適用例2]
上記適用例に係る物理量処理回路は、前記第1物理量の情報を出力することを要求する要求信号を受けて前記第1物理量の情報を発信してもよい。
本適用例に係る物理量処理回路によれば、外部装置は、例えば、更新情報が、第1物理量の情報が更新されたことを示す場合にのみ、第1物理量の情報を出力することを要求する要求信号を発信して第1物理量の情報を取得することができる。従って、本適用例に係る物理量処理回路によれば、外部装置が情報を取得する負荷を軽減させることができる。
[適用例3]
上記適用例に係る物理量処理回路において、前記更新情報には、前記第1物理量の経時変化の有無を示す情報が含まれていてもよい。
本適用例に係る物理量処理回路は、前記第2物理量の情報を出力することを要求する要求信号を受けて、前記第2物理量の情報と共に、前記第1物理量の情報を発信してもよい。
本適用例に係る物理量処理回路によれば、外部装置は、例えば、更新情報が、第1物理量が計時変化したことを示す場合にのみ、第1物理量の情報を取得することができる。従って、本適用例に係る物理量処理回路によれば、外部装置が情報を取得する負荷を軽減させることができる。
[適用例4]
上記適用例に係る物理量処理回路において、前記第1物理量が温度であってもよい。
[適用例5]
上記適用例に係る物理量処理回路において、前記第2物理量が力もしくは力に関わる物理量であってもよい。
力もしくは力に関わる物理量は、例えば、傾斜、角速度、加速度等である。
[適用例6]
本適用例に係る物理量処理装置は、上記のいずれかの物理量処理回路と、前記更新情報を受信して、前記更新情報に応じて前記要求信号を発信し、前記第1物理量の情報を受信して、当該第1物理量の情報を用いた処理を行う処理部と、を備えている。
本適用例に係る物理量処理装置によれば、物理量処理回路は、第2物理量の情報と共に、第1物理量の情報の更新情報を発信するので、処理部は、第2物理量の情報を取得するとともに、更新情報が、第1物理量の情報が更新されたことを示す場合にのみ、第1物理量の情報を取得することが可能となる。従って、処理部が第2物理量を取得するとともに第2物理量よりも低い頻度で第1物理量を取得することができる。また、更新情報は第1
物理量の情報よりも情報量が小さいため、第2物理量の情報と共に第1物理量の情報を常に取得する場合と比較して、処理部が取得する情報量を削減することができる。従って、本適用例に係る物理量処理装置によれば、処理部が情報を取得する負荷を軽減させることができる。
[適用例7]
本適用例に係る電子機器は、上記のいずれかの物理量処理回路を備えている。
[適用例8]
本適用例に係る移動体は、上記のいずれかの物理量処理回路を備えている。
これらの適用例によれば、外部装置が情報を取得する負荷を軽減させることが可能な物理量処理回路を用いるので、例えば、信頼性の高い電子機器及び移動体を実現することも可能である。
本実施形態の物理量処理装置の構成例を示す図。 物理量検出素子の振動片の平面図。 物理量検出素子の動作について説明するための図。 物理量検出素子の動作について説明するための図。 駆動回路の構成例を示す図。 検出回路の構成例を示す図。 第1実施形態における物理量処理回路の構成例を示す図。 第1実施形態における物理量処理回路(インターフェイス回路)の出力データの一例を示す図。 第2実施形態における物理量処理回路の構成例を示す図。 第2実施形態における物理量処理回路(インターフェイス回路)の出力データの一例を示す図。 本実施形態の電子機器の一例である横すべり防止装置の機能ブロック図。 本実施形態の移動体の一例を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下では、物理量として角速度を検出する物理量検出装置(角速度検出装置)を含む物理量処理装置(角速度処理装置)を例にとり説明する。
1.物理量処理装置
1−1.第1実施形態
[物理量処理装置の構成]
図1は、本実施形態の物理量処理装置(角速度処理装置)の構成例を示す図である。本実施形態の物理量処理装置1は、物理量検出装置2とMCU(Micro Control Unit)3(処理部の一例)を含んで構成されている。
物理量検出装置2は、物理量に関わるアナログ信号を出力する物理量検出素子(センサー素子)100と物理量検出用回路200を含んで構成されている。
物理量検出素子100は、駆動電極と検出電極が配置された振動片を有し、一般的に、
振動片のインピーダンスをできるだけ小さくして発振効率を高めるために、振動片は気密性が確保されたパッケージに封止されている。本実施形態では、物理量検出素子100は、T型の2つの駆動振動腕を有するいわゆるダブルT型の振動片を有する。
図2は、本実施形態の物理量検出素子100の振動片の平面図である。物理量検出素子100は、例えば、Zカットの水晶基板により形成されたダブルT型の振動片を有する。水晶を材料とする振動片は、温度変化に対する共振周波数の変動が極めて小さいので、角速度の検出精度を高めることができるという利点がある。なお、図2におけるX軸、Y軸、Z軸は水晶の軸を示す。
図2に示すように、物理量検出素子100の振動片は、2つの駆動用基部104a、104bからそれぞれ駆動振動腕101a、101bが+Y軸方向及び−Y軸方向に延出している。駆動振動腕101aの側面及び上面にはそれぞれ駆動電極112及び113が形成されており、駆動振動腕101bの側面及び上面にはそれぞれ駆動電極113及び112が形成されている。駆動電極112、113は、それぞれ、図1に示した物理量検出用回路200のDS端子,DG端子を介して駆動回路20に接続される。
駆動用基部104a、104bは、それぞれ−X軸方向と+X軸方向に延びる連結腕105a、105bを介して矩形状の検出用基部107に接続されている。
検出振動腕102は、検出用基部107から+Y軸方向及び−Y軸方向に延出している。検出振動腕102の上面には検出電極114及び115が形成されており、検出振動腕102の側面には共通電極116が形成されている。検出電極114、115は、それぞれ、図1に示した物理量検出用回路200のS1端子,S2端子を介して検出回路30に接続される。また、共通電極116は接地される。
駆動振動腕101a、101bの駆動電極112と駆動電極113との間に駆動信号として交流電圧が与えられると、図3に示すように、駆動振動腕101a、101bは逆圧電効果によって矢印Bのように、2本の駆動振動腕101a、101bの先端が互いに接近と離間を繰り返す屈曲振動(励振振動)をする。
この状態で、物理量検出素子100の振動片にZ軸を回転軸とした角速度が加わると、駆動振動腕101a、101bは、矢印Bの屈曲振動の方向とZ軸の両方に垂直な方向にコリオリの力を得る。その結果、図4に示すように、連結腕105a、105bは矢印Cで示すような振動をする。そして、検出振動腕102は、連結腕105a、105bの振動(矢印C)に連動して矢印Dのように屈曲振動をする。このコリオリ力に伴う検出振動腕102の屈曲振動と駆動振動腕101a、101bの屈曲振動(励振振動)とは位相が90°ずれている。
ところで、駆動振動腕101a、101bが屈曲振動(励振振動)をするときの振動エネルギーの大きさ又は振動の振幅の大きさが2本の駆動振動腕101a、101bで等しければ、駆動振動腕101a、101bの振動エネルギーのバランスがとれており、物理量検出素子100に角速度がかかっていない状態では検出振動腕102は屈曲振動しない。ところが、2つの駆動振動腕101a、101bの振動エネルギーのバランスがくずれると、物理量検出素子100に角速度がかかっていない状態でも検出振動腕102に屈曲振動が発生する。この屈曲振動は漏れ振動と呼ばれ、コリオリ力に基づく振動と同様に矢印Dの屈曲振動であるが、駆動信号とは同位相である。
そして、圧電効果によってこれらの屈曲振動に基づいた交流電荷が、検出振動腕102の検出電極114、115に発生する。ここで、コリオリ力に基づいて発生する交流電荷
は、コリオリ力の大きさ(言い換えれば、物理量検出素子100に加わる角速度の大きさ)に応じて変化する。一方、漏れ振動に基づいて発生する交流電荷は、物理量検出素子100に加わる角速度の大きさに関係せず一定である。
なお、駆動振動腕101a、101bの先端には、駆動振動腕101a、101bよりも幅の広い矩形状の錘部103が形成されている。駆動振動腕101a、101bの先端に錘部103を形成することにより、コリオリ力を大きくするとともに、所望の共振周波数を比較的短い振動腕で得ることができる。同様に、検出振動腕102の先端には、検出振動腕102よりも幅の広い錘部106が形成されている。検出振動腕102の先端に錘部106を形成することにより、検出電極114、115に発生する交流電荷を大きくすることができる。
以上のようにして、物理量検出素子100は、Z軸を検出軸としてコリオリ力に基づく交流電荷(角速度成分)と、励振振動の漏れ振動に基づく交流電荷(振動漏れ成分)とを検出電極114、115を介して出力する。
図1に戻り、本実施形態の物理量検出用回路200は、基準電圧回路10、駆動回路20、検出回路30、物理量処理回路40、記憶部50、発振回路60及び温度センサー70を含んで構成されており、例えば、1チップの集積回路(IC:Integrated Circuit)であってもよい。なお、本実施形態の物理量検出用回路200は、これらの要素の一部を省略又は変更し、あるいは他の要素を追加した構成としてもよい。
基準電圧回路10は、物理量検出用回路200のVDD端子より供給される電源電圧から基準電圧(アナロググランド電圧)などの定電圧や定電流を生成し、駆動回路20や検出回路30に供給する。
駆動回路20は、物理量検出素子100を励振振動させるための駆動信号を生成し、DS端子を介して物理量検出素子100の駆動電極112に供給する。また、駆動回路20は、物理量検出素子100の励振振動により駆動電極113に発生する発振電流がDG端子を介して入力され、この発振電流の振幅が一定に保持されるように駆動信号の振幅レベルをフィードバック制御する。また、駆動回路20は、駆動信号と位相が同じ検波信号SDETを生成し、検出回路30に出力する。
検出回路30は、S1端子とS2端子を介して、物理量検出素子100の2つの検出電極114、115に発生する交流電荷(検出電流)がそれぞれ入力され、検波信号SDETを用いて、これらの交流電荷(検出電流)に含まれる角速度成分を検出し、角速度成分の大きさに応じた電圧レベルの信号(角速度信号)VAOを生成して出力する。
記憶部50は、不図示の不揮発性メモリーを有し、当該不揮発性メモリーには、駆動回路20や検出回路30に対する各種のトリミングデータ(調整データや補正データ)が記憶されている。不揮発性メモリーは、例えば、MONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Silicon)型メモリーやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)として構成することができる。さらに、記憶部50は、不図示のレジスターを有し、物理量検出用回路200電源投入時(VDD端子の電圧が0Vから所望の電圧まで立ち上がる時)に不揮発性メモリーに記憶されている各種のトリミングデータがレジスターに転送されて保持され、レジスターに保持された各種のトリミングデータが駆動回路20や検出回路30に供給されるように構成してもよい。
温度センサー70は、その周辺の温度に応じた電圧レベルの信号(温度信号)VTOを出力するものであり、温度が高いほど出力電圧が高い正極性のものであってもよいし、温
度が高いほど出力電圧が低い負極性のものであってもよい。温度センサー70は、例えば、絶対温度にお比例した電圧(PTAT(Proportional To Absolute Temperature)電圧)を出力する回路であってもよい。
物理量処理回路40は、デジタル演算回路41及びインターフェイス回路42を含んで構成されている。
デジタル演算回路41は、マスタークロック信号MCLKによって動作し、検出回路30が出力する角速度信号VAOの電圧レベルをデジタル値に変換した後、所定の演算処理を行ってデジタルデータ(角速度データ)VDO1を生成し、インターフェイス回路42に出力する。また、デジタル演算回路41は、温度センサー70が出力する温度信号VTOの電圧レベルをデジタル値に変換した後、所定の演算処理を行ってデジタルデータ(温度データ)VDO2を生成し、インターフェイス回路42に出力する。また、デジタル演算回路41は、デジタルデータ(温度データ)VDO2が更新されたことを示す温度データ更新フラグTFLGを生成してインターフェイス回路42に出力する。
インターフェイス回路42は、MCU3が発信する各種のコマンドを受信し、コマンドに応じたデータをMCU3に発信する処理を行う。また、インターフェイス回路42は、MCU3からの要求に応じて記憶部50(不揮発性メモリーやレジスター)に記憶されているデータを読み出してMCU3に出力する処理や、MCU3から入力されたデータを記憶部50(不揮発性メモリーやレジスター)に書き込む処理などを行う。インターフェイス回路42は、例えば、SPI(Serial Peripheral Interface)バスのインターフェイス回路であり、MCU3が発信する選択信号、クロック信号、データ信号が、それぞれ、物理量検出用回路200のSS端子,SCLK端子,SI端子を介して入力され、物理量検出用回路200のSO端子を介してデータ信号をMCU3に出力する。なお、インターフェイス回路42は、SPIバス以外の各種のバス(例えば、IC(Inter-Integrated
Circuit)バス等)に対応するインターフェイス回路であってもよい。
発振回路60は、マスタークロック信号MCLKを発生させて、物理量処理回路40に含まれるデジタル演算回路41に出力するクロック生成回路として機能する。発振回路60は、例えば、リングオシレーターやCR発振回路として構成される。
[駆動回路の構成]
次に、駆動回路20について説明する。図5は、駆動回路20の構成例を示す図である。図5に示すように、本実施形態の駆動回路20は、I/V変換回路21、ハイパスフィルター(HPF)22、コンパレーター23、全波整流回路24、積分器25及びコンパレーター26を含んで構成されている。なお、本実施形態の駆動回路20は、これらの要素の一部を省略又は変更し、あるいは他の要素を追加した構成としてもよい。
I/V変換回路21は、物理量検出素子100の励振振動により発生し、DG端子を介して入力された発振電流を交流電圧信号に変換する。
ハイパスフィルター22は、I/V変換回路21の出力信号のオフセットを除去する。
コンパレーター23は、ハイパスフィルター22の出力信号の電圧を基準電圧と比較して2値化信号を生成し、この2値化信号がハイレベルの時はNMOSトランジスターを導通させてローレベルを出力し、2値化信号がローレベルの時はNMOSトランジスターを非導通にし、抵抗を介してプルアップされる積分器25の出力電圧をハイレベルとして出力する。そして、コンパレーター23の出力信号は、駆動信号として、DS端子を介して物理量検出素子100に供給される。この駆動信号の周波数(駆動周波数)を物理量検出
素子100の共振周波数と一致させることで、物理量検出素子100を安定発振させることができる。
全波整流回路24は、I/V変換回路21の出力信号を整流(全波整流)して直流化された信号を出力する。
積分器25は、基準電圧回路10から供給される所望の電圧VRDRを基準に、全波整流回路24の出力電圧を積分して出力する。この積分器25の出力電圧は、全波整流回路24の出力が高いほど(I/V変換回路21の出力信号の振幅が大きいほど)低くなる。従って、発振振幅が大きいほど、コンパレーター23の出力信号(駆動信号)のハイレベルの電圧が低くなり、発振振幅が小さいほど、コンパレーター23の出力信号(駆動信号)のハイレベルの電圧が高くなるので、発振振幅が一定に保持されるように自動利得制御(AGC:Auto Gain Control)がかかる。
コンパレーター26は、ハイパスフィルター22の出力信号の電圧を増幅して2値化信号(方形波電圧信号)を生成し、検波信号SDETとして出力する。
[検出回路の構成]
次に、検出回路30について説明する。図6は、検出回路30の構成例を示す図である。図6に示すように、本実施形態の検出回路30は、チャージアンプ31,32、差動アンプ33、ハイパスフィルター(HPF)34、ACアンプ35、同期検波回路36、可変ゲインアンプ37、スイッチトキャパシタフィルター(SCF)38、出力バッファー39を含んで構成されている。なお、本実施形態の検出回路30は、これらの要素の一部を省略又は変更し、あるいは他の要素を追加した構成としてもよい。
チャージアンプ31には、S1端子を介して物理量検出素子100の振動片の検出電極114から角速度成分と振動漏れ成分を含む交流電荷(検出電流)が入力される。同様に、チャージアンプ32には、S2端子を介して物理量検出素子100の振動片の検出電極115から角速度成分と振動漏れ成分を含む交流電荷(検出電流)が入力される。
このチャージアンプ31,32は、それぞれ入力された交流電荷(検出電流)を交流電圧信号に変換する。チャージアンプ31に入力される交流電荷(検出電流)とチャージアンプ32に入力される交流電荷(検出電流)は互いに位相が180°異なり、チャージアンプ31の出力信号とチャージアンプ32の出力信号の位相は互いに逆位相である(180°ずれている)。
差動アンプ33は、チャージアンプ31の出力信号とチャージアンプ32の出力信号を差動増幅する。差動アンプ33により、同相成分はキャンセルされ、逆相成分は加算増幅される。
ハイパスフィルター34は、差動アンプ33の出力信号に含まれる直流成分を除去するする。
ACアンプ35は、ハイパスフィルター34の出力信号を増幅した交流電圧信号を出力する。
同期検波回路36は、駆動回路20が出力する検波信号SDETを用いてACアンプ35の出力信号(被検波信号)に含まれる角速度成分を同期検波する。同期検波回路36は、例えば、検波信号SDETがハイレベルの時はACアンプ35の出力信号をそのまま選択し、検波信号SDETがローレベルの時はACアンプ35の出力信号を基準電圧に対し
て反転した信号を選択する回路として構成することができる。
ACアンプ35の出力信号には角速度成分と振動漏れ成分が含まれているが、この角速度成分は検波信号SDETと同位相であるのに対して、振動漏れ成分は逆位相である。そのため、同期検波回路36により角速度成分は同期検波されるが、振動漏れ成分は検波されないようになっている。
可変ゲインアンプ37は、同期検波回路36の出力信号を増幅又は減衰させて所望の電圧レベルの信号を出力し、可変ゲインアンプ37の出力信号はスイッチトキャパシタフィルター(SCF)38に入力される。
スイッチトキャパシタフィルター(SCF)38は、可変ゲインアンプ37の出力信号に含まれる高周波成分を除去するとともに仕様で決められる周波数範囲の信号を通過させるローパスフィルターとして機能する。このスイッチトキャパシタフィルター(SCF)38(ローパスフィルター)の周波数特性は、物理量検出素子100の安定発振により得られるクロック信号(不図示)の周波数とキャパシター(不図示)の容量比によって決まるため、RCローパスフィルターと比較して、周波数特性のばらつきが極めて小さいという利点がある。
スイッチトキャパシタフィルター(SCF)38の出力信号は、出力バッファー39でバッファリングされるとともに、必要に応じて所望の電圧レベルの信号に増幅又は減衰される。この出力バッファー39の出力信号は、角速度信号VAOとして検出回路30から出力される。
[物理量処理回路の構成]
次に、物理量処理回路40の詳細について説明する。図7は、物理量処理回路40の構成例を示す図である。図1に示したように、本実施形態の物理量処理回路40は、デジタル演算回路41及びインターフェイス回路42を含んで構成され、図7に示すように、デジタル演算回路41は、クロック生成回路43、A/D変換回路44、デジタルフィルター45、デジタル補正部46、A/D変換回路47及びデジタルフィルター48を含んで構成されている。なお、本実施形態のデジタル演算回路41は、これらの要素の一部を省略又は変更し、あるいは他の要素を追加した構成としてもよい。
クロック生成回路43は、マスタークロック信号MCLK(発振回路60の出力信号)を基に、A/D変換回路44のサンプリングクロック信号CLK1とA/D変換回路47のサンプリングクロック信号CLK2を生成して出力する。
A/D変換回路44は、サンプリングクロック信号CLK1に同期して、検出回路30が出力する角速度信号VAOをサンプリングし、サンプリングした電圧値をデジタルデータに変換して出力する。
A/D変換回路47は、サンプリングクロック信号CLK2に同期して、温度センサー70が出力する温度信号VTOをサンプリングし、サンプリングした電圧値をデジタルデータに変換して出力する。ここで、物理量検出装置2の周囲温度が変化する頻度は、物理量検出装置2に加わる角速度が変化する頻度よりもかなり小さいため、消費電力を削減するために、A/D変換回路47のサンプリング周期(サンプリングクロック信号CLK2の周期)は、A/D変換回路44のサンプリング周期(サンプリングクロック信号CLK1の周期)よりもかなり長い時間に設定される。
また、A/D変換回路47は、温度信号VTOをサンプリングする毎に、A/D変換回
路44の1サンプリング周期(サンプリングクロック信号CLK1の1周期)の間ハイレベルとなる温度データ更新フラグTFLGを出力する。この温度データ更新フラグTFLGは、インターフェイス回路42及びデジタル補正部46に入力される。
デジタルフィルター45は、マスタークロック信号MCLKに同期して、A/D変換回路44の出力信号に対してフィルタリング処理を行い、デジタルデータを出力する。
デジタルフィルター48は、マスタークロック信号MCLKに同期して、A/D変換回路47の出力信号に対してフィルタリング処理を行い、デジタルデータを出力する。デジタルフィルター48が出力するデジタルデータは、温度データVDO2としてインターフェイス回路42及びデジタル補正部46に入力される。
デジタル補正部46は、マスタークロック信号MCLKに同期して、デジタルフィルター45が出力するデジタルデータに対して、オフセット補正、感度補正、出力レンジ調整、ビット制限等の各種の処理を行う。
また、デジタル補正部46は、デジタルフィルター45が出力するデジタルデータが更新される度に(サンプリングクロック信号CLK1の1周期毎に)、当該デジタルデータに、温度変動によるオフセットや感度の変動を補正するための補正量を加算する温度変動補正処理を行う。デジタル補正部46は、温度データVDO2が更新される度に(サンプリングクロック信号CLK2の1周期毎に)、例えば、温度データ更新フラグTFLGがハイレベルになる毎に、デジタルフィルター48が出力する温度データVDO2に基づいて当該補正量を計算する。
さらに、デジタル補正部46は、デジタルフィルター45が出力するデジタルデータが更新される度に(サンプリングクロック信号CLK1の1周期毎に)、当該デジタルデータに、電源電圧変動によるオフセットや感度の変動を補正するための補正量を加算する電源電圧変動補正処理を行ってもよい。
デジタル補正部46が出力するデジタルデータは、角速度データVDO1としてインターフェイス回路42に入力される。
本実施形態では、A/D変換回路47及びデジタルフィルター48は、第1物理量として温度の情報を発信する第1物理量検出部4aであり、A/D変換回路44、デジタルフィルター45及びデジタル補正部46は、第1物理量以外の物理量である第2物理量として、力もしくは力に関わる物理量である角速度の情報を発信する第2物理量検出部4bである。
[MCUとの通信]
物理量処理回路40(インターフェイス回路42)は、MCU3が発信する各種のコマンドを受信し、コマンドに応じたデータをMCU3に発信する処理を行う。本実施形態では、MCU3が発信する各種のコマンドには、角速度データ出力コマンド(角速度情報を出力することを要求する要求信号)と温度データ出力コマンド(温度情報を出力することを要求する要求信号)が含まれている。
本実施形態では、MCU3は、角速度データVDO1の更新周期と同じ周期で角速度データ出力コマンドを発信し、物理量処理回路40(インターフェイス回路42)は、MCU3から角速度データ出力コマンドを受信して、MCU3に、角速度データVDO1と共に、温度情報の更新情報を発信する。この温度情報の更新情報には温度データ更新フラグTFLGが含まれている。
図8(A)は、物理量処理回路40(インターフェイス回路42)が角速度データ出力コマンドを受信した場合に出力するデータの一例を示す図である。物理量処理回路40(インターフェイス回路42)は、SI端子を介して角速度データ出力コマンドを受信すると、SO端子を介して、温度データ更新フラグTFLG、その他のフラグ群及び角速度データVDO1を1ビットずつシリアルに出力する。
MCU3は、角速度データVDO1を受信し、角速度データVDO1を用いた所定の処理を行う。また、MCU3は、温度データ更新フラグTFLGを受信して、温度データ更新フラグTFLGに応じて、物理量処理回路40(インターフェイス回路42)に温度データ出力コマンドを発信する。例えば、MCU3は、温度データ更新フラグTFLGが1(ハイレベル)の場合(温度データVDO2が更新されたことを示す場合)、更新後の温度データVDO2を取得するために温度データ出力コマンドを発信し、温度データ更新フラグTFLGが0(ローレベル)の場合(温度データVDO2が更新されていないことを示す場合)、温度データ出力コマンドを発信しない。
物理量処理回路40(インターフェイス回路42)は、MCU3から温度データ出力コマンドを受信すると、MCU3に、温度データVDO2を発信し、MCU3は、温度データVDO2を受信して、温度データVDO2を用いて所定の処理を行う。
図8(B)は、物理量処理回路40(インターフェイス回路42)が温度データ出力コマンドを受信した場合に出力するデータを示す図である。物理量処理回路40(インターフェイス回路42)は、SI端子を介して温度データ出力コマンドを受信すると、SO端子を介して、温度データ更新フラグTFLG、その他のフラグ群及び温度データVDO2を1ビットずつシリアルに出力する。
[効果]
以上に説明したように、第1実施形態の物理量処理装置1では、物理量処理回路40は、MCU3からの角速度データ出力コマンドに応答して角速度データVDO1と共に温度データ更新フラグTFLGを発信するので、MCU3は、角速度データVDO1を取得するとともに、温度データ更新フラグTFLGが、温度データVDO2が更新されたことを示す場合にのみ、温度データ出力コマンドを発信することができる。そして、物理量処理回路40は、MCU3からの温度データ出力コマンドに応答して温度データVDO2を発信するので、MCU3は、温度データVDO2の更新周期(角速度データVDO1の更新周期よりも長い)と同期して、温度データVDO2を取得することができる。
従って、第1実施形態の物理量処理装置1(物理量処理回路40)によれば、MCU3が角速度データVDO1を取得するとともに角速度データVDO1よりも低い頻度で温度データVDO2を取得することができ、MCU3の通信負荷及び処理負荷を軽減することができる。
また、第1実施形態の物理量処理装置1(物理量処理回路40)によれば、温度データ更新フラグTFLGは温度データVDO2よりも情報量が小さいため、角速度データVDO1と共に温度データVDO2を常に受信する場合と比較して、MCU3が取得するデータ量を削減することができ、MCU3の負荷を軽減することができる。
1−2.第2実施形態
第2実施形態の物理量処理装置1は、第1実施形態と同様、物理量検出素子100と物理量検出用回路200を有する物理量検出装置2及びMCU3を含んで構成されており、物理量検出用回路200は、第1実施形態と同様、基準電圧回路10、駆動回路20、検
出回路30、物理量処理回路40、記憶部50、発振回路60及び温度センサー70を含んで構成されている。ただし、第2実施形態の物理量処理装置1では、物理量処理回路40の構成が第1実施形態と異なる。
図9は、第2施形態の物理量処理装置1における物理量処理回路40の構成例を示す図である。以下では、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付し、第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と重複する説明を省略する。
図9に示すように、物理量処理回路40は、デジタル演算回路41及びインターフェイス回路42を含んで構成されており、デジタル演算回路41は、クロック生成回路43、A/D変換回路44、デジタルフィルター45、デジタル補正部46、A/D変換回路47、デジタルフィルター48及び温度変化検出部49を含んで構成されている。
クロック生成回路43、A/D変換回路44、デジタルフィルター45、デジタルフィルター48の機能は、第1実施形態(図7)と同様である。また、A/D変換回路47の機能は、温度データ更新フラグTFLGを出力しない点を除いて、第1実施形態(図7)と同様である。
温度変化検出部49は、デジタルフィルター48が出力するデジタルデータ(温度データVDO2)が更新される毎に(サンプリングクロック信号CLK2の1周期毎に)、更新前の温度データVDO2と更新後の温度データVDO2とを比較し、両者が異なる場合に、A/D変換回路44の1サンプリング周期(サンプリングクロック信号CLK1の1周期)の間ハイレベルとなる温度データ変化フラグTCFLGを出力する。この温度データ変化フラグTCFLGは、温度の経時変化の有無を示す情報であり、インターフェイス回路42及びデジタル補正部46に入力される。
デジタル補正部46は、第1実施形態と同様に、デジタルフィルター45が出力するデジタルデータが更新される度に(CLK1の1周期毎に)、当該デジタルデータに、温度変動によるオフセットや感度の変動を補正するための補正量を加算する温度変動補正処理を行う。デジタル補正部46は、温度が経時変化する度に、すなわち温度データ変化フラグTCFLGがハイレベルになる毎に、デジタルフィルター48が出力する温度データVDO2に基づいて当該補正量を計算する。デジタル補正部46は、この他第1実施形態と同様の各種処理を行い、デジタル補正部46が出力するデジタルデータは、角速度データVDO1としてインターフェイス回路42に入力される。
第1実施形態と同様に、A/D変換回路47及びデジタルフィルター48は、第1物理量として温度の情報を発信する第1物理量検出部4aであり、A/D変換回路44、デジタルフィルター45及びデジタル補正部46は、第2物理量として角速度の情報を発信する第2物理量検出部4bである。
本実施形態では、MCU3は、角速度データVDO1の更新周期と同じ周期で角速度データ出力コマンドを発信し、物理量処理回路40(インターフェイス回路42)は、MCU3から角速度データ出力コマンドを受信して、MCU3に、角速度データVDO1と共に、温度データVDO2及び温度情報の更新情報を発信する。この温度情報の更新情報には温度データ変化フラグTCFLGが含まれている。
MCU3は、角速度データVDO1を受信し、角速度データVDO1を用いて所定の処理を行う。また、MCU3は、温度データ変化フラグを受信して、温度データ変化フラグTCFLGに応じて、温度データVDO2を受信する。例えば、MCU3は、温度データ変化フラグTCFLGが1(ハイレベル)の場合(温度が経時変化したことを示す場合)
、温度データVDO2を受信し(取り込み)、温度データ変化フラグTCFLGが0(ローレベル)の場合(温度が経時変化していないことを示す場合)、温度データVDO2を受信しない(取り込まない)。そして、MCU3は、直近に(最後に)受信した温度データVDO2を用いて所定の処理を行う。
図10(A)及び図10(B)は、物理量処理回路40(インターフェイス回路42)が角速度データ出力コマンドを受信した場合に出力するデータの一例を示す図である。図10(A)及び図10(B)のいずれでも、物理量処理回路40(インターフェイス回路42)は、SI端子を介して角速度データ出力コマンドを受信すると、SO端子を介して、温度データ変化フラグTCFLG、その他のフラグ群、角速度データVDO1を1ビットずつシリアルに出力する。
図10(A)では、温度データ変化フラグTCFLGが1(温度が経時変化したことを示す)であり、MCU3は、角速度データVDO1の受信後もSCLK端子からシリアルクロック信号を供給し、これに応じて、物理量処理回路40(インターフェイス回路42)は、SO端子を介して、温度データVDO2を1ビットずつシリアルに出力する。MCU3は、この温度データVDO2を受信する。
図10(B)では、温度データ変化フラグTCFLGが0(温度が経時変化していないことを示す)であり、MCU3は、角速度データVDO1の受信後もSCLK端子からシリアルクロック信号を供給しない。これにより、物理量処理回路40(インターフェイス回路42)は、温度データVDO2を出力せず、MCU3は、温度データVDO2を受信しない。
この第2実施形態の物理量処理装置1では、物理量処理回路40は、MCU3からの角速度データ出力コマンドに応答して角速度データVDO1と共に温度データ変化フラグTCFLGを発信するので、MCU3は、角速度データVDO1を取得するとともに、温度データ変化フラグTCFLGが、温度データVDO2が変化したことを示す場合にのみ、温度データを取得することができる。
従って、第2実施形態の物理量処理装置1(物理量処理回路40)によれば、MCU3が角速度データVDO1を取得するとともに、実際の温度変化に追従しながら角速度データVDO1よりも低い頻度で温度データVDO2を取得することができ、MCU3の通信負荷及び処理負荷を軽減することができる。
また、第2実施形態の物理量処理装置1(物理量処理回路40)によれば、温度データ変化フラグTCFLGは温度データVDO2よりも情報量が小さいため、角速度データVDO1と共に温度データVDO2を常に受信する場合と比較して、MCU3が取得するデータ量を削減することができ、MCU3の負荷を軽減することができる。
2.電子機器
図11は、電子機器の一例である横滑り防止装置の機能ブロック図である。図11に示す横滑り防止装置300は、角速度センサー310、加速度センサー320、車速センサー330、舵角センサー340、制御装置(MCU)350及びブレーキ装置360を含んで構成されており、例えば、不図示の車両に取り付けられる。
制御装置(MCU)350は、角速度センサー310の出力信号(車両の角速度の情報)、加速度センサー320の出力信号(車両の加速度の情報)、車速センサー330の出力信号(車両の速度の情報)及び舵角センサー340(車両のハンドルもしくはタイヤの角度の情報)を取得し、車両の姿勢を保持するようにブレーキ装置360を制御する。
例えば、角速度センサー310として、例えば上述した各実施形態の物理量検出装置2を適用し、あるいは、角速度センサー310に含まれる角速度処理回路312として、例えば上述した各実施形態の物理量処理回路40を適用することにより、制御装置(MCU)350の負荷を軽減し、信頼性の高い横滑り防止装置300を実現することができる。
なお、例えば、加速度センサー320として、上述した各実施形態の物理量検出装置2を適用し、あるいは、加速度センサー320に含まれる加速度処理回路(不図示)として、上述した各実施形態の物理量処理回路40を適用することもできる。
上述した各実施形態の物理量検出装置2あるいは物理量処理回路40を適用可能な電子機器としては、横滑り防止装置300以外にも種々の電子機器が考えられ、例えば、パーソナルコンピューター(例えば、モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター)、スマートフォンや携帯電話機などの移動体端末、ディジタルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えば、インクジェットプリンター)、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、移動体端末基地局用機器、テレビ、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、エアーバッグ制御装置、リアルタイムクロック装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ゲーム用コントローラー、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)等が挙げられる。
3.移動体
図12は、本実施形態の移動体の一例を示す図(上面図)である。図12に示す移動体400は、物理量検出装置410,420,430、コントローラー440,450,460、バッテリー470、ナビゲーション装置480を含んで構成されている。なお、本実施形態の移動体は、図12の構成要素(各部)の一部を省略し、あるいは、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
物理量検出装置410,420,430、コントローラー440,450,460、ナビゲーション装置480は、バッテリー470から供給される電源電圧で動作する。
コントローラー440,450,460は、それぞれ、物理量検出装置410,420,430が出力する物理量信号の一部又は全部を用いて、姿勢制御システム、横転防止システム、ブレーキシステム、エアーバッグシステム等の各種の制御を行う。
ナビゲーション装置480は、内蔵のGPS受信機(不図示)の出力情報に基づき、移動体400の位置や時刻その他の各種の情報をディスプレイに表示する。また、ナビゲーション装置480は、物理量検出装置490を内蔵しており、GPSの電波が届かない時でも物理量検出装置490の出力信号に基づいて移動体400の位置や向きの計算を行い、必要な情報の表示を継続する。
物理量検出装置410,420,430,490は、検出した物理量に応じたレベルの信号(物理量信号)を出力する装置であり、それぞれ、例えば、角速度センサー、加速度センサー、速度センサー、傾斜計等である。
例えば、物理量検出装置410,420,430,490として、上述した各実施形態の物理量検出装置2を適用し、あるいは、物理量検出装置410,420,430,490に含まれる物理量処理回路(不図示)として、上述した各実施形態の物理量処理回路40を適用することにより、コントローラー440,450,460あるいはナビゲーション装置480の負荷を軽減し、信頼性の高い移動体を実現することができる。
このような移動体400としては種々の移動体が考えられ、例えば、自動車(電気自動車も含む)、ジェット機やヘリコプター等の航空機、船舶、ロケット、人工衛星等が挙げられる。
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した各実施形態では、温度センサー70は、物理量検出用回路200(例えば、1チップのIC)の内部に設けられているが、物理量検出用回路200の外部に設けられていてもよい。
また、例えば、上述した第1実施形態において、温度データ更新フラグTFLGを第2実施形態の温度データ変化フラグTCFLGに置き換えてもよいし、上述した第2実施形態において、温度データ変化フラグTCFLGを第1実施形態の温度データ更新フラグTFLGに置き換えてもよい。
また、上述した各実施形態では、角速度を検出する物理量検出装置2を含む角速度処理装置を例に挙げて説明したが、本発明は、種々の物理量を検出する物理量検出装置を含む物理量処理装置にも適用することができる。物理量検出装置が有する物理量検出素子が検出する物理量は、角速度に限らず、角加速度、加速度、速度、力などであってもよい。また、物理量検出素子の振動片は、ダブルT型でなくてもよく、例えば、音叉型やくし歯型であってもよいし、三角柱、四角柱、円柱状等の形状の音片型であってもよい。また、物理量検出素子の振動片の材料としては、水晶(SiO2)の代わりに、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の圧電単結晶やジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスなどの圧電性材料を用いてもよいし、シリコン半導体を用いてもよい。また、例えば、シリコン半導体の表面の一部に、駆動電極に挟まれた酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)等の圧電薄膜を配置した構造であってもよい。また、物理量検出素子は、圧電型の素子に限らず、動電型、静電容量型、渦電流型、光学型、ひずみゲージ型等の振動式の素子であってもよい。あるいは、物理量検出素子の方式は、振動式に限らず、例えば、光学式、回転式、流体式であってもよい。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 物理量処理装置、2 物理量検出装置、3 MCU、4a 第1物理量検出部、4b
第2物理量検出部、10 基準電圧回路、20 駆動回路、21 帰還発振用回路、21 I/V変換回路(電流電圧変換回路)、22 ハイパスフィルター、23 コンパレーター、24 全波整流回路、25 積分器、26 コンパレーター、30 検出回路、31,32 チャージアンプ、33 差動アンプ、34 ハイパスフィルター、35 ACアンプ、36 同期検波回路、37 可変ゲインアンプ、38 スイッチトキャパシタフィルター(SCF)、39 出力バッファー、40 物理量処理回路、41 デジタル演算回路、42 インターフェイス回路、43 クロック生成回路、44 A/D変換回路、45 デジタルフィルター、46 デジタル補正部、47 A/D変換回路、48 デジタルフィルター、49 温度変化検出部、50 記憶部、60 発振回路、70 温度センサー、100 物理量検出素子、101a〜101b 駆動振動腕、102 検出振動腕、103 錘部、104a〜104b 駆動用基部、105a〜105b 連結腕、106 錘部、107 検出用基部、112〜113 駆動電極、114〜115 検出電極、116 共通電極、200 物理量検出用回路、300 横滑り防止装置、310 角速度センサー、312 角速度処理回路、320 加速度センサー、330 車速センサー、340 舵角センサー、350 制御装置(MCU)、360 ブレーキ装置、400 移動体、410,420,430 物理量検出装置、440,450,460
コントローラー、470 バッテリー、480 ナビゲーション装置、490 物理量検出装置

Claims (9)

  1. 第1物理量の情報を発信する第1物理量検出部と、
    前記第1物理量以外の物理量である第2物理量の情報を発信する第2物理量検出部と、を備え、
    前記第2物理量の情報と共に、前記第1物理量の情報よりも情報量が小さい前記第1物理量の情報の更新情報を発信し、
    前記更新情報は、前記第1物理量の情報が新たに生成されたことを示す1ビットのフラグを含む、物理量処理回路。
  2. 前記第1物理量の情報が更新される周期は、前記第2物理量の情報が更新される周期よりも長い、請求項1に記載の物理量処理回路。
  3. 前記更新情報には、前記第1物理量の経時変化の有無を示す情報が含まれている、請求項1又は2に記載の物理量処理回路。
  4. 前記第1物理量が温度である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の物理量処理回路。
  5. 前記第2物理量が力もしくは力に関わる物理量である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の物理量処理回路。
  6. 前記第1物理量の情報を出力することを要求する要求信号を受けて前記第1物理量の情報を発信する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の物理量処理回路。
  7. 請求項に記載の物理量処理回路と、
    前記更新情報を受信して、前記更新情報に応じて前記要求信号を発信し、前記第1物理量の情報を受信して、当該第1物理量の情報を用いた処理を行う処理部と、
    を備えている、物理量処理装置。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の物理量処理回路を備えている、電子機器。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の物理量処理回路を備えている、移動体。
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