以下、本発明の一実施形態に係るガスエンジン駆動式空気調和装置1について説明する。ガスエンジン駆動式空気調和装置1は、図1及び図2に示すように、1台の室外機10と複数台の室内機(室内機20A,20B,・・・)とを備える。また、ガスエンジン駆動式空気調和装置1は、室外機10、室内機20A,20B,・・・を循環する冷媒の流路としての冷媒管30を備える。つまり、室外機10、室内機20A,20B,・・・の各構成部品が、冷媒管30を構成する複数の管で接続されている。また、ガスエンジン駆動式空気調和装置1は、室外機10、室内機20A,20B,・・・を制御する制御装置CTを備える。室外機10、室内機20A,20B,・・・内の装置の構成は周知の空気調和装置と同様である。以下、室外機10、室内機20A,20B,・・・の構成について簡単に説明しておく。
室外機10は、圧縮機11、ガスエンジン12、ラジエーター13、オイルセパレーター14、第1四方切替弁15、第2四方切替弁16、室外熱交換器17(第1室外熱交換器171及び第2室外熱交換器172)、冷却ファン18、第1膨張弁1a、第2膨張弁1b、レシーバー1c、ブリッジバルブ1d、過冷却コイル1e、アキュムレーター1f及び逆止弁1gを備える。本実施形態では、圧縮機11として、スクロール式圧縮機を採用している。圧縮機11は吸入口及び吐出口を有する。圧縮機11は、吸入口から低圧ガス状の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮して吐出口から吐出する。圧縮機11とガスエンジン12の回転駆動軸が図示しないクラッチ装置、駆動ベルトなどを介して接続されている。ガスエンジン12の回転駆動力が圧縮機11に伝達されて、圧縮機11が駆動される。ガスエンジン12の本体部には、冷却水の循環経路(パイプ又は孔)が設けられている。
ラジエーター13は、放熱器131を備える。ラジエーター13は、ガスエンジン12の本体部及び放熱器131に冷却水を循環させてガスエンジンを冷却する。オイルセパレーター14は、圧縮機11から吐出された冷媒に含まれる圧縮機用潤滑油を分離して貯留し、冷媒のみを吐出する。
第1四方切替弁15と第2四方切換弁16の構成は同一である。第1四方切替弁15及び第2四方切換弁16は、4個のポートP1~P4をそれぞれ有する。第1四方切替弁15及び第2四方切換弁16は、ポートP1とポートP4とが連通し、且つポートP2とポートP3とが連通した第1の状態と、ポートP1とポートP2とが連通し、且つポートP3とポートP4とが連通した第2の状態とを切り替え可能である。
室外熱交換器17は、第1室外熱交換器171及び第2室外熱交換器172を備える。第1室外熱交換器171及び第2室外熱交換器172は、フィンを備えた複数のパイプからそれぞれ構成される。第1室外熱交換器171は、ポート171a及びポート171bを備える。一方のポート171a(171b)に導入された冷媒が前記複数のパイプを通って他方のポート171b(171a)から吐出される。第2室外熱交換器172は、ポート172a及びポート172bを備える。一方のポート172a(172b)に導入された冷媒が前記複数のパイプを通って他方のポート172b(172a)から吐出される。第1室外熱交換器171の伝熱面積(フィンの表面積)が、第2室外熱交換器172の伝熱面積よりも大きい。
ラジエーター13の放熱器131、第1室外熱交換器171及び第2室外熱交換器172は近接配置されている。冷却ファン18は、ラジエーター13の放熱器131、第1室外熱交換器171及び第2室外熱交換器172に対面配置されている。冷却ファン18は、室外空気をラジエーター13の放熱器131、第1室外熱交換器171及び第2室外熱交換器172に吹き付ける。冷却ファンの19の回転数が後述する制御装置CTによって制御されて風量が変更される。
第1膨張弁1a及び第2膨張弁1bは、冷媒を減圧させる。レシーバー1cは、液化した冷媒を一時的に貯留する。
ブリッジバルブ1dは、逆止弁1d1,1d2,1d3,1d4から構成されている。逆止弁1d1の出力ポートと逆止弁1d2の出力ポートとが連通している。逆止弁1d3の入力ポートと逆止弁1d4の入力ポートとが連通している。逆止弁1d1の入力ポートと逆止弁1d3の出力ポートとが連通している。また、逆止弁1d2の入力ポートと逆止弁1d4の出力ポートとが連通している。
過冷却コイル1eは、本体部1e1と過冷却調整弁1e2を備える。本体部1e1は、冷媒が流通する2つの流路Ra,Rbを備える。流路Raの一端と流路Rbの一端との間に過冷却調整弁1e2が設けられている。流路Raを流通した冷媒の一部が過冷却調整弁1e2を通過して他方の流路Rbを流通する。これにより、流路Raを流通する冷媒の過冷却度が高められる。
アキュムレーター1fは、液状の冷媒とガス状の冷媒とを分離する。逆止弁1gは、冷媒の所定の方向への流れを許容し、反対方向への流れを禁止する。
つぎに、室内機20A,20B,・・・の構成について説明する。室内機20A,20B,・・・の構成は同一である。室内機20A,20B,・・・は、室内熱交換器21、膨張弁22及び分流装置23をそれぞれ備える。室内熱交換器21は、フィンを備えた複数のパイプから構成される。室内熱交換器21は、ポート21a及びポート21bを備える。一方のポート21a(21b)に導入された冷媒が前記複数のパイプを通って他方のポート21b(21a)から吐出される。膨張弁22は、冷媒を減圧させる。分流装置23は、2つの開閉弁23a,23bを備える。
つぎに、ガスエンジン駆動式空気調和装置1の各構成部品の接続関係について説明する。圧縮機11の吐出口と第1四方切替弁15のポートP1とがオイルセパレーター14を介して接続されている。また、圧縮機11の吐出口と第2四方切替弁16のポートP1とがオイルセパレーター14を介して接続されている。第1四方切替弁15のポートP4と第1室外熱交換器171のポート171aとが接続されている。第2四方切替弁16のポートP4と第2室外熱交換器172のポート172aとが接続されている。第1四方切替弁15のポートP3と逆止弁1gの入力ポートとが接続されている。第2四方切替弁16のポートP3と逆止弁1gの入力ポートとが接続されている。逆止弁1gの出力ポートとアキュムレーター1fの入力ポートとが接続されている。アキュムレーター1fの出力ポートと圧縮機11の吸入口とが接続されている。なお、第1四方切替弁15及び第2四方切替弁16のポートP2はそれぞれ閉鎖されている。
また、第1室外熱交換器171のポート171b(第1四方切替弁15とは反対側)と逆止弁1d1の入力ポート(逆止弁1d3の出力ポート)とが、膨張弁1aを介して接続されている。第2室外熱交換器172のポート172b(第2四方切替弁16とは反対側)と逆止弁1d1の入力ポート(逆止弁1d3の出力ポート)とが、膨張弁1bを介して接続されている。逆止弁1d1の出力ポート(逆止弁1d2の出力ポート)とレシーバー1cの入力ポートとが接続されている。レシーバー1cの出力ポートと過冷却コイル1eの流路Raとが接続されている。流路Raと流路Rbとが過冷却調整弁1e2を介して接続されている。流路Rbとアキュムレーター1fの入力ポートとが接続されている。流路Raと逆止弁1d3(逆止弁1d4)の入力ポートとが接続されている。また、逆止弁1d4の出力ポート(逆止弁1d2の入力ポート)と各室内熱交換器21のポート21aとが、膨張弁22を介して接続されている。
また、各室内熱交換器21のポート21bが、開閉弁23aを介して、第1四方切替弁14とオイルセパレーター14との中間点(分岐点3a)に接続されている。また、各室内熱交換器21のポート21bが開閉弁23bを介して、逆止弁1gとアキュムレーター1fとの中間点(分岐点3b)に接続されている。
ここで、冷媒管30のうち、液状の冷媒が流通する部分を液管31と呼ぶ。また、冷媒管30のうち、高圧ガス状の冷媒が流通する部分を高圧ガス管32と呼び、低圧ガス状の冷媒が流通する部分を低圧ガス管33と呼ぶ。
液管31、高圧ガス管32及び低圧ガス管33の中間部のうちの室外機10側の部分と、室内機20A,20B,・・・側の部分とが、ボールバルブ41,42,43を介して接続されている。具体的には、ボールバルブ41は、ブリッジバルブ1dと膨張弁22との間に設けられている。また、ボールバルブ42は、分岐点3aと開閉弁23aとの間に設けられている。また、ボールバルブ43は、分岐点3bと開閉弁23bとの間に設けられている。
また、ガスエンジン駆動式空気調和装置1は、各部の温度、圧力などをそれぞれ検出する複数のセンサを備える。例えば、ガスエンジン駆動式空気調和装置1は、圧縮機11の吸入口における冷媒の圧力を検出する低圧センサ51及び圧縮機11の吐出口における冷媒の圧力を検出する高圧センサ52を備える。また、ガスエンジン駆動式空気調和装置1は、ラジエーター13の冷却水の温度を検出する温度センサ53を備える。
制御装置CTは、演算装置、メモリ、タイマーなどからなるマイクロコンピュータを備える。制御装置CTは、ユーザーが、各室内機の空調モード(冷房モード又は暖房モード)、目標の室温、風量などを設定する際に用いるスイッチ、表示装置などを備えた操作パネルを含む。これらの設定情報は、制御装置CTのマイクロコンピュータに入力される。制御装置CTは、上記の設定情報、各種センサから取得した圧力情報及び温度情報に基づいて、室外機10及び室内機20A,20B,・・・を制御する。
つぎに、冷媒の流れについて説明する。上記のように構成されたガスエンジン駆動式空気調和装置1は、すべての室内機20A,20B,・・・を冷房装置として運転(全冷房運転)することができるように構成されている。また、ガスエンジン駆動式空気調和装置1は、すべての室内機20A,20B,・・・を暖房装置として運転(全暖房運転)することができるように構成されている。また、ガスエンジン駆動式空気調和装置1は、室内機20A,20B,・・・のうちのいくつかの室内機を暖房装置として運転し、他のいくつかの室内機を冷房装置として運転することができるように構成されている。室内機20A,20B,・・・のうち、暖房装置として運転する室内機より冷房装置として運転する室内機の方が多い運転状態を冷房メイン運転と呼ぶ。逆に、室内機20A,20B,・・・のうち、冷房装置として運転する室内機より暖房装置として運転する室内機の方が多い運転状態を暖房メイン運転と呼ぶ。
本発明は、室外熱交換器17を凝縮器として運転する場合の室外熱交換器17の伝熱面積の制御及び冷却ファン18の制御に関する。とくに、本発明は、冷房メイン運転における室外熱交換器17の伝熱面積の制御及び冷却ファン18の制御に関する。そこで、以下、冷房メイン運転における冷媒の流れについて説明し、その他の運転状態(全冷房運転、全暖房運転及び暖房メイン運転)における冷媒の流れについての説明を省略する。なお、図1及び図2における弁のうち、黒く塗りつぶした弁が閉じられている。
つぎに、冷房メイン運転における冷媒の流れについて図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2は、室内機20Aを暖房装置とし運転するとともに、室内機20Bを冷房装置として運転する例を示している。他のいくつかの室内機を冷房装置として運転し、他のいくつかの室内機を暖房装置として運転している。冷房メイン運転では、詳しくは後述するように、室外熱交換器17の第1室外熱交換器171又は第2室外熱交換器172が選択されるように、第1四方切換弁15及び第2四方切換弁16が設定される。以下、第1室外熱交換器171が選択されている動作モード(図1参照)を第1モードと呼び、第2室外熱交換器172が選択されている動作モード(図2参照)を第2モードと呼ぶ。すなわち、第1モードでは、第1四方切換弁が第1の状態に設定され、第2四方切換弁が第2の状態に設定されるとともに、膨張弁1aが開かれ、膨張弁1bが閉じられる。第2モードでは、第1四方切換弁が第2の状態に設定され、第2四方切換弁が第1の状態に設定されるとともに、膨張弁1aが閉じられ、膨張弁1bが開かれる。動作モードの切り替え制御については後述することとし、ここでは、まず、室外機10及び室内機20A,20B,・・・における冷媒の流れの概略について説明する。なお、冷房メイン運転では、室外熱交換器17(第1室外熱交換器171又は第2室外熱交換器172)は、凝縮器として機能する。また、暖房装置として運転する室内機20Aの開閉弁23aが開放され、且つ開閉弁23bが閉鎖される。暖房装置として運転する他の室内機の開閉弁23a,23bに関しても、室内機20Aと同様に設定される。一方、冷房装置として運転する室内機20Bの開閉弁23aが閉鎖され、且つ開閉弁23bが開放される。冷房装置として運転する他の室内機の開閉弁23a,23bに関しても、室内機20Bと同様に設定される。
圧縮機11から吐出された高圧ガス状の冷媒は、オイルセパレーター14に導入される。オイルセパレーター14から吐出された冷媒が、高圧ガス管32及び室外熱交換器17に導入される。高圧ガス管32に導入された冷媒は、暖房装置としての室内機(例えば室内機20A)の室内熱交換器21に導入される。室内熱交換器21に導入された高圧ガス状の冷媒は室内熱交換器21内を流通する間に室内空気に熱を放出して凝縮する。このとき冷媒から放出された熱によって室内空気が暖められる。室内空気に熱を放出して凝縮した冷媒は室内熱交換器21から排出され、冷房装置としての室内機(例えば室内機20B)の室内熱交換器21に導入される。
一方、オイルセパレーター14から吐出されて室外熱交換器17に導入された高圧ガス状の冷媒は室外熱交換器17内を流通する間に外気に熱を放出して凝縮する。
外気に熱を放出して凝縮した冷媒が室外熱交換器17から排出される。そして、膨張弁16で膨張することにより低圧化され、ブリッジバルブ1d、レシーバー1c.過冷却コイル1e及び液管31をこの順に経由して、冷房装置としての室内機(例えば室内機20B)の室内熱交換器21に導入される。なお、上述した暖房装置としての室内機(例えば室内機20A)から排出された冷媒も、冷房装置としての室内機(例えば室内機20B)の室内熱交換器21に導入される。室内熱交換器21に導入された冷媒は室内熱交換器21内を流通する間に室内空気の熱を奪って蒸発する。このとき冷媒が室内空気の熱を奪うことによって室内空気が冷やされる。
室内空気の熱を奪って蒸発した冷媒は室内熱交換器21から排出され、低圧ガス管33を経由して、アキュムレーター1fに導入される。そして、低圧ガス状の冷媒が圧縮機11の吸入口に帰還する。
冷房メイン運転において、制御装置CTは、低圧センサ51を用いて、圧縮機11の吸入口側における冷媒の圧力を検出するとともに高圧センサ52を用いて、圧縮機11の吐出口側における冷媒の圧力を検出する。制御装置CTは、前記検出した圧力、又は前記圧力に基づいて計算した値が、所定の目標値にそれぞれ一致するように、ガスエンジン12の回転数及び各種弁を制御する。例えば、制御装置CTは、低圧センサ51を用いて検出した圧力に相当する飽和温度(低圧相当温度)の現在値が、所定の目標値に一致し、且つ高圧センサ52を用いて検出した圧力に相当する飽和温度(高圧相当温度)の現在値TPHPが、所定の目標値TTHPに一致するように、ガスエンジン12の回転数及び各種弁を制御する。
上記のように、例えば、低温環境下では、高温環境下に比べて、室外熱交換器17にて冷媒が凝縮し易く、高圧相当温度の現在値TPHPが目標値TTHPよりも低くなる傾向にある。このように、ガスエンジン駆動式空気調和装置1の外気温度に応じて、室外熱交換器17にて冷媒と室外空気との間でなされる単位時間当たりの熱交換量が変化する。そこで、制御装置CTは、冷却ファン18の回転数RFを適宜変更するとともに、動作モードを切り替えて室外熱交換器17の伝熱面積を変更することにより、室外熱交換器17における単位時間当たりの熱交換量を適切な値に保持する。
具体的には、制御装置CTは、図3乃至図7に示す室外熱交換器及び冷却ファン制御プログラムをメモリから読み出して実行する。制御装置CTは、ステップS10にて室外熱交換器及び冷却ファン制御処理を開始する。つぎに、制御装置CTは、ステップS11にて、初期化処理を実行する。例えば、制御装置CTは、タイマーを用いて、経過時間TM(図4乃至図7参照)の計測を開始する。後述するように、動作モードが切り替えられるごとに、タイマーがリセットされる。したがって、経過時間TMは、動作モードを切り替えてから経過した時間を表す。つぎに、制御装置CTは、ステップS12にて、温度センサ53を用いて、ラジエーター13の冷却水の温度の現在値TPWを検出する。つぎに、制御装置CTは、ステップS13にて、冷却水の温度の現在値TPWと所定の目標値TTWとの差を表す冷却水温度差ΔTW(=TPW-TTW)を計算する。つぎに、制御装置CTは、ステップS14にて、高圧センサ52を用いて、圧縮機11の吐出口側における冷媒の圧力を検出し、その圧力に相当する飽和温度である高圧相当温度の現在値TPHPを計算する。つぎに、制御装置CTは、ステップS15にて、高圧相当温度の現在値TPHPと目標値TTHPとの差を表す高圧相当温度差ΔTHP(=TPHP-TTHP)を計算する。つぎに、制御装置CTは、ステップS16にて、冷却水温度差ΔTW及び高圧相当温度差ΔTHPに応じて、次に実行する処理(処理A、処理B、処理C及び処理Dのうちの1つ)を選択する。
具体的には、冷却水温度差ΔTWが「0」より大きく、且つ高圧相当温度差ΔTHPが「0」より大きいとき、制御装置CTは、処理A(ステップS20)を選択して実行する。また、冷却水温度差ΔTWが「0」より小さく、且つ高圧相当温度差ΔTHPが「0」より小さいとき、制御装置CTは、処理B(ステップS30)を選択して実行する。また、冷却水温度差ΔTWが「0」より大きく、且つ高圧相当温度差ΔTHPが「0」より小さいとき、制御装置CTは、処理C(ステップS40)を選択して実行する。また、冷却水温度差ΔTWが「0」より小さく、且つ高圧相当温度差ΔTHPが「0」より大きいとき、制御装置CTは、処理D(ステップS50)を選択して実行する。冷却水温度差ΔTW及び高圧相当温度差ΔTHPが上記のいずれの条件にも当てはまらないとき、制御装置CTは、ステップS12に戻る。
つぎに、図4に示す処理Aについて説明する。制御装置CTは、ステップS20にて、処理Aを開始する。つぎに、制御装置CTは、ステップS21にて、冷却ファン18の回転数RFを増大させる。具体的には、制御装置CTは、現在の回転数RFに所定の補正値ΔRF(例えば、10min―1)を加算して、回転数RFを更新する。ただし、更新結果が最大値RFmaxを超えるとき、制御装置CTは、回転数RFを最大値RFmaxに設定する。つぎに、制御装置CTは、ステップS22にて、回転数RFが最大値RFmaxであるか否かを判定する。回転数RFが最大値RFmaxより小さいとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS27にて処理Aを終了し、ステップS12に戻る。一方、回転数RFが最大値RFmaxであるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定し、ステップS23にて、ガスエンジン駆動式空気調和装置1の現在の動作モードが第2モードであるか否かを判定する。現在の動作モードが第1モードであるとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS27にて、処理Aを終了し、ステップS12に戻る。一方、現在の動作モードが第2モードであるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定して、ステップS24にて、経過時間TMが所定の時間ΔTM(例えば5分)以上であるか否かを判定する。経過時間TMが所定の時間ΔTMを下回るとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS27にて処理Aを終了し、ステップS11に戻る。一方、経過時間TMが所定の時間ΔTM以上であるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定して、ステップS25にて、動作モードを第1モードに変更する。つぎに、制御装置CTは、ステップS26にて、経過時間TMを初期化(「0」に設定)する。そして、制御装置CTは、ステップS27にて、処理Aを終了し、ステップS12に戻る。
つぎに、図5に示す処理Bについて説明する。制御装置CTは、ステップS30にて、処理Bを開始する。つぎに、制御装置CTは、ステップS31にて、冷却ファン18の回転数RFを減少させる。具体的には、制御装置CTは、現在の回転数RFから所定の補正値ΔRF(例えば、10min―1)を減算して、回転数RFを更新する。ただし、更新結果が最小値RFmin(例えば0min―1)を下回るとき、制御装置CTは、回転数RFを最小値RFminに設定する。つぎに、制御装置CTは、ステップS32にて、回転数RFが最小値RFminであるか否かを判定する。回転数RFが最小値RFminより大きいとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS37にて処理Bを終了し、ステップS12に戻る。一方、回転数RFが最小値RFminであるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定し、ステップS33にて、ガスエンジン駆動式空気調和装置1の現在の動作モードが第1モードであるか否かを判定する。現在の動作モードが第2モードであるとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS37にて、処理Bを終了し、ステップS12に戻る。一方、現在の動作モードが第1モードであるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定して、ステップS34にて、経過時間TMが所定の時間ΔTM(例えば5分)以上であるか否かを判定する。経過時間TMが所定の時間ΔTMを下回るとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS37にて処理Bを終了し、ステップS12に戻る。一方、経過時間TMが所定の時間ΔTM以上であるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定して、ステップS35にて、動作モードを第2モードに変更する。つぎに、制御装置CTは、ステップS36にて、経過時間TMを初期化する。そして、制御装置CTは、ステップS37にて、処理Bを終了し、ステップS12に戻る。
つぎに、図6に示す処理Cについて説明する。制御装置CTは、ステップS40にて、処理Cを開始する。つぎに、制御装置CTは、ステップS41にて、冷却ファン18の回転数RFを増大させる。具体的には、制御装置CTは、現在の回転数RFに所定の補正値ΔRF(例えば、10min―1)を加算して、回転数RFを更新する。ただし、更新結果が最大値RFmaxを超えるとき、制御装置CTは、回転数RFを最大値RFmaxに設定する。つぎに、制御装置CTは、ステップS42にて、ガスエンジン駆動式空気調和装置1の現在の動作モードが第1モードであるか否かを判定する。現在の動作モードが第2モードであるとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS46にて、処理Cを終了し、ステップS12に戻る。一方、現在の動作モードが第1モードであるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定して、ステップS43にて、経過時間TMが所定の時間ΔTM(例えば5分)以上であるか否かを判定する。経過時間TMが所定の時間ΔTMを下回るとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS46にて処理Cを終了し、ステップS12に戻る。一方、経過時間TMが所定の時間ΔTM以上であるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定して、スステップS44にて、動作モードを第2モードに変更する。つぎに、制御装置CTは、ステップS45にて、経過時間TMを初期化する。そして、制御装置CTは、ステップS46にて、処理Cを終了し、ステップS12に戻る。
つぎに、図7に示す処理Dについて説明する。制御装置CTは、ステップS50にて、処理Dを開始する。つぎに、制御装置CTは、ステップS51にて、ガスエンジン駆動式空気調和装置1の現在の動作モードが第2モードであるか否かを判定する。現在の動作モードが第1モードであるとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS52にて、冷却ファン18の回転数RFを増大させる。具体的には、制御装置CTは、現在の回転数RFに所定の補正値ΔRF(例えば、10min―1)を加算して、回転数RFを更新する。ただし、更新結果が最大値RFmaxを超えるとき、制御装置CTは、回転数RFを最大値RFmaxに設定する。そして、制御装置CTは、ステップS56にて、処理Dを終了し、ステップS12に戻る。一方、現在の動作モードが第2モードであるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定して、ステップS53にて、経過時間TMが所定の時間ΔTM(例えば5分)以上であるか否かを判定する。経過時間TMが所定の時間ΔTMを下回るとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS56にて処理Dを終了し、ステップS12に戻る。一方、経過時間TMが所定の時間ΔTM以上であるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定して、ステップS54にて、動作モードを第1モードに変更する。つぎに、制御装置CTは、ステップS55にて、経過時間TMを初期化する。そして、制御装置CTは、ステップS56にて、処理Cを終了し、ステップS12に戻る。以降、制御装置CTは、ステップS12乃至ステップS16、及びステップS16にて選択した処理A乃至処理Dのうちの1つからなる一連の処理を繰り返し実行する。なお、動作モードを一度切り替えてから所定の時間ΔTMが経過するまで、次の動作モードの切り替えが禁止される。
冷却水の温度の現在値TPWが目標値TTWより大きく、且つ高圧相当温度の現在値TPHPが目標値TTHPより大きいとき、ガスエンジン12が過熱傾向にあり、且つ室外熱交換器17において冷媒が凝縮し難い状態にあると考えられる。そこで、処理Aにおいて、冷却ファン18の回転数RFを増大させることにより冷媒の凝縮を促進するとともに、ガスエンジン12の冷却を促進する。冷却ファン18の回転数RFを最大に設定しても冷媒の凝縮をさらに促進する必要がある場合には、動作モードを第1モードに切り替えることにより室外熱交換器17の伝熱面積を大きく設定する。
また、冷却水の温度の現在値TPWが目標値TTWより小さく、且つ高圧相当温度の現在値TPHPが目標値TTHPより小さいとき、ガスエンジン12は十分に冷却されている状態にあり、且つ室外熱交換器17において冷媒が凝縮し易い状態にあると考えられる。そこで、処理Bにおいて、冷却ファン18の回転数RFを減少させることにより冷媒の凝縮を抑制する。ガスエンジン12は十分に冷却されていると考えられるので、冷却ファン18の回転数RFを減少させても問題ない。冷却ファン18の回転数RFを最小に設定しても(例えば、冷却ファン18を停止させても)冷媒の凝縮をさらに抑制する必要がある場合には、動作モードを第2モードに切り替えることにより室外熱交換器17の伝熱面積を小さく設定する。
また、冷却水の温度の現在値TPWが目標値TTWより大きく、且つ高圧相当温度の現在値TPHPが目標値TTHPより小さいとき、ガスエンジン12は過熱傾向にあり、且つ室外熱交換器17において冷媒が凝縮し易い状態にあると考えられる。そこで、処理Cにおいて、冷却ファン18の回転数RFを増大させることによりガスエンジン12の冷却を促進する。冷却ファン18の回転数RFを増大させると、冷媒の凝縮がさらに促進されてしまう。そこで、動作モードが第1モードである場合には、第2モードに切り替えることにより室外熱交換器17の伝熱面積を小さく設定して、冷媒の凝縮を抑制する。
また、冷却水の温度の現在値TPWが目標値TTWより小さく、且つ高圧相当温度の現在値TPHPが目標値TTHPより大きいとき、ガスエンジン12は十分に冷却されている状態であり、且つ室外熱交換器17において冷媒が凝縮し難い状態にあると考えられる。そこで、処理Dにおいて、冷却ファン18の回転数RFを増大させることによりガスエンジン12の冷却を促進する。そこで、動作モードが第2モードである場合には、第1モードに切り替えることにより室外熱交換器17の伝熱面積を大きく設定して、冷媒の凝縮を促進する。さらに、冷却ファン18の回転数RFを増大させることにより冷媒の凝縮を促進する。この場合、ガスエンジン12の冷却がさらに促進されることになるが、とくに問題はない。
上記のように構成されたガスエンジン駆動式空気調和装置1によれば、冷却水温度差ΔTW及び高圧相当温度差ΔTHPに基づいて、冷却ファン18の回転数RF及び室外熱交換器17の伝熱面積が変更される。例えば、ガスエンジン12の冷却を促進する必要があり、且つ室外熱交換器17における冷媒の凝縮を抑制する必要がある場合には、冷却ファン18の回転数RFが増大されるとともに、室外熱交換器17の伝熱面積が小さく設定される。これによれば、ガスエンジン12を適切に冷却してガスエンジン12の回転数を維持しつつ、冷媒の凝縮を抑制して高圧相当温度の現在値TPHPを目標値TTHPに近づけることができる。よって、本実施形態によれば、冷房メイン運転において、冷房室内及び暖房室内の快適性を保つことができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記の室外熱交換器及び冷却ファン制御処理(図3乃至図7)は、図8のように変更できる。すなわち、制御装置CTは、ステップS60にて、室外熱交換器及び冷却ファン制御処理を開始する。つぎに、制御装置CTは、ステップS61にて、初期化処理を実行する。例えば、制御装置CTは、タイマーを用いて、経過時間TMの計測を開始する。
つぎに、制御装置CTは、ステップS62にて、冷却水の温度の現在値TPWに対応する回転数RWを決定する。回転数RWは、冷却ファン18の回転数RFの候補の1つである。所定の計算式に基づいて回転数RWを決定してもよいし、予め作成されたデータベースに従って回転数RWを決定しても良い。つぎに、制御装置CTは、ステップS63にて、高圧相当温度の現在値TPHPに対応する回転数RHPを決定する。回転数RHPは、冷却ファン18の回転数RFの候補の1つである。所定の計算式に基づいて回転数RHPを決定してもよいし、予め作成されたデータベースに従って回転数RHPを決定しても良い。
つぎに、制御装置CTは、ステップS64にて、回転数RWが回転数RHP以上であるか否かを判定する。回転数RWが回転数RHP以上であるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定し、ステップS65にて、冷却ファン18の回転数RF(実回転数)を回転数RWに設定し、ステップS67に処理を進める。一方、回転数RWが回転数RHPより小さいとき、制御装置CTは、「No」と判定し、ステップS66にて、冷却ファン18の回転数RF(実回転数)を回転数RHPに設定し、ステップS67に処理を進める。
つぎに、制御装置CTは、動作モードの切り替え処理を実行する。ただし、動作モードを切り替えてから所定の時間が経過するまで動作モードの切り替えが禁止される。具体的には、制御装置CTは、ステップS67にて、経過時間TMが所定の時間ΔTM(例えば5分)以上であるか否かを判定する。経過時間TMが所定の時間ΔTMを下回るとき、制御装置CTは、「No」と判定して、制御装置CTは、動作モードを切り替えることなく、ステップS62に戻る。一方、経過時間TMが所定の時間ΔTM以上であるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定して、ステップS68に処理を進める。制御装置CTは、ステップS68にて、高圧相当温度の現在値TPHPが所定の閾値TTH以上であるか否かを判定する。高圧相当温度の現在値TPHPが所定の閾値TTH以上であるとき、制御装置CTは、「Yes」と判定して、ステップS69にて、動作モードを第1モードに設定する。一方、高圧相当温度の現在値TPHPが所定の閾値TTHより小さいとき、制御装置CTは、「No」と判定して、ステップS6aにて、動作モードを第2モードに設定する。つぎに、制御装置CTは、ステップS6bにて、経過時間TMを初期化して、ステップS62に処理を進める。以降、制御装置CTは、ステップS62~ステップS6bからなる一連の処理を繰り返し実行する。
図8に示す室外熱交換器及び冷却ファン制御処理では、冷却ファン18の回転数RFが冷却水の温度の現在値TPW及び高圧相当温度の現在値TPHPに基づいて決定される。また、高圧相当温度の現在値TPHPと所定の閾値TTHとの関係に基づいて、動作モードが切り替えられる。例えば、高圧相当温度の現在値TPHPがある程度低く、室外熱交換器17において冷媒が凝縮し易いと考えられる状況であっても、冷却水の温度が比較的高い場合(RW>RHP)には、ガスエンジン12の冷却が優先される。すなわち、冷却水の温度の現在値TPWに対応する回転数RWが冷却ファン18の回転数RFとして用いられる。この場合、室外熱交換器17における冷媒の凝縮がさらに促進されることになるが、高圧相当温度の現在値TPHPと所定の閾値TTHとの関係に基づいて、動作モードが第2モードに設定される。すなわち、室外熱交換器17の伝熱面積が小さく設定される。これにより、ガスエンジン12を適切に冷却してガスエンジン12の回転数を維持しつつ、冷媒の凝縮を抑制して高圧相当温度の現在値TPHPを目標値TTHPに近づけることができる。よって、冷房メイン運転において、冷房室内及び暖房室内の快適性を保つことができる。
なお、上記実施形態では、第1室外熱交換器171及び室外熱交換器172のうちのいずれか一方に冷媒を流通させているが、冷媒の凝縮をさらに促進する必要がある場合には、第1室外熱交換器171及び第2室外熱交換器172に、冷媒を同時に流通させてもよい。また、第1室外熱交換器171の伝熱面積と第2室外熱交換器172の伝熱面積とを同一に設定しておき、冷媒の凝縮を抑制する場合に、第1室外熱交換器171又は第2室外熱交換器172に冷媒を流通させ、冷媒の凝縮を促進する場合に、第1室外熱交換器171及び第2室外熱交換器172に、冷媒を同時に流通させてもよい。また、上記実施形態では、室外熱交換器17が第1室外熱交換器171及び第2室外熱交換器172から構成されているが、室外熱交換器17が、より多くの熱交換器から構成されていてもよい。この場合、室外熱交換器17を構成する複数の熱交換器のうち、冷媒を流通させる1つ又は複数の熱交換器を、冷媒の凝縮速度(凝縮し易さ)に応じて選択すればよい。また、上記のガスエンジン駆動式空気調和装置1は、1台の室外機10を備えているが、ガスエンジン駆動式空気調和装置1が複数台の室外機10を備えていてもよい。