JP2004170023A - 多室形空気調和機の制御方法 - Google Patents

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ティユヤ アウン
Shuntaro Ito
俊太郎 伊藤
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隆夫 愛知
Tetsuya Ito
哲也 伊藤
Takahiro Matsunaga
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Abstract

【課題】近年のニーズである冷房能力制御幅を大きくして外気温度が−5℃〜−10℃であっても冷房能力を維持することができるとともに、冷暖切換を可能とした多室形空気調和機の制御方法を提供すること。
【解決手段】室外熱交換器3(3a、3b)を複数に分割形成して室外熱交換器の容量を制御可能とするとともに、同室外熱交換器にそれぞれ膨張弁4a、4bを連設することにより同室外熱交換器に流通する冷媒流量を制御可能とし、圧縮機1の吐出側の圧力と吸入側圧力の差が一定値以下にならないように、室外ファン9の回転数、前記室外熱交換器の容量、及び、又は前記室外熱交換器に流通する冷媒流量を制御するようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低外気温条件下でも効率の良い冷房運転を可能とする多室形空気調和機の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の多室形空気調和機は、目標高圧圧力と目標低圧圧力との偏差に応じて圧縮機の容量と室外熱交換器の運転モードと送風機の速度と伝熱面積とを制御するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、この制御方法では、低外気温時の冷房運転では高圧が上昇し難いため、高圧低圧の差圧が付き難く効率の良い運転ができないという問題がある。
また、凝縮器2に複数のパスを設け、前記パス毎に連通する電磁弁7を配するとともに、前記凝縮器2用の送風モータAに複数の速調段数を備えた構成にて、低外気温時で、インバータ出力の低い場合にも電磁弁7の開度と送風モータAの回転数の選択により、適正な凝縮能力をえることで冷凍回路のバランスを維持し、冷房能力幅を大きくしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、この構成では、外気温が0℃近辺の場合は冷凍回路のバランスを維持できるが、近年低外気温冷房のニーズは−5℃〜−10℃となっており、このニーズに応えることは出来ない。
また、液配管111内の圧力を圧力センサ17bで検出し、この圧力が所定圧力範囲になるように、制御装置201によって、暖房運転時は室内冷媒流量制御弁22、23を制御し、また、冷房運転時は室外冷媒流量制御弁21を制御することにより、液配管内の圧力が制御でき、室内ユニット間に高低差がある暖房運転や、外気温度が低いときの冷房運転または冷暖房同時運転が良好に行える。また、液配管内の冷媒を気液二相流にして冷媒封入量を低減節減した空調機においても安定した運転ができるものがある(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、この構成でも、近年低外気温冷房のニーズである−5℃〜−10℃に応えることは出来ない。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−255860号公報(第2−3頁、第2図)
【特許文献2】
特開平6−2969号公報(第2頁、第1図)
【特許文献3】
特開平5−332630号公報(第3−5頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上述べた問題点を解決し、近年のニーズである冷房能力制御幅を大きくして外気温度が−5℃〜−10℃であっても冷房能力を維持することができるとともに、冷暖切換を可能とした多室形空気調和機の制御方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するため、並列接続された複数の圧縮機と、同圧縮機からの冷媒流路を冷暖に切り換える四方弁と、室外熱交換器と、前記室外熱交換器に送風する室外ファンとを備える室外機と、
膨張弁と、室内熱交換器と、室内ファンとをそれぞれ備え、並列接続された複数の室内ユニットとで構成した多室形空気調和機において、
前記室外熱交換器が複数の冷媒流路を備え、これらの冷媒流路を開閉することにより容量制御可能とし、これらの冷媒流路に冷媒流量をそれぞれ制限する複数の膨張弁を連接することにより同室外熱交換器の冷媒流量を制御可能とすると共に、前記圧縮機の吐出側の圧力を検出する高圧検出部と、吸入側の圧力を検出する低圧検出部とを設け、前記圧力の差が一定値より小さくなると、前記室外ファンの回転数を低下し、それでも前記圧力の差が一定値より小さくなる場合は、前記室外熱交換器の接続数またはパスの接続数を減らし、それでも前記圧力の差が一定値より小さくなる場合は、前記室外熱交換器に流れる冷媒流量を制限するように制御してなることを特徴とする多室形空気調和機の制御方法。
【0006】
前記室外熱交換器の冷媒流路が複数のパスでなる多室形空気調和機の制御方法としている。
【0007】
前記室外熱交換器の冷媒流路が分割形成された複数の熱交換器でなる多室形空気調和機の制御方法としている。
【0008】
前記四方弁が、前記圧縮機からの冷媒流路を冷暖に切り換えるとともに、冷房時に前記圧縮機からの冷媒流路を断続可能な少なくとも1つの四方弁を含む複数の四方弁でなり、
前記断続可能な四方弁を制御することにより、前記室外熱交換器の容量を可変可能とした多室形空気調和機の制御方法としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明による多室形空気調和機の制御方法を詳細に説明する。
図1は本発明による多室形空気調和機の一実施例を示す冷媒回路図、図2は本発明による多室形空気調和機の制御方法の一実施例を示す制御ブロック図である。
図1に示すように、室外機20には、吸入側に共通のアキュムレータ8を備え、並列接続された複数の圧縮機1(1a、1b、1c)と、同圧縮機1(1a、1b、1c)からの冷媒流路を切り換える複数の四方弁2a、2bと、同複数の四方弁2a、2bに対応する複数のパス3a、3bを有する室外熱交換器3と、同複数のパス3a、3bの冷媒循環量をそれぞれ制限する室外膨張弁4a、4bと、同複数の室外膨張弁4a、4bと並列接続された複数の室内ユニット31、32、33との間に設けられたレシーバタンク5と、前記室外熱交換器3に送風する室外ファン9とが設けられている。
前記一方の四方弁2bの冷房運転時の他の流路入口と前記圧縮機1(1a、1b、1c)の吐出側との間には絞り手段11が介装されている。
一方、前記複数の室内ユニット31、32、33には、室内の膨張弁6a、6b、6c、室内熱交換器7a、7b、7cと、室内ファン10a、10b、10cとをそれぞれ設け、前記室外機20と接続し、前記四方弁2a、2bを切り換えることにより冷房運転又は暖房運転可能な冷凍サイクルを構成している。
なお、前記室外熱交換器3は複数のパス3a、3bを有するものとしたが、パス1個の熱交換器複数に分割することにより、その容量を効果的に変化させることができる。
【0010】
また、図2に示すように、前記室外機20には前記圧縮機1(1a、1b、1c)の吐出圧力を検出する高圧検出部21と吸入圧力を検出する低圧検出部22と、圧縮機1(1a、1b、1c)の吐出管の温度を検出する吐出管温度検出部23と、外気温度を検出する外気温度検出部24と、前記圧縮機1aを駆動する圧縮機1a駆動部25、圧縮機1bを駆動する圧縮機1b駆動部26、圧縮機1cを駆動する圧縮機1c駆動部27と、四方弁2a、2bをそれぞれ切り換える四方弁駆動部28と、前記室外ファン9を駆動するファン駆動部29と、前記室外膨張弁4a、4bをそれぞれ駆動する室外膨張弁駆動部30と、前記各検出部及び前記室内ユニット40(40a、40b、40c)からの検出信号に基づいて前記各駆動部及び各室内ユニット40(40a、40b、40c)を制御する室外制御部31とを備えている。
【0011】
また、同図2に示すように、前記室内ユニット40(40a、40b、40c)には、各室内温度を検出する室内温度検出部41と、前記各室内熱交換器7(7a、7b、7c)の温度を検出する熱交温度検出部42と、冷房、暖房等の運転モードを設定するモード設定部43と、前記各室内ファン10(10a10b、10c)を駆動するファン駆動部44と、前記各室内の膨張弁6(6a、6b、6c)を駆動する室内膨張弁駆動部45と、前記各検出部からの検出信号を前記室外制御部31に送出するとともに、前記室外制御部31からの信号に基づいて前記各部を制御する室内制御部46とを備えている。
【0012】
前記圧縮機1(1a、1b、1c)は負荷に応じてそれぞれを運転又は停止することができるようになっている。
また、前記室外機20に備える室外ファン9はその回転数を複数段階に切り換えることができるようになっている。
また、冷房運転時、前記四方弁2bのみを暖房側に切り換えるとともに、前記室外膨張弁4bを閉じることにより室外熱交換器3の一方のパス3bに冷媒が流れないようにすることができるようになっている。
【0013】
以上の構成において、つぎにその動作を説明する。
まず、モード設定部43に暖房運転モードを設定することにより暖房運転が開始されると、前記アキュムレータ8で気化され、圧縮機1(1a、1b、1c)より吐出された高圧冷媒は四方弁2a、2bにより切り換えられ室内ユニット40に送られる。
室内ユニット40に送られた高圧冷媒は、室内熱交換器7a、7b、7cで室内空気と熱交換して凝縮し、室内の膨張弁6(6a、6b、6c)にてそれぞれ流量を制御されてレシーバータンク5に一旦溜められた後、室外膨張弁4a、4bでその流量をそれぞれ制限されて減圧され、室外熱交換器3(パス3a、3b)で外気と熱交換して蒸発し、四方弁2a、2bを介してアキュムレータ8に戻される。
また、室内ユニットの一部が停止状態にある場合は、例えば前記圧縮機1cを停止して圧縮機1a、1bのみを運転することにより冷媒循環量を大まかに制御している。
即ち、負荷の状態により圧縮機の組み合わせを変えて、適切な冷媒循環量となるように制御している。
また、前記冷媒循環量は前記圧縮機1(1a、1b、1c)の吐出側の高圧圧力、吸込み側の低圧、又は凝縮器となる前記室内熱交換器7(7a、7b、7c)又は室外熱交換器3の凝縮温度を検出して判断し、前記室外膨張弁4a、4bと、前記各室内ユニット40(40a、40b、40c)に備える各室内の膨張弁6(6a、6b、6c)の開度を制御することにより冷媒循環量を制御するようにしている。
【0014】
つぎに、前記各室内ユニット40(40a、40b、40c)のモード設定部43に冷房運転モードを設定することにより冷房運転が開始されると、前記アキュムレータ8で気化され、圧縮機1(1a、1b、1c)より吐出された高圧冷媒は四方弁2a、2bにより切り換えられ前記室外熱交換器3(パス3a、3b)で外気と熱交換して凝縮し、室外膨張弁4a、4bでその流量をそれぞれ制限されてレシーバータンク5に一旦溜められた後、室内ユニット40(40a、40b、40c)に送られる。
凝縮されレシーバータンク5に一旦溜められた冷媒は室内ユニット40(40a、40b、40c)の室内の膨張弁6(6a、6b、6c)にてそれぞれ流量が制限されて減圧され室内熱交換器7(7a、7b、7c)で室内空気と熱交換して蒸発し、四方弁2a、2bを介してアキュムレータ8に戻される。
【0015】
図3は本発明による多室形空気調和機の制御方法の動作を説明するためのフローチャート図である。
以下、同図3を参照して冷房運転時の制御方法について詳細に説明する。
冷房運転が開始されると前記室外ファン9の回転数Fを最大の5に、また、四方弁2a、2bを共に冷房側に切り換えて熱交換容量Hを最大の2に、また、室外膨張弁4a、4bの開度Pを最大の500に設定して各室内温度が目標値に近づくように各室内の膨張弁6a、6b、6cの開度を制御して冷房運転が開始され(ST1)、前記高圧検出部21及び低圧検出部22の検出する圧力の差を一定の値と比較される(ST2)。
ST2において、圧力差が小さくない場合はそのままの状態で運転されるが、圧力差が小さい場合は前記室外ファン9の回転数Fを一段階下げて運転される(ST3)。
ST2からST3までの動作はST4で回転数Fが0になるまで行われる。
ST4で回転数Fが0となると、再度圧力の差が一定の値と比較される(ST5)。
ST5において、圧力差が小さくない場合はそのままの状態で運転されるが、圧力差が小さい場合は前記室外ファン9の回転数Fを最大の5に戻し、前記四方弁2bを暖房側に切り換えると共に、室外膨張弁4bを全閉することにより熱交換容量Hを1段下げて運転し(st6)、圧力の差が一定の値と比較される(ST7)。
ST7で、圧力差が小さくない場合はそのままの状態で運転されるが、圧力差が小さい場合は、前記室外ファン9の回転数Fを一段階下げて運転される(ST8)。
ST7からST8までの動作はST9で回転数Fが0になるまで行われる。
ST9で回転数Fが0となると、再度圧力の差が一定の値と比較される(ST10)。
ST10において、圧力差が小さくない場合はそのままの状態で運転されるが、圧力差が小さい場合は室外膨張弁4a、4bの開度Pをαだけ閉じ(ST11)て室外熱交換器3に流れる冷媒流量を制限して前記圧力差が一定値以上になるように制御する。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による多室形空気調和機の制御方法によれば、近年のニーズである冷房能力制御幅を大きくして外気温度が−5℃〜−10℃であっても冷房能力を維持することができるとともに、冷暖切換を可能とした多室形空気調和機の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多室形空気調和機の一実施例を示す冷媒回路図である。
【図2】本発明による多室形空気調和機の制御方法の一実施例を示す制御ブロック図である。
【図3】本発明による多室形空気調和機の制御方法の動作を説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
1(1a、1b、1c) 圧縮機
2a、2b 四方弁
3 室外熱交換器
3a、3b パス
4a、4b 室外膨張弁
5 レシーバタンク
6a、6b、6c 室内の膨張弁
7a、7b、7c 室内熱交換器
8 アキュムレータ
9 室外ファン
10a,10b,10c 室内ファン
20 室外機
21 高圧検出部
22 低圧検出部
23 吐出管温度検出部
24 外気温度検出部
25 圧縮機1a駆動部
26 圧縮機1b駆動部
27 圧縮機1c駆動部
28 四方弁駆動部
29 ファン駆動部
30 室外膨張弁駆動部
31 室外制御部
40a、40b、4c 室内ユニット
41 室内温度検出部
42 熱交温度検出部
43 モード設定部
44 ファン駆動部
45 室内膨張弁駆動部
46 室内制御部

Claims (4)

  1. 並列接続された複数の圧縮機と、同圧縮機からの冷媒流路を冷暖に切り換える四方弁と、室外熱交換器と、前記室外熱交換器に送風する室外ファンとを備える室外機と、
    膨張弁と、室内熱交換器と、室内ファンとをそれぞれ備え、並列接続された複数の室内ユニットとで構成した多室形空気調和機において、
    前記室外熱交換器が複数の冷媒流路を備え、これらの冷媒流路を開閉することにより容量制御可能とし、これらの冷媒流路に冷媒流量をそれぞれ制限する複数の膨張弁を連接することにより同室外熱交換器の冷媒流量を制御可能とすると共に、前記圧縮機の吐出側の圧力を検出する高圧検出部と、吸入側の圧力を検出する低圧検出部とを設け、前記圧力の差が一定値より小さくなると、前記室外ファンの回転数を低下し、それでも前記圧力の差が一定値より小さくなる場合は、前記室外熱交換器の接続数またはパスの接続数を減らし、それでも前記圧力の差が一定値より小さくなる場合は、前記室外熱交換器に流れる冷媒流量を制限するように制御してなることを特徴とする多室形空気調和機の制御方法。
  2. 前記室外熱交換器の冷媒流路が複数のパスでなることを特徴とする請求項1記載の多室形空気調和機の制御方法。
  3. 前記室外熱交換器の冷媒流路が分割形成された複数の熱交換器でなることを特徴とする請求項1記載の多室形空気調和機の制御方法。
  4. 前記四方弁が、前記圧縮機からの冷媒流路を冷暖に切り換えるとともに、冷房時に前記圧縮機からの冷媒流路を断続可能な少なくとも1つの四方弁を含む複数の四方弁でなり、
    前記断続可能な四方弁を制御することにより、前記室外熱交換器の容量を可変可能としたことを特徴とする請求項1記載の多室形空気調和機の制御方法。
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