JP2007127369A - ガスヒートポンプ式空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高圧圧力を所定値以上に保つことにより、暖房能力の低下を防止することができる。
【解決手段】 冷媒を圧縮する圧縮機17と、室外の空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器23と、圧縮機17を駆動するガスエンジン53と、ガスエンジンの排熱を回収する冷却水と、冷却水に回収された熱を冷媒に伝達する水熱交換器31と、水熱交換器31への冷媒の流入を制御する冷媒制御部51と、水熱交換器31への冷却水の流入を制御する冷却水制御部67A,67Bと、が設けられたガスヒートポンプ式空気調和機1であって、室外熱交換器23において冷媒から熱が放熱され、かつ、室外熱交換器23における冷媒圧力が所定圧力以下となった場合に、冷媒制御部51および冷却水制御部67A,67Bにより水熱交換器31へ冷媒および冷却水が流入されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスヒートポンプ式空気調和機に関する。
一般に、室内熱交換器、圧縮機、室外熱交換器、絞り機構などの要素を備えた冷媒回路を用いて、室内の冷房,暖房などの空調運転を行う空気調和装置が知られている。この空気調和装置における室内の冷暖房は、冷媒が、室内熱交換器において室内の空気(以下「室内気」という。)と交換した熱を室外熱交換器に運び、室外熱交換器において外気と熱交換することにより行われている。
上述した空気調和装置において、搭載された圧縮機の駆動源としてガスエンジンを用いたものが知られており、このガスエンジンを利用した空気調和装置は、一般にガスヒートポンプ式空気調和装置(以下、「GHP」という。)と呼ばれている(例えば、特許文献1参照。)。
特公平4−80313号公報(第2−3頁、第1図等)
上述の特許文献1においては、エンジンで駆動されるヒートポンプ式冷凍装置であって、冷媒回路の高圧液管より分岐した分岐回路に冷媒ポンプとエンジン排熱回収用の熱交換器を設けたヒートポンプ式冷凍装置が開示されている。
このヒートポンプ式冷凍装置によれば、エンジンの排熱を暖房用水配管なしで暖房用熱源として活用できると記載されている。また、冷房時のエンジン冷却用の放熱器を小容量に若しくは不要にすることができると記載されている。
しかしながら、上述のヒートポンプ式冷凍装置において、コンデンサとして働く熱交換器の能力に対してエバポレータとして働く熱交換器の能力が小さくなる条件では、冷凍装置のコンデンサ側の圧力(高圧側圧力)が低くなっていた。すると、冷凍装置におけるコンデンサ側圧力とエバポレータ側圧力(低圧側圧力)との圧力差が小さくなり、冷媒循環量が少なくなるという問題があった。
つまり、冷凍装置には、コンデンサとして働く熱交換器(高圧側)とエバポレータとして働く熱交換器(低圧側)との間に、膨張弁である減圧素子が配置されている。冷媒は高圧側圧力と低圧側圧力との圧力差により、減圧素子における流動抵抗に打ち勝ってコンデンサからエバポレータへ流れている。そのため、上記圧力差が小さくなると、コンデンサからエバポレータへ流れる冷媒流量が減少して冷媒循環量が少なくなっていた。
また、ヒートポンプ式冷凍装置が複数の室内機を備え、各室内機が独立して冷房運転、暖房運転を選択できる場合において、冷凍装置の高圧側圧力が低くなると暖房能力、すなわち適正な吹き出し温度が得られないという問題があった。
つまり、高圧側圧力が低くなると、コンデンサとして働く熱交換器における冷媒温度も低下していた。暖房運転は、コンデンサ内の冷媒の熱を室内空気に与えることにより、室内空気を適正な温度に加熱するため、高圧側圧力が低下すると室内空気を適正温度まで加熱することが困難であった。
なお、上述のコンデンサとして働く熱交換器の能力に対してエバポレータとして働く熱交換器の能力が小さい場合としては、例えば、コンデンサとして働く熱交換器の合計の放熱能力に対して放熱する熱量が少ない場合、冷房運転時において室外気の温度が低い(例えば、−5℃程度)場合、コンデンサに送られる風量が適性値より多い場合などを挙げることができる。
また、ヒートポンプ式冷凍装置が複数の室内機を備え、各室内機が独立して冷房運転や暖房運転を選択できる場合において、所定台数以上の室内機が暖房運転を選択した場合にも、コンデンサとして働く熱交換器の能力に対してエバポレータとして働く熱交換器の能力が小さくなる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、高圧圧力を所定値以上に保つことにより、暖房能力の低下を防止することができるガスヒートポンプ式空気調和機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明のガスヒートポンプ式空気調和機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、室外の空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器と、室内の空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、冷媒の圧力を減圧させる減圧部と、前記圧縮機を駆動するガスエンジンと、該ガスエンジンの排熱を回収する冷却水と、該冷却水に回収された熱を冷媒に伝達する水熱交換器と、前記水熱交換器への冷媒の流入を制御する冷媒制御部と、前記水熱交換器への冷却水の流入を制御する冷却水制御部と、が設けられたガスヒートポンプ式空気調和機であって、前記室外熱交換器において冷媒から熱が放熱され、かつ、前記室外熱交換器における冷媒圧力が所定圧力以下となった場合に、前記冷媒制御部および前記冷却水制御部により前記水熱交換器へ冷媒および冷却水が流入されることを特徴とする。
本発明によれば、室外熱交換器において冷媒から熱が放熱され、かつ、室外熱交換器における冷媒圧力が所定圧力以下の場合に、水熱交換器に冷媒および冷却水が流入するため、水熱交換器において冷媒に熱を加えることができる。水熱交換器において冷媒に吸収された熱は室外熱交換器において放熱され、室外熱交換器における放熱量を増やすことができる。そのため、室外熱交換器における冷媒温度を上昇させて、室外熱交換器における冷媒圧力を所定圧力より上昇させることができる。
室外熱交換器における冷媒圧力が上昇するため、室内熱交換器における冷媒圧力との差圧が大きくなり、室外熱交換器から室内熱交換器への冷媒流量を増やすことができる。つまり、室外熱交換器における冷媒圧力を上昇させて上記差圧を大きくしているため、室内熱交換器における冷媒圧力を低下させることなく、ガスヒートポンプ式空気調和機における冷媒循環流量を増やすことができる。
なお、室外熱交換器における冷媒圧力が所定圧力以下となる条件としては、室外熱交換器の放熱能力に対して室外熱交換器から放熱すべき熱量が少ない場合、室外熱交換器の周囲温度(外気温度)が低い場合、室外熱交換器に対する室外気の送風量が多い場合などを挙げることができる。
上記発明においては、複数台の前記室内熱交換器が設けられるとともに、複数台の前記室内熱交換器に対して、それぞれ前記圧縮機から吐出された冷媒、または、前記減圧部により減圧された冷媒を選択して供給する分流制御部が設けられ、前記室外熱交換器において冷媒から熱が放熱され、かつ、前記分流部により所定台数以上の前記室内熱交換器に前記圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒が流入した場合に、前記冷媒制御部および前記冷却水制御部により前記水熱交換器へ冷媒および冷却水が流入されることが望ましい。
本発明によれば、室外熱交換器において冷媒から熱が放熱され、かつ、分流制御部により、所定台数以上の室内熱交換器に圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒が流入した場合に、水熱交換器に冷媒および冷却水が流入するため、水熱交換器において冷媒に熱を加えることができる。つまり、コンデンサとして働く熱交換器の能力が、エバポレータとして働く熱交換器の能力よりも大きくなった場合に、水熱交換器において冷媒に熱を加えることができる。
そのため、室外熱交換器における冷媒圧力を上昇させて上記差圧を大きくしているため、室内熱交換器における冷媒圧力を低下させることなく、ガスヒートポンプ式空気調和機における冷媒循環流量を増やすことができる。
上記発明においては、前記ガスエンジンにおける排熱量が所定排熱量より小さい場合に、前記ガスエンジンの運転効率を調節して前記排熱量を増加させることが望ましい。
本発明によれば、ガスエンジンにおける排熱量が所定排熱量より小さい場合に、ガスエンジンの運転効率を調節して排熱量を増加させているため、ガスエンジン出力を一定に保ちつつ排熱量のみを増加させることができる。そのため、冷却水および水熱交換器を介して冷媒に加えられる熱量を増加させることができ、室外熱交換器における冷媒圧力を所定圧力より上昇させることができる。
上記発明においては、前記ガスエンジンの運転効率は、前記ガスエンジンの点火時期および空気過剰率により調節されることが望ましい。
本発明によれば、ガスエンジンの点火時期および空気過剰率を調節することにより、ガスエンジンの回転トルクを保ちつつ、ガスエンジンの運転効率を低下させて、排熱を増やすことができる。
つまり、ガスエンジンの運転条件を効率の高い条件から低い条件に調節することで、ガスエンジンの回転トルクを保ちつつ排熱を増やすことができる。
上記発明においては、複数台の前記圧縮機が設けられ、前記ガスエンジンにおける排熱量が所定排熱量より小さい場合に、前記ガスエンジンにより駆動される前記圧縮機の台数を減らすことが望ましい。
本発明によれば、ガスエンジンにより駆動される圧縮機の台数を減らすことにより、ガスエンジンに求められる回転トルクを下げることができる。この時、ガスエンジンの出力は一定に保たれているため、ガスエンジンの回転数が上昇する。すると、ガスエンジンの運転条件が効率の高い条件から低い条件に変化して、ガスエンジンの排熱量が増える。
その結果、冷却水および水熱交換器を介して冷媒に加えられる熱量を増加させることができ、室外熱交換器における冷媒圧力を所定圧力より上昇させることができる。
上記発明においては、前記圧縮機が、冷媒の押しのけ量を変えることができる可変容量型圧縮機であって、前記圧縮機の冷媒押しのけ量を調節する押しのけ量制御部が設けられ、前記ガスエンジンにおける排熱量が所定排熱量より小さい場合に、前記押しのけ量制御部により前記圧縮機の冷媒押しのけ量が減少されることが望ましい。
本発明によれば、押しのけ量制御部により圧縮機の冷媒押しのけ量が減少されるため、ガスエンジンに求められる回転トルクを下げることができる。この時、ガスエンジンの出力は一定に保たれているため、ガスエンジンの回転数が上昇する。すると、ガスエンジンの運転条件が効率の高い条件から低い条件に変化して、ガスエンジンの排熱量が増える。
その結果、冷却水および水熱交換器を介して冷媒に加えられる熱量を増加させることができ、室外熱交換器における冷媒圧力を所定圧力より上昇させることができる。
本発明のガスヒートポンプ式空気調和機によれば、室外熱交換器において冷媒から熱が放熱され、かつ、室外熱交換器における冷媒圧力が所定圧力以下の場合に、水熱交換器に冷媒および冷却水を流入させるため、高圧圧力を所定値以上に保つことができるという効果をそうする。また、高圧圧力を所定値以上に保つことにより、暖房能力の低下を防止するという効果を奏する。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係るガスヒートポンプ式空気調和機(以下「GHP」という。)について図1から図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガスヒートポンプ式空気調和機の回路構成および冷房運転時の冷媒流れを示す図である。
GHP(ガスヒートポンプ式空気調和機)1は、図1に示すように、室内に配置される1又は複数の室内ユニット3と、室外に配置される室外ユニット5と、室内ユニット3および室外ユニット5との間で冷媒を循環させる冷媒回路7から概略構成されている。
各室内ユニット3には、室内熱交換器9と、冷房運転時に高圧の冷媒を減圧・膨張させる室内側電子膨張弁(減圧部)11と、室内側電子膨張弁11の前後に配置された異物を除去するストレーナ13と、冷媒の温度を検出する温度センサ15とが設けられている。
室内熱交換器9は、冷房運転時には室内の空気(室内気)から熱を奪い、低温低圧の液冷媒を蒸発させるエバポレータとして機能し、暖房運転時には室内気に熱を放出し、高温高圧のガス冷媒を凝縮させるコンデンサとして機能するものである。
室外ユニット5は、その内部において二つの大きな構成部分に分割される。第1の構成部分は、後述する圧縮機や室外熱交換器などの機器を中心として室内ユニット3とともに冷媒回路を構成する部分であり、以後「冷媒回路部」と呼ぶ。また、第2の構成部分は圧縮機駆動用のガスエンジンを中心として、これに付随する機器を備えた部分であり、以後「ガスエンジン部」と呼ぶ。
冷媒回路部には、圧縮機17、オイルセパレータ19、四方弁21、室外熱交換器23、室外側膨張弁(減圧部)25、レシーバ27、過冷却コイル29、水熱交換器31、逆止弁33、運転制御に伴い選択的に開閉動作がなされる電磁弁35、室内側に通じる現地接続配管と室外側とを連結する操作弁36、ストレーナ13などが備えられており、それぞれが冷媒回路7により接続されている。
また、室外ユニット5には、温度センサや圧力センサなどの出力に基づき、少なくとも室内側電子膨張弁11、室外側膨張弁25を制御する制御部37が配置されている。
圧縮機17は、後述するガスエンジン53により駆動され、室内熱交換器9または室外熱交換器23のいずれかから吸入される低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒として吐出する。圧縮機17には、好適にはスクロールコンプレッサが用いられる。
圧縮機17の吐出側には、吐出された冷媒の温度を検出する吐出温度センサ39と圧力を検出する吐出圧力センサ41とが配置され、吸入側には、吸入される冷媒の温度を検出する吸入温度センサ43と圧力を検出する吸入圧力センサ45とが配置されている。
なお、本実施形態においては、2台の圧縮機17を用いる実施形態に適用して説明しているが、圧縮機17の台数は特に限定されるものではない。
オイルセパレータ19は、圧縮機17と四方弁21との間に配置され、圧縮機17から吐出された冷媒中に含まれる圧縮機17の潤滑油を分離して、圧縮機17に戻すために設けられている。具体的には、各圧縮機17から吐出された冷媒が導入される2本の略円筒形状のオイル分離部と、その下方に配置されたオイル貯留部とから構成されている。オイル貯留部には、分離された潤滑油の温度を制御するヒータ47が配置されている。また、オイルセパレータ19のオイル貯留部と圧縮機17との間には、分離された潤滑油を圧縮機17に供給する供給回路が配置されている。
四方弁21は、オイルセパレータ19の下流側に配置された冷媒の流れを切り替える切り替え弁であり、冷媒が流入・流出する4つのポートD,C,S,Eが設けられている。ポートDは圧縮機17の吐出側と接続され、ポートCは室外熱交換器23と、ポートSは圧縮機17の吸入側と、ポートEは室内熱交換器9と接続されている。
室外熱交換器23は、冷房運転時に外気に熱を放出して高温高圧のガス冷媒を凝縮させるコンデンサとして機能し、暖房運転時に外気から熱を奪い低温低圧の冷媒を蒸発させるエバポレータとして機能する。また、室外熱交換器23には、冷媒の温度を検出する温度センサ15が配置されている。
なお、本実施形態においては、2台の室外熱交換器23を用いる実施形態に適用して説明しているが、室外熱交換器23の台数は特に限定されるものではない。
レシーバ27は、室外熱交換器23または室内熱交換器9から流出した冷媒に含まれるガス冷媒をトラップし、液冷媒のみを室内熱交換器9または室外熱交換器23に供給するものである。
室外熱交換器23とレシーバ27との間には室外側膨張弁25と逆止弁33とが並列に配置され、室外側膨張弁25および逆止弁33の上流側、下流側にストレーナ13が配置されている。逆止弁33は、室外熱交換器23からレシーバ27に向けて冷媒を流すように配置されている。
過冷却コイル29は、レシーバ27と室内ユニット3とを接続する冷媒回路に配置されている。過冷却コイル29には、レシーバ27と過冷却コイル29との間を流れる冷媒の一部を過冷却コイル29に導く冷媒配管が設けられ、この冷媒配管にはストレーナ13および冷媒の圧力を減圧・膨張させる過冷却用膨張弁49が配置されている。過冷却コイル29を通過した一部の冷媒は、四方弁21と圧縮機17とを接続する冷媒回路に導かれる。
過冷却コイル29は、冷房運転時に、室内ユニット3に必要な温度に冷却された冷媒を送るために設けられている。すなわち、過冷却用膨張弁49により形成された低温の冷媒により室内ユニット3に送られる冷媒をより冷却して(過冷却度を高めて)いる。そのため、室内ユニット3の配置位置が室外ユニット5から離れ、室内ユニット3に流入する冷媒の温度が室外ユニットから流出したときより高くなる場合でも、その温度上昇分を補うことができる。
水熱交換器31は、室外熱交換器23とレシーバ27とを接続する冷媒回路から分岐して四方弁21と圧縮機17とを接続する冷媒回路に合流する冷媒配管に配置され、冷媒の流入側にはストレーナ13および冷媒の圧力を減圧・膨張させる水熱交換器用膨張弁(冷媒制御部)51が配置されている。また、水熱交換器31には、後述するガスエンジン53のエンジン冷却水が循環するように配置されている。
水熱交換器31は、後述するエンジン冷却水の熱を冷媒に吸収させるために設けられている。すなわち、冷媒は室外熱交換器23における熱交換以外にも、ガスエンジン53のエンジン冷却水からも排熱を吸収することが可能となる。
一方、ガスエンジン部には、ガスエンジン53を中心として、冷却水系55および燃料吸入系57のほか、排気ガス系やエンジンオイル系(いずれも図示せず)が備えられている。
ガスエンジン53は、冷媒回路内に設置されている圧縮機17をシャフトまたはベルトなどを介して駆動している。
冷却水系55は、水ポンプ59、リザーバタンク61、ラジエータ63、温度センサ64等を備え、これらを配管にて接続して構成される回路(図中の破線で表示)を循環するエンジン冷却水(冷却水)によって、ガスエンジン53を冷却する系である。
水ポンプ59は、ガスエンジン53の冷却水を循環させるために配置され、リザーバタンク61は、この回路を循環する冷却水の余剰分を一時貯蔵するため、あるいは、回路を循環する冷却水が不足する場合に冷却水を供給するために配置されている。ラジエータ63は、室外熱交換器23の近傍に配置され、エンジン冷却水がガスエンジン53から奪った排熱を放出するために配置されている。
また、冷却水系55には、上述した構成のほかに、排気ガス熱交換器65が設けられている。排気ガス熱交換器65は、ガスエンジン53から排出される排気ガスの熱を、エンジン冷却水に回収するためのものである。また、冷却水系55には、前述した水熱交換器31が配置され、冷媒回路部および冷却水系55の両系にまたがるように配置されている。
そのため、エンジン冷却水はガスエンジン53から熱を奪うだけではなく、排気ガスからも熱を回収し、かつ、その回収した熱を、水熱交換器31を介して冷媒に与える構成になっている。
なお、冷却水系55におけるエンジン冷却水の流量制御は、2つの第1流量制御弁(冷却水制御部)67A,第2流量制御弁(冷却水制御部)67Bにより行われている。
燃料吸入系57は、ガスエンジン53に液化天然ガス(LNG)などの都市ガスをガス燃料として供給するための系であり、ガス燃料の供給量を調節する燃料ガス弁69が備えられている。燃料吸入系57からガスエンジン53に供給された燃料ガスは、ガスエンジン53の吸気孔(図示せず)から吸入された空気と混合された後、ガスエンジン53の燃焼室に供給されている。
次に、上記構成からなるGHP1について、室内を冷暖房するそれぞれの運転時の作用について説明する。
最初に、図1に基づいて、冷房運転時における冷媒およびエンジン冷却水の流れを説明する。なお、各弁類の開閉状態は黒塗りで図示した弁類が閉であり、冷媒およびエンジン冷却水の流れ方向が矢印で示されている。
冷房運転が選択されると、四方弁21のポートD/C間およびポートE/S間が連通され、圧縮機17の吐出側と室外熱交換器23とが接続される。
また、制御部37は室内側電子膨張弁11および過冷却用膨張弁49の開度を制御するとともに、室外側膨張弁25および水熱交換器用膨張弁51を全閉にする。さらに、制御部37は第1,第2流量制御弁67A,67Bを切り替えて、エンジン冷却水をラジエータ63に流入させる。
まず、圧縮機17から吐出された高温高圧のガス冷媒は、オイルセパレータ19により潤滑油が分離され、四方弁21を通過して室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23において、ガス冷媒は熱を放出して凝縮・液化して液冷媒となる。室外熱交換器23から流出した液冷媒は、逆止弁33を通過してレシーバ27に流入し、気液分離されて液冷媒のみがレシーバ27から流出する。
レシーバ27から流出した液冷媒の一部は、過冷却コイル29および室内側電子膨張弁11を通って、室内熱交換器9に流入する。残りの冷媒は、過冷却用膨張弁49を通って過冷却コイル29に流入する。
室内熱交換器9に流入する冷媒は、過冷却コイル29を通過する過程で、過冷却用膨張弁49を通過した低温低圧の液冷媒に熱を奪われる。その後、冷媒は室内側電子膨張弁11を通過する過程で減圧され、低温低圧の液冷媒となる。室内熱交換器9において、低温低圧の液冷媒は、室内気から熱を奪い、蒸発・気化してガス冷媒となる。
過冷却コイル29に流入する冷媒は、過冷却用膨張弁49を通過する過程で減圧され、低温低圧の液冷媒となる。この液冷媒は、過冷却コイル29において上述した室内熱交換器9に流入する液冷媒から熱を奪い、蒸発・気化してガス冷媒となる。
室内熱交換器9において蒸発したガス冷媒は、四方弁21のポートEからポートSを経て圧縮機17の吸入口に流入する。また、過冷却コイル29において蒸発したガス冷媒は、四方弁21のポートSと圧縮機17の吸入口との間に流入する。
一方、エンジン冷却水は、水ポンプ59から排気ガス熱交換器65およびガスエンジン53に向けて吐出される。エンジン冷却水は、排気ガス熱交換器65およびガスエンジン53において排熱を吸収して、ガスエンジン53から流出する。
排熱を吸収したエンジン冷却水は、第1,第2流量制御弁67A,67Bを介してラジエータ63に流入する。ラジエータ63においてエンジン冷却水は、排気ガス熱交換器65およびガスエンジン53において吸収した排熱を外気に放熱する。排熱を放出したエンジン冷却水の一部は、リザーバタンク61を介して再び水ポンプ59に吸入される。残りのエンジン冷却水は、直接水ポンプ59に吸入される。
次に、冷房運転時において、室外熱交換器23における冷媒圧力が所定圧力以下となった場合の制御方法について、図2を参照しながら説明する。
図2は、図1のGHPにおける冷房運転時であって、水熱交換器に冷媒を供給している場合の冷媒流れを示す図である。
冷房運転時において制御部37は、吐出圧力センサ41の出力に基づいて室外熱交換器23における冷媒圧力が所定圧力以下であるか否かを判定している。
制御部37が室外熱交換器23における冷媒圧力が所定圧力以下であると判定した場合には、制御部37は水熱交換器用膨張弁51を開き、開度の制御を行う。さらに制御部は、第1,第2流量制御弁67A,67Bを切り替えて、エンジン冷却水を水熱交換器31に流入させる。
すると、圧縮機17から吐出された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23において、ガス冷媒は熱を放出して凝縮・液化して液冷媒となる。室外熱交換器23から流出した液冷媒の一部は、水熱交換器31に向かって流れる。残りの液冷媒はレシーバ27に流入して、上述の冷房運転と同様の経路を流れる。
水熱交換器31に向かった液冷媒は、水熱交換器用膨張弁51により減圧されて低温低圧の冷媒となり、水熱交換器31に流入する。水熱交換器31において、冷媒はエンジン冷却水から排熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は圧縮機17に吸入され、圧縮された後、再び室外熱交換器23に向けて吐出される。
一方、ガスエンジン53などから排熱を吸収したエンジン冷却水は、第1,第2流量制御弁67A,67Bを介して水熱交換器31に流入する。水熱交換器31においてエンジン冷却水は排熱を冷媒に放出する。排熱を放出したエンジン冷却水の一部はリザーバタンク61を介して水ポンプ59に吸入される。残りのエンジン冷却水は、直接水ポンプ59に吸入される。
なお、制御部37は、上述のように吐出圧力センサ41の出力に基づいて室外熱交換器23における冷媒圧力が所定圧力以下であるか否かを判定してもよいし、室外熱交換器23に直接圧力センサを設けて冷媒圧力を測定してもよいし、温度センサ15を用いて測定した室外熱交換器23における冷媒温度に基づいて判定しても良く、特に限定するものではない。
また、室外熱交換器23における冷媒圧力が低下する原因としては、室外熱交換器23の放熱能力に対して室外熱交換器23において放熱される熱量が少ない場合や、室外熱交換器23の周囲の温度(外気温度)が低い(たとえば、−5℃程度)場合や、室外熱交換器23に当たる風量が多い場合などを例示することができる。
次に、ガスエンジン53の排熱が増加し、エンジン冷却水の温度が上昇した場合の制御について説明する。
図3は、エンジン冷却水の温度が上昇した場合の制御を説明するフローチャートである。
冷房運転時において制御部37は、図3に示すように、温度センサ64によりエンジン冷却水の水温を取得し(ステップS1)、エンジン冷却水温度がガスエンジン53を保護するために定められた所定水温よりも高いか否かを判定する(ステップS2)。エンジン冷却水温度が所定水温より低い場合には、再びエンジン冷却水温度の取得(ステップS1)に戻る。
エンジン冷却水温度が所定水温より高い場合には、制御部37は、ラジエータ63および室外熱交換器23に外気を送風するファン(図示せず)の回転数を増加させる(ステップS3)。
その後、制御部37は、吐出圧力センサ41の出力に基づいて高圧圧力HP(室外熱交換器23における冷媒圧力等)を推定し、高圧圧力HPが制御目標である所定の圧力範囲の下限よりも低いか否かを判定する(ステップS4)。高圧圧力HPが所定の圧力範囲下限よりも高い場合には、再びエンジン冷却水温度の取得(ステップS1)に戻り、上述の制御を繰り返す。
高圧圧力HPが所定の圧力範囲下限よりも低い場合には、制御部37は、第2流量制御弁67Bを制御して、水熱交換器31に流入するエンジン冷却水の流量を増加させる(ステップS5)。
その後、制御部37は、吸入圧力センサ45の出力に基づいて低圧圧力LP(室内熱交換器9における冷媒圧力等)を推定し、低圧圧力LPが制御目標である所定の圧力範囲の上限よりも高いか否かを判定する(ステップS6)。低圧圧力LPが所定の圧力範囲の上限よりも低い場合には、再びエンジン冷却水温度の取得(ステップS1)に戻り、上述の制御を繰り返す。
低圧圧力LPが所定の圧力範囲上限よりも高い場合には、制御部37は、GHP1における冷媒循環量を増やす制御を行う。具体的には、圧縮機17の冷媒押しのけ量を増やしたり、圧縮機17の回転数を増やしたりする。
このように制御することで、エンジン冷却水の温度が上昇してラジエータ63を冷却するファンの回転速度がアップした場合でも、室外熱交換器23における冷媒圧力(高圧圧力)が所定圧力より下がることを防止できる。
次に、ガスエンジン53における排熱量が少ない場合の制御について説明する。
図4は、図1の圧縮機およびガスエンジンの制御を説明するブロック図である。
冷房運転時においてガスエンジン53の排熱量つまりエンジン冷却水温度が所定温度より低くなった場合、制御部37は、図4に示すように、ガスエンジン53の点火プラグ54および燃料供給弁56を制御する。
具体的には、点火プラグ54の点火時期を遅角させ、燃料供給弁56を開き、ガスエンジン53に供給される燃料ガスおよび空気の混合気の空気過剰率を大きくする。このときの遅角量と空気過剰率との組み合わせは、ガスエンジン53の回転トルクが一定になるように定められる。
すると、ガスエンジン53は、回転トルクや回転数が一定に保たれたまま、高効率の運転条件から低効率の運転条件で運転され、ガスエンジン53の排熱量が増加する。増加した排熱はガスエンジン53等からエンジン冷却水に吸収され、水熱交換器31においてエンジン冷却水から冷媒に伝達される。
なお、ガスエンジン53の排熱量の減少は、温度センサ64の出力等から推定することができる。空気過剰率は、燃料供給弁56の開度および吸気間圧力センサ58などに基づいて制御部37において算出される。
次に、GHPの暖房運転時の作用について説明する。なお、各弁類の開閉状態は黒塗りで図示した弁類が閉であり、冷媒およびエンジン冷却水の流れ方向が矢印で示されている。
図5は、図1のGHPにおける暖房運転時の冷媒流れを示す図である。
暖房運転が選択されると、図5に示すように、冷媒回路部の四方弁21が切り替えられて、ポートD/E間およびポートC/S間が連通され、圧縮機17の吐出側と室内熱交換器9とが接続される。また、室外側膨張弁25および水熱交換器用膨張弁51が制御部37により制御され、室内側電子膨張弁11が全開にされるとともに、過冷却用膨張弁49が全閉にされる。
まず、圧縮機17から吐出された高温高圧のガス冷媒は、オイルセパレータ19に流入して、ガス冷媒中に含まれる潤滑油が分離される。潤滑油が分離されたガス冷媒は、四方弁21を通って室内熱交換器9に流入する。ガス冷媒は室内熱交換器9において室内気に熱を放出して凝縮・液化される。室内気はガス冷媒から熱を吸収して暖められる。液化した冷媒は、室内側電子膨張弁11、過冷却コイル29を通過してレシーバ27に流入する。レシーバ27において冷媒は気液分離され、液冷媒のみがレシーバ27から流出する。
レシーバ27から流出した液冷媒の一部は、室外側膨張弁25を通って室外熱交換器23に流入する。残りの冷媒は、水熱交換器用膨張弁を通って水熱交換器31に流入する。
室外熱交換器23に流入する冷媒は、室外側膨張弁25を通過する過程で減圧され、低温低圧の液冷媒となる。室外熱交換器23において、低温低圧の液冷媒は外気などから熱を奪い、蒸発・気化してガス冷媒となる。
水熱交換器31に流入する冷媒は、水熱交換器用膨張弁51を通過する過程で減圧され、低温低圧の液冷媒となる。水熱交換器31では、低温低圧の液冷媒がエンジン冷却水から熱を奪い、蒸発・気化してガス冷媒となる。
室外熱交換器23において蒸発したガス冷媒は、四方弁21のポートCからポートSを経て圧縮機17の吸入口に流入する。また、水熱交換器31において蒸発したガス冷媒は、四方弁21のポートSと圧縮機17の吸入口との間に流入する。
圧縮機17に吸入されたガス冷媒は、圧縮機17により圧縮され高温高圧のガス冷媒となり、再びオイルセパレータ19に向けて吐出される。以降、同様の過程が繰り返される。
上記の構成によれば、室外熱交換器23において冷媒から熱が放熱され(冷房運転時であり)、かつ、室外熱交換器23における冷媒圧力が所定圧力以下の場合に、水熱交換器31に冷媒およびエンジン冷却水が流入するため、水熱交換器31において冷媒にガスエンジン53の排熱を加えることができる。水熱交換器31において冷媒に吸収された排熱は室外熱交換器23において放熱され、室外熱交換器23における放熱量を増やすことができる。そのため、室外熱交換器23における冷媒温度を上昇させて、室外熱交換器23における冷媒圧力を所定圧力より上昇させることができる。
室外熱交換器23における冷媒圧力(高圧圧力)が上昇するため、室内熱交換器23における冷媒圧力(低圧圧力)との差圧が大きくなり、室外熱交換器23から室内熱交換器への冷媒流量を増やすことができる。つまり、室外熱交換器23における冷媒圧力を上昇させて上記差圧を大きくしているため、室内熱交換器23における冷媒圧力を低下させることなく、GHP1における冷媒循環流量を増やすことができる。
ガスエンジン53における排熱量が小さい場合に、ガスエンジン53の点火時期および空気過剰率を調節することにより、ガスエンジン53の回転トルクを保ちつつ、ガスエンジン53の運転効率を低下させて、排熱を増やすことができる。つまり、ガスエンジンの運転条件を効率の高い条件から低い条件に調節することで、ガスエンジンの回転トルクを保ちつつ排熱を増やすことができる。
そのため、冷却水および水熱交換器31を介して冷媒に加えられる排熱量を増加させることができ、室外熱交換器23における冷媒圧力を所定圧力より上昇させることができる。
〔第1の実施形態の第1変形例〕
次に、本発明における第1の実施形態に係る第1変形例について図6を参照して説明する。
本変形例のGHPの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、圧縮機周辺の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図6を用いて圧縮機周辺の構成のみを説明し、室内熱交換器等その他の構成要素の説明を省略する。
図6は、本変形例におけるGHPに係る圧縮機の制御を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
GHP(ガスヒートポンプ式空気調和機)101には、図6に示すように、圧縮機117に回転トルクを伝達するクラッチプーリ119が備えられている。
クラッチプーリ119は、ガスエンジン53から回転トルクが伝達されるプーリ121と、圧縮機117の回転軸123に回転トルクを伝達するクラッチ板125と、を備えている。プーリ121とクラッチ板125とは、制御部137からの信号により接触、離間するように構成されている。
プーリ121にはガスエンジン53との間にベルト127が巻きつけられ、ベルト127によりガスエンジン53の回転トルクが伝達される。
次に、GHP101の冷房運転時において、ガスエンジン53における排熱量が少ない場合の制御について説明する。
冷房運転時においてガスエンジン53の排熱量つまりエンジン冷却水温度が低くなった場合、制御部137は、図6に示すように、各圧縮機117におけるクラッチプーリ119の断続を制御して、運転される圧縮機117の台数を減少させる。本変形例においては、圧縮機117の運転台数を2台から1台に減少させた場合に適用して説明する。
運転される圧縮機17の台数が1台に減少することにより、ガスエンジン53に要求される回転トルクが約半分に減少する。ガスエンジン53の出力は一定に保たれたままであるので、ガスエンジン53の回転数が上昇する。すると、ガスエンジン53の運転条件が高効率の条件から低効率の条件に変化し、ガスエンジン53の排熱量が増加する。増加した排熱はガスエンジン53等からエンジン冷却水に吸収され、水熱交換器31(図1参照)においてエンジン冷却水から冷媒に伝達される。
上記の構成によれば、ガスエンジン53により駆動される圧縮機117の台数を減らすことにより、ガスエンジン53に求められる回転トルクを下げることができる。この時、ガスエンジン53の出力は一定に保たれるため、ガスエンジンの回転数が上昇する。すると、ガスエンジン53の運転条件が効率の高い条件から低い条件に変化して、ガスエンジン53の排熱量が増える。
その結果、冷却水および水熱交換器31を介して冷媒に加えられる排熱量を増加させることができ、室外熱交換器23における冷媒圧力を所定圧力より上昇させることができる。
室外熱交換器23における冷媒圧力(高圧圧力)が上昇するため、室内熱交換器23における冷媒圧力(低圧圧力)との差圧が大きくなり、室外熱交換器23から室内熱交換器への冷媒流量を増やすことができる。つまり、室外熱交換器23における冷媒圧力を上昇させて上記差圧を大きくしているため、室内熱交換器23における冷媒圧力を低下させることなく、GHP101における冷媒循環流量を増やすことができる。
〔第1の実施形態の第2変形例〕
次に、本発明における第1の実施形態に係る第2変形例について図7を参照して説明する。
本実施形態のGHPの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、圧縮機周辺の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図7を用いて圧縮機周辺の構成のみを説明し、室内熱交換器等その他の構成要素の説明を省略する。
図7は、本実施形態におけるGHPに係る圧縮機の制御を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
GHP(ガスヒートポンプ式空気調和機)201には、図7に示すように、冷媒押しのけ量が可変な圧縮機217が備えられている。
圧縮機217には、冷媒の吐出部と吸入部とを繋ぐ戻し流路(押しのけ量制御部)219と、戻し流路219に設けられた容量制御弁(押しのけ量制御部)221と、を備えている。容量制御弁221は、戻し流路219内の冷媒流れを制御する弁であり、制御部237の出力に基づいて開閉が制御されている。
次に、GHP201の冷房運転時において、ガスエンジン53における排熱量が少ない場合の制御について説明する。
冷房運転時においてガスエンジン53の排熱量つまりエンジン冷却水温度が低くなった場合、制御部237は、図7に示すように、各圧縮機217における容量制御弁221を開く。本変形例においては、全ての圧縮機217の容量制御弁221を開いた例に適用して説明する。
容量制御弁221が開くと、圧縮機217内において、圧縮された冷媒の一部が吐出部から戻し流路219を通って吸入部に流入する。残りの冷媒は圧縮機217からオイルセパレータ19(図1参照)に向かって吐出される。
つまり、圧縮機217内において圧縮された冷媒の一部が循環するため、圧縮機217の冷媒押しのけ量が減少したのと同様の効果を得ることができる。
上述のように、圧縮機217の冷媒押しのけ量が減少すると、圧縮機217を駆動するのに必要なガスエンジン53の回転トルクも減少する。ガスエンジン53の出力は一定に保たれたままであるので、ガスエンジン53の回転数が上昇する。すると、ガスエンジン53の運転条件が高効率の条件から低効率の条件に変化し、ガスエンジン53の排熱量が増加する。増加した排熱はガスエンジン53等からエンジン冷却水に吸収され、水熱交換器31(図1参照)においてエンジン冷却水から冷媒に伝達される。
上記の構成によれば、戻し流路217および容量制御弁221により圧縮機217の冷媒押しのけ量が小さくされるため、ガスエンジン53に求められる回転トルクを下げることができる。この時、ガスエンジン53の出力は一定に保たれているため、ガスエンジン53の回転数が上昇する。すると、ガスエンジン53の運転条件が効率の高い条件から低い条件に変化して、ガスエンジン53の排熱量が増える。
その結果、冷却水および水熱交換器31を介して冷媒に加えられる排熱量を増加させることができ、室外熱交換器23における冷媒圧力を所定圧力より上昇させることができる。
室外熱交換器23における冷媒圧力(高圧圧力)が上昇するため、室内熱交換器23における冷媒圧力(低圧圧力)との差圧が大きくなり、室外熱交換器23から室内熱交換器への冷媒流量を増やすことができる。つまり、室外熱交換器23における冷媒圧力を上昇させて上記差圧を大きくしているため、室内熱交換器23における冷媒圧力を低下させることなく、GHP201における冷媒循環流量を増やすことができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図8から図10を参照して説明する。
本実施形態のGHPの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、空気調和機に係る構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図8から図10を用いて空気調和機に係る構成のみを説明し、ガスエンジン等その他の構成要素の説明を省略する。
図8は、本実施形態に係るガスヒートポンプ式空気調和機の回路構成および冷房運転時の冷媒流れを示す図である。なお、図8においてガスエンジンおよびエンジン冷却水の循環系等は、第1の実施形態と同様であるので、一部を除き記載を省略している。
また、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態におけるGHP(ガスヒートポンプ式空気調和機)301は、いわゆる冷暖房フリーマルチエアコンであり、複数の室内ユニット3と、一つの室外ユニット5と、これらを接続する高圧ガス管305、低圧ガス管307および液管309とを備えている。
室外ユニット5は、例えば2台とされた圧縮機17と、例えば2台とされた室外熱交換器23とを備えている。
各室外熱交換器23a,bとレシーバ27との間の液管309との間であって、各室外熱交換器23a,bの近傍には、それぞれ、室外側膨張弁25a,b(以下、両方の室外膨張弁を示すときは単に符号「25」を付し、各室外膨張弁を示すときは符号「25a」又は「25b」を付す。)が設けられている。室外側膨張弁25としては、電子膨張弁が用いられる。
各室外側膨張弁25a,bをバイパスする室外膨張弁バイパス管316a,bが設けられており、各バイパス管316a,bには、室外熱交換器23a,bからレシーバ27への冷媒流れを許容し、その逆の流れを阻止する逆止弁319a,bが設けられている。一方の第1室外熱交換器23aに接続された室外膨張弁バイパス管316aには、逆止弁319aの上流側に電磁弁であるバイパス遮断弁321が設けられている。
室外側膨張弁25a,bのレシーバ27側に接続された配管は、液管309の合流点309aにて合流するようになっている。
各室外熱交換器23a,bには、それぞれ、液管309側に設けられた液管側温度センサ330a,bと、室外側四方弁21a,b側に設けられた四方弁側温度センサ332a,bとが設けられている。
また、室外熱交換器23a,bの近傍には、室外温度すなわち外気温度を測定する室外温センサ334が設けられている。
圧縮機17で圧縮された冷媒は、高圧ガス冷媒となり、高圧ガス管305へと吐出される。高圧ガス管305には、吐出冷媒の圧力を測定するための高圧圧力センサPSHが設けられている。また、各圧縮機17a,bの吐出管には、吐出管温度を測定する吐出管温度センサ336a,bが設けられている。
本実施形態にかかる冷暖房フリーマルチエアコンに用いられる冷媒としては、例えば
R410Aが用いられる。この R410Aは、従来の冷媒であるR22、R407Cに比べて1.4(5℃)倍の密度を有し、1.6(5℃)倍の高圧が可能な高密度高圧冷媒とされており、高い冷凍能力を発揮し、圧力損失も少ないという利点を有する。
室外ユニット5内に位置する高圧ガス管305は、分岐点305a,bにおいて分岐し、それぞれの分岐管306a,bが高圧ガス管用ポート21−1において室外側四方弁21a,bに接続されている。室外側四方弁21a,bは、それぞれ、室外熱交換器23a,bに接続される室外熱交換器側ポート21−2と、低圧ガス管307の分岐点307dにおいて分岐する低圧ガス分岐管315a,bに接続される低圧ガス管側ポート21−3と、ストレーナ317a,b及びキャピラリチューブ318a,bを介して低圧ガス分岐管315a,bに接続されるバイパス管側ポート21−4とを備えている。
室外ユニット5内に位置する低圧ガス管307は、各圧縮機17a,bに接続されている。圧縮機17a,17bの上流側(すなわち吸入管)には、システムの低圧圧力を測定する低圧センサPSLおよび吸入管温度センサ338が設けられている。この低圧センサPSLにより、圧縮機17に吸入される冷媒ガス圧力が測定される。
室外熱交換器23a,bは、室外側四方弁21a,bに接続される側の反対側に、液管309が接続されている。この室外ユニット5内の液管309には、液冷媒を貯留するレシーバ27と、冷房運転時に液管309を流れる冷媒に過冷却を与える過冷却コイル29とを備えている。過冷却コイル29は、液管309を流れる液冷媒の一部を取り出し、過冷却用膨張弁49によって膨張気化させて冷却した冷媒によって、液管309を流れる液冷媒に過冷却を与えるようになっている。過冷却に用いられて気化したガス冷媒は、吸入管に返送される。
室内ユニット3は、複数設けられており、各室内ユニット3の構成は同等とされる。
室内ユニット3は、室内空気と熱交換を行う室内熱交換器9を備えている。室内熱交換器9には、その前後の温度を測定するための温度センサ333,335が設けられている。室内熱交換器9の近傍には、室内温度を測定するための室内温度センサ337が設けられている。
室内熱交換器9と液管309とを接続する液冷媒用分岐管344には、室内膨張弁11が設けられている。
各室内ユニット3には、高圧ガス管305及び低圧ガス管307の切り換えを行う分流コントローラ346が設けられている。
分流コントローラ(分流制御部)346は、次のような構成となっている。
分流コントローラ346は、室内側四方弁348を備えている。室内側四方弁348は、高圧ガス管305の主管から分岐された高圧ガス分岐管305cに接続される高圧ガス管用ポート348−1と、室内熱交換器9側に接続される室内熱交換器側ポート348−2と、低圧ガス管307の主管から分岐された室内側低圧ガス分岐管307cに接続される低圧ガス管用ポート348−3と、室内側低圧ガス分岐管307cの中途位置349に合流する低圧バイパス管350に接続される低圧バイパス管用ポート348−4とを有している。
室内側四方弁348は、暖房運転時には、高圧ガス管用ポート348−1と室内熱交換器側ポート348−2とを連通し、かつ、低圧ガス管用ポート348−3と低圧バイパス管用ポート348−4とを連通する。また、室内側四方弁348は、冷房運転時には、高圧ガス管用ポート348−1と低圧バイパス管用ポート348−4とを連通し、かつ、室内熱交換器側ポート348−2と低圧ガス管用ポート348−3とを連通する。
室内側四方弁348の上流側の高圧ガス分岐管305cには、高圧ガス分岐管用開閉弁352が設けられている。この高圧ガス分岐管用開閉弁352を迂回するように高圧ガス分岐管用バイパス流路354が形成されており、この高圧ガス分岐管用バイパス流路354には第1キャピラリチューブ355が設けられている。
室内側四方弁348の下流側の低圧バイパス管350には、第2キャピラリチューブ357が設けられている。
高圧ガス分岐管用バイパス流路354の上流側の高圧ガス分岐管305cと低圧バイパス管350の下流側(中途位置349の下流側)の室内側低圧ガス分岐管307cとの間には、高低圧バイパス管358が設けられている。高低圧バイパス管358には、高圧ガス分岐管305c側から室内側低圧ガス分岐管307c側に向かって、高低圧バイパス管用開閉弁360と第3キャピラリチューブ362とが順に設けられている。
水熱交換器31は、室外熱交換器23とレシーバ27とを接続する液管309から分岐してコンプレッサ上流に導かれる低圧ガス管307に配置され、冷媒の流入側にはストレーナ13および冷媒の圧力を減圧・膨張させる水熱交換器用膨張弁(冷媒制御部)51が配置されている。また、水熱交換器31には、ガスエンジン53のエンジン冷却水が循環するように配置されている。
次に、上記構成からなるGHP301について、室内を冷暖房するそれぞれの運転時の作用について説明する。
先ず、夏季のように、全ての室内ユニット3において冷房運転が選択されている場合の動作について、図8を用いて説明する。この場合、二つの室外熱交換器23a,bはコンデンサとして動作する。
圧縮機17aによって圧縮された高圧ガス冷媒は、高圧ガス管305の各分岐点305a,bで分岐して、各室外側四方弁21a,bへと流れる。一方、高圧ガス冷媒の一部分(ごく少量)は、室内ユニット3へと接続される高圧ガス管305を通って室内ユニット3へと流れる。(2台使用する場合もある)室外側四方弁21a,bでは、高圧ガス管用ポート21−1と室外熱交換器側ポート21−2が連通され、また、低圧ガス管側ポート21−3とバイパス管側ポート21−4とが連通されている。この場合、電磁弁とされる室外側四方弁21a,bは導通されずOFFとされている。したがって、高圧ガス管用ポート21−1へと流れ込んだ高圧ガス冷媒は、室外熱交換器側ポート21−2を通過して、室外熱交換器23a,bへと導かれる。一方、室外側四方弁21a,bの低圧ガス管側ポート21−3とバイパス管側ポート21−4とが連通され、室外側低圧ガス分岐管315a,bを通る流路は閉ループとされているので、室外側低圧ガス分岐管315a,bには高圧ガス冷媒は流れず、また、低圧ガス管307の分岐点307dから低圧ガス冷媒が流れ込むこともない。ただし、室外側低圧ガス分岐管315a,b内は低圧ガス冷媒が満たされた状態となっている。
室外熱交換器23a,bへと流れ込んだ高圧ガス冷媒は、外気と熱交換して放熱し、凝縮液化される。この場合、室外側膨張弁25a,bはいずれも全開とされている。
凝縮液化した高圧液冷媒は、レシーバ27を通過し、過冷却コイル29で過冷却された後、液管309を通って室内ユニット3へと導かれる。なお、室外ユニット5と室内ユニット3とを接続する液管309は、その長さが100mを超える場合もある (超えない場合もある)ので、このように過冷却をつけて液管309内での液冷媒の蒸発を避けることが望ましい。
室内ユニット3側へと流れ込んだ高圧液冷媒は、各室内ユニット3に接続された液冷媒用分岐管344に分岐した後、各室内ユニット3の室内膨張弁11で絞られて膨張させられる。その後、液冷媒は室内熱交換器9で蒸発して、室内空気から熱を奪い冷却する。蒸発気化した低圧ガス冷媒は、分流コントローラ346の室内側四方弁348へと流れ込む。室内側四方弁348は、高圧ガス管用ポート348−1と低圧バイパス管用ポート348−4とを連通し、かつ、室内熱交換器側ポート348−2と低圧ガス管用ポート348−3とを連通している。したがって、室内熱交換器9からの低圧ガス冷媒は、室内側四方弁348を通り、室内側低圧ガス分岐管307cへと流れ込んだ後、主管である低圧ガス管307を通って室外ユニット5へと導かれる。
分流コントローラ346内では、高圧ガス冷媒について、次のような冷媒流れが形成されている。
高圧ガス管305から各室内ユニット3に分岐した高圧ガス分岐管305cを通って流れ込んだ高圧ガス冷媒は、高圧ガス分岐管用開閉弁352が閉とされているので、高圧ガス分岐管用バイパス流路354を通り、第1キャピラリチューブ355で減圧される。減圧されたガス冷媒は、室内側四方弁348を通り、低圧バイパス管350へと流れ込み、第2キャピラリチューブ357で絞られて流量調整された後、中途位置349において室内側低圧ガス分岐管307cに合流する。このように、高圧ガス分岐管305cの高圧ガス冷媒を、室内側四方弁348を介して流すようにしたので、高圧ガス分岐管305cにおいて高圧ガスが滞留することがなく、ひいては、主管である高圧ガス管305において高圧ガスが滞留することがない。したがって、高圧ガス管305(もしくは高圧ガス分岐管305c)内で高圧ガス冷媒が放熱・凝縮してしまい、液冷媒が高圧ガス管305内に溜まり込むことが防止され、システムの冷媒量不足を回避することができる。また、コンプレッサから流出した冷凍機油が、液冷媒と一緒に溜まり込んだ場合、油切れによる圧縮機故障につながる恐れもあるため、このような高圧ガス冷媒を分流コントローラ346によって流動させる冷媒回路が有効となる。
一方、分流コントローラ346の高低圧バイパス管用開閉弁360は閉とされているので、高低圧バイパス管358には高圧ガス冷媒が流れない。
低圧ガス管307を通って室外ユニット5に流れ込んだ低圧ガス冷媒は、圧縮機17aへと戻される。
このように、全冷房全台運転では、要求される凝縮能力が大きいため、二つの室外熱交換器23a,bがコンデンサとして運転される。
図9は、図8のGHPにおける冷房運転時であって、水熱交換器に冷媒を供給している場合の冷媒流れを示す図である。
なお、水熱交換器31、冷却水系55(図1参照)等の働きは、上記第1の実施形態と同様であるので、図9を示してその説明を省略する。
次に、春季や秋季のような中間期であって、冷房運転を行う室内ユニット3の台数が、暖房運転を行う室内ユニット3の台数よりも多い冷房主体の運転を行う場合について説明する。また、室外温度が冬季のように低すぎず(例えば−5℃程度)、室外熱交換器23a,bに設けた室外ファン(図示せず)の運転・停止(又は室外ファンの回転数制御)によって凝縮能力をコントロールできる範囲における場合である。
図10は、図8のGHPにおいて、冷房運転を行う室内ユニットと暖房運転を行う室内ユニットとが混在する場合における冷媒流れを説明する図である。
この運転パターンでは、夏季のように要求冷房能力が大きくなく、したがって要求される凝縮能力が比較的小さい(例えば能力の50%)ので、第2室外熱交換器23bは停止されている。この第2室外熱交換器23bの停止は次のように行われる。
第2室外熱交換器23bに接続された室外側四方弁21bを切り替えて(室外側四方弁21bに導通させてONとして)、高圧ガス管用ポート21−1と室外熱交換器側ポート21−2との連通を切り、高圧ガス管用ポート21−1とバイパス管側ポート21−4とを連通させ、室外熱交換器側ポート21−2と低圧ガス管側ポート21−3とを連通させる。これにより、圧縮機17aから吐出された高圧ガスを第2室外熱交換器23bに流さないようにする。また、第2室外熱交換器23bに接続された室外膨張弁13bを全閉にする。
他方の第1室外熱交換器23aの下流側の室外側膨張弁25aは全開とされており、また、室外膨張弁バイパス管316aに設けたバイパス遮断弁321も開とされている。
暖房運転を行う室内ユニット3aの分流コントローラ346は、次のように動作される。
分流コントローラ346の室内側四方弁348は、高圧ガス管用ポート348−1と室内熱交換器側ポート348−2とを連通し、かつ、低圧ガス管用ポート348−3と低圧バイパス管用ポート348−4とを連通している。したがって、高圧ガス冷媒は、室内側四方弁348を通って、室内熱交換器9へと導かれ、この室内熱交換器9で凝縮・液化することによって室内空気に熱を与えて暖房を行う。室内熱交換器9で液化した高圧液冷媒は、液冷媒用分岐管344を通って、主管である液管309へと合流する。
次に、本実施形態の特徴である図11に示すGHP301の運転パターンにおいて、暖房運転を行う室内ユニット3の台数が所定台数よりも増えて、室外熱交換器23における冷媒圧力が所定圧力よりも低下した場合の制御について、図11を参照しながら説明する。
図11は、図8のGHPにおいて、冷房運転を行う室内ユニットと暖房運転を行う室内ユニットとが混在する場合において暖房運転を行う室内ユニット3の台数が所定台数よりも増えた場合における冷媒流れを説明する図である。
本運転パターンにおいて、図11に示すように、制御部337は暖房運転を行う室内ユニット3の台数が所定台数よりも増えたと判定すると、水熱交換器用膨張弁51を開き、室外熱交換器23から流出した冷媒の一部を水熱交換器31に流入させる。室外熱交換器23から流出した冷媒の残りはストレーナ27に向かって流れる。
同時に、制御部337は第1,第2流量制御弁67A,67Bを切り替えて、エンジン冷却水を水熱交換器31に流入させる。
水熱交換器31に向かった液冷媒は、水熱交換器用膨張弁51により減圧されて低温低圧の冷媒となり、水熱交換器31に流入する。水熱交換器31において、冷媒はエンジン冷却水から排熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒は圧縮機17に吸入され、圧縮された後、再び室外熱交換器23に向けて吐出される。
なお、上記所定台数は、室外熱交換器23における冷媒圧力が所定圧力以下に低下するか否かにより定められる。
具体的には、暖房運転を行う室内ユニット3の室内熱交換器23はコンデンサとして働くため、暖房運転を行う室内ユニット3の台数が増えると、GHP301の冷凍サイクルとしてはコンデンサ能力が増えたとみなせる。一方、冷房運転を行う室内ユニット3の台数は減っているため、エバポレータ能力は減少したとみなせる。すると、GHP301の冷凍サイクルとしては、コンデンサ能力がエバポレータ能力よりも大きくなるため、コンデンサ(室外熱交換器23等)側の冷媒圧力が低下しやすくなる。
次に、冬季のように、全ての室内ユニット3において暖房運転が選択されている場合の動作について、図12を用いて説明する。この場合、二つの室外熱交換器23a,bはエバポレータとして動作する。
図12は、図8のGHPにおいて、全ての室内ユニット3において暖房運転が選択されている場合における冷媒流れを説明する図である。
圧縮機17aによって圧縮された高圧ガス冷媒は、高圧ガス管305を通って室内ユニット3へと導かれる。高圧ガス冷媒のごく一部は、高圧ガス管305の分岐点305a,bにおいて分岐して各室外側四方弁21a,bへと流れ込む。室外側四方弁21a,bは、高圧ガス管用ポート21−1とバイパス管側ポート21−4とが連通され、また、室外熱交換器側ポート21−2と低圧ガス管側ポート21−3とが連通されている(室外側四方弁21は導通されてONとされている)。したがって、室外側四方弁21a,bへと流れ込んだ高圧ガス冷媒は、バイパス管側ポート21−4を通って、キャピラリチューブ318a,bで減圧された後、室外側低圧ガス分岐管315a,bに合流する。室外側低圧ガス分岐管315a,b内の低圧ガス冷媒は、再び圧縮機17aへと戻される。また、室外熱交換器23a,bから導かれる低圧ガス冷媒も、室外側四方弁21a,bを介して室外側低圧ガス分岐管315a,bに流れるようになっている。
高圧ガス管305によって室内ユニット3へと導かれた高圧ガス冷媒は、各高圧ガス分岐管305cを通過して、各分流コントローラ346へと流れ込む。分流コントローラ346の室内側四方弁348は、高圧ガス管用ポート348−1と室内熱交換器側ポート348−2とを連通し、かつ、低圧ガス管用ポート348−3と低圧バイパス管用ポート348−4とを連通している。したがって、高圧ガス冷媒は、室内側四方弁348を通って、室内熱交換器9へと導かれ、この室内熱交換器9で凝縮・液化することによって室内空気に熱を与えて暖房を行う。室内熱交換器9で液化した高圧液冷媒は、液冷媒用分岐管344を通って、主管である液管309へと合流する。この高圧液冷媒は、液管309によって室外ユニット5へと導かれる。
液管309を介して室内ユニット3から送られた液冷媒は、室外熱交換器23の上流側に位置する室外側膨張弁25によって減圧させられる。
室外側膨張弁25によって減圧された低圧液冷媒は、室外熱交換器23へと送られる。低圧液冷媒は、室外熱交換器23において外気から熱を奪うことにより蒸発して低圧ガス冷媒とされる。低圧ガス冷媒は、上述のように、室外側四方弁21a,bへと導かれた後、低圧ガス分岐管315a,bを通って圧縮機17aへと戻される。
上記の構成によれば、室外熱交換器23において冷媒から熱が放熱され、かつ、暖房運転を行う室内ユニット3の台数が所定台数よりも増えた場合に、水熱交換器31に冷媒および冷却水が流入するため、水熱交換器31において冷媒に排熱を加えることができる。つまり、コンデンサとして働く熱交換器の能力が、エバポレータとして働く熱交換器の能力よりも大きくなった場合に、水熱交換器31において冷媒に排熱を加え、室外熱交換器23における冷媒圧力を所定圧力より上昇させることができる。
本発明の第1の実施形態に係るガスヒートポンプ式空気調和機の回路構成および冷房運転時の冷媒流れを示す図である。 図1のGHPにおける冷房運転時であって、水熱交換器に冷媒を供給している場合の冷媒流れを示す図である。 エンジン冷却水の温度が上昇した場合の制御を説明するフローチャートである。 図1の圧縮機およびガスエンジンの制御を説明するブロック図である。 図1のGHPにおける暖房運転時の冷媒流れを示す図である。 本発明における第1の実施形態に係る第1変形例におけるGHPに係る圧縮機の制御を説明する模式図である。 本発明における第1の実施形態に係る第2変形例におけるGHPに係る圧縮機の制御を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るガスヒートポンプ式空気調和機の回路構成および冷房運転時の冷媒流れを示す図である。 図8のGHPにおける冷房運転時であって、水熱交換器に冷媒を供給している場合の冷媒流れを示す図である。 図8のGHPにおいて、冷房運転を行う室内ユニットと暖房運転を行う室内ユニットとが混在する場合における冷媒流れを説明する図である。 図8のGHPにおいて、冷房運転を行う室内ユニットと暖房運転を行う室内ユニットとが混在する場合において暖房運転を行う室内ユニット3の台数が所定台数よりも増えた場合における冷媒流れを説明する図である。 図8のGHPにおいて、全ての室内ユニット3において暖房運転が選択されている場合における冷媒流れを説明する図である。
符号の説明
1,101,201,301 GHP(ガスヒートポンプ式空気調和機)
9 室内熱交換器
11 室内側電子膨張弁(減圧部)
17,217 圧縮機
23 室外熱交換器
25 室外側膨張弁(減圧部)
31 水熱交換器
37 制御部
51 水熱交換器用膨張弁(冷媒制御部)
53 ガスエンジン
67A 第1流量制御弁(冷却水制御部)
67B 第2流量制御弁(冷却水制御部)
219 戻し流路(押しのけ量制御部)
221 容量制御弁(押しのけ量制御部)
346 分流コントローラ(分流制御部)

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    室外の空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器と、
    室内の空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、
    冷媒の圧力を減圧させる減圧部と、
    前記圧縮機を駆動するガスエンジンと、
    該ガスエンジンの排熱を回収する冷却水と、
    該冷却水に回収された熱を冷媒に伝達する水熱交換器と、
    前記水熱交換器への冷媒の流入を制御する冷媒制御部と、
    前記水熱交換器への冷却水の流入を制御する冷却水制御部と、が設けられたガスヒートポンプ式空気調和機であって、
    前記室外熱交換器において冷媒から熱が放熱され、かつ、前記室外熱交換器における冷媒圧力が所定圧力以下となった場合に、
    前記冷媒制御部および前記冷却水制御部により前記水熱交換器へ冷媒および冷却水が流入されることを特徴とするガスヒートポンプ式空気調和機。
  2. 複数台の前記室内熱交換器が設けられるとともに、
    複数台の前記室内熱交換器に対して、それぞれ前記圧縮機から吐出された冷媒、または、前記減圧部により減圧された冷媒を選択して供給する分流制御部が設けられ、
    前記室外熱交換器において冷媒から熱が放熱され、かつ、前記分流部により所定台数以上の前記室内熱交換器に前記圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒が流入した場合に、
    前記冷媒制御部および前記冷却水制御部により前記水熱交換器へ冷媒および冷却水が流入されることを特徴とする請求項1記載のガスヒートポンプ式空気調和機。
  3. 前記ガスエンジンにおける排熱量が所定排熱量より小さい場合に、
    前記ガスエンジンの運転効率を調節して前記排熱量を増加させることを特徴とする請求項1または2に記載のガスヒートポンプ式空気調和機。
  4. 前記ガスエンジンの運転効率は、前記ガスエンジンの点火時期および空気過剰率により調節されることを特徴とする請求項3に記載のガスヒートポンプ式空気調和機。
  5. 複数台の前記圧縮機が設けられ、
    前記ガスエンジンにおける排熱量が所定排熱量より小さい場合に、
    前記ガスエンジンにより駆動される前記圧縮機の台数を減らすことを特徴とする請求項1または2に記載のガスヒートポンプ式空気調和機。
  6. 前記圧縮機が、冷媒の押しのけ量を変えることができる可変容量型圧縮機であって、
    前記圧縮機の冷媒押しのけ量を調節する押しのけ量制御部が設けられ、
    前記ガスエンジンにおける排熱量が所定排熱量より小さい場合に、
    前記押しのけ量制御部により前記圧縮機の冷媒押しのけ量が減少されることを特徴とする請求項1または2に記載のガスヒートポンプ式空気調和機。
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