JP4407012B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍装置に関し、特に、圧縮機の吐出温度の制御対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空気調和装置には、特開平9−72625号公報に開示されているように、圧縮機と室外熱交換器と室外膨張弁とレシーバと室内膨張弁と室内熱交換器とが順に冷媒配管によって接続されて成る冷媒回路を備えているものがある。そして、上記冷媒回路は、冷媒が可逆に循環して冷暖房運転を行うようにしている。
【0003】
上記冷媒回路の液側冷媒配管には、電磁弁を有するリキッドインジェクション通路が接続され、圧縮機の吐出側の冷媒温度が過上昇すると、液冷媒を圧縮機の吸込側にインジェクションして吸入ガスの過熱度を調整するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の空気調和装置のリキッドインジェクション通路は、冷房運転時において、室内熱交換器に流れる液冷媒の一部を分流し、室内熱交換器に流すことなく分流冷媒を圧縮機の吸込側に供給するため、室内熱交換器に供給される液冷媒量が少なくなる。
【0005】
ここで、上記冷房運転時における冷凍サイクルのモリエル線図を図7に示す。
【0006】
図中のhA1は、圧縮機の吐出側の冷媒温度が過上昇した場合の圧縮機の吸込側の冷媒エンタルピを表し、図中のhA2は、液冷媒を圧縮機の吸込側にインジェクションした場合の圧縮機の吸込側の冷媒エンタルピを表す。図中のhF1は、室内熱交換器に流れ込む冷媒のエンタルピを表す。
【0007】
圧縮機の吐出側の冷媒温度が過上昇すると、液冷媒が圧縮機の吸込側にインジェクションされるので、冷媒エンタルピがhA1からhA2となって吐出側の冷媒温度が低下する。
【0008】
しかしながら、液冷媒を単に直接に圧縮機に供給しているので、室内熱交換器に流れる冷媒量が減少し、そのまま冷房能力が低下することになり、COP(成績係数)が低下するという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、空調能力の低減を改善し、圧縮機の吐出側の冷媒温度の過上昇を防止することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高圧液冷媒の一部を分流して減圧した分流冷媒により高圧液冷媒を過冷却した後、圧縮機の吸込側にインジェクションするようにしたものである。
【0011】
具体的に、第1の解決手段は、高圧ドーム型圧縮機構(10)と熱源側熱交換器(14)と膨張機構(19)と利用側熱交換器(20)とが順に冷媒配管(4)によって接続されて成る冷媒回路(21)を備えた冷凍装置を前提としている。上記冷媒回路(21)の液側冷媒配管(4)より高圧液冷媒の一部を分流する分岐通路(44)と、該分岐通路(44)に設けられた流量調整自在な減圧機構(26)と、上記液側冷媒配管(4)を流れる高圧液冷媒と分岐通路(44)の減圧された分流冷媒とを熱交換させる降圧熱交換器(47)と、該降圧熱交換器(47)で高圧冷媒と熱交換した分流冷媒を高圧ドーム型圧縮機構(10)の吸込側に導くインジェクション通路(45)と、上記液側冷媒配管(4)を流れる高圧冷媒を高圧ドーム型圧縮機構(10)に吸入される前の低圧冷媒によって過冷却する過冷却熱交換器(17)と、上記液側冷媒配管(4)における過冷却熱交換器(17)と降圧熱交換器(47)との間に設けられる受液器(16)とを備えている。
【0012】
また、第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、高圧ドーム型圧縮機構(10)の吐出側の冷媒温度が所定温度以上になると、分流冷媒の量を増大させる制御手段(61)が設けられている。
【0013】
すなわち、上記第1の解決手段では、熱源側熱交換器(14)から流出する高圧冷媒を降圧熱交換器(28)で凝縮させる。つまり、冷媒回路(21)の液側冷媒配管(4)を流れる高圧冷媒の一部が分流して、減圧機構(26)により減圧される。降圧熱交換器(47)において、上記減圧された分流冷媒は、液側冷媒配管(4)を流れる高圧冷媒と熱交換して、該高圧冷媒が凝縮する。そして、凝縮した高圧液冷媒は、過冷却熱交換器(17)において高圧ドーム型圧縮機構(10)に吸入される冷媒と熱交換して過冷却される。一方、高圧冷媒と熱交換した分流冷媒がインジェクション通路(45)を流れ、高圧ドーム型圧縮機構(10)の吸込側にインジェクションされ、高圧ドーム型圧縮機構(10)の吐出冷媒の温度を低下させる。
【0014】
また、上記第2の解決手段では、高圧ドーム型圧縮機構(10)の吐出側の冷媒温度が所定以上になると、減圧機構(26)の開度を大きくして、分流冷媒の流量を増大させる。そして、高圧ドーム型圧縮機構(10)の圧縮部に流入する冷媒量が増大し、冷却度を増大させる。
【0015】
【発明の効果】
従って、本発明によれば、熱源側熱交換器(14)から流出する高圧冷媒を熱源側熱交換器(14)において飽和液の状態にする必要がなくなる。つまり、熱源側熱交換器(14)では、全冷媒を液化する必要がないため、熱源側熱交換器(14)に入る冷媒温度と、例えば、室外空気との温度差を小さくしても必要な凝縮熱量を確保することができる。従って、高圧圧力を低下させることができるので、高圧ドーム型圧縮機構(10)の負荷を低減することができる。
【0016】
また、上記第2の解決手段によれば、冷媒温度に対応してインジェクション量を調整することができるので、より正確に吐出温度を下げることができ、冷却能力の低下を抑制することができる。この結果、熱回収を十分に行うことができるので、COPの低下をより抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。そこで、先ず、本発明の前提技術について説明した後、本発明の実施形態を説明する。
【0018】
<発明の前提技術>
前提技術の冷凍装置は、図1に示すように、1台の室外ユニット(2)と、互いに並列に接続された複数台(本前提技術では3台)の室内ニット(3)とを備えた、いわゆるマルチ型の空気調和装置(1)に構成されている。そして、上記室外ユニット(2)と室内ユニット(3)は、液側及びガス側の冷媒配管(4)により接続されている。
【0019】
上記室外ユニット(2)は、高圧ドーム型圧縮機構である圧縮機構(10)と、四路切換弁(13)と、熱源側熱交換器である室外熱交換器(14)と、室外膨張弁(15)と、受液器(16)と、過冷却熱交換器(17)と、アキュムレータ(18)とを備えている。
【0020】
上記室内ユニット(3)は、膨張機構である室内膨張弁(19)と、利用側熱交換器である室内熱交換器(20)とを備えている。
【0021】
上記圧縮機構(10)、四路切換弁(13)、室外熱交換器(14)、室外膨張弁(15)、受液器(16)、過冷却熱交換器(17)、室内膨張弁(19)、室内熱交換器(20)及びアキュムレータ(18)は順に冷媒配管(4)により接続され、冷媒回路(21)が形成されている。
【0022】
上記液側の冷媒配管(4)は、室外熱交換器(14)から延びる1本の室外液管(31)と、液側ヘッダ(32)と、複数の分岐液管(33)とにより構成されている。一方、上記ガス側の冷媒配管(4)は、ガス側ヘッダ(34)と、該ガス側ヘッダ(34)と室外熱交換器(14)とを連通させる室外ガス管(35)と、上記ガス側ヘッダ(34)と各室内熱交換器(20)とを接続する複数の分岐ガス管(36)とにより構成されている。
【0023】
上記分岐液管(33)の一端が液側ヘッダ(32)に、他端が室内熱交換器(20)に接続される一方、上記分岐ガス管(36)の一端がガス側ヘッダ(34)に、他端が室内熱交換器(20)に接続されている。
【0024】
上記圧縮機構(10)は、互いに並列に接続された第1圧縮機(11)と第2圧縮機(12)とにより構成される。両圧縮機(11,12)は、いわゆるスクロールタイプの高圧ドーム型圧縮機に構成されている。
【0025】
上記第1圧縮機(11)は容量不変であり、第2圧縮機(12)はインバータにより容量可変に調節される。両圧縮機(11,12)は、スクロールタイプの圧縮機であり、運転中は圧縮室を構成するスクロール部が、摩擦や吐出ガス等により最も高温になる。
【0026】
上記室外ガス管(35)は主ガス管(37)と、2本の分岐吐出ガス管(38)と、2本の分岐吸込ガス管(39)とにより構成される。
【0027】
上記各分岐吐出ガス管(38)の一端は、上記第1圧縮機(11)の吐出側又は第2圧縮機(12)の吐出側にそれぞれ接続され、他端が合流して、主ガス管(37)を介して四路切換弁(13)に接続されている。
【0028】
上記各分岐吸込ガス管(39)の一端は、上記第1圧縮機(11)の吸込側又は第2圧縮機(12)の吸込側にそれぞれ接続され、他端が合流して、主ガス管(37)を介してアキュムレータ(18)に接続されている。
【0029】
第1圧縮機(11)に接続する分岐吐出ガス管(38)には、第1圧縮機(11)から主ガス管(37)への冷媒の流れのみを許容する逆止弁(23)が設置されている。つまり、第2圧縮機(12)の容量変更に伴う冷媒の第1圧縮機(11)への逆流を防止している。
【0030】
第1圧縮機(11)と第2圧縮機(12)とは潤滑油が流れる油配管(40)により接続されている。該油配管(40)には、第1圧縮機(11)から第2圧縮機(12)への潤滑油の流れのみを許容する逆止弁(24)が設置されている。
【0031】
上記第2圧縮機(12)に接続する分岐吐出ガス管(38)には、油分離器(22)が設置されている。
【0032】
上記第2圧縮機(12)には、第1油抜き管(41)が接続されている。該第1油抜き管(41)は、第2圧縮機(12)の潤滑油を第1圧縮機(11)の吸入側に戻すための配管である。第1油抜き管(41)の一端は、第2圧縮機に接続し、他端が分岐吸込ガス管(39)に接続している。
【0033】
上記油分離器(22)には、第2油抜き管(42)が接続されている。該第2油抜き管(42)は、油分離器(22)により分離された潤滑油をアキュムレータ(18)に戻すための配管である。第2油抜き管(42)の一端は、油分離器(22)に接続し、他端がアキュムレータ(18)に接続する主ガス管(37)に接続されている。
【0034】
両油抜き管(41,42)にはキャピラリチューブ(CV1,CV2)が設置されている。該各キャピラリチューブ(CV1,CV2)は、冷媒の流通を抑制し、潤滑油のみを流す役目を果たす。
【0035】
上記四路切換弁(13)は、切り換えによって冷媒回路(21)の冷媒の循環方向を反転させ、冷凍サイクル動作とヒートポンプサイクル動作とを切り換える。
【0036】
上記室外熱交換器(14)は、いわゆるクロスフィン型の熱交換器に構成され、室外空気と冷媒回路(21)を流れる冷媒とを熱交換させる。
【0037】
上記受液器(16)は、冷媒回路(21)を流れる凝縮した高圧液冷媒を一旦貯溜する。受液器(16)の上部には、ガス戻し管(43)が接続され、該ガス戻し管(43)の他端が四路切換弁(13)とアキュムレータ(18)の間の主ガス管(37)に接続されている。上記ガス戻し管(43)には電磁弁(25)が設置されている。該電磁弁(25)は、通常閉められているが、例えば、運転停止時等においてガス冷媒をアキュムレータ(18)に戻す必要があるときに開放される。
【0038】
上記過冷却熱交換器(17)は、いわゆるプレート式熱交換器に構成され、1次側通路(17a)と2次側通路(17b)とが形成されている。上記過冷却熱交換器(17)は、1次側通路(17a)を流れる高圧液冷媒と2次側通路(17b)を流れる冷媒とを熱交換させ、高圧液冷媒を過冷却する。上記1次側通路(17a)の一端は、室外液管(31)を介して受液器(16)に接続され、他端が室外液管(31)を介して液側ヘッダ(32)に接続されている。
【0039】
上記室外液管(31)には、分岐通路(44)が接続されている。該分岐通路(44)は、室外液管(31)を流れる高圧液冷媒の一部を分流し、減圧するための通路である。上記分岐通路(44)には、流量調整自在な減圧機構である減圧弁(26)が設置されている。上記分岐通路(44)の一端は、受液器(16)と過冷却熱交換器(17)との間の室外液管(31)に接続され、他端が過冷却熱交換器(17)の2次側通路(17b)に接続されている。
【0040】
上記過冷却熱交換器(17)の2次側通路(17b)には、インジェクション通路(45)が接続されている。該インジェクション通路(45)は、高圧液冷媒と熱交換した減圧分流冷媒を両圧縮機(11,12)の吸入側に導くための通路である。上記インジェクション通路(45)の一端は、過冷却熱交換器(17)の2次側通路(17b)に接続され、他端がアキュームレータ(18)と分岐吸込ガス管(39)とを接続する主ガス管(37)に接続されている。
【0041】
上記室内熱交換器(20)は、いわゆるクロスフィン型の熱交換器に構成されており、冷媒と室内空気とを熱交換する。
【0042】
上記アキュームレータ(18)は、両圧縮機(11,12)に戻る冷媒の液粒を分離する。
【0043】
上記各分岐吐出ガス管(38)には、各圧縮機(11,12)の吐出側の冷媒圧力が所定圧力になるとオンとなって高圧保護信号を出力する高圧保護圧力スイッチ(HPS1,HPS2)と、各圧縮機(11,12)の吐出側の冷媒温度である吐出管温度を検出して、吐出温度の制御信号を出力する吐出温度センサ(TD1,TD2)とが設置されている。
【0044】
上記分岐吐出ガス管(38)に接続する主ガス管(37)には、冷媒の吐出圧力を検出して高圧制御信号を出力する高圧制御圧力センサ(HP)が、アキュムレータ(18)に接続する主ガス管(37)には、冷媒の吸込圧力を検出して、低圧制御信号を出力する低圧制御圧力センサ(LP)が設置されている。
【0045】
上記室外熱交換器(14)付近の室外液管(31)には、冷媒温度を検出する室外温度センサ(TC)が、室内熱交換器(20)付近の分岐液管(33)には冷媒温度を検出する室内温度センサ(TE)がそれぞれ設置されている。
【0046】
上記各センサ(TD1,TD2,HP,LP,TC,TE)や各スイッチ(HPS1,HPS2)の検出信号はコントローラ(60)に送られる。該コントローラ(60)は、各センサ(TD1,…)や各スイッチ(HPS1,HPS2)からの検出信号を受けて室内膨張弁(19)や室外膨張弁(15)の開度を調節する一方、第2圧縮機(12)の容量、第1圧縮機(11)のオンオフ制御及び減圧弁(26)の開度を調整する。
【0047】
上記コントローラ(60)は、吐出冷媒温度が所定温度以上になると、分流冷媒の量を増大させる制御手段(61)を備えている。つまり、該制御手段(61)は、各圧縮機(11,12)の吐出側に設置される吐出温度センサ(TD1,TD2)が検出する吐出管温度が所定温度以上になると、減圧弁(26)の開度を上げ、インジェクション通路(45)を流れる分流冷媒の量を増大させるように調節する。
【0048】
−運転動作−
上記空気調和装置(1)の運転動作について図1及び図2を参照しながら説明する。図2に示す線図は、本前提技術にかかる空気調和装置(1)の冷房運転時における冷凍サイクルをモリエル線図(圧力−エンタルピ線図)上に表したものである。尚、図中の一点鎖線は、減圧弁(26)の開度を増大させたときの冷媒状態を示したものである。図2に付した符号は、図1にもそれぞれ示している。
【0049】
冷房運転時には、四路切換弁(13)が図1中の実線側に切り換わる。そして、冷媒が以下の通り、冷媒回路(21)を循環する。
【0050】
まず、点Aの状態の冷媒が両圧縮機(11,12)に吸入され、点Bまで圧縮されて吐出される。点Bの冷媒は、室外熱交換器(14)に流れ、室外空気と熱交換して放熱し、凝縮して点Cの状態となる。点Cの冷媒は、受液器(16)に貯溜されて飽和液の状態である点Dの状態となる。受液器(16)を流出した点Dの高圧液冷媒の一部は分岐通路(44)に分流して、減圧弁(26)により減圧されて、点Hの状態の低圧冷媒となる。一方、一部が分岐通路(44)に分流した後の点Dの高圧液冷媒は過冷却熱交換器(17)の1次側通路(17a)に流入し、上記減圧された低圧冷媒と熱交換して過冷却され、点Eの状態となる。つまり、高圧液冷媒は、室内熱交換器に流れる前に、低圧冷媒から冷熱を受け取り、該冷熱を蓄える。
【0051】
点Eの過冷却冷媒は、液側ヘッダ(32)を通過して各分岐液管(33)に分かれ、室内膨張弁(19)により減圧されて点Fの状態となる。点Fの冷媒は室内熱交換器(20)において、室内空気を冷却すると共に蒸発して点Aの状態となって、両圧縮機(11,12)に戻り、この循環が繰り返される。
【0052】
一方、点Hの冷媒は、過冷却熱交換器(17)において、1次側通路(17a)を流れる高圧液冷媒と熱交換して、インジェクション通路(45)を流れ、室内熱交換器(20)を流出した冷媒と合流して、両圧縮機(11,12)に吸入される。
【0053】
暖房運転時には、四路切換弁(13)が図1中の破線側に切り換わる。両圧縮機(11,12)から吐出された冷媒は、四路切換弁(13)を通過した後、室内熱交換器(20)において、室内空気を暖房すると共に凝縮する。そして、室内熱交換器(20)を流出した冷媒は、室外液管(31)に合流し、過冷却熱交換器(17)の1次側通路(17a)に流入し、高圧液冷媒の一部が分流して減圧された低圧冷媒により過冷却される。
【0054】
過冷却熱交換器(17)を流出した冷媒の一部が分流して、分岐通路(44)を流れ、減圧弁(26)により減圧されて、低圧冷媒となる。そして、この低圧冷媒は、過冷却熱交換器(17)の1次側通路(17a)を流れる高圧液冷媒と熱交換し、インジェクション通路(45)を流れる。
【0055】
一方、過冷却熱交換器(17)を流出し、一部が分流した後の過冷却冷媒は、室外膨張弁(15)によって減圧され、室外熱交換器(14)において、室外空気と熱交換して蒸発する。そして、室外熱交換器(14)を流出した冷媒は、インジェクション通路(45)を流れてきた冷媒と合流し、両圧縮機(11,12)に戻り、この循環が繰り返される。
【0056】
上記運転時において、各センサ(TD、…)及び各スイッチ(HPS1,HPS2)からの出力信号がコントローラ(60)に送られ、コントローラ(60)において減圧弁(26)の開度等の制御を行っている。そして、各吐出温度センサ(TD1,TD2)が検出する吐出側の冷媒温度が過上昇し、所定温度以上になったときは、減圧弁(26)が更に開けられ、吐出側の冷媒温度が効率的に下げられる。
【0057】
つまり、減圧弁(26)が更に開けられることにより、湿り状態である分流冷媒の冷媒量が増加し、両圧縮機(11,12)に吸い込まれる冷媒の冷媒エンタルピがhA1からhA2に下がる。そして、両圧縮機(11,12)に吸い込まれた冷媒は、図に示さない圧縮室に直接入り、蒸発すると共に圧縮室を構成するスクロール部の過熱状態を解消する。圧縮室が効率的に冷却されることにより、圧縮機(10)の吐出側の冷媒温度も低下する。
【0058】
尚、低圧ドーム型では、潤滑油の油上がりの問題があり、湿り状態の冷媒を一定以上に吸入することができないため、吐出温度の温度コントロールに制約が課せられるが、両圧縮機(11,12)を高圧ドーム型にすることにより、このような問題も生じない。
【0059】
一方、分流冷媒の冷媒量が増加することにより過冷却熱交換器(17)の2次側通路(17b)を流れる冷媒量が増加する一方、過冷却熱交換器(17)の1次側通路(17a)を流れる高圧液冷媒の冷媒量が減少する。このため、図2中の一点鎖線に示すように、室内熱交換器(20)に流入する液冷媒のエンタルピがhF2からhF3に下がる。つまり、減圧弁(26)の開度を増大させることにより、室内熱交換器(20)に流れる冷媒量が減少するが、分流冷媒から過冷却熱交換器(17)を流れる冷媒に供給される冷熱量が増加して、室内熱交換器(20)に流入するエンタルピが小さくなる。このため、冷房運転時の冷却量が確保される。
【0060】
−前提技術の効果−
本前提技術によれば、以下のような効果が発揮される。
【0061】
分流冷媒が圧縮機構(10)の吸込側にインジェクションされるため、圧縮機構(10)の吐出冷媒の温度を低下させることができ、吐出温度の過上昇を防止することができる。一方、冷房運転時には、室内熱交換器(20)に流れる冷媒量が減少するが、分流冷媒が高圧液冷媒と熱交換して該高圧液冷媒を冷却するため、室内熱交換器(20)に流入する冷媒のエンタルピが小さくなる。この結果、室内熱交換器(20)における冷却熱量の低下が抑制されるため、COPの低下を抑えることができる。
【0062】
また、分岐通路(44)の減圧機構(26)により、分流冷媒の流量を調整するため、従来のインジェクション通路(45)に設置されていた電磁弁を省略することができる。
【0063】
一方、低圧ドーム型の圧縮機では、モータが配置されている密閉室に冷媒が吸入されるため、液冷媒が吸入されても、液冷媒がモータの発熱により蒸発してしまう。従って、液冷媒の潜熱がモータの冷却に利用されるのみで、吐出冷媒温度の低下に有効に利用することができない。しかし、高圧ドーム型圧縮機構(10)を使用することで、インジェクション冷媒が圧縮部を効率的に冷却し、吐出冷媒の温度上昇を防止することができる。
【0064】
つまり、高圧ドーム型圧縮機構(10)では、冷媒が最も昇温している圧縮室に直接吸い込まれるため、インジェクション冷媒を過熱部の冷却に効率的に利用することができると共に、吐出側の冷媒温度を容易にコントロールすることができる。
【0065】
更に、冷媒温度に対応してインジェクション量を調整することができるので、より正確に吐出温度を下げることができ、冷却能力の低下を抑制することができる。この結果、熱回収を十分に行うことができるので、COPの低下をより抑制することができる。
【0066】
また、圧縮機構(10)の吐出側の冷媒温度の上昇に伴って、減圧弁(26)の開度を増大させるので、圧縮機構(10)の冷媒インジェクション量が調節され、冷媒温度の過上昇を確実に抑制することができる。
【0067】
<発明の実施の形態>
本発明の実施形態は、図3に示すように、冷媒回路(21)に降圧手段(46)を設けると共に、高圧ドーム型圧縮機構である圧縮機(10)の吸込冷媒と高圧液冷媒とを熱交換するようにしたものである。
【0068】
冷媒回路(21)のガス側冷媒配管(4)は、室外ガス管(35)と、ガス側ヘッダ(34)と、該ガス側ヘッダ(34)と各室内熱交換器(20)とを接続する複数の分岐ガス管(36)とにより構成されている。上記室外ガス管(35)は、室外熱交換器(14)、圧縮機(10)、四路切換弁(13)、アキュームレータ(18)、過冷却熱交換器(17)及びガス側ヘッダ(34)とを接続している。
【0069】
上記圧縮機(10)は、スクロールタイプの高圧ドーム型圧縮機に構成されている。
【0070】
上記室外液管(31)に設置される過冷却熱交換器(17)の1次側通路(17a)の一端は、室外液管(31)を介して受液器(16)に接続され、他端が室外液管(31)を介して液側ヘッダ(32)に接続されている。上記過冷却熱交換器(17)の2次側通路(17b)の一端は、主ガス管(35)を介してアキュムレータ(18)に接続され、他端が主ガス管(35)を介して四路切換弁(13)に接続されている。そして、上記過冷却熱交換器(17)は、1次側通路(17a)を流れる高圧冷媒と2次側通路(17b)を流れる低圧冷媒とが対向して流れるように構成されている。
【0071】
上記降圧手段(46)は、降圧熱交換器(47)と分岐通路(44)とインジェクション通路(45)により構成されている。
【0072】
上記降圧熱交換器(47)は、室外膨張弁(15)と受液器(16)との間の室外液管(31)に設けられている。そして、上記降圧熱交換器(47)は、いわゆるプレート式熱交換器により構成され、1次側通路(47a)と2次側通路(47b)とが形成されている。
【0073】
上記降圧熱交換器(47)の1次側通路(47a)の一端が室外液管(31)を介して室外膨張弁(15)に接続され、他端が室外液管(31)を介して受液器(16)に接続されている。
【0074】
上記降圧熱交換器(47)は、1次側通路(47a)を流れる高圧冷媒と2次側通路(47b)を流れる低圧冷媒とが対向して流れるように構成されている。
【0075】
上記分岐通路(44)は、高圧冷媒の一部を分流して減圧し、この減圧した低圧冷媒と高圧冷媒とを降圧熱交換器(47)に導くための通路である。上記分岐通路(44)は、流量調整自在な減圧機構である減圧弁(26)が設けられ、一端が室外膨張弁(15)と降圧熱交換器(47)の間の室外液管(31)に、他端が降圧熱交換器(47)の2次側通路(47b)に接続されている。
【0076】
上記インジェクション通路(45)は、高圧冷媒と熱交換した低圧冷媒を圧縮機(10)の吸入側に導くための通路である。上記インジェクション通路(45)の一端は、降圧熱交換器(47)の2次側通路(47b)に接続され、他端は、過冷却熱交換器(17)とアキュームレータ(18)との間の室外ガス管(35)に接続されている。
【0077】
上記過冷却熱交換器(17)は、冷房運転時には、室内熱交換器(20)から圧縮機(10)に流れる冷媒と、受液器(16)から室内膨張弁(19)に流れる高圧冷媒とを熱交換して、該高圧冷媒を過冷却する。また、暖房運転時には、室外熱交換器(14)から圧縮機(10)に流れる冷媒と、室内膨張弁(19)から受液器(16)に流れる冷媒とを熱交換させる。
【0078】
上記圧縮機(10)の吐出側には、冷媒圧力が所定圧力になるとオンとなって高圧保護信号を出力する高圧保護圧力スイッチ(HPS)と、冷媒の吐出圧力を検出して、高圧制御信号を出力する高圧制御圧力センサ(HP)と、圧縮機(10)の吐出側の冷媒温度である吐出管温度を検出して、吐出温度の制御信号を出力する吐出温度センサ(TD)とが設置されている。圧縮機(10)の吸込側には、冷媒の吸込圧力を検出して、低圧制御信号を出力する低圧制御圧力センサ(LP)が設置されている。
【0079】
−運転動作−
上記空気調和装置(1)の運転動作について図3及び図4を参照しながら説明する。図4に示す線図は、本実施形態にかかる空気調和装置(1)の冷房運転時における冷凍サイクルをモリエル線図(圧力−エンタルピ線図)上に表したものである。尚、図中の一点鎖線は、減圧弁(26)の開度を増大させたときの冷媒状態を示したものである。図4に付した符号は、図3にも示している。
【0080】
冷房運転時には、四路切換弁(13)が図3中の実線側に切り換わる。そして、冷媒が以下の通り、冷媒回路(21)を循環する。
【0081】
まず、点Aの状態の冷媒が圧縮機(10)に吸入され、点Bまで圧縮されて吐出される。点Bの冷媒は、室外熱交換器(14)に流れ、室外空気と熱交換して放熱すると共に凝縮し、点Iの状態となる。点Iの冷媒の乾き度は、例えば0.2である。
【0082】
点Iの冷媒の一部が分岐通路(44)に分流し、減圧弁(26)により減圧されて、点Hの状態の低圧冷媒となる。点Hの冷媒は、降圧熱交換器(47)の2次側通路(47b)において、1次側通路(47a)を流れる高圧冷媒と熱交換して凝縮させると共に蒸発し、インジェクション通路(45)を流れる。
【0083】
一方、一部が分岐通路(44)に分流した後の点Iの冷媒は、降圧熱交換器(47)において上記低圧冷媒と熱交換して凝縮し、点Cの状態となって受液器(16)に流れる。つまり、高圧冷媒は、低圧冷媒と熱交換することにより冷熱を蓄える。点Cの冷媒は、受液器(16)に貯溜されて点Dの飽和液の状態となり、過冷却熱交換器(17)の1次側通路(17a)に流入する。過冷却熱交換器(17)において、点Dの冷媒は、圧縮機(10)に吸入される冷媒により過冷却され、点Eの状態となる。
【0084】
過冷却された点Eの冷媒は、液側ヘッダ(32)を通過して各分岐液管(33)に分かれ、室内膨張弁(19)により減圧されて点Fの状態となる。点Fの冷媒は、室内熱交換器(20)において、室内空気を冷却すると共に蒸発して点Gの状態となる。点Gの冷媒は、過冷却熱交換器(17)において、1次側通路(17a)を流れる降圧冷媒を過冷却すると共に蒸発して、点Aの状態となる。そして、インジェクション通路(45)を流れてきた冷媒と合流し、圧縮機(10)に吸入される。つまり、高圧冷媒と熱交換した低圧冷媒がインジェクション冷媒として圧縮機(10)に吸入される。
【0085】
暖房運転時には、四路切換弁(13)が図3中の破線側に切り換わる。圧縮機(10)から吐出された冷媒は、四路切換弁(13)を通過した後、室内熱交換器(20)において、室内空気を暖房すると共に凝縮する。そして、室内熱交換器(20)を流出した冷媒は、室外液管(31)に合流し、過冷却熱交換器(17)の1次側通路(17a)に流入し、圧縮機(10)に吸入される冷媒により過冷却される。
【0086】
過冷却熱交換器(17)を流出した高圧冷媒は、降圧熱交換器(47)の1次側通路(47a)に流入し、高圧冷媒の一部が分流して減圧された低圧冷媒により過冷却される。
【0087】
降圧熱交換器(47)を流出した冷媒の一部は、分流して分岐通路(44)の減圧弁(26)により減圧されて、低圧冷媒となる。そして、この低圧冷媒は、降圧熱交換器(47)において、1次側通路(47a)を流れる高圧冷媒を過冷却して蒸発し、インジェクション通路(45)を流れる。
【0088】
一方、降圧熱交換器(47)を流出し、一部が分流した後の過冷却冷媒は、室外膨張弁(15)により減圧され、室外熱交換器(14)において室外空気と熱交換して蒸発し、湿り状態となる。この湿り蒸気の冷媒は、過冷却熱交換器(17)において高圧冷媒を過冷却して蒸発し、インジェクション通路(45)を流れてきた冷媒と合流し、圧縮機(10)に戻る。
【0089】
上記運転時において、吐出温度センサ(TD)が検出する吐出管温度が過上昇し、所定温度以上になったときは、減圧弁(26)が更に開けられ、吐出管温度が効率的に下げられる。
【0090】
つまり、減圧弁(26)の開度を増大させることにより、インジェクション通路(45)を流れる湿り状態にある低圧冷媒の冷媒量が増加する。そして、図4中の一点鎖線に示すように、圧縮機(10)に吸い込まれる冷媒の冷媒エンタルピが小さくなる。つまり、圧縮機(10)に吸い込まれた冷媒は、図に示さない圧縮室に直接入り、蒸発すると共に圧縮室を構成するスクロール部の過熱状態を解消する。
【0091】
このとき、冷房運転時において、分流冷媒の増加により降圧熱交換器(47)の1次側通路(47a)を流れる冷媒がより過冷却されるされるため、図4中の一点鎖線に示すように、室内熱交換器(20)に流入する冷媒のエンタルピがより小さくなる。
【0092】
従って、冷房運転時において、圧縮機(10)に吸い込まれる冷媒のエンタルピが小さくなっても、室内熱交換器(20)における冷媒の蒸発熱量の減少が抑制される。
【0093】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、降圧熱交換器(47)を設けているので、室外熱交換器(14)から流出する高圧冷媒を室外熱交換器(14)において飽和液の状態にする必要がなくなる。つまり、室外熱交換器(14)では、全冷媒を液化する必要がないため、室外熱交換器(14)に入る冷媒温度と室外空気との温度差を小さくしても必要な凝縮熱量を確保することができる。従って、高圧圧力を低下させることができるので、圧縮機(10)の負荷を低減することができる。
【0094】
その他の構成、作用及び効果は前提技術と同様である。
【0095】
<参考例>
本発明の参考例は、高圧液冷媒を減圧させた低圧冷媒と圧縮機(10)への吸込冷媒とを混合して、高圧液冷媒と熱交換するようにしたものである。
【0096】
室外液管(31)に設置される過冷却熱交換器(17)の2次側通路(17b)の一端は、室外ガス管(35)を介して四路切換弁(13)に接続され、他端が室外ガス管(35)を介してアキュームレータ(18)に接続されている。
【0097】
冷媒回路(21)の室外液管(31)には、分岐通路(44)が接続されている。該分岐通路(44)の一端は、受液器(16)と過冷却熱交換器(17)との間の室外液管(31)に接続され、他端が過冷却熱交換器(17)と四路切換弁(13)との間の室外ガス管(35)に接続されている。分岐通路(44)には、減圧機構である減圧弁(26)が設置されている。
【0098】
−運転動作−
上記空気調和装置(1)の運転動作について図5及び図6を参照しながら説明する。図6に示す線図は、本参考例にかかる空気調和装置(1)の冷房運転時における冷凍サイクルをモリエル線図(圧力−エンタルピ線図)上に表したものである。尚、図中の一点鎖線は、減圧弁(26)の開度を増大させたときの冷媒状態を示したものである。図6に付した符号は、図5にも示している。
【0099】
冷房運転時には、四路切換弁(13)が図5中の実線側に切り換わる。そして、冷媒が以下の通り、冷媒回路(21)を循環する。
【0100】
まず、点Aの状態の冷媒が圧縮機(10)に吸入され、点Bまで圧縮されて吐出される。点Bの冷媒は、室外熱交換器(14)に流れ、室外空気と熱交換して放熱し、凝縮して点Cの状態となる。点Cの冷媒は、受液器(16)に貯溜されて飽和液の状態である点Dの状態となる。受液器(16)を流出した点Dの冷媒の一部が分岐通路(44)に分流し、減圧弁(26)により減圧されて、点Hの状態の低圧冷媒となる。一方、一部が分岐通路(44)に分流した後の点Dの冷媒は、過冷却熱交換器(17)の1次側通路(17a)に流入し、上記減圧弁(26)により減圧された低圧冷媒と圧縮機(10)に吸い込まれる前の吸込冷媒とを混合した冷媒と熱交換して過冷却され、点Eの状態となる。
【0101】
点Eの冷媒は、液側ヘッダ(32)を通過して各分岐液管(33)に分かれ、室内膨張弁(19)により減圧されて点Fの状態となる。点Fの冷媒は室内熱交換器(20)において、室内空気を冷却すると共に蒸発して点Gの湿り状態となる。点Gの冷媒は、上記減圧弁(26)により減圧された低圧冷媒と合流し、過冷却熱交換器(17)において、1次側通路(17a)を流れる高圧冷媒と熱交換すると共に蒸発し、点Aの状態となって圧縮機(10)に吸入される。
【0102】
暖房運転時には、四路切換弁(13)が図5中の破線側に切り換わる。圧縮機(10)から吐出された冷媒は、四路切換弁(13)を通過した後、室内熱交換器(20)において、室内空気を暖房すると共に凝縮する。そして、室内熱交換器(20)を流出した冷媒は、室外液管(31)に合流し、過冷却熱交換器(17)の1次側通路(17a)に流入する。この冷媒は、過冷却熱交換器(17)において、減圧弁(26)により減圧された低圧冷媒と圧縮機(10)に吸入される冷媒とを混合した冷媒と熱交換して過冷却される。
【0103】
過冷却熱交換器(17)を流出した冷媒の一部が分流して、分岐通路(44)を流れ、減圧弁(26)により減圧されて、低圧冷媒となる。
【0104】
一方、過冷却熱交換器(17)を流出し、一部が分流した後の過冷却冷媒は、室外膨張弁(15)によって減圧され、室外熱交換器(14)において室外空気と熱交換して蒸発し、湿り状態となる。この湿り状態の冷媒は、上記減圧弁(26)により減圧された低圧冷媒と合流して、過冷却熱交換器(17)の1次側通路(17a)を流れる冷媒と熱交換すると共に蒸気し、圧縮機(10)に戻る。
【0105】
上記運転時において、吐出温度センサ(TD)が検出する吐出管温度が過上昇し、所定温度以上になったときは、減圧弁(26)が更に開けられ、吐出管温度が効率的に下げられる。
【0106】
つまり、減圧弁(26)の開度を増大させることにより、冷房運転時には、室内熱交換器(20)に流れる冷媒量が減少するが、分流冷媒から室内熱交換器(20)を流れる冷媒に供給される冷熱量が増加して、図6中の一点鎖線に示すように、室内熱交換器(20)に流入する冷媒のエンタルピが小さくなる。
【0107】
従って、冷房運転時において、室内熱交換器(20)に流れる冷媒量が減少するが、分流冷媒が高圧液冷媒と熱交換して該高圧液冷媒を冷却するため、室内熱交換器(20)に流入する冷媒のエンタルピが小さくなる。この結果、室内熱交換器(20)における冷却熱量の低下が抑制されるため、COPの低下を抑えることができる。
【0108】
−参考例の効果−
本参考例によれば、以下のような効果が発揮される。
【0109】
圧縮機(10)に吸入される冷媒と高圧液冷媒の一部が分流して減圧された冷媒とを混合した冷媒を高圧液冷媒と熱交換して該高圧液冷媒の過冷却に利用するため、高圧液冷媒の過冷却度を大きくすることができる。
【0110】
また、冷媒温度に対応してインジェクション量を調整することができるので、より正確に吐出温度を下げることができ、冷却能力の低下を抑制することができる。この結果、熱回収を十分に行うことができるので、COPの低下をより抑制することができる。
【0111】
その他の構成、作用及び効果は前提技術又は実施形態と同様である。
【0112】
<発明のその他の実施の形態>
本発明は、上記実施形態について、過冷却熱交換器は、二重管熱交換器としてもよい。
【0113】
また、上記実施形態について、減圧弁に代えて、キャピラリチューブ等の膨張機構を用いてもよい。
【0114】
また、実施形態における降圧熱交換器は、二重管熱交換器としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】前提技術に係る空気調和装置の冷媒回路の概略図である。
【図2】前提技術に係る空気調和装置の冷房運転時の冷凍サイクルを示すモリエル線図である。
【図3】実施形態に係る空気調和装置の冷媒回路の概略図である。
【図4】実施形態に係る空気調和装置の冷房運転時の冷凍サイクルを示すモリエル線図である。
【図5】参考例に係る空気調和装置の冷媒回路の概略図である。
【図6】参考例に係る空気調和装置の冷房運転時の冷凍サイクルを示すモリエル線図である。
【図7】従来の空気調和装置の冷房運転時の冷凍サイクルを示すモリエル線図である。
【符号の説明】
(4) 冷媒配管
(10) 圧縮機構(圧縮機)
(14) 室外熱交換器
(16) 受液器
(17) 過冷却熱交換器
(19) 室内膨張弁
(20) 室内熱交換器
(21) 冷媒回路
(26) 減圧弁
(44) 分岐通路
(45) インジェクション通路
(47) 降圧熱交換器
(61) 制御手段
Claims (2)
- 高圧ドーム型圧縮機構(10)と熱源側熱交換器(14)と膨張機構(19)と利用側熱交換器(20)とが順に冷媒配管(4)によって接続されて成る冷媒回路(21)を備えた冷凍装置において、
上記冷媒回路(21)の液側冷媒配管(4)より高圧冷媒の一部を分流する分岐通路(44)と、
該分岐通路(44)に設けられた流量調整自在な減圧機構(26)と、
上記液側冷媒配管(4)を流れる高圧冷媒と分岐通路(44)の減圧された分流冷媒とを熱交換させる降圧熱交換器(47)と、
該降圧熱交換器(47)で高圧冷媒と熱交換した分流冷媒を高圧ドーム型圧縮機構(10)の吸込側に導くインジェクション通路(45)と、
上記液側冷媒配管(4)を流れる高圧冷媒を高圧ドーム型圧縮機構(10)に吸入される前の低圧冷媒によって過冷却する過冷却熱交換器(17)と、
上記液側冷媒配管(4)における過冷却熱交換器(17)と降圧熱交換器(47)との間に設けられる受液器(16)と
を備えている
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1において、
高圧ドーム型圧縮機構(10)の吐出側の冷媒温度が所定温度以上になると、分流冷媒の量を増大させる制御手段(61)が設けられている
ことを特徴とする冷凍装置。
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