以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、モータ1は、モータ部10、ラジアル磁気軸受20、アキシャル磁気軸受30、及び軸位置検出装置40を備える。モータ部10は、回転軸11と、回転軸11に取り付けられたロータ12と、ロータ12を囲むように設けられたステータ13とを備える。回転軸11は、ロータ12とステータ13との間で作用する磁気によって回転させられる。
ラジアル磁気軸受20は、回転軸11を回転可能に非接触で支持する。ラジアル磁気軸受20は、コイルが発生させた磁力を用いる等、周知の手法によって回転軸11のラジアル方向における支持位置を制御することができる。アキシャル磁気軸受30は、回転軸11のアキシャル方向の位置を非接触で制御する。アキシャル磁気軸受30は、コイルが発生させた磁力を用いる等、周知の手法によって回転軸11のアキシャル方向の位置を制御することができる。
軸位置検出装置40は、回転軸11のラジアル方向及びアキシャル方向の位置を検出する。軸位置検出装置40は、回転軸11の外周面を囲むように配置されたセンサ部41と、センサ部41に接続されてセンサ部41の出力に基づいて回転軸11のラジアル方向及びアキシャル方向の位置を検出する回路部42とを備える。本実施形態では、軸位置検出装置40が2つ設けられ、ロータ12を挟み込むようにして2つのセンサ部41が設けられている。なお、軸位置検出装置40が2つ設けられていることに限定されず、1つのみ設けられていてもよい。また、回転軸11のラジアル方向及びアキシャル方向の位置を検出可能な軸位置検出装置40と、回転軸11のラジアル方向の位置のみを検出可能な軸位置検出装置とが設けられていてもよい。
以下、回転軸11のラジアル方向及びアキシャル方向の位置を検出する軸位置検出装置40の詳細について説明する。まず、センサ部41について説明する。図2(a)及び図2(b)に示されるように、センサ部41は、センサコアKと、センサコアKに設けられたコイルユニットL(図5参照)とを備える。なお、図2(a)及び図2(b)では、センサコアKの詳細を示すために、コイルユニットLが省略されている。
センサコアKには、回転軸11が通される。センサコアKは、コイルユニットLを設置するためのコアとして機能する。センサコアKは、第1鋼板K1と、第2鋼板K2とによって構成されている。第1鋼板K1と第2鋼板K2とは、回転軸11のアキシャル方向に沿って重ねられている。第1鋼板K1は、複数の鋼板が積層された積層鋼板であってもよい。第2鋼板K2は、複数の鋼板が積層された積層鋼板であってもよい。
図3(a)に示されるように、第1鋼板K1は、回転軸11が通される環状の第1本体部(第1鋼板部)K11と、第1本体部K11の内周面に設けられたティースT11~T18とを有している。ティースT11~T18は、第1本体部K11の内周面から、第1本体部K11に通された回転軸11側(第1本体部K11の内側)に向かって延伸している。
ティースT11~T18は、第1本体部K11の内周面において周方向に沿ってこの並び順で設けられている。ティース(第1ティース)T11、ティース(第7ティース)T13、ティース(第2ティース)T15、及びティース(第8ティース)T17は、第1本体部K11の内周面において周方向に等間隔に設けられている。すなわち、ティースT11、T13、T15及びT17は、第1本体部K11(センサコア部Ka)における環状の中心位置Pを中心に90°間隔で並んでいる。同様に、ティース(第3ティース)T12、ティースT14、ティース(第4ティース)T16、及びティースT18は、第1本体部K11の内周面において周方向に等間隔に設けられている。すなわち、ティースT12、T14、T16及びT18は、中心位置Pを中心に90°間隔で並んでいる。ラジアル磁気軸受20に支持された回転軸11の中心軸線は、おおよそ中心位置Pを通る。
ティースT11、T13、T15及びT17と、ティースT12、T14、T16及びT18とは、互いに重ならないように異なる位置に設けられている。すなわち、ティースT11、T13、T15及びT17と、ティースT12、T14、T16及びT18とは、回転軸11のアキシャル方向に沿って見たときに中心位置Pを中心とした回転方向の位置が互いに異なっている。
本実施形態では、ティースT11とティースT12とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が30°異なっている。ティースT12とティースT13とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が60°異なっている。すなわち、第1本体部K11の内周面の周方向においてティースT11とティースT13との間に位置するティースT12は、中心位置Pを中心に、ティースT11に対して周方向に30°(第1角度)位置がずれ、ティースT13に対して周方向に60°(第2角度)位置がずれている。
他のティースについても同様に、ティースT13とティースT14とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が30°異なっている。ティースT14とティースT15とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が60°異なっている。ティースT15とティースT16とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が30°異なっている。ティースT16とティースT17とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が60°異なっている。ティースT17とティースT18とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が30°異なっている。ティースT18とティースT11とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が60°異なっている。
ティースT11及びティースT15は、それぞれ第1本体部K11(センサコア部Ka)の内側を向いて互いに対向している。すなわち本実施形態において、ティースT11とティースT15とは、中心位置Pを挟んで対向している。ティースT12及びティースT16は、それぞれ第1本体部K11(センサコア部Ka)の内側を向いて互いに対向している。すなわち本実施形態において、ティースT12とティースT16とは、中心位置Pを挟んで対向している。ティースT13及びティースT17は、それぞれ第1本体部K11(センサコア部Ka)の内側を向いて互いに対向している。すなわち本実施形態において、ティースT13とティースT17とは、中心位置Pを挟んで対向している。ティースT14及びティースT18は、それぞれ第1本体部K11(センサコア部Ka)の内側を向いて互いに対向している。すなわち本実施形態において、ティースT14とティースT18とは、中心位置Pを挟んで対向している。
図3(b)に示されるように、第2鋼板K2は、回転軸11が通される環状の第2本体部(第2鋼板部)K21と、第2本体部K21の内周面に設けられたティースT21~T28とを有している。ティースT21~T28は、第2本体部K21の内周面から、第2本体部K21に通された回転軸11側(第2本体部K21の内側)に向かって延伸している。
ティースT21~T28は、第2本体部K21の内周面において周方向に沿ってこの並び順で設けられている。ティース(第1ティース)T21、ティース(第7ティース)T23、ティース(第2ティース)T25、及びティース(第8ティース)T27は、第2本体部K21の内周面において周方向に等間隔に設けられている。すなわち、ティースT21、T23、T25及びT27は、第2本体部K21(センサコア部Ka)における環状の中心位置Pを中心に90°間隔で並んでいる。同様に、ティース(第5ティース)T22、ティースT24、ティース(第6ティース)T26、及びティースT28は、第2本体部K21の内周面において周方向に等間隔に設けられている。すなわち、ティースT22、T24、T26及びT28は、中心位置Pを中心に90°間隔で並んでいる。
ティースT21、T23、T25及びT27と、ティースT22、T24、T26及びT28とは、互いに重ならないように異なる位置に設けられている。すなわち、ティースT21、T23、T25及びT27と、ティースT22、T24、T26及びT28とは、回転軸11のアキシャル方向に沿って見たときに中心位置Pを中心とした回転方向の位置が互いに異なっている。
本実施形態では、ティースT21とティースT22とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が60°異なっている。ティースT22とティースT23とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が30°異なっている。すなわち、第2本体部K21の内周面の周方向においてティースT21とティースT23との間に位置するティースT22は、中心位置Pを中心に、ティースT21に対して周方向に60°(第2角度)位置がずれ、ティースT23に対して周方向に30°(第1角度)位置がずれている。
他のティースについても同様に、ティースT23とティースT24とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が60°異なっている。ティースT24とティースT25とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が30°異なっている。ティースT25とティースT26とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が60°異なっている。ティースT26とティースT27とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が30°異なっている。ティースT27とティースT28とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が60°異なっている。ティースT28とティースT21とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が30°異なっている。
ティースT21及びティースT25は、それぞれ第2本体部K21(センサコア部Ka)の内側を向いて互いに対向している。すなわち本実施形態において、ティースT21とティースT25とは、中心位置Pを挟んで対向している。ティースT22及びティースT26は、それぞれ第2本体部K21(センサコア部Ka)の内側を向いて互いに対向している。すなわち本実施形態において、ティースT22とティースT26とは、中心位置Pを挟んで対向している。ティースT23及びティースT27は、それぞれ第2本体部K21(センサコア部Ka)の内側を向いて互いに対向している。すなわち本実施形態において、ティースT23とティースT27とは、中心位置Pを挟んで対向している。ティースT24及びティースT28は、それぞれ第2本体部K21(センサコア部Ka)の内側を向いて互いに対向している。すなわち本実施形態において、ティースT24とティースT28とは、中心位置Pを挟んで対向している。
すなわち、本実施形態において、第1鋼板K1と第2鋼板K2とは、互いに同じ形状となっている。つまり、本実施形態において第2鋼板K2のティースの配置は、第1鋼板K1のティースの配置をラジアル方向の軸回りに180°反転させた配置となっている。さらに言えば、第2鋼板K2は第1鋼板K1を裏返したものとなっている。第1鋼板K1と第2鋼板K2とは、中心位置P同士が一致するように、互いに重ねられている。また、図2(a)及び図4に示されるように、第1鋼板K1のティースT11、T13、T15及びT17と、第2鋼板K2のティースT21、T23、T25及びT27とがそれぞれ重なるように、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが互いに重ねられている。なお、図4は、ティースの重なり位置を示すために、第1鋼板K1と第2鋼板K2とを重ねた状態で第1本体部K11及び第2本体部K21を切断して展開した図である。また、図4では、ティースを明確に示すために、各ティースに斜線が付されている。
具体的には、図4に示されるように、回転軸11のアキシャル方向に沿って見たときに、第1鋼板K1のティースT11と第2鋼板K2のティースT21とが重なっている。同様に、ティースT13とティースT23とが重なり、ティースT15とティースT25とが重なり、ティースT17とティースT27とが重なっている。また、回転軸11のアキシャル方向に沿って見たときに、第1鋼板K1のティースT12、T14、T16及びT18と、第2鋼板K2のティースT22、T24、T26及びT28とは互いに重なっておらず、互いに異なる位置となっている。
このように、センサコアKは、環状のセンサコア部Kaと、センサコア部Kaの内周面に設けられた複数のティースT11~T18及びT21~T28とによって構成されている。センサコア部Kaは、第1鋼板K1における環状の第1本体部K11と、第2鋼板K2における環状の第2本体部K21とが軸方向に積層された積層体である。センサコア部Kaには、回転軸11が挿通される。
第1鋼板K1のティース(第1ティース構成部)T11に対して、第2鋼板K2のティース(第2ティース構成部)T21が軸方向に積層されている。これにより、第1鋼板K1のティースT11と第2鋼板K2のティースT21とによって、第1本体部K11と第2本体部K21とにわたって設けられた第1ティースT1が構成される。第1ティースT1は、センサコア部Kaの内周面から内側に延伸している。
第1鋼板K1のティース(第3ティース構成部)T15に対して、第2鋼板K2のティース(第4ティース構成部)T25が軸方向に積層されている。これにより、第1鋼板K1のティースT15と第2鋼板K2のティースT25とによって、第1本体部K11と第2本体部K21とにわたって設けられた第2ティースT2が構成される。第2ティースT2は、センサコア部Kaの内周面から内側に延伸している。
第1鋼板K1のティース(第5ティース構成部)T13に対して、第2鋼板K2のティース(第6ティース構成部)T23が軸方向に積層されている。これにより、第1鋼板K1のティースT13と第2鋼板K2のティースT23とによって、第1本体部K11と第2本体部K21とにわたって設けられた第7ティースT7が構成される。第7ティースT7は、センサコア部Kaの内周面から内側に延伸している。
第1鋼板K1のティース(第7ティース構成部)T17に対して、第2鋼板K2のティース(第8ティース構成部)T27が軸方向に積層されている。これにより、第1鋼板K1のティースT17と第2鋼板K2のティースT27とによって、第1本体部K11と第2本体部K21とにわたって設けられた第8ティースT8が構成される。第8ティースT8は、センサコア部Kaの内周面から内側に延伸している。
図2(a)に示されるように、第1ティースT1及び第2ティースT2は、それぞれセンサコア部Kaの内側を向いて互いに対向している。すなわち本実施形態において、第1ティースT1と第2ティースT2とは、中心位置Pを挟んで対向している。第7ティースT7及び第8ティースT8は、それぞれセンサコア部Kaの内側を向いて互いに対向している。すなわち本実施形態において、第7ティースT7と第8ティースT8とは、中心位置Pを挟んで対向している。第1鋼板K1のティースT12と第2鋼板K2のティースT22とは、環状のセンサコア部Kaの内周面の周方向における第1ティースT1と第7ティースT7との間の位置に設けられている。ここで、センサコア部Kaの内周面の周方向に沿って第1ティースT1から第7ティースT7へ向かう場合、周方向に沿った2つの方向のうち、向かう方向によって第1ティースT1と第7ティースT7との間隔が異なる。本実施形態において、上述した「センサコア部Kaの内周面の周方向における第1ティースT1と第7ティースT7との間」とは、センサコア部Kaの内周面のうち、第1ティースT1と第7ティースT7との間隔が狭い側の領域である。第1ティースT1、ティースT12、ティースT22、第7ティースT7、ティースT14、ティースT24、第2ティースT2、ティースT16、ティースT26、第8ティースT8、ティースT18、及びティースT28は、それぞれ軸方向において互いに重なっていない。
第1鋼板K1のティースT11~T18は、それぞれ一対のティース体を有している。この一対のティース体は、第1本体部K11の内周面の周方向に沿って並んでいる。また、このティース体は、第1本体部K11に通された回転軸11側に向かって延びている。同様に、第2鋼板K2のティースT21~T28は、それぞれ一対のティース体を有している。この一対のティース体は、第2本体部K21の内周面の周方向に沿って並んでいる。また、このティース体は、第2本体部K21に通された回転軸11側に向かって延びている。
具体的には、図4に示されるように、ティースT11は、ティース体T11a及びT11bを有している。ティースT12は、ティース体T12a及びT12bを有している。ティースT13は、ティース体T13a及びT13bを有している。ティースT14は、ティース体T14a及びT14bを有している。ティースT15は、ティース体T15a及びT15bを有している。ティースT16は、ティース体T16a及びT16bを有している。ティースT17は、ティース体T17a及びT17bを有している。ティースT18は、ティース体T18a及びT18bを有している。
同様に、ティースT21は、ティース体T21a及びT21bを有している。ティースT22は、ティース体T22a及びT22bを有している。ティースT23は、ティース体T23a及びT23bを有している。ティースT24は、ティース体T24a及びT24bを有している。ティースT25は、ティース体T25a及びT25bを有している。ティースT26は、ティース体T26a及びT26bを有している。ティースT27は、ティース体T27a及びT27bを有している。ティースT28は、ティース体T28a及びT28bを有している。
図5に示されるように、センサコアKの各ティースには、コイルユニットLが設けられている。コイルユニットLは、ラジアル用コイル部X1、X2、Y1及びY2と、アキシャル用コイル部Z1~Z8を備えている。なお、図5では、ティースT11等の各ティースが有するティース体の符合が省略されているが、図4に示されるティース体を有している。また、図5では、ラジアル用コイル部X1等の各コイル部を明確に示すために、各コイル部に斜線が付されている。
ラジアル用コイル部(第1コイル)X1は、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティースT11及びT21に対して巻き回されている(取り付けられている)。ラジアル用コイル部(第2コイル)X2は、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティースT15及びT25に対して巻き回されている。すなわち、ラジアル用コイル部X1とラジアル用コイル部X2とは、第1本体部K11の中心位置Pを挟んで対向している。
ラジアル用コイル部(第7コイル)Y1は、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティースT13及びT23に対して巻き回されている。ラジアル用コイル部(第8コイル)Y2は、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティースT17及びT27に対して巻き回されている。すなわち、ラジアル用コイル部Y1とラジアル用コイル部Y2とは、第1本体部K11の中心位置Pを挟んで対向している。
アキシャル用コイル部Z1~Z8は、ティースT12、T22、T14、T24、T16、T26、T18及びT28に対して、それぞれ巻き回されている。
より詳細には、ラジアル用コイル部X1は、コイルX1aと、コイルX1bとを有している。コイルX1aは、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティース体T11a及びT21aに巻き回されている。コイルX1bは、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティース体T11b及びT21bに巻き回されている。コイルX1aとコイルX1bとは、互いに接続されている。すなわち、コイルX1aとコイルX1bとは、互いに導通している。また、コイルX1aとコイルX1bとは、互いに巻線方向が異なっている。なお、図5では、コイルの巻線方向を黒丸によって示している。コイルX1a及びX1bは、差動コイルとして構成されている。
ラジアル用コイル部X2は、コイルX2aと、コイルX2bとを有している。コイルX2aは、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティース体T15a及びT25aに巻き回されている。コイルX2bは、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティース体T15b及びT25bに巻き回されている。コイルX2aとコイルX2bとは、互いに接続されている。また、コイルX2aとコイルX2bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルX2a及びX2は、差動コイルとして構成されている。
ラジアル用コイル部Y1は、コイルY1aと、コイルY1bとを有している。コイルY1aは、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティース体T13a及びT23aに巻き回されている。コイルY1bは、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティース体T13b及びT23bに巻き回されている。コイルY1aとコイルY1bとは、互いに接続されている。また、コイルY1aとコイルY1bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルY1a及びY1bは、差動コイルとして構成されている。
ラジアル用コイル部Y2は、コイルY2aと、コイルY2bとを有している。コイルY2aは、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティース体T17a及びT27aに巻き回されている。コイルY2bは、第1鋼板K1と第2鋼板K2とが重ねられたときに互いに重なるティース体T17b及びT27bに巻き回されている。コイルY2aとコイルY2bとは、互いに接続されている。また、コイルY2aとコイルY2bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルY2a及びY2bは、差動コイルとして構成されている。
アキシャル用コイル部(第3コイル)Z1は、コイルZ1aと、コイルZ1bとを有している。コイルZ1aは、ティース体T12aに巻き回されている。コイルZ1bは、ティース体T12bに巻き回されている。コイルZ1aとコイルZ1bとは、互いに接続されている。また、コイルZ1aとコイルZ1bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルZ1a及びZ1bは、差動コイルとして構成されている。
アキシャル用コイル部(第5コイル)Z2は、コイルZ2aと、コイルZ2bとを有している。コイルZ2aは、ティース体T22aに巻き回されている。コイルZ2bは、ティース体T22bに巻き回されている。コイルZ2aとコイルZ2bとは、互いに接続されている。また、コイルZ2aとコイルZ2bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルZ2a及びZ2bは、差動コイルとして構成されている。
アキシャル用コイル部Z3は、コイルZ3aと、コイルZ3bとを有している。コイルZ3aは、ティース体T14aに巻き回されている。コイルZ3bは、ティース体T14bに巻き回されている。コイルZ3aとコイルZ3bとは、互いに接続されている。また、コイルZ3aとコイルZ3bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルZ3a及びZ3bは、差動コイルとして構成されている。
アキシャル用コイル部Z4は、コイルZ4aと、コイルZ4bとを有している。コイルZ4aは、ティース体T24aに巻き回されている。コイルZ4bは、ティース体T24bに巻き回されている。コイルZ4aとコイルZ4bとは、互いに接続されている。また、コイルZ4aとコイルZ4bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルZ4a及びZ4bは、差動コイルとして構成されている。
アキシャル用コイル部(第4コイル)Z5は、コイルZ5aと、コイルZ5bとを有している。コイルZ5aは、ティース体T16aに巻き回されている。コイルZ5bは、ティース体T16bに巻き回されている。コイルZ5aとコイルZ5bとは、互いに接続されている。また、コイルZ5aとコイルZ5bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルZ5a及びZ5bは、差動コイルとして構成されている。
アキシャル用コイル部(第6コイル)Z6は、コイルZ6aと、コイルZ6bとを有している。コイルZ6aは、ティース体T26aに巻き回されている。コイルZ6bは、ティース体T26bに巻き回されている。コイルZ6aとコイルZ6bとは、互いに接続されている。また、コイルZ6aとコイルZ6bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルZ6a及びZ6bは、差動コイルとして構成されている。
アキシャル用コイル部Z7は、コイルZ7aと、コイルZ7bとを有している。コイルZ7aは、ティース体T18aに巻き回されている。コイルZ7bは、ティース体T18bに巻き回されている。コイルZ7aとコイルZ7bとは、互いに接続されている。また、コイルZ7aとコイルZ7bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルZ7a及びZ7bは、差動コイルとして構成されている。
アキシャル用コイル部Z8は、コイルZ8aと、コイルZ8bとを有している。コイルZ8aは、ティース体T28aに巻き回されている。コイルZ8bは、ティース体T28bに巻き回されている。コイルZ8aとコイルZ8bとは、互いに接続されている。また、コイルZ8aとコイルZ8bとは、互いに巻線方向が異なっている。コイルZ8a及びZ8bは、差動コイルとして構成されている。
ここで、図1に示されるように、回転軸11には、電磁鋼板等からなるターゲット11aが設けられている。センサコアKにおけるティースT11~18及びT21~T28の先端部は、ターゲット11aに対向している。図4に示されるように、第1鋼板K1と第2鋼板K2との境界線が、アキシャル方向においてターゲット11aの中心位置となるようにセンサコアKが配置されている。本実施形態では、ターゲット11aの幅(アキシャル方向の幅)は、センサコアKの厚さ(アキシャル方向の厚さ)よりも小さい。なお、図4において、ターゲット11aにおけるアキシャル方向の位置が仮想線(二点鎖線)で示されている。
ラジアル用コイル部X1及びラジアル用コイル部X2は、ラジアル用コイル部X1とラジアル用コイル部X2との対向方向における回転軸11(ターゲット11a)の位置を検出するセンサとなる。ラジアル用コイル部Y1及びラジアル用コイル部Y2は、ラジアル用コイル部Y1とラジアル用コイル部Y2との対向方向における回転軸11(ターゲット11a)の位置を検出するセンサとなる。アキシャル用コイル部Z1~Z8は、回転軸11のアキシャル方向における回転軸11(ターゲット11a)の位置を検出するセンサとなる。
以下、ラジアル用コイル部X1とラジアル用コイル部X2との対向方向をX軸方向とする。ラジアル用コイル部Y1とラジアル用コイル部Y2との対向方向をY軸方向とする。X軸方向とY軸方向とは互いに直交している。回転軸11のアキシャル方向をZ軸方向とする。
次に、回路部42の構成について説明する。まず、回転軸11のX軸方向の位置を検出するための回路部42の構成について説明する。図6に示されるように、回路部42は、第1X軸用回路E1と、第2X軸用回路E2と、X軸方向検出部(第1検出部)51とを備えている。第1X軸用回路E1は、信号生成部(第1信号生成部)S1と、抵抗器R1と、コンデンサ(第1コンデンサ)C1とを備えている。コンデンサC1は、ラジアル用コイル部X1に対して電気的に並列に接続されている。信号生成部S1は、周期的に変化する基準信号を生成する。ラジアル用コイル部X1及びコンデンサC1には、抵抗器R1を介して、信号生成部S1で生成された基準信号が入力される。なお、信号生成部S1で生成された基準信号は、増幅器A1によって増幅されてもよい。第1X軸用回路E1とラジアル用コイル部X1とによって、LC並列共振回路である第1X軸用共振回路(第1共振回路部)LC1が構成される。第1X軸用共振回路LC1は、X軸方向検出部51に接続されている。
第2X軸用回路E2は、信号生成部S1と、抵抗器R2と、コンデンサ(第2コンデンサ)C2とを備えている。コンデンサC2は、ラジアル用コイル部X2に対して電気的に並列に接続されている。なお、第1X軸用回路E1及び第2X軸用回路E2は、一つの信号生成部S1を共通の構成要素として備えている。ラジアル用コイル部X2及びコンデンサC2には、抵抗器R2を介して、信号生成部S1で生成された基準信号が入力される。第2X軸用回路E2とラジアル用コイル部X2とによって、LC並列共振回路である第2X軸用共振回路(第2共振回路部)LC2が構成される。第2X軸用共振回路LC2は、X軸方向検出部51に接続されている。
X軸方向検出部51は、第1X軸用共振回路LC1及び第2X軸用共振回路LC2からの入力に基づいて、回転軸11のラジアル方向(X軸方向)の位置を検出する。具体的には、X軸方向における回転軸11(ターゲット11a)の位置に応じて、ラジアル用コイル部X1のインピーダンスとラジアル用コイル部X2のインピーダンスとが変化する。このため、X軸方向検出部51は、ラジアル用コイル部X1のインピーダンスとラジアル用コイル部X2のインピーダンスとの差に基づいて、X軸方向における回転軸11の位置を検出する。具体的には、X軸方向検出部51は、ラジアル用コイル部X1のインピーダンスとしてラジアル用コイル部X1に加わる電圧を検出する。また、X軸方向検出部51は、ラジアル用コイル部X2のインピーダンスとしてラジアル用コイル部X2に加わる電圧を検出する。X軸方向検出部51は、X軸方向における回転軸11の位置を、ラジアル用コイル部X1及びラジアル用コイル部X2に加わる電圧の差分によって検出することができる。X軸方向検出部51の検出結果は、コントローラ60に入力される。
ここで、X軸方向検出部51は、例えば、図7に示されるように、移相器51aと、差分検出器51bと、乗算器51cと、ローパスフィルタ51dとを含む回路によって構成されている。信号生成部S1で生成された基準信号は、移相器51aを介して乗算器51cに入力される。差分検出器51bは、ラジアル用コイル部X1に加わる電圧とラジアル用コイル部X2に加わる電圧との差分を検出する。乗算器51cは、移相器51aを介して入力された基準信号と差分検出器51bから入力された電圧値の差分を乗算し、ローパスフィルタ51dを介して出力する。X軸方向検出部51からの出力値が、X軸方向における回転軸11の位置を表している。
次に、回転軸11のY軸方向の位置を検出するための回路部42の構成について説明する。図8に示されるように、回路部42は、第1Y軸用回路E3と、第2Y軸用回路E4と、Y軸方向検出部(第3検出部)52とを備えている。第1Y軸用回路E3は、信号生成部S2と、抵抗器R3と、コンデンサ(第5コンデンサ)C3とを備えている。コンデンサC3は、ラジアル用コイル部Y1に対して電気的に並列に接続されている。信号生成部S2は、周期的に変化する基準信号を生成する。ラジアル用コイル部Y1及びコンデンサC3には、抵抗器R3を介して、信号生成部S2で生成された基準信号が入力される。なお、信号生成部S2で生成された基準信号は、増幅器A2によって増幅されてもよい。第1Y軸用回路E3とラジアル用コイル部Y1とによって、LC並列共振回路である第1Y軸用共振回路(第5共振回路部)LC3が構成される。第1Y軸用共振回路LC3は、Y軸方向検出部52に接続されている。
第2Y軸用回路E4は、信号生成部S2と、抵抗器R4と、コンデンサ(第6コンデンサ)C4とを備えている。コンデンサC4は、ラジアル用コイル部Y2に対して電気的に並列に接続されている。なお、第1Y軸用回路E3及び第2Y軸用回路E4は、一つの信号生成部S2を共通の構成要素として備えている。ラジアル用コイル部Y2及びコンデンサC4には、抵抗器R4を介して、信号生成部S2で生成された基準信号が入力される。第2Y軸用回路E4とラジアル用コイル部Y2とによって、LC並列共振回路である第2Y軸用共振回路(第6共振回路部)LC4が構成される。第2Y軸用共振回路LC4は、Y軸方向検出部52に接続されている。
Y軸方向検出部52は、第1Y軸用共振回路LC3及び第2Y軸用共振回路LC4からの入力に基づいて、X軸方向検出部51とは異なる方向における回転軸11のラジアル方向(Y軸方向)の位置を検出する。具体的には、Y軸方向における回転軸11(ターゲット11a)の位置に応じて、ラジアル用コイル部Y1のインピーダンスとラジアル用コイル部Y2のインピーダンスとが変化する。このため、Y軸方向検出部52は、ラジアル用コイル部Y1のインピーダンスとラジアル用コイル部Y2のインピーダンスとの差に基づいて、Y軸方向における回転軸11の位置を検出する。具体的には、Y軸方向検出部52は、ラジアル用コイル部Y1のインピーダンスとしてラジアル用コイル部Y1に加わる電圧を検出する。また、Y軸方向検出部52は、ラジアル用コイル部Y2のインピーダンスとしてラジアル用コイル部Y2に加わる電圧を検出する。Y軸方向検出部52は、Y軸方向における回転軸11の位置を、ラジアル用コイル部Y1及びラジアル用コイル部Y2に加わる電圧の差分によって検出することができる。Y軸方向検出部52の構成は、X軸方向検出部51と同様の構成である。Y軸方向検出部52の検出結果は、コントローラ60に入力される。
次に、回転軸11のZ軸方向の位置を検出するための回路部42の構成について説明する。図9に示されるように、回路部42は、第1Z軸用回路E5と、第2Z軸用回路E6と、Z軸方向検出部(第2検出部)53とを備えている。第1Z軸用回路E5は、信号生成部(第2信号生成部)S3と、抵抗器R5と、コンデンサ(第3コンデンサ)C5とを備えている。ここで、互いに直列に接続されたアキシャル用コイル部Z1とアキシャル用コイル部Z5とによって直列部(第1直列部)D1が構成されている。互いに直列に接続されたアキシャル用コイル部Z3とアキシャル用コイル部Z7とによって直列部D2が構成されている。コンデンサC5は、直列部D1及びD2に対して電気的に並列に接続されている。
信号生成部S3は、周期的に変化する基準信号を生成する。直列部D1、直列部D2、及びコンデンサC5には、抵抗器R5を介して、信号生成部S3で生成された基準信号が入力される。なお、信号生成部S3で生成された基準信号は、増幅器A3によって増幅されてもよい。第1Z軸用回路E5と直列部D1及びD2とによって、LC並列共振回路である第1Z軸用共振回路(第3共振回路部)LC5が構成される。第1Z軸用共振回路LC5は、Z軸方向検出部53に接続されている。
第2Z軸用回路E6は、信号生成部S3と、抵抗器R6と、コンデンサ(第4コンデンサ)C6とを備えている。なお、第1Z軸用回路E5及び第2Z軸用回路E6は、一つの信号生成部S3を共通の構成要素として備えている。ここで、互いに直列に接続されたアキシャル用コイル部Z2とアキシャル用コイル部Z6とによって直列部(第2直列部)D3が構成されている。互いに直列に接続されたアキシャル用コイル部Z4とアキシャル用コイル部Z8とによって直列部D4が構成されている。コンデンサC6は、直列部D3及びD4に対して電気的に並列に接続されている。
直列部D3、直列部D4、及びコンデンサC6には、抵抗器R6を介して、信号生成部S3で生成された基準信号が入力される。第2Z軸用回路E6と直列部D3及びD4とによって、LC並列共振回路である第2Z軸用共振回路(第4共振回路部)LC6が構成される。第2Z軸用共振回路LC6は、Z軸方向検出部53に接続されている。
Z軸方向検出部53は、第1Z軸用共振回路LC5及び第2Z軸用共振回路LC6からの入力に基づいて、回転軸11のアキシャル方向(Z軸方向)の位置を検出する。具体的には、Z軸方向における回転軸11(ターゲット11a)の位置に応じて、第1鋼板K1に設けられたアキシャル用コイル部Z1、Z3、Z5及びZ7のインピーダンスと、第2鋼板K2に設けられたアキシャル用コイル部Z2、Z4、Z6及びZ8のインピーダンスとが変化する。このため、Z軸方向検出部53は、コンデンサC5に並列に接続された(第1鋼板K1に設けられた)アキシャル用コイル部Z1等のインピーダンスと、コンデンサC6に並列に接続された(第2鋼板K2に設けられた)アキシャル用コイル部Z2等のインピーダンスとの差に基づいて、Z軸方向における回転軸11の位置を検出する。具体的には、Z軸方向検出部53は、アキシャル用コイル部Z1等のインピーダンスとしてアキシャル用コイル部Z1等に加わる電圧を検出する。また、Z軸方向検出部53は、アキシャル用コイル部Z2等のインピーダンスとしてアキシャル用コイル部Z2等に加わる電圧を検出する。Z軸方向検出部53は、Z軸方向における回転軸11の位置を、アキシャル用コイル部Z1等に加わる電圧とアキシャル用コイル部Z2等に加わる電圧との差分によって検出することができる。Z軸方向検出部53の構成は、X軸方向検出部51と同様の構成である。Z軸方向検出部53の検出結果は、コントローラ60に入力される。
コントローラ60は、X軸方向検出部51及びY軸方向検出部52の検出結果に基づいて、ラジアル磁気軸受20によって支持される回転軸11のラジアル方向の位置を制御する。コントローラ60は、Z軸方向検出部53の検出結果に基づいて、アキシャル磁気軸受30によって制御される回転軸11のアキシャル方向の位置を制御する。コントローラ60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)を備えるECU(Electronic Control Unit)によって構成されている。コントローラ60は、ラジアル磁気軸受20及びアキシャル磁気軸受30にそれぞれ指示信号を出力することによって、回転軸11の位置を制御することができる。
以上のように本実施形態の軸位置検出装置40では、第1鋼板K1と第2鋼板K2とを用いて、ラジアル方向の回転軸11の位置を検出するラジアル用コイル部X1、X2、Y1及びY2と、アキシャル方向の回転軸11の位置を検出するアキシャル用コイル部Z1~Z8が形成される。このように、2枚の鋼板を用いて種々のコイル部が形成できるため、軸位置検出装置40は、3枚以上の鋼板を用いて種々のコイル部を形成する場合に比べて、回転軸11のアキシャル方向におけるセンサ部41の大きさを小さくできる。
また、軸位置検出装置40は、LC並列共振回路を構成する第1X軸用共振回路LC1等を用いてラジアル用コイル部X1等のインピーダンスを検出し、回転軸11の位置を検出する。ここで、軸位置検出装置40は、第1X軸用共振回路LC1等のLC並列共振回路を用いて、回転軸11(ターゲット11a)とラジアル用コイル部X1等との距離に従って変化するラジアル用コイル部X1等のインダクタンス値をインピーダンスとして検出する。理論上では、LC並列共振回路をLC並列共振させた場合に得られるインピーダンスは無限大となる(だたし、現実的には有限である)。このため、LC並列共振回路を用いた場合、軸位置検出装置40は、高インピーダンスのセンサ特性を容易に得ることができる。すなわち、LC並列共振回路を用いた場合、ブリッジ方式の検出回路に比べて大きなインピーダンスを容易に得ることができる。
また、ブリッジ方式の検出回路を用いて回転軸11(ターゲット11a)の位置を検出する場合、この検出装置は、センサ部のインダクタンスと励磁周波数とによって一意に定まるインピーダンス(jωL)の変化量を検出する。センサ部として取りうるインダクタンス値及び励磁周波数によって、インピーダンスの値は制約される。このため、LC並列共振によって得られるインピーダンスと比較すると、ブリッジ方式の検出回路を用いる場合には大きなインピーダンスを得ることができない。従って、ブリッジ方式の検出回路を用いる場合、インピーダンスのS/N比を確保するためには、LC並列共振回路を用いた場合によりも大きな電流をコイルに流す必要があり、LC並列共振回路を用いた場合よりも大きな消費電力を必要とする。このように、軸位置検出装置40は、第1X軸用共振回路LC1等のLC並列共振回路を用いて検出を行うため、ブリッジ方式の検出回路に比べて、インピーダンスのS/N比を確保するためにコイルに大きな電流を流すことが不要となる。従って、LC並列共振回路を用いる軸位置検出装置40は、回転軸11の位置を検出するための消費電力を抑制できる。以上のように、軸位置検出装置40は、センサ部41を小型化し、検出のための消費電力を抑制できる。
軸位置検出装置40は、周期的に変化する基準信号を生成する信号生成部S1~S3を備えている。この場合、軸位置検出装置40は、信号生成部S1等から入力された基準信号を用いて、第1X軸用共振回路LC1等をLC並列共振させることができる。
X軸方向検出部51等は、ラジアル用コイル部X1等に加わるインピーダンスとして、ラジアル用コイル部X1等に加わる電圧を検出する。この場合、軸位置検出装置40は、ラジアル用コイル部X1等に加わる電圧に基づいて、回転軸11の位置を検出できる。
ラジアル用コイル部X1等は、差動コイルとして構成されている。この場合、軸位置検出装置40は、ラジアル用コイル部X1等の各コイル部に対する回転軸11の位置の変化を容易に検出できる。
軸位置検出装置40は、回転軸11のX軸方向の位置を検出するX軸方向検出部51と、回転軸11のY軸方向の位置を検出するY軸方向検出部52とを備えている。これにより、軸位置検出装置40は、回転軸11のラジアル方向の位置として2つの方向の位置を検出できる。
第1鋼板K1と第2鋼板K2とは、同じ形状となっている。この場合、軸位置検出装置40は、部品の種類を削減できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、信号生成部S1~S3は、個別の信号生成部ではなく、一つの信号生成部であってもよい。この場合、ラジアル用コイル部X1等の各コイル部に一つの信号生成部から基準信号が入力されてもよい。
ティースT11とティースT12とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が30°異なっていることに限定されない。ティースT12とティースT13とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が60°異なっていることに限定されない。ティースT21とティースT22とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が60°異なっていることに限定されない。ティースT22とティースT23とは、中心位置Pを中心に回転方向の位置が30°異なっていることに限定されない。例えば、第1鋼板K1において、ティースT11とティースT12とは、中心位置Pを中心に回転方向に第1角度だけ位置がずれ、ティースT12とティースT13とは、中心位置Pを中心に回転方向に第2角度だけ位置がずれていてもよい。この場合、第2鋼板K2において、ティースT21とティースT22とは、中心位置Pを中心に回転方向に第2角度だけ位置がずれ、ティースT22とティースT23とは、中心位置Pを中心に回転方向に第1角度だけ位置がずれていてもよい。第1鋼板K1と第2鋼板K2とを重ねたときに、第1鋼板K1のティースT11、T13、T15及びT17と第2鋼板K2のT21、T23、T25及びT27とが重なる状態、かつ、第1鋼板K1のティースT12、T14、T16及びT18と第2鋼板K2のティースT22、T24、T26及びT28とが重ならない状態であればよい。
ラジアル用コイル部X1等の各コイル部は、一対のティース体に設けられた差動コイルとしたが、差動コイルとして構成されていることに限定されない。この場合、ティースT11等の各ティースは、一対のティース体を有していなくてもよい。
ティースT14、T18、T24、及びT28は、第1鋼板K1及び第2鋼板K2に設けられていなくてもよい。この場合、これらに取り付けられるアキシャル用コイル部Z3、Z7、Z4、及びZ8は、設けられていなくてもよい。