JP6164608B2 - トルクセンサ - Google Patents

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Description

この発明は2軸間の相対的回転位置を検出するトルクセンサに関し、特に、1次コイルと2次コイルを用いた誘導型センサの検出要素としての1次コイルを自励発振回路のインダクタンス要素として組み込んだ構成からなるトルクセンサに関し、例えば自動車のパワーステアリング軸に負荷されるねじり負荷を検出するためのトルクセンサとしての用途に適したものである。
トーションバーを介して連結された入力軸及び出力軸に発生するトルクを、該入力軸及び出力軸間のねじれ量(相対回転位置)として検出するトルクセンサが公知である。例えば、下記特許文献1及び特許文献2には、円周方向に複数の開口窓を2列で設けたアルミニウム製つまりは非磁性導電部材からなる円筒体をそれぞれ入力軸及び出力軸に取り付け、両円筒体における2列の開口窓列が互いに重なり合うように配置されてなり、また前記各開口窓列に対応して検出コイルをそれぞれ配置することで、ねじれ量(相対回転位置)に応じた各列における開口窓の重なりの変化を前記2つの検出コイルによって検出するようにした所謂ダブルシャッタ式のトルクセンサが示されている。
また、下記特許文献3及び特許文献4において、所謂シングルシャッタ式のトルクセンサが示されている。この特許文献3及び特許文献4に示されているシングルシャッタ式のトルクセンサは、円周方向に複数の溝を形成してなるギア歯加工された入力軸に対して、円周方向に複数の開口窓を2列で設けたアルミニウム製の円筒体を取り付けた出力軸を、前記複数の溝と前記2列の開口窓列とが互いに重なり合うように配置されてなり、また前記開口窓列に対応して検出コイルをそれぞれ配置することで、ねじれ量(相対回転位置)に応じた各列における前記開口窓と前記複数の溝との重なりの変化を前記2つの検出コイルによって検出することのできるようにしている。
上記いずれのタイプのトルクセンサにおいても、従来のものは、コイル励磁のための交流信号源を専用に具備し、該交流信号源から発生された交流信号をコイルに印加することで該コイルを交流励磁する。そのため、検出用コイルを組み込んだ検出回路とは別に、専用の励磁用交流信号発振器を設けなければならなかった。
一方、LC発振回路の原理を利用して、検出要素としてのコイルを自励発振回路のインダクタンス要素として組み込むことにより、専用の励磁用交流信号源を不要にした近接センサも知られている(例えば特許文献5)。この種の自励発振型の近接センサは、専用の励磁用交流信号源を設ける必要がないため、装置構成を小型化することができるので有利である。しかし、従来の自励発振型の近接センサは、検出対象の近接に応じた発振周波数の変動を検出する構成からなっているため、周波数弁別回路が必要であった。また、従来の自励発振型の近接センサは、発振周波数の変動を検出するのに適した構成ではあったが、発振出力信号の振幅レベルに基づき検出対象の位置を検出できる構成とはなっておらず、トルクセンサへの応用もできていなかった。
特開平8−114518号 特許第3346102号 特許第3346085号 特許第3387337号 特開平10−173437号
本発明の主たる目的は、1次コイルと2次コイルを用いた誘導型センサからなるトルクセンサにおいて、全体的な装置構成の簡略化及び小型化を促進することである。この目的達成のための主たるアプローチは、誘導型センサの検出要素としての1次コイルを自励発振回路のインダクタンス要素として組み込んだ構成からなるトルクセンサを提供することにある。
本発明に係るトルクセンサは、トーションバーを介して同軸的に連結された第1及び第2の回転軸間に発生する該トーションバー軸周りの捻れトルクを検出するトルクセンサであって、プリント基板上に渦巻き状に形成されたフラットコイルからなる1組の1次コイル及び2次コイルを含む少なくとも1つのコイル部、前記第1の回転軸に連結された第1の磁気応答部材、前記第2の回転軸に連結された第2の磁気応答部材を含み、前記第1及び第2の回転軸の相対的回転位置に応答してインダクタンス変化を該2次コイルに生じさせるように前記第1及び第2の磁気応答部材を構成したセンサ部と、前記少なくとも1つのコイル部に含まれる前記1次コイルとコンデンサによって構成された自励発振回路であって、該自励発振回路は、前記1次コイルを自励発振のためのインダクタンス要素として組み込んでなり、その発振周波数を数百kHz以上の高周波数帯域に設定しているものと、前記2次コイル出力信号の振幅レベルに基づきトルク検出信号を出力する出力回路とを備える。
本発明によれば、誘導型トルクセンサにおける励磁用の1次コイルそれ自体を自励発振回路内にそのインダクタンス要素として組み込んでいるので、励磁用の発振回路の構成を簡単化することができる。そのようなトルクセンサにおいて、自励発振周波数を数百kHz以上の高周波数帯域に設定することにより、検出出力ゲインを大きくとれるように構成することで、自励発振タイプセンサの2次コイル出力信号の振幅レベルに基づきトルク検出信号を出力する構成を実効ならしめ、もって、周波数弁別によらない、シンプルな振幅レベル弁別によるトルク検出可能としている。また、1次コイルと2次コイルを使用する誘導型のトルクセンサであるため、1次コイルのみからなる可変インピーダンスタイプのトルクセンサに比べて、出力レベルを効率よく取り出すことができ、精度の良いトルク検出を行うことができる。
さらに、プリント基板上に渦巻き状に形成されたフラットコイル(プリントコイル)からなるものを用いるので、コイル構成を簡素化することができ、トルクセンサ全体の小型化に寄与する。なお、フラットコイル(プリントコイル)は巻数が少ないので、磁束量が少なく、一般的には、検出出力ゲインを大きくとることが困難である。しかし、本発明によれば、1次コイルと2次コイルを使用する誘導型のトルクセンサであるため、1次コイルのみからなる可変インピーダンスタイプのトルクセンサに比べて、出力レベルを効率よく取り出すことができ、精度の良いトルク検出を行うことができる。加えて、自励発振周波数を高く設定する(すなわち数百kHz程度あるいはそれ以上)ことにより、前述のように検出出力ゲインを大きくとることができるものとしているしたがって、本願発明によれば、自励発振タイプセンサでありながら、プリント基板上に渦巻き状に形成されたフラットコイルを1次及び2次コイルとして用いることにより更に簡素化した構成を採用することを可能にし、その場合に、不足しがちな磁束を補うことができる、という従来技術では解決できなかった課題を解決することができる。
一例として、前記第1及び第2の磁気応答部材は、それぞれ円周方向に複数の窓パターンを備えた円筒形状をなしており、ぞれぞれの円筒が重なり前記窓パターンが対向するように配置されているものであってよい。
一例として、前記第1及び第2の磁気応答部材は、それぞれ2系列の前記窓パターンを有し、前記第1及び第2の回転軸の相対的回転位置に応じて前記第1及び第2の磁気応答部材の前記窓パターンの重なり具合が変化し、この前記窓パターンの重なり具合の変化は、前記2系列の間で逆特性を示すように構成されており、前記窓パターンの各系列に対応して、前記1セットのコイル部が個別に設けられ、かつ、前記自励発振回路がそれぞれ設けられるようにしてよい。
本発明の実施例に係るトルクセンサの側断面図。 図1におけるセンサ部の第1及び第2磁気応答部材の分解斜視図。 図1におけるセンサ部の第1及び第2の磁気応答部材の組み合わせを抽出して示す側面図。 (a)は図1におけるセンサ部の第1センサ基板の構成例を示す正面図、(b)は同センサ部の第2センサ基板の構成例を示す正面図、(c)はセンサ基板の一部を略示する拡大断面図。(d)はセンサ基板における1つのフラットコイル層の正面図。 本実施例に係るトルクセンサの検出回路部の構成例を示すブロック図。 センサ部の1次コイルをインダクタンス要素として組み込んだ自励発振回路の一例を示す回路図。 第1系列及び第2系列のトルク検出信号の値と検出トルク(相対回転位置)との間の相関関係の一例を示すグラフ。
図1は、本発明の第1実施例に係るトルクセンサの側断面図である。図1において、この実施形態に係るトルクセンサはセンサ部10と検出回路部とで構成されてなり、自動車のステアリングシャフトのトーションバーTに負荷されるねじれトルクを検出する。公知のように、ステアリングシャフトにおいては例えば丸棒の入力軸(第1の回転軸)1と出力軸(第2の回転軸)2の各磁性シャフト(例えば鉄などの磁性部材からなる)がトーションバーTを介して同軸的に連結されており、これら入力軸1及び出力軸2はトーションバーTによるねじれ変形の許す限りの限られた角度範囲(例えば最大でも+9度〜−9度程度の範囲)で相対的に回転しうるようになっている。検出回路部は、センサ基板部20、21に配置された後述するような複数の回路要素で構成される。また、センサ部10の一部品である1次及び2次コイルは、後述するように、フラットコイルの形態で、センサ基板部20、21に組み込まれている。後述するように、各センサ基板部20、21は、それぞれが1組の1次コイル及び2次コイルを含むコイル部11,12を構成している。
センサ部10は、前記コイル部11,12と、入力軸(第1の回転軸)1に連結された第1の磁気応答部材3、出力軸(第2の回転軸)2に連結された第2の磁気応答部材4とで構成される。第1及び第2の磁気応答部材3,4は、公知の磁気応答性材質で構成されており、例えば、良導電性かつ非磁性(反磁性)の材質(例えば、アルミニウムあるいは銅など)及び磁性体(例えば鉄)の少なくとも一方の材質で構成される。この実施例では、図2に示すように、入力軸1に連結される第1の磁気応答部材3は、円周方向に2系列の複数の開口窓3a,3b(窓パターン)を形成した円筒形状をなしており、導電性かつ非磁性(反磁性)の材質(例えばアルミニウム)からなる。また、図2に示すように、出力軸2に連結される第2の磁気応答部材4は、円周方向に2系列の複数の開口窓4a,4b(窓パターン)を形成した円筒形状をなしており、磁性材質(例えば鉄)からなる。
第1の磁気応答部材3においては、開口窓3aの系列(第1の系列)と、開口窓3bの系列(第2の系列)とは、開口窓の繰り返しサイクルに関して、丁度の1/2サイクルの位相ずれを持つように開口窓3a,3b(窓パターン)が形成(配置)されている。一方、第2の磁気応答部材4においては、開口窓4aの系列(第1の系列)と、開口窓4bの系列(第2の系列)とは、開口窓の繰り返しサイクルに関して、丁度、同相となるように開口窓列が形成(配置)されている。
図1に示すように組み立てられた状態において、第1の磁気応答部材3の円筒内に第2の磁気応答部材4の円筒が入り込み、第1及び第2の磁気応答部材3、4における開口窓3a、4aの系列(第1系列)が重なる一方で、開口窓3b、4bの系列(第2系列)が重なる。図3は、組み立てられた状態における第1の磁気応答部材3と第2の磁気応答部材4の組み合わせ状態を抽出して示す図である。トーションバーTのねじれ角の変化に対応する各系列の開口窓3a、4a及び3b、4bの重なり具合が変化する。
センサ部10において、各系列の開口窓3a、4a、3b、4bの配列に対応して、センサ基板20、21が配置される。各センサ基板20、21は、全体的に円板状(詳しくはリング状)を成しており、第1の磁気応答部材3の部分に嵌挿され、図示しないセンサケーシングに固定される。図4(a)に示すように、第1系列の開口窓3a、4aの部分に対応する第1センサ基板20の開口19の周囲を巻回するように、多層状のフラットコイルからなる第1のコイル部11が配置されている。同様に、図4(b)に示すように、第2系列の開口窓3b、4bの部分に対応する第2センサ基板21には、その開口19の周囲を巻回するように、多層状のフラットコイルからなる第2のコイル部12が配置されている。このように、各コイル部11、12は、アルミシャッターである円筒状の第1の磁気応答部材3の周囲において、非接触的に近接して配置され、鉄シャッターである円筒状の第2の磁気応答部材4は、第1の磁気応答部材3の内側に配置されている。これにより、アルミシャッターの開口窓3a,3bから露出する鉄シャッター(第2の磁気応答部材4)の磁性体部分に応じた、つまり、各系列の開口窓3a、4a、3b、4bの重なり具合に応じた、インダクタンスが各コイル部11、12に生じる。
図4(c)は、第1センサ基板20の開口19の周囲に設けられる、軸方向に層を成した多層状のフラットコイルからなる第1のコイル部11の一部を略示する拡大断面図である。1つのコイル部11は6層のフラットコイル層13〜18で構成される。各フラットコイル層13〜18の間は絶縁層で隔てられている。図4(d)は、1つのフラットコイル層13を示す正面図であり、1つのフラットコイル(プリントコイル)FCが開口19の周囲に渦巻き状に形成されている。他のフラットコイル層14〜18も同様の構成である。2つのフラットコイル層13及び14のフラットコイルが直列接続され、第1のコイル部11の1つの1次コイル(11P)を構成する。残りの4つのフラットコイル層15〜18のフラットコイルが直列接続され、第1のコイル部11の1つの2次コイル(11S)を構成する。第2センサ基板21に設けられる第2のコイル部12も、第1のコイル部11と同様に構成され、多層化されたフラットコイルからなる1つの1次コイル(12P)及び1つの2次コイル(12S)を具備する。このように、1次コイル(11P,12P)及び2次コイル(11S,12S)の各々を、多層状に重ねて配列された複数のフラットコイル部分を直列接続したものからなるように構成することにより、これによりインダクタンスを上げることができる。なお、フラットコイルに限らず、通常の巻線型のコイルで各コイルを構成することも可能である。
各磁気応答部材3,4における開口窓の配列パターンそれ自体は公知であるが、以下、簡単に説明する。第1の磁気応答部材3に設けられた一方の開口窓3aの系列は、所定ピッチで繰り返し配列された、複数の開口窓3aからなる。これに対応するように第2の磁気応答部材に設けられた一方の開口窓4aの系列も同様の所定ピッチで繰り返し配列された、複数の開口窓4aからなる。組み立てた状態において、開口窓3aの系列と開口窓4aの系列が同じ軸方向位置で重なるように構成されている。
第1の磁気応答部材3に設けられた他方の開口窓3bの系列も同様に、所定ピッチで繰り返し配列された、複数の開口窓3bからなり、これに対応するように第2の磁気応答部材4に設けられた他方の開口窓4bの系列も同様の所定ピッチで繰り返し配列された、複数の開口窓4bからなる。組み立てた状態において、開口窓3bの系列と開口窓4bの系列が同じ軸方向位置で重なるように構成されている。
公知のように、第1の磁気応答部材3の円筒と第2の磁気応答部材4の円筒との相対的回転位置つまりトーションバーTのねじれ角に応じて、各列における開口窓3a,4a,3b,4bの重なり具合が変化する。開口窓3aと4a(又は3bと4b)が全く重なっていない状態では、第1の磁気応答部材(アルミシャッター)3の材質と第2の磁気応答部材(鉄シャッター)4の材質が交互に等ピッチで現れ、対応するコイル部11(又は12)のインダクタンスが最大となる。一方、開口窓3aと4a(又は3bと4b)が完全に重なっている状態では、第2の磁気応答部材(鉄シャッター)4の材質がすべて第1の磁気応答部材(アルミシャッター)3の材質によって遮蔽され、対応する該コイル11(又は12)のインダクタンスが最小となる。また、開口窓3aと4a(又は3bと4b)が半分重なっている状態では、磁気応答部材(アルミシャッター)3の開口窓3a(又は3b)の半分に磁気応答部材(鉄シャッター)4の材質が露出し、対応するコイル部11(又は12)のインダクタンスが略中間値をとる。
前述のように、各系列における開口窓3a,4a,3b,4bの重なり具合の変化は互いに逆特性となるように、開口窓の配置を適切にずらして設定している。例えば、トーションバーTのねじれ角が0の状態において、第1の系列における開口窓3a,4aの重なり具合は丁度半分となり、第2の系列における開口窓3b,4bの重なり具合も丁度半分となるように、各開口窓列を形成(配置)する。そして、ねじれ角が0の状態から、時計方向にねじれ角が生じると、例えば、第1の系列における開口窓3a,4aの重なり具合が減少してそれに対応する第1のコイル部11のインダクタンスが増加するのに対して、第2の系列における開口窓3b,4bの重なり具合が増加してそれに対応する第2のコイル部12のインダクタンスが減少する。また、ねじれ角が0の状態から、反時計方向にねじれ角が生じると、第1の系列における開口窓3a,4aの重なり具合が増加してそれに対応する第1のコイル部11のインダクタンスが減少するのに対して、第2の系列における開口窓3b,4bの重なり具合が減少してそれに対応する第2のコイル部12のインダクタンスが増加する。
このように、センサ部10においては、入出力軸(第1及び第2の回転軸)1,2の相対的回転位置(ねじれ角)に応答して互いに逆特性のインダクタンス変化を該第1及び第2のコイル部11,12に生じさせるように、第1及び第2の磁気応答部材3,4を構成しかつ該第1及び第2のコイル部11,12を配置している。
図5は、本実施例に係るトルクセンサの検出回路部の構成例を示す。トルクセンサのセンサ部10の一部品であるコイル部11及び12の各1次コイル11P,12Pは、インダクタンス要素として、それぞれに対応する自励発振回路30a、30b内に組み込まれており、自励発振に寄与するのみならず、それ自身が発する交流磁場に応じて対応する2次コイル11S,12Sに誘導電圧が生じるように作用する。このことは、格別の(専用の)交流発振源を持たない、若しくは外部から励磁用交流信号を供給する必要がない、ので回路構成をかなり簡素化することができることを意味している。
図6は、第1のコイル部11の1次コイル11Pをインダクタンス要素として組み込んだ自励発振回路30aの一例を示す。自励発振回路30aは、並列LC回路40と増幅器41とで構成されたコルピッツ型発振回路である。並列LC回路40は、検出対象の変位に応じてインダクタンスLが変化する可変インダクタンスとして機能する前記コイル11Pと、コンデンサ42,43とからなる。増幅器41は、増幅素子としてのトランジスタ44と、電源−コレクタ間の抵抗45、エミッタ−接地間の抵抗46、ベース電圧設定用の抵抗47,48を含む。なお、増幅素子は、トランジスタに限らず、FETあるいはオペアンプ等任意の反転増幅素子を用いてよい。増幅器41の入力端子IN(ベース入力)に並列LC回路40の一方のコンデンサ42とコイル11の接続点の信号が入力し、増幅器41の出力端子OUT(コレクタ出力)が並列LC回路40の他方のコンデンサ43とコイル11Pの接続点に入力する。なお、自励発振回路30aの基本構成は、図示のようなコルピッツ型発振回路に限らず、ハートレイ型発振回路であってもよい。
自励発振回路30aの共振周波数は高周波数帯域(例えば数百kHz以上)に設定するとよい。そのように高い共振周波数に設定すると、1次コイルの高い励磁周波数に応じて誘導される2次コイル出力信号を整流回路で直流電圧変換した場合に十分なゲインを確保できるので、有利である。特に、プリント基板上に形成されたフラットコイルを用いる場合は、巻数を多く取ることができないので、励磁周波数を比較的高めに設定することでゲインを確保することは極めて有利に作用する。
図5に戻り、第1のコイル部11において、1次コイル11Pの励磁に応じて、対応する2次コイル11Sにおいて第1の系列における磁気応答部材3、4の開口窓3a,4aの重なり具合に応じた振幅レベルを持つ誘導出力信号が生じる。これは第1のコイル部11による検出出力信号S1として整流回路31aに入力され、その振幅レベルに応じた直流電圧に変換される。整流回路31aの出力は、ゲイン調整回路32aでゲイン調整され、それから、差動増幅及びオフセット調整回路33aで所望のオフセット電圧を加算(又は減算)してオフセット調整されることで、第1系列に対応する所望の特性のトルク検出直流電圧信号DV1を得る。なお、差動増幅及びオフセット調整回路33aにおける差動増幅機能については追って説明する。これらの整流回路31a、ゲイン調整回路32a、差動増幅及びオフセット調整回路33a等が、2次コイル11Sの出力信号の振幅レベルに基づきトルク検出信号(ねじれ角検出信号若しくは相対回転位置検出信号)を出力する出力回路に相当する。一例として、第1系列に対応するトルク検出信号(ねじれ角検出信号)DV1の特性は図7に示すようなリニア特性となるように設計されているとする。別の例としては、トルク検出信号(ねじれ角検出信号若しくは相対回転位置検出信号)DV1の特性は、任意の非線形特性(例えばサイン特性あるいはコサイン特性など)であってもよい。このトルク検出直流電圧信号DV1を、アナログ信号のままで若しくはデジタル値に変換して利用することができる。
第2系列に対応する第2のコイル部12の1次コイル12Pをインダクタンス要素として組み込んだもう一方の自励発振回路30bも図6と同様に構成される。上述と同様に、第2のコイル部12において、1次コイル12Pの励磁に応じて、対応する2次コイル12Sにおいて第2の系列における磁気応答部材3、4の開口窓3b,4bの重なり具合に応じた振幅レベルを持つ誘導出力信号が生じる。これは第2のコイル部12による検出出力信号S2として整流回路31bに入力され、その振幅レベルに応じた直流電圧に変換される。整流回路31bの出力は、ゲイン調整回路32bでゲイン調整され、それから、差動増幅及びオフセット調整回路33bで所望のオフセット電圧を加算(又は減算)してオフセット調整されることで、第2系列に対応する所望の特性のトルク検出直流電圧信号DV2を得る。前述の通り、第2系列のコイル部12のインダクタンス変化は、第1系列のコイル部11のインダクタンス変化と逆特性であるため、第2系列に対応するトルク検出信号(ねじれ角検出信号若しくは相対回転位置検出信号)DV2の特性は図7に示すようになる。
こうして、通常のトルクセンサで知られているような互いに逆特性の2系列のトルク検出信号(ねじれ角検出信号)DV1,DV2を得ることができる。知られているように、いずれか一方のトルク検出信号(ねじれ角検出信号)DV1又はDV2を最終的なトルク検出信号として使用すればよい。
差動増幅及びオフセット調整回路33a,33bにおける差動増幅(差動合成)機能について説明する。ゲイン調整回路32aの出力dV1とゲイン調整回路32bの出力dV2との関係は、前記信号DV1とDV2との関係と同様に、逆特性である。差動増幅及びオフセット調整回路33aにおいては、dV1−dV2の差動演算を行い、その演算結果の電圧をオフセットすることで、検出信号DV1を得る。逆特性の(差動的な)検出信号dV1,dV2の差は検出対象トルク(ねじれ角若しくは相対的回転位置x)を示しており、かつ、両信号dV1、dV2中に含まれる温度特性に依存する誤差変動成分αは理論的に同一値を示すため、該誤差変動成分αが差動演算によって差動演算結果中から除去されることとなり、得られる検出信号DV1は温度特性補償した正確な検出データとなる。同様に、差動増幅及びオフセット調整回路33bにおいては、dV2−dV1の差動演算を行い、その演算結果の電圧をオフセットすることで、検出信号DV2を得る。この場合も、両信号dV1、dV2中に含まれる温度特性に依存する誤差変動成分αが差動演算によって差動演算結果中から除去されることとなり、得られる検出信号DV2は温度特性補償した正確な検出データとなる。
図5に示したような検出用の各回路は、センサ基板20、21上に適宜配置してよい。また、自励発振回路30a,30bは、1つだけ設け、2系列の1次コイル11P,12Pを直列(又は並列)接続して該1つの自励発振回路内に発振用インダクタンス要素として組み込むようにしてもよい。また、1つのコイル部11だけを設け、1系列のトルク検出信号DV1のみを発生するように構成してもよい。
T トーションバー
1 入力軸(第1の回転軸)
2 出力軸(第2の回転軸)
3 第1の磁気応答部材
4 第2の磁気応答部材
1 ターゲット部(磁気応答部材)
10 センサ部
11 第1のコイル部
12 第2のコイル部
20、21 センサ基板部
11P,12P 1次コイル
11S,12S 2次コイル
13〜18 フラットコイル層
30a,30b 自励発振回路

Claims (9)

  1. トーションバーを介して同軸的に連結された第1及び第2の回転軸間に発生する該トーションバー軸周りの捻れトルクを検出するトルクセンサであって、
    プリント基板上に渦巻き状に形成されたフラットコイルからなる1組の1次コイル及び2次コイルを含む少なくとも1つのコイル部、前記第1の回転軸に連結された第1の磁気応答部材、前記第2の回転軸に連結された第2の磁気応答部材を含み、前記第1及び第2の回転軸の相対的回転位置に応答してインダクタンス変化を該2次コイルに生じさせるように前記第1及び第2の磁気応答部材を構成したセンサ部と、
    前記少なくとも1つのコイル部に含まれる前記1次コイルとコンデンサによって構成された自励発振回路であって、該自励発振回路は、前記1次コイルを自励発振のためのインダクタンス要素として組み込んでなり、その発振周波数を数百kHz以上の高周波数帯域に設定しているものと、
    前記2次コイル出力信号の振幅レベルに基づきトルク検出信号を出力する出力回路と
    を備えるトルクセンサ。
  2. 前記出力回路は、前記2次コイルの出力信号を整流する整流回路と、前記整流回路の出力直流信号のレベルをオフセット調整すると共に、そのゲインを調整する回路を含む、請求項のトルクセンサ。
  3. 1つの前記1次又は2次コイルを構成する前記フラットコイルは多層状に重ねて配列された複数フラットコイル部分を直列接続したものからなる、請求項1又は2のトルクセンサ。
  4. 前記少なくとも1つのコイル部、前記自励発振回路のうち少なくとも1つに含まれる回路要素を配置した回路基板が、前記回転軸の軸方向に対して垂直をなすように配置されている、請求項1乃至のいずれかに記載のトルクセンサ。
  5. 前記第1及び第2の磁気応答部材は、それぞれ円周方向に複数の窓パターンを備えた円筒形状をなしており、ぞれぞれの円筒が重なり前記窓パターンが対向するように配置されている、請求項1乃至のいずれかに記載のトルクセンサ。
  6. 前記第1及び第2の磁気応答部材は、それぞれ2系列の前記窓パターンを有し、前記第1及び第2の回転軸の相対的回転位置に応じて前記第1及び第2の磁気応答部材の前記窓パターンの重なり具合が変化し、この前記窓パターンの重なり具合の変化は、前記2系列の間で逆特性を示すように構成されており、
    前記窓パターンの各系列に対応して、前記コイル部が個別に設けられ、
    前記出力回路は、各コイル部の2次コイル出力信号の振幅レベルに基づき2系列のトルク検出信号を出力する、請求項に記載のトルクセンサ。
  7. 前記出力回路は、前記2系列のトルク検出信号を差動的に合成するための回路を含む、請求項に記載のトルクセンサ。
  8. 前記各コイル部の1次コイルが2つの前記自励発振回路内に個別に組み込まれている、請求項6又は7に記載のトルクセンサ。
  9. 前記各コイル部の1次コイルが1つの前記自励発振回路内に組み込まれている、請求項6又は7に記載のトルクセンサ。
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