JP2004294412A - 多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】性能に影響を与えずに、廉価で構造簡単かつスペース効率に優れた位置変位センサを提供する。
【解決手段】複数n個のインピーダンス素子(L1〜Ln)及びこれら各素子に対し相対的に変位可能に非接触的に配置される磁気応答部材を含み、磁気応答部材の上記各素子に対する相対的位置に応じた検出信号を上記各素子から得ることより被検体の位置変位を検出する位置変位センサであって、各素子の第1端にそれぞれ位相のずれた交流電圧(V1〜Vn)を印加し得る、一端が接地された交流電源の他端を接続し、又第2端を全て一括接続し、各素子がそれらと磁気応答部材との相対的位置の変化に伴ってインピーダンス変化を生ずることにより、一括接続に係る点cwから、位置変位を位相差として含む合成対地電位が取り出される様にし、これを用いて磁気応答部材の位置変位を検出するものとする。
【選択図】 図8
【解決手段】複数n個のインピーダンス素子(L1〜Ln)及びこれら各素子に対し相対的に変位可能に非接触的に配置される磁気応答部材を含み、磁気応答部材の上記各素子に対する相対的位置に応じた検出信号を上記各素子から得ることより被検体の位置変位を検出する位置変位センサであって、各素子の第1端にそれぞれ位相のずれた交流電圧(V1〜Vn)を印加し得る、一端が接地された交流電源の他端を接続し、又第2端を全て一括接続し、各素子がそれらと磁気応答部材との相対的位置の変化に伴ってインピーダンス変化を生ずることにより、一括接続に係る点cwから、位置変位を位相差として含む合成対地電位が取り出される様にし、これを用いて磁気応答部材の位置変位を検出するものとする。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体の動きに応じた位置変位を検出するための位置変位センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平9−311038号公報
【特許文献2】特開平10−176925号公報
【特許文献3】特開平10−176926号公報
【特許文献4】実用新案登録第3036285号公報
【0003】
近年、コイル等のインピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じた検出信号を各インピーダンス素子から得ることにより被検体の位置変位を検出する位置変位センサ(例えば、[特許文献1]〜[特許文献4]参照)が開発され、この基本検出原理の応用範囲が広いことから、種々多様な用途への展開が試みられている。
【0004】
上記の位置変位センサは、インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じて交流信号中に現れる電気位相差より、位置変位を検出するものである。その基本検出原理の大略は次の通りである。
まず、この位置変位センサは、その駆動原理から2つに大別される。以下ではこれらをそれぞれ、誘導型、インピーダンス型と称する。いずれの型においても複数のインピーダンス素子が直線状に配列された直線変位検出方式と、円周方向に配列された回転角度検出方式とがあり、誘導型においては、トランスの二次コイルがインピーダンス素子となってこれらの配列が形成される(例えば、[特許文献1]〜[特許文献4]参照)。
【0005】
そこで本発明の対象である、インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じて交流信号中に現れる電気位相差より位置変位を検出する、上記の位置変位センサを容易に理解出来る様、その誘導型位置変位センサについて、まず直線方式の動作原理を図1を用いて説明する。図1の(a)はその外観斜視図、(b)はインピーダンス素子(L1〜L4)と磁性体配列棒(3)の様子を示す図である。図1において、1はソレノイド型一次コイル、2はその内側に同軸配置された二次コイル列であり、ここでは同一規格の4個のコイルL1〜L4が等間隔で配列されている。この二次コイル列はインピーダンス素子として機能するものである。このコイル配列に対しては、各コイル中心軸と同軸、かつ、軸方向に移動自在の関係で、被検体と物理的に結合された磁性体配列棒3が挿入される。磁性体配列棒3には、その直線変位方向に沿って所定のピッチで複数の円筒状強磁性体(磁気応答部材)4が繰り返し設けられている。図1に示す例では、強磁性体4は、コイル配列間隔(隣接コイル中心間距離)の4倍を1ピッチとして繰返し設けられている。磁性体配列棒3の棒軸は顕著な磁性を示さない金属又はプラスチック物質からなる。隣接する強磁性体4同士の間には、空隙9が存在する。
【0006】
各二次コイルL1〜L4には、図の如く正弦波電圧ASinωtが印加された一次コイル1からの相互誘導作用により正弦波電圧が誘起される。ところが、上記磁性体配列棒3と各二次コイルL1〜L4との相対的位置の変化により、一次コイルと各二次コイル間の磁気結合の変化及びそれに伴うインダクタンス変化が生ずることによって、各二次コイルには、上記磁性体配列棒3の直線位置に応じて振幅変調された誘導出力交流信号が、これら各二次コイルの配置のずれに応じて異なる振幅特性で誘起される。図1における磁性体配列棒3の軸方向位置(L1,L3の位置:実質上、それぞれのコイルの軸方向中央部分が強磁性体4と空隙9との境界部分に対応する位置, L2,L4の位置:実質上、L2が強磁性体4の軸方向中央部分に対応し、L4が反磁性体9の軸方向中央部分に対応する位置)をx=0とし、且つ同棒の、図の右方への移動を正方向とすれば、L1−L3差動出力は、誘起される正弦波Sinωtに、変動する係数すなわち位置変位に対応した振幅関数aSinxを掛けた値
aSinxSinωt
となり、L2−L4差動出力は、誘起される正弦波Sinωtに、変動する係数すなわち位置変位に対応した振幅関数aCosxを掛けた値
aCosxSinωt
となる。ここで、振幅関数aSinx,aCosxは、磁性体配列棒3上における強磁性体4の繰返し単位(=1ピッチ変位)を1サイクルとしてそれぞれ変化する。すなわち、上記振幅関数は、1ピッチを2π[rad]として処理し得るものであって、電気位相差360度分に対する機械的変位量が1ピッチに相当する。
【0007】
次に、回転方式の動作原理に付き、図2を用いて説明する。図2に於て二次コイル2’を構成する各コイルL1〜L4は、一次コイル1’の中心軸と平行な中心軸を有しており、一次コイル1’に内接する形で環状・等間隔に配列される。各二次コイルL1〜L4は、それぞれの中心軸と同軸に配置された極鉄心5を有している。これら極鉄心の端面はいずれも、実質的に同一の軸横断面上に揃えられている。又、一次コイルの中心軸(=二次コイル配列の中心軸)と同軸に配置されたシャフトスリーブには、二次コイルの極鉄心5を回転位置に応じて覆うための磁性体偏心板6が支持されている。磁性体偏心板6は、被検体の動きに応じて回転可能な様、被検体と物理的に結合されたものである。磁性体偏心板6は、上記一次コイルの中心軸を回転軸として回転し、それに応じて、実質的に回転軸から最も離れた磁性体偏心板6の一部分10が、順次各二次コイルL1〜L4の極鉄心5上を通過して行く様になっている。
【0008】
各二次コイルL1〜L4には、一次コイル1’との相互誘導により、一次側に印加された正弦波電圧ASinωtに基づく正弦波電圧が誘起されるが、前述した磁性体偏心板6の回転位置に応じた一次コイルと各二次コイル間の磁気結合の変化及びそれに伴うインダクタンス変化が生ずることによって、各二次コイルには、磁性体偏心板6の回転角度変位に応じて振幅変調された誘導出力交流信号が、これら各二次コイルの配置のずれに応じて異なる振幅特性で誘起される。これら各二次コイルに誘起されたコイル端間電圧は、配置関係が180度(逆位相)であるL1−L3の組,及びL2−L4の組において差動的に取出せば、倍化して検出できるということが明らかである。
【0009】
磁性体偏心板6が図2(b)に示される角度位置にあるとき(=実質的に回転軸から最も離れた磁性体偏心板6の一部分10が、中心軸Pから見て水平方向右側にあるとき)における12時方向の角度位置(=L1に対応する位置)をθ=0と定め、かつ、この偏心板6の、図の時計回りの回転を正方向とすれば、二次コイルL1−L3差動出力は、誘起される正弦波Sinωtに、係数すなわち角度変位に対応した振幅関数aSinθを掛けた値、即ち、
aSinθSinωt
となる。一方、L2−L4差動出力は、誘起される正弦波Sinωtに、係数すなわち角度変位に対応した振幅関数aCosθを掛けた値、即ち、
aCosθSinωt
となる。ここで、振幅関数aSinθ,aCosθは、磁性体偏心板6の1回転を1サイクルとしてそれぞれ変化する。したがって、上記振幅関数は、θの360度変位を1ピッチとして、直線方式の場合と同様に処理し得るものである。
【0010】
これらの関係を、直線及び回転角度変位について一括し、回路的に示したものが図3の結線図である。
【0011】
また、同様の関係はL1〜L4を実質上自己インダクタンスのみからなるインピーダンス素子として,これらに正弦波電圧ASinωtを直接加えた場合にも成立する(以下、インピーダンス型と称する)。このことを示したのが図4の回路図である。尚本発明は、直接にはインピーダンス型において、インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じて出力交流信号中に現れる電気位相差より、位置変位を検出する新規のセンサ構造に関するものである。
【0012】
そこで、インピーダンス型においても上記と同様にして得られるインピーダンス素子(コイルL1〜L4)の各端子電圧を、正弦係数の式をX、余弦係数の式をYとすれば、直線変位の場合、回転角度変位の場合ともに、次の様に表すことができる。
X=aSin(θ,x)・Sinωt・・・・・・・式1
Y=aCos(θ,x)・Sinωt・・・・・・・式2
【0013】
これらの式から、実際の被検体の回転角度変位θ(直線変位xについても同様であるため、以下θで説明する)を求める演算回路としては、まず式1及び式2にそれぞれ、0から順次増加するデジタル位相値φの余弦関数Cosφ、及び正弦関数Sinφを乗じていき、
Sinφ・Cosθ−Cosφ・Sinθ=0・・・式3
の時点において、θ=φとしてθを特定する、公知のR−D変換方式が挙げられる(特許文献1〜3参照)。尚、この方式ではφを追従カウントするときのクロック遅れが生じ、応答性の面で改良の余地がある。
【0014】
また、以下の様な方式も従来知られたものである。すなわち、式1におけるSinωtを回路上でCosωtに変換してaSin(θ,x)・Cosωt(式4)を得たのち、三角関数の加法定理を適用することによって、位置変位を位相差として含む正弦波信号aSin(ωt±θ,x)を得、これより被検体の位置変位(θ,x)を求める方式である。下式5に、その様子を示す。以下、この方式を位相差変換方式と称する。
aSin(θ,x)・Cosωt±aCos(θ,x)・Sinωt=aSin(ωt±θ,x) ・・・・・・・式5
【0015】
この位相差変換方式に関し、図5に、動作波形及び解析手順を示す。同図(a)は印加電圧ASinωtと、振幅変調された式1、式2の各右辺の信号の波形図、(b)はASinωtのグラフと特定の位相差(θ,x)を含む図5(c)右辺の正弦波、この場合はaSin(ωt−θ,x)のグラフとの時間関係を示す波形図である。図5(c)は、図5(b)に表された波形図を導き出す根拠となる数式的推移(式4、式5)を示すものである。又図6に、図5(c)の操作を回路上で具体的に実現する演算回路のブロック図を示す。式1、式2で表わされる信号X、Yはそれぞれ、位相検出部80に入力される前に、増幅(増幅度b/a)並びに位相シフト及び加算の各処理が施される。尚図5(b)において、進み位相波aSin(ωt+θ,x)の場合、そのグラフは破線で示した遅れ位相波aSin(ωt−θ,x)のグラフと対称的に、実線で示したASinωtのグラフよりも(θ,x)だけ時間的に先行した正弦波となる。
【0016】
図5(b)のグラフから明らかなとおり、θ又はxを求めるにはASinωtグラフのゼロクロス点から、aSin(ωt−θ,x)又はaSin(ωt+θ,x)グラフのゼロクロス点までの時間をカウントすれば良い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した通り、各インピーダンス素子から得られた、インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じた検出信号を用いて、実際に被検体の位置変位(回転角度変位θ,直線変位x等)を求めるに当たっては、従来、位相シフト回路や加算又は減算回路等のアナログ演算回路を多数必要としており(図6のccに当たる部分,[特許文献1]〜[特許文献3]参照)、これらの実装スペースが必要不可欠となる上、高コスト化にも繋がっていた。又多数の演算回路を経る程、演算結果の出力遅延の可能性が大きくなり、それはセンサの応答性にも関わって来る。
【0018】
従って本発明は、性能に影響を与えることなく、廉価で構造簡単、しかもスペース効率に優れた位置変位センサを提供することを課題とする。
又、本発明は、より応答性に優れた位置変位センサを提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく種々検討を行った結果、従来一相のみで行っていた([特許文献1]〜[特許文献4]参照)各インピーダンス素子への正弦波電圧の印加(=コイルの励磁)に代えて、個々のインピーダンス素子の第1端に独自に、それぞれ位相を変えた励磁信号を印加(多相励磁)し得る、一端が接地電位となる交流電源の他端を接続し、各インピーダンス素子の第2端を一括接続し、各インピーダンス素子がそれらと磁気応答部材との相対的位置の変化に伴ってインピーダンス変化を生ずることによって、一括接続されたインピーダンス素子の第2端において位置変位を位相差として含む出力交流信号(合成対地電位)が取り出される様構成すれば、上記した位相シフト回路や加算又は減算回路等のアナログ演算回路を省略出来ることを見出し、本発明を完成した。
上記課題を解決するため、本発明は複数n個のインピーダンス素子及びこれら各素子に対して相対的に変位可能に非接触的に配置される磁気応答部材を含み、前記磁気応答部材の前記各素子に対する相対的位置に応じた検出信号を前記各素子から得ることにより被検体の位置変位を検出する位置変位センサであって、前記各素子の第1端にそれぞれ位相のずれた交流電圧を印加し得る、一端が接地電位となる交流電源の他端を接続し、前記各素子の第2端をそれぞれ一括接続し、前記各素子がそれらと前記磁気応答部材との相対的位置の変化に伴ってインピーダンス変化を生ずることにより、前記一括接続された前記第2端から、前記位置変位を位相差として含む合成対地電位が取り出される様にし、これを用いて前記磁気応答部材の位置変位を検出することを特徴とする。
又本発明は、上記交流電圧に換え、パルス状の矩形波からなる信号電圧を印加することを特徴とする。
【0020】
本発明において、磁気応答部材は、被検体の動きに応じて軸回転する様になっており、上記各素子は、磁気応答部材の軸回転方向に沿って、磁気応答部材の周りに環状に実質的に等間隔を置いて配置されていても良い。
また、磁気応答部材が、被検体の動きに応じて直線変位する様になっており、かつ、その直線変位方向に沿って所定のピッチで複数繰り返して設けてなっており、さらに、上記各素子が、磁気応答部材の直線変位方向に沿って一直線上に実質的に等間隔を置いて配置されており、かつ、上記各素子が上記1ピッチの範囲内に配置されていても良い。
上記各素子の第1端にそれぞれ印加される交流電圧は、順次2π/n(但しnは素子数)ずつ位相のずれたものであることが好ましい。
【0021】
本発明の構成によれば、電気的に一括接続されたインピーダンス素子の第2端から取り出された合成信号(合成対地電位)は、位置変位を位相差として含んだかたちで得られるので、従来、各インピーダンス素子から得られた検出信号から、実際に被検体の位置変位を求める際に必要とされていたアナログ演算回路(図6に於てccとして表わされた位相シフト回路や加算又は減算回路等)を省略することが出来る。
そのため本発明によれば、上記第2端より得られる合成対地電位から、特別の回路を要することなくダイレクトに位相差検出できるので、回路構成の簡素化、センサの小型化、及びコストの抑制を図ることができる。このとき、センサの検出性能に影響を与えることもない。
【0022】
又本発明は、各インピーダンス素子に加える信号(=励磁信号)を例えば正弦波交流電圧からなるアナログ信号ではなく、いわゆるパルス状の矩形波からなるディジタル信号としても良い。このような構成とすれば煩雑なアナログ回路素子の精度管理が不要となる。又このような構成としても、アナログ正弦波交流信号を各インピーダンス素子に入力した場合と変わらぬ性能を得ることが出来る。
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図7及び図8に基づき説明する。
まず、図7に基づき本発明を直線変位検出センサ及び回転角度検出センサに適用した場合の大まかな構成例を示した後、実際に各インピーダンス素子から得られる信号を用いて直線及び回転角度変位を検出するための電気的接続関係及びその動作を図8に基づき説明する。
【0024】
[構成]
まず、本発明を適用して直線変位検出センサを構成した一実施形態につき、図7(a)に基づき説明する。図7(a)において、8は検出ヘッドであり、ここでは同一規格のn個のインピーダンス素子(コイルL1〜Ln)が、同一の中心軸上に等間隔で一列に配置されている。図1に示した誘導型の場合と異なり、本実施形態に於て説明する位置変位センサはインピーダンス型であるので一次コイルは不要である。このコイル配列に対しては、各コイル中心軸と同軸、かつ、軸方向に移動自在の関係で、被検体と物理的に結合された磁性体配列棒3が挿入される。磁性体配列棒3上には、その直線変位方向に沿って、強磁性体4が所定のピッチで複数繰り返して設けられる。本実施形態では、上記1ピッチの間隔は各コイル配列間隔(隣接コイル中心間距離)のn倍とされる。即ち、各インピーダンス素子は上記1ピッチの範囲内に配置される様構成される。磁性体配列棒3の棒軸は顕著な磁性を示さない金属又はプラスチック物質からなる。尚、上記した従来例の説明同様、図7(a)における磁性体配列棒3の軸方向位置(実質上、L1の軸方向中央部分が強磁性体4と空隙9との境界部分に対応する位置にあるとき)をx=0とし、且つ同棒の、図の右方への移動を正方向とする。
各インピーダンス素子には、それぞれ位相の異なる電圧を印加し得る信号電圧源が接続される。
【0025】
次に、本発明を適用して回転角度検出センサを構成した一実施形態につき、図7(b)に基づき説明する。基本的な構成は、従来例として示した図2(a)に示すものと同様であるが、本実施形態の位置変位センサはインピーダンス型であるので一次コイル1’は不要である。又インピーダンス素子は複数n個からなり、これらより検出ヘッド8は構成される。尚、上記した従来例の説明同様、磁性体偏心板6が図示される角度位置にあるとき(=実質的に回転軸から最も離れた磁性体偏心板6の一部分10が、中心軸Pから見て水平方向右側にあるとき)における12時方向の角度位置(=L1に対応する位置)をθ=0と定め、かつ、この偏心板6の、図の時計回りの回転を正方向とする。
各インピーダンス素子には、それぞれ位相の異なる電圧を印加し得る信号電圧源が接続される。
【0026】
図8は、上記直線変位又は回転角度センサに於て実際に各インピーダンス素子から得られる信号を用いて、直線変位や回転角度を演算して外部に出力するための電気的接続関係を示す結線図である。
図8に示す通り、本実施形態のセンサはL1〜Lnのn個のインピーダンス素子からなる。各素子の第1端(1a〜na)は励磁電圧の入力端であり、それぞれ位相のずれた交流電圧を印加し得る信号電圧源の他端が接続されている。尚各信号電圧源の一端側は全て接地電位とされている。また各素子の第2端(1b〜nb)はそれぞれ一括接続され、後述する合成対地電位の出力端とされる。
i) ここで、各信号電圧源から上記各素子第1端へは、次式で示されるSin波、或いは同等の周期及び位相関係をもつパルス状の矩形波からなり、順次2π/n(但し、nは素子数)ずつ位相のずれた信号電圧が印加される。
【0027】
【数1】
【0028】
ii) 一方、各インピーダンス素子と磁性体配列棒3又は磁性体偏心板6との相対的位置の変化に応じて、各インピーダンス素子の自己インダクタンス即ち各インピーダンス素子のインピーダンスは変化する。このときの、磁性体配列棒3又は磁性体偏心板6の変位による検出ヘッド8中のコイルLiのインピーダンス変化は、各相が上式6に従った形で励磁される結果、次式で表わされるものとなる。
【0029】
【数2】
【0030】
これらの相互作用により、各インピーダンス素子の第2端側が一括接続された点cwからは、位置変位に相当する位相差を含む出力交流信号Vcw=aCos(ωt−θ)を取り出すことが出来る。
この出力交流信号(=合成対地電位)Vcwは、不平衡状態における多相交流の中性点電圧が、重ねの理により各相の出力の合成信号として求められるのと同じ考え方を適用することにより、次式を用いて導き出されるものである。
【0031】
【数3】
【0032】
尚、上式の変形の様子は以下の通りである。すなわち、上式8の右辺を展開し、これに三角関数積和の公式を適用してさらに展開を進めて行けば、下式9が得られるところ、その右辺第1項(▲1▼)、および第2項の後の項(▲3▼)は演算結果が零となるので、最終的には第2項の前の項(▲2▼)のみが残って、式8に表わした結果が得られる(式10)。
【0033】
【数4】
【0034】
式9の右辺第1項(▲1▼)、および第2項の後の項(▲3▼)の演算結果が零となるのは、例えば、前者(▲1▼)に現れるELΣSin{(i−1)×(360/n)}に対し下式11の例を適用することによって導かれるものである。尚、式9の右辺第1項(▲1▼)中にはωtが入るが、上記関係は同様に成立する。後者(▲3▼)も同様の例による。
【0035】
【数5】
【0036】
このように、本発明によれば、複数n個のインピーダンス素子を用い、これら各素子に、それぞれ位相の異なる信号電圧を印加(多相励磁)することで、被検体に物理的に結合された磁性体配列棒3又は磁性体偏心板6の位置変位に応じた位相差成分を含む合成対地電位を、簡素な構成により求めることが出来る。本実施形態においては、各センサはn=3個以上のインピーダンス素子より構成される。
【0037】
各素子の第2端が一括接続された点cwに於て得られた合成対地電位aCos(ωt−θ)は、そのまま増幅及び位相検出回路60に入力され、増幅部90に於て増幅処理(増幅度b/a)される。その後、位相検出部80に於て例えばインピーダンス素子L1に入力した交流信号ESinωtグラフのゼロクロス点から、aCos(ωt−θ)グラフのゼロクロス点までの時間をカウントすることで、これらの位相差(θ)が検出される。得られた位相差は位置変位に相当するものであり、これにより角度変位θ又は直線変位xの検出が実現される。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の位置変位センサの一実施例につき説明する。
まずはじめに、従来例と同様、4個のインピーダンス素子で本発明の位置変位センサを構成した場合について説明する。そののち、インピーダンス素子数n=3個又は5個とし、奇数相励磁により本発明の位置変位センサを構成した場合について説明する。
尚、これから述べる各実施例は、以下に説明する構成を直線変位検出センサ及び回転変位検出センサに適用した例に関するものである。上記従来例及び実施形態と同様、直線変位検出センサの場合、各図中における磁性体配列棒3の軸方向位置(実質上、L1の軸方向中央部分が強磁性体4と空隙9との境界部分に対応する位置にあるとき)をx=0とし、且つ同棒の、図の右方への移動を正方向とする。又回転変位検出センサの場合、磁性体偏心板6が図示される角度位置にあるとき(=実質的に回転軸から最も離れた磁性体偏心板6の一部分10が、中心軸Pから見て水平方向右側にあるとき)における12時方向の角度位置(=L1に対応する位置)をθ=0と定め、かつ、この偏心板6の、図の時計回りの回転を正方向とする。
【0039】
[実施例1] n=4の場合
(実施例1−1) 正弦波交流信号で各相励磁を行った場合
図9は、本発明の位置変位センサの一実施例を表わすブロック図である。インピーダンス素子は、L1〜L4のn=4極のコイルからなる。直線変位検出センサ又は回転角度検出センサを構成する際の各コイルの配置は、図1又は図2に示すのと同様である。但し、本実施例の位置変位センサはインピーダンス型であるので、一次コイル(1,1’)は不要である。これらの第1端(1a〜4a)にはそれぞれ、ωt=90°(=π/2)づつずれた正弦波交流信号(励磁信号)を入力し得る信号電圧源の他端が接続される。各信号電圧源の一端側は全て接地電位とされる。一方、各コイルの第2端(1b〜4b)はそれぞれ一括接続され、相互に電気的に接続される。さらに、一括接続した点cwから信号が取り出されて増幅及び位相検出回路60に入力される。そうすると、被検体の動きに対応して、各コイルL1〜L4対磁性体偏心板6或いは磁性体配列棒3の位置関係で各コイルにおける自己インダクタンスに差が生じるため、コイルL1〜L4の第2端を一括接続した点cwの電位Vcwは、不平衡状態における多相交流の中性点電圧と同様の考え方により、重ねの理を適用して各相の出力の合成信号を考えれば、式8で表わされる合成対地電位
Vcw=aCos(ωt−θ)
が得られる。ここで、Vcwにおけるa=2×E×αで、αは定数である。得られた信号aCos(ωt−θ)は、そのまま増幅及び位相検知回路60に入力され、位相検知処理に用いられる。
【0040】
(実施例1−2) パルス状のディジタル信号で各相励磁を行った場合
上の例と異なり、この実施例では各インピーダンス素子に印加する励磁信号をパルス状の矩形波電圧信号(ディジタル信号)に変えて位相差検出を行う。尚、基本検出原理は上の例と同様である。
図10は、この実施例に係る位置変位センサのブロック図である。各インピーダンス素子L1〜L4の第1端(1a〜4a)にはそれぞれ、ωt=90°(π/2)づつずれたパルス状の矩形波信号(励磁信号)を入力し得る信号電圧源の他端が接続される。各信号電圧源の一端側は全て接地電位とされる。一方、各コイルの第2端(1b〜4b)は、それぞれ一括接続を行うことにより電気的に1つに結合され、その後DCカット&フィルタ70に入力される。ここで、フィルタ70により矩形波1周期の周波数成分のみが抽出される。これは、前述した(実施例1−1)の信号aCos(ωt−θ)の1周期を取り出すことに相当する。本実施例の場合、一括接続した点cwで得られる信号はまだaCos(ωt−θ)ではなく、そのため、点cwで得られる信号を増幅及び位相検出回路60に入力するより先にDCカット&フィルタ回路70に通し、フィルタにより矩形波1周期の周波数成分のみを抽出する。DCカット&フィルタ回路70を経て得られる信号はaCos(ωt−θ)となり、これを(実施例1−1)と同様に増幅及び位相検出回路60に入力して位相検出処理を行う。
【0041】
このように、(実施例1−2)によれば、各インピーダンス素子に対する励磁信号はアナログ信号でなく簡易なディジタル信号で済むため、複雑なアナログ信号回路をさらに削減することができる。この実施例の場合、アナログ信号処理回路はDCカット&フィルタ回路70及びその次段に接続される増幅及び位相検出回路60内の増幅部だけで済む。ディジタル信号処理はアナログ信号処理回路に比して構成が簡単であり、また低コストである。
【0042】
[実施例2] n=3の場合
次に、n=3の場合に付いて説明する。図11(a)(b)はn=3として直線変位検出センサ又回転角度変位センサを構成した場合の一例を示す図、図12はこのときの回路構成を示すブロック図である。
【0043】
図11又は図12に示す通り、インピーダンス素子となる各コイル(L1〜L3)の第1端(1a〜3a)にはそれぞれ、ωt=120°(=2π/3)づつずれた励磁信号を入力し得る信号電圧源の他端が接続される。励磁信号は、正弦波交流信号或いはパルス状の矩形波信号であり、各信号電圧源の一端は接地電位とされる。一方、各コイルの第2端(1b〜3b)はそれぞれ一括接続され、相互に電気的に接続される。励磁信号としてパルス状の矩形波信号を用いた場合には、接続点cwにおいて得られた信号はその後DCカット&フィルタ70に入力される。ここで、フィルタにより矩形波1周期の周波数成分のみ、即ち正弦波aCos(ωt−θ)の1周期が抽出される。その後、信号aCos(ωt−θ)[合成対地電位,但しa=1.5×E×α, αは定数]を増幅及び位相検出回路60に入力して位相検知処理を行う点についてはいずれの励磁信号を用いた場合も同様であり、その詳細は上記実施形態で説明した通りである。
【0044】
[実施例3] n=5の場合
さらに、n=5の場合に付いて説明する。図13(a)(b)はn=5として直線変位検出センサ又回転角度変位センサを構成した場合の一例を示す図、図14はこのときの回路構成を示すブロック図である。
【0045】
図13又は図14に示す通り、インピーダンス素子となる各コイル(L1〜L5)の第1端(1a〜5a)にはそれぞれ、ωt=72°(=2π/5)づつずれた励磁信号を入力し得る信号電圧源の他端が接続される。励磁信号は、正弦波交流信号或いはパルス状の矩形波信号であり、各信号電圧源の一端は接地電位とされる。一方、各コイルの第2端(1b〜5b)はそれぞれ一括接続され、相互に電気的に接続される。励磁信号としてパルス状の矩形波信号を使用した場合には、接続点cwにおいて得られた信号はその後DCカット&フィルタ70に入力される。ここで、フィルタにより矩形波1周期の周波数成分のみ、即ち正弦波aCos(ωt−θ)の1周期が抽出される。その後、信号aCos(ωt−θ)[合成対地電位,但しa=2.5×E×α, αは定数]を増幅及び位相検出回路60に入力して位相検知処理を行う点についてはいずれの励磁信号を用いた場合も同様であり、その詳細は上記実施形態で説明した通りである。
【0046】
かくして、上記各実施例に示した構成を、実際に直線変位検出センサ及び回転変位検出センサをはじめとした位置変位センサに適用すれば、位相検出部80より出力された位相差θは、すなわち回転変位検出センサにおける角度変位θ(あるいは、直線変位検出センサにおける直線変位x)に相当する。このとき、例えば、1ピッチ(θ=360度、x=10mm)を216=65536分割する16ビット処理を行えば、角度の場合なら360/65536≒0.0055[度]の分解能、10mmピッチの直線変位の場合なら10000/65536≒0.15[μm]の分解能を得ることができる。このように、本発明は何ら検出性能を損なわないものである。
【0047】
尚、各インピーダンス素子の数及び配置は上記実施例に記載するものに限られず、様々な設計変更が可能である。さらにインピーダンス素子は、コイルに限らず例えば磁気抵抗素子(MR)等であっても良い。但し、各インピーダンス素子として磁気抵抗素子を使用する場合は、特開2000−292113号公報等にも記載されている様に、各磁気抵抗素子にバイアス磁界(フィールド磁界)を別途加えることが必要である。上記各例では、磁性体配列棒3の棒軸は顕著な磁性を示さない金属又はプラスチック物質からなっているが、その他、磁性体配列棒3上に連続して設けられる各強磁性体4同士の間には、空隙9に代えて反磁性体が設けられても良い。又磁性体配列棒3の棒軸は中空のものであっても良い。
【0048】
上記各例において、被検体は磁性体配列棒3又は磁性体偏心板6と物理的に結合されているが、本発明の位置変位センサは各インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置から被検体の位置変位を検出するものであるので、被検体は各インピーダンス素子が取付けられる側に物理的に結合されていても別に構わない。
又、上記各例に於ては、各インピーダンス素子に印加される信号電圧は、順次2π/n(但し、nは素子数)ずつ位相がずらされているが、必ずしもこれに限定されない。順次2π/nずつ位相がずれたものでない信号を用いて各相励磁を行う場合、位相検知部80に於て適宜補正演算を施せば、正確な位置変位を求めることが出来る。
【0049】
尚、上記(実施例1−2)に於て励磁信号として用いたデジタル信号は、位相差検出その他センサの制御用に使用されているマイクロコンピュータより直接出力させることも可能である。或いはまた、マイクロコンピュータからの出力信号を適宜ディジタル信号処理してから各インピーダンス素子に印加することもできる。
その他、本発明の位置変位センサは、上記の直線変位センサ、或いは回転角度位置変位センサに限られず、例えば特許文献1〜3に有る様な傾斜センサにも適用可能であることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサによれば、従来と変わらない精度(分解能)で直線変位や回転角度さらには傾斜角度の検出ができる一方で、アナログ演算回路素子の実装数を減らせるので製造コストや製造時間の圧縮が出来る。さらに、各インピーダンス素子への電圧印加をディジタル信号により行うことも出来るので、センサの精度管理を行う上でも有利に働くこと必至である。
【0051】
また、励磁相数の多少に関連して、例えば図1に示す様な直線型センサの場合、従来知られた1相励磁4コイル方式では、検出ヘッドを構成する4コイルの幅、およびこれと同じ幅相当の間隔を繰返しピッチとして円筒状強磁性体4が連続して設けられた磁性体配列棒3の構造にて、検出ピッチ(電気位相差360度分に対する機械的変位量)が決まる仕組みになっている。ここで、任意のピッチを作るには、そのピッチより逆算して、コイルの幅と、磁性体配列棒3上に繰返し配置される円筒状強磁性体4の配置間隔を決めることになり、ピッチの違いに応じて、コイルの種類が増えることとなる。
方や、本発明の多相励磁方式の場合、或る1種類のコイル幅に対して、信号を任意にN相とることで、(1コイルの幅×N)のピッチを自在に設計出来、コイルの種類が増えるのを抑制出来る効果もある。
【0052】
このように本発明は、インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じて交流信号中に現れる電気位相差より位置変位を検出するインピーダンス型センサの性能に影響を及ぼすことなしに、廉価で簡素、かつ小型な位置変位センサを提供できるものであることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の誘導方式による直線変位検出センサの構成を模式的に示す図である。
【図2】従来の誘導方式による回転変位検出センサの構成を模式的に示す図である。
【図3】図1又は図2の構成を用いて直線変位又は回転角度変位の検出を行う様子を、一括して回路的に示したものである。
【図4】図3の誘導方式におけるトランス構造に代えて、実質上自己インダクタンスL1〜L4のみからなるインピーダンス素子を用いて、同様に直線変位又は回転角度変位の検出を行える様にしたインピーダンス型位置変位センサの回路図である。
【図5】直線変位及び回転変位検出センサの動作波形及び解析手順を示す図であり、(a)は印加電圧ASinωtと、振幅変調された印加電圧信号とを示す電圧波形図、(b)はASinωtのグラフと、特定の位相差(θ,x)を含む正弦波aSin(ωt−θ,x)のグラフとの時間関係を示す波形図、(c)はこれらの波形図の根拠となる数式的推移を示した図である。
【図6】図5(c)にあらわされた操作を具体的に実現する回路のブロック図である。
【図7】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサの構成を模式的に示す図である。
【図8】図7(a)(b)に示す構成がそれぞれ対象とする角度及び直線変位検出の態様を、一括して回路的に示したものである。
【図9】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサの一実施例を示す図である。
【図10】励磁信号をディジタル信号に変えて、図9に示す位置変位センサを構成した例を示す図である。
【図11】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサの別の実施例の構成を示す図である。
【図12】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサの別の実施例の結線図である。
【図13】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサのさらなる他の実施例の構成を示す図である。
【図14】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサのさらなる他の実施例の結線図である。
【符号の説明】
cw 接続点
P 中心軸
1 一次コイル
1’ 一次コイル
2 二次コイル
2’ 二次コイル
3 磁性体配列棒
4 強磁性体
5 極鉄心
6 磁性体偏心板
8 検出ヘッド
9 空隙
10 磁性体偏心板の一部
40 演算回路
60 増幅及び位相検出回路
70 DCカット&フィルタ回路
80 位相検出部
90 増幅部
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体の動きに応じた位置変位を検出するための位置変位センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平9−311038号公報
【特許文献2】特開平10−176925号公報
【特許文献3】特開平10−176926号公報
【特許文献4】実用新案登録第3036285号公報
【0003】
近年、コイル等のインピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じた検出信号を各インピーダンス素子から得ることにより被検体の位置変位を検出する位置変位センサ(例えば、[特許文献1]〜[特許文献4]参照)が開発され、この基本検出原理の応用範囲が広いことから、種々多様な用途への展開が試みられている。
【0004】
上記の位置変位センサは、インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じて交流信号中に現れる電気位相差より、位置変位を検出するものである。その基本検出原理の大略は次の通りである。
まず、この位置変位センサは、その駆動原理から2つに大別される。以下ではこれらをそれぞれ、誘導型、インピーダンス型と称する。いずれの型においても複数のインピーダンス素子が直線状に配列された直線変位検出方式と、円周方向に配列された回転角度検出方式とがあり、誘導型においては、トランスの二次コイルがインピーダンス素子となってこれらの配列が形成される(例えば、[特許文献1]〜[特許文献4]参照)。
【0005】
そこで本発明の対象である、インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じて交流信号中に現れる電気位相差より位置変位を検出する、上記の位置変位センサを容易に理解出来る様、その誘導型位置変位センサについて、まず直線方式の動作原理を図1を用いて説明する。図1の(a)はその外観斜視図、(b)はインピーダンス素子(L1〜L4)と磁性体配列棒(3)の様子を示す図である。図1において、1はソレノイド型一次コイル、2はその内側に同軸配置された二次コイル列であり、ここでは同一規格の4個のコイルL1〜L4が等間隔で配列されている。この二次コイル列はインピーダンス素子として機能するものである。このコイル配列に対しては、各コイル中心軸と同軸、かつ、軸方向に移動自在の関係で、被検体と物理的に結合された磁性体配列棒3が挿入される。磁性体配列棒3には、その直線変位方向に沿って所定のピッチで複数の円筒状強磁性体(磁気応答部材)4が繰り返し設けられている。図1に示す例では、強磁性体4は、コイル配列間隔(隣接コイル中心間距離)の4倍を1ピッチとして繰返し設けられている。磁性体配列棒3の棒軸は顕著な磁性を示さない金属又はプラスチック物質からなる。隣接する強磁性体4同士の間には、空隙9が存在する。
【0006】
各二次コイルL1〜L4には、図の如く正弦波電圧ASinωtが印加された一次コイル1からの相互誘導作用により正弦波電圧が誘起される。ところが、上記磁性体配列棒3と各二次コイルL1〜L4との相対的位置の変化により、一次コイルと各二次コイル間の磁気結合の変化及びそれに伴うインダクタンス変化が生ずることによって、各二次コイルには、上記磁性体配列棒3の直線位置に応じて振幅変調された誘導出力交流信号が、これら各二次コイルの配置のずれに応じて異なる振幅特性で誘起される。図1における磁性体配列棒3の軸方向位置(L1,L3の位置:実質上、それぞれのコイルの軸方向中央部分が強磁性体4と空隙9との境界部分に対応する位置, L2,L4の位置:実質上、L2が強磁性体4の軸方向中央部分に対応し、L4が反磁性体9の軸方向中央部分に対応する位置)をx=0とし、且つ同棒の、図の右方への移動を正方向とすれば、L1−L3差動出力は、誘起される正弦波Sinωtに、変動する係数すなわち位置変位に対応した振幅関数aSinxを掛けた値
aSinxSinωt
となり、L2−L4差動出力は、誘起される正弦波Sinωtに、変動する係数すなわち位置変位に対応した振幅関数aCosxを掛けた値
aCosxSinωt
となる。ここで、振幅関数aSinx,aCosxは、磁性体配列棒3上における強磁性体4の繰返し単位(=1ピッチ変位)を1サイクルとしてそれぞれ変化する。すなわち、上記振幅関数は、1ピッチを2π[rad]として処理し得るものであって、電気位相差360度分に対する機械的変位量が1ピッチに相当する。
【0007】
次に、回転方式の動作原理に付き、図2を用いて説明する。図2に於て二次コイル2’を構成する各コイルL1〜L4は、一次コイル1’の中心軸と平行な中心軸を有しており、一次コイル1’に内接する形で環状・等間隔に配列される。各二次コイルL1〜L4は、それぞれの中心軸と同軸に配置された極鉄心5を有している。これら極鉄心の端面はいずれも、実質的に同一の軸横断面上に揃えられている。又、一次コイルの中心軸(=二次コイル配列の中心軸)と同軸に配置されたシャフトスリーブには、二次コイルの極鉄心5を回転位置に応じて覆うための磁性体偏心板6が支持されている。磁性体偏心板6は、被検体の動きに応じて回転可能な様、被検体と物理的に結合されたものである。磁性体偏心板6は、上記一次コイルの中心軸を回転軸として回転し、それに応じて、実質的に回転軸から最も離れた磁性体偏心板6の一部分10が、順次各二次コイルL1〜L4の極鉄心5上を通過して行く様になっている。
【0008】
各二次コイルL1〜L4には、一次コイル1’との相互誘導により、一次側に印加された正弦波電圧ASinωtに基づく正弦波電圧が誘起されるが、前述した磁性体偏心板6の回転位置に応じた一次コイルと各二次コイル間の磁気結合の変化及びそれに伴うインダクタンス変化が生ずることによって、各二次コイルには、磁性体偏心板6の回転角度変位に応じて振幅変調された誘導出力交流信号が、これら各二次コイルの配置のずれに応じて異なる振幅特性で誘起される。これら各二次コイルに誘起されたコイル端間電圧は、配置関係が180度(逆位相)であるL1−L3の組,及びL2−L4の組において差動的に取出せば、倍化して検出できるということが明らかである。
【0009】
磁性体偏心板6が図2(b)に示される角度位置にあるとき(=実質的に回転軸から最も離れた磁性体偏心板6の一部分10が、中心軸Pから見て水平方向右側にあるとき)における12時方向の角度位置(=L1に対応する位置)をθ=0と定め、かつ、この偏心板6の、図の時計回りの回転を正方向とすれば、二次コイルL1−L3差動出力は、誘起される正弦波Sinωtに、係数すなわち角度変位に対応した振幅関数aSinθを掛けた値、即ち、
aSinθSinωt
となる。一方、L2−L4差動出力は、誘起される正弦波Sinωtに、係数すなわち角度変位に対応した振幅関数aCosθを掛けた値、即ち、
aCosθSinωt
となる。ここで、振幅関数aSinθ,aCosθは、磁性体偏心板6の1回転を1サイクルとしてそれぞれ変化する。したがって、上記振幅関数は、θの360度変位を1ピッチとして、直線方式の場合と同様に処理し得るものである。
【0010】
これらの関係を、直線及び回転角度変位について一括し、回路的に示したものが図3の結線図である。
【0011】
また、同様の関係はL1〜L4を実質上自己インダクタンスのみからなるインピーダンス素子として,これらに正弦波電圧ASinωtを直接加えた場合にも成立する(以下、インピーダンス型と称する)。このことを示したのが図4の回路図である。尚本発明は、直接にはインピーダンス型において、インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じて出力交流信号中に現れる電気位相差より、位置変位を検出する新規のセンサ構造に関するものである。
【0012】
そこで、インピーダンス型においても上記と同様にして得られるインピーダンス素子(コイルL1〜L4)の各端子電圧を、正弦係数の式をX、余弦係数の式をYとすれば、直線変位の場合、回転角度変位の場合ともに、次の様に表すことができる。
X=aSin(θ,x)・Sinωt・・・・・・・式1
Y=aCos(θ,x)・Sinωt・・・・・・・式2
【0013】
これらの式から、実際の被検体の回転角度変位θ(直線変位xについても同様であるため、以下θで説明する)を求める演算回路としては、まず式1及び式2にそれぞれ、0から順次増加するデジタル位相値φの余弦関数Cosφ、及び正弦関数Sinφを乗じていき、
Sinφ・Cosθ−Cosφ・Sinθ=0・・・式3
の時点において、θ=φとしてθを特定する、公知のR−D変換方式が挙げられる(特許文献1〜3参照)。尚、この方式ではφを追従カウントするときのクロック遅れが生じ、応答性の面で改良の余地がある。
【0014】
また、以下の様な方式も従来知られたものである。すなわち、式1におけるSinωtを回路上でCosωtに変換してaSin(θ,x)・Cosωt(式4)を得たのち、三角関数の加法定理を適用することによって、位置変位を位相差として含む正弦波信号aSin(ωt±θ,x)を得、これより被検体の位置変位(θ,x)を求める方式である。下式5に、その様子を示す。以下、この方式を位相差変換方式と称する。
aSin(θ,x)・Cosωt±aCos(θ,x)・Sinωt=aSin(ωt±θ,x) ・・・・・・・式5
【0015】
この位相差変換方式に関し、図5に、動作波形及び解析手順を示す。同図(a)は印加電圧ASinωtと、振幅変調された式1、式2の各右辺の信号の波形図、(b)はASinωtのグラフと特定の位相差(θ,x)を含む図5(c)右辺の正弦波、この場合はaSin(ωt−θ,x)のグラフとの時間関係を示す波形図である。図5(c)は、図5(b)に表された波形図を導き出す根拠となる数式的推移(式4、式5)を示すものである。又図6に、図5(c)の操作を回路上で具体的に実現する演算回路のブロック図を示す。式1、式2で表わされる信号X、Yはそれぞれ、位相検出部80に入力される前に、増幅(増幅度b/a)並びに位相シフト及び加算の各処理が施される。尚図5(b)において、進み位相波aSin(ωt+θ,x)の場合、そのグラフは破線で示した遅れ位相波aSin(ωt−θ,x)のグラフと対称的に、実線で示したASinωtのグラフよりも(θ,x)だけ時間的に先行した正弦波となる。
【0016】
図5(b)のグラフから明らかなとおり、θ又はxを求めるにはASinωtグラフのゼロクロス点から、aSin(ωt−θ,x)又はaSin(ωt+θ,x)グラフのゼロクロス点までの時間をカウントすれば良い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した通り、各インピーダンス素子から得られた、インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じた検出信号を用いて、実際に被検体の位置変位(回転角度変位θ,直線変位x等)を求めるに当たっては、従来、位相シフト回路や加算又は減算回路等のアナログ演算回路を多数必要としており(図6のccに当たる部分,[特許文献1]〜[特許文献3]参照)、これらの実装スペースが必要不可欠となる上、高コスト化にも繋がっていた。又多数の演算回路を経る程、演算結果の出力遅延の可能性が大きくなり、それはセンサの応答性にも関わって来る。
【0018】
従って本発明は、性能に影響を与えることなく、廉価で構造簡単、しかもスペース効率に優れた位置変位センサを提供することを課題とする。
又、本発明は、より応答性に優れた位置変位センサを提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく種々検討を行った結果、従来一相のみで行っていた([特許文献1]〜[特許文献4]参照)各インピーダンス素子への正弦波電圧の印加(=コイルの励磁)に代えて、個々のインピーダンス素子の第1端に独自に、それぞれ位相を変えた励磁信号を印加(多相励磁)し得る、一端が接地電位となる交流電源の他端を接続し、各インピーダンス素子の第2端を一括接続し、各インピーダンス素子がそれらと磁気応答部材との相対的位置の変化に伴ってインピーダンス変化を生ずることによって、一括接続されたインピーダンス素子の第2端において位置変位を位相差として含む出力交流信号(合成対地電位)が取り出される様構成すれば、上記した位相シフト回路や加算又は減算回路等のアナログ演算回路を省略出来ることを見出し、本発明を完成した。
上記課題を解決するため、本発明は複数n個のインピーダンス素子及びこれら各素子に対して相対的に変位可能に非接触的に配置される磁気応答部材を含み、前記磁気応答部材の前記各素子に対する相対的位置に応じた検出信号を前記各素子から得ることにより被検体の位置変位を検出する位置変位センサであって、前記各素子の第1端にそれぞれ位相のずれた交流電圧を印加し得る、一端が接地電位となる交流電源の他端を接続し、前記各素子の第2端をそれぞれ一括接続し、前記各素子がそれらと前記磁気応答部材との相対的位置の変化に伴ってインピーダンス変化を生ずることにより、前記一括接続された前記第2端から、前記位置変位を位相差として含む合成対地電位が取り出される様にし、これを用いて前記磁気応答部材の位置変位を検出することを特徴とする。
又本発明は、上記交流電圧に換え、パルス状の矩形波からなる信号電圧を印加することを特徴とする。
【0020】
本発明において、磁気応答部材は、被検体の動きに応じて軸回転する様になっており、上記各素子は、磁気応答部材の軸回転方向に沿って、磁気応答部材の周りに環状に実質的に等間隔を置いて配置されていても良い。
また、磁気応答部材が、被検体の動きに応じて直線変位する様になっており、かつ、その直線変位方向に沿って所定のピッチで複数繰り返して設けてなっており、さらに、上記各素子が、磁気応答部材の直線変位方向に沿って一直線上に実質的に等間隔を置いて配置されており、かつ、上記各素子が上記1ピッチの範囲内に配置されていても良い。
上記各素子の第1端にそれぞれ印加される交流電圧は、順次2π/n(但しnは素子数)ずつ位相のずれたものであることが好ましい。
【0021】
本発明の構成によれば、電気的に一括接続されたインピーダンス素子の第2端から取り出された合成信号(合成対地電位)は、位置変位を位相差として含んだかたちで得られるので、従来、各インピーダンス素子から得られた検出信号から、実際に被検体の位置変位を求める際に必要とされていたアナログ演算回路(図6に於てccとして表わされた位相シフト回路や加算又は減算回路等)を省略することが出来る。
そのため本発明によれば、上記第2端より得られる合成対地電位から、特別の回路を要することなくダイレクトに位相差検出できるので、回路構成の簡素化、センサの小型化、及びコストの抑制を図ることができる。このとき、センサの検出性能に影響を与えることもない。
【0022】
又本発明は、各インピーダンス素子に加える信号(=励磁信号)を例えば正弦波交流電圧からなるアナログ信号ではなく、いわゆるパルス状の矩形波からなるディジタル信号としても良い。このような構成とすれば煩雑なアナログ回路素子の精度管理が不要となる。又このような構成としても、アナログ正弦波交流信号を各インピーダンス素子に入力した場合と変わらぬ性能を得ることが出来る。
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図7及び図8に基づき説明する。
まず、図7に基づき本発明を直線変位検出センサ及び回転角度検出センサに適用した場合の大まかな構成例を示した後、実際に各インピーダンス素子から得られる信号を用いて直線及び回転角度変位を検出するための電気的接続関係及びその動作を図8に基づき説明する。
【0024】
[構成]
まず、本発明を適用して直線変位検出センサを構成した一実施形態につき、図7(a)に基づき説明する。図7(a)において、8は検出ヘッドであり、ここでは同一規格のn個のインピーダンス素子(コイルL1〜Ln)が、同一の中心軸上に等間隔で一列に配置されている。図1に示した誘導型の場合と異なり、本実施形態に於て説明する位置変位センサはインピーダンス型であるので一次コイルは不要である。このコイル配列に対しては、各コイル中心軸と同軸、かつ、軸方向に移動自在の関係で、被検体と物理的に結合された磁性体配列棒3が挿入される。磁性体配列棒3上には、その直線変位方向に沿って、強磁性体4が所定のピッチで複数繰り返して設けられる。本実施形態では、上記1ピッチの間隔は各コイル配列間隔(隣接コイル中心間距離)のn倍とされる。即ち、各インピーダンス素子は上記1ピッチの範囲内に配置される様構成される。磁性体配列棒3の棒軸は顕著な磁性を示さない金属又はプラスチック物質からなる。尚、上記した従来例の説明同様、図7(a)における磁性体配列棒3の軸方向位置(実質上、L1の軸方向中央部分が強磁性体4と空隙9との境界部分に対応する位置にあるとき)をx=0とし、且つ同棒の、図の右方への移動を正方向とする。
各インピーダンス素子には、それぞれ位相の異なる電圧を印加し得る信号電圧源が接続される。
【0025】
次に、本発明を適用して回転角度検出センサを構成した一実施形態につき、図7(b)に基づき説明する。基本的な構成は、従来例として示した図2(a)に示すものと同様であるが、本実施形態の位置変位センサはインピーダンス型であるので一次コイル1’は不要である。又インピーダンス素子は複数n個からなり、これらより検出ヘッド8は構成される。尚、上記した従来例の説明同様、磁性体偏心板6が図示される角度位置にあるとき(=実質的に回転軸から最も離れた磁性体偏心板6の一部分10が、中心軸Pから見て水平方向右側にあるとき)における12時方向の角度位置(=L1に対応する位置)をθ=0と定め、かつ、この偏心板6の、図の時計回りの回転を正方向とする。
各インピーダンス素子には、それぞれ位相の異なる電圧を印加し得る信号電圧源が接続される。
【0026】
図8は、上記直線変位又は回転角度センサに於て実際に各インピーダンス素子から得られる信号を用いて、直線変位や回転角度を演算して外部に出力するための電気的接続関係を示す結線図である。
図8に示す通り、本実施形態のセンサはL1〜Lnのn個のインピーダンス素子からなる。各素子の第1端(1a〜na)は励磁電圧の入力端であり、それぞれ位相のずれた交流電圧を印加し得る信号電圧源の他端が接続されている。尚各信号電圧源の一端側は全て接地電位とされている。また各素子の第2端(1b〜nb)はそれぞれ一括接続され、後述する合成対地電位の出力端とされる。
i) ここで、各信号電圧源から上記各素子第1端へは、次式で示されるSin波、或いは同等の周期及び位相関係をもつパルス状の矩形波からなり、順次2π/n(但し、nは素子数)ずつ位相のずれた信号電圧が印加される。
【0027】
【数1】
【0028】
ii) 一方、各インピーダンス素子と磁性体配列棒3又は磁性体偏心板6との相対的位置の変化に応じて、各インピーダンス素子の自己インダクタンス即ち各インピーダンス素子のインピーダンスは変化する。このときの、磁性体配列棒3又は磁性体偏心板6の変位による検出ヘッド8中のコイルLiのインピーダンス変化は、各相が上式6に従った形で励磁される結果、次式で表わされるものとなる。
【0029】
【数2】
【0030】
これらの相互作用により、各インピーダンス素子の第2端側が一括接続された点cwからは、位置変位に相当する位相差を含む出力交流信号Vcw=aCos(ωt−θ)を取り出すことが出来る。
この出力交流信号(=合成対地電位)Vcwは、不平衡状態における多相交流の中性点電圧が、重ねの理により各相の出力の合成信号として求められるのと同じ考え方を適用することにより、次式を用いて導き出されるものである。
【0031】
【数3】
【0032】
尚、上式の変形の様子は以下の通りである。すなわち、上式8の右辺を展開し、これに三角関数積和の公式を適用してさらに展開を進めて行けば、下式9が得られるところ、その右辺第1項(▲1▼)、および第2項の後の項(▲3▼)は演算結果が零となるので、最終的には第2項の前の項(▲2▼)のみが残って、式8に表わした結果が得られる(式10)。
【0033】
【数4】
【0034】
式9の右辺第1項(▲1▼)、および第2項の後の項(▲3▼)の演算結果が零となるのは、例えば、前者(▲1▼)に現れるELΣSin{(i−1)×(360/n)}に対し下式11の例を適用することによって導かれるものである。尚、式9の右辺第1項(▲1▼)中にはωtが入るが、上記関係は同様に成立する。後者(▲3▼)も同様の例による。
【0035】
【数5】
【0036】
このように、本発明によれば、複数n個のインピーダンス素子を用い、これら各素子に、それぞれ位相の異なる信号電圧を印加(多相励磁)することで、被検体に物理的に結合された磁性体配列棒3又は磁性体偏心板6の位置変位に応じた位相差成分を含む合成対地電位を、簡素な構成により求めることが出来る。本実施形態においては、各センサはn=3個以上のインピーダンス素子より構成される。
【0037】
各素子の第2端が一括接続された点cwに於て得られた合成対地電位aCos(ωt−θ)は、そのまま増幅及び位相検出回路60に入力され、増幅部90に於て増幅処理(増幅度b/a)される。その後、位相検出部80に於て例えばインピーダンス素子L1に入力した交流信号ESinωtグラフのゼロクロス点から、aCos(ωt−θ)グラフのゼロクロス点までの時間をカウントすることで、これらの位相差(θ)が検出される。得られた位相差は位置変位に相当するものであり、これにより角度変位θ又は直線変位xの検出が実現される。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の位置変位センサの一実施例につき説明する。
まずはじめに、従来例と同様、4個のインピーダンス素子で本発明の位置変位センサを構成した場合について説明する。そののち、インピーダンス素子数n=3個又は5個とし、奇数相励磁により本発明の位置変位センサを構成した場合について説明する。
尚、これから述べる各実施例は、以下に説明する構成を直線変位検出センサ及び回転変位検出センサに適用した例に関するものである。上記従来例及び実施形態と同様、直線変位検出センサの場合、各図中における磁性体配列棒3の軸方向位置(実質上、L1の軸方向中央部分が強磁性体4と空隙9との境界部分に対応する位置にあるとき)をx=0とし、且つ同棒の、図の右方への移動を正方向とする。又回転変位検出センサの場合、磁性体偏心板6が図示される角度位置にあるとき(=実質的に回転軸から最も離れた磁性体偏心板6の一部分10が、中心軸Pから見て水平方向右側にあるとき)における12時方向の角度位置(=L1に対応する位置)をθ=0と定め、かつ、この偏心板6の、図の時計回りの回転を正方向とする。
【0039】
[実施例1] n=4の場合
(実施例1−1) 正弦波交流信号で各相励磁を行った場合
図9は、本発明の位置変位センサの一実施例を表わすブロック図である。インピーダンス素子は、L1〜L4のn=4極のコイルからなる。直線変位検出センサ又は回転角度検出センサを構成する際の各コイルの配置は、図1又は図2に示すのと同様である。但し、本実施例の位置変位センサはインピーダンス型であるので、一次コイル(1,1’)は不要である。これらの第1端(1a〜4a)にはそれぞれ、ωt=90°(=π/2)づつずれた正弦波交流信号(励磁信号)を入力し得る信号電圧源の他端が接続される。各信号電圧源の一端側は全て接地電位とされる。一方、各コイルの第2端(1b〜4b)はそれぞれ一括接続され、相互に電気的に接続される。さらに、一括接続した点cwから信号が取り出されて増幅及び位相検出回路60に入力される。そうすると、被検体の動きに対応して、各コイルL1〜L4対磁性体偏心板6或いは磁性体配列棒3の位置関係で各コイルにおける自己インダクタンスに差が生じるため、コイルL1〜L4の第2端を一括接続した点cwの電位Vcwは、不平衡状態における多相交流の中性点電圧と同様の考え方により、重ねの理を適用して各相の出力の合成信号を考えれば、式8で表わされる合成対地電位
Vcw=aCos(ωt−θ)
が得られる。ここで、Vcwにおけるa=2×E×αで、αは定数である。得られた信号aCos(ωt−θ)は、そのまま増幅及び位相検知回路60に入力され、位相検知処理に用いられる。
【0040】
(実施例1−2) パルス状のディジタル信号で各相励磁を行った場合
上の例と異なり、この実施例では各インピーダンス素子に印加する励磁信号をパルス状の矩形波電圧信号(ディジタル信号)に変えて位相差検出を行う。尚、基本検出原理は上の例と同様である。
図10は、この実施例に係る位置変位センサのブロック図である。各インピーダンス素子L1〜L4の第1端(1a〜4a)にはそれぞれ、ωt=90°(π/2)づつずれたパルス状の矩形波信号(励磁信号)を入力し得る信号電圧源の他端が接続される。各信号電圧源の一端側は全て接地電位とされる。一方、各コイルの第2端(1b〜4b)は、それぞれ一括接続を行うことにより電気的に1つに結合され、その後DCカット&フィルタ70に入力される。ここで、フィルタ70により矩形波1周期の周波数成分のみが抽出される。これは、前述した(実施例1−1)の信号aCos(ωt−θ)の1周期を取り出すことに相当する。本実施例の場合、一括接続した点cwで得られる信号はまだaCos(ωt−θ)ではなく、そのため、点cwで得られる信号を増幅及び位相検出回路60に入力するより先にDCカット&フィルタ回路70に通し、フィルタにより矩形波1周期の周波数成分のみを抽出する。DCカット&フィルタ回路70を経て得られる信号はaCos(ωt−θ)となり、これを(実施例1−1)と同様に増幅及び位相検出回路60に入力して位相検出処理を行う。
【0041】
このように、(実施例1−2)によれば、各インピーダンス素子に対する励磁信号はアナログ信号でなく簡易なディジタル信号で済むため、複雑なアナログ信号回路をさらに削減することができる。この実施例の場合、アナログ信号処理回路はDCカット&フィルタ回路70及びその次段に接続される増幅及び位相検出回路60内の増幅部だけで済む。ディジタル信号処理はアナログ信号処理回路に比して構成が簡単であり、また低コストである。
【0042】
[実施例2] n=3の場合
次に、n=3の場合に付いて説明する。図11(a)(b)はn=3として直線変位検出センサ又回転角度変位センサを構成した場合の一例を示す図、図12はこのときの回路構成を示すブロック図である。
【0043】
図11又は図12に示す通り、インピーダンス素子となる各コイル(L1〜L3)の第1端(1a〜3a)にはそれぞれ、ωt=120°(=2π/3)づつずれた励磁信号を入力し得る信号電圧源の他端が接続される。励磁信号は、正弦波交流信号或いはパルス状の矩形波信号であり、各信号電圧源の一端は接地電位とされる。一方、各コイルの第2端(1b〜3b)はそれぞれ一括接続され、相互に電気的に接続される。励磁信号としてパルス状の矩形波信号を用いた場合には、接続点cwにおいて得られた信号はその後DCカット&フィルタ70に入力される。ここで、フィルタにより矩形波1周期の周波数成分のみ、即ち正弦波aCos(ωt−θ)の1周期が抽出される。その後、信号aCos(ωt−θ)[合成対地電位,但しa=1.5×E×α, αは定数]を増幅及び位相検出回路60に入力して位相検知処理を行う点についてはいずれの励磁信号を用いた場合も同様であり、その詳細は上記実施形態で説明した通りである。
【0044】
[実施例3] n=5の場合
さらに、n=5の場合に付いて説明する。図13(a)(b)はn=5として直線変位検出センサ又回転角度変位センサを構成した場合の一例を示す図、図14はこのときの回路構成を示すブロック図である。
【0045】
図13又は図14に示す通り、インピーダンス素子となる各コイル(L1〜L5)の第1端(1a〜5a)にはそれぞれ、ωt=72°(=2π/5)づつずれた励磁信号を入力し得る信号電圧源の他端が接続される。励磁信号は、正弦波交流信号或いはパルス状の矩形波信号であり、各信号電圧源の一端は接地電位とされる。一方、各コイルの第2端(1b〜5b)はそれぞれ一括接続され、相互に電気的に接続される。励磁信号としてパルス状の矩形波信号を使用した場合には、接続点cwにおいて得られた信号はその後DCカット&フィルタ70に入力される。ここで、フィルタにより矩形波1周期の周波数成分のみ、即ち正弦波aCos(ωt−θ)の1周期が抽出される。その後、信号aCos(ωt−θ)[合成対地電位,但しa=2.5×E×α, αは定数]を増幅及び位相検出回路60に入力して位相検知処理を行う点についてはいずれの励磁信号を用いた場合も同様であり、その詳細は上記実施形態で説明した通りである。
【0046】
かくして、上記各実施例に示した構成を、実際に直線変位検出センサ及び回転変位検出センサをはじめとした位置変位センサに適用すれば、位相検出部80より出力された位相差θは、すなわち回転変位検出センサにおける角度変位θ(あるいは、直線変位検出センサにおける直線変位x)に相当する。このとき、例えば、1ピッチ(θ=360度、x=10mm)を216=65536分割する16ビット処理を行えば、角度の場合なら360/65536≒0.0055[度]の分解能、10mmピッチの直線変位の場合なら10000/65536≒0.15[μm]の分解能を得ることができる。このように、本発明は何ら検出性能を損なわないものである。
【0047】
尚、各インピーダンス素子の数及び配置は上記実施例に記載するものに限られず、様々な設計変更が可能である。さらにインピーダンス素子は、コイルに限らず例えば磁気抵抗素子(MR)等であっても良い。但し、各インピーダンス素子として磁気抵抗素子を使用する場合は、特開2000−292113号公報等にも記載されている様に、各磁気抵抗素子にバイアス磁界(フィールド磁界)を別途加えることが必要である。上記各例では、磁性体配列棒3の棒軸は顕著な磁性を示さない金属又はプラスチック物質からなっているが、その他、磁性体配列棒3上に連続して設けられる各強磁性体4同士の間には、空隙9に代えて反磁性体が設けられても良い。又磁性体配列棒3の棒軸は中空のものであっても良い。
【0048】
上記各例において、被検体は磁性体配列棒3又は磁性体偏心板6と物理的に結合されているが、本発明の位置変位センサは各インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置から被検体の位置変位を検出するものであるので、被検体は各インピーダンス素子が取付けられる側に物理的に結合されていても別に構わない。
又、上記各例に於ては、各インピーダンス素子に印加される信号電圧は、順次2π/n(但し、nは素子数)ずつ位相がずらされているが、必ずしもこれに限定されない。順次2π/nずつ位相がずれたものでない信号を用いて各相励磁を行う場合、位相検知部80に於て適宜補正演算を施せば、正確な位置変位を求めることが出来る。
【0049】
尚、上記(実施例1−2)に於て励磁信号として用いたデジタル信号は、位相差検出その他センサの制御用に使用されているマイクロコンピュータより直接出力させることも可能である。或いはまた、マイクロコンピュータからの出力信号を適宜ディジタル信号処理してから各インピーダンス素子に印加することもできる。
その他、本発明の位置変位センサは、上記の直線変位センサ、或いは回転角度位置変位センサに限られず、例えば特許文献1〜3に有る様な傾斜センサにも適用可能であることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサによれば、従来と変わらない精度(分解能)で直線変位や回転角度さらには傾斜角度の検出ができる一方で、アナログ演算回路素子の実装数を減らせるので製造コストや製造時間の圧縮が出来る。さらに、各インピーダンス素子への電圧印加をディジタル信号により行うことも出来るので、センサの精度管理を行う上でも有利に働くこと必至である。
【0051】
また、励磁相数の多少に関連して、例えば図1に示す様な直線型センサの場合、従来知られた1相励磁4コイル方式では、検出ヘッドを構成する4コイルの幅、およびこれと同じ幅相当の間隔を繰返しピッチとして円筒状強磁性体4が連続して設けられた磁性体配列棒3の構造にて、検出ピッチ(電気位相差360度分に対する機械的変位量)が決まる仕組みになっている。ここで、任意のピッチを作るには、そのピッチより逆算して、コイルの幅と、磁性体配列棒3上に繰返し配置される円筒状強磁性体4の配置間隔を決めることになり、ピッチの違いに応じて、コイルの種類が増えることとなる。
方や、本発明の多相励磁方式の場合、或る1種類のコイル幅に対して、信号を任意にN相とることで、(1コイルの幅×N)のピッチを自在に設計出来、コイルの種類が増えるのを抑制出来る効果もある。
【0052】
このように本発明は、インピーダンス素子と磁気応答部材との相対的位置に応じて交流信号中に現れる電気位相差より位置変位を検出するインピーダンス型センサの性能に影響を及ぼすことなしに、廉価で簡素、かつ小型な位置変位センサを提供できるものであることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の誘導方式による直線変位検出センサの構成を模式的に示す図である。
【図2】従来の誘導方式による回転変位検出センサの構成を模式的に示す図である。
【図3】図1又は図2の構成を用いて直線変位又は回転角度変位の検出を行う様子を、一括して回路的に示したものである。
【図4】図3の誘導方式におけるトランス構造に代えて、実質上自己インダクタンスL1〜L4のみからなるインピーダンス素子を用いて、同様に直線変位又は回転角度変位の検出を行える様にしたインピーダンス型位置変位センサの回路図である。
【図5】直線変位及び回転変位検出センサの動作波形及び解析手順を示す図であり、(a)は印加電圧ASinωtと、振幅変調された印加電圧信号とを示す電圧波形図、(b)はASinωtのグラフと、特定の位相差(θ,x)を含む正弦波aSin(ωt−θ,x)のグラフとの時間関係を示す波形図、(c)はこれらの波形図の根拠となる数式的推移を示した図である。
【図6】図5(c)にあらわされた操作を具体的に実現する回路のブロック図である。
【図7】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサの構成を模式的に示す図である。
【図8】図7(a)(b)に示す構成がそれぞれ対象とする角度及び直線変位検出の態様を、一括して回路的に示したものである。
【図9】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサの一実施例を示す図である。
【図10】励磁信号をディジタル信号に変えて、図9に示す位置変位センサを構成した例を示す図である。
【図11】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサの別の実施例の構成を示す図である。
【図12】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサの別の実施例の結線図である。
【図13】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサのさらなる他の実施例の構成を示す図である。
【図14】本発明の多相励磁位相差検知方式を用いた位置変位センサのさらなる他の実施例の結線図である。
【符号の説明】
cw 接続点
P 中心軸
1 一次コイル
1’ 一次コイル
2 二次コイル
2’ 二次コイル
3 磁性体配列棒
4 強磁性体
5 極鉄心
6 磁性体偏心板
8 検出ヘッド
9 空隙
10 磁性体偏心板の一部
40 演算回路
60 増幅及び位相検出回路
70 DCカット&フィルタ回路
80 位相検出部
90 増幅部
Claims (4)
- 複数n個のインピーダンス素子及びこれら各素子に対して相対的に変位可能に非接触的に配置される磁気応答部材を含み、
前記磁気応答部材の各素子に対する相対的位置に応じた検出信号を前記各素子から得ることにより被検体の位置変位を検出する位置変位センサであって、
前記各素子の第1端に、それぞれ位相のずれた交流電圧を供給する交流電源を接続し、
前記各素子の第2端をそれぞれ一括接続し、
この一括接続された第2端から、
前記各素子と前記磁気応答部材との相対的位置の変化に伴うインピーダンス変化に対応した位相差をもつ交流信号を取り出し、
これを用いて前記磁気応答部材の位置変位を検出することを特徴とする位置変位センサ。 - 前記磁気応答部材は前記被検体の動きに応じて軸回転する様になっており、
前記各素子は、前記磁気応答部材の軸回転方向に沿って、前記磁気応答部材の周りに環状に実質的に等間隔を置いて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の位置変位センサ。 - 前記磁気応答部材は、前記被検体の動きに応じて直線変位する様になっており、かつ、その直線変位方向に沿って所定のピッチで複数繰り返して設けてなり、
前記各素子は、前記磁気応答部材の直線変位方向に沿って一直線上に実質的に等間隔を置いて配置されており、かつ、前記各素子は前記1ピッチの範囲内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の位置変位センサ。 - 前記交流電圧に換え、パルス状の矩形波からなる信号電圧を印加することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の位置変位センサ。
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