JP7004914B2 - ボウルフィーダ - Google Patents

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Description

本発明は、ワーク搬送装置(パーツフィーダ)、特にボウルフィーダに関するものである。
電子チップ部品等の小型のワークを振動によって搬送しながら整列させて次工程に供給するワーク搬送装置(パーツフィーダ)として、直線状に延伸する搬送路に沿ってワークを搬送するリニアフィーダと、リニアフィーダの上流側に接続されるボウルフィーダとを備えた装置が知られている。このようなパーツフィーダには、ワークの微細化に対応するために、弾性振動により進行波を利用してワークを搬送するものがある(例えば特許文献1参照)。このような進行波を利用したボウルフィーダは、ボウル状をなすボウル搬送部の内部(内周面)に形成した螺旋状の搬送トラックに沿って、ワークをボウル搬送部の内周側(中央側)から外周側(外側)に向かって搬送可能な構造を有している。
進行波を利用したボウルフィーダでは、生成される弾性振動の振幅がボウル搬送部の内周側(中央側)と外周側(外側)で異なり、一般的にはボウル搬送部の中心に近い内側の振幅が外側の振幅よりも小さくなる。これは、ボウル搬送部の中央部を支持台に固定している構造(固定部をボウル搬送部の中央部に設定した構造)に起因するものと考えられるが、ボウル搬送部のうち中央部以外の部分を固定部に設定したボウルフィーダであっても、内周側の振幅が外周側の振幅よりも小さいことを本発明者らは確認している。
特開2018-100139号公報
そして、内周側の振幅が外周側の振幅よりも小さいボウル搬送部を用いて、ワークをボウル搬送部の内周側から外周側に向かって螺旋状に搬送するボウルフィーダの構成では、螺旋状の搬送トラックの上流側におけるワークの搬送速度は相対的に遅く、搬送トラックの下流側におけるワークの搬送速度が相対的に速いという現象が生じる。その結果、搬送トラックの上流側におけるワーク搬送速度に依存してワーク供給量が少なくなるという問題や、搬送トラックの上流側においてワーク同士が隙間無く搬送されていても、搬送トラックの下流側においてワーク同士が離間し、ボウルフィーダによるワーク供給量(換言すれば、ボウルフィーダからのワークの排出量)にばらつきが生じる等の問題があった。
なお、ボウル搬送部における内周側と外周側との振幅差を解消するように構成されたボウルフィーダも案出されているが、構造の複雑化を招来することに加えて、振幅差を完全に無くして搬送トラック全体におけるワーク搬送速度を一定にすることは困難である。
また、板バネを駆動源として用いてボウル搬送部全体を斜め方向に振動させることでワークを搬送するボウルフィーダであっても、内周側の振幅が外周側の振幅よりも小さく、この振幅差によって、搬送トラックの下流側におけるワーク搬送速度が搬送トラックの上流側におけるワーク搬送速度よりも速く、上述と同様の問題が生じることが、本発明者の研究により分かってきた。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、主たる目的は、ボウル搬送部の内周側(径方向内側)から外周側(径方向外側)に向かって延伸する搬送トラックに沿ってワークを移動させる構成において、搬送トラックの上流側におけるワーク搬送量を増大しつつ、ワーク同士が離間し易い搬送トラックの下流側においてワーク同士の隙間をゼロまたはゼロに近い状態でワークを相対的に速い搬送速度で搬送することで、所定の供給先への単位時間あたりのワーク供給量の増大化を実現可能なボウルフィーダを提供することにある。
すなわち本発明は、搬送トラックを有するボウル搬送部と、搬送対象物であるワークを搬送トラックに沿って搬送する振動を起こす加振源とを備え、ワークを搬送トラックの終端に向かって移動させながら所定の搬送先に搬送可能なボウルフィーダに関する。
そして、本発明に係るボウルフィーダは、搬送トラックとして、ボウル搬送部の径方向内側から径方向外側に向かって螺旋状に延伸する複数条の螺旋トラックと、当該搬送トラックの終端に連続する所定部分に設けられる速度調整用トラックとを有し、各螺旋トラックの終端を速度調整用トラックに合流させ、螺旋トラックの螺旋中心を中心とする速度調整用トラックの径の増加率を、螺旋トラックの螺旋中心を中心とする当該螺旋トラックの径の増加率よりも小さい値に設定し、且つ、速度調整用トラックの終端が、螺旋トラックをその螺旋軌跡を辿って速度調整用トラックの終端まで延伸させた仮想上の終端よりもボウル搬送部の中心に近い位置に位置付けられており、螺旋中心から速度調整用トラックまでの距離に基づく速度調整用トラックの径の増加率を、螺旋中心から各螺旋トラックまでの距離に基づく螺旋トラックの径の増加率以下に設定していることを特徴としている。
ここで、本発明における速度調整用トラックは、各螺旋トラックの始端よりもボウル搬送部の径方向外側に設けられたものである。したがって、速度調整用トラックにおける振幅は、螺旋トラックの始端近傍における振幅よりも大きく、速度調整用トラックにおけるワーク搬送速度が螺旋トラックの始端近傍におけるワーク搬送速度よりも速くなる。この事象を利用し、本発明に係るボウルフィーダでは、搬送トラックの上流側を複数条の螺旋トラックを用いて構成することで、ワークの搬送速度が相対的に遅い搬送トラックの上流側におけるワーク搬送量を増大させるとともに、搬送トラックの下流側を速度調整用トラックを用いて構成し、この速度調整用トラックに各螺旋トラックの終端を合流させる構造を採用したことによって、各螺旋トラックに沿って搬送されたワークを速度調整用トラックに受け渡し、速度調整用トラックにおいて各ワークを、螺旋トラックの始端近傍におけるワーク搬送速度よりも速い搬送速度で搬送トラックの終端まで搬送することができ、所定の搬送先に大量且つ一定のワークを安定して供給することができる。
また、ボウル搬送部の径方向内側から径方向外側に向かって螺旋状に延伸する各螺旋トラックにおけるワーク搬送速度は、始端に近いほど相対的に遅く、終端(速度調整用トラックに合流する部分)に近いほど相対的に速くなり、各螺旋トラックの始端近傍においてワーク同士を搬送方向に隙間のない状態で搬送した場合であっても、各螺旋トラックの終端近傍ではワーク同士が搬送方向に離間する傾向がある。本発明に係るボウルフィーダは、この傾向に着目し、各螺旋トラックの終端近傍において搬送方向に離間しているワークの隙間を埋めるように、トラックの合流地点でワークが合流するように構成することで、速度調整用トラック上でワークを搬送方向に隙間の無い状態または略無い状態で搬送することができ、時間単位あたりのワーク搬送量を増大することができる。特に、本発明では、ボウル搬送部の径方向内側から径方向外側に向かって螺旋径が大きくなる螺旋部分を有する螺旋トラックと速度調整用トラックの平面視における径の増加率に着目した場合、螺旋トラックの螺旋中心を中心とする速度調整用トラックの径の増加率(平面視における速度調整用トラックの径の増加率)を、螺旋トラックの螺旋中心を中心とする螺旋トラックの径の増加率(平面視における螺旋トラックの径の増加率)よりも小さい値に設定しているため、速度調整用トラックの終端が、螺旋トラックをその螺旋軌跡を辿って速度調整用トラックの終端まで延伸させた終端(螺旋トラックの仮想上の終端)よりも螺旋中心(ボウル搬送部の中心)に近い位置になる。このような構成により、速度調整用トラックの終端における振幅は、螺旋トラックの終端近傍における振幅と比較して、同程度であるかまたは小さいため、速度調整用トラックにおけるワーク搬送速度が螺旋トラックの終端近傍におけるワーク搬送速度以下になる。したがって、螺旋トラックの終端近傍において搬送方向に隙間のある状態でワークであっても速度調整用トラックに合流後に、この速度調整用トラック上で搬送方向に隙間の無い状態または略無い状態になり、搬送トラックの終端から所定の搬送先に向かって一定供給することが可能になる。なお、搬送トラックの終端に連続する速度調整用トラックの終端を判別し難い場合には、搬送トラックの終端近傍において螺旋トラックの仮想上の終端よりもボウル搬送部の中心から遠くなる方向(径方向外側)へ延伸する部分と、当該径方向外側へ延伸する部分よりも搬送方向上流側の部分との境界を速度調整用トラックの終端であると規定することができる。
本発明における速度調整用トラックの好適な一例として、ボウル搬送部の中心を中心点とする同一半径の部分円弧状をなす定径トラックを挙げることができる。このような定径トラックであれば、ワーク搬送速度を一定に維持することができり、この定径トラック上で搬送方向におけるワーク同士の距離が大きくなる(ワークの離間)事象の発生を防止して、より一層安定したワークの一定供給処理を実現できる。
特に、本発明に係るボウルフィーダは、螺旋トラックが速度調整用トラックに合流する部分において、螺旋トラックを速度調整用トラックよりも高位置に設定し、当該高位置に設定した螺旋トラックから速度調整用トラックに向けてワークが移載するように構成することによって、合流地点においてワーク同士が同じ高さ位置で接触することに起因して搬送トラック外へ押し出されるという不具合を防止・抑制することができ、トラックの合流地点におけるワークの合流をスムーズに行うことが可能である。
本発明に係るボウルフィーダでは、同一形状の螺旋トラックを複数条設け、平面視において各螺旋トラックの始端を、ボウル搬送部の中心に一致する中心点を共有する同一半径の円周上であって且つ相互に重ならない位置に設定すると、各螺旋トラックの始端から終端に向かって搬送するワークの搬送速度や搬送時の挙動を揃えることができ、例えば、何れかの1つの螺旋トラックから速度調整用トラックに乗り継ぐワークの量が、他の螺旋トラックから速度調整用トラックに乗り継ぐワークの量よりも際立って多くなるという現象を回避することができる。
本発明における加振源の一例として、ワークを搬送トラックに沿って搬送する進行波をボウル搬送部に発生させるものを挙げることができる。なお、本発明のボウルフィーダは、進行波方式の振動でワークを搬送トラックに沿って搬送させるものに限定されず、板バネを用いた共振作用でワークを搬送トラックに沿って搬送させるものであっても構わない。
本発明に係るボウルフィーダの導入現場によっては、ボウル搬送部の搬送トラック終端からワークが重なった状態で所定の搬送先に搬送されることを許容しない場合がある。このような場合には、複数重なった状態にあるワークを搬送トラックから排除する排除部を搬送トラックの終端または終端近傍に設けたボウルフィーダを適用することで、好適に対応することができる。なお、本発明におけるワークとしては、例えば電子部品などの微小部品を挙げることができるが、電子部品以外の物品であってもよい。
本発明によれば、搬送対象物であるワークをボウルの内周面に形成した螺旋状の搬送トラックに沿って搬送する際、ボウルの径方向内側と径方向外側との振幅差に起因して相対的にワーク搬送速度が速くなる下流側の搬送トラックを速度調整用トラックで構成し、相対的にワーク搬送速度が遅くなる上流側の搬送トラックを複数の螺旋トラックで構成し、各螺旋トラックの終端を速度調整用トラックに合流させるという斬新な技術的思想に基づき、搬送トラックの上流側におけるワーク搬送速度の不足を、複数の螺旋トラックを利用することでワーク搬送量を増大させることで補い、大量のワーク供給が可能になるとともに、各螺旋トラックで搬送したワークを速度調整用トラックに引き渡して搬送先まで搬送することができ、速度調整用トラック上においてワークを搬送方向に隙間の無い状態で搬送することも可能になり、ばらつきのない一定の供給量を確保し、ワーク供給量の増大化及び安定化を実現可能なボウルフィーダを提供できる。特に、本発明によれば、ボウルフィーダにおけるボウル搬送部の径方向内側と径方向外側との振幅差を解消するような複雑な設計が要求されず、設計上の制約が減少し、設計が容易になる。
本発明の一実施形態に係るボウルフィーダを備えたワーク搬送装置の全体図。 同実施形態に係るボウルフィーダの全体平面図。 同実施形態に係るボウルフィーダとリニアフィーダの接続部分の拡大図。 同実施形態におけるトラック合流部分におけるワークの挙動を模式的に示す図。 同実施形態に係るボウルフィーダに進行波発生させる駆動手段の構成図。 同実施形態に係るボウル搬送部及びリニア搬送部の進行波解析図。 搬送部の弾性変形を経時的に示す模式図。 図2を用いて本発明における「径の増加率」の定義を説明する図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るボウルフィーダBは、例えば図1乃至図3に示すように、リニアフィーダLと組み合わせてパーツフィーダXとして利用可能なものである。図1はパーツフィーダXの全体図であり、図2はパーツフィーダXの一部を拡大した平面図(具体的にはボウルフィーダBの全体平面図及びリニアフィーダLの一部平面図)であり、図3は、ボウルフィーダBとリニアフィーダLの接続部分の拡大図である。なお、本実施形態に係るボウルフィーダBは、リニアフィーダLと組み合わせずにボウルフィーダ単体でパーツフィーダとして利用することも可能である。
ボウルフィーダBは、図1及び図2に示すように、内周面に螺旋状の搬送トラック11を有するボウル状の搬送部(ボウル搬送部1)と、ボウル搬送部1(具体的には搬送トラック11の搬送面)に進行波を発生させる駆動手段2(本発明の「加振源」に相当、図5参照)とを備え、搬送対象物であるワークW(図4参照)を進行波により搬送トラック11に沿って移動させながら所定の供給先(本実施形態ではリニアフィーダLのメイントラック31の上流端31S)に搬送する装置である。
全体としてボウル状の形態をなす有底のボウル搬送部1は、例えば押え板1Pを介して止着具1Nにより底部中央部分を台座(図示省略)に固定し、底部中央部分以外の部位を台座から離間させた状態にある。本実施形態のボウル搬送部1は、台座に固定した固定部の周囲にワーク溜まりとして機能する貯留部12と、貯留部12に連続する位置に設定した始端11S(後述する螺旋トラックの始端15AS,15BS)から径方向外側に向かって延伸する搬送トラック11とを備えている。なお、ボウル搬送部1を支持する台座は、後述するリニア搬送部を支持する台座DLと共通の支持ベースD上に設けられている。ボウル搬送部1は、進行波を生成する弾性部材を用いて構成されたものである。
貯留部12は、ボウル搬送部1の中央部分に向かって登り勾配で傾斜する切頭円錐面121と、切頭円錐面121の外周に設定した内側リング状フラット面122とを有し、所定方向から貯留部12に投入されたワークWを切頭円錐面121から内側リング状フラット面122に滑らせて溜めることが可能なものである。内側リング状フラット面122は、ボウル搬送部1の中心1Cを中心点とする所定半径を有するリング状の平滑な面である(図2参照)。
本実施形態のボウル搬送部1は、貯留部12の外周縁(本実施形態では内側リング状フラット面122の外周縁)から径方向外側に向かって登り勾配で傾斜する逆円錐面13と、逆円錐面13の外側に設定した平坦な外側リング状フラット面14とを有し、逆円錐面13に搬送トラック11の大部分(後述する螺旋トラック15A,15B及び速度調整用トラック16)を形成し、搬送トラック11の終端11E(本実施形態では平面視湾曲状の終端トラック、出口部分)を逆円錐面13から外側リング状フラット面14に亘る比較的短い領域に形成している。外側リング状フラット面14は、ボウル搬送部1の中心1Cを中心点とする所定半径を有するリング状の平滑な面である。
搬送トラック11は、貯留部12に連続する始端から径方向外側に向かって螺旋状に延伸する複数条の螺旋トラック(本実施形態では、二条の螺旋トラック15A,15B)と、搬送トラック11の終端11Eに連続する所定部分に設けられた速度調整用トラック16とを有し、各螺旋トラック15A,15Bの終端15AE,15BEを速度調整用トラック16に合流させたものである。
複数条の螺旋トラック15A,15Bは、図2に示すように、平面視における形状が同一または略同一であり、各螺旋トラック15A,15Bの始端15AS,15BSを、ボウル搬送部1の中心1Cに一致する中心点を共有する同一半径の円周上であって且つ相互に重ならない位置に設定している。本実施形態では、二条の螺旋トラック15A,15Bのうち一方の螺旋トラック15Bの始端15BSを他方の螺旋トラック15Aに対して螺旋の延伸方向(以下、「螺旋方向R」)に所定角度回転させてずらした位置に設定している。したがって、一方の螺旋トラック15Bの始端15BSは、他方の螺旋トラック15Aの始端15ASから螺旋方向Rに所定角度回転した位置にあり、一方の螺旋トラック15Bは、他方の螺旋15Aの途中部分(他方の螺旋トラック15Aの始端15ASから螺旋方向Rに所定角度回転した部分)から当該他方の螺旋トラック15Aと並走するような形態で螺旋状に延伸する。以下の説明では、これら二条の螺旋トラック15A,15Bのうち、上述の説明における「他方の螺旋トラック15A」を「基準螺旋トラック15A」と称し、「一方の螺旋トラック15B」を「追加螺旋トラック15B」と称す。なお、螺旋方向Rは、各螺旋トラック15A,15BにおけるワークWの搬送方向Fと同一方向である。各螺旋トラック15A,15Bの螺旋中心は、ボウル搬送部1の中心1Cに一致している。
速度調整用トラック16は、ボウル搬送部1の外周縁に近い位置(具体的には逆円錐面13のうち外側リング状フラット面14との境界部分に近い位置)に設けられた一定の半径をなす部分円弧状の定径トラックである。定径トラック16は、ボウル搬送部1の中心1Cを中心点とする同一半径の部分円弧状をなすトラックである。すなわち、定径トラック16は、ボウル搬送部1において螺旋トラック15A,15Bよりも径方向外側に形成された部分円弧状のトラックである。図2及び図3に示すように、定径トラック16の終端16Eは、搬送トラック11の終端11E(終端トラック、出口部分)に連続しており、定径トラック16の始端16Sは、二条の螺旋トラック15A,15Bの終端15AE,15BEと連続している。定径トラック16の始端16Sと、二条の螺旋トラック15A,15Bの終端15AE,15BEが連続する部分はトラックの合流地点Jである。なお、本実施形態では、搬送トラック11の終端11E(終端トラック、出口部分)を、定径トラック16の終端16Eからボウル搬送部1の径方向外側に向かって延伸し且つ外側リング状フラット面14を横切る形状に設定している。したがって、定径トラック16(速度調整用トラック)の終端16Eと搬送トラック11の終端11E(終端トラック、出口部分)との境界は明確に規定できる。
また、本実施形態の搬送トラック11は、二条の螺旋トラック15A,15Bのうち基準螺旋トラック15Aの下流端側の所定領域を定径トラック16と円心が一致する同一径の部分円弧状に設定している。したがって、基準螺旋トラック15Aのうち部分円弧状の部分を「定径トラック16(速度調整用トラック)」の一部として見做すこともできるが、本実施形態では、搬送トラック11のうち二条の螺旋トラック15A,15B同士が合流する部分(上述の合流地点Jと一致)以降の搬送方向F下流部分を「定径トラック16(速度調整用トラック)」とする。追加螺旋トラック15Bには、定径トラック16と同じ径の部分円弧状部分を設定していない。ここで、二条の螺旋トラック15A,15Bの螺旋中心は、ボウル搬送部1の中心1Cに一致し、定径トラック16(速度調整用トラック)の終端16Eから螺旋トラック15A,15Bの螺旋中心までの距離d1が、各螺旋トラック15A,15Bの終端15AE,15BEから螺旋トラック15A,15Bの螺旋中心までの距離d2以下に設定している。具体的には、定径トラック16(速度調整用トラック)の終端16Eから螺旋トラック15A,15Bの螺旋中心までの距離d1が、各螺旋トラック15A,15Bの終端15AE,15BEから螺旋トラック15A,15Bの螺旋中心までの距離d2と一致または略一致している。したがって、定径トラック16(速度調整用トラック)の終端16Eにおける振幅は、各螺旋トラック15A,15Bの終端15AE,15BE近傍における振幅と同程度である。なお、基準螺旋トラック15Aのうち定径トラック16と円心が一致する同一径の部分円弧状に設定している下流端側の所定領域を「定径トラック16(速度調整用トラック)」の一部と見做した場合、基準螺旋トラック15Aの終端は、螺旋部分の終端と見做すことができ、この「基準螺旋トラック15Aの終端を定径トラック16(速度調整用トラック)に合流させている」構成は、本発明の搬送トラックに関する構成要件に該当する構成である。
図4に模式的に示すように、搬送トラック1のうち追加螺旋トラック15Bが定径トラック16に合流する部分では、定径トラック16と追加螺旋トラック15Bに高低差(段差)を設け、相対的に高位置に設定した一方のトラック(図示例では追加螺旋トラック15B)から相対的に低位置に設定した他方のトラック(図示例では定径トラック16)に向けてワークWが移載するように構成している。なお、定径トラック16の始端16Sは基準螺旋トラック15Aの終端15AEと同じ高さ位置であり、定径トラック16の始端16S及び基準螺旋トラック15Aの終端15AEは相互に滑らかに連続している。同図(a)は、追加螺旋トラック15Bが定径トラック16に合流する部分(合流地点J)を、ワークWの搬送方向F正面から見た模式図であり、同図(b)は、相対的に高位置に設定した一方のトラック(図示例では追加螺旋トラック15B)から相対的に低位置に設定した他方のトラック(図示例では定径トラック16)に向けてワークWが合流する様子を誇張して模式的に示したものである。
定径トラック16を追加螺旋トラック15Bよりもボウル搬送部1の径方向外側に形成している本実施形態では、合流部分J近傍におけるワークWの搬送速度に着目すると、定径トラック16上を移動するワークWの搬送速度が追加螺旋トラック15B上を移動するワークWの搬送速度よりも速く、ワーク搬送速度が遅い方のトラック(図示例では追加螺旋トラック15B)からワーク搬送速度が速い方のトラック(図示例では定径トラック16)にワークWを移載するように構成している。なお、合流部分Jにおいて、ワーク搬送速度が相対的に速い方のトラック(相対的に径方向外周側のトラック)を、相対的に遅い方のトラック(相対的に径方向内周側のトラック)よりも高位置に設定し、ワーク搬送速度が相対的に速い方のトラックからワーク搬送速度が相対的に遅い方のトラックにワークWを移載するように構成することもできる。
本実施形態に係るボウルフィーダBでは、ボウル搬送部1の径方向内側から径方向外側に向かって螺旋状に延伸する各螺旋トラック15A,15Bにおけるワーク搬送速度は、始端15AS,15BSに近いほど相対的に遅く、終端15AE,15BE(定径トラック16に合流する部分J)に近いほど相対的に速くなり、各螺旋トラック15A,15Bの始端15AS,15BS近傍においてワークW同士を搬送方向Fに隙間の無い状態で搬送し始めた場合であっても、各螺旋トラック15A,15Bの終端15AE,15BE近傍ではワークW同士が搬送方向Fに離間する傾向がある。そこで、本実施形態に係るボウルフィーダBは、図4(b)に示すように、基準螺旋トラック15Aに段差無く連続する定径トラック16に対して追加螺旋トラック15Bが合流する部分Jにおいて、搬送方向Fに離間している基準螺旋トラック15A上のワークW同士の隙間を埋めるように追加螺旋トラック15BからワークWを移動させることによって、定径トラック16上でワークWを搬送方向Fに隙間の無い状態または略無い状態で搬送することができ、時間単位あたりのワーク搬送量を増大することができる。
各螺旋トラック15A,15Bは、始端15AS,15BSから終端15AE,15BEに亘って螺旋状に1回以上周回する形状または略1周周回する形状に設定されている。なお、下流端側の所定領域を定径トラック16(速度調整用トラック)と同じ径の部分円弧状に設定した基準螺旋トラック15A及び定径トラック16(速度調整用トラック)を搬送トラック11のメイントラック(本流トラック)として捉え、追加螺旋トラック15Bを、終端がメイントラックの定径トラック16(速度調整用トラック)に合流するサブトラック(支流トラック)として捉えることも可能である。この場合、合流部分においてメイントラックとサブトラックに高低差を設定し、相対的に高い方のトラックから相対的に低い方のトラックにワークWが移載するように構成することができる。
本実施形態のボウルフィーダBは、図3に示すように、搬送トラック11の終端11E近傍に、複数重なった状態にあるワークWを搬送トラック11から排除する排除部17を設けている。排除部17は、搬送トラック11の終端11E近傍を通過するワークWのうち複数重なったワークWのみ(例えば2段状に重なったワークWのうち上側のワークWのみ)をエア噴射孔171から噴射するエアによって搬送トラック11から排除するものである。排除部17によって排除されたワークWは貯留部12または螺旋トラック15A,15Bの上流側に戻される。
搬送トラック11のうち二条の螺旋トラック15A,15Bは、ボウル搬送部1の内側リング状フラット面122及び逆円錐面13に溝を凹設することによって構成され、定径トラック16は、ボウル搬送部1の逆円錐面13に溝を凹設することによって構成され、搬送トラック11の終端11E(出口部分)は、逆円錐面13及び外側リング状フラット面14に溝を凹設することによって構成されている。内側リング状フラット面122、逆円錐面13及び外側リング状フラット面14は、ボウル搬送部1の上向き面として捉えることができる。すなわち、搬送トラック11は、ボウル搬送部1の上向き面に形成されている。
このような構造を有するボウル搬送部1は、20kHz以上の超音波振動で、中心軸1Cの回りに少なくとも2つ以上の上下方向の撓み波を発生させることができるように構成されている。
ボウル搬送部1に進行波を発生させる駆動手段2は、例えば圧電素子を用いたものであり、図5に示すように、搬送トラック11が形成された面(逆円錐面13、外側リング状フラット面14)に対応させて、ボウル搬送部1の下向き面に所定ピッチで複数貼り付けられている。駆動手段2は、ボウル搬送部1に略沿う形で中心軸1Cの周囲において周方向に伸縮することでボウル搬送部1に形成された搬送トラック11に撓みを発生させる。具体的に、複数の駆動手段2(圧電素子)は、振動モードの腹の位置に1/2波長間隔で極性を交互に入れ替えて貼り付けられ、周波数を同じにしつつ、空間的に波の位相が90°ずれた2つの撓み定在波モードで効率良く加振するために、加振する領域のうちボウル搬送部1の略半周を第1加振領域、残り略半周を第2加振領域として、第1加振領域と第2加振領域に駆動手段2を、進行波の波長λに対してλ(1+2n)/4(n=0、1、2、…)だけ空間的位相をずらして貼り付けるとともに、2相交流信号発信部21で発生させた90°位相の異なる交流信号を第1アンプ22及び第2アンプ23を介して第1加振領域及び第2加振領域の各駆動手段2に印加している。このように、各加振領域(第1加振領域、第2加振領域)において隣り合う圧電素子は、振幅の山と谷の関係となることから、同じ駆動をした場合に逆方向の変位(図5で「+」と「-」で表現)となるように構成され、第1加振領域と第2加振領域とで同じ極性の圧電素子同士の配置が実質的にλ/4ずれるように取り付けられている
また、2相交流信号発信部21は、波形選択部24で選択された波形の周波数を加振周波数調整手段25で調整し、第1振幅調整手段26で振幅調整した後に、第1アンプ22と、第2アンプ23にそれぞれ入力している。なお、第2アンプ23には、第1振幅調整手段26で振幅調整した後に電気的位相調整手段27で位相を調整し、さらに第2振幅調整手段28で振幅調整した後に入力している。ここで、定在波とは、共振するとその場で単に上下に振動するものである。
このような駆動手段2により、ボウル搬送部1に、周方向に沿って2箇所に時間的に位相を90°ずらした超音波の正弦波振動を与えると、空間的かつ時間的に90°ずれた2つの定常波が重ね合わされ、図6(i)に示すように、撓み振動が進行波となる。ここで、ボウル搬送部1の弾性変形を時系列的に並べた模式図を図7に示す。同図では、弾性変形前の状態における「搬送トラックの搬送面」、「中立軸」、「底面」をそれぞれ直線で示し、ボウル搬送部1を弾性変形させた際の搬送面の「ある一点(黒丸)」の軌跡を楕円形で示し、弾性変形させると楕円振動が生じることを模式的に示している。このように、進行波が発生したボウル搬送部1の一点では、楕円振動が生じ、ボウル搬送部1に生成された進行波によって、波の頂点の一点でワークWに力が働き、楕円振動の水平成分(水平振幅)の推進力により、進行波の進む方向と逆方向にワークWが搬送される。ボウル搬送部1でこのような撓み波の進行波が循環することで、ワークWは搬送トラック11を登坂する。
具体的に、ワークWは、始端15AS,15BSを貯留部21の外周縁近傍に設定され且つ上昇しながら螺旋形状を描く2筋の螺旋トラック15A,15Bを登坂し、螺旋トラック15A,15Bの終端15AE,15BEから定径トラック16に合流して、定径トラック16の終端16Eまで搬送され、そのまま搬送トラック11の終端11E(出口部分)まで移動し、搬送トラック11の終端11E(出口部分)に始端31S(上流端)が接続されているリニアフィーダLのリニアメイントラック31に供給される。
ここで、本実施形態に係るボウルフィーダBによれば、各螺旋トラック(基準螺旋トラック15A,追加螺旋トラック15B)の上流側は、速度調整用トラックである定径トラック16よりもボウル搬送部1の中心1Cに近いため、定径トラック16と比較して、振幅が小さく、ワーク搬送速度も遅いが、複数条の螺旋トラック15A,15Bを設けることによって、搬送トラック11の上流側におけるワークWの搬送量を増大してワーク搬送速度の遅さを補うとともに、各螺旋トラック15A,15Bに沿って移動するワークWを、ボウル搬送部1の外周縁近傍に設けた定径トラック16にワークW間の隙間を埋めるように合流させ、合流後のワークWを定径トラック16に沿って搬送方向Fに隙間無く並んだ状態または略隙間が無い状態で搬送し、定径トラック16から搬送トラック11の終端11E(出口部分)まで搬送することができる。
特に、本実施形態に係るボウルフィーダBは、搬送トラック11の下流側を速度調整用トラック16で構成し、速度調整用トラック16を、ボウル搬送部1の中心1Cに一致する中心点から一定半径の部分円弧状をなすトラックである定径トラック16で実現しているため、定径トラック16においてワーク搬送速度が一定に保たれる。したがって、本実施形態に係るボウルフィーダBによれば、速度調整用トラックである定径トラック16におけるワーク搬送速度を螺旋トラック15A,15Bの始端15AS,15BS近傍におけるワーク搬送速度よりも早く且つ一定の速度に維持することができ、従来のボウルフィーダの構成であれば生じていた問題、すなわち搬送トラックのうち相対的にボウル搬送部の外周側に形成される下流側の方が、相対的にボウル搬送部の内周側に形成される上流側よりもワーク搬送速度が速いため、搬送トラックの上流側においてワークを搬送方向に隙間の無い状態で搬送しても、搬送トラックの下流側においてワークが搬送方向に離間し易く、単位時間におけるワーク供給量(供給先へのワーク搬送量)にばらつきが生じるという問題を解消することができる。
さらに、本実施形態に係るボウルフィーダBは、螺旋トラック15A,15B同士が合流する部分J、換言すれば基準螺旋トラック15Aの終端15AEと同じ高さ位置にある定径トラック16に追加螺旋トラック15Bが合流する部分Jにおいて、合流するトラック同士に高低差を設け、高い方の追加螺旋トラック15Bから低い方の定径トラック16へワークWが移載するように構成しているため、合流するトラックが同じ高さ位置であれば生じる不具合、つまり、ワーク同士が同じ高さ位置で押し合うように接触してトラック外に押し出されてしまうという不具合の発生を防止・抑制することができる。
また、本実施形態に係るボウルフィーダBによれば、合流地点Jにおいて相対的に高位置のトラックから低位置のトラックに移載したワークWが他のワークWに重なった状態になり得るが、合流地点Jよりも搬送方向F下流側に搬送される過程で搬送方向FにおけるワークW同士の隙間に入り込んだり、搬送トラック11から溢れて搬送トラック11の上流側(貯留部12または螺旋トラック15A,15B)に戻される。特に、本実施形態に係るボウルフィーダBは、複数重なった状態にあるワークWを搬送トラック11から排除する排除部17を搬送トラック11の終端11Eまたは終端11E近傍に設けた構成であるため、搬送トラック11の終端11EからワークWが重なった状態で所定の搬送先(リニアフィーダL)に搬送されることを規制することが可能であり、所定の搬送先にワークWを1列且つ重ならない状態で搬送することで供給量の一定化を図ることができる。
なお、本実施形態におけるリニアフィーダLは、上述の通り、ボウルフィーダBに隣接する位置に配置されたものである。リニアフィーダLは、図1乃至3に示すように、直線状の搬送トラックであるリニアメイントラック31を有するリニア搬送部3と、リニア搬送部3に進行波を発生させる駆動手段(図示省略)とを備え、進行波によりワークWをリニアメイントラック31に沿って搬送するものである。
リニア搬送部3は、平面視長方形状の形態をなし、上向き面の中央部分に、他の部分よりも上方に膨出した中央長円形部33を形成している(図2参照)。中央長円形部33には、リニア搬送部3の長手方向に沿って延伸し且つリニア搬送部3の幅方向中心を通る仮想直線(長軸3C)上に、所定ピッチで複数(図示例では計6つ)形成した固定用孔34に挿入したボルト等の適宜の止着具3Nによって、リニア搬送部3を台座Dに支持させた状態で固定し、中央長円形部33以外の部位が接地面から浮いた状態で設けられている。なお、リニア搬送部3の形状は平面視長方形状に限定されず、平面視長円形状であってもよい。
リニア搬送部3の上向き面には、ボウル搬送部1の搬送トラック11の終端11Eに接続されている直線状のリニアメイントラック31と、リニアメイントラック31から排除されたワークWをボウルフィーダBに戻すリターントラック32とを形成している。本実施形態では、リニアメイントラック31を、リニア搬送部3の上向き面のうち長軸3Cを境界とする一方側のエリアにのみ設け、リニアメイントラック31から排除されたワークWをボウルフィーダBに戻すリターントラック32を、リニア搬送部3の上向き面のうち長軸3Cを境界とする一方側のエリアから他方側のエリア側に亘る範囲に設けている。
リニアメイントラック31は、リニア搬送部3のうち長軸3Cを境界とする一方側のエリアのうち、リニア搬送部3の外縁近傍領域において長軸3Cとほぼ平行に一直線状に延伸し、始端31S及び終端(図示省略)はリニア搬送部3の外縁に到達している。本実施形態のリニアメイントラック31は、V字状の断面形状に設定されている。リニアメイントラック31の上向き傾斜面(V字状の面)が、ワークWを搬送する搬送面として機能する。なお、リニアメイントラック31の断面形状は、V字状以外の適宜の形状であってもよい。リニアメイントラック31は、始端31Sから搬送されたワークWを搬送中に一列に整列させて終端から次工程装置に供給することができる。
リターントラック32は、リニア搬送部3の上向き面のうち長軸3Cを境界とする一方側のエリアにおいてリニアメイントラック31よりも内側に設けた直線状の上流側リターントラックと、リニア搬送部3の上向き面のうち長軸3Cを境界とする他方側のエリアに設けた直線状の下流側リターントラックと、上流側リターントラックの下流端(終端)から下流側リターントラックの上流端(始端)に亘って設けた部分円弧状(U字状)の中間リターントラックとから構成されている。リターントラック32の終端32E(下流側リターントラックの下流端)がリニア搬送部3の外縁に到達してボウル搬送部1の内周面(具体的には逆円錐面13)に連通している。本実施形態では、ボウル搬送部1に、リターントラック32の終端32Eに臨む位置に上方に開放した開口部18を形成し、リターントラック32の終端32Eから排出されるワークWがこの開口部18を通じてボウル搬送部1の内部に戻るように構成している。
本実施形態に係るリニアフィーダLは、リニアメイントラック31に搬送されるワークWの搬送姿勢を判別する選別部(図示省略)を備え、リニアメイントラック31に沿って搬送されるワークWのうち、所望の適正な姿勢ではない姿勢(異方向姿勢)にあるワークWをリニアメイントラック31から排除してリターントラック32(上流側リターントラック)に移動させるものである。リニアメイントラック31から排除されてリターントラック32に移動した異方向姿勢のワークWは、リターントラック32を辿ってリターントラック32の終端32EからボウルフィーダBのボウル搬送部1に戻される。適正な姿勢にあるワークWは、リニアメイントラック31の終端31Eから次工程装置に排出される。
このような形態のリニア搬送部3は、20kHz以上の超音波振動で、周回する少なくとも2つ以上の上下方向の撓み波を発生させることができるように構成されている。
本実施形態のリニアフィーダLは、同一周波数で空間的位相差がある複数の定在波を搬送面に生じさせる複数の駆動手段(図示省略)を備え、上述のボウルフィーダBと同様またはそれに準じた構成によって、これら複数の駆動手段に、電気的位相差に加えて機械的位相差を含む時間的位相差を持たせた駆動信号を与えることで、機械的位相差を含んだ時間的位相差を90°に完全に一致又はほぼ一致させた進行波を生成し、図6(ii)に示すように、リニア搬送部3に進行波を発生させてワークWを搬送するものである。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、二条の螺旋トラックが速度調整用トラックに合流する形態の搬送トラックについて言及したが、「二」を超える複数条の螺旋トラックが速度調整用トラックに合流する形態の搬送トラックを有するボウルフィーダであってもよい。この場合、「二」を超える複数条の螺旋トラックが速度調整用トラックに合流する位置は全て同じ構成(合流地点が1か所の構成)であってもよいし、異なる構成(合流地点が複数箇所の構成)であっても構わない。
また、複数条の螺旋トラックがそれぞれ相互に合流しながら螺旋状に延伸し、その終端が速度調整用トラックに合流する構成も本発明に係るボウルフィーダに含まれる。
本発明では、各螺旋トラックの溝形状や長さ、巻き形状が、螺旋トラック毎に異なっていても構わない。また、複数条の螺旋トラックの平面視形状が同一または略同一でない場合、各螺旋トラックの始端を同じ位置に設定することもできる。
複数条の螺旋トラックは、完全な螺旋形状ではなく、一部に螺旋状の部分を有する形状であってもよい。例えば、屈曲部分、直線部分、あるいは部分円弧(ボウル搬送部の中心に一致しない点を円心とする部分円弧、ボウル搬送部の中心に一致する点を円心とする部分円弧)状の部分を有するトラックを螺旋トラックとして適用しても構わない。
複数のトラックが合流する部分においてトラック同士に高低差を設けず、同じ高さ位置で合流するように構成してもよい。この場合、遠心力等の径方向に作用する力によってワークがトラック間を移動して合流するように設定することで、合流地点におけるワークの乗り継ぎをスムーズに行うことが可能である。
上述の実施形態では、「搬送トラック11の終端11E」を平面視湾曲状の終端トラックで構成した態様を例示したが、平面視一直線状の終端トラックまたは一部に屈曲部分を有する形状の終端トラックによって、搬送トラックの出口部分に相当する「搬送トラックの終端」を構成することもできる。ここで、本発明における速度調整用トラックとして定径トラックを適用した場合、ボウル搬送部の中心から一定半径の部分円弧状をなすトラックであるため、この定径トラックの終端が、ボウル搬送部の外縁に至ることはなく、定径トラックの半径軌跡(定径トラックに沿ったワークの搬送軌跡)から逸れてボウル搬送部の外縁に至る所定形状の終端トラックが必須になる。
また、本発明における速度調整用トラックは、上述の実施形態で述べた定径トラックに限定されず、各螺旋トラックの終端が合流し且つ各螺旋トラックの始端よりもボウル搬送部の径方向外側に設けられたトラックであれば部分円弧状以外の形状のトラックであっても構わない。例えば、螺旋トラックの下流端部分の螺旋形状よりも一回り小さい螺旋形状に設定したトラックを速度調整用トラックとして機能させることができる。この場合、搬送トラックの下流側を構成する速度調整用トラックが、搬送トラックの上流側を構成する螺旋トラックの螺旋軌跡よりも小回りの螺旋軌跡を描くトラック(換言すれば、搬送方向に向かって径が徐々に増加していく螺旋トラック(旋回するにつれ螺旋中心から遠ざかる螺旋トラック)に対して、径の増加量が小さいあるいは減少するようなトラック(旋回するにつれ螺旋中心に近付く螺旋トラック))であるため、速度調整用トラックの終端における振幅は、螺旋トラックの終端近傍における振幅と比較して小さく、当該速度調整用トラック上のワークの搬送速度は、搬送トラックの上流側を構成する螺旋トラックのうち下流部分(速度調整用トラックに合流する部分)を移動中のワークの搬送速度よりも遅くなる。その結果、速度調整用トラック上で搬送方向におけるワーク同士の隙間が埋まり、ワークを搬送方向に隙間の無い状態または略無い状態で搬送することができ、所定の搬送先へワークを一定供給することが可能になる。このような小回りの螺旋形状(螺旋トラックと比較して小回りの螺旋形状)のトラックを速度調整用トラックとして適用した場合、速度調整用トラックの終端から螺旋トラックの螺旋中心までの距離は、螺旋トラックの終端から螺旋トラックの螺旋中心までの距離よりも短くなる。このように、本発明では、速度調整用トラックの終端から螺旋トラックの螺旋中心までの距離をd1とし、螺旋トラックの終端から螺旋トラックの螺旋中心までの距離をd2とした場合、d1≦d2という条件を満たすことで、上述のようなワークの一定供給処理が可能になる。
さらにはまた、上記d1≦d2という条件を満たさない場合、つまり、速度調整用トラックの終端から螺旋トラックの螺旋中心までの距離d1が、螺旋トラックの終端から螺旋トラックの螺旋中心までの距離d2よりも大きい場合であっても、平面視における速度調整用トラックの径の増加率が、平面視における螺旋トラックの径の増加率よりも小さい値であるボウルフィーダであれば、上述の同様の作用効果を奏する。ここで、図8に示すように、螺旋トラック15B上の任意の2点A,A(螺旋トラック15Bのうち同一径で螺旋方向Rに延伸する部分を除く螺旋部分上の任意の2点A,A)から螺旋中心Oまでの半径をr1,r2とし、螺旋トラック15Bの弧Aの長さをaとした場合、平面視における螺旋トラック15Bの径の増加率K1は、
K1=(r2-r1)/a
で表すことができる。この関係は、ボウル搬送部1の径方向内側から径方向外側に向かうほど螺旋径が大きくなる径螺部分を含む全ての螺旋トラック(例えば図8に示す螺旋トラック15A)に当てはまる。また、同図に示すように、速度調整用トラック16上の任意の2点C,Cから螺旋中心Oまでの半径をr3,r4とし、速度調整用トラック16の弧Cの長さをcとした場合、速度調整用トラック16の径の増加率K2は、
K2=(r4-r3)/c
で表すことができる。本発明のボウルフィーダでは、速度調整用トラックの径の増加率K2を螺旋トラックの径の増加率K1よりも小さい値に設定することで、速度調整用トラックの終端が、螺旋トラックをその螺旋軌跡(螺旋部分の螺旋軌跡)を辿って速度調整用トラックの終端まで延伸させた終端(螺旋トラックの仮想上の終端)よりも螺旋中心(ボウル搬送部の中心)に近い位置に位置付けられる構成になり、速度調整用トラックの終端における振幅は、螺旋トラックの終端近傍における振幅と比較して小さくなり、上述の同様の作用効果を奏する。
また、ボウル搬送部の上部に、搬送方向に沿って所定間隔おきに複数のスリットを放射状に形成した構成にしてもよい。このようなスリットを複数形成して櫛歯状の搬送面を形成することで、搬送面にスリットが形成されていない構成と比較して、中立軸が下がるため、搬送面に進行波を発生させた際の搬送面から中立軸までの距離(e値)が大きくなり、ボウル搬送部を進行波の進行方向に変形させ易くして、ワークに働く力の水平成分を増大させるとともに、垂直成分を低減させられる。よって、スリットが形成されていないボウル搬送部を用いた場合と比較して、搬送面上でのワークを極力跳ねさせず、ワーク搬送速度を向上させて効率的に搬送することができる。なお、ボウル搬送部に多数のスリットを設けて櫛歯状の搬送面に設定した構成において、櫛歯状の搬送面に図示しないフィルムを貼り付け、ワークがスリットに落下しないようにしてもよい。
本発明では、駆動手段として、圧電素子に代えて、磁歪素子を適用することが可能である。
本発明のボウルフィーダは、板ばねによる剛体振動を利用したものであってもよい。このタイプのボウルフィーダにおいても、径方向内側と径方向外側で振幅差があり、径方向外側の方が径方向内側よりもワーク搬送速度が速くなり易く、本発明における搬送トラックを適用することで上述と同様の作用効果を得ることができる。
また、本発明では、排除部として、エアの吹き付け力で重なったワークを搬送トラック外へ排除する構成に代えて、または加えて、重なったワークのみが接触することで当該ワークを搬送トラック外へ排除する規制板またはワイパを適用することができる。
排除部を備えていないボウルフィーダであってもよい。この場合、重なったワークもそのまま所定の供給先に供給されることになり、ワーク供給量の増加という点で有利である。
また、本発明に係るボウルフィーダは、リニアフィーダと組み合わせることなく、ボウルフィーダ単体としてもパーツフィーダとして利用可能なものである。
搬送対象物であるワークの一例として電子部品などの微小部品を挙げることができるが、ワークは電子部品以外の物品であってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…ボウル搬送部
11…搬送トラック
15A,15B…螺旋トラック(基準螺旋トラック,追加螺旋トラック)
16…速度調整用トラック、定径トラック
17…排除部
2…加振源
B…ボウルフィーダ
W…ワーク

Claims (5)

  1. 搬送トラックを有するボウル搬送部と、搬送対象物であるワークを前記搬送トラックに沿って搬送する振動を起こす加振源とを備え、ワークを前記搬送トラックの終端に向かって移動させながら所定の搬送先に搬送可能なボウルフィーダであって、
    前記搬送トラックは、
    前記ボウル搬送部の径方向内側から径方向外側に向かって螺旋状に延伸する複数条の螺旋トラックと、
    前記終端に連続する所定部分に設けられる速度調整用トラックとを有し、
    前記各螺旋トラックの始端よりも前記ボウル搬送部の径方向外側に設けた前記速度調整用トラックに前記各螺旋トラックの終端を合流させ、
    前記螺旋トラックの螺旋中心を中心とする前記速度調整用トラックの径の増加率を、前記螺旋トラックの螺旋中心を中心とする当該螺旋トラックの径の増加率よりも小さい値に設定しており、
    前記速度調整用トラックの終端が、前記螺旋トラックをその螺旋軌跡を辿って前記速度調整用トラックの終端まで延伸させた仮想上の終端よりも前記ボウル搬送部の中心に近い位置に位置付けられており、
    前記螺旋中心から前記速度調整用トラックまでの距離に基づく前記速度調整用トラックの径の増加率を、前記螺旋中心から前記各螺旋トラックまでの距離に基づく前記螺旋トラックの径の増加率以下に設定していることを特徴とするボウルフィーダ。
  2. 前記速度調整用トラックは、前記ボウル搬送部の中心を中心点とする一定半径の部分円弧状をなす定径トラックである請求項1に記載のボウルフィーダ。
  3. 前記螺旋トラックが前記速度調整用トラックに合流する部分において、前記螺旋トラックを前記速度調整用トラックよりも高位置に設定し、当該高位置に設定した前記螺旋トラックから前記速度調整用トラックに向けてワークが移載するように構成した請求項1又は2に記載のボウルフィーダ。
  4. 前記複数条の螺旋トラックは同一形状であり、平面視において各螺旋トラックの始端を、前記ボウル搬送部の中心に一致する中心点を共有する同一半径の円周上であって且つ相互に重ならない位置に設定している請求項1乃至3の何れかに記載のボウルフィーダ。
  5. 前記加振源は、ワークを前記搬送トラックに沿って搬送する進行波を前記ボウル搬送部に発生させるものである請求項1乃至4の何れかに記載のボウルフィーダ。
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