JP7004532B2 - コンクリートブロック - Google Patents
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Description
そのため、特許文献1には、比較的軽量で、取り扱い易い立方体からなるプレキャスト製のコンクリートブロックが開示されている。このコンクリートブロックは、コンクリート硬化後に取り外し可能な分割中子を用いて六つの外面全てに連通した中空部を備えている。特許文献1のコンクリートブロックでは、同一外形の円柱状の分割中子をその軸線方向が直交及び一致するように配置することで中空部を形成している。
このような観点から、本発明は、護床工に使用した場合において、水流に対して安定しているとともに十分な耐力を有し、なおかつ、河床等が洗掘されるおそれが少ないコンクリートブロックを提案することを課題とする。
かかるコンクリートブロックによれば、底部には開口が無い、あるいは、他の部分に比べて開口が小さいため、重心がブロック中心よりも下側(底部側)にあり、水流に対して安定している。また、底部の開口を無くす、あるいは小さくすることで、底部の強度が高まるため、特許文献1のコンクリートブロックに比べて、作用応力に対する耐力の向上を図ることができる。さらに、底部の開口を無くす、あるいは小さくすることで、コンクリートブロックの下方の河床等が洗掘され難い。なお、当該コンクリートブロックは、護床工に限定されるものではなく、例えば根固めブロックとして使用することも可能である。
第一の実施形態では、河川の護床を形成するために使用するコンクリートブロック1について説明する。コンクリートブロック1を河床に複数並設すると、護床が形成される。
図1に示すように、コンクリートブロック1は、中空部2を有する立方体状を呈している。中空部2は、コンクリートブロック1の底面(ブロック底面11)を除く五つの外面(ブロック上面12およびブロック側面13)に連通している。すなわち、コンクリートブロック1は、ブロック底面11以外の五つの面(ブロック上面12およびブロック側面13,13,…)にそれぞれ開口3が形成されている。中空部2は、ブロック上面12およびブロック側面13,13,…からコンクリートブロック1の中心部に向けて延在する同一直径の円柱状の空洞が五つ組み合わされた形状を有している。したがって、ブロック上面12および四つのブロック側面13,13,…に形成された開口3,3,…は、全て同サイズの円形である。
本実施形態の型枠5は、せき板51を組み合わせることにより立方体状を呈している。
中子6は、主中子61と、4つの副中子62,62,…とを組み合わせることにより形成されている。
主中子61は、開口3と同一の直径を有する円柱状部材であって、コンクリートブロック1の1辺の長さよりも短い長さを有している。本実施形態の主中子61の下端面は平面を呈している。主中子61は、型枠5の中央部に立設するように配設する。このとき、主中子61の上端面が型枠5の上端面と面一となるように配設することで、主中子61の下端面と型枠5の底部のせき板51の内面との間に隙間(底版のとして必要な厚さを確保できる隙間)Sを設けておく。なお、本実施形態では、隙間Sの高さを、ブロック側面13に形成された開口32の下端から当該ブロック側面13とブロック底面11との角部までの長さとしている。また、主中子61は型枠5の側面に配設された対向する一対のせき板51,51に横架するように配設してもよい。この場合には、主中子61の長さをコンクリートブロック1の一辺の長さと同一とし、主中子61の両端面をせき板51の内面に当接させる。
4つの副中子62,62,…は、開口3(主中子61)と同一の直径を有する円柱状部材であって、主中子61の側面中央部に設置される。副中子62の主中子61側の端面は、主中子61の外面形状に応じて円筒面(上面視円弧状)に窪んでいる(図3参照)。一方、副中子62の主中子61と反対側の端面は平面である。4つの副中子62,62,…は、それぞれ主中子61の中心軸と直交するように、四方に向けて延出させる。各副中子62の先端面(主中子61と反対側の端面)は、型枠5の側面に設けられたせき板51の内面に当接させる。
そして、コンクリートに所定の強度が発現したら、型枠5を脱型するとともに、中子6を取り除く。中子6を取り除く際には、図3に示すように、各副中子62をそれぞれブロック側面13の開口3から抜き出した後、主中子61をブロック上面12の開口3から抜き出す。
本解析では、図4(a)に示すように、各辺が1200mmの立方体状で、ブロック上面12およびブロック側面13,13,…にそれぞれ900mmの開口3が形成されているコンクリートブロック1に対して、上流側から水流が作用した場合の応力状態を解析した。また、比較例として、図4(b)に示すように、各辺が1200mmの立方体状で、全面(ブロック底面111、ブロック上面112およびブロック側面113)にそれぞれ900mmの開口103が形成されているコンクリートブロック100の応力状態についても解析を行った。表1に解析に使用したコンクリートブロック1,100の材料定数を示す。
解析結果(引張応力および圧縮応力)を表2に示す。
第二の実施形態では、第一の実施形態と同様に、河川の護床を形成するために使用するコンクリートブロック1について説明する。
図5に示すように、コンクリートブロック1は、中空部2を有する立方体状を呈している。中空部2は、コンクリートブロック1の各面(ブロック底面11、ブロック上面12およぼブロック側面13,13,…)に連通している。したがって、コンクリートブロック1の6つの面には、それぞれ開口3,3,…が形成されている。中空部2は、各面(ブロック底面11、ブロック上面12およびブロック側面13,13,…)からコンクリートブロック1の中心部に向けて延在する円柱状の空洞が組み合わされた形状を有している。ブロック底面11からコンクリートブロック1の中心部に向けて延在する空洞は、その他の外面(ブロック上面12およびブロック側面13,13,…)から延在する空洞に比べて、小さい直径を有している。一方、ブロック上面12およびブロック側面13,13,…から延在する空洞は、全て同じ直径である。すなわち、ブロック底面11に形成された開口31の直径は、ブロック上面12およびブロック側面13,13,…に形成された開口32,32,…の直径よりも小さい。
この他のコンクリートブロック1の詳細は、第一の実施形態で示したコンクリートブロック1と同様なため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の型枠5は、せき板51を組み合わせることにより立方体状を呈している。
本実施形態の中子6は、主中子61と、4つの副中子62,62,…とを組み合わせることにより形成されている。なお、副中子62の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
主中子61は、円柱状の本体部分63と、本体部分63の下端に形成された円柱状の底部分64とを有している。本体部分63は、ブロック上面12に形成された開口32と同じ直径を有していて、コンクリートブロック1の1辺の長さよりも短い長さを有している。底部分64は、ブロック底面11に形成された開口31と同じ直径(本体部分63の直径よりも小さい直径)を有していて、コンクリートブロック1の1辺の長さから本体部分63の長さを差し引いた長さを有している。すなわち、主中子61の全長は、コンクリートブロック1の1辺の長さと同一である。なお、本実施形態では、底部分64の長さを、ブロック側面13に形成された開口32の下端から当該ブロック側面13とブロック底面11との角部までの長さとしている。
本実施形態では、主中子61を型枠5の中央部に立設するように配置する。このとき、主中子61(底部分64)の下端面は、型枠5の底部に配設されたせき板51の内面に当接させる。
そして、コンクリートに所定の強度が発現したら、型枠5を脱型するとともに、中子6を取り除く。中子6を取り除く際には、4つの副中子62,62,…をコンクリートブロック1の各ブロック側面13から抜き出した後、主中子61をコンクリートブロック1の上面から抜き出す。
例えば、コンクリートブロック1の用途は護床工に限定されるものではない。例えば根固めブロックとして使用することもできる。
また、中子6の部材点数や、中子6を構成する主中子61や副中子62の長さ等は限定されるものではなく、適宜形成すればよい。
11 ブロック底面
12 ブロック上面
13 ブロック側面
2 中空部
3,31,32 開口
4 貫通孔
5 型枠
51 せき板
6 中子
61 主中子
62 副中子
63 本体部分
64 底部分
7 支圧プレート
Claims (5)
- 中空部を有する立方体状のコンクリートブロックであって、
前記中空部は、底面を除く五つの外面のそれぞれからブロック中心部に向けて延在する同一直径の円柱状の空洞が組み合わされた形状を有していて、
少なくとも、前記底面及び上面を除く四つの外面には、前記空洞により形成された開口の周囲に、前記中空部に通じる貫通孔が形成されていることを特徴とする、コンクリートブロック。 - 中空部を有する立方体状のコンクリートブロックであって、
前記中空部は、底面を除く五つの外面のそれぞれからブロック中心部に向けて延在する同一直径の円柱状の第一空洞と、前記底面からブロック中心部に向けて延在する円柱状の第二空洞と、が組み合わされた形状を有しており、
前記第二空洞の直径は、前記第一空洞の直径よりも小さいことを特徴とする、コンクリートブロック。 - 中空部を有する立方体状のコンクリートブロックであって、
前記中空部は、底面を除く五つの外面のそれぞれからブロック中心部に向けて延在する同一直径の円柱状の空洞が組み合わされた形状を有していて、
側面から延在する前記空洞の中心は、当該側面の中心よりも上側に位置していることを特徴とする、コンクリートブロック。 - 河川の護床を形成するために使用する中空部を有する立方体状のコンクリートブロックであって、
前記中空部は、底面を除く五つの外面のそれぞれからブロック中心部に向けて延在する同一直径の円柱状の第一空洞と、前記底面からブロック中心部に向けて延在する円柱状の第二空洞と、が組み合わされた形状を有しており、
前記第二空洞の中心は、前記底面の中心よりも下流側に位置していて、
前記第二空洞の直径は、前記第一空洞の直径よりも小さいことを特徴とする、コンクリートブロック。 - 河川の護床を形成するために使用する中空部を有する立方体状のコンクリートブロックであって、
前記中空部は、底面を除く五つの外面のそれぞれからブロック中心部に向けて延在する同一直径の円柱状の第一空洞と、前記底面からブロック中心部に向けて延在する円柱状の第二空洞と、が組み合わされた形状を有しており、
側面から延在する前記第一空洞の中心は、当該側面の中心よりも上側に位置していて、
上面から延在する前記第一空洞の中心は、当該上面の中心よりも下流側に位置しており、
前記第二空洞の中心は、前記底面の中心よりも下流側に位置していて、
前記第二空洞の直径は、前記第一空洞の直径よりも小さいことを特徴とする、コンクリートブロック。
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