JPH11117272A - 魚道構造物 - Google Patents

魚道構造物

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JPH11117272A
JPH11117272A JP9279183A JP27918397A JPH11117272A JP H11117272 A JPH11117272 A JP H11117272A JP 9279183 A JP9279183 A JP 9279183A JP 27918397 A JP27918397 A JP 27918397A JP H11117272 A JPH11117272 A JP H11117272A
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JP
Japan
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concrete block
fishway
hollow portion
concrete
downstream side
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JP9279183A
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Shiro Kimura
志朗 木村
Taizo Kimura
泰三 木村
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RITA SOGO KIKAKU KK
Original Assignee
RITA SOGO KIKAKU KK
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/60Ecological corridors or buffer zones

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 河川13に設置された堰構造物14の下
流側にコンクリート17を打設し、この上に、外形が立
方体で、内部から五つの外面に連通した中空部15を有
する複数のコンクリートブロック体16を、河川13の
上流側から下流側へ向かって下り勾配に傾斜した階段状
に配置することにより魚道構造物10を構築する。各々
のコンクリートブロック体16の中空部15同士が連通
し、河川13の流下方向およびこれと交差する方向に広
範囲に渡って複数の流路22が形成される。 【効果】 魚類や甲殻類などが発見しやすく、遡上や移
動が容易であり、魚道のない既設の堰構造物や落差工構
造物に対しても簡単に施工することのできる魚道構造物
を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川に設けられた
落差工構造物や堰構造物の近傍に構築される魚道構造物
に関するものであり、ここで、魚道構造物とは、河川に
生息する魚類や甲殻類などが遡上、移動可能な通路を備
えた構造物をいう。
【0002】
【従来の技術】山岳地などの急勾配の河川においては、
川床勾配を低減させ、流速を落とすなどの目的で流路断
面内に落差工構造物が設けられている。また、河川内に
は利水を目的とした堰構造物も多数設置されている。堰
構造物の一般的な構造は、図9に示すように、河川90
の流路断面内にコンクリートなどで堰構造物91を設
け、この堰構造物91によって上流側に湛水域を形成
し、この湛水域からの取水を可能としている。
【0003】また、この堰構造物91の中央付近には、
段状に低くなった余水吐93が設けられ、河川流量が少
ない場合には、この余水吐93を通って余水が流れる構
造となっている。
【0004】ところが、従来の堰構造物91の場合、河
川90の上流側と下流側との間に、河川を横断する垂直
壁体が形成された状態となるため、鮎、鮭、鱒などの魚
類が産卵などを目的として河川90を遡上する際の障害
物となり、これによって生態系が乱され、自然破壊など
の一因となっている。
【0005】そこで、近年においては、この対策とし
て、堰構造物や落差工構造物に隣接して、あるいはこれ
らの中央部分に、河川の上流側と下流側とを結ぶ、いわ
ゆる魚道を設けるようになっているが、魚道を備えてい
ない堰構造物や落差工構造物が数多く存在するのが実状
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の魚道
の場合、魚類にとって魚道を発見することが困難であっ
たり、魚道内の水流が速過ぎて魚の種類によっては遡上
できない場合があるため、魚道としての機能を果してい
ないことがある。特に、カジカやカニなどのように川底
をはう性質がある魚類や甲殻類にとって、従来の魚道は
遡上や移動が困難なものとなっている。
【0007】また、図9に示すような堰構造物91が既
に構築されている場所に魚道を設ける場合、コンクリー
ト製の堰構造物91の一部を破壊して斜面状または階段
状の魚道を設けるか、あるいは、河川90の断面以外の
場所に別ルートで新たな魚道を構築することが必要とな
るため、その工事には多大な労力や資材などを費やして
いる。
【0008】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、魚類や甲殻類などが発見し易く、遡上や移動も容易
であり、魚道のない既設の落差工構造物や堰構造物に対
しても簡単に施工することができる魚道構造物を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の魚道構造物は、河川などに設置される落差
工構造物または堰構造物の下流側に、内部から外面に連
通した中空部を有するコンクリートブロック体を複数個
配置し、これらの中空部によって上流側から下流側に向
かって下り勾配の流路を形成したことを特徴とする。こ
のような構成とすることにより、各々のコンクリートブ
ロック体の中空部内は、河川の水が流下可能な流路とな
るため、魚類などは中空部内を流れる水の中を通って容
易に遡上、移動することができる。
【0010】また、コンクリートブロック体は落差工構
造物または堰構造物の下流側に比較的広範囲に渡って配
置されるため、魚類などが発見し易く、魚道を備えてい
ない既設の落差工構造物や堰構造物に対しても簡単に施
工することができ、施工に際して既設の落差工構造物や
堰構造物を破壊する必要もない。また、既設の落差工構
造物や堰構造物の両岸に魚道を新設する地形的余裕のな
い河川においても施工することが可能である。
【0011】さらに、本発明の魚道構造物では、前記複
数のコンクリートブロック体の中空部を上流側から下流
側まで連続状態とし、連続した中空部を流路とすること
により、落差工構造物や堰構造物の下流側に、連続した
流路が形成されるため、川床が連続した自然河川と同
様、魚類などが遡上、移動し易い魚道となる。
【0012】この場合、堰構造物に設けられた余水吐の
下流側に、複数のコンクリートブロック体を配置するこ
とにより、余水吐を通った水がコンクリートブロック体
の中空部によって形成された流路内を流れるため、河川
の流量が減少して余水吐のみから流下する時期において
も、魚道としての機能を維持することができる。
【0013】また、本発明の魚道構造物では、コンクリ
ートブロック体を面的に複数個配置して、下流側と上流
側とを結ぶ複数の流路を形成することにより、面的に多
方向に連通した多数の魚道が形成されるため、魚類など
にとって発見し易く、遡上や移動がさらに容易な魚道と
なる。
【0014】さらに、本発明の魚道構造物では、コンク
リートブロック体として、六面以上の外面を有する多面
体であって前記外面のうち二面以上の外面に連通した中
空部を有するものを用いることにより、中空部は水の入
口と出口を有するものとなり、この中空部が水の流路と
なるため、魚類などの遡上、移動が容易な魚道を形成す
ることができる。また、これによって、コンクリートブ
ロック体の空隙率の増大を図ることができるため、流路
を拡大して魚類にとって遡上しやすい魚道を構築するこ
とができ、軽量化による施工性の向上も可能となる。
【0015】この場合、本発明の魚道構造物では、コン
クリートブロック体の中空部の形状を、曲面体の一部、
多面体の一部、円筒体、角筒体のうちの少なくとも一つ
を含む形状とすることができる。ここで、曲面体とは、
連続した曲面によって囲まれた立体をいい、例えば、球
状体、楕円体、卵形状体、ラグビーボール形状体などの
ほか、不規則な連続曲面で囲まれた立体も含む。
【0016】コンクリートブロック体の中空部の形状
を、曲面体の一部、多面体の一部を含む形状とすること
により、中空部に流れ込む水の流速や水深の変化が生じ
るため、魚道としての機能を低下させることなく、多種
多様な水生生物にとって好適な移動路となる。
【0017】また、コンクリートブロック体の中空部の
形状を、円筒体を含む形状とすることにより、強度が高
まり、流水や転石の衝撃に対する耐久性が向上する。一
方、角筒体を含む形状とすることにより、必要レベルの
耐久性を保持しつつ、魚道となる中空部の拡大を図るこ
とができる。
【0018】また、本発明の魚道構造物では、コンクリ
ートブロック体を立方体または直方体とすることによ
り、落差工構造物や堰構造物の下流側に配置する場合の
密着性が良好となり、互いに隙間なく配置することがで
きるため、流水はコンクリートブロック体の中空部内の
みを流下するようになり、魚道としての機能を低下させ
ることなく、流量のロスを低減させることができる。ま
た、配列の自由度が増大するため施工現場の地形への適
応性や施工性なども向上し、構築後の安定性も良好とな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は実施の形態である魚道構造
物を示す斜視図、図2は前記魚道構造物の垂直断面図で
ある。
【0020】本実施形態の魚道構造物10は、河川13
に設置された堰構造物14の下流側にコンクリート床版
17を打設し、このコンクリート床版17の上に、内部
から外面に連通した中空部15を有する複数のコンクリ
ートブロック体16を、河川13の上流側から下流側に
向かって傾斜した階段状に配置することによって構築し
たものである。
【0021】このような構成とすることにより、各々の
コンクリートブロック体16の中空部15同士が連通し
て、河川13の水18が流下可能な流路22が形成され
るため、魚類21などは、流路22内を流れる水18の
中を通って容易に遡上、移動することができ、流路22
が、いわゆる魚道となる。
【0022】また、複数のコンクリートブロック体16
を堰構造物14の下流側に広範囲に渡って配置して流路
22を形成しているため、流路22は魚類21などにと
って発見し易い魚道となり、魚道を備えていない堰構造
物14に対しても簡単に施工することができ、施工に際
し堰構造物14を破壊する必要もない。なお、河川13
の両岸に地形的余裕のない場所でも施工可能である。
【0023】さらに、魚道構造物10では、堰構造物1
4の下流側に配置された複数のコンクリートブロック体
16の中空部15を上流側から下流側まで連続状態とし
て流路22を形成しているため、川床が連続した自然河
川と同様、魚類21などが遡上、移動し易い魚道とな
る。また、中空部15の上面は完全に開放された形状で
はないため、流路22内には適度の陰部分が形成され、
警戒心の強い魚類にとっても遡上、移動し易い魚道とな
る。
【0024】この場合、堰構造物14に設けられた余水
吐23の下流側に、複数のコンクリートブロック体16
を配置して魚道構造物10を構築し、余水吐23を通っ
た水18が、コンクリートブロック体16の中空部15
によって形成された流路22内を流れるようにしている
ため、河川13の流量が少なくなり、図1に示すよう
に、余水吐23のみから水18が流下する時期において
も、流路22は魚道としての機能を維持することができ
る。
【0025】また、魚道構造物10では、複数のコンク
リートブロック体16を面的に配置して互いに連通した
複数の流路22を形成しているため、面的に多方向に連
通した多数の魚道が広範囲に渡って形成された状態とな
り、魚類21などにとって発見し易く、遡上や移動も容
易な魚道となる。
【0026】さらに、魚道構造物10を構成するコンク
リートブロック体16は、外形が立方体であり、その中
空部15は底面16Xを除く五つの外面に連通している
ため(図3参照)、中空部15内において多様な水流が
形成され、魚類21などにとって、遡上、移動しやすい
魚道を形成することができる。また、コンクリートブロ
ック体16の空隙率は70%程度と高く、比較的内径の
大きな流路22が形成されるため、魚類21にとって遡
上しやすい魚道となり、コンクリートブロック体16自
体の軽量化により施工性も向上する。
【0027】また、本実施形態では、魚道構造物10を
構成するコンクリートブロック体16の中空部15は、
円筒体形状の空間を互いに交差させた形状であり、凹状
の底面16Xを有しているため、中空部15内において
は水深や流速の変化が生じ、魚類に限らず多種多様な水
生生物に好適な移動路となる。
【0028】また、コンクリートブロック体16の外形
は立方体であるため、堰構造物14の下流側のコンクリ
ート床版17上に配置する場合の密着性は良好であり、
互いに隙間なく配置することができるため、水はコンク
リートブロック体16の中空部15内のみを流れ、魚道
としての機能を低下させることなく、流量のロスを低減
することができる。また、施工現場の地形などに適応し
た施工を行うことができ、構築後の安定性も良好であ
る。
【0029】ここで、図3,4を参照して、コンクリー
トブロック体16の構造およびその製造方法について説
明する。図3(a),(b)はコンクリートブロック体
16を示す斜視図、図4はコンクリートブロック体16
の製造方法を示す斜視図である。
【0030】本実施形態の魚道構造物10を構成してい
るコンクリートブロック体16は、図3(a)に示すよ
うに、外形が立方体で、中空部15は円筒体形状であ
り、図3(b)に示すように、中空部15は底面16X
を除く五つの外面に連通する開口15Yを有している。
また、中空部16は、コンクリート硬化後に分解して取
り出し可能な分割中子8によって形成されたものであ
る。
【0031】ここで、図4を参照して、コンクリートブ
ロック体16の製造方法について説明する。図4に示す
ように、分解可能な主中子19aおよび副中子19b,
19c,19d,19eからなる分割中子19を組立状
態で型枠20内に配置して上枠20aを装着した後、分
割中子19と型枠20との間にコンクリートを充填す
る。コンクリートが硬化したら、上枠20aおよび型枠
20を取り外し、分割中子19の副中子19b,19
c,19d,19eをそれぞれ軸方向に抜き取った後、
主中子19aを軸方向に抜き取れば、図3に示すコンク
リートブロック体16を得ることができる。
【0032】一方、本発明の魚道構造物は、図5に示す
コンクリートブロック体12を、コンクリートブロック
体16と組み合わせて、あるいはコンクリートブロック
体16の代わりに用いて構築することができる。
【0033】ここで、図5,6を参照して、コンクリー
トブロック体12およびその製造方法について説明す
る。図5はコンクリートブロック体12を示す斜視図、
図6はコンクリートブロック体12の製造方法を示す斜
視図である。
【0034】図5に示すコンクリートブロック体12
は、外形が立方体で、立方体を構成する六面の全てに連
通した開口11aを有する円筒体形状の中空部11を備
えている。また、中空部11は、コンクリート硬化後に
分解して取り出し可能な複数の分割中子8によって形成
されたものである。
【0035】コンクリートブロック体12の製造方法
は、コンクリートブロック体16の製造方法と同様であ
り、図6に示すように、分解可能な主中子8aおよび副
中子8b,8c,8d,8eからなる分割中子8を組立
状態で型枠9内に配置し上枠9aを装着した後、分割中
子8と型枠9との間にコンクリートを充填する。コンク
リートが硬化したら、上枠9aおよび型枠9を取り外
し、副中子8b,8c,8d,8eをそれぞれ軸方向に
抜き取った後、主中子8aを軸方向に抜き取れば、図5
に示すコンクリートブロック体12を得ることができ
る。
【0036】コンクリートブロック体12の場合、底面
も開口しているため、これを用いて魚道構造物を構築し
た場合、床版コンクリートに凹部を形成し、その深さに
変化を与えることにより、多様な水深変化、流速変化を
形成することができる。
【0037】一方、本発明の魚道構造物は、図7に示す
コンクリートブロック体3をコンクリートブロック体1
2,16と組み合わせて、あるいはコンクリートブロッ
ク体12,16の代わりに用いて構築することができ
る。
【0038】ここで、図7,8を参照して、コンクリー
トブロック体3およびその製造方法について説明する。
図7はコンクリートブロック体3を示す斜視図、図8は
コンクリートブロック体3の製造方法を示す斜視図であ
る。
【0039】コンクリートブロック体3は、図7に示す
ように、外形が立方体で、中空部3aは球状体の一部を
含む形状である。中空部3aは、コンクリートブロック
体3の中心と同心に配置され、その球体形状の直径をコ
ンクリートブロック体3の一辺の長さより大とすること
により、六つ外面にそれぞれ円形の開口3bが形成され
ている。
【0040】ここで、図8を参照して、コンクリートブ
ロック体3の製造方法について説明する。図8に示すよ
うな型枠4内に、収縮状態にある弾性中子5を環状体4
dを通して装入した後、空気供給ホース5aを接続して
圧縮空気を送り込むことによって全体を球状に膨張させ
る。このとき、弾性中子5の膨張に伴って、その表面
が、型枠4を構成する創成板4aの開口4bおよび治具
4cの環状体4dの中に嵌まり込むように変形すること
によって、弾性中子5が位置決めされる。
【0041】弾性中子5を所定状態まで膨張させたら、
環状体4dの周囲の開放部分から弾性中子5と創成板4
aとの間にコンクリートを充填する。そして、コンクリ
ートが硬化したら、弾性中子5内の空気を排出して収縮
させ、環状体4dを通して抜き取った後、型枠4から脱
型すると、図7に示すコンクリートブロック体3が得ら
れる。
【0042】このように、コンクリートブロック体1
6,12,3は、中空部15,11,3aの形状がそれ
ぞれ異なっているため、以下に述べるように、それぞれ
の形状に応じた機能を備えた魚道構造物を構築すること
ができる。
【0043】コンクリートブロック体16は底面16X
を有しているため、天地を逆にして配置することによ
り、日陰を備えた魚道を形成することも可能である。ま
た、コンクリートブロック体12は底面も開口している
ためコンクリート床版と一体化した底部を設けることに
より、水深変化、流速変化に富んだ魚道を形成すること
ができる。
【0044】一方、コンクリートブロック体3は中空部
3aが球状体の一部を含む形状であるため、中空部3a
内において滑らかな水深変化や水流変化が生じ、また、
コンクリート床版と一体化した底部を設けることによ
り、さらに、水深変化、流速変化に富んだ魚道を形成す
ることができる。
【0045】また、これらのコンクリートブロック体1
6,12,3を適宜組み合わせて魚道構造物を形成した
場合、流路には多種多様な水深変化、流速変化が生じ、
日陰をも備えたものとすることができるため、魚類に限
らず様々な水生生物にとって好適な移動路となる。
【0046】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏すること
ができる。
【0047】(1)河川などに設置される落差工構造物
や堰構造物の下流側に、内部から外面に連通した中空部
を有するコンクリートブロック体を複数個配置し、これ
らの中空部によって上流側から下流側に向かって下り勾
配の流路を形成することにより、各々の中空部内は河川
の水が流下可能な流路となり、魚類などは中空部内を流
れる水の中を通って容易に遡上、移動することができ
る。
【0048】(2)コンクリートブロック体は落差工構
造物や堰構造物の下流側に比較的広範囲に配置されるた
め、魚類などが発見し易いものとなり、魚道を備えてい
ない既設の落差工構造物や堰構造物に対しても簡単に施
工することができ、施工の際に既設の落差工構造物など
を破壊する必要もない。また、河川両岸に魚道を設置す
る地形的余裕のない場所にも容易に施工することができ
る。
【0049】(3)複数のコンクリートブロック体の中
空部を上流側から下流側まで連続状態とし、連続した中
空部を流路とすることにより、落差工構造物の下流側
に、連続した流路が形成されるため、川床が連続した自
然河川と同様、魚類などが遡上、移動し易い魚道とな
る。
【0050】(4)堰構造物に設けられた余水吐の下流
側に、複数のコンクリートブロック体を配置することに
より、余水吐を通った水はコンクリートブロック体の中
空部によって形成された流路内を流れるようになるた
め、河川の流量が減少して、余水吐のみから水が流下す
るような時期においても、魚道としての機能を維持する
ことができる。
【0051】(5)コンクリートブロック体を面的に複
数個配置して、下流側と上流側とを結ぶ複数の流路を形
成することにより、面的に多方向に連通した多数の魚道
が広範囲に渡って形成されるため、魚類などにとって発
見し易いものとなり、遡上や移動がさらに容易な魚道と
なる。
【0052】(6)コンクリートブロック体として、六
面以上の外面を有する多面体であって前記外面のうち二
面以上の外面に連通した中空部を有するものを用いるこ
とにより、中空部は水の入口と出口を有するものとな
り、この中空部が水の流路となるため、魚類などの遡
上、移動が容易な魚道を形成することができる。また、
これによって、コンクリートブロック体の空隙率の増大
を図ることができるため、流路を拡大して魚類にとって
遡上しやすい魚道を構築することができ、軽量化による
施工性の向上も可能となる。
【0053】(7)コンクリートブロック体の中空部の
形状を、曲面体の一部、多面体の一部を含む形状とする
ことにより、中空部を通過する水の流速や水深に変化が
生じるため、魚類に限らず、多種多様な水生生物に好適
な移動路、生活空間となる。
【0054】(8)コンクリートブロック体の中空部の
形状を、円筒体を含む形状とすることにより、強度が高
まり、流水や転石の衝撃に対する耐久性が向上する。ま
た、角筒体を含む形状とすることにより、必要レベルの
耐久性を保持しつつ、魚道となる中空部の拡大を図るこ
とができる。
【0055】(9)コンクリートブロック体を立方体ま
たは直方体とすることにより、落差工構造物の下流側に
配置する場合の密着性が良好となり、互いに隙間なく配
置することができるようになるため、魚道としての機能
を低下させることなく、流量のロスを低減することがで
きる。また、配列の自由度が増大するため施工現場への
適応性や施工性なども向上し、構築後の安定性も良好と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態である魚道構造物を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示す魚道構造物の垂直断面図である。
【図3】図1に示す魚道構造物を構成するコンクリート
ブロック体の斜視図である。
【図4】図3に示すコンクリートブロック体の製造方法
を表す斜視図である。
【図5】他のコンクリートブロック体を示す斜視図であ
る。
【図6】図5に示すコンクリートブロック体の製造方法
を表す斜視図である。
【図7】他のコンクリートブロック体を示す斜視図であ
る。
【図8】図7に示すコンクリートブロック体の製造方法
を表す斜視図である。
【図9】従来の堰構造物を示す斜視図である。
【符号の説明】
3,12,16 コンクリートブロック体 3a,11,15 中空部 3b,4b,11a 開口 4,9,20 型枠 4a 創成板 4c 治具 4d 環状体 5 弾性中子 5a 空気供給ホース 8,19 分割中子 8a,19a 主中子 8b〜8e,19b〜19e 副中子 9a,20a 上枠 10 魚道構造物 13 河川 14 堰構造物 17 コンクリート床版 18 水 21 魚類 22 流路(魚道) 23 余水吐

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 河川などに設置される落差工構造物また
    は堰構造物の下流側に、内部から外面に連通した中空部
    を有するコンクリートブロック体を複数個配置し、前記
    中空部によって上流側から下流側に向かって下り勾配の
    流路を形成したことを特徴とする魚道構造物。
  2. 【請求項2】 前記コンクリートブロック体の中空部を
    上流側から下流側まで連続状態とし、連続した前記中空
    部を流路としたことを特徴とする請求項1記載の魚道構
    造物。
  3. 【請求項3】 前記堰構造物に設けられた余水吐の下流
    側に、複数の前記コンクリートブロック体を配置したこ
    とを特徴とする請求項1,2記載の魚道構造物。
  4. 【請求項4】 前記コンクリートブロック体を面的に複
    数個配置することにより、下流側と上流側とを結ぶ複数
    の流路を形成したことを特徴とする請求項2,3記載の
    魚道構造物。
  5. 【請求項5】 前記コンクリートブロック体が六面以上
    の外面を有する多面体であって前記外面のうち二面以上
    の外面に連通した中空部を有するものであることを特徴
    とする請求項1〜4記載の魚道構造物。
  6. 【請求項6】 前記コンクリートブロック体の中空部の
    形状が、曲面体の一部、多面体の一部、円筒体、角筒体
    のうちの少なくとも一つを含む形状であることを特徴と
    する請求項1〜5記載の魚道構造物。
  7. 【請求項7】 前記コンクリートブロック体が立方体ま
    たは直方体であることを特徴とする請求項1〜6記載の
    魚道構造物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6091083A (en) * 1997-06-02 2000-07-18 Sharp Kabushiki Kaisha Gallium nitride type compound semiconductor light-emitting device having buffer layer with non-flat surface
US6652189B2 (en) * 2001-05-01 2003-11-25 Burns, Ii Gordon Charles Method for a migratory fish bypass channel with natural features
KR100743541B1 (ko) 2007-05-09 2007-07-27 주식회사 삼경 하천 수중보용 역사이펀 어도블록
CN106567368A (zh) * 2016-10-27 2017-04-19 中国船舶科学研究中心上海分部 一种大坝过鱼设施
JP2019056226A (ja) * 2017-09-20 2019-04-11 大成建設株式会社 コンクリートブロック

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