JP7002121B2 - バレル - Google Patents

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Description

本発明は、めっきなどに用いられるバレルに関する。
電気めっき等の表面処理(研磨等を含めるものとする)に用いるバレルとして、処理槽内で揺りかご状に揺動させたり、水平な軸心まわりで回転させたりしながら使用するものは周知である。この種のバレルは、基本的には、互いに離反して設けられる一対の端壁とこれら一対の端壁間の周囲を取り囲む状態で設けられる透水性の筒壁とを有している。
ところで、筒壁における周方向の一部であり、且つ一対の端壁間にわたる部位をその他の部位に対して結合離脱自在にすることにより、離脱側のバレル蓋と、受け側のバレル本体と、を有する構成とされたものが知られている(特許文献1等参照)。この場合、バレル蓋の離脱でバレル本体に生じる開放部位が、処理品を出し入れするための開口部とされる。
特許文献1に記載のバレルは、正八角形の筒形に形成された筒壁を、筒軸に沿って二等分することによりバレル本体とバレル蓋とが形成されているため、これらバレル本体とバレル蓋とは略同じ形体となっている。
そして、バレル本体には端壁を周方向に張り出させたフランジが設けられ、バレル蓋にはフランジから軸方向に沿って内方へ離れた位置で、互いに平行するようにして補強リブが張り出し形成されている。
バレル本体のフランジとバレル蓋の補強リブとの間には、意図的に隙間が形成されている。この隙間は、バレル蓋に設けたスライドのストロークが必要十分量になるようにするためのスペースであると推測され、スライドの先端をバレル本体のフランジに形成した挿入孔へ確実に係合(接触面を確保)させるようにしていた。
なお、スライドの摺動操作は人為的に行うものとされていた。
特開2001-107298号公報
バレルを用いた表面処理では、1サイクルの処理を終えるたびにバレル内の処理品を入れ替えることになる。この処理品の入れ替え作業は、表面処理全体の流れ(サイクルタイム)を大きく左右することになるので高効率で行うことが希求されるところである。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、この種の表面処理に用いるバレルは、処理品を取り出すに際して、人為操作によってバレル本体からバレル蓋の取り外しを行わなければならない。それ故、表面処理のサイクルタイムを短縮化するうえで大きなネックになっていた。
また、特許文献1に記載のバレルにおいて、バレル本体のフランジとバレル蓋の補強リブとの間には意図的に隙間が形成されているので、バレル本体のフランジにしろ、バレル蓋の補強リブにしろ、単独の(1枚板状の)張り出し構造となっているにすぎない。
すなわち、張り出し状態を傾かせるような曲げ力や撓ませ力等に対して十分な強度を具備するには至っておらず、その結果、これらの部位を利用して機械的なハンドリングを行うには耐力が不足していると指摘することができる。
その結果、従来のこの種のバレルを用いる限り、バレル蓋の開閉を機械的に自動化させるのは困難であるということがあった。殊に、バレル本体から取り外した後のバレル蓋に対しては、残留処理品の有無点検をできれば実施したいとの要請があり、当然ながら残留処理品が発見された場合にはそれを除去する作業も必要となるので、これら一連の作業を機械化できることが希求されているところである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、めっき等の表面処理に用いるバレルにおいて、バレル本体からバレル蓋を取り外す作業等を機械化できるものとして、処理品の入れ替え作業の機械化等も実現可能にし、もって表面処理全体のサイクルタイムの短縮化が図れるようにするバレルを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係るバレルは、互いに離反して設けられる一対の端壁とこれら一対の端
壁間の周囲を取り囲む状態で設けられる透水性の筒壁とを有したバレルにおいて、前記筒壁における周方向の一部であって且つ前記一対の端壁間にわたる大きさで処理品出し入れ用の開口部が形成されたバレル本体と前記バレル本体の前記開口部を閉鎖する大きさに形成されたバレル蓋とに結合離脱自在とされており、前記バレル蓋には、前記筒壁の筒軸となる方向に沿って移動するハンドリング用の係合差し部に対して係合可能となる配置で係合受け部が設けられており、前記バレル蓋には前記筒壁における径方向の外方となる向きへ張り出す蓋側フランジが設けられており、当該蓋側フランジに対して前記係合受け部が設けられていることを特徴とする。
の場合、前記バレル本体には、前記開口部に対応する配置で前記筒壁における径方向の外方となる向きへ張り出す本体側フランジが設けられ、前記バレル蓋の前記蓋側フランジと前記バレル本体の本体側フランジとが前記バレル本体と前記バレル蓋との結合時に互いに近接乃至当接した重合関係を生起するようにしてもよい。
記バレル本体には、前記開口部の開口周部のうち前記筒軸となる方向に平行する部位で立ち上がって前記バレル蓋の両サイドを嵌合状態にする嵌合突堤が設けられたものとするのが好適である。
本発明に係るバレルは、バレル本体からバレル蓋を取り外す作業等を機械化できるものとなり、処理品の入れ替え作業の機械化等も実現可能となり、もって、表面処理(本明細書では研磨等を含めるものとする)全体のサイクルタイムの短縮化が図れるものとなる。
本発明に係るバレルの第1実施形態についてバレル本体とバレル蓋とに分離した状態を示した斜視図である。 本発明に係るバレルの第1実施形態について組み立て状態を示した斜視図である。 本発明に係るバレルの第1実施形態についてバレル本体とバレル蓋とに分離した状態を示した正面図である。 本発明に係るバレルの第1実施形態について組み立て状態を示した正面図である。 本発明に係るバレルの第1実施形態に対して好適に使用可能な残品検査装置を示した正面図であってバレル蓋に対する検査状況を示している。 本発明に係るバレルの第1実施形態に対して好適に使用可能な残品検査装置に備えられるバレル蓋移動機構を示した側面図である。 残品検査装置に備えられる処理品検出機構を示した側面図である。 本発明に係るバレルの第1実施形態に対して好適に使用可能な残品検査装置を示した正面図であってバレル本体に対する検査状況を示している。 複数のバレルを連結した実施形態の側面図であってバレル本体からバレル蓋を離脱させた状態としてある。 バレルを処理槽の上方へ配置した状況を示した側面図である。 本発明に係るバレルの第2実施形態についてバレル本体とバレル蓋とに分離した状態を示した斜視図である。 本発明に係るバレルの第2実施形態について組み立て状態を示した斜視図である。 本発明に係るバレルの第2実施形態に対して好適に使用可能な残品検査装置に備えられるバレル蓋移動機構を示した側面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図4はバレル1の第1実施形態を示している。まず、このバレル1について説明する。
このバレル1は、互いに離反して設けられる一対の端壁3と、これら一対の端壁3間の周囲を取り囲む状態で設けられる透水性の筒壁4とを有して、内部が空洞に形成されて成る。この内部の空洞が、処理品と処理液とを接触させるための処理品収容部5として使用される。端壁3や筒壁4は、例えば塩化ビニル系樹脂等の絶縁材料により形成されている。
筒壁4(場合によっては端壁3を含む)には、処理品は通過不能とするが処理液の流通は妨げない多くの小孔やスリット、網目等(いずれも図示略)が形成されており、これらによってバレル内外での透水性が確保されている。また端壁3には、筒軸が通る位置(揺動又は回転の軸心位置)に、陰極用の電極6(図7参照)を差し込むための電極孔7が形成されている。
このバレル1では、筒壁4における周方向の一部であり、且つ一対の端壁3間にわたる部位をその他の部位に対して結合離脱自在にしてある。ここにおいて離脱される側がバレル蓋10とされる。また、離脱されたバレル蓋10を元に戻して結合させる側(受け側となるもの)がバレル本体11とされる。
すなわち、このバレル1は、バレル本体11とバレル蓋10とを有して構成されたものであり、バレル本体11に対してバレル蓋10が開閉自在となっている。
なお、端壁3については、その全てがバレル本体11のみに設けられる場合と、分割されてバレル蓋10及びバレル本体11の両方に振り分けられる場合とがある。本第1実施形態は後者(振り分けの例)である。
本第1実施形態において、筒壁4は正六角形の筒形に形成されたものを示しており、この筒壁4における六面壁のうち、隣り合って山形を呈する二壁とこれら二壁に垂下状に付随する短い立壁とによって形成されるものをバレル蓋10として(筒壁4における周方向の一部に相当するものとして)離脱できるようにしてある。
このようなバレル蓋10に対し、バレル本体11は、当然の如く筒壁4においてバレル蓋10を除いた部分である。そのため、バレル本体11についても「筒壁4における六面壁のうち、隣り合って山形を呈する二壁とこれら二壁に垂下状に付随する短い立壁とによって形成される」となって、構造表現的にはバレル蓋10と同じになる。
しかし、山形を呈する二壁に付随する短壁の長さが、バレル蓋10に比べてバレル本体11の方が長く形成されている。すなわち、バレル本体11とバレル蓋10とは同じ形状ではなく、バレル本体11の方に分配される処理品収容部5の容量が広いことになる。
そして、バレル本体11においてバレル蓋10を離脱した位置に生じる長方形状の開放部位が、バレル1に対して処理品を投入したり排出したりする際に使用する開口部12とされる。
この開口部12は、バレル本体11において、筒壁4における周方向の一部であって且つ一対の端壁3間にわたる大きさで形成されたものである。そして、開口周部を形成する四辺の立壁(長辺壁12a、短辺壁12b)が、開口平面(開口縁部で囲まれる仮想上面)に対して直交する垂直壁となるように形成してある。すなわち、開口部12は、対向する長辺壁12a相互間距離、及び対向する短辺壁12b相互間距離が、開口側(開口平面)で最大幅になっている、と言うことができる。
そのため、バレル蓋10を離脱させた状態のバレル本体11につき、開口部12が真下を向くような姿勢とさせた場合には、バレル本体11内に形成される処理品収容部5の内周面全てが鉛直方向に沿った姿勢となり、この処理品収容部5に収容された処理品は何ら引っ掛かりを受けることなく、残らず真下へ落下することになる。
なお、図示は省略するが、筒壁4は、四辺の立壁(長辺壁12a、短辺壁12b)を上記のような垂直壁とする他、開口部12に対して奥方(内底側)ほど幅狭となるような傾斜壁によって形成することもできる。
バレル本体11には一対の端壁3に対応する各位置(2箇所)に、一対の本体側フランジ15が設けられている。これら本体側フランジ15は、端壁3を筒壁4の径方向外方へ張り出させることによって形成させたものである。張り出し量は、バレル蓋10をバレル本体11に結合させたときに、本体側フランジ15の外周部がこのバレル蓋10を超える高さとなるようにしてある。
本第1実施形態では、バレル本体11の端壁3と本体側フランジ15とが二枚の板を張り合わせたような構造で、これら両者を一体形成されたものを示してある。しかし、一枚の板形状として端壁3と本体側フランジ15とを形成させる構造(要するに端壁3と本体側フランジ15とを兼用させる)にしてもよい。
また本第1実施形態では、筒壁4の周方向全部にわたり張り出すことによって円形板状に形成されたものを示している。これにより、本体側フランジ15は筒壁4に対してガードとして作用する。但し、このことは限定されるものではなく、本体側フランジ15は少なくとも開口部12に対応する領域だけに設けてもよい。
一方、バレル蓋10は、バレル本体11の開口部12を閉鎖する大きさを有している。このバレル蓋10には、バレル本体11の本体側フランジ15にそれぞれ対応する配置で一対の蓋側フランジ16が設けられている。これら蓋側フランジ16は、バレル蓋10をバレル本体11へ被せて結合したときに、バレル本体11の各本体側フランジ15に対して近接乃至当接した重合関係を生起するようになっている。
ここにおいて「近接乃至当接」は、本体側フランジ15に対して蓋側フランジ16が当接している状態と、常態としての当接ではなくバレル蓋10を微動させるだけで本体側フランジ15に対して蓋側フランジ16が当接し得るような、ごく小さなクリアランスを伴った近接状態と、を含めて言うものである。
本第1実施形態では、バレル蓋10の端壁3と蓋側フランジ16とが一枚の板に形成される(要するに端壁3と蓋側フランジ16とを兼用させている)構造を示してある。しかし、本体側フランジ15の場合と同様に、二枚の板を張り合わせたかのような構造により、端壁3と蓋側フランジ16とを一体形成することもできる。
このような蓋側フランジ16には、ハンドリング用の係合差し部17(図6参照)と係合可能にする係合受け部18が設けられている。ハンドリング用の係合差し部17は、後述するように筒壁4の筒軸となる方向に沿って移動可能とされたものである。
この係合受け部18は、蓋側フランジ16を貫通するもの孔として形成するのが好適であるが、少なくとも本体側フランジ15と重合する面とは反対側の面(一対の蓋側フランジ16相互間において対向する面)で凹部を形成するものであればよい。
本第1実施形態では、各蓋側フランジ16において、2個の係合受け部18が横並びに設けられたものとしてあり、そのうち一方(図3中の右側)が丸孔で、他方(図3中の左側)が横に長い長孔としてある。この長孔により、2個の係合受け部18の相互間隔に生じる誤差を吸収し、係合差し部17との係合を容易且つ確実に行えるようにしてある。
このようなバレル1において、バレル本体11にバレル蓋10を被せた際における両者の相対的な位置決めをするために、バレル本体11には嵌合突堤20が設けられている。この嵌合突堤20は、開口部12を挟んで互いに対向するように一対(2本)設けられており、これら一対の嵌合突堤20により、バレル蓋10の両サイドを嵌合状態にするものである。
本第1実施形態においてこの嵌合突堤20は、バレル本体11の開口部12に対して、筒軸となる方向に平行する部位(長辺側の開口縁部)で立ち上がるようになっている。また各嵌合突堤20は、F型の断面形状に形成されたものとしてある。
更に、このバレル1において、バレル本体11にバレル蓋10を被せた後、これらバレル本体11とバレル蓋10とを結合するために、バレル本体11及びバレル蓋10の両者間に振り分けるようにして蓋止め機構21が設けられている。
この蓋止め機構21は、バレル本体11に設けられる溝レール22と、バレル蓋10に設けられるスライド部材23とを有している。
バレル本体11の溝レール22は、嵌合突堤20を前記のように断面F型に形成することで、開口部12を挟んだ両側の嵌合突堤20の互いの対向面に横筋が現れるようにして形成したものである。このようなことから、一対の嵌合突堤20にそれぞれ設けられた溝レール22も、開口部12を挟んで対峙するものであることが明らかである。
また嵌合突堤20には、長手方向の両端寄りに、開口部12へ面して開口する切欠24が形成されている。すなわち、切欠24は、本体側フランジ15に近接する配置で合計4つある。いずれの切欠24も、溝レール22まで達して横筋内に連通するようになっている。
これに対してバレル蓋10のスライド部材23は、バレル本体11(嵌合突堤20)の各切欠24に割り振られるような配置で、バレル蓋10の両側縁部に設けられている。すなわち、このスライド部材23についても合計4つある。これらスライド部材23にはバレル蓋10の側方へ向けて突出する係合爪25が設けられている。
そして各スライド部材23は、バレル蓋10の側縁部のうち、一対の蓋側フランジ16間の丁度、中央位置に設けられたバネ受け26に当て止めされたバネ27により、常時、蓋側フランジ16へ向けて押し出し付勢されている。これにより各スライド部材23は、バレル本体11にバレル蓋10を被せるようにしても、各切欠24に各係合爪25が不一致になる配置関係となっており、その結果、係合爪25は切欠24に嵌らず、バレル蓋10もバレル本体11に対して適切に被せることはできない。
一方で、スライド部材23は、バネ27を圧縮する方向(バネ受け26へ近づける方向)へ押し操作したときに、筒壁4の筒軸に沿った方向でスライド自在となっている。このスライドにより、各切欠24に各係合爪25が一致し、係合爪25が切欠24に嵌ることがある。係合爪25が切欠24に嵌れば、係合爪25はバレル本体11(嵌合突堤20)に設けられた溝レール22内に存在することになるので、スライド部材23の全体として、スライド自在になる。
そのため、この状況下でスライド部材23への押し操作力を緩めれば、バネ27の付勢力により、溝レール22内の係合爪25を切欠24と不一致の配置(溝レール22から脱出しない配置)となるように、スライド部材23をスライドさせることができる。
要するに、このような蓋止め機構21は、筒壁4の筒軸に沿ってスライド部材23をスライドさせることにより、バレル本体11に結合させたバレル蓋10をロック状態にしたり、係合を解除してバレル本体11に結合させたバレル蓋10をアンロック状態にしたり切り換えることができる。
このような構成を具備するバレル1は、バレル本体11を開口部12が真下を向く姿勢にすることで、バレル本体11内の処理品を残らず取り出すことができるので、処理品の入れ替え作業を高効率で行えるようになる。従って、表面処理全体のサイクルタイムの短縮化が図れるようになる。
図5乃至図7は、前記したバレル1を用いてめっき等の表面処理を実施し、バレル1から処理品を取り出した後、バレル1内に対する処理品の残品検査を行う際などに好適に使用することができる残品検査装置50の一実施形態を示している。
以下、この残品検査装置50について説明する。
なお、本第1実施形態の残品検査装置50では、図9に示すように、2つのバレル1を筒壁4の筒軸方向(図9の左右方向)に連結した状態で使用するものを示している。
そのため、個々のバレル1がそれぞれ一対の端壁3(本体側フランジ15や蓋側フランジ16と一体である場合を図示)を有したものとしてある。しかし、両バレル1相互間の連結部分を構成する端壁3については、両バレル1間に一つだけ設けて共用したり、或いは省略したりすることが可能である。
すなわち、本第1実施形態で示すような連結タイプとする場合にあって、連結部分の端壁3は仕切り壁として機能するものであり、本来、「一対の端壁3」と呼べるものは、連結によって長くなる方向(筒壁4の筒軸方向に同じ)の両端側(図9の左端側と右端側)に配置される端壁3となる。
なお、図例ではバレル1が横並びで2つ連結されたものを示してあるが、3つ以上の連結としてもよい。また場合によっては、連結ではなく横長一体形のものとしてもよい。このように、バレル1については、筒軸方向に延ばす種々の態様が考えられるが、残品検査装置50に関する以下の説明では、バレル1が連結構造であるか否か、或いは連結数が幾つであるか等に拘わらず、単に「バレル1」と言うことがある。
このバレル1の筒軸方向両端部には、電極孔7(図1乃至図4参照)の開口周部で張り出すハンドリング用フランジ54が設けられている。そして、図10に示すように、処理槽56やその他の工程(残品検査装置50を含む)を対象とした搬入や搬送、出し入れ、姿勢保持、揺動や回転の支持等々を行うに際しては、これら両側のハンドリング用フランジ54を係合又は把持することによって行うようにする。
また、このバレル1における片側のハンドリング用フランジ54と本体側フランジ15との間には、バレル1を筒軸Pまわりで揺動又は回転させるための駆動を伝達するギヤ57が設けられている。
図5乃至図7に示すように、残品検査装置50は、バレル保持機構60と処理品検出機構61とを有している。このうち、まず一方の構成要素であるバレル保持機構60について説明する。
このバレル保持機構60は、バレル1を検査位置W1で保持するためのものである。なお、検査位置W1は、処理槽56内とは別に設定される場所(要するに処理槽56の内部ではない場所)であれば特に場所的な限定は受けない。
このバレル保持機構60は、バレル本体11からバレル蓋10を離脱させると共に、離脱させたバレル蓋10を所定の保持状態にするバレル蓋移動機構64と、バレル本体11を所定の保持状態にするバレル本体保持機構65とを有している。
まず、バレル蓋移動機構64について説明する。図6は、バレル蓋移動機構64の一例を示している。
このバレル蓋移動機構64は、一つのバレル1(図1乃至図4に示したもの)に対して1対1対応となるように設けられる。
図5に示すように、このバレル蓋移動機構64は、移動ベース68と、この移動ベース68上に保持された昇降枠69と、この昇降枠69の下面に、ハンドリング駆動部70(図6参照)を介して下方へ突出する状態で設けられた二つのハンドリング体71と、を有している。
移動ベース68は、表面処理を経たバレル1(バレル本体11)からバレル蓋10を離脱させる離脱位置W2の上方と、前記した検査位置W1との上方との間を、上方軌道72に沿って移動可能に設けられている。
本第1実施形態では更に、検査位置W1で停止した移動ベース68が、図8に示すように離脱位置W2とは反対方向(図8の左方)へ向けて移動可能に設けられたものを示している。この移動は、検査位置W1を空きスペースとさせるための退避動作として行う。具体的な退避動作については後述する。
また昇降枠69は、離脱位置W2で停止するバレル本体11に対して、バレル蓋10を離脱させたり被せたりするのに必要な高さと同等以上のストロークで、移動ベース68に対する昇降が可能なように設けられている。
これら移動ベース68の移動や昇降枠69の昇降を行わせるための具体構造については、チェーン駆動、送りネジ駆動、流体圧シリンダー駆動、ソレノイド駆動等の他、自己搭載型の適宜機構など、種々様々な公知技術を採用可能であり何ら限定されない。
図6に示すように、二つのハンドリング体71は、それぞれ、2個一組の係合差し部17を有している。これら係合差し部17は、バレル1における筒壁4の筒軸となる方向に沿って移動可能となっており、一つの蓋側フランジ16に並設された2個の係合受け部18(図1乃至図4参照)に対して同時に係合可能な突出形状を有して形成されている。すなわち、二つのハンドリング体71の係合差し部17同士間での位置関係で言えば、各係合差し部17は、互いに背合わせとなって外向き(直近の蓋側フランジ16に対向する向き)に突出するように配置されている。
ハンドリング駆動部70は、流体圧シリンダーや電動モーター、ソレノイドなどを駆動源として、2個一組の係合差し部17(一つの蓋側フランジ16に設けられた2個の係合受け部18に係合するもの)を一体的に水平移動(近接離反動作)させるための動力機構である。
ハンドリング駆動部70は、二つのハンドリング体71に対して各別に設けられているが、これら各別のハンドリング駆動部70の駆動は、動作向きを相対逆にしつつ同期させるようになっている。すなわち、両ハンドリング体71が有する2個一組の係合差し部17を相互近接させたり相互離反させたりする。
ハンドリング駆動部70は、両ハンドリング体71を相互近接させたときを待機位置とさせ、この場合、バレル蓋10に設けられた両側の蓋側フランジ16に対し、それらの内側となる位置へ二つのハンドリング体71が収まるようにする。
またハンドリング駆動部70は、両ハンドリング体71を相互離反させた場合、バレル蓋10に設けられた両側の蓋側フランジ16に対し、それらの係合受け部18へ内側からハンドリング体71の係合差し部17を係合させるようにする。
本第1実施形態において使用するバレル1(図1乃至図4参照)では、前記したように蓋止め機構21を備えており、バレル蓋10に設けられたスライド部材23をスライド操作することで、バレル本体11に対するバレル蓋10の脱着が可能になっている。
そのため昇降枠69には、その下面に、スライド駆動部75を介して下方へ突出する状態で設けられた二つの操作体76が設けられている。
二つの操作体76は、それぞれ、2本一組で垂下する係合片77を有している。これら係合片77は、バレル蓋10の両側部に跨って配置された2個のスライド部材23に対して同時に係合可能とされている。
スライド駆動部75は、流体圧シリンダーや電動モーター、ソレノイドなどを駆動源として、2本一組の係合片77(バレル蓋10の両側部に跨って配置された2個のスライド部材23に係合するもの)を一体的に水平移動(近接離反動作)させるための動力機構である。
スライド駆動部75は、二つの操作体76に対して各別に設けられているが、これら各別のスライド駆動部75の駆動は、動作向きを相対逆にしつつ同期させるようになっている。すなわち、両操作体76が有する2本一組の係合片77を相互近接させたり相互離反させたりする。
スライド駆動部75は、両操作体76を相互離反させたときを待機位置とさせ、この場合、バレル蓋10の両側に設けられた蓋側フランジ16に対し、二つの操作体76を近接させる配置にする。このとき、係合片77はバレル蓋10のスライド部材23には係合していないので、スライド部材23の係合爪25は、バレル本体11の切欠24とは不一致の状態(ロック状態)を維持している。
またスライド駆動部75は、両操作体76を相互近接させた場合、バレル蓋10の両側に設けられた蓋側フランジ16に近接する各操作体76を全て筒軸方向の内方へ押し操作する。これにより、全ての係合片77がバレル蓋10のスライド部材23に外から係合して一斉に内方へ押し出すようになる。そのためスライド部材23が移動して係合爪25がバレル本体11の切欠24と一致する状態(アンロック状態)となる。
次にバレル本体保持機構65について説明する。図7は、バレル本体保持機構65を示している。
本第1実施形態においてこのバレル本体保持機構65は、基本的にはバレル蓋10が取り外され且つ処理品収容部5が空にされた状態のバレル本体11を保持の対象にするものとする。
図5に示すように、このバレル本体保持機構65は、移動枠80と、この移動枠80に下方突出状態で設けられたハンドリング体81と、を有している。
移動枠80は、表面処理を経たバレル1(バレル本体11)からバレル蓋10を離脱させる離脱位置W2の上方(図5参照)と、前記した検査位置W1との上方(図8参照)との間を、上方軌道82に沿って移動可能に設けられている。
本第1実施形態では、バレル本体11からバレル蓋10を離脱させる同じ位置の下方に、ホッパーなどの処理品回収装置83を設けてある。そして処理品回収装置83の下方には、次工程(例えばベーキング工程や洗い工程等)に向けて処理品を搬送するためのバスケット84をセットできるようにしてある。
そのため、バレル本体11からバレル蓋10を離脱させた後、そのままバレル本体11を上下反転させることにより、バレル本体11の処理品収容部5内に収容された処理品を、残さず開口部12から落下させ、バスケット84へ取り出すことができる。
移動枠80の移動を行わせるための具体構造については、チェーン駆動、送りネジ駆動、流体圧シリンダー駆動、ソレノイド駆動等の他、自己搭載型の適宜機構など、種々様々な公知技術を採用可能であり何ら限定されない。
図7に示すように、ハンドリング体81は、バレル1の筒軸方向両端部に設けられた一対のハンドリング用フランジ54を引っ掛けたりクランプしたり、或いは対向押圧したりして、バレル本体11を把持状態にし、持ち上げ保持できるようにしたものである。
なお、前記したように離脱位置W2では処理品を取り出すに際してバレル本体11を上下反転させるものとしてあるので、ハンドリング体81自体又はこのハンドリング体81に付随する配置でバレル反転機構(図示略)が設けられている。
次に、残品検査装置50を構成するもう一つの要素である処理品検出機構61について説明する。
この処理品検出機構61は、バレル本体保持機構65により保持されたバレル本体11を対象として、その処理品収容部5内を検査することを基本とする。また好ましくは、バレル蓋移動機構64によって保持されたバレル蓋10をも対象として、その裏側(処理品収容部5の一部である)を併せて検査するようにしてもよい。本第1実施形態では、バレル本体11とバレル蓋10の両方を検査するようにしている。
図5に示すように、この処理品検出機構61は前記した検査位置W1を待機位置として設けられており、検出部88と検出部移動機構89とを備えている。
検出部88は、非接触で処理品検出が可能とされたものである。本第1実施形態においてこの検出部88には、次の理由に対応させるために山形に形成されたものを用いてある。
すなわち、バレル本体11に形成される処理品収容部5(上下反転によって下方へ向けて全面開放されている)の内部形状は、切妻屋根の天井面のような二斜面を有して形成されている。
また、バレル蓋10の裏側(このときバレル蓋10はバレル本体11から離脱されそのまま上昇された状態にあるのでバレル本体11と同じく、処理品収容部5は下方へ向けて全面開放されている)の内部形状についても、バレル本体11の場合と同様に、切妻屋根の天井面のような二斜面を有して形成されている。
そのため、検出部88を山形に形成することで、バレル本体11やバレル蓋10の処理品収容部5内へ差し入れたまま筒軸方向に沿って移動させることにより、処理品収容部5内の全ての内面に対して一定した近接状態を保持させることができ、もって高精度の検査が可能となっているのである。
また、万が一、処理品収容部5に処理品が残っていたとしても、この処理品を検出部88によって掻き落とすことができる。
この検出部88は、具体的には、金属探知器、近接スイッチ、撮像機、渦電流発生器、放射線透過機などを採用可能である。近接スイッチには誘導形近接スイッチ、静電容量形近接スイッチ、超音波形近接スイッチ、光電形近接スイッチ、光センサ、光電管などを採用することもできる。
検出部移動機構89は、バレル本体保持機構65により保持されたバレル本体11の処理品収容部5内や、バレル蓋移動機構64によって保持されたバレル蓋10の処理品収容部5内に対して、検出部88を差し入れたり抜き出したりすると共に、処理品収容部5内への差し入れ時にはこの処理品収容部5内を非接触で筒軸方向に移動させるようにしたものである。
この検出部移動機構89の具体例として、昇降台92と横滑り台93とを有したものを例示する。なお、以下の説明はあくまでも一例であって、検出部88に所定の動きを起こさせるための機構や各種構造の組み合わせには、従来公知の種々様々なものを置換して採用可能であることは言うまでもない。
昇降台92は、装置フレーム95に建て込み固定された浮上床96を基礎にして、昇降機97により昇降可能とされている。この昇降台92に、支持脚98を介して検出部88が取り付けられている。
言うまでもなく、昇降台92の昇降ストロークは、検出部88が、バレル本体11の処理品収容部5やバレル蓋10の処理品収容部5に当接又は衝突しないことを前提として、検出部88の適正な検出距離となる高さ(例えば近接スイッチの場合であれば可及的に短い距離とする)と、バレル本体11やバレル蓋10の下方でこれらと検出部88とが接触しない高さと、の間の距離として設定されている。
横滑り台93は、昇降台92上に架設された水平ガイド100に沿って、支持脚98と一緒に検出部88を水平移動させるようになっている。
言うまでもなく、横滑り台93による検出部88の移動ストロークは、処理品収容部5の筒軸方向の長さ未満として設定されている。
これら昇降台92の昇降や横滑り台93の移動を行わせるための具体構造については、チェーン駆動、送りネジ駆動、流体圧シリンダー駆動、ソレノイド駆動など、種々様々な公知技術を採用可能であり何ら限定されない。
なお、横滑り台93によって検出部88を移動させる際には、バレル本体11に電極6が装入されていることがある。しかし、この電極6は可撓性の豊富なハーネス6aによりバレル本体11内へ装入されている。
そのため、図7に示すようにバレル本体11を開口部12が下を向くように反転させた状態では、電極6の自荷重を受けてハーネス6aが下向きに撓むようになり、このハーネス6aの先端で電極6が垂れ下がった状態になる。
このとき電極6は、バレル本体11の開口部12内(処理品収容部5)にあってその最上位置で下を向くようになっている二斜面から離反していることになるので、検出部88を可及的にバレル本体11内の二斜面に近接させることができ、そのままこれら二斜面に沿って検出部88を移動させることができるものである(検出部88の移動に対して電極6が邪魔となることはない)。
次に、残品検査装置50としての全体的な稼働状況を説明する。
残品検査装置50へ搬入される前のバレル1は、図10に示すように、その筒軸方向両端に設けられたハンドリング用フランジ54を係合又は把持することによって保持状態にされ、処理槽56などで表面処理(本明細書では研磨等を含めるものとする)に供される。
表面処理が終了したバレル1は、保持状態が維持されたまま、図5に示すように残品検査装置50の離脱位置W2へ搬入される。
そこでまず、残品検査装置50は、離脱位置W2に保持されたバレル1に対してバレル蓋移動機構64を作動させる。
バレル蓋移動機構64は、移動ベース68を移動させ、相互近接状態としている二つのハンドリング体71を離脱位置W2のバレル1上で停止させる(なお、図5ではバレル1においてバレル蓋10を離脱させバレル本体11を上下反転させた様子を示したものであり、移動ベース68についても移動前の様子を示しており、これらの点で上記説明とは一致しない)。
次にバレル蓋移動機構64は、図6に示すように、昇降枠69をバレル蓋10上へ下降させて、ハンドリング体71の係合差し部17をバレル蓋10に設けられた両側の蓋側フランジ16の係合受け部18の高さに一致させる。
そして、二つのハンドリング体71を相互離反させて、係合差し部17を蓋側フランジ16の係合受け部18へその内側から係合させる。
この際、万が一、ハンドリング体71が蓋側フランジ16に当接して横押し力を加えるようなことが起こったとしても、バレル蓋10の蓋側フランジ16は、バレル本体11の本体側フランジ15と重合してバックアップされた状態となっていることから、蓋側フランジ16が押し曲げられるといったことはない。
従って、蓋側フランジ16の変形防止となり、係合受け部18の配置(高さ等)が位置ズレするようなことも防止される。そのため、係合差し部17による係合受け部18への係合も失敗がない。当然に、バレル蓋10やバレル本体11の寿命を縮めることもない。
そして、この係合差し部17と係合受け部18との係合状態を維持させたまま、二つの操作体76を相互近接させることで、下端の係合片77をバレル1に備えられた蓋止め機構21のスライド部材23に当接させ、そのまま横押ししてスライド操作する。
これにより、スライド部材23に設けられた係合爪25をバレル本体11の嵌合突堤20に設けられた切欠24に溝レール22(図1参照)内で一致させ、バレル本体11に対するバレル蓋10の離脱を可能な状態にさせる。
そこで、昇降枠69を上昇させる。これにより、二つのハンドリング体71(係合差し部17)によりバレル蓋10(係合受け部18)を上昇させるようにして、バレル本体11からバレル蓋10を取り外し、保持状態にする。
その後、図5に示すように移動ベース68を移動前へ復動させ、保持したバレル蓋10を検査位置W1の上方で停止させる。
保持されたバレル蓋10は、バレル本体11(開口部12)へ向けられていた面(裏側)を下方へ向けて全面開放する姿勢となっている。
また、離脱位置W2では、反転機構(図示略)がバレル本体11を上下反転させて、バレル本体11の処理品収容部5内の処理品(処理済み品)を開口部12から下方の処理品回収装置83へ落下させる。落下した処理品は処理品回収装置83の下方にセットされたバスケット84に投入され、次工程へ向け搬出される。
次に残品検査装置50は、検出部移動機構89を作動させる。
検出部移動機構89は、昇降台92を上昇させ、検出部88をバレル蓋10の裏側(処理品収容部5の一部)へ差し入れる(なお、図7ではバレル本体11の場合を例示しており、この点で上記説明とは一致しない)。
そしてこの状態で横滑り台93を昇降台92上の水平ガイド100に沿って水平移動させ、検出部88によるバレル蓋10の裏側検査を実行させる。
この際、検出部88がバレル蓋10の裏側で処理品(その他の不純物や処理品の破片などを含む)を検出した場合は、適宜報知手段(図示略)を作動させるようにしておくとよい。
その後、横滑り台93の復動、昇降台92の下降を行って、バレル蓋10に対する残品検査を終了する。
そこでバレル蓋移動機構64は、図8に示すように移動ベース68を検査位置W1から離脱位置W2とは反対方向へ向けて退避移動させ、検査位置W1を空きスペースとさせる。
次に残品検査装置50は、バレル本体保持機構65を作動させる。
バレル本体保持機構65は、図5に示すように離脱位置W2の上方で停止している移動枠80を、図8に示すように検査位置W1の上方へ向けて移動させる。これにより、離脱位置W2の上方で上下反転して停止していたバレル1(処理品を落下済みのバレル本体11)を検査位置W1の上方へ移動させ、停止させる。
言うまでもなく、保持されたバレル本体11は、処理品収容部5の開口部12を下方へ向けて全面開放する姿勢となっている。
次に残品検査装置50は、再び検出部移動機構89を作動させる。
検出部移動機構89は、昇降台92を上昇させ、検出部88をバレル本体11の処理品収容部5内へ差し入れる(なお、図7は検出部88が非上昇の状態を示しており、この点で上記説明とは一致しない)。
そしてこの状態で横滑り台93を昇降台92上の水平ガイド100に沿って水平移動させ、検出部88によるバレル本体11の処理品収容部5内を検査実行させる。なお、バレル本体11の開口部12内(処理品収容部5)に電極6が装入されていたとしても、電極6は下向きに撓んだハーネス6aにより垂れ下がった状態にあり、検出部88の移動に対して電極6が邪魔となることはない。
この際、検出部88がバレル本体11の処理品収容部5内で処理品(その他の不純物や処理品の破片などを含む)を検出した場合は、適宜報知手段(図示略)を作動させるようにしておくとよい。
その後、横滑り台93の復動、昇降台92の下降を行って、バレル本体11に対する残品検査を終了する。
以上の作動工程で異常が発見されなければ、残品検査の1サイクルは終了であり、各部が初期状態に復帰される。
以上、詳説したところから明らかなように、この残品検査装置50を使用することで、表面処理における処理品の品質の均一化及び高品質化を維持しつつも処理済み品と未処理品との混合を徹底して防止し且つ確認できるようになる。また、残品を発生させることがないので、設備的動作的な無駄が一切排除され、設備コストにおいて費用対効果を高められるようになる。
なお、前記実施形態では、バレル蓋10に対する残品検査を先に行い、その後にバレル本体11に対する残品検査を行うように説明したが、この順番は限定されるものではない。すなわち、バレル本体11に対する残品検査を先に行い、その後にバレル蓋10に対する残品検査を行うようにしてもよい。
言うまでもなく、バレル蓋10の形状を変更するなどしてバレル蓋10に処理品が残らないことが確かな場合などには、バレル蓋10に対する残品検査を不実施とすることも可能である。
図11乃至図13は、本発明に係るバレル1の第2実施形態を示している。本第2実施形態のバレル1についても、第1実施形態と同様に、バレル本体11とバレル蓋10とを有して構成されており、バレル本体11に対してバレル蓋10が開閉自在となっている。
また、バレル本体11においては、筒壁4における周方向の一部であって且つ一対の端壁3間にわたる大きさで処理品出し入れ用の開口部12が形成されている点や、バレル蓋10において、バレル本体の開口部12を閉鎖する大きさに形成されている点なども、第1実施形態と同じである。
なお、本第2実施形態において、筒壁4は正八角形の筒形に形成されたものを示しており、この筒壁4における八面壁のうち、等脚台形(底辺の両端の内角が等しい台形)を呈する三壁によって形成されるものをバレル蓋10として、筒壁4のその他の壁を形成しているバレル本体11から離脱できるようにしてある。
とは言え、バレル本体11の開口部12は、開口周部を形成する四辺の立壁(長辺壁12a、短辺壁12b)が垂直壁とされており、これによってバレル本体11を開口部12が真下を向くような姿勢とさせた場合に、処理品収容部5の内周面全てが鉛直方向に沿った姿勢となる点も第1実施形態と同じである。
そのため、処理品収容部5に収容された処理品が何ら引っ掛かりを受けることなく、残らず真下へ落下するという利点は、本第2実施形態からも得られる。
本第2実施形態のバレル1が第1実施形態と最も異なるところは、ハンドリング用の係合差し部17に対し、係合可能とされる係合受け部18が、蓋止め機構21のスライド部材23に設けられている点にある。
本第2実施形態の蓋止め機構21では、バレル蓋10に設けられるスライド部材23が、筒壁4における周方向の一部(等脚台形の上底にあたる部分)に配置されている。そしてこのスライド部材23は、バレル蓋10が呈している等脚台形の上底から両側方へ張り出して台形の脚(キャク)にあたる斜辺上をオーバーハングするような形状とされている。
係合受け部18は、このようなスライド部材23の張り出し部分に対して、筒軸の方向に貫通する孔として設けられている。
スライド部材23は、バレル蓋10に固定されたレール部材103に対して例えば蟻足形等の噛み合い関係(図示略)を有する摺動台104により、離脱不能状態を保持しつつスライド自在に保持されている。
そしてスライド部材23は、バレル蓋10の中央位置に設けられたバネ受け26に当て止めされたバネ27により、常時、相反する方向(バレル本体11の本体側フランジ15へ近接させる方向)へ押し出し付勢されている。そのためスライド部材23は、バネ27を圧縮する方向(バネ受け26へ近接させる方向)へ押し操作したときに、筒壁4の筒軸に沿ってスライドするようになっている。これらの作用については第1実施形態と略同じである。
スライド部材23には、摺動台104を介してバネ27によって押し出される先方へ向けて突出する差込突起105が設けられている。
一方、バレル本体11の本体側フランジ15には、スライド部材23の差込突起105と係合離脱するための差し入れ部106が設けられている。この差し入れ部106は、本体側フランジ15を筒軸の方向に貫通する孔として形成されたものでもよいし、非貫通の凹部としてもよい。
なお、このように本体側フランジ15に差し入れ部106が設けられているので、バレル本体11の開口部12に設けられた嵌合突堤20は、第1実施形態とは異なり、切欠24や溝レール22のような複雑な構造を必要としない、単純形状の壁として形成されている。
このような構成を具備してなる第2実施形態のバレル1に対して好適に採用されるバレル保持機構60のバレル蓋移動機構64は、図13に示すように、バレル蓋10ごとに設けられた昇降枠69の下部に、下方へ突出する二つのハンドリング体71と、二つの係合片77とを有したものとなっている。
1個のハンドリング体71と1個の係合片77とが近接して下向きにコ字状を呈するように固定配置され、1ペアの組み合わせを形成している。この1ペア(71,77)のうちハンドリング体71に、係合片77へ向けて突出する状態で(略水平に)係合差し部17が設けられている。
個々のペア(71,77)は、バレル蓋10に設けられた各スライド部材23を個別に挟み込むような配置で振り分けられている。そして、各ペア(71,77)同士が相互離反、相互近接するように動作するものとなっている。
なお、この相互近接、相互離反を起こすための機構については従来公知の各種機構を採用し得るものであり、また図6で説明した実施形態でも一例を挙げているので、その詳細についての説明は省略する。
個々のペア(71,77)は相互離反させたときを待機位置とさせてあり、この待機位置では、各スライド部材23に対してハンドリング体71を外側(本体側フランジ15に面する側)から離れている。
もちろん、係合差し部17は、スライド部材23の係合受け部18には差し入れられていない状態としてある。またこのとき係合片77は、スライド部材23に対して内側(バネ受け26に面する側)の起立面から離れている。
そのため、各ペア(71,77)同士が待機位置から相互近接するときに、ハンドリング体71は係合差し部17を両スライド部材23の係合受け部18に対して外側からへ差し入れるようになっている。この差し入れ状態で昇降枠69が上昇すれば、バレル蓋10を持ち上げられることになる。
反対に、各ペア(71,77)同士が待機位置から相互離反するときに、係合片77はその下端をスライド部材23の内側の起立面へ係合させるようになっている。この係合状態で各ペア(71,77)同士が更に相互離反を継続することで、両スライド部材23を相反する方向(本体側フランジ15へ近接させる方向)へ押し込み、差込突起105を本体側フランジ15の差し入れ部106へ確実に係合させることができることになる。
その他の構成や作用効果、及び装置動作などは第1実施形態と略同じであるので、同じ作用を奏するものに同じ符号を付することによってここでの詳説は省略する。
ところで、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、バレル1において、筒壁4は正多角形以外の多角形による筒形としたり円筒形としたりすることも可能である。なお、端壁3の形状は、筒壁4の端部を閉塞できるものであれば何ら限定されない。
表面処理がめっきである場合において、めっきの種類、処理品の材質や形状などは何ら限定されるものではない。
バレル本体11の処理品収容部5やバレル蓋10の裏側(処理品収容部5の一部)に対し、検出部88を差し入れるか否かは特に限定されるものではなく、例えば検出部88を撮像機(カメラ等)とする場合では、バレル本体11やバレル蓋10から離れた位置に検出部88を設置するようにしてもよい。
バレル本体11やバレル蓋10は、処理品収容部5を下向きに全面開放させるようにすることが限定されるものではなく、上方や横方へ向けて全面開放させるようにしてもよい。
1 バレル
3 端壁
4 筒壁
5 処理品収容部
6 電極
6a ハーネス
7 電極孔
10 バレル蓋
11 バレル本体
12 開口部
12a 長辺壁
12b 短辺壁
15 本体側フランジ
16 蓋側フランジ
17 係合差し部
18 係合受け部
20 嵌合突堤
21 蓋止め機構
22 溝レール
23 スライド部材
24 切欠
25 係合爪
26 バネ受け
27 バネ
50 残品検査装置
54 ハンドリング用フランジ
56 処理槽
57 ギヤ
60 バレル保持機構
61 処理品検出機構
64 バレル蓋移動機構
65 バレル本体保持機構
68 移動ベース
69 昇降枠
70 ハンドリング駆動部
71 ハンドリング体
72 上方軌道
75 スライド駆動部
76 操作体
77 係合片
80 移動枠
81 ハンドリング体
82 上方軌道
83 処理品回収装置
84 バスケット
88 検出部
89 検出部移動機構
92 昇降台
93 横滑り台
95 装置フレーム
96 浮上床
97 昇降機
98 支持脚
100 水平ガイド
103 レール部材
104 摺動台
105 差込突起
106 差し入れ部
P 筒軸
W1 検査位置
W2 離脱位置

Claims (3)

  1. 互いに離反して設けられる一対の端壁とこれら一対の端壁間の周囲を取り囲む状態で設けられる透水性の筒壁とを有したバレルにおいて、
    前記筒壁における周方向の一部であって且つ前記一対の端壁間にわたる大きさで処理品出し入れ用の開口部が形成されたバレル本体と前記バレル本体の前記開口部を閉鎖する大きさに形成されたバレル蓋とに結合離脱自在とされており、
    前記バレル蓋には、前記筒壁の筒軸となる方向に沿って移動するハンドリング用の係合差し部に対して係合可能となる配置で係合受け部が設けられており、
    前記バレル蓋には前記筒壁における径方向の外方となる向きへ張り出す蓋側フランジが設けられており、当該蓋側フランジに対して前記係合受け部が設けられている
    ことを特徴とするバレル。
  2. 前記バレル本体には、前記開口部に対応する配置で前記筒壁における径方向の外方となる向きへ張り出す本体側フランジが設けられ、
    前記バレル蓋の前記蓋側フランジと前記バレル本体の本体側フランジとが前記バレル本体と前記バレル蓋との結合時に互いに近接乃至当接した重合関係を生起することを特徴とする請求項記載のバレル。
  3. 前記バレル本体には、前記開口部の開口周部のうち前記筒軸となる方向に平行する部位で立ち上がって前記バレル蓋の両サイドを嵌合状態にする嵌合突堤が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のバレル。
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