JP6998416B2 - 空燃比センサの劣化判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排ガスの空燃比を検出する空燃比センサの応答劣化を判定する空燃比センサの劣化判定装置に関する。
空燃比センサは、内燃機関の排気通路に設けられ、排ガスの空燃比を広範囲に検出するものであり、その検出結果は、混合気の空燃比のフィードバック制御や、排ガス浄化装置の再生制御などに用いられる。また、一般に、空燃比センサは、使用が進むにつれて応答性が低下する応答劣化が進行するため、その劣化判定が行われる。さらに、排ガス中の煤が空燃比センサのカバーなどに付着し、堆積量が多くなると、応答性が一時的に低下することが知られている。
この特性に着目し、煤(粒子状物質)の堆積による空燃比センサの応答性の低下を防止する制御装置が、例えば特許文献1に記載されている。この制御装置では、検出された内燃機関の負荷及び回転数に基づき、所定のマップを用いて、空燃比センサへの煤の付着量を推定する。推定された煤付着量が所定量以上のときには、空燃比センサの応答性が悪化するおそれがあるとして、空燃比センサに付着した煤を除去するための煤(PM)除去制御が実行される。この煤除去制御は、吸入空気量を増大させることで、排気流速を高め、煤を吹き飛ばすとともに、排気温度を上昇させ、煤を燃焼させることによって行われる。
特許第6254411号公報
上述したように、空燃比センサは、煤の堆積量が多くなると、応答性が低下するという特性を有するものの、その低下度合は、堆積量が同じであっても一定ではない。また、空燃比センサに付着した煤は、その後の内燃機関の運転状態に応じ、例えば高負荷運転が行われたときに、空燃比センサから離脱する(剥がされる)ことがあり、その場合には、応答性の低下は一時的であり、応答性が回復する可能性がある。
これに対し、従来の制御装置では、内燃機関の負荷及び回転数に基づいて推定された空燃比センサの煤付着量が所定量以上のときに、空燃比センサの応答性が悪化するおそれがあると判定するにすぎず、この判定を精度良く行うことができない。また、上記のように、煤の堆積による応答性の低下が一時的で、その後に回復する可能性があるにもかかわらず、煤付着量が所定量以上のときには、応答性が悪化するおそれがあるとして、煤除去制御が無駄に実行されてしまう。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、煤の堆積による一時的な応答性の低下に起因する誤判定を回避しながら、空燃比センサの応答劣化を精度良く判定することができる空燃比センサの劣化判定装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、排気通路5に設けられ、内燃機関3の排ガスの空燃比を検出する空燃比センサ(実施形態における(以下、本項において同じ)AFセンサ23)の応答劣化を判定する空燃比センサの劣化判定装置であって、排ガスの空燃比が変化するときの空燃比センサの出力の変化状態に基づき、空燃比センサの応答劣化を判定する応答劣化判定手段(ECU2、図3のステップ2、図4)と、内燃機関3の運転中、所定のサイクルごとに、排ガス中の煤が空燃比センサに付着する付着状態、又は付着した煤が空燃比センサから離脱する離脱状態のいずれの状態にあるかを表す付着/離脱状態パラメータ(増減符号値ctSign)と、空燃比センサに対する煤の付着又は離脱への影響度合を表す付着/離脱度合パラメータ(煤排出量カウンタ値ctSoot、排気温度カウンタ値ctTemp、凝縮水補正係数kDewdet、HC補正係数kHC)を算出する付着/離脱パラメータ算出手段(ECU2、図6のステップ21~23、25、26)と、所定のサイクルごとに、算出された付着/離脱状態パラメータ及び付着/離脱度合パラメータを用いて、空燃比センサへの煤の堆積増減量を表す煤堆積増減パラメータ(煤堆積増減カウンタ値ctLAFAct)を算出する煤堆積増減パラメータ算出手段(ECU2、図5のステップ13、図6)と、所定のサイクルごとに、算出された煤堆積増減パラメータを積算することによって、空燃比センサへの現在の煤の堆積量を表す煤堆積判定パラメータ(煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtl)を算出する煤堆積判定パラメータ算出手段(ECU2、図5のステップ14)と、応答劣化判定手段による空燃比センサの応答劣化の判定が完了した場合において、算出された煤堆積判定パラメータで表される煤堆積量が所定量(所定値ctREF)よりも大きいとき(図3のステップ4:NO)に、応答劣化の判定を保留する判定保留手段(ECU2、図3のステップ4、5)と、を備えることを特徴とする。
この空燃比センサの劣化判定装置によれば、排ガスの空燃比が変化するときに得られた空燃比センサの出力の実際の変化状態に基づき、空燃比センサの応答劣化が判定される。また、この判定結果を許可/保留するための煤堆積判定パラメータが、以下のように算出される。すなわち、内燃機関の運転中、所定のサイクルごとに、まず、空燃比センサに対する煤の付着又は離脱状態を表す付着/離脱状態パラメータと、空燃比センサに対する煤の付着又は離脱への影響度合を表す付着/離脱度合パラメータを算出する。また、所定のサイクルごとに、これらの付着/離脱状態パラメータ及び付着/離脱度合パラメータを用いて、空燃比センサへの煤の堆積増減量を表す煤堆積増減パラメータを算出するとともに、この煤堆積増減パラメータを積算することによって、空燃比センサへの現在の煤の堆積量を表す煤堆積判定パラメータを算出する。
以上の算出方法により、所定のサイクルごとに、煤の付着又は離脱状態を加味し、空燃比センサに対する煤の付着又は離脱に及ぼす影響度合を反映させながら、空燃比センサへの現在の煤の堆積量を表す煤堆積判定パラメータを常時、精度良く算出することができる。
そして、本発明によれば、空燃比センサの応答劣化の判定の完了時に、そのときの煤堆積判定パラメータで表される煤堆積量が所定量よりも大きいときには、煤の堆積による空燃比センサの一時的な応答性の低下が応答劣化の判定結果に影響を及ぼしているおそれがあるとして、応答劣化の判定を保留する。これにより、応答劣化の誤判定が回避される。一方、煤堆積判定パラメータで表される煤堆積量が所定量以下のときには、誤判定のおそれがないとして、応答劣化の判定を許可する。以上により、煤の堆積による一時的な応答性の低下に起因する誤判定を回避しながら、空燃比センサの応答劣化を精度良く判定することができる。
また、上記の目的を達成するために、請求項2に係る発明は、排気通路5に設けられ、内燃機関3の排ガスの空燃比を検出する空燃比センサ(AFセンサ23)の応答劣化を判定する空燃比センサの劣化判定装置であって、排ガスの空燃比が変化するときの空燃比センサの出力の変化状態に基づき、空燃比センサの応答劣化を判定する応答劣化判定手段(ECU2、図13のステップ35、図4)と、内燃機関3の運転中、所定のサイクルごとに、排ガス中の煤が空燃比センサに付着する付着状態、又は付着した煤が空燃比センサから離脱する離脱状態のいずれの状態にあるかを表す付着/離脱状態パラメータ(増減符号値ctSign)と、空燃比センサに対する煤の付着又は離脱への影響度合を表す付着/離脱度合パラメータ(煤排出量カウンタ値ctSoot、排気温度カウンタ値ctTemp、凝縮水補正係数kDewdet、HC補正係数kHC)を算出する付着/離脱パラメータ算出手段(ECU2、図6のステップ21~23、25、26)と、所定のサイクルごとに、算出された付着/離脱状態パラメータ及び付着/離脱度合パラメータを用いて、空燃比センサへの煤の堆積増減量を表す煤堆積増減パラメータ(煤堆積増減カウンタ値ctLAFAct)を算出する煤堆積増減パラメータ算出手段(ECU2、図5のステップ13、図6)と、所定のサイクルごとに、算出された煤堆積増減パラメータを積算することによって、空燃比センサへの現在の煤の堆積量を表す煤堆積判定パラメータ(煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtl)を算出する煤堆積判定パラメータ算出手段(ECU2、図5のステップ14)と、算出された煤堆積判定パラメータで表される煤堆積量が所定量(所定値ctREF)よりも大きいとき(図13のステップ31:NO)に、応答劣化の判定を禁止する判定禁止手段(ECU2、図13のステップ31、32)と、を備えることを特徴とする。
本発明では、請求項1の場合と同様にして、所定のサイクルごとに、付着/離脱状態パラメータ及び付着/離脱度合パラメータを用いて、空燃比センサへの現在の煤の堆積量を表す煤堆積判定パラメータを算出する。そして、本発明によれば、算出された煤堆積判定パラメータで表される煤堆積量が所定量よりも大きいときには、煤の堆積による空燃比センサの一時的な応答性の低下が応答劣化の判定結果に影響を及ぼすおそれがあるとして、応答劣化の判定を禁止する。これにより、応答劣化の誤判定が回避される。一方、煤堆積判定パラメータで表される煤堆積量が所定量以下のときには、誤判定のおそれがないとして、応答劣化の判定を許可する。以上により、請求項1の場合と同様、煤の堆積による一時的な応答性の低下に起因する誤判定を回避しながら、空燃比センサの応答劣化を精度良く判定することができる。また、請求項1の場合には保留される劣化判定手段による劣化判定を、あらかじめ禁止することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の空燃比センサの劣化判定装置において、付着/離脱状態パラメータ(増減符号値ctSign)は、排ガスの流速が小さいと推定されるときに付着状態を表し、排ガスの流速が大きいと推定されるときに離脱状態を表すように算出されること(図8)を特徴とする。
一般に、排ガスの流速が小さいほど、排ガスと空燃比センサとの接触時間が長いため、排ガス中の煤が空燃比センサに付着しやすいのに対し、排ガスの流速が大きいほど、空燃比センサに付着した煤は、排ガスで吹き飛ばされることで、空燃比センサから離脱しやすい。上記の構成によれば、排ガスの流速に応じ、このような傾向に合致するように、付着/離脱状態パラメータを算出するので、算出した付着/離脱状態パラメータにより、煤の付着状態又は離脱状態を適切に表すことができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載の空燃比センサの劣化判定装置において、内燃機関3の負荷LEを取得する負荷取得手段(アクセル開度センサ25)と、内燃機関3の回転数NEを取得する回転数取得手段(クランク角センサ21)と、をさらに備え、付着/離脱パラメータ算出手段は、付着/離脱度合パラメータとして、取得された内燃機関3の負荷LE及び内燃機関3の回転数NEに基づき、内燃機関3からの煤の排出量による影響度合を表す煤排出量パラメータ(煤排出量カウンタ値ctSoot)を算出すること(図6のステップ21、図7)を特徴とする。
一般に、内燃機関からの煤の排出量は、内燃機関の負荷及び回転数に応じて変化するとともに、空燃比センサに対する煤の付着又は離脱の度合に大きな影響を及ぼす。したがって、このような傾向に合致するように、取得された内燃機関の負荷及び回転数に基づき、内燃機関からの煤の排出量による影響度合を表す煤排出量パラメータを算出し、付着/離脱度合パラメータとすることによって、煤堆積増減パラメータ及び煤堆積判定パラメータの算出をより精度良く行うことができる。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載の空燃比センサの劣化判定装置において、排ガスの温度(排気温度TEX)を取得する排ガス温度取得手段(排気温度センサ24)をさらに備え、付着/離脱パラメータ算出手段は、付着/離脱度合パラメータとして、取得された排ガスの温度による影響度合を表す排気温度パラメータ(排気温度カウンタ値ctTemp)を算出すること(図6のステップ23、図9)を特徴とする。
一般に、排ガスの温度が低いほど、排ガス中の煤は空燃比センサに付着しやすく、排ガスの温度が高いほど、空燃比センサに付着した煤は離脱しやすい。したがって、このような傾向に合致するように、取得された排ガスの温度による影響度合を表す排気温度パラメータを算出し、付着/離脱度合パラメータとすることによって、煤堆積増減パラメータ及び煤堆積判定パラメータの算出をより精度良く行うことができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれかに記載の空燃比センサの劣化判定装置において、内燃機関3の温度TEを取得する機関温度取得手段(水温センサ26)をさらに備え、付着/離脱パラメータ算出手段は、付着/離脱度合パラメータとして、取得された内燃機関3の温度TEに基づき、排ガス中の凝縮水による影響度合を表す凝縮水パラメータ(凝縮水補正係数kDewdet)を算出すること(図6のステップ25、図10)を特徴とする。
一般に、内燃機関の温度が低いほど、排ガス中の水分は凝縮しやすく、凝縮水が多いほど、しやすくなる。したがって、このような傾向に合致するように、取得された内燃機関の温度に基づき、排ガス中の凝縮水による影響度合を表す凝縮水パラメータを算出し、付着/離脱度合パラメータとすることによって、煤堆積増減パラメータ及び煤堆積判定パラメータの算出をより精度良く行うことができる。
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれかに記載の空燃比センサの劣化判定装置において、付着/離脱パラメータ算出手段は、付着/離脱度合パラメータとして、内燃機関のリッチ制御時における排ガス中のHC成分の増加による影響度合を表すHCパラメータ(HC補正係数kHC)を算出すること(図6のステップ26、図11)を特徴とする。
内燃機関のリッチ制御時には、通常制御時と比較して、排ガス中の未燃HC成分が増加するため、空燃比センサへの煤の付着量は多くなる。この構成によれば、内燃機関のリッチ制御時における排ガス中のHC成分の増加による影響度合を表すHCパラメータを算出し、付着/離脱度合パラメータとするので、煤堆積増減パラメータ及び煤堆積判定パラメータの算出をより精度良く行うことができる。
本発明を適用した空燃比センサを含む内燃機関の排気系の構成を、内燃機関とともに概略的に示す図である。 空燃比センサの劣化判定装置を入出力デバイスなどとともに示すブロック図である。 図2のECUで実行される第1実施形態による空燃比センサの劣化判定処理を示すフローチャートである。 劣化判定の手法を説明するための図である。 煤堆積判定カウンタ値の算出処理を示すフローチャートである。 煤堆積増減カウンタ値の算出処理を示すフローチャートである。 煤排出量カウンタ値の算出に用いられるマップである。 増減符号値の算出に用いられるマップである。 排気温度カウンタ値の算出に用いられるマップである。 凝縮水補正係数の算出に用いられるマップである。 HC補正係数の算出に用いられるマップである。 図3の劣化判定処理によって得られる動作例を示すタイミングチャートである。 第2実施形態による図2のECUで実行される空燃比センサの劣化判定処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明を適用した空燃比センサを排気系に備える内燃機関を示している。この内燃機関(ENG)(以下「エンジン」という)3は、例えば、車両(図示せず)に搭載された4気筒のガソリンエンジンである。
エンジン3の各気筒(図示せず)には、吸気通路4及び排気通路5が接続されるとともに、燃料噴射弁6及び点火プラグ7が取り付けられている(図2参照)。燃料噴射弁6は、燃料タンクから供給された燃料を燃焼室(いずれも図示せず)に噴射し、点火プラグ7は、燃焼室内に生成された混合気を点火する。燃料噴射弁6及び点火プラグ7の動作は、ECU(電子制御ユニット)2からの制御信号によって制御され、それにより燃料噴射量及び燃料噴射時期や点火時期が制御される。
エンジン3のクランクシャフト(図示せず)には、クランク角センサ21が設けられている。クランク角センサ21は、クランクシャフトの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号を、所定のクランク角(例えば30度)ごとにECU2に出力する。ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
吸気通路4には、エアフローセンサ22が設けられている。エアフローセンサ22は、吸気通路4を介してエンジン3の気筒に吸入される吸入空気量GAIRを検出し、その検出信号をECU2に出力する。また、吸入空気量GAIRは、気筒から排出される排ガス流量にほぼ等しいことから、ECU2は、吸入空気量GAIRから排ガス流量QEXを算出する。
排気通路5には、上流側から順に、ターボチャージャ(T/C)8のタービン8a、三元触媒(CAT)9及びDPF (Diesel Particulate Filter)10が設けられている。
ターボチャージャ8は、タービン8aが排気エネルギによって回転駆動され、吸気通路4に配置されたコンプレッサ(図示せず)がタービン8aと一体に回転することによって、過給動作を行う。
三元触媒9は、排ガスが理論空燃比に相当するストイキ雰囲気のときに、排ガス中のCO、HC及びNOxの3成分を浄化する。DPF10は、三元触媒9を通過した排ガス中の粒子状物質(PM)を捕捉する。また、粒子状物質の捕捉量が所定量に達したときなどに、粒子状物質を燃焼させる再生運転を行うことによって、DPF10が再生される。
また、排気通路5のタービン8aよりも下流側で三元触媒9の上流側には、AFセンサ(空燃比センサ)23及び排気温度センサ24が設けられている。AFセンサ23は、ジルコニア及び白金電極などで構成された周知のものであり、理論空燃比に対するリッチ領域から極リーン領域までの広範囲な空燃比領域において、排ガス中の酸素濃度を検出し、その検出信号をECU2に出力する。ECU2は、AFセンサ23の検出信号に基づき、三元触媒9に流入する排ガス空燃比を算出する。
排気温度センサ24は、三元触媒9に流入する排ガスの温度(以下「排気温度」という)TEXを検出し、その検出信号をECU2に出力する。
さらに、ECU2には、アクセル開度センサ25から、車両のアクセルペダル(図示せず)の踏込み量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が、水温センサ26から、エンジン3の冷却水の温度(以下「エンジン水温」という)TWを表す検出信号が、それぞれ入力される。
ECU2は、CPU、RAM、ROM、EEPROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、前述した各種のセンサ21~26の検出信号などに応じて、エンジン3の運転状態を判別するとともに、判別した運転状態に応じて、各種の制御を実行する。
この制御には、燃料噴射弁6を介した燃料噴射制御や点火プラグ7を介した点火時期制御などのエンジン制御の他、本実施形態では特に、AFセンサ23の劣化を判定する劣化判定が含まれる。本実施形態では、ECU2は、応答劣化判定手段、付着/離脱パラメータ算出手段、煤堆積増減パラメータ算出手段、煤堆積判定パラメータ算出手段、及び判定保留手段に相当する。
以下、第1実施形態によるAFセンサ23の劣化判定処理について、図3を参照しながら説明する。この劣化判定処理は、排ガス空燃比が変化したときのAFセンサ23の出力の変化状態(推移)に基づき、AFセンサ23の応答劣化を判定するとともに、その判定の完了時におけるAFセンサ23への煤の堆積量を表す煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlに基づき、判定結果を最終的に確定又は保留するものである。本処理は、エンジン3の運転中、所定の周期(例えば10msec)で実行される。
本処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、劣化の判定条件が成立しているか否かを判別する。この判定条件として、排ガス空燃比が安定した状態から他の排ガス空燃比に大きく変化することが必要である。本実施形態では、図4に示すように、エンジン3が所定のクルーズ運転からフューエルカット(F/C)運転に移行したという条件が設定されている。ステップ1の答えがNOのときには、そのまま本処理を終了する。
ステップ1の答えがYESで、判定条件が成立しているときには、ステップ2において、AFセンサ23の劣化判定を実行する。図4に示すように、この劣化判定では、エンジン3がクルーズ運転からフューエルカット運転に移行した後のAFセンサ23のセンサ出力VOを監視する。その結果、同図中に「正常」と示されるように、センサ出力VOの立上がり時間(第1所定値VO1から第2所定値VO2まで変化するのに要した時間)が、所定値(図示せず)よりも小さく、比較的短い場合には、応答性に関し、AFセンサ23が正常であると判定する。
これに対し、「劣化1」と示されるように、センサ出力VOの立上がり時間が所定値以上で、比較的長い場合には、AFセンサ23に応答劣化が発生していると判定する。また、「劣化2」と示されるように、フューエルカット運転の開始時から所定時間TMREFが経過しても、センサ出力VOが第2所定値VO2に到達しない場合にも、AFセンサ23に応答劣化が発生していると判定する。
図3に戻り、ステップ3では、ステップ2による劣化判定が終了したか否かを判別し、その答えがNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ3の答えがYESで、AFセンサ23の劣化判定が完了したときには、ステップ4に進み、その時点で算出されている煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが所定値ctREF(例えば0)以上であるか否かを判別する。後述するように、この煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlは、その値が小さいほど、AFセンサ23の煤堆積量がより大きいことを表す。
このため、ステップ4の答えがNOで、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが所定値ctREFよりも小さいときには、AFセンサ23の煤堆積量が大きく、AFセンサ23に一時的な応答劣化が発生していることで、誤判定を招くおそれがあるとして、ステップ2で得られた判定結果を許可することなく保留し(ステップ5)、そのことを表すために判定許可フラグF_JDGOKを「0」にセットし、本処理を終了する。
一方、ステップ4の答えがYESで、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが所定値ctREF以上のときには、AFセンサ23の煤堆積量が小さいことで、上述した誤判定が生じるおそれがないとして、ステップ2による判定結果を許可し(ステップ6)、そのことを表すために判定許可フラグF_JDGOKを「1」にセットし、本処理を終了する。
次に、上記の煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlの算出処理について、図5~図11を参照しながら説明する。図5のメインフローでは、まずステップ11において、今回の処理サイクルでイグニッション・スイッチ(図示せず)がオンされたか否かを判別する。この答えがYESで、エンジン3の運転が開始された直後のときには、前回の運転終了時にECU2のEEPROMに記憶された煤堆積判定カウンタ値の最終値ctLAFTtlLSTを、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlの今回の初期値として設定する(ステップ12)。
このステップ12の後、又はステップ11の答えがNOのときには、ステップ13に進み、煤堆積増減カウンタ値ctLAFActを算出する。後述するように、この煤堆積増減カウンタ値ctLAFActは、今回の処理サイクルにおけるAFセンサ23への煤の堆積増減量を表す。
次に、ステップ14に進み、それまでに得られている煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlに、ステップ13で算出された煤堆積増減カウンタ値ctLAFActを加算することによって、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlの今回値を算出し、本処理を終了する。
図6は、上記の煤堆積増減カウンタ値ctLAFActの算出処理を示す。本処理では、まずステップ21において、煤排出量カウンタ値ctSootを算出する。この煤排出量カウンタ値ctSootは、エンジン3から排出される煤の排出量を表すものであり、エンジン負荷LE及びエンジン回転数NEに応じ、図7のマップを検索することによって、算出される。なお、エンジン負荷LEは、アクセル開度AP及びエンジン回転数NEに基づいて算出される負荷を、全負荷に対する百分率(%)で表したものである。
図7のマップでは、エンジン3からの煤の排出量の傾向に基づき、煤排出量カウンタ値ctSootは、エンジン負荷LEに対しては、50%付近の中負荷領域で最も大きくなり、エンジン回転数NEに対しては、2000rpm付近の中回転領域で最も大きくなるように設定されている。
次に、ステップ22において、エンジン負荷LE及びエンジン回転数NEに応じ、図8のマップを検索することによって、増減符号値ctSignを算出する。この増減符号値ctSignは、AFセンサ23に煤が付着する付着状態のときに負値(-1)に設定され、付着した煤が空燃比センサ23から離脱する離脱状態のときに正値(+1)に設定されるものである。
図8のマップでは、増減符号値ctSignは、中高負荷及び中高回転領域では、排ガスの流速が大きいと推定し、排ガスとAFセンサ23との接触時間が短いため、離脱状態にあるとして正値に設定され、低負荷及び低回転転領域では、排ガスの流速が小さいと推定し、排ガスとAFセンサ23との接触時間が長いため、付着状態にあるとして負値に設定されている。
次に、ステップ23において、検出された排気温度TEXに応じ、図9のマップを検索することによって、排気温度カウンタ値ctTempを算出する。この排気温度カウンタ値ctTempは、排気温度TEXが煤の付着/離脱に及ぼす影響度合を表すものである。排気温度TEXが高いほど、この影響度合が大きいため、図9のマップでは、排気温度影響カウンタ値ctTempは、400℃以上の高い温度領域において、1.0よりも大きな値に設定されるとともに、排気温度TEXが高いほど、より大きな値に設定されている。
次に、上記のステップ21で算出された煤排出量カウンタ値ctSootに、ステップ22、23で算出された増減符号値ctSign及び排気温度カウンタ値ctTempを乗算することによって、煤堆積増減カウンタ値ctLAFActの基本値ctBaseを算出する(ステップ24)。
次に、ステップ25において、エンジン温度TEに応じ、図10のマップを検索することによって、凝縮水補正係数kDewdetを算出する。この凝縮水補正係数kDewdetは、エンジン3の低温時、排ガス中の水分が凝縮することによる、AFセンサ23への煤の付着度合の増加分を補償するためのものである。このため、図10のマップでは、凝縮水補正係数kDewdetは、エンジン温度TEが60℃以下である低温領域において、1.0よりも大きな値に設定されるとともに、エンジン温度TEが低いほど、より大きな値に設定されている。
なお、エンジン温度TEは、エンジン3を代表する温度であり、本実施形態では、水温センサ26で検出されたエンジン水温TWがそのまま、エンジン温度TEとして用いられている。このエンジン水温TWに代えて、エンジン温度TEとして、例えば他の温度センサで検出された吸気温度やオイル温度を採用してもよく、あるいはエンジン3の始動時からの運転時間に基づく推定値を用いてもよい。
次に、ステップ26において、図11のマップを用いて、HC補正係数kHCを算出する。このHC補正係数kHCは、エンジン3がリッチ制御されたときの排ガス中のHC成分の増加分を補償するためのものである。このため、図11のマップでは、HC補正係数kHCは、エンジン3の通常制御時には値1.0に設定され、リッチ制御時にはより大きな値1.1に設定されている。
最後に、上記のステップ24で算出された基本値ctBaseに、ステップ25、26で算出された凝縮水補正係数kDewdet及びHC補正係数kHCを乗算することによって、煤堆積増減カウンタ値ctLAFActを算出し(ステップ27)、本処理を終了する。
以上の算出方法から、煤堆積増減カウンタ値ctLAFActは、処理サイクルごとのAFセンサ23における煤の堆積量の増減量を表し、AFセンサ23に煤が付着している付着状態で、堆積量が増加すると推定される場合には、負値として算出され、AFセンサ23から煤が離脱している離脱状態で、堆積量が減少すると推定される場合には、正値として算出される。また、前述したように、煤堆積増減カウンタ値ctLAFActは、図5のステップ14において、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlを積算する際に加算項として用いられる。
以上の関係から、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlは、煤の付着状態では減少し、その値が小さいほど、AFセンサ23の煤堆積量がより大きいことを表す。これとは逆に、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlは、煤の離脱状態では増加し、その値が大きいほど、AFセンサ23の煤堆積量がより小さいことを表す。
次に、図12を参照しながら、これまでに説明したAFセンサ23の劣化判定処理によって得られる動作例について説明する。この例では、時点t0~時点t1では、排気流速が小さいため、煤の付着状態であると推定して、増減符号値ctSignが-1に設定され、それに応じて、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが値0から減少している。また、時点t1以後は、排気流速が大きくなり、煤の離脱状態であると推定して、増減符号値ctSignが+1に設定され、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが増加している。
この状態で、時点t2において、フューエルカット運転に移行するのに伴い、AFセンサ23の劣化判定(図3のステップ2)が実行されるとともに、その劣化判定の完了時に(時点t3)、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが所定値ctREF(=0)と比較される(ステップ4)。この場合には、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが0よりも小さいため(ステップ4:NO)、AFセンサ23の煤堆積量が大きいとして、AFセンサ23の劣化判定が保留され、判定許可フラグF_JDGOKは「0」に維持される。
その後、排気流速が減少し、増加するのに伴い、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlは、時点t4から減少し、時点t5から増加する。そして、時点t6においてフューエルカット運転に移行するのに伴い、AFセンサ23の劣化判定が実行される。この場合には、劣化判定の完了時(時点t7)において、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが0よりも大きいため(ステップ4:YES)、AFセンサ23の煤堆積量が小さいとして、AFセンサ23の劣化判定が許可され、判定許可フラグF_JDGOKは「1」にセットされる。
以上のように、本実施形態によれば、エンジン3がクルーズ運転からフューエルカット運転に移行した後に排ガスの空燃比が変化するときのAFセンサ23の出力の実際の変化状態に基づき、AFセンサ23の応答劣化を判定する(図4)。また、エンジン3の運転中、所定の周期で、AFセンサ23に対する煤の付着又は離脱状態を表す付着/離脱状態パラメータ(増減符号値ctSign)と、AFセンサ23に対する煤の付着又は離脱への影響度合を表す付着/離脱度合パラメータ(煤排出量カウンタ値ctSootなど)を算出する。
また、これらの付着/離脱状態パラメータ及び付着/離脱度合パラメータを用い、AFセンサ23への煤の堆積増減量を表す煤堆積増減パラメータとして、煤堆積増減カウンタ値ctLAFActを算出するとともに、これを積算することによって、AFセンサ23への現在の煤の堆積量を表す煤堆積判定パラメータとして、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlを算出する。
以上の算出方法により、所定の周期で、AFセンサ23に対する煤の付着又は離脱状態を加味し、煤の付着又は離脱に及ぼす影響度合を反映させながら、AFセンサ23への現在の煤の堆積量を表す煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlを常時、精度良く算出することができる。
そして、AFセンサ23の応答劣化の判定の完了時において、そのときの煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが所定値ctREFよりも小さいとき、すなわち堆積判定カウンタ値ctLAFTtlによって表される煤堆積量が、所定値ctREFに相当する所定量よりも大きいときには、煤の堆積による空燃比センサの一時的な応答性の低下が応答劣化の判定結果に影響を及ぼしているおそれがあるとして、応答劣化の判定を保留する。これにより、応答劣化の誤判定が回避される。
一方、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが所定値ctREF以上のとき、すなわち煤堆積量が所定量よりも大きいときには、煤よりも煤堆積判定パラメータで表される煤堆積量が所定量以下のときには、誤判定のおそれがないとして、応答劣化の判定を許可する。以上により、煤の堆積による一時的な応答性の低下に起因する誤判定を回避しながら、AFセンサ23の応答劣化を精度良く判定することができる。
また、付着/離脱状態パラメータとしての増減符号値ctSignを、図8のマップにより、エンジン負荷LE及びエンジン回転数NEに基づき、排ガスの流速が大きいと推定されるときに、煤の離脱状態を表す正値に設定し、排ガスの流速が小さいと推定されるときに、煤の付着状態を表す負値に設定する。これにより、増減符号値ctSignを、煤の付着状態又は離脱状態を適切に表すように算出でき、したがって、増減符号値ctSignを用いた煤堆積増減カウンタ値ctLAFAct及び煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlの算出を、より精度良く行うことができる。
また、付着/離脱度合パラメータとして、煤排出量カウンタ値ctSootを、図7のマップにより、エンジン負荷LE及びエンジン回転数NEに応じて算出し、排気温度カウンタ値ctTempを、図9のマップにより、排気温度TEXに応じて算出し、凝縮水補正係数kDewdetを、図10のマップにより、エンジン温度TEに応じて算出し、HC補正係数kHCを、図11により、エンジン3の運転モードに応じて算出する。
以上により、これらの付着/離脱度合パラメータを、AFセンサ23に対する煤の付着/離脱への影響度合を適切に表すように算出でき、したがって、これらの付着/離脱度合パラメータを用いた煤堆積増減カウンタ値ctLAFAct及び煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlの算出を、より精度良く行うことができる。
次に、図13を参照しながら、本発明の第2実施形態によるAFセンサ23の劣化判定処理について説明する。前述した第1実施形態(図3)では、AFセンサ23の劣化判定を先に実行し、それと並行して算出される煤堆積判定パラメータに応じて、AFセンサ23の劣化判定を保留するのに対し、本実施形態では、煤堆積判定パラメータを先に算出し、その算出結果に応じて、AFセンサ23の劣化判定を禁止するものである。
具体的には、まずステップ31において、図3のステップ4と同様、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが、所定値ctREF以上であるか否かを判別する。煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlは、図5~図11の処理及びマップを用いて、第1実施形態と同様に算出される。
ステップ31の答えがNOで、ctLAFTtl<ctREFが成立するときには、AFセンサ23の煤堆積量が大きく、AFセンサ23に一時的な応答劣化が発生していることで、誤判定を招くおそれがあるとして、AFセンサ23の劣化判定を禁止し(ステップ32)、そのことを表すために判定許可フラグF_JDGOK2を「0」にセットし、本処理を終了する。
一方、ステップ31の答えがYESで、ctLAFTtl≧ctREFが成立するときには、AFセンサ23の煤堆積量が小さいことで、上述した誤判定が生じるおそれがないとして、AFセンサ23の劣化判定を許可し(ステップ33)、そのことを表すために判定許可フラグF_JDGOK2を「1」にセットする。次いで、AFセンサ23の劣化判定の条件が成立しているか否かを判別し(ステップ34)、その成立に応じて、AFセンサ23の劣化判定を実行する(ステップ35)。その劣化判定は、図4に示した手法により、第1実施形態と同様に行われる。
以上のように、本実施形態によれば、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが所定値ctREFよりも小さいときに、煤の堆積によるAFセンサ23の一時的な応答性の低下が応答劣化の判定結果に影響を及ぼすおそれがあるとして、AFセンサ23の劣化判定を禁止する一方、煤堆積判定カウンタ値ctLAFTtlが所定値ctREF以上のときに、AFセンサ23の劣化判定を許可する。これにより、第1実施形態と同様、煤の堆積による一時的な応答性の低下に起因する誤判定を回避しながら、AFセンサ23の応答劣化を精度良く判定することができる。また、第1実施形態では保留されるAFセンサ23の劣化判定を、あらかじめ禁止することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、付着/離脱状態パラメータとしての増減符号値ctSignは、エンジン負荷LE及びエンジン回転数NEに基づき、排ガスの流速を想定して算出されているが、これに限らず、煤の付着状態又は離脱状態に相関する他の適当なパラメータ、例えば排ガスの流量を用いてもよい。
また、実施形態では、付着/離脱度合パラメータとして、エンジン負荷LE及びエンジン回転数NEに応じた煤排出量カウンタ値ctSoot、排気温度TEXに応じた排気温度カウンタ値ctTemp、エンジン温度TEに応じた凝縮水補正係数kDewdet、及びエンジン3の運転モードに応じたHC補正係数kHCを算出しているが、AFセンサ23に対する煤の付着又は離脱への影響度合を表す限り、これらとともに又はこれらに代えて、他の適当なパラメータを採用することができる。さらに、同じ付着/離脱度合パラメータを算出するために、実施形態と異なるパラメータを用いることが可能である。
また、実施形態は、空燃比センサとして、ジルコニア及び白金電極などで構成されたAFセンサを用いた例であるが、これに限らず、排ガスの空燃比を検出できるものであればよく、例えば、チタニア型酸素濃度センサなどを用いてもよい。
さらに、実施形態は、本発明をガソリンエンジンに適用した例であるが、本発明の劣化判定装置は、これに限らず、各種の内燃機関、例えばディーゼルエンジンに適用してもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
2 ECU(応答劣化判定手段、付着/離脱パラメータ算出手段、煤堆積増減パラメ ータ算出手段、煤堆積判定パラメータ算出手段、判定保留手段、判定禁止手段)
3 内燃機関
5 排気通路
21 クランク角センサ(回転数取得手段)
23 AFセンサ(空燃比センサ)
24 排気温度センサ(排ガス温度取得手段)
25 アクセル開度センサ(負荷取得手段)
26 水温センサ(機関温度取得手段)
ctSign 増減符号値(付着/離脱状態パラメータ)
ctSoot 煤排出量カウンタ値(付着/離脱度合パラメータ)
ctTemp 排気温度カウンタ値(付着/離脱度合パラメータ)
kDewdet 凝縮水補正係数(付着/離脱度合パラメータ)
kHC HC補正係数(付着/離脱度合パラメータ)
ctLAFAct 煤堆積増減カウンタ値(煤堆積増減パラメータ)
ctLAFTtl 煤堆積判定カウンタ値(煤堆積判定パラメータ)
ctREF 所定値
LE エンジン負荷(内燃機関の負荷)
NE エンジン回転数(内燃機関の回転数)
TEX 排気温度(排ガスの温度)
TE 内燃機関の温度

Claims (7)

  1. 排気通路に設けられ、内燃機関の排ガスの空燃比を検出する空燃比センサの応答劣化を判定する空燃比センサの劣化判定装置であって、
    排ガスの空燃比が変化するときの前記空燃比センサの出力の変化状態に基づき、当該空燃比センサの応答劣化を判定する応答劣化判定手段と、
    前記内燃機関の運転中、所定のサイクルごとに、排ガス中の煤が前記空燃比センサに付着する付着状態、又は当該付着した煤が前記空燃比センサから離脱する離脱状態のいずれの状態にあるかを表す付着/離脱状態パラメータと、前記空燃比センサに対する煤の付着又は離脱への影響度合を表す付着/離脱度合パラメータを算出する付着/離脱パラメータ算出手段と、
    前記所定のサイクルごとに、前記算出された付着/離脱状態パラメータ及び付着/離脱度合パラメータを用いて、前記空燃比センサへの煤の堆積増減量を表す煤堆積増減パラメータを算出する煤堆積増減パラメータ算出手段と、
    前記所定のサイクルごとに、前記算出された煤堆積増減パラメータを積算することによって、前記空燃比センサへの現在の煤の堆積量を表す煤堆積判定パラメータを算出する煤堆積量パラメータ算出手段と、
    前記応答劣化判定手段による前記空燃比センサの応答劣化の判定が完了した場合において、前記算出された煤堆積判定パラメータで表される煤堆積量が所定量よりも大きいときに、前記応答劣化の判定を保留する判定保留手段と、
    を備えることを特徴とする空燃比センサの劣化判定装置。
  2. 排気通路に設けられ、内燃機関の排ガスの空燃比を検出する空燃比センサの応答劣化を判定する空燃比センサの劣化判定装置であって、
    排ガスの空燃比が変化するときの前記空燃比センサの出力の変化状態に基づき、当該空燃比センサの応答劣化を判定する応答劣化判定手段と、
    前記内燃機関の運転中、所定のサイクルごとに、排ガス中の煤が前記空燃比センサに付着する付着状態、又は当該付着した煤が前記空燃比センサから離脱する離脱状態のいずれの状態にあるかを表す付着/離脱状態パラメータと、前記空燃比センサに対する煤の付着又は離脱への影響度合を表す付着/離脱度合パラメータを算出する付着/離脱パラメータ算出手段と、
    前記所定のサイクルごとに、前記算出された付着/離脱状態パラメータ及び付着/離脱度合パラメータを用いて、前記空燃比センサへの煤の堆積増減量を表す煤堆積増減パラメータを算出する煤堆積増減パラメータ算出手段と、
    前記所定のサイクルごとに、前記算出された煤堆積増減パラメータを積算することによって、前記空燃比センサへの現在の煤の堆積量を表す煤堆積判定パラメータを算出する煤堆積量パラメータ算出手段と、
    前記算出された煤堆積判定パラメータで表される煤堆積量が所定量よりも大きいときに、前記応答劣化判定手段による前記空燃比センサの応答劣化の判定を禁止する判定禁止手段と、
    を備えることを特徴とする空燃比センサの劣化判定装置。
  3. 前記付着/離脱状態パラメータは、排ガスの流速が小さいと推定されるときに前記付着状態を表し、排ガスの流速が大きいと推定されるときに前記離脱状態を表すように算出されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の空燃比センサの劣化判定装置。
  4. 前記内燃機関の負荷を取得する負荷取得手段と、
    前記内燃機関の回転数を取得する回転数取得手段と、をさらに備え、
    前記付着/離脱パラメータ算出手段は、前記付着/離脱度合パラメータとして、前記取得された内燃機関の負荷及び内燃機関の回転数に基づき、前記内燃機関からの煤の排出量による影響度合を表す煤排出量パラメータを算出することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の空燃比センサの劣化判定装置。
  5. 排ガスの温度を取得する排ガス温度取得手段をさらに備え、
    前記付着/離脱パラメータ算出手段は、前記付着/離脱度合パラメータとして、前記取得された排ガスの温度による影響度合を表す排ガス温度パラメータを算出することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の空燃比センサの劣化判定装置。
  6. 前記内燃機関の温度を取得する機関温度取得手段をさらに備え、
    前記付着/離脱パラメータ算出手段は、前記付着/離脱度合パラメータとして、前記取得された内燃機関の温度に基づき、排ガス中の凝縮水による影響度合を表す凝縮水パラメータを算出することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の空燃比センサの劣化判定装置。
  7. 前記付着/離脱パラメータ算出手段は、前記付着/離脱度合パラメータとして、前記内燃機関のリッチ制御時における排ガス中のHC量の増加による影響度合を表すHC量パラメータを算出することを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の空燃比センサの劣化判定装置。
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