JP2014013017A - 空燃比センサ感受性評価装置および気筒間空燃比ばらつき異常検出装置 - Google Patents

空燃比センサ感受性評価装置および気筒間空燃比ばらつき異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の気筒を有する内燃機関において、排気通路の空燃比センサに対してガスガイド部材が設けられているとき、空燃比センサの感受性を評価する。
【解決手段】本発明の一態様の空燃比センサ感受性評価装置は、複数の気筒のうちの所定の対象気筒の燃料噴射量を強制的に所定量変更する燃料噴射量変更制御を実行する燃料噴射量変更制御手段と、この燃料噴射変更制御が実行されているときの空燃比センサ20の出力と、燃料噴射変更制御が実行されていないときの空燃比センサ20の出力とに基づいて、空燃比センサ20の感受性を評価する評価手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の気筒を有する内燃機関の排気通路に設けられた空燃比センサの感受性を評価する空燃比センサ感受性評価装置、および、それを備えた気筒間空燃比ばらつき異常検出装置に関する。
一般に、触媒を利用した排気浄化システムを備える内燃機関では、排気中有害成分の触媒による浄化を高効率で行うため、内燃機関で燃焼される混合気の空気と燃料との混合割合、すなわち空燃比のコントロールが欠かせない。こうした空燃比の制御を行うため、内燃機関の排気通路に空燃比センサを設け、これによって検出された空燃比を所定の目標空燃比に追従させるようフィードバック制御を実施している。
一方、複数の気筒を有する内燃機関つまり所謂多気筒内燃機関においては、通常全気筒に対して同一の制御量を用いて空燃比制御を行うため、空燃比制御を実行したとしても実際の空燃比が気筒間でばらつくことがある。このときばらつきの程度が小さければ、空燃比フィードバック制御で吸収可能であり、また触媒でも排気中有害成分を浄化処理可能なので、排気エミッションに影響を与えず、特に問題とならない。
しかし、例えば一部の気筒の燃料噴射系や吸気バルブの動弁機構が故障するなどして、気筒間の空燃比が大きくばらつくと、排気エミッションを悪化させてしまい、問題となる。このような排気エミッションを悪化させる程の大きな空燃比ばらつきは異常として検出するのが望ましい。
例えば、排気通路に設けられた空燃比センサの出力に基づく検出空燃比変化率を判定用閾値と比較することにより気筒間に空燃比ばらつき異常つまり空燃比インバランスが発生していることを検出することが、従来、提案されている(例えば特許文献1を参照)。
他方、空燃比制御が良好に行われるように、空燃比センサへの排気の流れを制御する部材を設けることが提案されている。例えば、特許文献2は、複数の案内板が傾斜状に設けられた整流板を、排気通路の壁面にO2センサを取付けるための取付ナットに設け、案内板を介し排気がO2センサの感知部に導かれるようにすることを開示する。
国際公開第2011/070688号パンフレット 実開平07−26757号公報
上記したような気筒間の空燃比ばらつき異常の検出性能を高めるためには、空燃比センサに対してガスガイド部材を設けて、空燃比センサの検知部またはセンサ素子への排気の流れを制御することが有効である。しかし、ガスガイド部材のそのような効果を高めるために、ガスガイド部材が空燃比センサの一部を覆うように設けられ、このガスガイド部材と空燃比センサとの間の空間があまり広くされない場合、この空間には、種々の物質が堆積する可能性がある。このように堆積した物質つまりデポジットは、空燃比センサへのガスの流れを阻害し、センサ検出能力つまり感受性の低下をもたらす虞がある。このようにして空燃比センサの感受性が変化したとき、内燃機関がより適切に制御されるように、空燃比センサの感受性の変化に応じた種々の処理が行われることが望まれる。
そこで、本発明は、以上の事情に鑑みて創案され、その目的は、排気通路の空燃比センサに対してガスガイド部材が設けられているとき、空燃比センサの感受性を適切に評価することにある。
本発明の一の態様によれば、複数の気筒を有する内燃機関の排気通路に設けられた空燃比センサであって、該空燃比センサの一部を覆うようにガスガイド部材が設けられた、空燃比センサの感受性を評価する空燃比センサ感受性評価装置であって、複数の気筒のうちの所定の対象気筒の燃料噴射量を強制的に所定量変更する燃料噴射量変更制御を実行する燃料噴射量変更制御手段と、該燃料噴射量変更制御手段により燃料噴射変更制御が実行されているときの空燃比センサの出力と、該燃料噴射変更制御が実行されていないときの該空燃比センサの出力とに基づいて、空燃比センサの感受性を評価する評価手段とを備えた、空燃比センサ感受性評価装置が提供される。
かかる構成によれば、燃料噴射変更制御が実行されているときの空燃比センサの出力と、燃料噴射変更制御が実行されていないときの空燃比センサの出力とに基づいて、空燃比センサの感受性を適切に評価することができる。したがって、ガスガイド部材と空燃比センサとの間の空間におけるデポジットの詰まりにより空燃比センサの感受性が低下した場合に、その感受性の低下をより的確に知ることができる。
好ましくは、評価手段は、燃料噴射量変更制御手段により燃料噴射変更制御が実行されているときの空燃比センサの出力変化を表す値と、燃料噴射変更制御が実行されていないときの空燃比センサの出力変化を表す値とに基づいて該空燃比センサの感受性を評価するとよい。このような空燃比センサの出力変化を表す値を用いることで、空燃比センサの感受性をより適切に評価することができる。
さらに好ましくは、評価手段は、燃料噴射量変更制御手段により燃料噴射変更制御が実行されているときの空燃比センサの出力変化を表す値と、燃料噴射変更制御が実行されていないときの空燃比センサの出力変化を表す値とに基づく値を所定値と比較することで、空燃比センサの感受性が所定レベル以下か否かを判定する判定手段を備えるとよい。これにより、より適切に、空燃比センサの感受性の低下を検知することができる。
さらに、本発明の他の態様は、気筒間空燃比ばらつき異常検出装置を提供する。
この気筒間空燃比ばらつき異常検出装置は、空燃比センサの出力に基づいて気筒間空燃比ばらつき異常を検出する空燃比異常検出手段と、上記空燃比センサ感受性評価装置により空燃比センサの感受性が所定レベル以下と評価されたとき、該空燃比異常検出手段による気筒間空燃比ばらつき異常の検出を禁止する禁止手段とを備えることができる。これにより、空燃比センサの感受性が低下した場合に、気筒間空燃比ばらつき異常の有無が誤検出されることを防ぐことができる。
あるいは、気筒間空燃比ばらつき異常検出装置は、空燃比センサの出力に基づく値と第2所定値とを比較することで気筒間空燃比ばらつき異常を検出する空燃比異常検出手段と、上記空燃比センサ感受性評価装置による評価結果に基づいて、その第2所定値を設定する設定手段とを備えることができる。好ましくは、設定手段は、空燃比センサ感受性評価装置により空燃比センサの感受性が所定レベル以下と評価されたとき、燃料噴射量変更制御手段により燃料噴射変更制御が実行されているときの空燃比センサの出力と、燃料噴射変更制御が実行されていないときの空燃比センサの出力との関係に基づいて、第2所定値を設定するとよい。これにより、空燃比センサの感受性が低下した場合であっても、より好適に、気筒間空燃比ばらつき異常を検出することができる。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関の概略図である。 触媒前センサおよび触媒後センサの出力特性を示すグラフである。 気筒間空燃比ばらつきの程度に応じた排気空燃比の変動例を示すグラフである。 図3のIV部に相当する拡大模式図である。 インバランス割合と出力変動パラメータとの関係を示すグラフである。 気筒間空燃比ばらつき異常の検出用のフローチャートである。 図1の内燃機関の排気系の一部の拡大模式図である。 図7の排気通路に位置づけられた触媒前センサの検出部の拡大模式図であり、カバーを省略した図である。 触媒前センサの、図7のIX−IX線に沿った断面模式図である。 触媒前センサの図9に対応する模式図であり、触媒前センサとカバーとの間の空間にデポジットがあるときの一例としての図である。 触媒前センサの出力変化例を表したグラフである。 第1実施形態のフローチャートである。 第2実施形態のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。まず、第1実施形態が説明される。
図1に本第1実施形態に係る内燃機関を概略的に示す。図示される内燃機関(エンジン)1は自動車に搭載されたV型8気筒火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)である。エンジン1は第1のバンクB1と第2のバンクB2とを有し、第1のバンクB1には奇数番気筒すなわち#1,#3,#5,#7気筒が設けられ、第2のバンクB2には偶数番気筒すなわち#2,#4,#6,#8気筒が設けられている。#1,#3,#5,#7気筒が第1の気筒群をなし、#2,#4,#6,#8気筒が第2の気筒群をなす。
各気筒にインジェクタ(燃料噴射弁)2が設けられる。インジェクタ2は、対応気筒の吸気通路、特に吸気ポート(図示せず)内に向けて燃料を噴射する。また各気筒には、筒内の混合気に点火するための点火プラグ13が設けられる。なお、エンジン1での点火順序は#1、#8、#7、#3、#6、#5、#4、#2気筒の順である。
吸気を導入するための吸気通路7は、前記吸気ポートの他、集合部としてのサージタンク8と、各気筒の吸気ポートおよびサージタンク8を結ぶ複数の吸気マニホールド9と、サージタンク8の上流側の吸気管10などによって区画形成されている。吸気管10には、上流側から順にエアフローメータ11と電子制御式スロットルバルブ12とが設けられている。エアフローメータ11は吸気流量に応じた大きさの信号を出力する。
第1のバンクB1に対して第1の排気通路14Aが設けられ、第2のバンクB2に対して第2の排気通路14Bが設けられる。これら第1および第2の排気通路14A,14Bは下流触媒コンバータ19の上流側で合流されている。この合流位置より上流側の排気系の構成は両バンクで同一なので、ここでは第1のバンクB1側についてのみ説明し、第2のバンクB2側については図中同一符号を付して説明を省略する。
第1の排気通路14Aは、#1,#3,#5,#7の各気筒の排気ポート(図示せず)と、これら排気ポートの排気ガスを集合させる排気マニホールド16と、排気マニホールド16の下流側に設置された排気管17などにより区画形成されている。そして排気管17には上流触媒コンバータ18が設けられている。上流触媒コンバータ18の上流側および下流側(直前および直後)にそれぞれ、排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサである触媒前センサ20および触媒後センサ21が設置されている。このように、一方のバンクに属する複数の気筒(あるいは気筒群)に対して、上流触媒コンバータ18、触媒前センサ20および触媒後センサ21が各一つずつ設けられている。なお、第1および第2の排気通路14A,14Bを合流させないで、これらに個別に下流触媒コンバータ19を設けることも可能である。
エンジン1には各種制御手段(制御装置)および各種検出手段(検出部)などとしての各機能を担う電子制御ユニット(以下ECUと称す)100が設けられている。ECU100は、何れも図示されない、CPUといった中央処理装置、ROMおよびRAMなどの記憶装置、並びに入出力ポート等を含むものである。ECU100には、前述のエアフローメータ11、触媒前センサ20、触媒後センサ21のほか、エンジン1のクランク角を検出するためのクランク角センサ22、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ23、エンジン冷却水の温度を検出するための水温センサ24、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU100は、各種センサの検出値等に基づき、所望の出力が得られるように、インジェクタ2、点火プラグ13、スロットルバルブ12等を制御し、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、スロットル開度等を制御する。
このように、ECU100は、燃料噴射制御手段、点火制御手段、吸入空気量制御手段等のそれぞれの機能を担う。そして、以下の説明から明らかなように、ECU100は、空燃比制御手段、燃料噴射量変更制御手段、評価手段、空燃比異常検出手段、禁止手段の各機能を担う。なお、ここでは、評価手段は、判定手段を含み、ECU100は判定手段の機能も担う。
スロットルバルブ12にはスロットル開度センサ(図示せず)が設けられ、スロットル開度センサからの信号がECU100に送られる。ECU100は、通常、アクセル開度に応じて定まる開度に、スロットルバルブ12の開度(スロットル開度)をフィードバック制御する。
またECU100は、エアフローメータ11からの信号に基づき、単位時間当たりの吸入空気の量すなわち吸入空気量を検出する。そしてECU100は、検出したアクセル開度、スロットル開度および吸入空気量の少なくとも一つに基づき、エンジン1の負荷を検出する。
ECU100は、クランク角センサ22からのクランクパルス信号に基づき、クランク角自体を検出すると共にエンジン1の回転数を検出する。ここで「回転数」とは単位時間当たりの回転数のことをいい、回転速度と同義である。本実施形態では1分間当たりの回転数rpmのことをいう。
そして、ECU100は、通常、吸入空気量およびエンジン回転速度つまりエンジン運転状態に基づいて、予め記憶装置に記憶するデータ等を用いて、燃料噴射量(または燃料噴射時間)を設定する。そして、その燃料噴射量に基づいて、インジェクタ2からの燃料の噴射が制御される。なお、このような通常時の燃料噴射制御による燃料噴射量をここでは通常時燃料噴射量と称し得る。
ところで、触媒前センサ20は所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能である。図2に触媒前センサ20の出力特性を示す。図示するように、触媒前センサ20は、検出した排気空燃比(触媒前空燃比A/Ff)に比例した大きさの電圧信号Vfを出力する。排気空燃比がストイキ(理論空燃比、例えばA/F=14.6)であるときの出力電圧はVreff(例えば約3.3V)である。
他方、触媒後センサ21は所謂O2センサからなり、ストイキを境に出力値が急変する特性を持つ。図2に触媒後センサ21の出力特性を示す。図示するように、排気空燃比(触媒後空燃比A/Fr)がストイキであるときの出力電圧、すなわちストイキ相当値はVrefr(例えば0.45V)である。触媒後センサ21の出力電圧は所定の範囲(例えば0〜1V)内で変化する。概して排気空燃比がストイキよりリーンのとき、触媒後センサの出力電圧Vrはストイキ相当値Vrefrより低くなり、排気空燃比がストイキよりリッチのとき、触媒後センサの出力電圧Vrはストイキ相当値Vrefrより高くなる。
上流触媒コンバータ18および下流触媒コンバータ19はそれぞれ三元触媒からなり、それぞれに流入する排気ガスの空燃比A/Fがストイキ近傍のときに排気中の有害成分であるNOx、HCおよびCOを同時に浄化する。この三者を同時に高効率で浄化できる空燃比の幅(ウィンドウ)は比較的狭い。
そこで、エンジン1の通常運転時、上流触媒コンバータ18に流入する排気の空燃比をストイキ近傍に制御するための空燃比制御(ストイキ制御)がECU100により実行される。この空燃比制御は、触媒前センサ20によって検出された排気空燃比が所定の目標空燃比であるストイキになるように混合気の空燃比(具体的には燃料噴射量)をフィードバック制御する主空燃比制御(主空燃比フィードバック制御)と、触媒後センサ21によって検出された排気空燃比がストイキになるように混合気の空燃比(具体的には燃料噴射量)をフィードバック制御する補助空燃比制御(補助空燃比フィードバック制御)とからなる。具体的には、主空燃比フィードバック制御では、触媒前センサ20の出力に基づいて検出される現状の排気空燃比を所定の目標空燃比に追従させるために、第1補正係数を演算して、この第1補正係数に基づいてインジェクタ2からの燃料噴射量を調整するような制御が実行される。そして、さらに補助空燃比フィードバック制御では、触媒後センサ21の出力に基づいて、第2補正係数を演算し、主空燃比フィードバック制御にて得られた第1補正係数を修正するような制御が実行される。ただし、本実施形態において、上記所定の目標空燃比つまり空燃比の基準値(目標値)はストイキであり、このストイキに相当する燃料噴射量(ストイキ相当量という)が燃料噴射量の基準値(目標値)である。但し、空燃比および燃料噴射量の基準値は他の値とすることもできる。
空燃比制御はバンク単位で若しくはバンク毎に行われる。例えば第1のバンクB1側の触媒前センサ20および触媒後センサ21の検出値は、第1のバンクB1に属する#1,#3,#5,#7気筒の空燃比フィードバック制御にのみ用いられ、第2のバンクB2に属する#2,#4,#6,#8気筒の空燃比フィードバック制御には用いられない。逆も同様である。あたかも独立した直列4気筒エンジンが二つあるように、空燃比制御が実行される。また空燃比制御においては、同一バンクに属する各気筒に対し同一の制御量が一律に用いられる。
さて、例えば全気筒のうちの一部の気筒(特に1気筒)において、インジェクタ2の故障等が発生し、気筒間に空燃比のばらつき(インバランス:imbalance)が発生することがある。例えば第1のバンクB1について、インジェクタ2の閉弁不良により#1気筒の燃料噴射量が他の#3,#5,#7気筒の燃料噴射量よりも多くなり、#1気筒の空燃比が他の#3,#5,#7気筒の空燃比よりも大きくリッチ側にずれる場合である。
このときでも、前述の空燃比フィードバック制御により比較的大きな補正量を与えれば、触媒前センサ20に供給されるトータルガス(合流後の排気ガス)の空燃比をストイキに制御できる場合がある。しかし、気筒別に見ると、#1気筒がストイキより大きくリッチ、#3,#5,#7気筒がストイキよりリーンであり、全体のバランスとしてストイキとなっているに過ぎず、エミッション上好ましくないことは明らかである。そこで、ここでは、かかる気筒間空燃比ばらつき異常を検出する装置(気筒間空燃比ばらつき異常検出装置)が装備されている。
本実施形態では、空燃比センサである触媒前センサ20の出力に基づいて、気筒間空燃比ばらつき異常の検出が行われる。以下に、この検出の原理または思想が、図3から図5に基づいて説明される。ただし、図3および図4は、ある直列4気筒エンジンでの排気空燃比の変化例を表しているが、図3および図4に基づく以下の説明は上記エンジン1の片バンクにおける排気空燃比にも同様に当てはまる。また、図3〜図5に基づく以下の説明でも、上で既に説明された構成要素に相当する構成要素には同じ符号が付される。
図3に示すように、気筒間に空燃比ばらつきが発生すると、1エンジンサイクル(=720°CA)間での排気空燃比の変動が大きくなる。(B)の空燃比線図a、b、cはそれぞれ気筒間空燃比ばらつき無し、1気筒のみ20%のインバランス率でリッチずれ、および1気筒のみ50%のインバランス率でリッチずれの場合の、触媒前センサ20による検出空燃比A/Fの一例を示す。図3に見られるように、気筒間の空燃比ばらつきつまりインバランスの度合いまたは程度が大きくなるほど空燃比変動の振幅が大きくなる。これは、リーンずれの場合でも同様である。
ここでインバランス率(%)とは、気筒間空燃比のばらつき度合いつまりインバランス度合いを表す一つのパラメータである。すなわち、インバランス率とは、全気筒のうちある1気筒のみが燃料噴射量ずれを起こしている場合に、その燃料噴射量ずれを起こしている気筒(インバランス気筒)の燃料噴射量がどれくらいの割合で、燃料噴射量ずれを起こしていない気筒(バランス気筒)の燃料噴射量からずれているかを示す値である。インバランス率をIB、インバランス気筒の燃料噴射量をQib、バランス気筒の燃料噴射量つまり基準燃料噴射量をQsとすると、IB=(Qib−Qs)/Qs×100で表される。インバランス率IBの絶対値が大きいほど、インバランス気筒のバランス気筒に対する燃料噴射量ずれが大きく、気筒間空燃比ばらつきの度合いは大きい。
図3から理解されるように、インバランス率が大きいほど、すなわち気筒間空燃比ばらつきの度合いが大きいほど、触媒前センサ20の出力変動が大きくなる。
よってこの特性を利用し、本実施形態では、触媒前センサ20の出力変動度合いを表す出力変動パラメータXを、気筒間空燃比ばらつきの度合いつまり程度を表すパラメータとして用い、かつ出力変動パラメータXを算出する。
以下に出力変動パラメータXの算出方法を説明する。図4は図3のIV部に相当する拡大図であり、特に1エンジンサイクル内の触媒前センサ出力の変動を簡略的に示す。触媒前センサ出力としては、触媒前センサ20の出力電圧Vfを空燃比A/Fに換算した値を用いる。但し触媒前センサ20の出力電圧Vfを直接用いることも可能である。
図4(B)に示すように、ECU100は、1エンジンサイクル内において、所定のサンプル周期τ(単位時間、例えば4ms)毎に、触媒前センサ出力A/Fの値を取得する。そして今回のタイミング(第2のタイミング)で取得した値A/Fnと、前回のタイミング(第1のタイミング)で取得した値A/Fn−1との差ΔA/Fn(=A/Fn−A/Fn-1)を求める。この差ΔA/Fnは今回のタイミングにおける微分値あるいは傾きと言い換えることができる。
最も単純には、この差ΔA/Fnまたはその大きさ(絶対値)が触媒前センサ出力の変動を表す。変動度合いが大きくなるほど空燃比線図の傾きが大きくなり、差ΔA/Fnの絶対値が大きくなるからである。そこで所定の1タイミングにおける差ΔA/Fnまたはその大きさを出力変動パラメータとすることができる。
ただし、本実施形態では、差ΔA/Fは、以下では、その大きさつまり絶対値とされる。そして、精度向上のため、複数の差ΔA/Fnの平均値を出力変動パラメータとする。特に、本実施形態では、1エンジンサイクルでもよいが、さらにそれよりも多い、複数(例えば50)のエンジンサイクルの間、触媒前センサ20の出力を取得し、各タイミングでの差ΔA/Fnを算出し、その差ΔA/Fの絶対値を積算し、最終積算値をサンプル数で除し、所定エンジンサイクル内の差ΔA/Fnの絶対値の平均値を求める。こうして求められた最終的な平均値が出力変動パラメータXとされる。出力変動パラメータXは、触媒前センサ出力の変動度合いが大きくなるほど大きくなる。
図5には、インバランス率IB(%)と出力変動パラメータXとの関係を示す。図示されるように、インバランス率IBと出力変動パラメータXとの間には強い相関関係があり、インバランス率IBが増加するほど(気筒間空燃比ばらつきの程度が大きくなるほど)パラメータXも増加する。
それ故、出力変動パラメータXに基づいて気筒間空燃比ばらつき、特に所定レベル以上の気筒間空燃比ばらつき(気筒間空燃比ばらつき異常)が生じていることを検出することが可能である。
図6のフローチャートに基づいて、さらに気筒間空燃比ばらつき異常の検出を説明する。ただし、本実施形態では、エンジン1の始動後、停止までの間に、一度のみ、その異常の検出の実行が図られる。しかし、適宜の時期にそれは行われることができ、例えば、エンジン運転時間が所定時間を越える毎に、気筒間空燃比ばらつき異常の検出の実行が図られてもよい。
ステップS601では、気筒間空燃比ばらつき異常の検出を行うための前提条件が成立しているか否かが判定される。ここでは、エンジン運転状態が所定運転状態にあるとき、前提条件が成立していると判定される。具体的には、エンジン回転速度と、エンジン負荷(例えば、吸入空気量、アクセル開度)に基づいて、エンジン運転状態が所定運転状態にあるか否かが判定される。なお、所定運転状態は、ここでは、上記したような、排気の空燃比をストイキ近傍に制御するための空燃比制御つまりストイキ制御が実行される運転状態である。ただし、前提条件には、これに加えてまたはこれに代えて種々の条件が含まれることができる。
ステップS601で肯定判定されると、ステップS603で、既に説明したようにして、触媒前センサ20の出力に基づいて出力変動パラメータXが算出される。そして、ステップS605で、この算出された出力変動パラメータXが所定値以上か否が判定される。所定値(閾値)は、ここでは、図5に表される値αであり、固定値とされている。しかし、この所定値は値α以外でもよく、可変とされてもよい。
ステップS605で否定判定されるとき、この場合は、ある程度以上の気筒間空燃比ばらつきが生じていないので、そのまま該ルーチンは終了する。一方、ステップS605で肯定判定されるとき、この場合は、ある程度以上の気筒間空燃比ばらつきつまり異常が生じていると判定するように、ステップS607で警告フラグがONにされる。これにより、ここでは、運転席のフロントパネルなどに設けられたアラームが点灯される。なお、このようにして気筒間空燃比ばらつき異常が検出されたとき、気筒間空燃比ばらつき異常に応じて、例えば、ステップS603で算出された出力変動パラメータXに基づいて、エンジン1が種々運転されるとよい。
さて、エンジン10では、このような気筒間空燃比ばらつき異常の検出精度または検出性能を高めるように、空燃比センサ20に対してカバー(ガス制御カバー)30が設けられている。図7は、第1のバンクB1側の排気系の部分的な模式図であり、カバー30が設けられている触媒前センサ20を模式的に表す。このカバー30は、空燃比センサ20への排気の流れつまりガス流れを制御するように設けられ、本発明におけるガスガイド部材に相当する。なお、カバー30は、ガスを案内する部分(ガイド部分またはガイド壁部)30aを有する。
図8は、触媒前センサ20の検出部20aつまり排気通路14Aに位置する部分の模式図である。触媒前センサ20は、センサ素子20bと、センサ素子20bを覆うと共に複数の穴20cを有するセンサカバー20dとを含んで構成されている。センサカバー20d内にはセンサ素子20bが収容されていて、センサカバー20dの複数の穴20cを通してセンサ素子20bにガスが到達することができるようになっている。
カバー30は、触媒前センサ20の検出部20aの一部を覆う(つまり囲う)、特にここでは排気の流れ方向(多くの場合、排気通路の軸線方向に対応)において検出部20aの下流側部分を覆うように形づくられて、触媒前センサ20に対して設けられている。カバー30は、カバー30と触媒前センサ20との間に所定の空間またはすき間32を形成するように、触媒前センサ20に対して設けられる。ここでは、カバー30の内表面と触媒前センサ20の外表面との間隔が所定距離になるように、カバー30は触媒前センサ20に対して設けられている。このようにカバー30を設けることで、図9に矢印で示すように、空間32には上流側から排気が流れ込み、カバー30を設けないときに比べて、触媒前センサ20の検出部20aの下流側の圧力を高めることができる。よって、下流側の穴20cから排気が入ることが促され、検出部20aまたはセンサ素子20bへ到達するガス流量が増大する。したがって、触媒前センサ20の感受性が高まり、排気空燃比の変化による触媒前センサ20の出力変化が大きくなり、結果として、上記した気筒間空燃比ばらつき異常の検出精度を高めることができる。
ところで、このようにカバー30を設けることで排気を触媒前センサ20に方向付けて、該センサ20の検出性能または感受性を高めるようにしているが、それ故に、触媒前センサ20とカバー30との間の空間32はさほど広くない。よって、このカバー30と触媒前センサ20との間の空間32には、PM(Particulate Matter)などの種々の物質M1、M2、M3、M4(図10参照)が堆積する可能性がある。このように堆積した物質つまりデポジットは、穴20cまたは空間32を塞ぎ、空燃比センサ20へのガスの流れを阻害し、センサ20における検出能力つまり感受性の低下をもたらす虞がある。そこで、触媒前センサ20の感受性を評価するように評価装置(空燃比センサ感受性評価装置)が設けられている。
図11は、エンジン1と同様の構成のエンジンにおける、片バンクの4つの#1、#3、#5、#7気筒からの排気の空燃比の変化として、触媒前センサ20相当の空燃比センサの出力の変化を表すグラフである。なお、以下の図11に関する説明では、既に説明された構成要素に相当する構成要素に同じ符号を用いる。
図11の線ND1、ND2は空間32にデポジッドがないときの空燃比変化の一例を表す。線ND1は各気筒の燃料噴射量を同じくするように燃料噴射制御を行っているとき(以下、通常時または強制アクティブ制御非実行時)であって、気筒間空燃比ばらつき異常がないときの空燃比変化である。これに対して、線ND2は、ある気筒ここでは#1気筒でのみ燃料噴射量をアクティブにつまり強制的に変更したときであって(以下、強制アクティブ制御実行時)、50%のインバランスを生じさせたときの空燃比変化である。また、線PD1、PD2は空間32にある程度以上のデポジットがあるときの空燃比変化の一例を表す。そして、線PD1は、強制アクティブ非実行時であって、気筒間空燃比ばらつき異常がないときの空燃比変化である。これに対して、線PD2は、強制アクティブ実行時であって、ここでは#1気筒にのみ50%のインバランスを生じさせたときの空燃比変化である。
図11から理解できるように、空燃比センサ20とカバー30との間の空間32にデポジットが有る場合も無い場合も、強制的にインバランスを生じさせたとき、つまり、気筒間空燃比ばらつきの程度を大きくしたとき、空燃比変化は大きくなる。しかし、気筒間空燃比のばらつきの程度が同程度であるとき、空間32におけるデポジットの有無で、空燃比変化に差が生じる。具体的には、空間32にデポジットがあるほど、気筒間空燃比ばらつきの程度が同程度であれば、空燃比変化は小さくなる。したがって、空間32にデポジットがあるほど、気筒間空燃比ばらつきの程度が同程度であれば、空燃比変化を反映した値つまり触媒前センサ20の出力変化を表す値である、上記したように算出される出力変動パラメータXは小さくなる。そこで、これらに着目して、ここでは、以下に図12に基づいて説明されるようにして空間32におけるデポジットの有無、つまり、それの有無に影響される触媒前センサ20の検出能力つまり感受性が評価される。なお、以下では、図12に基づいて、触媒前センサ20の感受性の評価と、それに関連した気筒間空燃比ばらつき異常の検出とが説明される。ただし、本実施形態では、エンジン1の始動後、停止までの間に、気筒間空燃比ばらつき異常の検出と同様に、一度のみ、センサ20の感受性の評価などの実行が図られる。しかし、それは適宜の時期に行われることができ、例えば、エンジン運転時間が所定時間を越える毎にその実行が図られてもよい。
まず、ステップS1201では、前提条件が成立しているか否かが判定される。なお、このステップS1201での判定は、上記ステップS601での判定と同じであるので、ここでの再度の説明は省略される。
ステップS1201で肯定判定されると、ステップS1203に進む。ステップS1203では、各気筒の燃料噴射量を同じくするように燃料噴射制御を行っているとき、つまり通常時または強制アクティブ制御非実行時の、触媒前センサ20の出力に基づいて、触媒前センサ20の出力変化を表す値である出力変動パラメータX1が算出される。この出力変動パラメータX1の算出は上記したようにして行われる。
次ぐ、ステップS1205では、#1気筒の燃料噴射量のみをアクティブにつまり強制的に所定量(例えばインバランス率で50%相当量)、増量変更させて、そのときの、つまり強制アクティブ制御実行時の、触媒前センサ20の出力に基づいて、出力変動パラメータX2が算出される。このパラメータX2の算出も、それ自体は、上記したように行われる。ただし、ここでは、強制アクティブ制御により所定の対象気筒である#1気筒の燃料噴射量が強制的に所定量増量変更されるが、本発明では燃料減の燃料噴射量変更制御も許容されるので、その燃料噴射量が減量変更されてもよい。また、強制アクティブ制御により上記通常時燃料噴射量に対して強制的に燃料量を変えられる所定の対象気筒は、1つの気筒であることに限定されず、複数の気筒であってもよいが、好ましくは、全気筒ではない。強制アクティブ制御の実行により、強制アクティブ制御の非実行時に比べて、触媒前センサ20の出力変化をより好適に大きくするためである。また、同じ理由から、強制アクティブ制御により燃料量を変えられる所定の対象気筒は、触媒前センサ20へのガス当たりの強い気筒、つまり、触媒前センサ20の出力に対する排気の影響の強い気筒であるまたはそれを含むとよい。なお、ステップS1203とステップS1205の順番は逆であってもよい。
そして、ステップS1207で、ステップS1205で算出されたパラメータX2とステップS1203で算出されたパラメータX1との比R(=X2/X1)が算出される。次に、算出された比Rは、(判定手段に相当する)ステップS1209で、所定値(閾値)と比較される。具体的には、比Rが所定値以下か否かが判定される。所定値は、図11に基づいて説明されたような、空間32におけるデポジットに着目した、強制アクティブ制御非実行時の触媒前センサ20の出力変化と強制アクティブ制御実行時の触媒前センサ20の出力変化との関係に基づいて、実験により、定められている。
ステップS1209で肯定判定されるときは、センサ20の検出能力つまり感受性が所定レベル以下と評価されたときである。このときは、空間32に所定量以上のデポジットがあるとみなすことができる。このとき、上記した気筒間空燃比ばらつき異常の検出精度は低下する。そこで、この場合、(禁止手段に相当する)ステップS1211で禁止フラグがONにされて、図6に基づいて説明された気筒間空燃比ばらつき異常の検出が禁止される。つまり、本実施形態では、気筒間空燃比ばらつき異常の検出は、触媒前センサにおける検出能力つまり感受性の評価が行われた後、行われるように、プログラムおよびECU100が担う各種手段は構築されまたは関連付けられている。
他方、ステップS1209で否定判定されるとき、ステップS1213で禁止フラグがOFFにされる。したがって、この場合、気筒間空燃比ばらつき異常の検出が実行される。
なお、このように触媒前センサ20の感受性は、強制アクティブ制御非実行時の触媒前センサ20の出力変化を表す値と、強制アクティブ制御実行時の同センサ20の出力変化を表す値とに基づいて、評価される。したがって、エンジン1に気筒間空燃比ばらつき異常が生じている場合であっても、適切に、センサ20の感受性を評価することができる。
なお、上記したように算出される比Rは、センサ20の感受性を表す値であり、センサ20の感受性を評価する値である。したがって、上記ステップS1307は、評価手段に関する。
次に、本発明にかかる第2実施形態について説明する。ただし、第2実施形態に係るエンジンの構成は、上記エンジン1と実質的に同じなので、その重複説明は省略される。ただし、ECU100は、上記禁止手段の機能を有さず、代わりに、後述する説明から明らかなように、設定手段の機能を担う。
以下、第2実施形態における、触媒前センサ20の感受性の評価と、それに関連した気筒間空燃比ばらつき異常の検出とが、図13のフローチャートに基づいて説明される。ただし、ステップS1301〜S1309は、それぞれ上記ステップS1201〜S1209に実質的に対応するので、これらの説明は以下の記載を除いて省略される。
ステップS1301で前提条件が成立しているので肯定判定されると、ステップS1303で強制アクティブ制御非実行時の出力変動パラメータX1が算出されて、次ぐステップS1305で強制アクティブ制御実行時の出力変動パラメータX2が算出される。そして、ステップS1307で、ステップS1305で算出されたパラメータX2とステップS1303で算出されたパラメータX1との比R(=X2/X1)が算出されて、ステップS1309で、算出された比Rが所定値以下か否かが判断される。
ステップS1309で否定判定されるときは、触媒前センサ20の感受性が所定レベル以下でないときである。よって、このときは、図6に基づいて説明されたように、気筒間空燃比ばらつき異常の検出が実行される(許容される)。
これに対して、ステップS1309で肯定判定されたときは、触媒前センサ20の感受性が所定レベル以下と評価されたときであり、空間32にある程度以上のデポジットがあり得る。このようなとき、図11の線PD1と線ND1とを比較することで、または、図11の線PD2と線ND2とを比較することで明らかなように、空間32にデポジットが無いときに比べて、触媒前センサ20の出力振幅の低下が認められる。したがって、このようなときは、空間32にデポジットが無い場合と同じく気筒間空燃比ばらつき異常の検出を実行しても、十分にその異常を検出できない。そこで、本第2実施形態では、気筒間空燃比ばらつき異常検出用の閾値つまり所定値は補正変更される。
ステップS1309で肯定判定されると、ステップS1311で、センサ20の感受性の評価結果に基づいて、気筒間空燃比ばらつき異常判定用閾値つまり所定値は算出されて設定される。具体的には、ステップS1305で算出された比Rに応じて不図示のマップ化されたデータを検索したり、これに加えてまたはこれに変えて所定の演算を行ったりすることで、補正後所定値が算出されて設定される。なお、比Rに基づいて補正値が算出されて、該補正値を用いて固定値(初期値)である所定値(例えば上記値α)が補正されて、補正後所定値が設定されてもよい。ただし、触媒前センサ20の感受性の低下に伴い、補正後所定値が設定されるので、判定ハードルが下がるように、具体的には、図5のグラフにおいて矢印で示すように、補正後所定値は補正前所定値に比べて小さくなるように所定値は補正変更される。
これにより、気筒間空燃比ばらつき異常の検出は、補正後所定値に基づいて実行される。したがって、本第2実施形態によれば、空間32にデポジットがあって、触媒前センサ20の感受性が低下した場合であっても、気筒間空燃比ばらつき異常をより適切に検出することが出来る。
以上、本発明を、上記2つの実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されない。例えば、上記第2実施形態では、触媒前センサ20の感受性が所定レベル以下にまで低下したときのみ、強制アクティブ制御非実行時のセンサ出力と強制アクティブ制御実行時のセンサ出力との関係を表す比Rに基づいて気筒間空燃比ばらつき異常検出用所定値が補正設定された。しかし、触媒前センサ20の感受性がそこまで低下していないときであっても、センサ20の感受性の評価結果、具体的にはそのときの比Rに基づいて気筒間空燃比ばらつき異常検出用所定値が補正設定されてもよい。これにより、気筒間空燃比ばらつき異常をさらにより適切に検出することが可能になる。
また、上記実施形態では、触媒前センサ20の感受性の低下が認められたとき、この結果は気筒間空燃比ばらつき異常の検出に反映されたが、他の制御に活用されてもよい。例えば、空燃比制御、特にストイキ制御にも、触媒前センサ20の感受性の評価結果は反映されてもよい。例えば、触媒前センサ20の感受性の程度に応じて、具体的には比Rに基づいて、補正値が算出され、この補正値が空燃比フィードバック補正に活用されてもよい。
また、上記実施形態では、気筒間空燃比ばらつき異常は、通常のストイキ制御時の空燃比変化に基づいて検出された。しかし、既知の他の方法または演算に基づいて気筒間空燃比ばらつき異常が検出されてもよい。例えば、所定の対象気筒(任意の一気筒または複数気筒)の燃料噴射量を強制的に所定量変更する燃料噴射量変更制御を実行し、そのときの触媒前センサ20の出力に基づいて出力変動パラメータXを算出し、これに基づいて気筒間空燃比ばらつき異常の検出が実行されてもよい。
なお、本発明は、種々の形式の少なくとも2つの気筒つまり複数気筒を有する多気筒エンジンに適用され得、ポート噴射形式のエンジンのみならず、筒内噴射形式のエンジン、ガスを燃料として用いるエンジンなどにも適用され得る。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。
1 内燃機関(エンジン)
2 インジェクタ
11 エアフローメータ
12 スロットルバルブ
13 点火プラグ
18 上流触媒コンバータ
20 触媒前センサ(空燃比センサ)
22 クランク角センサ
23 アクセル開度センサ
30 カバー(ガスガイド部材)
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (6)

  1. 複数の気筒を有する内燃機関の排気通路に設けられた空燃比センサであって、該空燃比センサの一部を覆うようにガスガイド部材が設けられた、空燃比センサの感受性を評価する空燃比センサ感受性評価装置であって、
    前記複数の気筒のうちの所定の対象気筒の燃料噴射量を強制的に所定量変更する燃料噴射量変更制御を実行する燃料噴射量変更制御手段と、
    該燃料噴射量変更制御手段により前記燃料噴射変更制御が実行されているときの前記空燃比センサの出力と、該燃料噴射変更制御が実行されていないときの該空燃比センサの出力とに基づいて、該空燃比センサの感受性を評価する評価手段と
    を備えた、空燃比センサ感受性評価装置。
  2. 前記評価手段は、前記燃料噴射量変更制御手段により前記燃料噴射変更制御が実行されているときの前記空燃比センサの出力変化を表す値と、該燃料噴射変更制御が実行されていないときの該空燃比センサの出力変化を表す値とに基づいて該空燃比センサの感受性を評価する、請求項1に記載の空燃比センサ感受性評価装置。
  3. 前記評価手段は、前記燃料噴射量変更制御手段により前記燃料噴射変更制御が実行されているときの前記空燃比センサの出力変化を表す値と、該燃料噴射変更制御が実行されていないときの該空燃比センサの出力変化を表す値とに基づく値を所定値と比較することで、空燃比センサの感受性が所定レベル以下か否かを判定する判定手段を備える、請求項1または2に記載の空燃比センサ感受性評価装置。
  4. 前記空燃比センサの出力に基づいて気筒間空燃比ばらつき異常を検出する空燃比異常検出手段と、
    請求項3に記載の空燃比センサ感受性評価装置により前記空燃比センサの感受性が所定レベル以下と評価されたとき、該空燃比異常検出手段による気筒間空燃比ばらつき異常の検出を禁止する禁止手段と
    を備えた、気筒間空燃比ばらつき異常検出装置。
  5. 前記空燃比センサの出力に基づく値と第2所定値とを比較することで気筒間空燃比ばらつき異常を検出する空燃比異常検出手段と、
    請求項1から3のいずれかに記載の空燃比センサ感受性評価装置による評価結果に基づいて、前記第2所定値を設定する設定手段と
    を備えた、気筒間空燃比ばらつき異常検出装置。
  6. 前記設定手段は、前記空燃比センサ感受性評価装置により前記空燃比センサの感受性が所定レベル以下と評価されたとき、前記燃料噴射量変更制御手段により前記燃料噴射変更制御が実行されているときの前記空燃比センサの出力と、該燃料噴射変更制御が実行されていないときの該空燃比センサの出力との関係に基づいて、前記第2所定値を設定する、請求項5に記載の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置。
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