JPH1077897A - 空燃比センサの劣化診断装置 - Google Patents

空燃比センサの劣化診断装置

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JPH1077897A
JPH1077897A JP8230143A JP23014396A JPH1077897A JP H1077897 A JPH1077897 A JP H1077897A JP 8230143 A JP8230143 A JP 8230143A JP 23014396 A JP23014396 A JP 23014396A JP H1077897 A JPH1077897 A JP H1077897A
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air
fuel ratio
ratio sensor
deterioration
time
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JP8230143A
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Tatsuji Miyata
達司 宮田
Ikurou Nozu
育朗 野津
Akira Sonoda
晃 園田
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UD Trucks Corp
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UD Trucks Corp
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広域空燃比センサの出力特性の変化から経時
劣化を診断する。 【解決手段】 排気シャッタが作動し燃料カットが行わ
れ、かつ、空燃比センサ周囲の雰囲気圧力が基準圧力以
上の高圧・高酸素状態のときに(S1〜4)、空燃比セ
ンサの出力電圧Vpが基準しきい値以下になるまでの時
間を計測し(S6〜8)、計測途中に劣化判定時間TMEM
〔秒〕が経過したときには(S7)、カウンタkをデク
リメントし(S10〜12)、劣化判定時間TMEM〔秒〕が経
過する前に出力電圧Vpが基準しきい値以下になったと
きには、カウンタkをインクリメントする(S13)。そ
して、カウンタkが所定回数未満の場合には劣化フラグ
をOFFにし(S14)、一方、カウンタkが所定回数以
上の場合には劣化フラグをONにすると共に、警告灯の
点灯及び劣化状況の記憶を行う(S15,16)。空燃比制
御を行う場合には、劣化フラグを参照して空燃比制御を
行う処理を決定する(S17〜19)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空燃比センサの劣
化診断装置に関し、特に、広域空燃比センサの出力特性
から経時劣化を判定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、エンジン制御システムの故障
や経時劣化等による排気性状の低下を防止することを目
的として、制御システムに故障はないか、或いは、経時
劣化していないかを自己診断し、運転者や整備者にこの
情報を報知するシステムの必要性が増している。このた
め、センサやアクチュエータの診断機能を充実させ、経
時劣化を補う補正機能や劣化判定を確実に行う必要があ
り、例えば、特開平4−112939号公報及び特開平
4−112941号公報等に開示されるように、三元触
媒を使用したガソリンエンジンでは、触媒の前後に酸素
センサ(空燃比センサ)を配置し、夫々のセンシング結
果に基づき空燃比制御の精度を向上させる技術が案出さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、三元触
媒を使用せずに空燃比を希薄化することで排気性状の向
上を図るリーンバーンエンジン等のシステムでは、広範
な空燃比の検出が可能な広域空燃比センサを使用して機
関運転状態に適合した空燃比に制御するため、空燃比を
理論空燃比(14.7)に制御する従来技術のような判
断処理を行うことができない。
【0004】また、排気通路に複数の広域空燃比センサ
を配設し、冗長性を持たせて多数決等により処理するこ
とも考えられるが、広域空燃比センサが高価であるため
あまり実用的な手法ではない。そこで、本発明は以上の
ような従来の問題点に鑑み、広域空燃比センサの出力特
性の変化から経時劣化を判定し、空燃比制御を適正に行
えるか否かを診断する空燃比センサの劣化診断装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、図1に示すように、機関の排気通路に介装さ
れ排気中の酸素濃度に基づき広範な空燃比を検出する空
燃比センサAと、該空燃比センサAの下流側の排気通路
に介装された排気シャッタの開閉により機関の排気圧力
上昇による内部抵抗を増大して制動力を生み出す排気ブ
レーキBと、該排気ブレーキBの作動状態を検出する作
動状態検出手段Cと、前記空燃比センサA周囲の雰囲気
圧力を検出する圧力検出手段Dと、前記作動状態検出手
段Cにより排気ブレーキBが作動中であると検出され、
かつ、前記圧力検出手段Dにより検出された雰囲気圧力
が所定の基準圧力以上であるときに、前記空燃比センサ
Aの出力信号をモニタして出力値が所定の基準しきい値
以下になるまでの時間を計測する時間計測手段Eと、該
時間計測手段Eにより計測された時間に基づき前記空燃
比センサの劣化の有無を判定する劣化判定手段Fと、を
含んで構成した。
【0006】このようにすれば、排気ブレーキが作動中
であり、かつ、空燃比センサ周囲の雰囲気圧力が所定の
基準圧力以上である高圧・高酸素状態のときに、空燃比
センサの出力値が所定の基準しきい値以下になるまでの
時間が計測され、この計測された時間に基づき空燃比セ
ンサの劣化の有無が判定される。請求項2記載の発明
は、前記時間計測手段は、前記計測条件に加え、空燃比
センサからの出力信号に基づき排気中の酸素濃度が所定
値以上になったときに、その後空燃比センサの出力値が
所定の基準しきい値以下になるまでの時間を計測するよ
うにした。
【0007】このようにすれば、時間計測手段による計
測条件がより厳密になり、空燃比センサの劣化判定精度
が向上する。請求項3記載の発明は、前記劣化判定手段
は、前記時間計測手段により計測された時間が所定の劣
化判定時間未満であるときに、前記空燃比センサに劣化
が生じていると判定するようにした。
【0008】このようにすれば、時間計測手段により計
測された時間が所定の劣化判定時間未満のときに、空燃
比センサに劣化が生じていると判定される。請求項4記
載の発明は、前記劣化判定手段は、前記時間計測手段に
より計測された時間が所定の劣化判定時間未満であった
回数を計数する計数手段を含み、該計数手段により計数
された回数が所定回数以上になったときに、前記空燃比
センサに劣化が生じていると判定するようにした。
【0009】このようにすれば、計数手段により計数さ
れた回数が所定回数以上になったときに初めて、空燃比
センサに劣化が生じていると判定される。請求項5記載
の発明は、前記計数手段は、前記時間計測手段により計
測された時間が所定の劣化判定時間以上になったとき
に、計数される回数を0以上の範囲で1減算する減算手
段を含んで構成した。
【0010】このようにすれば、空燃比センサに劣化が
生じていない場合であって、例えば、ノイズ等により計
測時間の誤検出が行われても、その後の計測時間の検出
が正常であれば、誤検出によって計数された回数が減算
される。請求項6記載の発明は、前記計数手段は、前記
時間計測手段により計測された時間が所定の劣化判定時
間以上になったときに、計数される回数をリセットする
リセット手段を含んで構成した。
【0011】このようにすれば、空燃比センサに劣化が
生じていない場合であって、例えば、ノイズ等により計
測時間の誤検出が行われても、その後の計測時間の検出
が正常であれば、計数された回数が全てリセットされ
る。請求項7記載の発明は、前記劣化判定手段により空
燃比センサに劣化が生じていると判定されたときに、前
記空燃比センサが劣化していることを報知する報知手段
を含んで構成した。
【0012】このようにすれば、運転者や整備者が空燃
比センサに劣化が生じていることを容易に知ることがで
きる。請求項8記載の発明は、前記劣化判定手段により
空燃比センサに劣化が生じていると判定されたときに、
前記空燃比センサが劣化していることを記憶する劣化記
憶手段を含んで構成した。
【0013】このようにすれば、内燃機関の整備を行う
際に、劣化記憶手段に記憶されている空燃比センサの劣
化情報を参照することで、整備性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付された図面を参照して
本発明を詳述する。図2は、本発明に係る空燃比センサ
の劣化診断装置を備えた圧縮天然ガス(以下「CNG」
という)エンジンの一実施形態を示している。CNGエ
ンジン(以下「エンジン」という)1には、図示しない
エアクリーナ、ミキサ2及びスロットル弁3が介装され
た吸気通路4を通って空気が流入する。このミキサ2に
は、吸気通路面積を絞ることで負圧を発生させるベンチ
ュリ2aと、デューティ制御されるフィードバックソレ
ノイドにより駆動制御される燃料噴射ソレノイド弁2b
とが設けられている。そして、ボンベ5に気体で貯蔵さ
れているCNGが、ボンベ5から押し出され、燃料パイ
プ6a及び燃料遮断弁7を経てレギュレータ8に供給さ
れる。レギュレータ8に供給されたCNGは、エンジン
冷却水で加熱され略大気圧のガスとなり、燃料パイプ6
b及び燃料遮断弁9を経て、ミキサ2を通過する吸入空
気流量に応じたベンチュリ負圧により吸引され、吸入空
気と混合してエンジン1に供給される。
【0015】また、吸気通路4には、スロットル弁3を
バイパスするバイパス通路10が形成されており、ここ
に介装されるアイドル制御弁11によりアイドル時の吸
入空気流量が調整される。一方、排気通路12には、そ
の上流側から、排気圧Peを検出する排気圧センサ13
(圧力検出手段)、排気中の酸素濃度に基づき広範な空
燃比λを検出する広域空燃比センサ14(以下「空燃比
センサ」といい、詳細は後述する)、排気通路12を閉
じることでエンジン1の内部抵抗を増大して制動効果を
奏する排気ブレーキを構成する排気シャッタ15が介装
されている。この排気シャッタ15はエアシリンダ16
によって開閉駆動され、このエアシリンダ16には後述
するコントロールユニット17からの駆動信号により駆
動される排気ブレーキバルブ18を介して図示しないエ
アリザーバタンクからエアが供給される。
【0016】空燃比センサ14の劣化診断及び空燃比制
御を行うためのその他のセンサとしては、エンジン1の
図示しないクランクシャフトに取り付けられ機関回転と
同期してクランク単位角信号を出力するクランク角セン
サ19、シリンダブロック20のウォータジャケット部
20aに設けられ冷却水温度Twを検出する冷却水温度
センサ21、スロットル弁3に付設されスロットル弁3
の開度θを検出する開度センサ22、排気シャッタ15
に付設され排気シャッタ15の作動時(排気通路12が
閉じられたとき)にONとなる排気シャッタスイッチ2
3(作動状態検出手段)、等が設けられており、これら
の出力がCPU17a、ROM17b、RAM17c、
入力インターフェース17d、出力インターフェース1
7e及び内部バス17fを含んで構成されるコントロー
ルユニット17に入力される。なお、コントロールユニ
ット17は、クランク角センサ19から出力されるクラ
ンク単位角信号をカウントして、機関回転速度Neを算
出すると共に、時間計測手段、劣化判定手段、計数手
段、減算手段、リセット手段及び劣化記憶手段としての
機能を有している。
【0017】さらに、コントロールユニット17には、
イグニッションスイッチ24のON/OFF信号が入力
されると共に、バッテリ25から電源電圧が印加され
る。なお、以上説明しなかった符号26は、空気とCN
Gの混合気に火花点火を行う点火栓、符号27は、スロ
ットル弁3の開閉を行う負圧を駆動源とするダイアフラ
ム弁、符号28は、ダイアフラム弁27に駆動源として
のスロットル弁3下流の吸入負圧を供給する負圧導入
路、符号29は、負圧導入路28に介装されたダイアフ
ラム弁27への供給負圧の調整を行うソレノイド弁、符
号30は、運転席のダッシュボード内に設けられた空燃
比センサ14の劣化を報知する警告灯(報知手段)であ
る。
【0018】次に、本実施形態で使用される空燃比セン
サ14の詳細について図3に基づいて説明する。空燃比
センサ14のセンサ素子部の詳細を示す図3において、
空燃比センサ14には、酸素イオン伝導体の固体電解質
としてのジルコニア14aの対向する両端面に、白金か
らなる多孔質の電極14b,14cが夫々設けられてい
る。そして、ジルコニア14aの表裏に酸素濃度差があ
ると、酸素はジルコニア14aの中を拡散して、酸素濃
度の濃い方から薄い方へ移行し平衡状態になろうとする
性質がある。そこで、この性質を利用し、基準気体と被
検出気体(機関排気)との間の酸素分圧差に応じて両電
極間に生じる起電力(出力電圧)を固定抵抗14dの両
端部間の電圧Vpとして検出する。
【0019】ここで、空燃比センサの経時劣化を判定す
る原理を説明する。空燃比センサの内部電流Ipは、排
気中の酸素濃度(空燃比)に比例して増大すると共に、
排気中の酸素分圧とも密接な関係がある。例えば、排気
ブレーキの作動等により排気圧が上昇すると、この排気
圧の上昇に比例して酸素分圧も上昇するので、空燃比セ
ンサの内部電流Ipは大気圧条件下における電流値より
も増大する。この状態で、内部電流Ipを流し続けてい
くと、やがて内部電流Ipが減少し始め、遂には、内部
電流Ipがマイナスとなり逆方向に流れるようになる
(以下、この現象を「内部電流Ipの反転」という)。
【0020】また、空燃比センサの素子部の電極間の抵
抗値は、経時的な変化を起こし徐々に増加する特性があ
るので、空燃比センサの内部電流Ipが反転するまでに
要する時間は、空燃比センサの劣化度と相関がある。即
ち、劣化が進むと電極間の抵抗値が増大し、内部電流I
pが反転するまでに要する時間が短くなる。従って、排
気圧が上昇して空燃比センサの内部電流Ipが増大して
から、内部電流Ipが反転するまでに要する時間を計測
し、この時間と空燃比センサの劣化を判定する基準しき
い値(図4参照)とを比較することで、空燃比センサの
経時劣化を判定することができる。なお、実際の制御で
は、空燃比センサの内部電流Ipの代わりに、検出が容
易な出力電圧Vp(内部電流Ipと出力電圧Vpとは比
例関係にある)を使用する。
【0021】以上説明した空燃比センサの劣化診断及び
空燃比制御は、コントロールユニット17を構成するR
OM17bに記憶されているプログラムによってソフト
ウエア的に実行される。図5は、このプログラムによる
制御内容を示し、所定時間毎に実行されるサブルーチン
形式をなしている。ステップ1(図では、S1と略記す
る。以下同様)では、空燃比センサ14から出力電圧V
p(図3参照)及び排気シャッタスイッチ23から排気
シャッタ15の作動状態を読み込む。
【0022】ステップ2では、空燃比センサ14の出力
電圧Vp及び排気シャッタ15の作動状態からエンジン
1への燃料供給を停止する条件(以下「燃料カット条
件」という)が成立しているか否かを判断し、燃料カッ
ト条件が成立(Yes)していればステップ3へと進
み、燃料カット条件が不成立(No)であればステップ
17へと進む。ここで、燃料カット条件が成立する場合
とは、排気シャッタ15が作動して排気通路12が閉じ
ていて、かつ、出力電圧Vpが所定電圧以上の排気中の
酸素濃度が高い状態をいう。即ち、ステップ1及びステ
ップ2の処理で、エンジン1において混合気の燃焼が行
われていない状態、換言すると、排気通路12に存在す
る排気中の酸素濃度が高くなった高酸素状態を検出して
いる。なお、処理を簡素化するために、燃料カットが行
われることを前提とする排気シャッタ15の作動状態に
基づき燃料カット条件が成立しているか否かを判断して
もよい。
【0023】ステップ3では、排気圧センサ13から排
気圧Peを読み込む。ステップ4では、排気圧Peが所
定の基準圧力以上か否か、即ち、排気圧Peが空燃比セ
ンサ14の経時劣化を判定することができる判定処理開
始レベル以上になったか否かを判断し、判定処理開始レ
ベル以上(Yes)であればステップ5へと進み、判定
処理開始レベル未満(No)であればステップ17へと
進む。即ち、ステップ3及びステップ4の処理で、前述
した空燃比センサの経時劣化の判定を可能にすべく、空
燃比センサ14の出力電流Ipの反転が生じ得る状態か
否かを判断している。
【0024】ステップ5では、タイマーを始動させ、空
燃比センサ14の経時劣化の判定を開始してからの経過
時間の計測を開始する。ステップ6では、空燃比センサ
14から出力電圧Vpを読み込む。ステップ7では、ス
テップ5において始動させたタイマー出力値に基づき、
空燃比センサ14の経時劣化の判定を開始してから所定
のTMEM〔秒〕経過したか否かを判断し、TMEM
〔秒〕経過していれば(Yes)ステップ10へと進
み、TMEM〔秒〕経過していなければ(No)ステッ
プ8へと進む。ここで使用する所定のTMEM〔秒〕と
は、図4に示すように、空燃比センサ14の経時劣化を
判定する劣化判定時間のことをいい、この劣化判定時間
を越えても空燃比センサ14の内部電流Ipの反転が起
こらなければ、空燃比センサ14には経時劣化が生じて
いないとみなすことができる時間に設定される。
【0025】ステップ8では、読み込んだ出力電圧Vp
が、内部電流Ipが反転する基準しきい値以下になった
か否かを判断し、Vp≦基準しきい値(Yes)であれ
ばステップ9へと進み、Vp>基準しきい値(No)で
あればステップ6へと進む。即ち、ステップ6〜ステッ
プ8の処理で、空燃比センサ14の内部電流Ipの反転
が起こるまでの時間を計測すると共に、計測途中に劣化
判定時間が来たときには空燃比センサ14には経時劣化
が生じていないと検出している。ここで、ステップ1〜
ステップ8の処理が時間計測手段及び劣化判定手段の一
部に相当する。なお、出力電圧Vpが基準しきい値以下
になるまでの時間を計測した後、この時間と劣化判定時
間を比較して、空燃比センサ14に経時劣化が生じてい
るか否かを検出するようにしてもよい。
【0026】ステップ9では、空燃比センサ14に経時
劣化が生じていると検出された劣化検出回数を保持する
カウンタkをインクリメントし、その後ステップ13へ
と進む。この処理が、計数手段に相当する。一方、空燃
比センサ14の内部電流Ipの反転が起こる前に劣化判
定時間が来た場合の処理を行うステップ10では、劣化
検出回数を保持するカウンタkをデクリメントする。
【0027】ステップ11では、カウンタkが0未満、
即ち、カウンタkがマイナスになったか否かを判断し、
k<0(Yes)であればステップ12へと進みカウン
タkを0にし、k≧0(No)であればステップ13へ
と進む。即ち、ステップ10〜ステップ12の処理は、
劣化検出回数がマイナスにならない範囲でデクリメント
を行う減算手段に相当する。
【0028】なお、ステップ10〜ステップ12の処理
に代えて、空燃比センサ14の内部電流Ipの反転が起
こる前に劣化判定時間が来た場合には、劣化検出回数を
保持するカウンタkをリセットするようにしてもよい
(リセット手段)。この場合には、1回でも空燃比セン
サ14の経時劣化が検出された場合にはカウンタkがリ
セットされ、最初から空燃比センサ14の経時劣化の判
定が繰り返されるので、経時劣化の判定精度をより向上
することができる。
【0029】ステップ13では、カウンタkが保持する
空燃比センサ14の劣化検出回数が所定回数未満(例え
ば、20回未満)であるか否かを判断し、所定回数未満
(Yes)であればステップ14へと進み、所定回数以
上(No)であればステップ15へと進む。この処理
は、空燃比センサ14の劣化検出回数が数回の場合に
は、例えば、車両が走行する環境から受けるノイズ等に
よる誤検出である可能性があるため、所定の回数だけ劣
化判定が行われたときに初めて空燃比センサ14に経時
劣化が起こったと判定するものである。なお、この処理
が劣化判定手段に相当する。
【0030】ステップ14では、空燃比センサ14に経
時劣化が生じていないので、劣化フラグをOFF(劣化
なし)とし、ステップ17へと進む。ステップ15で
は、空燃比センサ14に経時劣化が生じているので、劣
化フラグをON(劣化あり)とする。ステップ16で
は、空燃比センサ14に劣化が生じていることを運転者
等に報知すべく、運転席のダッシュボード内に設けられ
た警告灯30を点灯すると共に、整備を行う際の便宜を
図るべく、コントロールユニット17のRAM17cに
劣化情報を記憶する。なお、これらの処理が夫々報知手
段、劣化記憶手段に相当する。
【0031】ステップ17では、劣化フラグに基づき空
燃比センサ14に劣化が生じているか否かを判断し、劣
化が生じていなければ(OFF)ステップ18へと進
み、劣化が生じていれば(ON)ステップ19へと進
む。ステップ18では、空燃比センサ14が正常である
ときの空燃比制御を行い、具体的には、空燃比センサ1
4からの出力信号に基づき空燃比が所定値に近づくよう
に、フィードバック制御で燃料供給量を決定する空燃比
フィードバック制御を行う。
【0032】ステップ19では、空燃比センサ14に劣
化が発生しているときの空燃比制御を行い、具体的に
は、吸入空気流量或いは吸入負圧等の機関負荷、及び、
機関回転速度等の機関運転状態に基づき、オープンルー
プ制御で燃料供給量を決定する空燃比オープンループ制
御を行う。このようにすれば、燃料カット条件が成立
し、かつ、空燃比センサ14の下流に設けられた排気ブ
レーキを作動させた高圧・高酸素状態のときに、空燃比
センサ14の出力電圧Vpが増大し、この出力電圧Vp
が反転するまでに要する時間を計測し、この時間と空燃
比センサの劣化を判定する基準しきい値とを比較するこ
とで、空燃比センサ14の経時劣化を判定することがで
きる。
【0033】また、空燃比センサ14に経時劣化が生じ
ていると検出された劣化検出回数が数回の場合には、例
えば、車両が走行する環境から受けるノイズ等により誤
検出が行われた可能性があるが、劣化判定回数が所定回
数以上になったときに初めて、空燃比センサ14に経時
劣化が生じていると判定するようにしているので、ノイ
ズ等に起因する誤検出を防止することができ、空燃比セ
ンサ14の経時劣化診断精度の向上を図ることができ
る。
【0034】さらに、空燃比センサ14に経時劣化が生
じていると判定されたときに、運転席のダッシュボード
内に設けられた警告灯30を点灯すると共に、経時劣化
の発生情報をコントロールユニット17に記憶するよう
にしているので、運転者或いは整備者が、空燃比センサ
14に経時劣化が生じていることを容易に知ることがで
き、整備上の便宜を図ることができる。
【0035】なお、本実施形態では、燃料カット条件の
判断を行う際に、空燃比センサ14の出力電圧Vpに基
づいて排気中の酸素濃度が高い状態を検出しているが、
例えば、スロットル開度θ及び機関回転速度Neに基づ
き燃料カット条件が成立しているか否かを判断するよう
にしてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、排気ブレーキが作動中であり、かつ、空燃
比センサ周囲の雰囲気圧力が所定の基準圧力以上である
高圧・高酸素状態のときに、空燃比センサの出力値が所
定の基準しきい値以下になるまでの時間が計測され、こ
の計測された時間に基づき空燃比センサの劣化の有無を
判定することができる。従って、空燃比制御を行ってい
る制御内容を修正するだけで、コストアップを伴わずに
空燃比センサの経時劣化を診断することができる。
【0037】請求項2記載の発明によれば、時間計測手
段による計測条件がより厳密になるので、例えば、作動
検出手段或いは圧力検出手段が誤検出を行っても、空燃
比センサの出力値が所定の基準しきい値以下になるまで
の時間は計測されず、空燃比センサの劣化判定精度を向
上することができる。請求項3記載の発明によれば、時
間計測手段により計測された時間が所定の劣化判定時間
未満のときに、空燃比センサに劣化が生じていると判定
することができる。
【0038】請求項4記載の発明によれば、計数手段に
より計数された回数が所定回数以上になったときに初め
て、空燃比センサに劣化が生じていると判定されるの
で、例えば、車両が走行する環境から受けるノイズ等に
より誤検出が行われても、その検出回数が少ない場合に
は、空燃比センサに劣化が生じていると判定されず、空
燃比センサの劣化判定精度を向上することができる。
【0039】請求項5記載の発明によれば、空燃比セン
サに劣化が生じていない場合であって、例えば、ノイズ
等により計測時間の誤検出が行われても、その後の計測
時間の検出が正常であれば、誤検出によって計数された
回数が減算されるので、空燃比センサの劣化判定精度を
向上することができる。請求項6記載の発明によれば、
空燃比センサに劣化が生じていない場合であって、例え
ば、ノイズ等により計測時間の誤検出が行われても、そ
の後の計測時間の検出が正常であれば、計数された回数
が全てリセットされるので、空燃比センサの劣化判定精
度を向上することができる。
【0040】請求項7記載の発明によれば、運転者や整
備者が空燃比センサに劣化が生じていることを容易に知
ることができるので、保全性を向上することができる。
請求項8記載の発明によれば、内燃機関の整備を行う際
に、劣化記憶手段に記憶されている空燃比センサの劣化
情報を参照することで、空燃比センサの状態を容易に知
ることができ、整備性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のクレーム対応図
【図2】 本発明に係る空燃比センサの劣化診断装置の
一実施形態を示すシステム図
【図3】 同上のシステムで使用される空燃比センサ素
子部の詳細図
【図4】 同上の空燃比センサの劣化判定原理を説明す
る線図
【図5】 同上の劣化診断装置の制御内容を示すフロー
チャート
【符号の説明】
1 エンジン 12 排気通路 13 排気圧センサ 14 空燃比センサ 15 排気シャッタ 17 コントロールユニット 23 排気シャッタスイッチ 30 警告灯

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関の排気通路に介装され排気中の酸素濃
    度に基づき広範な空燃比を検出する空燃比センサと、該
    空燃比センサの下流側の排気通路に介装された排気シャ
    ッタの開閉により機関の排気圧力上昇による内部抵抗を
    増大して制動力を生み出す排気ブレーキと、該排気ブレ
    ーキの作動状態を検出する作動状態検出手段と、前記空
    燃比センサ周囲の雰囲気圧力を検出する圧力検出手段
    と、前記作動状態検出手段により排気ブレーキが作動中
    であると検出され、かつ、前記圧力検出手段により検出
    された雰囲気圧力が所定の基準圧力以上であるときに、
    前記空燃比センサの出力信号をモニタして出力値が所定
    の基準しきい値以下になるまでの時間を計測する時間計
    測手段と、該時間計測手段により計測された時間に基づ
    き前記空燃比センサの劣化の有無を判定する劣化判定手
    段と、を含んで構成されたことを特徴とする空燃比セン
    サの劣化診断装置。
  2. 【請求項2】前記時間計測手段は、前記計測条件に加
    え、空燃比センサからの出力信号に基づき排気中の酸素
    濃度が所定値以上になったときに、その後空燃比センサ
    の出力値が所定の基準しきい値以下になるまでの時間を
    計測することを特徴とする請求項1記載の空燃比センサ
    の劣化診断装置。
  3. 【請求項3】前記劣化判定手段は、前記時間計測手段に
    より計測された時間が所定の劣化判定時間未満であると
    きに、前記空燃比センサに劣化が生じていると判定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空燃比センサ
    の劣化診断装置。
  4. 【請求項4】前記劣化判定手段は、前記時間計測手段に
    より計測された時間が所定の劣化判定時間未満であった
    回数を計数する計数手段を含み、該計数手段により計数
    された回数が所定回数以上になったときに、前記空燃比
    センサに劣化が生じていると判定することを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の空燃比センサの劣
    化診断装置。
  5. 【請求項5】前記計数手段は、前記時間計測手段により
    計測された時間が所定の劣化判定時間以上になったとき
    に、計数される回数を0以上の範囲で1減算する減算手
    段を含んで構成されたことを特徴とする請求項4記載の
    空燃比センサの劣化診断装置。
  6. 【請求項6】前記計数手段は、前記時間計測手段により
    計測された時間が所定の劣化判定時間以上になったとき
    に、計数される回数をリセットするリセット手段を含ん
    で構成されたことを特徴とする請求項4記載の空燃比セ
    ンサの劣化診断装置。
  7. 【請求項7】前記劣化判定手段により空燃比センサに劣
    化が生じていると判定されたときに、前記空燃比センサ
    が劣化していることを報知する報知手段を含んで構成さ
    れたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記
    載の空燃比センサの劣化診断装置。
  8. 【請求項8】前記劣化判定手段により空燃比センサに劣
    化が生じていると判定されたときに、前記空燃比センサ
    が劣化していることを記憶する劣化記憶手段を含んで構
    成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つ
    に記載の空燃比センサの劣化診断装置。
JP8230143A 1996-08-30 1996-08-30 空燃比センサの劣化診断装置 Pending JPH1077897A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009509080A (ja) * 2005-09-15 2009-03-05 ボルボ ラストバグナー アーベー 排気再循環を行う内燃エンジンのための方法
JP2011106415A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Denso Corp 酸素濃度センサの応答性劣化検出装置
JP2017156164A (ja) * 2016-02-29 2017-09-07 Necソリューションイノベータ株式会社 センサシステム、センサ補正装置、センサ補正方法、及びプログラム
CN113464292A (zh) * 2020-03-30 2021-10-01 本田技研工业株式会社 空燃比传感器的劣化判定装置

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