JP6996739B2 - 弾性クローラ用芯金、及び弾性クローラ - Google Patents
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Description
特許文献1には、芯金に形成されたフック状の張力負担部同士が連結し、駆動輪等とクローラの間に土砂等が詰まってクローラ接地面方向に異常な応力が掛かった場合に連結が外れることを防止する外れ防止突起が形成された弾性クローラ用芯金が開示されている。
特許文献2には、芯金に形成されたピン状の係合軸部とフック状の係合部が連結して、隣り合う芯金同士を連結したゴムクローラが開示されている。
特許文献3には、翼部を上下に分割して翼部内に形成された開放部に、膨出部を具えた連結ピンが嵌まり込んで連結し、隣り合う芯金同士を連結した弾性クローラ用芯金が開示されている。
また、特許文献3のように翼部を上下に分割する構造では芯金同士の連結に手間が掛かり、また翼部の強度が著しく低下するという問題があった。
前記芯金本体は弾性クローラ内においてクローラ周方向で隣り合う前記芯金本体同士が、少なくとも一組の連結部によって連結され、
前記一組の連結部が、前記芯金本体同士の一方において、芯金本体からクローラ周方向に向けて突出するアーム部と、前記アーム部のクローラ周方向端部がクローラ幅方向に膨出した膨出部を有する第一連結部と、
前記芯金本体同士の他方において、前記第一連結部と対応する位置に、前記膨出部を収納する収納部、クローラ内周面側に開き、前記一方の芯金本体の膨出部を前記収納部に対して挿入するときに嵌め込む開口である嵌込部、及び前記嵌込部に連続し、前記膨出部を収納部に収容した状態で前記一方の芯金本体のアーム部がクローラ内周面側と接地面側の間で揺動可能に開口された開放部を有する第二連結部で構成され、
装着された状態の前記ガイド突起は前記開口である嵌込部の上に被さり、前記収容部内の前記膨出部が前記嵌込部から脱出不能になることを特徴とする弾性クローラ用芯金である。
また、ガイド突起は転輪転動部に走行装置の重量が乗り芯金本体に押し付けられるものであり、このガイド突起が、開口である嵌込部からの膨出部の脱出を防止するので、収納部を塞ぐための部材を新たに設ける必要が無い。
収納部6bは、膨出部5bを収容し、図4BのX-X断面である図4Dに示されるように、収納部6bのクローラ幅方向から見た断面形状は、膨出部5bの略半円形の形状部(以下、曲面部5c)を包む略半円形の凹曲面に内表面が形成されている。開放部6cは、クローラ内周側から接地面側(芯金本体1の厚さ方向)にかけた長さを持ち、膨出部5bのクローラ幅方向の幅よりも狭い幅の開口である。開放部6cからは、収納部6b内に収容された膨出部5bが脱出不可能であり、膨出部5bが収納部6bに入ったまま、アーム部5aが開放部6c内をクローラ内周側から接地面側の間で揺動可能である。収納部6bのクローラ接地面側は閉塞しており、アーム部5a及び膨出部5bのいずれもが脱出できない。このため、クローラ周方向の高い張力を芯金本体1同士の連結により支えることができる。
芯金本体1は、上型、下型からなる鋳型に溶湯を流し込んで作成される鋳物であるが、収納部6bとなる空洞は、上下型だけでは作ないため、中子を用いて形成する。上下型が分離され、芯金本体1を取り出す際に中子は崩れ落ちる。
図1に戻り、ガイド突起4は、転輪転動部4a、ガイド壁部4b及び挿入突起4cを有している。挿入突起4cは、芯金本体1側に設けられた挿入孔4dに着脱自在に挿入される。ガイド突起4が芯金本体1側に装着された際には、嵌込部6aの上にガイド突起4が被さる。被さるのは嵌込部6aの一部であり、嵌込部6aのクローラ内周側の空間上に離れたものではあるが、これにより、隣接する芯金本体1の膨出部5bが嵌込部6aから脱出不能になるため、芯金本体1同士の連結が外れることが抑制される。嵌込部6aの全部に被さり、かつ嵌込部6aを規定する周囲の縁にガイド突起4が当接するように被さっても良い。ガイド突起4は転輪転動部4aに走行装置Mの重量が乗り芯金本体1に押し付けられるものである。このガイド突起4が、膨出部5bの脱出を防止するので、収納部6bを塞ぐための部材を新たに設ける必要が無い。
第一実施形態及び第二実施形態のいずれにおいても、芯金本体1同士が強固に連結することが可能となるため、弾性クローラにおいて用いられているスチールコード等の抗張体を省略しても製品上十分な強度を保つができる。尚、強度をさらに高める為に、スチールコード等の抗張体を用いる場合には、抗張体が埋設される芯金厚さ方向の位置は、膨出部5bが収納部6bに収まってアーム部5aが揺動する揺動中心の位置に一致させておくのが良い。この位置からクローラ接地側にズレた芯金厚さ方向の位置では、抗張体が伸張により切断する恐れが増加する。
この場合、ガイド突起は芯金本体1に簡便に着脱が自在な構造であることが重要である。挿入方法が簡便であることは、組立時の作業性において重要であることが明らかであるが、引き抜き方法が簡便であることも、クローラの修理や解体時の作業性において重要である。着脱方法としては、器具による圧入・引き抜きの他、シアノアクリレート系やエポキシ系の合成樹脂系接着剤やハンダ等の金属系接着剤で挿入突起4cを挿入孔4d内に接着し、引き抜き時には熱処理によって接着を外す方法がある。また、挿入突起4cと挿入孔4dをねじ方式や鍵方式の構造にしても良い。
上記実施例において、膨出部5bは、アーム部5aのクローラ周方向端部がクローラ幅方向の両側に膨出した例を示したが、片方の一方側に膨出したもので有っても良い。また、ガイド突起4側に挿入突起4cを設けて芯金本体1側に挿入孔4dを設けたが、ガイド突起4側に挿入孔4dを設けて芯金本体1側に挿入突起4cを設けても良い。
2 翼部
3 係合部
4 ガイド突起
4a 転輪転動部
4b ガイド壁部
4c 挿入突起
4d 挿入孔
5 第一連結部
5a アーム部
5b 膨出部
6 第二連結部
6a 嵌込部
6b 収納部
6c 開放部
7 外れ防止突起
M クローラ走行装置
S 駆動輪
A 従動輪
C 弾性クローラ
Claims (5)
- 弾性クローラ本体にクローラ周方向に一定間隔で配置され、クローラ幅方向に延びる一対の翼部と、該一対の翼部を連結し、クローラ走行装置の駆動輪と係合する係合部とを具えた芯金本体、及びクローラを走行装置から外れないようにガイドするために係合部両脇の翼部内周面側から突出させた一対の着脱自在なガイド突起を有する弾性クローラ用芯金であり、
前記芯金本体は弾性クローラ内においてクローラ周方向で隣り合う前記芯金本体同士が、少なくとも一組の連結部によって連結され、
前記一組の連結部が、前記芯金本体同士の一方において、芯金本体からクローラ周方向に向けて突出するアーム部と、前記アーム部のクローラ周方向端部がクローラ幅方向に膨出した膨出部を有する第一連結部と、
前記芯金本体同士の他方において、前記第一連結部と対応する位置に、前記膨出部を収納する収納部、クローラ内周面側に開き、前記一方の芯金本体の膨出部を前記収納部に対して挿入するときに嵌め込む開口である嵌込部、及び前記嵌込部に連続し、前記膨出部を収納部に収容した状態で前記一方の芯金本体のアーム部がクローラ内周面側と接地面側の間で揺動可能に開口された開放部を有する第二連結部で構成され、
装着された状態の前記ガイド突起は前記開口である嵌込部の上に被さり、前記収容部内の前記膨出部が前記嵌込部から脱出不能になることを特徴とする弾性クローラ用芯金。
- クローラが接地面側に逆反りした場合に第一連結部と第二連結部の連結が外れることを防止する外れ防止突起が、前記着脱自在なガイド突起から前記嵌込部内に突出することを特徴とする、請求項1記載の弾性クローラ用芯金。
- 請求項1または2に記載の弾性クローラ用芯金が、芯金本体同士の一方の第一連結部を他方の第二連結部に嵌め込む連結工程、その後に各々の芯金本体にガイド突起を取り付けるガイド突起取り付け工程によって組み立てられる弾性クローラ用芯金の組立方法。
- 請求項3の組立方法によって組み立てられた請求項1または2に記載の弾性クローラ用芯金が、ゴム弾性体などにより形成される無端状帯体形状の弾性クローラ本体内に、クローラ周方向の一定間隔置きに埋設されていることを特徴とする弾性クローラ。
- 前記膨出部外表面は凸曲面であり、前記収納部内表面は平面帯を挟んで凹曲面となっていることを特徴とする請求項1記載の弾性クローラ用芯金。
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